JP2005206739A - 再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造法及び成形品 - Google Patents

再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造法及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 アントラキノン系染料で着色した発泡性スチレン系樹脂成形品から脱色された再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその成形品を製造する方法を提供する。
【解決手段】 アントラキノン系染料により着色された発泡スチレン系樹脂成形品を粉砕して得られる再生ポリスチレン樹脂粒子を核として、スチレン系単量体を懸濁重合する。ベンゾイルパーオキサイドを重合開始剤として用いる。核の比率は、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対して30重量%以上70重量%以下が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、アントラキノン系染料で着色した発泡スチレン系樹脂成形品からの発泡性スチレン系樹脂の再生に関し、特に、アントレキノン系染料で着色した発泡スチレン系樹脂成形品を使用して製造する再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品に関する。
従来、発泡スチレン系樹脂成形品は、一度使用された後、焼却処分されるか、又は熱収縮されポリスチレンとして回収し再利用されているが、再利用の比率は不十分であり今後、再利用率を上げていくことが、社会的課題とされている。
発泡スチレン系樹脂成形品を収縮塊として回収する技術は、既に完成されており、1999年には日本国内での発泡スチレン系樹脂成形品流通量の約33%が熱収縮塊等として回収されているが、着色した発泡スチレン系成形品は、射出成形による雑貨品への利用に限定されている。このように、現在、着色した発泡スチレン系樹脂成形品の再生利用法は限定されたものであり、その用途の拡大が急がれている。
一方、リサイクルという定義からは、発泡性スチレン系樹脂を発泡成形し、最終的に発泡スチレン系樹脂成形品として使用されたスチレン系樹脂を、ポリスチレンとして他の用途に利用するのではなく、発泡性スチレン系樹脂として再利用することが好ましいと考えられるが、現在のところ、着色した発泡スチレン系樹脂成形品から回収されたスチレン系樹脂を発泡性スチレン系樹脂として工業的に再生されている例は無く、分別回収された無着色の発泡スチレン系樹脂成形品からの再生に限定されている。
本発明の目的は、従来の、分別回収された無着色の発泡性スチレン系樹脂成形品からの再生利用に限定せず、アントラキノン系染料で着色した発泡性スチレン系樹脂成形品から脱色された再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその成形品を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、着色した発泡性スチレン系樹脂成形品から無色の再生発泡性スチレン系樹脂を製造する方法を鋭意研究した結果、アントラキノン系染料で着色された発泡性スチレン系樹脂成形品を粉砕した核を用いて、特定の重合開始剤を用いる製造方法により、脱色された再生発泡性スチレン系樹脂粒子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の再生発泡性スチレン系樹脂粒子、再生発泡スチレン系樹脂成形品等が提供される。
[1]アントラキノン系染料で着色された発泡スチレン系樹脂成形品を核として製造された脱色された再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
[2]核の比率が、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対して30重量%以上70重量%以下である[1]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
[3][1]又は[2]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生スチレン系発泡ビーズ。
[4][3]に記載の再生スチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品。
[5]アントラキノン系染料で着色された発泡スチレン系樹脂成形品を加熱減容した再生樹脂を粉砕して再生ポリスチレン樹脂粒子の核を得、
前記再生ポリスチレン樹脂粒子の核を水性媒体中に懸濁させ、
この懸濁液に予め重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを溶解したスチレン系単量体を加え前記再生ポリスチレン樹脂粒子に含浸させ、
引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行い、
その後、発泡剤を含浸させる再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[6]アントラキノン系染料染料により着色された発泡スチレン系樹脂成形品を粉砕して得られる、[5]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に用いる核。
本発明によれば、アントラキノン系染料によって着色された発泡スチレン系樹脂成形品から、無着色の発泡スチレン系樹脂成形品から再生される再生発泡性スチレン系樹脂粒子、再生発泡成形品とほぼ同等の外観、融着、強度を有する再生発泡性スチレン系樹脂粒子、再生発泡成形品が得られる。
本発明の再生スチレン系樹脂粒子、これを核として重合して得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品について詳しく説明する。
まず、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の重合の際に核として用いられる、再生スチレン系樹脂粒子について説明する。
本発明に用いる再生スチレン系樹脂粒子は、アントラキノン系染料により着色した使用済みの発泡スチレン系樹脂成形品を必要に応じて適宜の大きさに粗粉砕した後、熱収縮、圧縮による気泡破壊収縮、摩擦熱による収縮又は溶融によって作製できる。
また、さらに、この粉砕物を押出成形してペレット化したものも、このペレットをさらに粉砕したものを核として使用してもよい。押出成形することで比重調整及び押出機に設けられたスクリーンにより異物を除去できる。
さらに、本発明では、押出成形の際に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミド、タルク等の無機物を気泡調整剤として混練することができる。この場合、予め粉砕物と気泡調整剤を混合させた後、押出成形される。粉砕物と気泡調整剤の混合は、従来既知の手段で行うことができる。例えば、リボンブレンダー、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等の混合機が使用できる。
本発明におけるスチレン系樹脂の収縮物又は溶融物は、比重調整を目的に熱溶融されることが好ましい。この工程で、再生スチレン系樹脂の比重を0.6以上に調整することが好ましく、0.9以上に調整することがより好ましい。比重が0.6未満では、樹脂粒子の分散が不安定であるため、重合工程中に過大粒子が発生し歩留まりが低下する傾向がある。スチレン系樹脂の熱溶融は、押出機、熱ロール等の従来既知の手段を使用できる。
スチレン系樹脂の熱溶融は、得られた樹脂にひずみが残留しない、又はひずみが小さい状態で冷却固化することすることが重要である。樹脂粒子にひずみが残っていると、重合工程や発泡剤含浸工程でひずみが緩和され、延伸方向に収縮し、得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子は球形とならず扁平状となる恐れがある。
熱溶融工程で樹脂にひずみが残っていても、樹脂の軟化点以上の温度で一定時間養生することでひずみを緩和させることができる。
本発明に用いる粉砕機は、プラスチック用のものが適用できるが、ポリスチレンを目的とした0.3〜3mmの範囲に粉砕可能なものであれば、必ずしも粉砕機に制限されるものではない。
粉砕によって得られた目的以外の大きさの再生スチレン系樹脂粒子は、ふるい分けされ、再度、押出機等による溶融工程に供することができる。
本発明の再生スチレン系樹脂粒子からなる核の平均径は、0.2〜3mmが好ましく、0.4〜1.7mmがより好ましい。再生スチレン系樹脂粒子の大きさが3mmを越えると製品形状が球形になりにくい傾向があり、0.2mm未満では重合を行った後でも粒子径が小さすぎ、再生発泡性スチレン系樹脂粒子としたときの需要が少ない。
本発明に用いる核となる再生スチレン系樹脂粒子は、アントラキノン系染料によって着色されている成形品を加熱減容した再生樹脂を粉砕して得られるものが好ましい。ペリレン系染料によって着色されている成形品を加熱減容した再生樹脂を粉砕して得られる再生スチレン系樹脂粒子は、本発明に用いる重合開始剤と反応せず、脱色しにくい。
また、本発明の再生スチレン系樹脂粒子の製造に用いる核は、アントラキノン系染料によって着色されている成形品のみからでなく、無色の成形品を含んでいてもよい。
次に、このようにして得られた再生スチレン系樹脂粒子を核として用いて、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を重合により製造する方法について説明する。
再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対する核となる再生スチレン系樹脂粒子の比率は、好ましくは30重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重量%以上50重量%以下である。再生スチレン系樹脂粒子の比率が30重量%未満では重合過程で粒子同士が合一し易く、70重量%を越えると十分な強度が得られない恐れがある。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法では、まず、再生スチレン系樹脂粒子を核として水性媒体中に懸濁する。水性媒体中への分散は、通常、攪拌翼を備えた装置を用いて行われ、その条件等に制限はない。また、分散剤と共に分散することが好ましい。
本発明に用いる分散剤は、懸濁重合に用いられるものであれば特に制限はない。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機系分散剤、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等の難溶性無機塩が挙げられる。さらに界面活性剤も用いることができる。この界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合で一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれでも使用できる。これらの分散剤の中では、スチレン系単量体の油滴の安定性から、有機系分散剤を使用することが好ましい。
次に、上記懸濁液に、予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行う。
本発明で使用するスチレン系単量体は、スチレン、及びα−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体の1種又は2種以上、又はこれらと、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、対応するアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、塩化ビニル等その他の重合可能な単量体との組み合わせ等である。また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の架橋剤を使用しても差し支えない。
重合開始剤は溶剤に溶解して加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させてもよい。本発明に用いるこの溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられ、これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用される。
重合反応に用いる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドを用いる。他の重合開始剤では、染料と反応せず脱色効果が薄れる。ただし、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物の1種又は2種以上を併用することができる。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類により異なるが、一般的に単量体に対して0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。また、重合開始剤は、スチレン系単量体又は溶剤に溶解して添加する。この溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられ、これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用される。
さらに、本発明では、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミド等を気泡調整剤として、スチレン系単量体又は前記溶剤に溶解して用いてもよい。
全体の分子量は、重合開始剤の濃度を調整するか、連鎖移動剤を併用するか、又はこれら両方により調整できる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。
水性媒体中に分散された再生スチレン系樹脂粒子からなる核に、スチレン系単量体を含浸させる方法としては、スチレン系単量体を単独で添加する方法と、水性媒体中にスチレン単量体、分散剤等を添加し微細に分散させた分散液として添加する方法がある。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
スチレン系単量体、分散剤等を水性媒体に添加し微細に分散する方法は、通常、撹拌翼を備えた装置を用いて行なわれる。その条件等に制限はないが、より微細に分散する方法としては、ホモミキサーを用いるのが好ましい。このときスチレン系単量体を分散した分散液の油滴径が、核の粒子径以下になるまで分散するのが好ましい。油滴径が核の粒子径よりも大きい状態で水性媒体中に添加されると、スチレン系単量体を分散した分散液の油滴に複数の樹脂粒子が取り込まれ、樹脂粒子の粘着、可塑化、合一が起こり、過大粒子が発生しやすいためである。
スチレン系単量体の添加は、分割して行っても連続的に行ってもよい。また、添加速度は、重合装置の容量、形状、重合温度等によって異なり適宜選択される。また、重合温度は、60〜105℃の範囲が好ましい。
発泡剤の含浸は、重合中又は重合後に発泡剤を容器内に圧入し、通常再生スチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に上げ、樹脂粒子中に含浸させる。発泡剤としては、樹脂粒子を溶かさないか、又は僅かに膨潤させるものが好ましく、具体的にはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素が用いられる。これらの発泡剤は、通常再生スチレン樹脂粒子に対して3〜15重量%使用される。
再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡剤の含浸が完了し、重合系内より排出され、さらに脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆することができる。かかる被覆剤は、従来公知である発泡性スチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、牛脂硬化油、シリコーン類、静電気防止剤等である。
本発明の再生発泡成形品は、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形して製造する。
一般には、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、スチーム等により加熱して所定の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た発泡ビーズを成形金型に充填し再度スチーム等で加熱発泡成形して、発泡成形品を製造する。
本発明の成形品は外観、融着に優れ、強度が高く、食品容器、梱包材、緩衝材等に好適に使用できる。
次に実施例により、本発をさらに詳細に説明する。
実施例1
[再生スチレン系樹脂粒子からなる核の製造]
アントラキノン系染料にて着色した発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業(株)製ハイビーズSSB−TK−BLより得られた成形品)を220℃の熱風で収縮させ、見かけ比重0.8、大きさ500mm×400mm×100mm及び重さ約16kgの収縮物を得た。この収縮物を10mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(ZA−560型粉砕機、株式会社ホーライ商品名)で粗粉砕した。このとき得られた粗粉砕物の最大長さは、おおよそ10mm、嵩比重0.65であった。ついで、ヘンシェルミキサー(三井三池化工製、FM10B)にこの粗粉砕物2000g及び平均粒子径が10μmのタルク(林化成製、ミクロホワイト#5000)20g及びエチレンビスステアリルアミド0.6gを入れ、2000rpmで2分間混合した。
次いで、このタルク及びエチレンビスステアリルアミドで被覆された粗粉砕物をベント付き30mm押出機(T型ダイス、シート幅300mm、シート肉圧1mm)を用いて押出速度とほぼ同じ速度でシートを引きながら溶融押出した。
さらに、冷却固化前に、押出方向に対し水平に、1mm間隔、深さ0.5mmのスリットをロールで設け、冷却固化後、切断機で約10〜15cmに切断した。引き続き、得られたシート状スチレン系樹脂の切断片を、2mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)で細粉砕した。細粉砕物を、0.6〜1.2mmの範囲に篩で分級し再生スチレン系樹脂粒子とした。
この再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は18.5万、比重は0.91であった。
[再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造]
5リットルの耐圧撹拌容器に脱イオン水1900g、上記方法で得られた再生スチレン系樹脂粒子(核)1100g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.09gを仕込んだ。次いで耐圧攪拌容器内を窒素パージし、酸素濃度を0.5〜1体積%とした。その後攪拌しながら75℃に昇温した。
次いで、単量体分散容器に脱イオン水400gとポリビニルアルコール1.3gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド0.2g、ベンゾイルパーオキサイド2.9gを溶解したスチレン単量体200gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて5800rpmで120秒撹拌してスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を容器内に30分かけて添加し、その後60分保温したのち、90℃に昇温した。
その後、スチレン単量体900gを連続的に5時間かけて等速度(3.0g/分)で添加した。この際、耐圧攪拌容器内を窒素パージし酸素濃度を0.5〜1体積%に保った。このときの重合率は90%であった。
次いで、リン酸三カルシウム2.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温して2時間保温した。ついで、100℃まで冷却し、発泡剤としてブタン(i/n比=4/6、重量比以下同じ)180gを2回に分けて圧入して10時間保持して発泡剤の含浸を行った。
室温まで冷却後、発泡剤が含浸された再生発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。次いでこの樹脂粒子を目開き0.6mm〜1.7mmの篩で分級し、得られた樹脂粒子に対しステアリン酸亜鉛0.1重量%、硬化ひまし油0.1重量%を加え表面被覆し再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、50ml/gに予備発泡し、約18時間熟成後、ダイセン工業製発泡スチレン系樹脂成型機VS−300を用い、成形圧力0.08MPaで成形し、成形品(300×50×25mm)を得た。
比較例1
[再生スチレン系樹脂粒子からなる核の製造]
着色されていない発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業(株)製ハイビーズSSB−HXより得られた成形品)を実施例1と同様の方法で再生スチレン系樹脂粒子とした。
この再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は16.9万、比重は0.91であった。
[再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造]
上記方法で得られた再生スチレン系樹脂粒子(核)を用いて実施例1と同様の方法で再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその成形品を得た。
比較例2
[再生スチレン系樹脂粒子からなる核の製造]
ペリレン系染料にて着色した発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業(株)製ハイビーズSSB−TK−VLより得られた成形品)を実施例1と同様の方法で再生スチレン系樹脂粒子とした。
この再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は17.5万、比重は0.91であった。
[再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造]
上記方法で得られた再生スチレン系樹脂粒子(核)を用いて実施例1と同様の方法で再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその成形品を得た。
実施例1及び比較例1〜2で得た再生発泡性スチレン系樹脂粒子の評価結果を表1に示す。表1における特性評価の方法は以下の通りであった。
(1)着色性
発泡性スチレン系樹脂粒子、成形品の着色性は、目視にて判断した。
○:着色していない(新規の粒子又は成形品と同等)。
△:若干着色が見られる。
×:かなり着色している。
(2)表面平滑率
成形品の表面平滑率は、まず成形品の表面に印刷用インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけ、全面積に対する黒色部分の面積を求め、表面平滑率とした。
(3)融着率
成形品を割った際の破断面における、破断したビーズと破断していないビーズの割合で示した。
融着率(%)
=破断したビーズ数/(破断したビーズ数+破断していないビーズ数)
(4)曲げ強度
強度は、密度0.02g/lの発泡成形体(300×50×25mm)のJIS−A−9511に準じた方法で測定した曲げ強度で示した。
Figure 2005206739
表1から明らかなように、本発明によれば、アントラキノン系染料によって着色された成形品より得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子、再生発泡成形品は、無着色の成形品より得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子、再生発泡成形品と同等の外観、融着、強度を有する。
本発明によれば、従来再生利用が困難であったアントラキノン系染料によって着色された発泡スチレン系樹脂成形品から、許容範囲まで脱色された発泡スチレン系樹脂成形品を再生することが可能となる。本発明の成形品は、食品容器、梱包材、緩衝材等に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. アントラキノン系染料で着色された発泡スチレン系樹脂成形品を核として製造された脱色された再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. 前記核の比率が、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対して30重量%以上70重量%以下である請求項1に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生スチレン系発泡ビーズ。
  4. 請求項3に記載の再生スチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品。
  5. アントラキノン系染料で着色された発泡スチレン系樹脂成形品を加熱減容した再生樹脂を粉砕して再生ポリスチレン樹脂粒子の核を得、
    前記再生ポリスチレン樹脂粒子の核を水性媒体中に懸濁させ、
    この懸濁液に予め重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを溶解したスチレン系単量体を加え前記再生ポリスチレン樹脂粒子に含浸させ、
    引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行い、
    その後、発泡剤を含浸させる再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. アントラキノン系染料染料により着色された発泡スチレン系樹脂成形品を粉砕して得られる、請求項5に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に用いる核。
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