JP2005206730A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷や加工を施さなくとも光線カット性を有し、白色度が大きく、かつ、包装容器を落下させても破れることがないので、可視光線で変質し易い食品・飲料等のラベルに利用することができる熱収縮性ポリエステル系フィルム、さらには食品や薬品、飲料の収縮包装材料として用いることができる熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供すること。
【解決手段】主にポリエステル樹脂からなるフィルムであって、全光線透過率が40%以下、少なくとも一方の面の白色度が60%以上であり、落下試験におけるラベル破れ不良率が30%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。

Description

本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは、光線カット性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものである。
最近、包装容器中の内容物の光線からの保護を目的として容器の外装に収縮ラベルを使用するケースが増えている。従来は、光線カット性を有する熱収縮性ポリ塩化ビニル系フィルムが用いられてきたが、使用後に焼却するときに塩素系ガスを発生することがない、他素材で形成された光線カット性の熱収縮性フィルムの要求が強まっている。具体的な光線カット性は内容物によって異なるが、食品・飲料の場合、長波長領域の光線である360〜400nmの波長で内容物の変質や着色等が起こるため長波長領域、特に380〜400nmの光線カット性が重要である。
従来、このような用途に用いるラベル用フィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等からなる熱収縮性フィルムが主として用いられてきた。
特公平7−33063号公報
しかし、ポリ塩化ビニルについては、近年、廃棄時に焼却する際の塩素系ガス発生が問題となり、また、ポリスチレンについては印刷が困難である等の問題があり、最近は熱収縮性ポリエステル系フィルムの利用が注目を集めている。
しかしながら、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは上記の長波長領域の光線をカットするものはなかった。
また、このような熱収縮性ポリエステル系フィルムはペットボトル(以下、PETボトルということがある。)のラベル用として使用されている。PETボトルはリサイクルする場合に、外周に取り付けられているこれらのラベルと分別する必要がある。PETボトルとラベルを分別する方法の一つとして、両者を混合したまま粉砕し、それを水中で攪拌することにより分別する方法がある。この方法を採用する場合にボトルの主原料であるPETは比重が約1.4なので、ラベル用の樹脂はそれ以下にする必要がある。
その方法として、ラベル用のフィルムを形成するポリエステル樹脂そのものの比重を下げることは困難であるため、フィルム内部に空洞を含有させ、見掛け密度を下げる方法が考えられている。
特開平5−111960号公報 特開平11−188817号等
しかし、これらのフィルムは空洞を設けることにより表面の荒れが大きくなり、印刷したラベルの外観が不良となり美観が損なわれたり、白色度が不足し、または全光線透過率が高すぎたため、内容物が透けて見えるといった問題やフィルム両面のバランスが悪く、美観と装着性が両立されていないといった問題があった。また、溶剤や膨潤剤によるフィルム接着ができなかったため、接合部の外観不良や作業性の悪さがある。
また、従来、問題にならなかった可視光線(400〜700nm波長)領域の光線カットの要求が高まってきている。これまでは、従来からある熱収縮白色フィルムのラベル内側に黒色印刷、白色印刷を施して光線カット性を付与してきた。このときの印刷インキの厚みは通常3μm程度であり、重ねて印刷を施す方法で光線遮断を試みているが、品質要因(インキの厚みによる収縮特性の変化等)や納期及びコスト的にも不利であった。
さらに、ラベルを装着した包装容器を落下させたときにラベルが破れると商品価値が低下するが、PETボトル、特に、通常のPETボトル(肉厚約400μm)より薄肉(例えば、肉厚250μm)のPETボトルの場合は、落下させたときのボトルの変形が大きく、装着したラベルのミシン目部分が破れやすいという問題があった。
本発明は、上記従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの有する問題点に鑑み、印刷や加工を施さなくとも光線カット性を有し、白色度が大きく、かつ、包装容器を落下させても破れることがないので、可視光線で変質しやすい食品・飲料等のラベルに利用することができる熱収縮性ポリエステル系フィルム、さらには食品や薬品、飲料の収縮包装材料として用いることができる熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、主にポリエステル樹脂からなるフィルムであって、全光線透過率が40%以下、少なくとも一方の面の白色度が60%以上であり、下記の落下試験におけるラベル破れ不良率が30%以下であることを特徴とする。
落下試験におけるラベル破れ不良率(%):裁断したフィルムの幅方向の端部を重ねてチューブ状に接合加工し、接合部分を間に挟んでその両側にミシン目を施してラベルを形成し、このラベルを、容積500mLの飲料容器用PETボトルに被せ、熱収縮装着後、1mの高さからPETボトル底面が床に当たるように落下させ、ミシン目の穴と穴の間が1カ所以上裂けたボトルの割合
この場合において、95℃の温水中で10秒間処理した温湯収縮率を、主収縮方向において50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下とすることができる。
また、熱収縮性ポリエステル系フィルムの一方の面と他方の面とを溶剤接着性を有するものとすることができる。
また、熱収縮性ポリエステル系フィルムを、微粒子を含有する層とすることができる。
また、熱収縮性ポリエステル系フィルムを、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を含有する層とすることができる。
さらにまた、熱収縮性ポリエステル系フィルムを、3層から形成されてなり、該3層の中間層が空洞を含有するポリエステル系フィルムからなるものとするとすることができる。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムによれば、印刷や加工を施さなくとも光線カット性を有し、白色度が大きく、かつ、包装容器を落下させても破れることがないので、可視光線で変質しやすい食品・飲料等のラベルに利用することができ、また、食品や薬品、飲料の収縮包装材料として用いることができる。
以下、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの実施の形態を説明する。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの全光線透過率が40%以下であり、かつ、少なくとも一方の面の白色度が60%以上であって、ラベルとして外装に用いて容器の落下試験を行ったときの、ラベル破れ不良率が30%以下であることにより上記目標が達成される。ラベル破れ不良率が20%以下であることが好ましく、さらに10%以下であるのが好ましいが、0%であるのが最も好ましい。ラベル破れ不良率が30%を超える場合、包装容器が消費者の手に渡る前の輸送段階において、ラベルを構成するフィルムに多数の破れが発生し、商品価値を損ねるため、好ましくない。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、ポリエステル樹脂と後記微粒子、特に好ましくは酸化チタン及び/又はポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂、特に好ましくは、ポリスチレン樹脂とからなっている。ポリエステル樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とを構成成分とするポリエステルあるいは該ポリエステルとポリエステル系エラストマーとを含有するポリエステル組成物から好ましく使用できる。該ポリエステル組成物において、ポリエステルとポリエステル系エラストマーとの配合割合は、両者合計量に対して、通常、前者が50〜98重量%程度、特に70〜95重量%で、後者が2〜50重量%程度、特に5〜30重量%程度であるのが好適である。
上記ポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等の公知ジカルボン酸の1種又は2種以上を使用すればよい。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチレングリコールエチレンオキサイド付加物等の公知のジオールの1種又は2種以上を使用すればよい。
また、上記ポリエステル系エラストマーは、例えば、高融点結晶性ポリエステルセグメント(Tm200℃以上)と分子量400以上、好ましくは400〜8000の低融点軟質重合体セグメント(Tm80℃以下)からなるポリエステル系ブロック共重合体であり、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリラクトンを低融点軟質重合体セグメントに用いたポリエステル系エラストマーが、特に好ましい。
本発明のフィルム特有の全光線透過率、白色度を達成して、フィルムに光線カット性を付与するためには、例えば、フィルム中に、無機滑剤、有機滑剤等の微粒子をフィルム重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%含有させることが、好適である。該微粒子の含有量が0.1重量%未満の場合は、光線カット性を得ることが困難な傾向にあり、一方20重量%を超えるとフィルム強度が低下して製膜が困難になる傾向にある。
微粒子は、ポリエステル重合前に添加してもよいが、通常は、ポリエステル重合後に添加される。微粒子として添加される無機滑剤としては、例えば、酸化チタン、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、カーボンブラック等の公知の不活性粒子、ポリエステル樹脂の溶融製膜に際して不溶な高融点有機化合物、架橋ポリマー及びポリエステル合成時に使用する金属化合物触媒、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などによってポリエステル製造時に、ポリマー内部に形成される内部粒子であることができる。
フィルム中に含まれる微粒子の平均粒径は、通常、0.001〜3.5μmの範囲である。ここで、微粒子の平均粒径は、コールターカウンター法により、測定したものである。本発明のポリエステルの極限粘度は好ましくは0.50以上、さらに好ましくは0.60以上、特に好ましくは0.65以上である。ポリエステルの極限粘度が0.50未満であると結晶性が高くなり、十分な収縮率が得られなくなり、好ましくない。
本発明において、適度な光線透過率を得るためには、例えば、フィルム内部に微細な空洞を含有させることが好ましい。例えば発泡剤などを混合して押出してもよいが、好ましい方法としてはポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を混合し少なくとも1軸方向に延伸することにより、空洞を得ることである。本発明に用いられるポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂は任意であり、ポリエステルに非相溶性のものであれば特に限定されるものではない。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特に空洞の形成性からポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等のホモポリマーのほか、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、さらにはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂、例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
前記ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂の含有量が、フィルム換算で1.0〜20.0重量%の範囲であることが好適である。
前記ポリエステルと非相溶な熱可塑性樹脂を混合してなる重合体混合物の調整にあたっては、例えば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融混練して押出してもよいし、予め混練機によって両樹脂を混練したものをさらに押出機より溶融押出ししてもよい。また、ポリエステルの重合工程においてポリエステルと非相溶な熱可塑性樹脂を添加し、攪拌分散して得たチップを溶融押出ししても構わない。
本発明のフィルムは内部に多数の空洞を含有する層を中間層Aとし、その層Aの少なくとも一方の面に層Aよりも空洞の少ない層Bを設けることが好ましい。この構成にするためには異なる原料をA、Bそれぞれ押出機に投入、溶融し、T−ダイの前又はダイ内部にて溶融状態で貼り合わせ、冷却ロールに密着固化させた後、少なくとも1方向に延伸することが好ましい。
この場合、層Aの両側の面に層Bを設けることができる。このとき、層Aの一方の層Bの原料は他方の層Bの原料と同一であっても異なっていてもよい。
そして層Bにポリエステルに非相溶な樹脂を配合するときは、層Aより少ないことが好ましい。こうすることにより層Bの空洞が少なく、また表面の荒れが少なくなり、印刷の美観を損なわないフィルムとなる。また、空洞が多数存在しないため、フィルムの腰が弱くならず装着性に優れたフィルムとなる。
また、本発明のフィルムは、必要に応じて、安定剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤を含有するものであってもよい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、JIS−K−7136に準じて測定したフィルムの全光線透過率が40%以下であることが必要である。全光線透過率が40%以上であると、内容物が透けて見えたり、光線カットできずに内容物が劣化したりしていずれも好ましくない。全光線透過率は、30%以下であることが、特に好ましい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、JIS−K−7105に準じて測定したフィルムの白色度(W値)が60%以上であることが必要である。白色度が60%未満であると、内容物が透けて見えたり、光線カットできずに内容物が劣化したりしていずれも好ましくない。白色度は、70%以上であることが、特に好ましい。
本発明のフィルムは、95℃の温水中で10秒処理した温湯収縮率が、主収縮方向において50%以上であり、好ましくは、50〜80%である。温湯収縮率が主収縮方向において50%未満では瓶の細い部分で、ラベルの収縮不足が発生する。一方、温湯収縮率が80%を越えると収縮率が大きいために、収縮トンネル通過中にラベルの飛び上がりが発生する場合があるので、いずれも好ましくない。ここで、主収縮方向とは、フィルムの流れ方向、流れ方向に直角の方向のうち最も収縮した方向を意味する。
また、主収縮方向に直角方向の収縮率が0〜10%であることが好ましい。収縮率が0%未満で伸びる方向になると収縮時に生じたラベルの横シワが消えにくくなる傾向にあり、一方10%を超えるとラベルの縦収縮が大きくなり、使用するフィルム量が多くなり経済的に問題が生ずるので、いずれも好ましくない。
本発明のフィルムのガラス転移点Tgは50〜90℃程度、好ましくは55〜85℃、さらに好ましくは55〜80℃の範囲である。ガラス転移点Tgがこの範囲内にあれば、低温収縮性は十分でかつ自然収縮が大きすぎることがなく、ラベルの仕上りが良好である。
本発明のフィルムは、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、フェノール等のフェノール類、テトラヒドロフラン等のフラン類、1,3−ジオキソラン等のオキソラン類等の有機溶剤による溶剤接着性を有することが好ましい。特に、安全性の面からすれば、1,3−ジオキソランによる溶剤接着性を有することがより好ましい。溶剤接着強度は、4N/15mm以上であることが好ましい。4N/15mm未満では、ラベルを容器に収縮させる際に接合部が剥がれ、好ましくない。
本発明のフィルムの溶剤接着性をさらに向上させるためには、例えば、ポリエステルに低いガラス転移点Tgを示す成分を共重合することが有効である。
以上の特性を満足するために本発明のフィルムは単一の層からなるものでもよいが、好ましい層構成はA/Bからなる2層、B/A/Bからなる3層又はそれ以上の層である。A層とB層の厚み比率はB/A/B=15/70/15から45/10/45が好ましい。A層の厚み比率を10%未満では、可視光線波長カット性が不足し、内容物が透けて見えたり、光線カットできずに内容物が劣化したりしていずれも好ましくない。一方、A層の厚み比率を70%以上では、空洞含有している層の比率が大きくなり、ラベル破れ不良率が高くなり好ましくない。
以下、本発明のフィルムの製造方法を具体的に説明する。
滑剤として無機粒子等を必要に応じて適量含有するポリエステル又は共重合ポリエステルを通常のホッパードライヤー、パドルドライヤー、真空乾燥機等を用いて乾燥した後、200〜320℃の温度で押出しを行う。押出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の方法を使用しても構わない。
押出し後、急冷して未延伸フィルムを得るが、Tダイ法の場合、急冷時にいわゆる静電印加密着法を用いることにより、厚み斑の少ないフィルムを得ることができ好ましい。得られた未延伸フィルムを、最終的に得られるフィルムが本発明の構成要件を満たすように、1軸延伸又は2軸延伸する。
延伸方法としては、ロール縦1軸のみに延伸したり、テンターで横1軸にのみ延伸する方法のほか、公知の2軸延伸に際し縦又は横のいずれか一方向に強く延伸し、他方を若干延伸することも可能であり、必要に応じて再延伸を施してもよい。
上記延伸において、主収縮方向には少なくとも2.0倍以上、好ましくは2.5倍以上延伸し、必要に応じて主収縮方向と直交する方向に延伸し、次いで熱処理を行う。
熱処理は通常、緊張固定下、実施されるが、同時に20%以下の弛緩又は幅出しを行うことも可能である。熱処理方法としては加熱ロールに接触させる方法やテンター内でクリップに把持して行う方法等の既存の方法を行うことも可能である。
前記延伸工程中、延伸前又は延伸後にフィルムの一方の面又は両方の面にコロナ放電処理を施し、フィルムの印刷層及び/又は接着剤層に対する接着剤層等に対する接着性を向上させることも可能である。
また、上記延伸工程中、延伸前又は延伸後にフィルムの一方の面又は両方の面に塗布を施し、フィルムの接着性、離型性、帯電防止性、易滑性等を向上させることも可能である。
本発明のフィルム厚みは好ましくは15〜300μm、さらに好ましくは25〜200μmの範囲である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
(1)全光線透過率
日本電飾工業社製NDH−2000Tを用い、JIS−K−7136に準じ測定した。
(2)白色度
日本電飾工業社製Z−300Aを用い、JIS−K−7105に準じ測定した。
(3)温湯収縮率
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、95±0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間浸漬処理して熱収縮させた後、フィルムの縦及び横方向の寸法を測定し、下式に従い温湯収縮率を求めた。なお、フィルムの流れ方向、流れ方向に直角の方向のうち最も収縮した方向を主収縮方向とした。
温湯収縮率=((収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ)×100(%)
(4)溶剤接着性
1,3−ジオキソランを用いて226mm幅のロールフィルムをセンターシールマシンでチューブ状に接合加工し、該チューブ状体を接合加工時の流れ方向と直交方向に15mm幅に切断してサンプル20個を取り、東洋精機社製のテンシロン(型式:UTL−4L)を用いてチャック間20mm、引張速度200mm/min.でT型剥離試験をし、剥離抵抗力を測定した。
溶剤接着性を以下の基準に基づいて評価した。
剥離抵抗力 4N/15mm以上: ○
剥離抵抗力 2N/15mm以上: △
剥離抵抗力 2N/15mm以上: ×
(5)Tg(ガラス転移点)
セイコー電子工業社製のDSC(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム10mgを、−40℃から120℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、得られた吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした
(6)収縮仕上り性
幅226mmのフィルムロールを幅方向の端部10mmを重ね、1,3−ジオキソランを用いてセンターシールマシンでチューブ状に接合加工して主収縮方向が円周方向となるようにチューブ状にし、さらに切断してラベルを作製した(折り径108mm、ピッチ180mm)。このラベルの接合部分を間に挟んでミシン目(穴0.5mm、間隔2.5mm)を施したラベル50個を取り、500mLの水を充填した胴部高さ180mm、口部直径30mm、胴部直径65mm、容積500mLの飲料容器用PETボトル(胴部の肉厚250μmの薄肉PETボトル)に被せ、スチームシュリンクトンネル(Fuji Astec Inc社製スチームトンネル:型式SH−1500−L)を使用し、通過時間5秒、ゾーン温度80℃で収縮処理を行った。
仕上り性を以下の基準に基づいて評価した。
○:外観欠点がないもの
×:シワ、収縮不足、飛び上がりがあるもの
(7)落下試験
上記(6)で仕上り性評価したPETボトルを1mの高さからボトル底面が床に当たるように落下させ、ラベルのミシン目部分のフィルムの裂け具合を目視にて評価した。ミシン目の穴と穴の間が1カ所以上裂けたものを不良とし、PETボトル10本中の不良本数の割合をラベル破れ不良率(%)とした。
(使用するポリエステル)
下記の表1に示すように、実施例、比較例に用いたポリエステルは以下の通りである。
・ポリエステルa:ポリエチレンテレフタレート(IV 0.75)
・ポリエステルb:テレフタル酸100モル%と、エチレングリコール70モル%、ネオペンチルグリコール28モル%、ジエチレングリコール2モル%とからなるポリエステル(IV 0.72)
・ポリエステルc:ポリブチレンテレフタレート70重量%とポリε−カプロラクトン30重量%とからなるポリエステルエラストマー(還元粘度(ηsp/c)1.30)
・ポリエステルd:ポリブチレンテレフタレート(IV 1.20)
・ポリエステルe:ポリエチレンテレフタレート50重量%と二酸化チタン50重量%とからなるポリエステル原料(大日本インキ化学工業社製、名称:ET55
0SC)
(実施例1)
表2に示すように、中間層Aの原料して、ポリエステルaを7重量%、ポリエステルbを53重量%、ポリエステルdを10重量%、ポリエステルeを20重量%と結晶性ポリスチレン樹脂(G797N 日本ポリスチレン社製)10重量%を混合したポリエステル組成物を、外層B、Bの原料して、ポリエステルaを37重量%、ポリエステルbを53重量%、ポリエステルdを10重量%混合したポリエステル組成物を、それぞれ別々の押出機に投入、混合、溶融したものをフィードブロックで接合し、275℃でTダイから延伸後のB/A/Bの厚み比率が10μm/20μm/10μmとなるように積層しながら溶融押出しし、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得た。該未延伸フィルムを、テンターでフィルム温度72℃で横方向に4.0倍延伸し、厚み40μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
(実施例2)
表2に示すように、中間層Aの原料して、ポリエステルbを65重量%、ポリエステルcを5重量%、ポリエステルeを20重量%と結晶性ポリスチレン樹脂(G797N 日本ポリスチレン社製)10重量%を混合したポリエステル組成物を、外層B、Bの原料して、ポリエステルaを30重量%、ポリエステルbを65重量%、ポリエステルcを5重量%を混合したポリエステル組成物を、それぞれ別々の押出機に投入、混合、溶融したものをフィードブロックで接合し、280℃でTダイから延伸後のB/A/Bの厚み比率が10μm/20μm/10μmとなるように積層しながら溶融押出しし、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得た。該未延伸フィルムを、テンターでフィルム温度75℃で横方向に4.0倍延伸し、厚み40μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
(比較例1、2、3)
表2に示すように、ポリエステル、添加剤配合割合、横延伸条件を変えたこと以外は、実施例1と同様にして厚み40μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
実施例1、2及び比較例1、2、3で得られたフィルムの評価結果を表3に合わせて示す。
Figure 2005206730
Figure 2005206730
Figure 2005206730
表3から明らかなように、実施例1、2で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、いずれも良好な光線カット性を有し、ラベル破れ不良が発生しないものであった。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、高品質で実用性が高く、特に劣化しやすい内容物の包装収縮ラベル用として好適である。
一方、比較例1、2、3で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、光線カット性、収縮仕上り性に劣っていたり、ラベル破れ不良率が高いものであった。このように比較例の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、品質が劣り、実用性の低いものであった。
以上、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、印刷や加工を施さなくとも光線カット性を有し、白色度が大きく、かつ、包装容器を落下させても破れることがないので、可視光線で変質しやすい食品・飲料等のラベルの用途に好適に用いることができるほか、例えば、食品や薬品、飲料の収縮包装材料の用途にも用いることができる。

Claims (6)

  1. 主にポリエステル樹脂からなるフィルムであって、全光線透過率が40%以下、少なくとも一方の面の白色度が60%以上であり、下記の落下試験におけるラベル破れ不良率が30%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
    落下試験におけるラベル破れ不良率(%):裁断したフィルムの幅方向の端部を重ねてチューブ状に接合加工し、接合部分を間に挟んでその両側にミシン目を施してラベルを形成し、このラベルを、容積500mLの飲料容器用ペットボトルに被せ、熱収縮装着後、1mの高さからペットボトル底面が床に当たるように落下させ、ミシン目の穴と穴の間が1カ所以上裂けたボトルの割合
  2. 95℃の温水中で10秒間処理した温湯収縮率が、主収縮方向において50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下であることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 一方の面と他方の面とが溶剤接着性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  4. 微粒子を含有する層を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  5. ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を含有する層を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  6. 熱収縮性ポリエステル系フィルムが、3層から形成されてなり、該3層の中間層が空洞を含有するポリエステル系フィルムからなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
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