JP2005206452A - フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバ - Google Patents

フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバ Download PDF

Info

Publication number
JP2005206452A
JP2005206452A JP2004346434A JP2004346434A JP2005206452A JP 2005206452 A JP2005206452 A JP 2005206452A JP 2004346434 A JP2004346434 A JP 2004346434A JP 2004346434 A JP2004346434 A JP 2004346434A JP 2005206452 A JP2005206452 A JP 2005206452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
fluorine
silica glass
glass body
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004346434A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sasaki
隆 佐々木
Shinji Ishikawa
真二 石川
Toshiki Taru
稔樹 樽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2004346434A priority Critical patent/JP2005206452A/ja
Publication of JP2005206452A publication Critical patent/JP2005206452A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/01205Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments
    • C03B37/01211Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments by inserting one or more rods or tubes into a tube
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/01205Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments
    • C03B37/01225Means for changing or stabilising the shape, e.g. diameter, of tubes or rods in general, e.g. collapsing
    • C03B37/01248Means for changing or stabilising the shape, e.g. diameter, of tubes or rods in general, e.g. collapsing by collapsing without drawing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01446Thermal after-treatment of preforms, e.g. dehydrating, consolidating, sintering
    • C03B37/01453Thermal after-treatment of preforms, e.g. dehydrating, consolidating, sintering for doping the preform with flourine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/08Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant
    • C03B2201/12Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant doped with fluorine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/10Internal structure or shape details
    • C03B2203/22Radial profile of refractive index, composition or softening point

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

【課題】 OH基による損失増加量が小さく、波長1380nmを含む帯域で信号を伝送するのに好適な光ファイバ、ならびに、この光ファイバに用いる光ファイバプリフォームおよびフッ素添加シリカガラス体の製造方法を提供する。
【解決手段】 フッ素添加シリカガラス体は、(1)シリカガラススートを堆積させシリカガラススート堆積体を得る工程、及び(2)少なくともフッ素原子を含有する第一のガス、および還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しない第二のガスを含む雰囲気中で堆積体を加熱する工程を経て製造される。前記ガラス体を使用して得た光ファイバプリフォームを線引きし、または、前記フッ素添加シリカガラス体を加工してガラスパイプにし、これに別途用意したガラスロッドを挿入して一体化しながら線引きして光ファイバとされる。光ファイバは、クラッドがフッ素を含有し、波長1380nmでの伝送損失が0.32dB/km以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバに関する。
光ファイバを用いる光伝送システムは、多量の情報を高速で送受信することができる。また、波長分割多重(WDM)光伝送システムは、波長の異なる複数の信号を多重化して一本の光ファイバの中を伝送させるものであり、一本の光ファイバを使ってより多量の情報を送受信することができる。光伝送システムはさらなる大容量化が求められており、信号間の波長間隔を狭くすること、また、多波長信号光の波長帯域を拡大することが考えられている。
波長帯域の拡大については、Cバンド(1530nm〜1565nm)の利用だけでなく、Cバンドより長波長側のLバンド(1565nm〜1625nm)およびUバンド(1625nm〜1675nm)、また、Cバンドより短波長側のOバンド(1260nm〜1360nm)、Eバンド(1360nm〜1460nm)およびSバンド(1460nm〜1530nm)の利用が検討されている。このような広い波長帯域で信号を伝送する光ファイバは、その波長帯域全体で伝送損失が小さいことが要求される。シリカガラスを主成分とする光ファイバは、Cバンド内の波長1550nm付近で伝送損失が最小となり、波長1380nmに水酸基(OH基)による吸収ピークが存在する。
非特許文献1に記載された光ファイバは、波長1550nmにおける伝送損失が0.154dB/km、波長1300nmにおける伝送損失が0.291dB/km、波長1380nmにおけるOH基による損失増加量が0.75dB/kmである。このファイバは、コアにドーパントを含まないシリカガラスを用い、クラッドにフッ素を添加したシリカガラスを用いている。このファイバは、コアに酸化ゲルマニウム(GeO2)をドープしている汎用のシングルモード光ファイバに比べて伝送損失が小さい。また、特許文献1に開示された光ファイバは、波長1550nmにおける伝送損失が0.170dB/km、波長1380nmにおけるOH基による損失増加量が0.3dB/kmである。
OH基による損失増加量を低減させる技術として、シリカガラススート堆積体から光ファイバプリフォームを製造する際に塩素(Cl2)ガスを使用して脱水する技術が特許文献2に開示されている。また、特許文献3には、フッ素添加の際、六フッ化硫黄とCl2を混合する技術が開示されている。
米国特許第6449415号明細書 米国特許第3933454号明細書 特公昭62−38292号公報(第7欄20〜23行) 横田弘、他、「超低損失純シリカコアシングルモードファイバの損失特性」、昭和61年度電子通信学会総合全国大会、1091
波長1380nm付近も信号の伝送に使えるようにしたいという要求から、OH基による損失増加量をさらに低減させる技術が求められている。また、ラマン増幅技術のように、1.55μm帯の光増幅のために1.45μm帯の励起光をファイバに送ることが必要となることもある。この場合、1380nm帯でのロスが大きいと、励起光が減衰しラマンゲインが低下する。そのため、高強度の励起光を光ファイバに入れる必要があり、経済的でない。
非特許文献1に記載された光ファイバは、波長1300nmにおける伝送損失が小さい点では好ましいものの、波長1380nmにおけるOH基による損失増加量が大きく、波長1380nmを含む波長帯では信号の伝送に不適切である。また、特許文献2や特許文献3に記載の方法でも、OH基による損失増加量の低減は十分ではない。
本発明の目的は、OH基による損失増加量が小さく、波長1380nmを含む帯域で信号を伝送したりラマン増幅するのに好適な光ファイバ、ならびにこの光ファイバとこの光ファイバに用いる光ファイバプリフォームおよびフッ素添加シリカガラス体の製造方法を提供することである。
スート法を用いたフッ素添加シリカガラス体の製造においては、通常、ガラススートの堆積工程の後、脱水のためのガス、たとえば塩素(Cl2)を流し、十分に脱水されたところでガスを切り替えてフッ素添加が行われる。この従来法に対し、本発明者らはフッ素添加の際に還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しないガスを加えて流すことで、炉心管の接続部などの隙間からの大気混入などによりシリカガラススート堆積体を加熱する雰囲気に浸入しフッ素添加ガラス体に残留してしまう水分(H2O)を除去することができ、また、水素原子を含まない雰囲気とすることで、光ファイバとしたときの水酸基(OH基)による損失増加量をさらに低減させることができることを見出した。
上記の本発明の目的は次の(1)〜(14)の態様を採ることによって達成することができる。
(1)シリカガラススートを堆積させ、シリカガラススート堆積体を得る工程と、少なくともフッ素原子を含有する第一のガスおよび還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しない第二のガスを含む雰囲気中で前記堆積体を加熱する工程とを有することを特徴とするフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(2)前記第二のガスが非金属元素の塩化物であることを特徴とする前記(1)に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(3)前記第一のガスが、SiF4、Si26、クロロフルオロカーボン、六フッ化硫黄、NF3、およびF2からなる群から選ばれる一種であり、前記第二のガスが、フッ化ケイ素以外のハロゲン化ケイ素、BCl3、CCl4、GeCl4、窒素、および硫黄からなる群から選ばれる一種であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(4)還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しない物質の濃度の総和が、前記雰囲気全体に対し0.01〜10体積%であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(5)前記第一のガスがSiF4であり、前記第二のガスがSiCl4であり、SiCl4の前記雰囲気全体に対する濃度は0.01体積%〜10体積%であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(6)前記濃度が1〜10体積%であることを特徴とする前記(5)に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(7)前記雰囲気の酸素濃度が20体積ppm以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(8)前記酸素濃度が10体積ppm以下であることを特徴とする前記(7)に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(9)前記堆積体を加熱する工程の少なくとも一部は、1400℃以上の前記雰囲気中で行われることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法によって得たフッ素添加シリカガラス体を加工して、ガラスパイプにする工程と、別途用意したガラスロッドを前記ガラスパイプに挿入して一体化する工程とを有することを特徴とする光ファイバプリフォームの製造方法。
(11)前記(10)に記載の製造方法で得た光ファイバプリフォームを線引きする工程を有することを特徴とする光ファイバの製造方法。
(12)前記(1)〜(9)のいずれかに記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法によって得たフッ素添加シリカガラス体を加工して、ガラスパイプにする工程と、別途用意したガラスロッドを前記ガラスパイプに挿入して一体化しながら線引きする工程とを有することを特徴とする光ファイバの製造方法。
(13)コアおよびクラッドを有し、前記クラッドがフッ素を含有し、波長1380nmでの伝送損失が0.32dB/km以下であることを特徴とする光ファイバ。
(14)前記クラッドが0.5重量%上のフッ素および0.1重量%以上の塩素を含有することを特徴とする前記(13)に記載の光ファイバ。
本発明において、シリカガラススートの堆積はいかなる方法でなされてもよく、VAD法、OVD法などの気相反応による方法のほか、粉体成形法、ゾルゲル法でなされてもよい。また、第二のガスが「還元性を有する」とは、堆積体を加熱する温度において第二のガスが雰囲気中の酸素(O2)と反応することである。さらに、第一のガスと第二のガスは必ずしも分けて供給する必要はなく、予め混合一体化して同時に供給しうる態様も本発明に含まれる。
本発明によれば、フッ素添加石英ガラス体、光ファイバプリフォームもしくは光ファイバ中のOH基の量を減少させることができ、OH基による損失増加量が小さく、波長1380nmを含む帯域で信号もしくは励起光を伝送するのに好適な光ファイバを提供することができる。
本発明のフッ素添加シリカガラス体の製造方法は、(1)シリカガラススートを堆積させシリカガラススート堆積体を作製し、(2)フッ素をシリカガラススート堆積体中に添加する際にフッ素原子を含有する第一のガスおよび還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しない第二のガスを含む雰囲気中で堆積体を加熱する工程を含む。
第一のガスは、フッ素添加を行いうる物質であり、四フッ化ケイ素(SiF4)、二フッ化六ケイ素(Si26)、クロロフルオロカーボン、六フッ化硫黄、三フッ化チッ素(NF3)、およびフッ素(F2)からなる群から選ばれる一種であることが好ましく、これらの中でも特にSiF4であることがさらに好ましい。第一のガスはフッ素添加のための物質であればよく、その濃度に関しては、所望の比屈折率差を得るために必要なガス濃度とする。
第二のガスは、ガラスが軟化する2300℃以下の温度で加熱されることで酸化する気体原料であればよい。第二のガスは、非金属元素の塩化物であることが好ましく、フッ化ケイ素以外のハロゲン化ケイ素、三塩化ボロン、四塩化炭素、四塩化ゲルマニウム、チッ素(N2)、および硫黄からなる群から選ばれる一種であることが好ましい。フッ化ケイ素以外のハロゲン化ケイ素としては四塩化珪素(SiCl4)、四ヨウ化珪素、四臭化珪素、六塩化二珪素等のCl、Br、Iを含有する化合物が挙げられる。この中でSiCl4はCVD用原料として水素化合物含有量の少ない材料が容易に得られる点から利用しやすい原料である。
フッ素原子ならびに水素原子を含有しないガスを加えて加熱することが好ましい理由を、SiCl4を第二のガスとして使用した場合を例に図1を参照して説明する。図1は、フッ素添加シリカガラス体に残留する水分(H2O)の量とフッ素添加シリカガラス体を光ファイバのクラッドとして使った純シリカコア光ファイバのOH基吸収によるロス増(ΔOH)とを、シリカガラススート堆積体を加熱する各雰囲気についてそれぞれプロットしたグラフである。図1において、■印および○印でプロットした各曲線は、それぞれ0.1mol/リットルのH2Oを含む1600℃の雰囲気中および1300℃の雰囲気中で堆積体を加熱したときのフッ素添加シリカガラス体に残留するH2Oの量の計算値である。また、△印でプロットした曲線は、同じく1300℃の雰囲気中で堆積体を加熱したときのフッ素添加シリカガラス体を使った光ファイバのOH基吸収によるロス増の計算値である。
加熱雰囲気にCl2を加えると下記の反応が起こる。
Cl2+H2O ⇔ 2HCl+1/2 O2・・・(1)
この反応は酸素(O2)濃度が高くなると左向きに進む。このため、O2が多い雰囲気では、Cl2を加えてもCl2の消費量に対し効果的にH2O分圧を下げることができない。
一方、SiCl4を加えたときは下記の二つの反応が起こる。
SiCl4+2H2O ⇔ SiO2+4HCl ・・・(2)
SiCl4+O2 → SiO2+Cl2 ・・(3)
脱水反応と同時にO2を消費する反応も進むので、(1)式の反応の平衡を右側にシフトさせ、H2Oの残存量を減らすことが可能である。また、生成したSiO2がそのままガラス堆積体の一部になるため、とくに好適である。このように、SiCl4の混合はH2O分圧の低減に関して効果が大きく、SiCl4をH2O分圧の10倍にすると、SiF4のみの場合に比べ約0.2%までH2O残留量を低減できることが図1からわかる。なお、SiF4もH2Oと反応するはずであるが、生成するHFはSiO2と反応しやすいため、反応時にH2Oを再び発生させ、SiCl4を混合した場合と比べてOH基量を低減することは困難である。
上記のような理由も考慮して、還元性を有し、フッ素原子ならびに水素原子を含有しない物質の濃度の総和は、雰囲気全体に対し0.01〜10体積%であることが望ましい。
また、特に、第一のガスがSiF4であり、第二のガスがSiCl4であって、SiCl4の濃度が0.01〜10%、より好ましくは1〜10体積%であるのが好ましい。これら範囲の濃度とすることにより、シリカガラススート堆積体の加熱工程において外部から混入するH2Oやガラス中に残存するH2Oを十分除去できる。
図7は加熱雰囲気に含まれるSiCl4の濃度と、その雰囲気で製造されたフッ素添加シリカガラス体を使った光ファイバのOH基吸収によるロス増(ΔOH)との関係をプロットしたグラフである。SiCl4の雰囲気全体に対する濃度が0.01%以上であれば、OH基吸収によるロス増を国際電気通信連合(ITU−T)勧告G.652.Dである0.05 dB/km以下にすることができる。(勧告G.652.Dはλ=1.38μmの光損失が光ファイバを水素処理した後でλ=1.31μmの光損失以下であることを求めている。光ファイバの種類によっても異なるが、レーリー散乱損失の波長1.38μmでの値約0.245dB/kmと波長1.31μmでの値約0.295dB/kmとを比較すると0.05dB/kmである。)
還元性を有し、フッ素原子ならびに水素原子を含有しない物質の濃度をこのように設定することは、外部にCl2、SiF4などの有害ガスを漏洩させないように、炉内の圧力を外気圧以下に調整した雰囲気で堆積体を加熱するときにとくに有効である。また、加熱雰囲気に供給されるガス中のO2濃度は20体積ppm以下とするのが好ましく、10体積ppm以下とするのがより好ましいが、O2濃度が10体積ppm以上と高い場合にも、同様に有効である。
図8は加熱雰囲気に含まれるO2の濃度と、その雰囲気内で製造されたフッ素添加シリカガラス体を使った光ファイバのOH基吸収によるロス増(ΔOH)との関係をプロットしたグラフである。図8において、破線はSiCl4を1.1体積%含む加熱雰囲気で製造した場合であり、実線はSiCl4を含まない加熱雰囲気で製造した場合である。なお、図8のグラフにおける、O2の濃度が1体積%、5体積%及び13体積%である場合のOH基によるロス増の実測値を表Iに示す。
Figure 2005206452
SiCl4を並存させることで、加熱雰囲気のO2濃度が高い場合でも、OH基吸収によるロス増の低減が可能である。なお、ヘリウムなどの不活性ガスを加えることは任意であり、それらのフッ素原子を含有するガスの分圧の調整により、所望の比屈折率差を得ることもできる。
本発明においては、シリカガラススート堆積体の加熱雰囲気温度は800〜1700℃とするのが好ましい。この範囲とすることで塩素の活性が増大し、脱水を効率よく行うことができる。また、堆積体を加熱する工程の少なくとも一部は、1400℃以上の雰囲気中で行うことが好ましい。これによりシリカガラススート堆積体を透明化することができる。
炉芯管の外側から加熱雰囲気にOHが透過することがあるため、炉心管についても注意するべきである。表IIは、シリカガラススート堆積体のコンソリデートに使用した炉心管の肉厚と、そのシリカガラス体を用いて製造した光ファイバのOH基吸収によるロス増(ΔOH)をまとめたものである。OH基吸収によるロス増が小さい光ファイバを得るためには、炉心管の肉厚を3mm以上、好ましくは、5mm以上にする必要がある。
Figure 2005206452
また、使用する炉芯管は不純物濃度が1重量ppm以下の合成石英ガラスを使用するべきである。高純度の石英炉芯管を使用することでOHドナーが炉芯管内部に蒸散することを抑制することができる。また、OHを低減させるには,シリカガラススート堆積体を支持する出発ロッドについても注意すべきである。米国特許6,477,305には、出発ロッドの材質についての言及があるが、材質以外の点にも注意を払う必要がある。
図9は、反応容器16中で出発ロッドに接続したシリカガラススート堆積体13を加熱する様子を示す概念図である。出発ロッドは、全長が天然石英製であるか、図9のように合成石英出発ロッド14と天然石英出発ロッド15とが接続されている。表IIIは、出発ロッドの材質、反応容器内における出発ロッドの長さL、反応容器内における出発ロッド全体にしめる合成出発ロッド14の割合と、それぞれの場合について得られる光ファイバのOH基吸収によるロス増(ΔOH)をまとめたものである。
Figure 2005206452
表IIIからもわかるように、反応容器内において一部分であっても合成石英出発ロッドを用いた方がOH基吸収損失は小さくでき、また、反応容器内における出発ロッドの長さが短いほうがOH基吸収損失は小さくできるという結論が得られた。これはロッドに含まれているH2Oが加熱によって外部に放出されるためである。
本発明の光ファイバプリフォームの製造方法は、本発明のフッ素添加シリカガラス体の製造方法で得たフッ素添加シリカガラス体を加工してガラスパイプにする工程と、別途用意したガラスロッドをガラスパイプに挿入して一体化する工程とを有する。たとえば、まず本発明のフッ素添加シリカガラス体の製造方法により得たフッ素添加シリカガラス体をロッド形状にし、これをたとえばダイヤモンドツールを使用した機械加工や熱間加工などによりパイプ形状にする。これに別途用意したコアとなるガラスロッドを挿入し一体化することにより、コアとクラッドを有するシリカガラス体とする。これに適宜、延伸やクラッド層のさらなる付加(ジャケット付け)、エッチング、火炎研磨、外周研削などを行い、光ファイバプリフォームとすることができる。なお、一体化のときのパイプ内部の雰囲気に還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しないガスを含有させることも可能である。
ジャケット付けをスート法で行い、シリカガラススート堆積体の加熱工程において、第一のガスと第二のガスを使用してOH基の少ないジャケット部を形成することが好ましい。第一のガスおよび第二のガスの好ましい組成や濃度、好ましい加熱温度などは上述のフッ素添加シリカガラス体の製造方法と同様である。
本発明の光ファイバの製造方法は、本発明の光ファイバプリフォームの製造方法で得た光ファイバプリフォームを線引きするものである。また本発明の光ファイバ別の製造方法は、上記の本発明のフッ素添加シリカガラス体の製造方法で得たフッ素添加シリカガラス体を加工してガラスパイプにした後、別途用意したコアとなる部分を含むガラスロッドを該ガラスパイプに挿入して一体化しながら線引きするものである。一体化工程と線引き工程とは、同時に行わなくてもよい。
本発明の光ファイバは、コアおよびクラッドを有し、クラッドがフッ素を含有し、クラッドのOH基の量が少ないため、OH基に起因する伝送損失増加量が少なく、波長1380nmでの伝送損失が0.32dB/km以下という非常に低い値である。クラッドは、0.5重量%以上のフッ素および0.1重量%以上の塩素(Cl)を含有してもよい。
なお、本発明のフッ素添加ガラス体、光ファイバプリフォームまたは光ファイバのクラッド層は、フッ素添加時にSiCl4などの還元性物質を含む第二のガスを流すため、この還元性物質に含まれる元素を含有する点において従来法で製造されたものと異なる。図2の(a)及び(b)はそれぞれ、本発明の光ファイバプリフォームの製造方法で得られた光ファイバプリフォームの断面における直径上の各点でのフッ素含有量およびCl含有量をElectron Probe Micro Analysis (EPMA)法により測定した、各検出元素数から換算した結果を示すグラフである。また、図3の(a)及び(b)はそれぞれ、従来の製造方法で得られた光ファイバプリフォームの断面における直径上の各点でのフッ素含有量およびCl含有量をEPMAにより測定した結果を示すグラフである。
なお、第二のガスの還元性を有する物質としてはSiCl4を加熱雰囲気中4体積%の濃度で用いた。図2及び図3の比較から、本発明の光ファイバプリフォームの製造方法で得られる光ファイバプリフォームはクラッド層のCl含有量が従来法によるものに比べて非常に多いことがわかる。
図4は、本発明の光ファイバプリフォームの製造方法で得られた光ファイバプリフォームにおいて、第二のガスにSiCl4を用いたときのクラッドの平均Cl濃度とOH基吸収によるロス増(ΔOH)との関係を示すグラフである。Cl平均濃度が0.1重量%以上のときにΔOHが非常に低くなっていることがわかる。
〔実施例1〕
図5の(a)は、本発明の光ファイバの製造方法で製造される光ファイバの断面図、図5の(b)は、この光ファイバの屈折率プロファイルを示す模式図である。この光ファイバ10のコア領域11は純シリカガラスからなり、クラッド領域12はフッ素添加シリカガラスからなり、実施例1においては、コア領域11の外径2aは8.6μm、クラッド領域12の外径2bは125μmであり、クラッド領域12の屈折率を基準としてコア領域11の比屈折率差Δnは0.3%である。
図6の(a)〜(d)は、本発明の光ファイバの製造方法の実施形態を説明する模式図である。高純度のシリカガラス棒(純粋石英に対する比屈折率差が0.03%をVAD法で合成し、このガラス棒を温度約1800℃の加熱炉内で延伸して、外径3mmで長さ50cmのガラスロッド2を作製する。また、純シリカガラスに対する比屈折率差が−0.3%である、フッ素添加シリカガラスからなるガラスパイプ1をVAD法で作製する。
ガラスパイプ1の製造においては、VAD法でシリカガラススート堆積体を製造したのち、ヘリウム(He)ガスを16スタンダードリットル/min(slm)、SiCl4を400スタンダードcc/min(sccm)(キャリアHeガスの流量が1 slm)を流しながら1250℃に設定したゾーン炉を10mm/分で長軸方向に移動させて脱水し、シリカガラススート堆積体の加熱工程としてHeを16slm、SiCl4を400sccm(キャリアHeガスの流量が1slm)、SiF4を1slm流しながら1590℃に設定したゾーン炉を40mm/分で長軸方向に移動させる。焼結後に得られたガラス体は、800℃以上の温度でアニールしてもよい。ガラス内に残存するガスを追い出す効果がある。得られるロッドを穴あけ、延伸し、外径20mm、内径4mmのガラスパイプ1とする。なお、延伸したのち穴あけ加工してパイプとしてもよい。
そして、図6の(a)に示されるように、ガラスパイプ1内にガラスロッド2を挿入し、ガラスパイプ1の第1端側のパイプ5からガラスパイプ1内に清浄なN2(H2O含有量が0.5体積ppm以下、その他のH含有ガスの含有量が0.1体積ppm以下)を流量2000sccmだけ流しながら、ガラスパイプ1の第2端側のパイプ6から真空排気して、ガラスパイプ1の内部の気圧を絶対圧力で2.5kPaとする。このとき、後の不純物除去、封止および中実化の各工程でガラスパイプ1およびガラスロッド2それぞれのうち温度450℃以下に加熱される範囲Aだけでなく、その範囲Aの両外側の長さ200mmの部分を含む範囲Bを、テープヒータ7で温度200℃に加熱する。加熱範囲Bは、後の中実化工程で温度450℃以下に加熱される範囲を含むようにする。この状態を4時間保持し、上記の清浄なN2で吹き流し排気する。
続いて、図6の(b)に示されるように、ガラスパイプ1の第1端側のパイプ5からガラスパイプ1内に脱金属不純物性ガス(たとえばCl2、SOCl2)を導入し、熱源3によりガラスパイプ1およびガラスロッド2を温度1150℃に加熱して、ガラスパイプ1の内壁面およびガラスロッド2の表面それぞれに付着している金属不純物を除去する。
さらに続いて、図6の(c)に示されるように、ガラスパイプ1の第2端側を熱源3により加熱溶融して、ガラスパイプ1とガラスロッド2とを融着させて封止する。そして、封止後、図6の(c)のように、排気配管8を介して真空ポンプにより、ガラスパイプ1の内部を気圧0.01kPa以下の真空状態に減圧する。その後、ガラスパイプ1の第1端側のパイプ5からガラスパイプ1内に清浄なN2を導入し、真空ポンプを停止して、ガラスパイプ1の内部を気圧105kPaに加圧する。この減圧および加圧を3サイクル繰り返して、ガラスパイプ1の内壁面およびガラスロッド2の表面のそれぞれに吸着しているガス(主にH2O)を脱離させる。
そして図6の(d)に示されるように、ロッドイン一体化法により、ガラスパイプ1の第2端側から第1端側に向かって順に熱源3を移動させて、ガラスパイプ1とガラスロッド2とを加熱溶融し融着させて中実化する。このとき、ガラスパイプ1の内部に、500sccmのCl2ガスないしは500sccmの清浄なO2ガスを導入する。また、ガラスパイプ1の内部の気圧はゲージ圧力で−1kPaであり、中実化時のガラスパイプ1の外表面の温度は1600℃である。以上のようにして第1ガラス体を作成する。
この第1ガラス体は、外径が19mmであり、長さが400mmであり、クラッド径とコアとの比が6.6である。さらに、これを延伸して、外径14mmの第1プリフォームを得る。この外径14mmの第1プリフォームを外周面上に、H22炎中にSiCl4を導入して得られたSiO2微粒子を堆積させる。この堆積体を炉内に入れて温度800℃に加熱し、昇温速度3.3℃/分で温度1500℃まで炉温を上げる。この間、シリカガラススート堆積体の加熱工程としてHeを16slm、SiCl4を400sccm(キャリアHeガスの流量が1 slm)、SiF4を1slm炉内に導入する。このようにして、比屈折率差が−0.33%のジャケットを合成する。以上のようにして光ファイバプリフォームを作製する。その後、延伸、火研して得られたプリフォームの外径は43mm、コア径は約2.8mmである。そして、この母材を線引きすることで実施例1の光ファイバを製造する。
実施例1の光ファイバの波長1380nmにおける伝送損失は0.295dB/kmであり、そのうちOH基に起因する伝送損失は0.031dB/kmである。また、波長1550nmにおける伝送損失は0.170dB/kmであり、カットオフ波長は1.285μmである。80℃の100%水素雰囲気に20時間浸漬して波長1380nmのOH基による吸収の増加を調べたところ、0.002dB/kmと小さかった。
〔実施例2〕
実施例2においても図5の(a)に示される断面を有する光ファイバを製造する。実施例2においては、コア領域10の外径2aは8.3μm、クラッド領域12の外径2bは125μmであり、クラッド領域12の屈折率を基準としてコア領域10の比屈折率差Δnは0.36%である。
はじめにガラスロッド2を実施例1と同じ方法で作製するとともに、フッ素添加シリカガラスからなるガラスパイプ1を以下の方法で作製する。すなわち、VAD法でシリカガラススート堆積体を製造したのち、Heを16slm、SiCl4を40sccm(キャリアHeガスの流量が100sccm)を流しながら1250℃に設定した均熱炉で1時間保持して脱水し、シリカガラススート堆積体の加熱工程としてHeを16slm、SiCl4を40sccm、SiF4を1slm(キャリアHeガスの流量が100sccm)を流しながら1590℃に設定した炉体で1時間保持する。得られたロッドを穴あけ、延伸し、外径20mm、内径6mmの純シリカガラスに対する比屈折率差が−0.36%であるガラスパイプ1とする。
以降は実施例1と同様にして外径19mm、長さが400mmの第1ガラス体を得、これを外径14mmに延伸し、その外周面上に、酸水素火炎中にSiCl4を導入して得られたSiO2微粒子を堆積させる。この堆積体を炉内に入れて温度800℃に加熱し、昇温速度3.3℃/分で温度1500℃まで炉温を上げる。この間、シリカガラススート堆積体の加熱工程としてHeを16slm、SiCl4を40sccm、SiF4を1slm(キャリアHeガスの流量が100sccm)を炉内に導入する。このようにして、比屈折率差が−0.36%のジャケットを合成する。以上のようにして光ファイバプリフォームを作成する。その後、延伸、火研して得られたプリフォームの外径は43mm、コア径は約2.8mmである。そして、この母材を線引きすることで実施例2の光ファイバを製造する。
実施例2の光ファイバの1380nmにおける伝送損失は0.301dB/kmであり、そのうちOH基に起因する伝送損失は0.037dB/kmである。また、波長1550nmにおける伝送損失は0.171dB/km、カットオフ波長は1.48μmである。
〔比較例1〕
シリカガラススート堆積体の加熱工程でSiCl4を使用しないでガラスパイプ1を製造した以外は実施例1と全く同様にして光ファイバを製造したところ、1380nmにおける伝送損失は0.4〜0.5dB/kmであった。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして内径9mm、外径117mmのガラスパイプを製造し(比屈折率差−0.33%)、このガラスパイプに外径7.5mmのガラスロッドを挿入し、一体化しながら線引きして光ファイバを得る。この光ファイバの各特性は実施例1のものと同様である。
〔実施例4〕
シリカガラススート堆積体の加熱工程で用いたガスにおいて、SiCl4に代えてN2を用いる以外は実施例1と同様にして、光ファイバを得る。この光ファイバの1380nmにおける伝送損失は0.305dB/kmであり、そのうちOH基に起因する伝送損失は0.041dB/kmである。また、波長1550nmにおける伝送損失は0.173dB/km、カットオフ波長は1.44μmである。
〔実施例5〕
シリカガラススート堆積体の加熱工程で用いたガスにおいて、SiCl4に代えてSiBr4またはSiI4を用いる以外は実施例1と同様にして、光ファイバを得る。この光ファイバの1380nmにおける伝送損失は0.303dB/kmであり、そのうちOH基に起因する伝送損失は0.039dB/kmである。また、波長1550nmにおける伝送損失α1.55は0.171dB/km、カットオフ波長λcは1.41μmである。
本発明によれば、OH基による伝送損失の増加を抑制し、特に1380nm付近での伝送損失の少ないシリカガラス体がえられ、広い波長帯域において伝送損失の少ない信号伝送用光ファイバーとして利用できる。
シリカガラススート体の加熱雰囲気と、加熱により得られるフッ素添加シリカガラス体に残留する水分の量、及びシリカガラス体を使った光ファイバの水酸機(OH基)吸収によるロス増との関係を、プロットしたグラフである。 図2(a)及び図2(b)はそれぞれ、本発明の製造方法で得られた光ファイバプリフォームの断面における直径上の各点でのフッ素含有量および塩素含有量をEPMAにより測定した結果を示すグラフである。 図3(a)及び図3(b)はそれぞれ、従来の製造方法で得られた光ファイバプリフォームの断面における直径上の各点でのフッ素含有量および塩素含有量をEPMAにより測定した結果を示すグラフである。 本発明の製造方法で得られた光ファイバプリフォームにおいて、第二のガスとして四塩化ケイ素(SiCl4)を用いたときのクラッド内部の平均塩素濃度とOH基吸収によるロス増との関係を示すグラフである。 図5(a)及び図5(b)はそれぞれ、本発明の光ファイバの断面図及び該光ファイバの屈折率プロファイルを示す模式図である。 本発明の光ファイバの製造方法の実施形態を説明する模式図である。 加熱雰囲気に含まれるSiCl4の濃度と、その雰囲気で製造されたフッ素添加シリカガラス体を使った光ファイバのOH基吸収によるロス増との関係をプロットしたグラフである。 加熱雰囲気に含まれる酸素の濃度と、その雰囲気内で製造されたフッ素添加シリカガラス体を使った光ファイバのOH基吸収によるロス増との関係をプロットしたグラフである。 反応容器中で出発ロッドに接続したシリカガラススート堆積体を加熱する様子を示す概念図である。
符号の説明
1……ガラスパイプ、 2……ガラスロッド、
3……熱源、 5、6……パイプ、
7……テープヒータ、 8……ガスライン
10……光ファイバ、 11……コア領域、
12……クラッド領域、 13……シリカガラススート堆積体、
14……合成石英出発ロッド、 15……天然石英出発ロッド、
16……反応容器

Claims (14)

  1. シリカガラススートを堆積させ、シリカガラススート堆積体を得る工程と、少なくともフッ素原子を含有する第一のガスおよび還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しない第二のガスを含む雰囲気中で前記堆積体を加熱する工程とを有することを特徴とするフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  2. 前記第二のガスが非金属元素の塩化物であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  3. 前記第一のガスが、SiF4、Si26、クロロフルオロカーボン、六フッ化硫黄、NF3、およびF2からなる群から選ばれる一種であり、前記第二のガスが、フッ化ケイ素以外のハロゲン化ケイ素、BCl3、CCl4、GeCl4、窒素、および硫黄からなる群から選ばれる一種であることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  4. 還元性を有しフッ素原子ならびに水素原子を含有しない物質の濃度の総和が、前記雰囲気全体に対し0.01〜10体積%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  5. 前記第一のガスがSiF4であり、前記第二のガスがSiCl4であり、SiCl4の前記雰囲気全体に対する濃度は0.01体積%〜10体積%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  6. 前記濃度が1〜10体積%であることを特徴とする請求項5に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  7. 前記雰囲気の酸素濃度が20体積ppm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  8. 前記酸素濃度が10体積ppm以下であることを特徴とする請求項7に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  9. 前記堆積体を加熱する工程の少なくとも一部は、1400℃以上の前記雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法によって得たフッ素添加シリカガラス体を加工して、ガラスパイプにする工程と、別途用意したガラスロッドを前記ガラスパイプに挿入して一体化する工程とを有することを特徴とする光ファイバプリフォームの製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法で得た光ファイバプリフォームを線引きする工程を有することを特徴とする光ファイバの製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のフッ素添加シリカガラス体の製造方法によって得たフッ素添加シリカガラス体を加工して、ガラスパイプにする工程と、別途用意したガラスロッドを前記ガラスパイプに挿入して一体化しながら線引きする工程とを有することを特徴とする光ファイバの製造方法。
  13. コアおよびクラッドを有し、前記クラッドがフッ素を含有し、波長1380nmでの伝送損失が0.32dB/km以下であることを特徴とする光ファイバ。
  14. 前記クラッドが0.5重量%上のフッ素および0.1重量%以上の塩素を含有することを特徴とする請求項13に記載の光ファイバ。
JP2004346434A 2003-12-25 2004-11-30 フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバ Pending JP2005206452A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004346434A JP2005206452A (ja) 2003-12-25 2004-11-30 フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003429628 2003-12-25
JP2004346434A JP2005206452A (ja) 2003-12-25 2004-11-30 フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005206452A true JP2005206452A (ja) 2005-08-04

Family

ID=34914109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004346434A Pending JP2005206452A (ja) 2003-12-25 2004-11-30 フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005206452A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010041609A1 (ja) * 2008-10-06 2010-04-15 旭硝子株式会社 合成石英ガラスの製造方法
JP2012086999A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ及び光ファイバ用ガラス母材の製造方法
WO2016007693A1 (en) * 2014-07-09 2016-01-14 Corning Incorporated Method of making optical fibers in a reducing atmosphere
JP2016507457A (ja) * 2012-12-26 2016-03-10 ヘレーウス クヴァルツグラース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトHeraeus Quarzglas GmbH & Co. KG 光ファイバ母材および光ファイバを製造するための方法
JP2016200830A (ja) * 2011-04-15 2016-12-01 住友電気工業株式会社 光ファイバ
JP2017526599A (ja) * 2014-07-09 2017-09-14 コーニング インコーポレイテッド 還元雰囲気中で光ファイバを作製する方法
WO2018220995A1 (ja) 2017-05-30 2018-12-06 株式会社フジクラ 光ファイバ、光ファイバの製造方法、および光ファイバ母材

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8240172B2 (en) 2008-10-06 2012-08-14 Asahi Glass Company, Limited Process for production of synthetic quartz glass
WO2010041609A1 (ja) * 2008-10-06 2010-04-15 旭硝子株式会社 合成石英ガラスの製造方法
JP2012086999A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ及び光ファイバ用ガラス母材の製造方法
JP2016200830A (ja) * 2011-04-15 2016-12-01 住友電気工業株式会社 光ファイバ
JP2016507457A (ja) * 2012-12-26 2016-03-10 ヘレーウス クヴァルツグラース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトHeraeus Quarzglas GmbH & Co. KG 光ファイバ母材および光ファイバを製造するための方法
US9586853B2 (en) 2014-07-09 2017-03-07 Corning Incorporated Method of making optical fibers in a reducing atmosphere
WO2016007693A1 (en) * 2014-07-09 2016-01-14 Corning Incorporated Method of making optical fibers in a reducing atmosphere
JP2017526599A (ja) * 2014-07-09 2017-09-14 コーニング インコーポレイテッド 還元雰囲気中で光ファイバを作製する方法
US9919946B2 (en) 2014-07-09 2018-03-20 Corning Incorporated Method of making optical fibers in a reducing atmosphere
EP3166898B1 (en) * 2014-07-09 2021-05-19 Corning Incorporated Optical fiber with reduced hydrogen sensitivity
WO2018220995A1 (ja) 2017-05-30 2018-12-06 株式会社フジクラ 光ファイバ、光ファイバの製造方法、および光ファイバ母材
JP2018205357A (ja) * 2017-05-30 2018-12-27 株式会社フジクラ 光ファイバ、光ファイバの製造方法、および光ファイバ母材
CN110603468A (zh) * 2017-05-30 2019-12-20 株式会社藤仓 光纤、用于制造光纤的方法和光纤预制体
US11168015B2 (en) 2017-05-30 2021-11-09 Fujikura Ltd. Optical fiber, method for manufacturing optical fiber, and optical fiber preform

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0249230B1 (en) Glass preform for dispersion shifted single mode optical fiber and method for the production of the same
US7524780B2 (en) Low loss optical fiber and method for making same
EP0915064B1 (en) Method of making segmented core optical waveguide preforms
US20050000253A1 (en) Method of manufacture of low water peak single mode optical fiber
JPH1053423A (ja) 合成シリカガラスの製造方法
US6776012B2 (en) Method of making an optical fiber using preform dehydration in an environment of chlorine-containing gas, fluorine-containing gases and carbon monoxide
EP0177040B1 (en) Method for producing glass preform for optical fiber
US20040139765A1 (en) Method of producing optical fiber preform, and optical fiber preform and optical fiber produced with the method
CN104661972B (zh) 氢促进的灰料体的氟化
JP2005206452A (ja) フッ素添加シリカガラス体の製造方法、光ファイバプリフォームおよび光ファイバの製造方法、ならびに光ファイバ
KR20050065398A (ko) 불소 첨가 실리카 유리체의 제조방법, 그 방법을 포함하는광섬유 프리폼 및 광섬유의 제조방법, 및 광섬유
CN112805252B (zh) 用于光纤的卤素掺杂二氧化硅预制件的制造方法
KR100545813B1 (ko) 탈수 및 탈염소공정을 포함하는 수정화학기상증착공법을 이용한 광섬유 프리폼 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 광섬유
EP1270522B1 (en) Method for fabricating optical fiber from preforms, using control of the partial pressure of oxygen during preform dehydration
US7752870B1 (en) Hydrogen resistant optical fiber formation technique
EP0164127B1 (en) Method for producing glass preform for optical fibers
JP2004509829A (ja) 多孔質ガラスプリフォームを乾燥するためのプロセス
JP4487560B2 (ja) 光ファイバ母材の製造方法
JPS63139028A (ja) 光フアイバ用ガラス母材の製造方法
JP4513403B2 (ja) 光ファイバ母材の製造方法と光ファイバ、及び光ファイバの製造方法
CA1261127A (en) Optical waveguide manufacture
JPS6289B2 (ja)
US20230167002A1 (en) Optical fibers and method of making the same
US20230286851A1 (en) Method for manufacturing optical fiber preform
JPS6183639A (ja) 高純度石英パイプの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070319

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091110