JP2005206085A - 電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電源の電圧低下を検知し、電圧が所定電圧より低い場合、機器を選別して電力を供給することにより、安全上の観点から重要である機器に対して優先的に残存電力を供給することができる電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 複数の機器に対して電力を分配して供給する電力分配器と、複数の機器に対して電力を供給する優先順位を記憶する記憶手段と、電源の電圧を検出する検出手段と、検出手段が検出した電源の電圧が所定値より低いか否かを判断する判断手段と、判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する停止手段とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 複数の機器に対して電力を分配して供給する電力分配器と、複数の機器に対して電力を供給する優先順位を記憶する記憶手段と、電源の電圧を検出する検出手段と、検出手段が検出した電源の電圧が所定値より低いか否かを判断する判断手段と、判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する停止手段とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数の機器へ電力を分配するとともに、電源の電圧低下に対する救済手段を備える電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置に関する。特に、蓄電池など、電気容量の限られた電源を使用する、又は発電した電気を電気容量の限られた電源に蓄える機能を有するシステム、例えば自動車のような乗り物に用いる電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置に関する。
昨今、自動車において実用化が急速に進展している電子制御システムは、例えばステアリング装置、ブレーキ装置、シフト装置等を電気的に制御する機器制御システムである。複数の電子制御ユニット(ECU:以下「コントローラ」という。)と、ステアリング装置、ブレーキ装置、シフト装置等とがバスを介して接続され、各種の信号が多重伝送されることによって各装置の動作を電気的に制御する。
ここで、ステアリング装置、ブレーキ装置、シフト装置等は自動車の安全上の観点から重要な装置であり、故障、障害等の発生が許されない装置である。したがって、万一、故障、障害等が発生した場合に対して、何らかの代替手段、救済手段を設けておく必要性が高い。
斯かる要求に対して、例えば特許文献1では、自動車の安全上の観点から最重要であるブレーキバイワイヤシステムにおいて、電源及びコントローラをそれぞれ二重化した制動制御装置が開示されている。該制動制御装置では、ブレーキ装置の油圧を調整する調圧手段を二系統に分割し、それぞれの動作を制御するコントローラ及び電力を供給する電源を二重化している。一方の電源電圧の低下を検知した場合、他方の電源により電力を供給されるコントローラが、電圧低下を検知した電源により駆動しているコントローラが制御する系統の調圧手段の動作を制御することができるよう、制御信号の伝達経路を切り換える手段を備えており、一方の電源に以上が生じた場合であっても、装置全体を正常に動作させることができる。
特開2002−187537号公報
しかし、特許文献1に開示されている制動制御装置では、電源、コントローラ等をそれぞれ二重化していることから、ハードウェアを二重化することによる制動装置全体のコスト増を避けることができないという問題点があった。
また、電源の電力供給先は、ステアリング装置、ブレーキ装置、シフト装置等の自動車の安全上の観点から重要な装置だけではなく、点灯装置、オーディオ装置等の自動車の安全上の観点からは緊急時に電力の供給が不要と考えられる機器も含まれており、重要な装置に対して優先的に電力を供給することで重要な装置の稼働時間を延伸させることもできる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電源の電圧低下を検知し、電圧が所定電圧より低い場合、機器を選別して電力を供給することにより、安全上の観点から重要である機器に対して優先的に残存電力を供給することができる電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置を提供することを目的とする。
また本発明は、電源の電圧低下を検知し、電圧が所定電圧より低い場合、機器を選別して電力を供給するとともに電圧を維持することにより、安全上の観点から重要である機器に対して、動作可能な電圧を維持しつつ、優先的に残存電力を供給することができる電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置を提供することを目的とする。
また本発明は、電源の電圧低下を検知し、電圧が所定電圧より低い場合、車内LANを通じて外部へ異常の発生を示す信号を送信することにより、運転者又は外部の第三者に対して、電源に異常が発生していることを通知することができる電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置を提供することを目的とする。
また本発明は、電力を供給される機器が正常に動作する必要性が有る状態であるか否かを判断し、必要性がある場合にのみ電力の供給対象となる機器を制限することができる電力分配システム、電力分配器、及びブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る電力分配システムは、複数の機器に対して電力を分配して供給する電力分配器と、複数の機器に対して電力を供給する優先順位を記憶する記憶手段と、電源の電圧を検出する検出手段と、該検出手段が検出した電源の電圧が所定値より低いか否かを判断する判断手段と、該判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、前記優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する停止手段とを備えることを特徴とする。
また、第2発明に係る電力分配システムは、第1発明において、前記所定値は、電力を供給される機器が正常に動作する限界電圧より高い値であることを特徴とする。
また、第3発明に係る電力分配システムは、第1又は第2発明において、前記判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、前記優先順位が所定の順位より高い機器に対して供給する電圧を昇圧する昇圧手段を備えることを特徴とする。
また、第4発明に係る電力分配システムは、第1乃至第3発明において、前記判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、電圧が低い旨を示す信号を外部へ送信する送信手段を備えることを特徴とする。
また、第5発明に係る電力分配システムは、第1乃至第4発明において、電力を供給される機器が正常に動作する必要性の有無を判断する動作必要性判断手段と、前記動作必要性判断手段が、電力を供給される機器が正常に動作する必要性がないと判断した場合、前記停止手段を無効にする手段とを備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために第6発明に係る電力分配器は、複数の機器に供給する電源からの電力を優先順位に従って分配する電力分配器であって、前記優先順位は車の安全の観点から定めてあり、前記電源の電圧が所定値より低下した場合、前記優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する機能を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために第7発明に係るブレーキ装置は、供給される電源の電圧を検出して、該電源の電圧が所定値より低いか否かを判断し、前記電源の電圧が所定値より低下した場合、車の安全の観点から定めた優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する機能を備えることを特徴とする。
第1発明、第6発明、及び第7発明では、例えばバッテリのような電源の寿命、端子の接触不良等に起因する電圧の低下を検出し、所定値以上に低い電圧を検出した場合、電源に何らかの異常が発生したと判断し、優先順位の高い機器、例えばブレーキ装置のみに電力を供給するよう制御する。これにより、安全上の観点から緊急時に電力を供給する必要のない機器に対しては電力を供給することがないので、総電力使用量を抑制することで電圧の低下速度を低くすることができ、安全上重要性の高い機器、例えばブレーキ装置の使用可能時間を延伸させることが可能となる。
また、第2発明では、電源に何らかの異常が発生したと判断する閾値電圧を、機器が正常に動作する限界電圧よりも高く設定しておく。これにより、電源に何らかの異常が発生した旨を早期に検知することができ、安全上重要性の高い機器の使用可能時間をより長くすることが可能となる。
また、第3発明では、電源に何らかの異常が発生したと判断した場合であって、機器が正常に動作する限界電圧より低下してしまったときであっても、機器が正常に動作することができる限界電圧まで昇圧することができる。これにより、安全上重要性の高い機器の使用可能時間をより長くすることができるとともに、正常な動作を確保することが可能となる。
また、第4発明では、電源に何らかの異常が発生した旨を運転者又は外部の第三者へ通知する。これにより、運転者に対しては自動車の安全を確保するための適切な操作、例えばブレーキ操作により減速し、ステアリング操作により路肩へ寄せる、等の操作を促し、第三者に対しては、異常が発生している自動車を確認することで、二次災害の発生を未然に回避することが可能となる。
また、第5発明では、電力を供給される機器が正常に動作する必要性が有る状態であるか否かを判断し、必要性がある場合にのみ電力の供給対象となる機器を制限する。これにより、例えば自動車が停止しており、電力を供給される機器がブレーキ制御装置である場合、ブレーキ制御装置の正常な動作を担保する必要性は乏しく、イグニッションの起動による電圧低下が生じた場合に生じるブレーキ制御装置以外の機器への電力の供給の停止を防止することが可能となる。
第1発明、第6発明、第7発明によれば、安全上の観点から緊急時に電力を供給する必要のない機器に対しては電力を供給することがないので、総電力使用量を抑制することで電圧の低下速度を低くすることができ、安全上重要性の高い機器、例えばブレーキ装置の使用可能時間を延伸させることが可能となる。
また、第2発明によれば、電源に何らかの異常が発生した旨を早期に検知することができ、安全上重要性の高い機器の使用可能時間をより長くすることが可能となる。
また、第3発明によれば、安全上重要性の高い機器の使用可能時間をより長くすることができるとともに、正常な動作を確保することが可能となる。
また、第4発明によれば、運転者に対しては自動車の安全を確保するための適切な操作、例えばブレーキ操作により減速し、ステアリング操作により路肩へ寄せる、等の操作を促し、第三者に対しては、異常が発生している自動車を確認することで、二次災害の発生を未然に回避することが可能となる。
また、第5発明によれば、例えば自動車が停止しており、電力を供給される機器がブレーキ制御装置である場合、ブレーキ制御装置の正常な動作を担保する必要性は乏しく、イグニッションの起動による電圧低下が生じた場合に生じるブレーキ制御装置以外の機器への電力の供給の停止を防止することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る電力分配システムを、ブレーキ制御システムに適用した場合のブロック図である。図1において、1は電力を供給する電源を示しており、例えば電圧が14Vである鉛蓄電池、ニッケル・水素電池、リチウムイオン電池等の、電気容量の限られた電源で構成される。
図1は本発明の実施の形態1に係る電力分配システムを、ブレーキ制御システムに適用した場合のブロック図である。図1において、1は電力を供給する電源を示しており、例えば電圧が14Vである鉛蓄電池、ニッケル・水素電池、リチウムイオン電池等の、電気容量の限られた電源で構成される。
電源1には、本発明に係る電力分配器2が接続されている。電力分配器2は、複数の制御機器3、3、・・・と接続するとともに、ブレーキ装置4のモータ41を駆動するドライバ42へ供給する電圧である42Vまで入力電圧を昇圧するDC-DCコンバータ43及びドライバ42の動作を制御するコントローラ44と接続されている。なお、図1では、1つのコントローラ44に1つのドライバ42が接続されているが、1つのコントローラ44に他の制御機器3、3、・・・を駆動する複数のドライバ42、42、・・・が接続されていてもよい。
制御機器3については特に限定されるものではなく、例えばライト点灯装置、オーディオ装置等は、緊急時において、自動車の安全への影響度が低い。このように、緊急時において自動車の安全上の観点から電力の供給が必ずしも必要と考えられない制御機器であれば何でもよい。
ブレーキ装置4は、操作ペダル45からの操作信号及び制動アクチュエータ(図示せず)からのフィードバック信号がコントローラ44に入力され、コントローラ44は制動アクチュエータに対して制動信号を出力し、制動アクチュエータはコントローラ44から出力された制動信号に基づいて制動動作を行う。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電力分配器2のブロック図である。電力分配器2は、電源1と電力線31を介して接続されている。また、電力分配器2は、制御機器3、3と電力線31a、31bを介して接続され、ブレーキ装置4のDC-DCコンバータ43、コントローラ44と、それぞれ電力線31c、31dを介して接続されている。
電力分配器2はMPU21を備えており、MPU21とバスを介して接続されているROM22に処理プログラムを記憶している。また、RAM23は、書換可能な不揮発性メモリであり、分配した電力線31a、31b、31c、31d毎に電力を供給する優先順位を示す情報を記憶している。図3は、優先順位を記憶しているデータ構成の例示図である。図3の例では、機器を識別する情報である機器ID毎に、該機器IDで特定される制御機器に電力を供給する電力線を識別する情報である電力線ID、及び優先順位を示す値を設定している。機器IDを特定した場合、該情報を参照することで、特定された機器に対して電力を供給する優先順位を示す値を検索することができる。
設定した優先順位を示す値が低いほど、緊急時に電力を供給しておく必要性が高い装置に電力を供給する電力線であることを示している。なお、優先順位を記憶しておくことに限定されるものではなく、優先度、評価値等、電力を供給する必要性を区別できる指標を記憶すればよい。また、電力線に接続されている機器を識別する機器ID毎に優先順位を記憶するものであってもよいし、電力線を識別する情報である電力線ID毎に優先順位を記憶するものであってもよい。さらに、同一の優先順位を有する機器ID又は電力線IDが複数記憶されていてもよい。
電力分配器2は、電力を供給する電力線を接続又は切断するスイッチ24を備え、該スイッチ24は、分配した電力線31a、31b、31c、31d毎にスイッチを接続するか否かを示す信号、すなわち電力を供給するか否かを示す信号を受信すべく、バスを介してMPU21と接続されている。
また、スイッチ24と電源1との間には、電源1からの供給電圧を検出する電圧センサ25を接続してある。電圧センサ25で検出された電圧を示す信号は、バスを介してMPU21へ入力される。
車内LANインタフェース26は、バスを介してMPU21と接続されており、MPU21で生成された信号を、車内LAN27を介して外部へ出力する、又は外部からの信号を、車内LAN27を介してMPU21へ入力する。例えば、MPU21で生成された電源1の異常を示す信号を、車内LAN27を介して自動車のインスツルメンタルパネルの表示を制御する表示制御装置へ送信する。電源1の異常を示す信号を受信した表示制御装置は、インスツルメンタルパネルに電源1の異常を示す表示を行うことで、運転者に対して電源1に異常が発生していることを知らせることができる。
次に、以上のようなブレーキ制御システムの動作について説明する。電圧センサ25は電源1から供給される電圧を検知する。電源1の電圧は、充放電を繰り返すことにより、所定の期間が経過した場合、急激な低下が生じる。図4は、電源1がバッテリである場合の典型的な電圧変化遷移を示す図である。図4に示すように、所定の経過時間t1が経過するまでは一定電圧V=12Vを出力している。そして、所定の経過時間t1を経過した後、電圧は急激に低下し、経過時間t2でコントローラ44が動作可能な限界電圧VLを割り込み、それ以降コントローラ44は動作することができない。
そこで、電圧センサ25が、一定電圧V=12Vより小さく、限界電圧VLより大きい閾値電圧VSを検知した場合、MPU21は、RAM23に記憶されている、機器ID毎に電力を供給する優先順位を示す情報を照会して、優先順位の低い機器に接続されている電力線を抽出する。
MPU21は、抽出された優先順位が低い機器に接続されている電力線、例えば優先順位が‘1’以外の機器である制御機器3、3に接続されている電力線31a、31b対して、電力の供給を停止すべく、スイッチ23に対して、電力線31a、31bに接続されているスイッチを切断する旨の信号を出力する。
スイッチ23は、電力線31a、31bに接続されているスイッチを切断する旨の信号が入力された場合、制御機器3、3と接続されている電力線31a、31bに対応するスイッチを切断する。これにより、制御機器3、3に対して電源1から電力が供給されることは無く、電源1の総電力消費量が減少する。
電源1の総電力消費量が減少した場合、図4に示すように、所定の経過時間t3以降、電圧の低下速度が遅くなり、経過時間t4でコントローラ44が動作可能な限界電圧VLを割り込む。すなわち、コントローラ44が動作することができなくなる時刻をt2からt4まで遅らせることができ、この間にブレーキ装置4を操作して自動車の速度を減速させ、又は停止させることで自動車の安全を確保することが可能となる。
電圧センサ25が、一定電圧V=12Vより小さく、限界電圧VLより大きい閾値電圧VSを検知した場合、MPU21は、電源1の電圧が異常である旨を運転者、外部の第三者等へ伝えるべく、出力信号を生成し、車内LANインタフェース26を介して車内LAN27へ出力する。出力信号としては、例えば表示装置へ表示するメッセージ信号、警告ランプの点灯指示信号、ハザードランプの点灯指示信号等、特に限定されるものではない。
これにより、運転者は、自己の運転する自動車を減速する必要性、路肩へ寄せる必要性等を知ることができ、ブレーキ装置、ステアリング装置等の安全上の観点から重要である機器が動作不能になる前に、安全を確保する操作を行うことが可能となる。
また、第三者は、走行中の自動車に何らかの障害が発生していることを知ることができ、該自動車を避ける、近づかない等の予防手段を講じることができ、二次障害の発生を未然に回避することが可能となる。
また、自動車の走行状態によっては、上述した制御が不要となる状態も存在する。例えばブレーキ制御装置については、自動車が停車状態であり、エンジンを切っている場合には、電圧の低下を検出した場合であっても他の機器への電力の供給を停止する必要はない。すなわち、エンジンの起動時におけるスタータの電流消費により、一時的に電源電圧が低下する現象は良く知られているが、斯かる場合にまで上述した他の機器への電力の供給を停止する機能が動作する必要はない。
そこで、電力を供給される機器が正常に動作する必要性の有無を判断する動作必要性判断手段を設け、動作必要性判断手段が、電力を供給される機器が正常に動作する必要性がないと判断した場合、上述した他の機器への電力の供給を停止する機能を動作させないようにすることで、エンジンの起動時に電圧低下が生じた場合であっても、他の機器に対する電力の供給を停止しないようにすることが可能となる。
なお、電力を供給される機器が正常に動作する必要性が有ると判断する場合としては、例えば速度検出装置による速度、エンジンの回転数、イグニッションキーの位置等により走行中であると判断される場合、ブレーキペダルが押し下げられたことを検知した場合等が想定される。
次に、本発明の実施の形態1に係る電力分配器2での処理について説明する。図5は本発明の実施の形態1に係る電力分配器2のMPU21の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、電力分配器2のMPU21は、電源センサ25で検出された電源1の出力電圧値を受け取り(ステップS501)、受け取った電源1の出力電圧値が所定の電圧値、例えば閾値電圧VSより大きいか否か判断する(ステップS502)。MPU21が電源1の出力電圧値が所定の電圧値以下であると判断した場合(ステップS502:NO)、MPU21はRAM23から機器ID毎の電力供給の優先順位を順次読み込み(ステップS503)、読み込んだ機器IDに対応する制御機器に対する電力供給優先順位が所定の順位よりも低いか否か判断する(ステップS504)。
MPU21が、読み込んだ機器IDに対応する制御機器に対する電力供給優先順位が所定の順位よりも低いと判断した場合(ステップS504:YES)、MPU21はスイッチ23に対して、所定の優先順位よりも低いと判断された機器に電力を供給する電力線に対応するスイッチを切断する旨の信号を出力する(ステップS505)。以上の処理を記憶されているすべての機器IDについて実行するまで繰り返す(ステップS506、S507)。
以上のように本実施の形態1によれば、電源から供給される電圧の低下が検知された場合、緊急時には電力の供給が不要である機器に対する電力の供給を停止することにより、電圧の低下を検知した時点以降の総電力消費量を削減することができる。これにより、ブレーキ装置のように緊急時に電力の供給を確保する必要性の高い機器の動作を制御するコントローラが動作できない電圧にまで電源電圧が低下する時期を遅らせることができ、例えば異常発生時以降ブレーキ装置を正常に使用することができる時間を少しでも長くすることができることから、より安全に自動車を減速又は停止することが可能となる。
また、運転者は、自己の運転する自動車を減速する必要性、路肩へ寄せる必要性等を知ることができ、ブレーキ装置、ステアリング装置等の安全上の観点から重要である機器が動作不能になる前に、安全を確保する操作を行うことが可能となる。
さらに、第三者は、走行中の自動車に何らかの障害が発生していることを知ることができ、該自動車を避ける、近づかない等の予防手段を講じることができ、二次災害の発生を未然に回避することが可能となる。
なお、本実施の形態1では、ブレーキ制御システムに適用した場合につき説明しているが、ステアリング装置、シフト装置等、自動車の安全上の観点から電力の安定供給が必要となる他の機器制御システムに適用した場合でも同様の効果が期待できる。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る電力分配システムをブレーキ制御システムに適用した場合の、電力分配器2のブロック図である。図6に示すように、基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、ブレーキ装置4のコントローラ44と接続している電力線31dに、DC-DCコンバータ61を配設している点に特徴を有する。
図6は本発明の実施の形態2に係る電力分配システムをブレーキ制御システムに適用した場合の、電力分配器2のブロック図である。図6に示すように、基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、ブレーキ装置4のコントローラ44と接続している電力線31dに、DC-DCコンバータ61を配設している点に特徴を有する。
DC-DCコンバータ61は、スイッチ24が接続されることにより供給される直流電圧を、ブレーキ装置4のコントローラ44が駆動可能な限界電圧であるVLまで電圧を上昇させる昇圧回路からなる。したがって、電源1の総電力消費量が減少した場合、図4に示す経過時間t4の後であっても、コントローラ44へ供給される電圧をコントローラ44が動作可能な限界電圧VLを割り込まないよう制御することができる。これにより、コントローラ44が動作できなくなる時刻をt4以降にまでさらに遅らせることができ、ブレーキ装置4を操作して自動車の速度を減速させ、又は停止させる時間的余裕を確保することが可能となる。
以上のように本実施の形態2によれば、電源から供給される電圧の低下が検知された場合、緊急時には電力の供給が不要である機器に対する電力の供給を停止することにより、電圧の低下を検知した時点以降の総電力消費量を削減し、昇圧回路により緊急時に電力の供給が必要である機器に対する供給電圧を、動作可能な電圧で維持することが可能となる。これにより、ブレーキ装置のように緊急時に電力の供給を確保する必要性の高い機器の動作を制御するコントローラが動作できない電圧にまで電源電圧が低下する時期を遅らせることができ、例えば異常発生時以降ブレーキ装置を正常に使用することができる時間を少しでも長くすることができることから、より安全に自動車を減速又は停止することが可能となる。
なお、本実施の形態2において、実施の形態1と同一の構成については同一の番号を付することで詳細な説明を省略する。
また、本実施の形態1及び2では、MPU21を備えた電力分配器2により電源1の電圧低下時のブレーキ装置4の動作を制御しているが、電力分配器2と独立した別個の制御用コンピュータを備えても良いし、コントローラに上述した機能を備えるものであっても、制御対象である機器に上述した機能を備えるものであってもよい。
1 電源
2 電力分配器
3 制御機器
4 ブレーキ装置
21 MPU
22 ROM
23 RAM
24 スイッチ
25 電圧センサ
26 車内LANインタフェース
27 車内LAN
31、31a、31b、31c、31d 電力線
41 モータ
42 ドライバ
43、61 DC-DCコンバータ
44 コントローラ
45 操作ペダル
2 電力分配器
3 制御機器
4 ブレーキ装置
21 MPU
22 ROM
23 RAM
24 スイッチ
25 電圧センサ
26 車内LANインタフェース
27 車内LAN
31、31a、31b、31c、31d 電力線
41 モータ
42 ドライバ
43、61 DC-DCコンバータ
44 コントローラ
45 操作ペダル
Claims (7)
- 複数の機器に対して電力を分配して供給する電力分配器と、
複数の機器に対して電力を供給する優先順位を記憶する記憶手段と、
電源の電圧を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した電源の電圧が所定値より低いか否かを判断する判断手段と、
該判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、前記優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する停止手段と
を備えることを特徴とする電力分配システム。 - 前記所定値は、電力を供給される機器が正常に動作する限界電圧より高い値であることを特徴とする請求項1記載の電力分配システム。
- 前記判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、前記優先順位が所定の順位より高い機器に対して供給する電圧を昇圧する昇圧手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力分配システム。
- 前記判断手段が、電源の電圧が所定値より低いと判断した場合、電圧が低い旨を示す信号を外部へ送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力分配システム。
- 電力を供給される機器が正常に動作する必要性の有無を判断する動作必要性判断手段と、
前記動作必要性判断手段が、電力を供給される機器が正常に動作する必要性がないと判断した場合、前記停止手段を無効にする手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電力分配システム。 - 複数の機器に供給する電源からの電力を優先順位に従って分配する電力分配器であって、
前記優先順位は車の安全の観点から定めてあり、
前記電源の電圧が所定値より低下した場合、前記優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する機能を備えることを特徴とする電力分配器。 - 供給される電源の電圧を検出して、該電源の電圧が所定値より低いか否かを判断し、前記電源の電圧が所定値より低下した場合、車の安全の観点から定めた優先順位が所定の順位より低い機器に対する電力の供給を停止する機能を備えることを特徴とするブレーキ装置。
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