JP2005204539A - 造血幹細胞及び造血前駆細胞の増幅方法 - Google Patents

造血幹細胞及び造血前駆細胞の増幅方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造血細胞(造血幹細胞、造血前駆細胞)の増幅培養系における有用な手段を提供すること。
【解決手段】組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞(造血幹細胞、造血前駆細胞)の増幅用組成物;基本培地および組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞の増幅用無血清培地;並びに、組換えヒト血清アルブミンを含有してなる無血清培地中で造血細胞を培養することを特徴とする、造血細胞の増幅方法、及び当該増幅方法により得られうる造血細胞培養物。
【選択図】なし

Description

本発明は、造血細胞の増幅用組成物、造血細胞の増幅用無血清培地、並びに造血細胞の増幅方法、及び当該増幅方法により得られうる造血細胞培養物などに関する。
再生医学(再生医療)とは生体の組織臓器がどのように発生分化し、構築されているかの仕組みに関する研究成果を利用して疾患部分の組織や臓器を修復しようとする先端医学分野である。患者自身の組織の修復能力によって治療が可能になることが理想である。そこで再生医学の一つの方向としては生体組織のできるだけ大きな潜在的修復能力を引き出す方法を開発することである。そのためには細胞増殖と細胞分化および組織構築を調節するサイトカインやマトリックス分子などの制御因子の働きを解明して利用することなどが求められる。その一方で移植治療に用いる細胞を体外培養によって増殖させることが必要になる。そこで組織幹細胞のように長期間自己増殖しながら多種類の機能細胞を作り出すことができる幹細胞が注目されている。
再生医学の一例として細胞医療が挙げられる。細胞医療とは自己または他人の組織を用い、疾病の治療を行う技術である。免疫細胞を増殖させて免疫力を高めたり、軟骨細胞を培養して関節に移植することなどが可能になると考えられている。現在細胞医療が有効であると期待されているものの一つが、癌化学療法後の骨髄抑制の治療を目的とした造血幹細胞である。造血幹細胞は骨髄性白血病治療や癌化学療法後の骨髄抑制を防止するために、予め末梢血中などの造血幹細胞を採取しておき、細胞増殖因子や抗原などで処理した後に移植する方法が取られている。
細胞医療の代表例として臍帯血幹細胞移植について説明する。臍帯血幹細胞移植とは新生児と母親を繋ぐ臍の緒の血(臍帯血)を採取・冷凍保存し、必要に応じて白血病患者などに移植することである。臍帯血は未分化な造血幹細胞を豊富に含んでいる。そのため、骨髄や末梢血よりもはるかに少量の細胞でも造血能が得られる。またHLA型が完全に一致していなくても移植が可能で、さらに移植片対宿主病(GVHD)の発生が少ない。ただし採取される細胞数に限度があるため、現時点では小児への移植が主体である。
再生医療における基盤整備の一つに、目的とする細胞の培養技術が挙げられる。当技術には安定的、大量、安価、早く、かつ簡便に目的細胞を増殖(分化・増幅を含む)させられるレベルであることが要求される。細胞培養としては大きく分けて、血清を含む培地で培養する血清培養と血清を含まない培地で培養する無血清培養とがあるが、再生医療の場において、ウイルスやプリオンの混入を防ぐ等の理由から無血清培養が注目されている。特に該細胞として汎用される臍帯血のエクスビボ増幅(ex vivo expansion)、臍帯血前駆細胞の増幅培養の技術を臨床応用するために無血清培養法の確立が重要な課題となっている。
無血清培地での造血細胞の増幅培養について幾つかの関連技術が知られている。
例えば、特許文献1は組換えヒト血清アルブミンを含有する無血清培地を開示するが、造血細胞の増幅培養に関する記載はない。
また、特許文献2は、臍帯血から造血幹細胞を調製し、ヒト血清アルブミンを含有する無血清培地で培養することを開示している。また無血清培養された細胞は分化していない傾向があるとの記載もある。しかしながら、特許文献2は本来、好中球前駆細胞・巨核球前駆細胞の増殖に関するものである。
さらに、特許文献3は、臍帯血から調製されたCD34細胞を、ヒト血清アルブミンを含有する無血清培地中で培養すること、及び当該培養によりCD34細胞の増幅が実現されることを開示している。しかしながら、当該培養における組換えヒト血清アルブミンの使用は開示されていない。
PCT国際出願WO98/06822公開パンフレット 特表平9−505462号公報 特表2000−507812号公報
本発明の目的は、造血細胞の増幅培養系に有用な種々の手段を提供することにある。
本発明者らは上記の事情を考慮に入れて研究を行った結果、ヒト血清アルブミンを用いることにより、従来法と比べて、造血細胞の分化を抑制しつつ、造血細胞を効率的に増幅し得ることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記の通りである:
(1)組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞の増幅用組成物。
(2)造血細胞が造血幹細胞である、上記(1)の組成物。
(3)造血幹細胞がCD34/CD38、CD34/DR、CD34/CD90、CD34/CD117、CD34/CD123、及びCD34/CD133からなる群より選ばれるものである、上記(2)の組成物。
(4)造血幹細胞がCD34/CD38/DRである、上記(2)の組成物。
(5)造血細胞が造血前駆細胞である、上記(1)の組成物。
(6)基本培地および組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞の増幅用無血清培地。
(7)組換えヒト血清アルブミンを含有してなる無血清培地中で造血細胞を培養することを特徴とする、造血細胞の増幅方法。
(8)造血細胞を調製することをさらに含む、上記(7)の増幅方法。
(9)造血細胞が臍帯血由来のものである、上記(7)又は(8)の増幅方法。
(10)造血細胞が造血幹細胞である、上記(7)〜(9)のいずれかの増幅方法。
(11)増幅された造血幹細胞がCD34/CD38、CD34/DR、CD34/CD90、CD34/CD117、CD34/CD123、及びCD34/CD133からなる群より選ばれるものである、上記(10)の増幅方法。
(12)増幅された造血幹細胞がCD34/CD38/DRである、上記(10)の増幅方法。
(13)造血細胞が造血前駆細胞である、上記(7)〜(9)のいずれかの増幅方法。
(14)上記(7)〜(13)のいずれかの方法により得られうる造血細胞培養物。
(15)血清成分を含有しない、上記(14)の培養物。
本発明の詳細については、以下の発明を実施するための最良の形態において説明する。
本発明によれば、造血細胞をより未分化の状態で増幅することができる。その増幅効率は、血清培地(例えばFCS添加培地)、血漿由来HSA含有無血清培地等を用いる従来の方法と比べて非常に優れている。また、本発明によれば、無血清培地による造血細胞の増幅が可能になるため、細胞移植において問題となり得るウイルスやプリオンの混入を回避することができる。
本発明は、組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞の増幅用組成物を提供する。本発明の組成物は、従来の方法よりも、未分化状態を維持したまま、造血細胞数を効率的に増加し得るという特徴を有する。
本明細書中で用いられる場合、「造血細胞」とは、未分化細胞である造血幹細胞及び造血前駆細胞をいい、分化した細胞、例えば、白血球(例、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、マクロファージ、リンパ球(B細胞、T細胞、NK細胞))、赤血球、血小板は除かれる。造血細胞の由来は、哺乳動物、好ましくはヒトである。
「造血幹細胞」とは、白血球、赤血球、血小板等に共通する祖先である、多分化能と自己複製能を併有する細胞をいう。造血幹細胞は、CD34であり得る。従って、一つの局面では、造血幹細胞としてCD34細胞を用いることができる。また、CD34以外にも、他の造血幹細胞マーカーを複数併用してもよい。CD34と併用される幹細胞マーカーとしては、CD38、DR、CD45、CD90、CD117、CD123、Cd133が例示される。造血細胞がいずれの幹細胞マーカーを発現しているかは、FACSを用いた方法等の自体公知の方法により測定することができ、また、特定の幹細胞マーカーを発現している造血幹細胞を分離、精製することもできる。
「造血前駆細胞」とは、造血幹細胞に由来する細胞であって、終末分化していない細胞をいう。造血前駆細胞は、2〜3系統の血球に分化できる寡能性造血前駆細胞、1つの血球に分化が限定された単能性造血前駆細胞に分類することができる。
また、造血前駆細胞は、顆粒球(好酸球、好中球、好塩基球)の前駆細胞、単球及びマクロファージの前駆細胞、血小板の前駆細胞、赤血球の前駆細胞、B細胞の前駆細胞、T細胞の前駆細胞、マスト細胞の前駆細胞であり得る。血小板の前駆細胞としては、巨核球の前駆細胞が好ましく、巨核芽球の前駆細胞がより好ましい。また、赤血球の前駆細胞としては赤芽球の前駆細胞が好ましい。これら各系列の前駆細胞は、自体公知の方法を用いて細胞マーカーを判別することにより分類することができる。例えば、骨髄系細胞のマーカーとしてCD13、単球及びマクロファージ系のマーカーとしてCD14、巨核球系マーカーとしてCD41、赤血球系マーカーとしてグリコホリン、B細胞系マーカーとしてCD19、T細胞系マーカーとしてCD3が知られている。
さらに、造血前駆細胞は、多系列の血球に分化できる混合コロニー単位(mixed colony forming unit: CFU−Mix)、好中球、マクロファージ系のコロニーを形成する顆粒球−マクロファージコロニー形成単位(CFU−GM)、好中球コロニー形成単位(CFU−G)、マクロファージコロニー形成単位(CFU−M)、赤芽球系コロニー、バーストを形成する赤芽球コロニー形成単位(CFU−E)、赤芽球バースト形成単位(BFU−E)、巨核球コロニー、バーストを形成する巨核球コロニー形成単位(CFU−Meg)、巨核球バースト形成単位(BFU−Meg)、好酸球、好塩基球、マスト細胞のコロニーをそれぞれ形成する好酸球コロニー形成単位(CFU−E0)、好塩基球コロニー形成単位(CFU−Baso)、マスト細胞コロニー形成単位(CFU−Mast)などに対応する細胞に分類することができる。造血前駆細胞がいずれのコロニー形成単位に該当するかは、自体公知のコロニーアッセイ法(in vitro コロニー法)により定量的に測定することができる。
「増幅」とは、終末分化していないいわゆる未分化細胞の数を増加させることをいい、一方、「増殖」とは、終末分化した細胞、及び未分化細胞の総数を増加させることをいう。造血細胞の増幅は、細胞マーカーの解析(例えば、FACSによるCD34に対応する細胞の計数)、コロニーアッセイ法に基づく定量的な解析等により評価することができる。
本発明で用いられる組換えヒト血清アルブミン(以下、必要に応じてrHSAと省略)は、遺伝子組換え技術を用いて調製されたものであれば特に限定されないが、例えば、医薬品(注射剤)として利用可能な程度に十分に精製されたものが好ましい。
rHSAは、遺伝子操作を経て調製されたHSA産生宿主により産生されるHSAであれば特に限定されないが、好ましくは産生宿主に由来する夾雑成分(例えば、蛋白質、多糖類等)を実質的に含まない、より好ましくは公知の手段でrHSA産生宿主を培養した後、その培養濾液または菌体、細胞からそれぞれ公知の分離手段および精製手段により採取および精製されたものが用いられる。また、トランスジェニック動物、トランスジェニック植物を利用することもできる(特表平9−509565号公報、同10−504289号公報)。具体的には以下の方法が挙げられる。
本発明において用いられる、rHSAを得るための宿主は、遺伝子操作を経て調製されたものであれば特に限定されず、既に公知文献記載のものの他、今後開発されるものであっても適宜利用することができる。具体的には、遺伝子操作を経てrHSA産生性とされた菌(例えば、大腸菌、酵母、枯草菌等)、動物細胞等が例示される。特に、宿主として酵母、好ましくはサッカロマイセス属[例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)]、もしくはピキア属[例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)]を用いる。また、栄養要求性株や抗生物質感受性株を用いてもよい。さらに好適にはサッカロマイセス・セレビシエAH22株(a,his 4,leu 2,can 1)、ピキア・パストリスGTS115株(his 4)が用いられる。
これらのrHSA産生宿主の調製方法、該宿主を培養することによるrHSAの生産方法および培養物からのrHSAの分離採取方法は、公知ならびにそれに準じた手法を採用することによって実施することができる。例えば、rHSA産生宿主の調製方法としては、例えば通常のHSA遺伝子を用いる方法(特開昭58−56684号公報、同58−90515号公報、同58−150517号公報)、新規なHSA遺伝子を用いる方法(特開昭62−29985号公報、特開平1−98486号公報)、合成シグナル配列を用いる方法(特開平1−240191号公報)、血清アルブミンシグナル配列を用いる方法(特開平2−167095号公報)、組み換えプラスミドを染色体上に組み込む方法(特開平3−72889号公報)、宿主同士を融合させる方法(特開平3−53877号公報)、メタノール含有培地で変異を起こさせる方法、変異型AOX2プロモーターを用いる方法(特開平6−90768号公報、同4−299984号公報)、枯草菌によるHSAの発現(特開昭62−25133号公報)、酵母によるHSAの発現(特開昭60−41487号公報、同63−39576号公報、同63−74493号公報)、ピキア酵母によるHSAの発現(特開平2−104290号公報)などが例示される。
このうち、メタノール含有培地で変異を起こさせる方法は具体的には以下のように行う。すなわち、まず適当な宿主、好ましくはピキア酵母、具体的にはGTS115株(NRRL寄託番号Y−15851)のAOX1遺伝子領域に常法によりAOX1プロモーター支配下にHSAが発現する転写ユニットを有するプラスミドを導入して形質転換体を得る(特開平2−104290号公報を参照のこと)。この形質転換体はメタノール培地中での増殖能は弱い。そこで、この形質転換体をメタノール含有培地中で培養して変異を起こさせ、生育可能な菌株のみを回収する。この際、メタノール濃度としては0.0001〜5%程度が例示される。培地は人工培地、天然培地のいずれでもよい。培養条件としては15〜40℃、1〜1000時間程度が例示される。
また、rHSA産生宿主の培養方法としては、上記の各公報に記載された方法の他に、フェッドバッチ培養(半回分培養)により、高濃度のグルコースあるいはメタノール等を適度に少量ずつ供給し、産生菌体に対する高濃度基質阻害を避けて高濃度の菌体と産生物を得る方法(特開平3−83595号公報)、培地中に脂肪酸を添加してrHSAの産生を増強する方法(特開平4−293495号公報)等が例示される。
培養処理により産生されたrHSAを、宿主細胞に由来する成分及び培養成分等から十分な精度をもって単離・精製する方法については各種の方法が提案されている。例えば、従来行われている方法としてrHSAを含有する酵母培養液を、圧搾→限外濾過膜処理→加熱処理→限外濾過膜処理に供した後、陽イオン交換体処理、疎水性クロマト処理、陰イオン交換体処理等の工程に供する方法(特開平5−317079号公報;バイオテクノロジー・オブ・ブラッド・プロテインズ、227巻、293〜298頁、1993年発行)などが挙げられる。また、上記の従来法の後で、さらにキレート樹脂処理またはホウ酸・塩処理の工程に供する方法も報告されている(特開平6−56883号公報、同6−245789号公報)。また、当該酵母培養液を加熱処理後に、吸着流動床技術を用いたストリームライン法(特開平8−116985号公報)等を用いることもできる。このようにして調製・精製されたrHSAは公知の手法、例えば、滅菌加熱、限外濾過膜処理、安定化剤の添加、除菌濾過、分注、凍結乾燥等の処理を施すことができる。
遺伝子組換え由来品は、ロット間格差がない、精製が容易、ウイルス・プリオン等による汚染の危険性もない等の理由から、より好ましい例であると考えられる。
本発明の組成物は、造血細胞の分化を抑制しつつ、造血細胞全般を増幅するために有用であるが、具体的には、造血幹細胞からの造血幹細胞の増幅、並びに、造血幹細胞及び/又は造血前駆細胞からの造血前駆細胞の増幅を可能にする。
従って、第一の局面において、本発明の組成物は、造血幹細胞の増幅剤であり得る。例えば、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地及び血漿由来HSA含有無血清培地よりも、CD34細胞(例えば、CD34/CD38、CD34/DR、CD34/CD38/DR、CD34/CD90、CD34/CD117、CD34/CD123、CD34/CD133)をより未分化の状態で増幅することが確認されている(表8、10、16)。それ故、rHSAは、血清成分よりも、造血幹細胞をより未分化の状態で増幅し得ると考えられる。従って、本発明の組成物は、造血幹細胞をより未分化の状態で増幅するために用いられ得る。
また、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、CD34/CD38細胞、CD34/CD38/DR細胞をより効率的に増幅することが確認されている(表2)。それ故、rHSAは、血清成分及び血漿由来HSAよりも、CD34/CD38細胞及び/又はCD34/CD38/DR細胞をより効率的に増幅し得ると考えられる。従って、本発明の組成物は、CD34/CD38細胞及び/又はCD34/CD38/DR細胞をより効率的に増幅するために用いられ得る。
別の局面において、本発明の組成物は、造血前駆細胞の増幅剤であり得る。例えば、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、CFU−Mix、BFU−Eに対応する細胞をより選択的に増幅する傾向が認められている(表3)。それ故、rHSAは、血清成分よりも、CFU−Mix、BFU−Eに対応する細胞をより選択的に増幅する可能性がある。従って、本発明の組成物は、CFU−Mix、BFU−Eに対応する細胞をより選択的に増幅するために用いられ得る。
また、rHSA含有無血清培地は、血漿由来HSA含有無血清培地よりも、CFU−Mix、CFU−GM又はBFU−Eに対応する細胞を増幅することが確認されている(表14、15参照)。それ故、rHSAは、血漿由来HSAよりも、CFU−Mix、CFU−GM又はBFU−Eに対応する細胞を増幅し得ると考えられる。従って、本発明の組成物は、CFU−Mix、CFU−GM又はBFU−Eに対応する細胞を増幅するために用いられ得る。
さらに、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも未分化状態を維持して、血液前駆細胞を造血細胞から増幅することが確認されている(表4、5)。それ故、rHSAは、造血細胞の増幅に際して、血清成分よりも造血細胞の分化を抑制し得ると考えられる。従って、本発明の組成物は、造血前駆細胞をより未分化の状態で増幅するために用いられ得る。
さらに、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、好中球系細胞の造血細胞からの増幅を抑制することが確認されている(表6、7)。それ故、rHSAは、造血細胞の増幅に際して、血清成分よりも、好中球系細胞の造血細胞からの増幅を抑制し得ると考えられる。従って、本発明の組成物は、好中球系細胞の造血細胞からの増幅を抑制するために用いられ得る。
また、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、単球及びマクロファージ系細胞の造血細胞からの増幅を抑制することが確認されている(表9)。それ故、rHSAは、造血細胞の増幅に際して、血清成分よりも、単球及びマクロファージ系細胞の造血細胞からの増幅を抑制し得ると考えられる。従って、本発明の組成物は、単球及びマクロファージ系細胞の造血細胞からの増幅を抑制するために用いられ得る。
本発明の組成物は、rHSA及び担体を含有する。好ましくは、担体は、薬学的に許容され得る担体であり得る。薬学的に許容され得る担体とは、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等が挙げられる。そのような担体の一つ以上を用いることにより、注射剤、液剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
とりわけ注射剤の場合には、例えば生理食塩水あるいは市販の注射用蒸留水等の非毒性の薬学的に許容され得る担体中に適切な濃度となるように溶解または懸濁することにより製造することができる。また、注射剤は、場合により、非水性の希釈剤(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類など)、懸濁剤あるいは乳濁剤として調製することもできる。
そのような注射剤の無菌化は、バクテリア保留フィルターを通す濾過滅菌、殺菌剤の配合または照射により行うことができる。注射剤は、用時調製の形態として製造することができる。即ち、凍結乾燥法などによって無菌の固体組成物とし、使用前に無菌の注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することができる。
また、本発明の組成物は、必要に応じて脂質、各種ビタミン、その他の成分を含有し得る。脂質としては、コレステロール、レシチン(リン脂質)などが例示される。ビタミンとしては、例えば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)などが例示される。他の成分としては、例えば、インスリンなどの成長因子、トランスフェリンなどの鉄源、各種サイトカインなどが例示される。また、サイトカインとしては、SCF、TPO(トロンボポイエチン)、FL(Flt3/Flk2 ligand)、IL6、IL6R(IL6受容体)などが例示される。
本発明はまた、基本培地および組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞の増幅用無血清培地を提供する。本発明の無血清培地は、基本培地およびrHSAを含有することを特徴とする。本発明の無血清培地に添加されるrHSAは、上述の通りである。
本発明の無血清培地の調製に用いられる基本培地としては通常の細胞培養用、特に哺乳動物細胞培養に用いられているものであれば特に限定されない。具体的にはMEM(αMEMなど)、RPMI(RPMI1620など)、HamF(HamF12など)が例示される。
本発明の無血清培地に添加される組換えHSAの量は、造血細胞の効率的な増幅、及び/又は特定の造血細胞の選択的増幅を可能とする限り特に限定されないが、例えば約0.1〜20w/v%、好ましくは約0.5〜10w/v%、より好ましくは約1〜5w/v%である。
本発明の無血清培地には、必要に応じて脂質が添加される。本発明の無血清培地に添加される脂質としては、コレステロール、レシチン(リン脂質)などが例示される。コレステロールの添加量は、例えば約10〜1000μg/mlであり、レシチンの添加量は、例えば約10〜1000mg/mlである。
また、本発明の無血清培地は、他の成分をさらに添加することもできる。他の成分としては、例えば、インスリンなどの成長因子、トランスフェリンなどの鉄源、各種サイトカインなどが例示される。また、サイトカインとしては、SCF、TPO(トロンボポイエチン)、FL(Flt3/Flk2 ligand)、IL6、IL6R(IL6受容体)などが例示される。インスリンの添加量としては1〜100単位(ウサギ血糖による定量法)または1〜100mg/ml程度が例示される。また、トランスフェリンの添加量としては1〜100mg/ml程度が例示される。さらに、サイトカインの添加量としては各々、1〜1000ng/ml程度、好ましくは10〜100ng/ml程度が例示される。
さらに、必要に応じて、本発明の無血清培地には、各種ビタミンなどが添加される。添加されるビタミンとしては、例えば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)などが例示される。ビタミンの添加量は、例えば、約0.1〜10mg/mlであり得る。
本発明の無血清培地のpHとしては造血細胞の増幅が可能である限り特に限定されないが、例えば約6.0〜8.0、好ましくは約6.8〜7.6、最も好ましくは約7.0〜7.2であり得る。
本発明の無血清培地は、造血細胞をより分化させずに、造血細胞全般の増幅を可能とするため有用であるが、具体的には、造血幹細胞からの造血幹細胞の増幅、並びに、造血幹細胞及び/又は造血前駆細胞からの造血前駆細胞の増幅を可能にする。
従って、第一の局面において、本発明の無血清培地は、造血幹細胞増幅用の培地であり得る。例えば、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地及び血漿由来HSA含有無血清培地よりも、CD34細胞(例えば、CD34/CD38、CD34/DR、CD34/CD38/DR、CD34/CD90、CD34/CD117、CD34/CD123、CD34/CD133)をより未分化の状態で増幅することが確認されている(表8、10、16)。従って、本発明の無血清培地は、造血幹細胞をより未分化の状態で増幅するために用いられ得る。
また、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、CD34/CD38細胞、CD34/CD38/DR細胞をより効率的に増幅することが確認されている(表2)。従って、本発明の無血清培地は、CD34/CD38細胞及び/又はCD34/CD38/DR細胞をより効率的に増幅するために用いられ得る。
別の局面において、本発明の無血清培地は、造血前駆細胞増幅用であり得る。例えば、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、CFU−Mix、BFU−Eに対応する細胞をより選択的に増幅する傾向が認められている(表3)。従って、本発明の組成物は、CFU−Mix、BFU−Eに対応する細胞をより選択的に増幅するために用いられ得る。
また、rHSA含有無血清培地は、血漿由来HSA含有無血清培地よりも、CFU−Mix、CFU−GM又はBFU−Eに対応する細胞を増幅することが確認されている(表14、15参照)。従って、本発明の無血清培地は、CFU−Mix、CFU−GM又はBFU−Eに対応する細胞を増幅するために用いられ得る。
さらに、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも未分化状態を維持して、血液前駆細胞を造血細胞から増幅することが確認されている(表4、5)。従って、本発明の無血清培地は、造血前駆細胞をより未分化の状態で増幅するために用いられ得る。
さらに、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、好中球系細胞の造血細胞からの増幅を抑制することが確認されている(表6、7)。従って、本発明の無血清培地は、好中球系細胞の造血細胞からの増幅を抑制するために用いられ得る。
また、rHSA含有無血清培地は、血清含有培地よりも、単球及びマクロファージ系細胞の造血細胞からの増幅を抑制することが確認されている(表9)。従って、本発明の無血清培地は、単球及びマクロファージ系細胞の造血細胞からの増幅を抑制するために用いられ得る。
本発明はさらに、組換えヒト血清アルブミンを含有してなる無血清培地中で造血細胞を培養することを特徴とする、造血細胞の増幅方法を提供する。ヒト血清アルブミン、無血清培地は、上述したものと同様である。
本発明の増幅方法において用いられる造血細胞としては、入手可能である限りどのような細胞であってもよく、臍帯血、末梢血、骨髄などから調製された造血細胞が例示される。これら造血細胞は、自体公知の方法によりCD34に純化したものを用いることができる。
無血清培地に播種される細胞量としては、造血細胞の培養が可能である限り特に限定されないが、約1×10〜1×10個/mlが例示される。培養期間は、特に限定されないが、1日以上(例えば、1〜20日)、7日以上(例えば、7〜14日)が例示される。培養温度は約30〜40℃、好ましくは37℃であり得る。二酸化炭素含量は約1〜10%、好ましくは約5%などが例示される。
本発明の増幅方法は、造血細胞をより分化させずに、造血細胞全般の増幅を可能とするため有用であるが、具体的には、造血幹細胞からの造血幹細胞の増幅、並びに、造血幹細胞及び/又は造血前駆細胞からの造血前駆細胞の増幅を可能にする。
本発明の増幅方法は、rHSAを含有する無血清培地を用いることを特徴とする。従って、一つの局面において、本発明の増幅方法は、血清含有培地及び血漿由来HSA含有無血清培地を用いる培養よりも、造血幹細胞をより未分化の状態で増幅し得る。また、本発明の増幅方法は、血清含有培地を用いる培養よりも、CD34/CD38細胞及び/又はCD34/CD38/DR細胞をより効率的に増幅し得る。
別の局面において、本発明の増幅方法は、血清含有培地を用いる方法よりも、CFU−Mix、BFU−Eに対応する細胞をより選択的に増幅し得る。また、本発明の増幅方法は、血漿由来HSA含有無血清培地よりも、CFU−Mix、CFU−GM又はBFU−Eに対応する細胞を増幅し得る。さらに、本発明の増幅方法は、血清含有培地よりも、造血前駆細胞をより未分化の状態で増幅し得る。また、本発明の増幅方法は、血清含有培地よりも、好中球系細胞の造血細胞からの増幅を抑制し得る。さらに、本発明の増幅方法は、血清含有培地よりも、単球及びマクロファージ系細胞の造血細胞からの増幅を抑制し得る。
また、本発明は、上記の本発明の増幅方法により得られうる造血細胞培養物を提供する。本発明の培養物は、rHSAを含有する無血清培地で造血細胞を培養することにより得られるものであるため、血清由来の成分を含有しないという特徴を有する。従って、本発明の培養物は、血清成分に由来するウイルスやプリオン等の有害物が混入する恐れがないため、細胞医療等での使用において有用である。
本発明の造血細胞培養物は、培養培地中に存在していてもよく、また、遠心分離等の自体公知の方法により回収された形態で提供されてもよい。また、FACS等の自体公知の方法により、CD34等のマーカーを指標として造血幹細胞に純化することもできる。また、造血前駆細胞に対する種々のマーカー(例えば、CD13、CD14、CD41、グリコホリン、CD19、CD3)を用いて造血前駆細胞、好ましくは特定の造血前駆細胞に純化することもできる。従って、本発明はまた、本発明の培養方法により得られうる造血幹細胞の培養物、並びに造血前駆細胞全般及び特定の造血前駆細胞の培養物を提供する。
本発明をより詳細に説明するために実施例および実験例を挙げるが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
参考例1:rHSAの調製
rHSAは、以下の通り調製した。先ず、rHSA産生酵母ピキア・パストリスの取得およびその培養については、特開平5−317079号公報に記載された方法に準じて行った。得られた培養液からrHSAを回収・精製するには、特開平8−116985号公報に記載された方法に準じて行った。次いで、精製されたrHSAを25%溶液に調製した。
続いて、精製されたrHSA(含有組成物)の性状を、下記のそれぞれの分析法により確認した。これら性状の測定結果を表1に示す。
HPLC分析:
rHSAをHPLCゲル濾過法により分析した。カラムはTSK gel G3000SW(東ソー)、展開液は0.1M KHPO/0.3M NaCl緩衝液、検出は波長280nmの吸光度を用いた。
酵母由来成分の分析:
HSA非産生酵母の上清として、上記の方法で粗精製したものをウサギに免疫し、得られた抗血清を用いて、精製されたrHSA含有組成物中に夾雑する酵母由来成分を検出した。測定は酵素免疫測定法(EIA法)により行なった。rHSA濃度として25%に調製したものを用いて測定した。
分子量:
前述のHPLCゲル濾過法と同様にして行なった。
等電点:
薄層ポリアクリルアミドゲルを用い、Allenらの方法(J.Chromatog.,146,p1,1978)に準じて測定した。
着色度:
波長280nm、350nm、450nmおよび500nmでの吸光度を測定し、A350/A280、A450/A280、A500/A280を各々算出した。
パイロジェン:
生化学工業のエンドスペシーを用いた。
Figure 2005204539
当該rHSA含有組成物を本発明の実施例および実験例に供した。
実施例1:rHSAを含有する無血清培地の調製
αMEM、2w/v%rHSA、コレステロール(ICN Biomedical社)100μg/ml、レシチン(ICN Biomedical社)160mg/ml、インスリン(Sigma社)10mg/ml、ホロトランスフェリン(Sigma社)20mg/ml、トコフェロール(WAKO社)1mg/ml、アスコルビン酸(WAKO社)1mg/mlを配合し、完全無血清培地を調製した。コレステロールは難溶性のため、エタノールで溶解させた後、30〜40℃に設定したスターラで10分間攪拌し、エタノールを蒸発させた。その後、常温のスターラに移し、コレステロールの結晶が析出する前にrHSAをゆっくり滴下して抱合させた。この溶液に上記試薬を混合させた後、ボトルトップフィルターで濾過滅菌を行った。
実施例2:rHSA及び種々のサイトカインを含有する無血清培地の調製
αMEM、2w/v%rHSA、コレステロール(ICN Biomedical社)100μg/ml、レシチン(ICN Biomedical社)160mg/ml、インスリン(Sigma社)10mg/ml、ホロトランスフェリン(Sigma社)20mg/ml、トコフェロール(WAKO社)1mg/ml、アスコルビン酸(WAKO社)1mg/ml、SCF100ng/ml、TPO10ng/ml、FL100ng/ml、IL6 100ng/ml、sIL6R100ng/mlを配合し、完全無血清培地を調製した。
実験例1:臍帯血CD34 細胞の増幅率の測定
CD34細胞の培養細胞の増幅率を、血清培地、無血清培地において培養7日目、14日目でそれぞれ解析した。CD34細胞の増幅率は、FACS解析に基づく、0日目のCD34/CD45細胞数に対する7日目又は14日目のCD34/CD45細胞数の倍率である。CD34/CD38細胞、CD34/CD38/DR細胞の各増幅率は、それぞれ、FACS解析に基づく、0日目のCD34/CD38細胞、CD34/CD38/DR細胞数に対する7日目又は14日目のCD34/CD38細胞、CD34/CD38/DR細胞数の倍率である。なお、用いた培地、CD34細胞、培養条件は下記の通りである。結果を表2に示す。
培地:
血清培地としては、αMEM(最小基本培地α)に10%または20%FCS(ウシ胎児血清、JRH社)、及び5種のサイトカイン(SCF 100ng/ml、TPO 10ng/ml、FL 100ng/ml、IL6 100ng/ml、sIL6R 100ng/ml)を添加したものを、無血清培地としては、実施例2で調製したものを用いた。
CD34 細胞:
臍帯血よりマグネット・イムノビーズ法(AutoMACS)を用いてCD34細胞を分離後、液体窒素で凍結保存したものを解凍して用いた。用いたCD34細胞の純度は、95%以上であった。
培養条件:
上記の通り調製された血清培地、無血清培地の各1mlにCD34細胞1×10個を播き、5%COインキュベータで7日間又は14日間培養した。培養には24穴プレートを用いた。
Figure 2005204539
その結果、総細胞の増殖率では血清培地が無血清培地よりも高かったが、14日目におけるCD34/CD38細胞、CD34/CD38/DR細胞の増幅率では無血清培地が血清培地よりも高かった(表2)。
以上より、rHSA含有無血清培地は、総細胞の増幅率では血清培地に劣るものの、長期培養でのCD34/CD38細胞、CD34/CD38/DR細胞の選択的な増幅において血清培地よりも優れることが明らかとなった。
実験例2:培養細胞のコロニー形成能の測定
CD34細胞の培養細胞のコロニー形成能を、血清培地、無血清培地において培養7日目、14日目でそれぞれ解析した。用いた培地、CD34細胞、培養条件は実験例1と同様であった。コロニー形成能は、コロニーアッセイにより評価した。具体的には、メチルセルロース培地(MethoCult社)を用いて培養前と培養7日目、14日目にコロニーアッセイを行った。培養前、培養7日目については細胞密度250個/ディッシュ、14日目については500個/ディッシュで細胞を播き、14日間培養した後、コロニー数をカウントした。なお、総コロニー数の増幅率は、単位当たりの総コロニー数と培養総細胞数よりコロニー形成細胞数を算出し倍率に換算した。CFU−GM、BFU−E、CFU−Mixの増幅率については、それぞれ、単位当たりのCFU−GM、BFU−E、CFU−Mixコロニー形成率と総細胞数よりコロニー形成細胞数を算出し倍率に換算した。結果を表3に示す。
Figure 2005204539
その結果、CFU−GMの増幅では無血清培地が血清培地よりも高かったが、BFU−E、CFU−Mixの増幅では無血清培地が血清培地よりも高かった(表3)。
以上より、rHSA含有無血清培地は、総細胞、CFU−GMの増幅率では血清培地に劣るものの、BFU−E、CFU−Mixの選択的な増幅において血清培地よりも優れる傾向が認められた。
実験例3:CD34 細胞培養細胞の染色による形態学的解析
CD34細胞の培養14日目の細胞を、既報に従いメイギムザ(May Giemsa)、ペルオキシダーゼ (Perocidase)、エステラーゼ (Esterase) の3種類の染色により形態学的に解析した。ギムザ染色による培養細胞の形態分類を表4に、同染色による分類一覧を表5に、ペルオキシダーゼによる培養細胞の形態分類を表6に、エステラーゼ染色による培養細胞の形態分類を表7にそれぞれ示す。
Figure 2005204539
Figure 2005204539
Figure 2005204539
Figure 2005204539
その結果、ギムザ染色による解析によれば、無血清培地は、血清培地よりも未分化状態を維持した(表4)。特に、無血清培地は血清培地よりも骨髄芽球の割合が高かった(表5)。また、ペルオキシダーゼ染色、特異的エステラーゼ染色(ペルオキシダーゼ陽性、特異的エステラーゼ陽性は、好中球系細胞への分化を主に示す)による解析によれば、無血清培地は、血清培地よりもCD34細胞の増幅に際して好中球系細胞への分化を抑制した(表6、7)
以上より、rHSA含有無血清培培地で培養されるCD34細胞は、血清培地で培養されるCD34細胞よりも未熟性が維持されることが明らかとなった。
実験例4:培養細胞の表面抗原の解析
CD34細胞の培養細胞の表面抗原を、血清培地、無血清培地において培養14日目でそれぞれ解析した。用いた培地、CD34細胞、培養条件は実験例1と同様であった。表面抗原は、培養細胞を常法により3色染色し、次いでFACSキャリバーを用いて解析した。表面抗原の解析として、CD34/CD38/DRの陽性率の解析、造血前駆細胞の性質の解析、Lineage解析を行った。本解析に用いた抗体は以下のマーカーに対する抗体である。
・CD34/CD38/DR細胞の陽性率:CD34、CD38、HLA−DR
・Lineage解析:CD13(骨髄系マーカー)、CD14(単球及びマクロファージ系のマーカー)、CD41(巨核球系マーカー)、CD19(B細胞系マーカー)、CD3(T細胞系マーカー)、グリコホリン(赤血球系マーカー)
・造血前駆細胞の性質の解析:CD90、CD117、CD38、HLA−DR、CD123、CD133
なお、CD34/CD38/DR細胞の陽性率の解析は、FACSを用いて以下の通りに行なった。先ず、前方散乱光 (Forward Scatter; FS) と側方散乱光 (Side Scatter; SS) のscatter gramから得られる細胞集団にgatingした(R1)。次いでSSとCD34領域にgatingした(R2)。さらにR1かつR2のゲート内の細胞をCD38とHLA−DRで展開した(34 gating)。次いで、34 gating CD38/DRの平均値(n=5)を算出した。
CD34/CD38/DR細胞の陽性率についての結果を表8に、Lineage解析についての結果を表9に、造血幹細胞の性質の解析についての結果を表10に示す。
Figure 2005204539
Figure 2005204539
Figure 2005204539
その結果、CD34細胞の内、CD34/CD38/DR細胞の割合は、無血清培地が血清培地よりも約8倍高い値を示した。また、Lineage解析によれば、無血清培地は、血清培地よりも、単球系への分化を抑制した(表9)。さらに、造血幹細胞マーカーの解析によれば、全てのマーカーが無血清培養で高発現し、特にCD34/CD90を除く全てのマーカーが有意に高発現していた(表10)。
以上より、rHSA含有無血清培地は、血清培地よりも、CD34細胞のCD34/CD38/DR細胞への選択的な増幅に優れること、CD34細胞の増幅に際して単球系細胞への分化を抑制すること、造血幹細胞の未分化増幅に優れることが明らかとなった。
実験例5:培養液中のサイトカイン含有量の測定
実験例2において培養細胞のコロニー形成率が無血清培地で優れていたことから、無血清培養は分化能より自己複製能を持つ造血前駆細胞をより選択的に増幅させると推察された。この一因としてFCS中に分化を促進するサイトカインが含まれることが考えられたので培養液中のサイトカイン含有量、及び培養14日目の培養上清中のサイトカイン含有量をELISA法で測定した。測定はG−CSF、GM−CSF、TGF−β1、TGF−β2、IL3、EPOについて行った。培養液中のサイトカイン含有量についての結果を表11に、培養上清中のサイトカイン含有量についての結果を表12に示す。
Figure 2005204539
Figure 2005204539
その結果、血清培養でGM−CSF、TGF−β2、EPOが有意差をもって多いことが判明した。また培養液を測定したところ血清培地のみTGF−β2が検出された(表11)。血清培養で高濃度のTGF−β2が検出された。TGF−β2は分化の進んだ造血細胞の分化型サイトカイン受容体の発現を増強させる効果とそれによる分化型サイトカインの分泌刺激作用が報告されており、今回の検討においても培養14日目における血清培養の培養上清の方がGM−CSF等の分化型サイトカインが優位に増加していた。
以上より、本発明の無血清培培地は、自己複製能を有する造血幹細胞、造血前駆細胞の増幅に有用であることが明らかとなった。
実験例6:血漿由来HSAとrHSAの効力の比較
6.1.血漿由来HSA含有無血清培地の調製
培養方法、培地の組成、表面抗原解析方法、コロニーアッセイ法は実験例1と同じである。血漿由来HSA添加培地は、αMEM、2w/v%ヒト血漿由来HSA(三菱ウェルファーマ製)、コレステロール(ICN Biomedical社製)100μg/ml、レシチン(ICN Biomedical社製)160mg/ml、インスリン(Sigma社製)10mg/ml、SCF100ng/ml、TPO10ng/ml、FL100ng/ml、IL6 100ng/ml、sIL6R100ng/mlを配合し、無血清培地を調製した。
6.2.CD34 細胞増幅の比較
CD34細胞を10個ずつ播いた。血漿由来HSA、rHSA含有無血清培地にビタミンE、ビタミンCをそれぞれ添加した。培養14日目の総培養細胞数を測定した。結果を表13に示す。
Figure 2005204539
6.3.コロニー形成能の比較
実験例2と同様に14日間培養した後、培養7日目、14日目のコロニー形成能を解析した。培養7日目におけるコロニー形成能を表14に、培養14日目におけるコロニー形成能を表15にそれぞれ示す。
Figure 2005204539
Figure 2005204539
6.3.CD34 /CD38 細胞増幅の比較
上記と同様にしてFACSを用いて解析した。14日間培養し、CD34、CD38の両抗原について解析した。結果を表16に示す。
Figure 2005204539
その結果、rHSAは、血漿由来HSAよりもCD34細胞の増殖能が低かった(表13)。しかしながら、rHSAは、血漿由来HSAよりもCFU−GM、BFU−E、CFU−Mixの増幅能が高かった(表14、15)。また、rHSAは、血漿由来HSAよりもCD34/CD38細胞の増幅能が高かった(表16)。
以上より、rHSAは、血漿由来HSAよりもCFU−GM、BFU−E、CFU−Mixの増幅に優れること、並びに、血漿由来HSAよりもCD34/CD38細胞の増幅に優れることが明らかとなった。
本発明は、未分化の造血細胞をより未分化の状態で増幅することができる種々の手段を提供するため、再生医療、細胞移植への応用が期待できる。また、本発明は、無血清培地での造血細胞の増幅を可能とし、血清成分に由来するウイルスやプリオンの混入を回避することができるため、再生医療、細胞移植への応用が期待できる。

Claims (15)

  1. 組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞の増幅用組成物。
  2. 造血細胞が造血幹細胞である、請求項1記載の組成物。
  3. 造血幹細胞がCD34/CD38、CD34/DR、CD34/CD90、CD34/CD117、CD34/CD123、及びCD34/CD133からなる群より選ばれるものである、請求項2記載の組成物。
  4. 造血幹細胞がCD34/CD38/DRである、請求項2記載の組成物。
  5. 造血細胞が造血前駆細胞である、請求項1記載の組成物。
  6. 基本培地および組換えヒト血清アルブミンを含有してなる、造血細胞の増幅用無血清培地。
  7. 組換えヒト血清アルブミンを含有してなる無血清培地中で造血細胞を培養することを特徴とする、造血細胞の増幅方法。
  8. 造血細胞を調製することをさらに含む、請求項7記載の増幅方法。
  9. 造血細胞が臍帯血由来のものである、請求項7又は8の増幅方法。
  10. 造血細胞が造血幹細胞である、請求項7〜9のいずれか1項記載の増幅方法。
  11. 増幅された造血幹細胞がCD34/CD38、CD34/DR、CD34/CD90、CD34/CD117、CD34/CD123、及びCD34/CD133からなる群より選ばれるものである、請求項10記載の増幅方法。
  12. 増幅された造血幹細胞がCD34/CD38/DRである、請求項10記載の増幅方法。
  13. 造血細胞が造血前駆細胞である、請求項7〜9のいずれか1項記載の増幅方法。
  14. 請求項7〜13のいずれか1項記載の方法により得られうる造血細胞培養物。
  15. 血清成分を含有しない、請求項14記載の培養物。
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