JP2005203332A - 膜電極接合体及びその製造方法、並びに燃料電池 - Google Patents

膜電極接合体及びその製造方法、並びに燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 担持された高価な貴金属触媒の電極反応への有効利用を可能とし、締付けによる高い面圧の付与に起因する膜耐久性の低下がなく、高い面圧を与えることなく良好な発電性能を発揮し得る膜電極接合体及び燃料電池を提供する。
【解決手段】 膜電極接合体を構成する高分子電解質膜11に配向されると共に、電極触媒金属32が担持されたカーボンナノチューブ31を備えている。
【選択図】 図2

Description

固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)など、燃料電池の発電セルの構成に好適な膜電極接合体及びその製造方法、並びに該膜電極接合体を備え、PEFCやDMFC等の構成に好適な燃料電池に関する。
近年、水素と酸素の電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギー供給源として注目されている。イオン交換樹脂膜を用いた燃料電池などでは一般に、高分子電解質であるイオン交換樹脂膜がアノード極とカソード極の両電極間に狭持されるように構成されており、これら各電極は通常、電気化学反応を担う触媒層と集電体として機能する拡散層とを設けて構成されている。
触媒層は一般に、白金(Pt)系貴金属などの電極反応用の触媒金属を担持したカーボン(C)粉を適当な有機溶剤に分散させ、これに電解質溶液を適量添加してペースト状にし、プロトン伝導性物質であるイオン交換樹脂膜に設けて形成されている。したがって、従来の燃料電池用電極では主にカーボンブラックを基体とし、これに電極反応を担う触媒金属やプロトン伝導性物質等を固めたガス拡散型の構造となっている(例えば、非特許文献1参照)。
そして、電極反応は電極とプロトン伝導性物質とが接する部分、すなわち三相界面に原料ガスが供給されることで起こるが、図9に示すように、この三相界面の設計は非常に困難な技術であることから、原料ガスの供給が三相界面付近まで充分に至らず、三相界面付近に担持された高価な貴金属触媒が有効に利用されないという課題があった。そのため、貴金属触媒の使用量を低減しようとしても電流供給の低下に繋がり、発電効率を阻害せずに使用量の低減を図ることも困難である。さらに、一般には上記のように拡散層が設けられるが、この場合には燃料給排用の流路を形成するためのセパレータと触媒層との間に拡散層が設けられ、セパレータ/拡散層/触媒層/電解質膜の積層構造を有することになるが、特にセパレータ/拡散層間や拡散層/触媒層間の接触抵抗が悪化して発電効率を損なうのを防止する必要があることからボルト等での締め付けが不可欠であり、膜の耐久性に悪影響を及ぼすという問題があった。特にセパレータ/拡散層間での電気的な接触抵抗の低減、すなわち導電性確保という意味で大きな課題となっていた(例えば、特許文献1参照)。
また、繊維状のカーボンを担体とした電極触媒に関し開示されている技術がある(例えば、特許文献2参照)。しかし、単に繊維状のカーボンを用いた構成とするのみでは必ずしも良好な発電効率は得られず、膜の耐久性への悪影響が生ずる点については上記と同様である。
特開2002−246034号公報 特開平8−17440号公報 固体高分子型燃料電池の開発と応用(p.6、株式会社エヌ・ティー・エス)
以上のように、燃料供給側から離れた三相界面付近に担持された貴金属触媒を電極反応に有効に利用可能であると共に、膜への悪影響を与える締め付けによる高い面圧を与えなくとも良好な発電効率が得られる膜電極接合体を作製する技術は未だ確立されていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、担持された高価な貴金属触媒の電極反応への有効利用を可能とし、締付けによる高い面圧の付与に起因する膜耐久性の低下がなく、高い面圧を与えることなく良好な発電性能を発揮し得る膜電極接合体及びその製造方法、並びに前記膜電極接合体を備えた燃料電池を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、高分子電解質膜に(好ましくは略垂直に)カーボンナノチューブを配向すると共に、配向されたカーボンナノチューブを電極触媒金属を担持する担体とし、これをセパレータ(又は拡散層)/高分子電解質膜間に設けて構成することが、高い面圧を与えることなく導電性を確保(接触抵抗を低く)する上で有用であるとの知見を得、該知見に基づいて達成されたものである。前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
上記目的を達成するために、第1の発明である膜電極接合体は、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜(例えば表面)に配向されると共に電極触媒金属を担持したカーボンナノチューブとで構成したものである。すなわち、電極触媒金属を担持したカーボンナノチューブは、燃料電池(例えばPEFCやDMFC)の電極として機能するものである。例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)の場合、電極触媒金属を担持したカーボンナノチューブは、高分子電解質膜と原料ガスを給排する流路を形成するセパレータとの間に配設される。
第1の発明の膜電極接合体においては、カーボンナノチューブを電極触媒金属を担持する担体とすることで被担持面の面積を拡く確保し電極触媒金属を高密度担持させることが可能であると共に、高分子電解質膜(例えば表面)に直接、電極触媒金属が担持されたカーボンナノチューブを配向して電極を構成するようにしたので、(例えばセパレータ(流路)側から)供給される燃料(原料ガス等)は三相界面付近まで到達し、均一に拡散される、すなわちガス供給が良好に行なわれるようになり、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができる。また、カーボンナノチューブは、カーボンブラックなどに比してより電気的抵抗が低い点でも有利である。
また、このようにカーボンナノチューブを高分子電解質膜に接合して用いるようにしたので、必ずしも拡散層を必要とせず、従来発電性能の確保から必須とされたボルト等での締め付けによる高い面圧の付与も不要となり、締め付けに起因する膜の耐久性の低下を解消でき、高耐久性で良好な発電性能(高い電流密度での発電運転)を確保することができる。また、高密度担持により電極反応性が向上し、触媒担持量に低減にも寄与する。
カーボンナノチューブは、単層、多層のいずれの層構造からなるものでもよく、チューブ径は外径で10〜100nmであるのが、高密度担持が可能である点で好ましい。
第1の発明に係るカーボンナノチューブは、例えばPEFCやDMFC等の燃料電池において拡散層を設けずに燃料(原料ガス等)を給排する流路を形成するセパレータを配設する場合には、カーボンナノチューブに対向させて設けられるセパレータのカーボンナノチューブ側に突出する凸部先端面と向き合う高分子電解質膜の領域に設けて構成することができる。上記のようにカーボンナノチューブはその一端で高分子電解質膜(例えば表面)に配向されており、更にその他端をセパレータの凸部先端面、つまりセパレータの燃料流路をなす凹部以外の凸状となった部分の、高分子電解質膜と向き合う面と選択的に接合するので、カーボンナノチューブは接合を行なう凸部先端の表面とに対向する高分子電解質膜の領域のみに選択的に設けられれば足り、セパレータとの接合が行なわれない凹部(燃料流路)と向き合う高分子電解質膜の領域に不要なカーボンナノチューブを設けないように構成することができる。
上記のように、カーボンナノチューブを高分子電解質膜とセパレータ(好ましくはその凸部)との間に設ける場合において、一般にセパレータ/電極(触媒)間に拡散層を設けないときには、カーボンナノチューブの長さを200μm以上とするのが望ましい。長さを200nmとすることで、供給される原料ガスの供給、拡散性及び電極反応で生成した水(生成水)の排出性が充分に確保でき、発電性能の安定保持、向上させることができる。
また、カーボンナノチューブは、少なくとも高分子電解質膜の膜面(特にセパレータが設けられたときのセパレータに対向する側の膜面)に対して、より好ましくは前記膜面及びセパレータの前記凸部表面に対して、略垂直に配向されていることが効果的である。カーボンナノチューブが略垂直に配向されると供給された燃料(原料ガス等)の供給性及び生成された生成水の排出性が良好となるので、安定的に良好な発電性能を保持することができる。
カーボンナノチューブには、電極反応を起こす公知の金属を適宜選択して担持することができるが、特に電極触媒金属として白金(Pt)又は白金と他の金属とからなる合金を担持することが好適である。一般に白金系触媒金属は貴金属に属し高価であるが、既述のように電極触媒金属は電極反応に有効利用されるため触媒使用量の低減が可能であり、白金系触媒金属で構成する場合に有利である。
カーボンナノチューブに担持される電極触媒金属(好ましくはPt又はPtと他の金属とからなる合金)は、粒子径を担体であるカーボンナノチューブの外径以下とするのが効果的である。粒子径を外径以下とするので、担持面積を拡く確保でき、電極触媒金属を高密度に担持することができる。好ましくは1〜3nmである。
カーボンナノチューブは、その表面にプロトン伝導性物質(好ましくはパーフルオロスルホン酸系化合物)を設けて構成することができ、湿潤状態におかれた際のプロトン伝導性を高めることができる。パーフルオロスルホン酸系化合物で構成されると、特にプロトン伝導性が向上する。さらに、プロトン伝導性物質は、厚みが1〜70μmとなるように設けることが効果的である。
また、設けられたプロトン伝導性物質の上には更に撥水化材(好ましくはフッ素系樹脂)を設けて構成するようにすることが望ましい。電極をなすカーボンナノチューブ間に撥水性物質が設けられるので、電極反応により生成された生成水がカーボンナノチューブに付着、滞留せず、原料ガスの供給性を充分に確保でき、出力低下を起こさない発電性能を確保することができる。フッ素系樹脂で構成されると、特に原料ガスの供給効率を向上させることができ、更にはポリテトラフルオロエチレン及び/又はポリフッ化ビニリデンが効果的である。
本発明の膜電極接合体は、カーボンナノチューブの少なくとも一部を覆うための酸素富化性の断熱部材を更に設けて構成することができる。断熱部材は酸素富化性に構成されるので、特に膜電極接合体のカソード極側では、電極触媒金属を担持して電極を構成するカーボンナノチューブに酸素供給可能であると共に、電極触媒金属を担持して電極を構成するカーボンナノチューブにおいて電気化学反応(電池反応)が進行して局部的に発熱するため、断熱部材を設けてカーボンナノチューブの少なくとも発熱部位を外側から覆うことで保熱することができる。保持された熱エネルギーを利用することで、低温環境下(例えば0℃以下)での始動性(低温始動性)を向上させることができ、差圧をかける等の他のエネルギー付与によることなく、断熱部材の酸素富化特性をより効果的に向上させ得る。酸素富化性の断熱部材としては、酸素富化セラミックス材が好適である。
また、断熱部材は筒形状が好適であり、その筒内部に高分子電解質膜に配向されたカーボンナノチューブの少なくとも一つ(一本)を内設して構成することができる。カーボンナノチューブは、一本ごとに断熱部材で覆われた形態、多数本からなる所望の単位ごとに覆われた形態のいずれに構成することもできる。
第2の発明である燃料電池は、上記した第1の発明である膜電極接合体を用いて構成したものである。上記のようにして構成される第1の発明の膜電極接合体が設けられるので、担持された電極触媒金属が電極反応に有効に利用されて高い電流密度での発電運転が可能であり、高い耐久性を具えている。また、低温始動性にも優れる。
特に拡散層を有しない構成とする場合には、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜側に凹部を有し燃料流路を形成するセパレータと、前記セパレータの高分子電解質膜側に突出する凸部先端面と向き合う前記高分子電解質膜の領域に設けられると共に、電極触媒金属を担持したカーボンナノチューブとで構成することができる。
燃料電池には、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)などが含まれる。
第3の発明である膜電極接合体の製造方法は、触媒担持体に生成されたカーボンナノチューブに電極触媒金属を担持する電極触媒担持工程と、電極触媒金属が担持された前記カーボンナノチューブを高分子電解質膜に転写し、前記カーボンナノチューブの一端を前記高分子電解質膜に接合して配向させる転写工程とで構成したものである。
第3の発明においては、カーボンナノチューブ生成用の触媒金属が担持された触媒担持体を用いてカーボンナノチューブを生成し、生成されたカーボンナノチューブ(例えばチューブ表面)に電極触媒金属を担持した後、電極触媒金属が担持されたカーボンナノチューブを転写法により高分子電解質膜に転写する。このとき、触媒担持体と一端で繋がるカーボンナノチューブの他端を高分子電解質膜に接合して配向する。
上記のように高分子電解質膜に直接カーボンナノチューブを配向する場合において、一般に高分子電解質膜はカーボンナノチューブ生成時の高温下に曝すことが困難で電解質膜へのチューブ生成は難しいが、転写法を採用することで高分子電解質膜に直接カーボンナノチューブを設けることが可能となる。そして、生成時における配向状態で電解質膜に配向させることができ、例えば触媒担持体の担持面に対し略垂直に生成されているときには、高分子電解質膜の膜面に対し略垂直に配向するカーボンナノチューブを簡易に設けることができる。第3の発明により、既述の第1の発明の膜電極接合体を作製することができる。
第3の発明においては、転写工程を行なった後に、高分子電解質膜のカーボンナノチューブが配向された側に燃料流路を形成するセパレータを併設し、高分子電解質膜と一端で接合するカーボンナノチューブの他端とセパレータの凸部先端面とを導電性接着剤を用いて接着する接着工程を更に設けることができる。
転写されて一端で高分子電解質膜と接合するカーボンナノチューブの他端を、セパレータの凸部先端面(流路をなす凹部以外の凸部先端の高分子電解質膜と向き合う面)と選択的に導電性接着剤により接着されるので、セパレータ/電極/高分子電解質膜の積層構造における導電性が確保され、従来のような締付けによる高い面圧を与えずとも良好な発電性能を得ることができる。
導電性接着剤は、乾燥後に導電性が得られる接着剤であり、公知のものの中から適宜選択することができる。導電性接着剤の中でも、カーボン系導電性接着剤が特に効果的であり、例えばフェノール系やポリエステルなどの接着剤が挙げられる。
第3の発明に係るカーボンナノチューブは、触媒担持体上にカーボンナノチューブを生成する過程において、供給される原料ガスの触媒担持体の表面での流速を2mm/sec以上にして生成することができる。上記範囲の流速に生成条件を調整することで、外径の直交方向における長さの長い、特に200μm以上のカーボンナノチューブを効率よく生成するのに有用である。
電極触媒金属、特に白金のカーボンナノチューブへの担持は、湿式法又は乾式法によって行なうことが望ましい。湿式法及び乾式法の詳細については後述する。
上記の電極触媒担持工程と転写工程との間には更に、電極触媒金属が担持されたカーボンナノチューブに更にプロトン伝導性物質を付与する付与工程を設けることができる。この場合は転写工程前に予め、触媒担持後のカーボンナノチューブの表面にプロトン伝導性物質が設けられ、その後の転写工程においてはプロトン伝導性物質が設けられたカーボンナノチューブが転写される。また、付与工程ではプロトン伝導性物質を設けた後に更にプロトン伝導性物質の上に撥水化材を付与するようにしてもよい。この場合は転写工程前に予め、触媒担持後のカーボンナノチューブの表面に該表面側から順にプロトン伝導性物質と撥水化材とが設けられ、その後の転写工程においてはプロトン伝導性物質と撥水化材とが設けられた状態のカーボンナノチューブが転写される。
また、付与工程においては、カーボンナノチューブにプロトン伝導性物質前駆体を付与し、付与後カーボンナノチューブに付与された状態(オンサイト)で、例えば撥水化材を付与する前に予め、放射線などを用いて重合(オンサイト重合)させてプロトン伝導性物質が付与されるようにすることもできる。上記のプロトン伝導性物質前駆体には、例えばスチレンスルホン酸モノマー等を使用でき、また、プロトン伝導性物質前駆体と共にラジカルや酸等を発して重合反応を促進する開始剤を併用してもよい。
第3の発明に係る膜電極接合体においても、既述の第1の発明と同様に、プロトン伝導性物質にはパーフルオロスルホン酸系化合物が好適であり、撥水化材にはフッ素系樹脂(より好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン及び/又はポリフッ化ビニリデン)が好適であり、これらのプロトン伝導性物質、撥水化材はいずれも、含浸法により設けることができる。含浸法では、液状としたプロトン伝導性物質又は撥水化材の中に被付与物であるカーボンナノチューブを含浸させ、乾燥させて行なわれる。
第3の発明においては更に、転写工程で高分子電解質膜に接合して配向されたカーボンナノチューブの少なくとも一部を酸素富化性の断熱部材で覆う被覆工程を設けることが、低温環境下での始動性向上、及び断熱部材を設けたときの酸素富化性をより効果的に向上させ得る点において有用である。
本発明によれば、担持された高価な貴金属触媒の電極反応への有効利用を可能とし、締付けによる高い面圧の付与に起因する膜耐久性の低下がなく、高い面圧を与えることなく良好な発電性能を発揮し得る膜電極接合体及びその製造方法、並びに前記膜電極接合体を備えた燃料電池を提供することができる。また、拡散層を用いずに構成することも可能である。
以下、図面を参照して、本発明の膜電極接合体及び燃料電池の実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明の膜電極接合体の製造方法の実施形態についても詳述する。なお、下記の実施形態において、発電運転に用いる燃料として水素ガスおよび空気(酸素)を用いた固体高分子形燃料電池(PEFC)を中心に説明する。但し、本発明においては下記の実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態)
本発明の膜電極接合体及び燃料電池の第1実施形態を図1〜図2を参照して説明する。本実施形態は、フッ素系イオン交換樹脂(高分子電解質)膜に接合し配向された直線状のカーボンナノチューブ(以下、CNTともいう)のチューブ外壁に白金(Pt;電極触媒金属)を担持すると共に、非接合側のCNT端を、原料ガス(水素ガス、空気)を給排する凹状のガス流路を有するセパレータのガス流路以外の凸状に突出する凸部先端面とカーボン系導電性接着剤で接着して構成したものである。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池(単セル)10は、膜電極接合体20及び、膜電極接合体20を両側から狭持すると共に、燃料極(アノード極)側に水素ガスが通過する、即ち供給排出される水素ガス流路23と酸化剤極(カソード極)13側に空気(エア)が通過する、即ち供給排出されるエア流路24とを形成する一対のセパレータ21、22で構成されている。図1に示すように構成された単セルは、セパレータを介在させて複数積層することでスタック構造とすることができる。
燃料電池10は、水素ガス流路23に水素(H2)密度の高い水素ガスが供給され、エア流路24に酸素(O2)を含む空気が供給されて、下記式(1)〜(3)で表される電気化学反応(電池反応)によって外部に電力を供給することができる。なお、式(1) 、式(2)は各々アノード側、カソード側での反応を示し、式(3)は燃料電池での全反応である。
2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
2+(1/2)O2 → H2O …(3)
膜電極接合体20は、フッ素系イオン交換樹脂膜11と、フッ素系イオン交換樹脂膜11を狭持するアノード極12及びカソード極13(これらを総じて「CNT電極」ということがある。)とで積層構造に構成されている。以下、図2を参照して説明する。図2は、膜電極接合体20のカソード極側を拡大して示す概略断面図である。
図2に示すように、フッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面に略垂直に、長さ500μm、外径10nmの直線状カーボンナノチューブ31がその一端で接合して配向されており、カーボンナノチューブ31の他端はセパレータ22の凸部先端面と接合されている。カーボンナノチューブ31は、フッ素系イオン交換樹脂膜11のセパレータ22の凸部と向き合う領域にだけ配向されており、凸部で接合するカーボンナノチューブ31を介してセパレータ22とフッ素系イオン交換樹脂膜11との導電性が確保されるようになっている。アノード極側についても同様である。
カーボンナノチューブ31の各々には、その外壁面に電池反応を担う電極触媒金属として粒径3nmの白金(Pt)32が担持されている。直線状のカーボンナノチューブを担体とすることで、表面積が拡く確保されて高密度担持されると共に、発電中に水が過剰に発生する環境下でも水の排出性が低下することがなく、ガスの三相界面への供給、拡散性が保持され、担持されたPt32が有効に電池反応に寄与して担持量に応じた発電効率が得られ、大きな電圧低下(濃度過電圧)が生じないようになっている。また、Pt32は、カーボンナノチューブ31の一端、すなわちフッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面との接合側の端部から担持された構成を有しており、従来のように膜電極接合体にボルト等を用いた締め付けによる面圧付与を行なわなくとも、発電部位であるPt32からセパレータ22に至るまでの接触抵抗を効果的に抑え得るようになっている。
また、Pt(電極触媒金属)32の粒子径は、カーボンナノチューブ31の外径以下のサイズに選択されており、上記粒径以外では1〜3nm程度の範囲とするのが有効である。電極触媒金属には、Pt以外にPtと他の金属とからなる合金などを用いることができる。
カーボンナノチューブ31は、図1に示すように、セパレータ21とアノード極12との間、セパレータ22とカソード極13との間に拡散層を設けない場合には、200μm以上の長さとするのが望ましい。これはカーボンナノチューブの長手方向、つまり筒の長さ方向の長さであり、該長さが200μm未満になると燃料ガス成分の供給、拡散が低下して発電効率が低下することがある。
カーボンナノチューブ31は、アーク放電法やレーザー蒸着法、カーボンナノチューブを生成するための触媒金属(以下、「CNT生成触媒金属」という)を用いこれに炭化水素系ガスや水素系ガスを供給等して合成するCVD法、高温・高圧条件下において一酸化炭素の不均化反応(CO+CO→C+CO2)を起こさせて合成するHiPco法(P. Nikolaev, M.J. Bronikowski, R.K. Bradley, F. Rohmund, D.T. Colbert, K.A. Smith, R.E. Smalley, Chem.Phys. Lett. 313 (1999) 91-97.等参照)など、公知の合成法を利用して生成することができる。
以下、触媒担持体を用いて単層カーボンナノチューブを合成する場合を例に、カーボンナノチューブの生成方法の一例を示す。
真空中、CNT生成触媒金属であるFeを所望の厚み(例えば4nm)で担持しかつ所定温度以上に加熱された触媒担持体に、原料ガスを供給すること(カーボンナノチューブ生成工程)により生成することができる。また、カーボンナノチューブ生成工程以外に、触媒担持工程や基体洗浄工程、後処理工程などの他の工程を適宜設けることができる。
カーボンナノチューブ生成工程では、触媒担持体を真空の室に配置すると共にカーボンナノチューブの生成に適した所定温度に加熱された状態とし、該触媒担持体に原料ガス(炭化水素系ガス、アルコール系ガス、及び水素系ガス等)を供給する。供給にあたり原料ガスの流量や反応温度、滞在温度を調整する、CNT生成触媒金属の大きさ(粒子径)を変える、あるいは生成されたカーボンナノチューブを更に1500〜1850℃の温度領域で加熱する、等することによってチューブ径を制御することができる。また、原料ガスを例えばイオン銃等を用いてイオン化するなど、原料ガスの性状を生成しようとするカーボンナノチューブの層構造や径、長さ等の形状、配向性に合わせて制御することも有用である。
原料ガス供給時の触媒担持体の表面における原料ガスの流速は、2mm/sec以上とすることが望ましい。該流速が上記範囲以上であると、200μm以上のカーボンナノチューブの生成を効率よく行なえる。
原料ガス供給時の触媒担持体の所定温度としては、400℃以上が好ましい。該所定温度が上記範囲であると、生成速度が確保でき、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを安定的に生成することができる。特に好ましくは500℃〜1000℃であり、この範囲であると均質なカーボンナノチューブをより効率よく生成することができる。また、本工程における真空状態としては、一般に10-3〜10Pa程度が望ましい。
原料ガスには、炭化水素系ガスやアルコール系ガス(CH系ガス)、水素系ガス(H系ガス)が含まれる。具体的には、炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種、あるいは炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種と水素系ガスから選択される少なくとも一種との両方を(場合によりガス化して)用いることができる。前記炭化水素系ガスの炭化水素成分としては、炭素数1〜6の炭化水素(例えばメタン、エタン、アセチレン、ベンゼン等)が好適に挙げられ、前記アルコール系ガスとしては、例えばメタノール、エタノール等が好適に挙げられる。また、前記水素系ガスとしては、例えば水素ガス、アンモニアガス等が好適に挙げられる。CH系あるいはH系の原料が液相もしくは固相状態である場合には、予め気相にして供給することができる。また、CH系ガスとH系ガスとの混合系の場合、その混合比(CH系:H系)は、1:1〜1:20(分圧比あるいは流量比)が好ましい。
触媒担持体は、基体の表面にCNT生成触媒金属を担持して構成される。CNT生成触媒金属としては、Fe以外にPd、Co、Ni、W、Mo、Mn又はこれらの合金などが挙げられる。基体としては、Al、Ni、ステンレス、Si、SiC、ゼオライト、活性炭(C)等が挙げられ、任意形状に構成できるが、好ましくは板状に構成される。
カーボンナノチューブの生成においては、前記カーボンナノチューブ生成工程の前工程に基体洗浄工程や触媒担持工程等を、カーボンナノチューブ生成工程の後工程に後処理工程等を更に設けることができる。
基体洗浄工程では、使用する基体(基板等)の表面を洗浄する。例えば、基体である基板を真空にした電気炉中で加熱処理することにより洗浄を行なうことができる。また、触媒担持工程では、基体にCNT生成触媒金属を担持してカーボンナノチューブの生成に用いる触媒担持体を作製する。具体的な方法については特に制限はなく、例えば、所望の基体の上に蒸着などによりFe等の所望のCNT生成触媒金属を均一に微粒化して担持させることで触媒担持体とすることができる。
また、後処理工程では、前記カーボンナノチューブ生成工程で生成されたカーボンナノチューブやカーボンナノチューブが生成された触媒担持体の後処理を行なうことができる。具体的には、以下の工程が行なわれる。例えば、生成されたカーボンナノチューブに対し、更に1500〜1850℃で加熱することによりチューブ径を制御して調整する処理を行なうことができる。また、カーボンナノチューブを空気中で再び500〜600℃程度に加熱(空気酸化処理)したり、あるいは塩酸、王水等を用いた酸処理などを行なうことができ、前者のように再加熱されたときにはチューブ端を開口(キャップオープン)でき、後者の酸処理によっても、チューブ端をカッティングしてキャップオープンする処理やカーボンナノチューブの生成後にCNT生成触媒金属の除去処理、付着したアモルファスカーボン等の煤を除去する処理、などを行なうことが可能である。
なお、カーボンナノチューブ31の表面へのPt(電極触媒金属)の担持は、塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液のアルコール等の溶剤希釈液などを用いて行なえ、その詳細については後述する
Pt32が担持されたカーボンナノチューブ31の外壁面には、図2に示すように、更にNafion溶液(Aldrich Chemical社;プロトン伝導性物質)が付与されて層厚10〜100nmのナフィオン層33が設けられており、電池反応でのプロトンの伝導性及びフッ素系イオン交換樹脂膜11との接合強度が確保されるようになっている。
プロトン伝導性物質としては、Nafion溶液以外のパーフルオロスルホン酸系化合物(パーフルオロスルホン酸ポリマー等)を使用できる。また、ナフィオン層(プロトン伝導性物質)33の厚みは、上記厚み以外には10〜70nmを満たす範囲とするのが効果的であり、特に10〜30nmであるのがより効果的である。
また、カーボンナノチューブ31上のナフィオン層33の上には更に、ポリテトラフルオロエチレン(撥水化材;PTFE)よりなるPTFE層34が設けられており、電池反応で生じた生成水などの排出性が確保できるようになっている。撥水化材としては、フッ素系樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いるのが好適であり、上記のポリテトラフルオロエチレン以外にポリフッ化ビニリデン(PVDF)も効果的な化合物として挙げることができる。また、複数種を併用してもよい。
カーボンナノチューブ31で構成されたCNT電極(アノード極12、カソード極13)はセパレータ21、22と、各々の凸部先端面においてそれぞれカーボン系の導電性接着剤35によって接着されており、乾燥後は導電性を有してセパレータとの間の導電性が確保され、従来のように膜電極接合体にボルト等を用いた締め付けによる面圧付与を行なわなくとも充分な導電性が得られるようになっている。
セパレータ21、22の凸部以外の凹部は、フッ素系イオン交換樹脂膜11との間で流路23、24を形成している。セパレータは、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンによって構成することができる。
セパレータ21及び22は、単セルのときにはそれぞれ片側の面にのみ流路が形成されているが、単セルを複数積層してスタック構造とするときには、一つのセパレータが二つの膜電極接合体の間で共有され、セパレータの各々の両側の面において流路が形成される。すなわち、一つのセパレータの両側の面に凹部(リブ)が形成され、一方の側ではアノード極における水素ガス流路23が形成され、他方の側では隣接する膜電極接合体のカソード極におけるエア流路が形成される。
次に、図1〜図2で示される膜電極接合体20の作製方法を以下に示す。
膜電極接合体20は、基体にCNT生成触媒が担持された触媒担持体に生成されたカーボンナノチューブ31にPt(電極触媒金属)を担持する電極触媒担持工程と、Ptが担持されたカーボンナノチューブ31をフッ素系イオン交換樹脂膜11(高分子電解質膜)に転写し、カーボンナノチューブ31の一端をフッ素系イオン交換樹脂膜11に接合して配向させる転写工程とを行なうことによって作製される。
電極触媒担持工程では、触媒担持体に生成されたカーボンナノチューブ31にPt(電極触媒金属)を担持する。カーボンナノチューブ31の表面へのPtの担持は、湿式法、乾式法のいずれの方法によっても行なうことができる。湿式法による場合には、エタノール等のアルコール中に塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液を適量溶解させた溶液を付与した後、水素雰囲気中で150℃以上に加熱処理する方法が望ましい。付与は、例えば、溶液中にカーボンナノチューブ31を浸漬する、あるいはカーボンナノチューブ31の表面に滴下、噴霧(スプレー)等するなどして好適に行なうことができる。また、乾式法による場合には、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法、静電塗装法などが望ましい。
また、電極触媒担持工程には、既述のカーボンナノチューブ生成工程をはじめ、触媒担持工程や基体洗浄工程、後処理工程など他の工程を適宜設けることができる。これらについては既述の通りである。
転写工程では、Ptが担持されたカーボンナノチューブ31をフッ素系イオン交換樹脂膜11に転写する。転写は、カーボンナノチューブ31を触媒担持体に生成された状態のまま、触媒担持体と接しない側の端部がフッ素系イオン交換樹脂膜11と接するように配置し、加熱及び加圧処理して接合体とし、この接合体から触媒担持体を剥離除去することによって行なうことができる。
本工程での加熱及び加圧処理は、例えばホットプレス法など、加圧可能な一対の熱板等を用いて行なうことができる。ここでの加熱温度は110〜130℃程度が、加圧は1〜2MPa程度が、フッ素系イオン交換樹脂膜11との接合性の観点から望ましい。
触媒担持体を剥離除去して転写されることで、生成時の配向状態をおよそ維持してカーボンナノチューブ31をフッ素系イオン交換樹脂膜11に配向される。そのため、カーボンナノチューブ生成工程において生成されたカーボンナノチューブが、触媒担持体の担持面に対し略垂直に直線状に生成されているときには、これを転写することでフッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面に対し略垂直な直線状のカーボンナノチューブを設けることが可能である。このように略垂直に配向させる技術として、特願2002−51391号に記載の方法や、「基板上に合成されたカーボンナノチューブを熱可塑性材料への転写により略垂直に配向させる方法」を応用することができる。
上記のように転写工程が行なわれた後には接着工程が設けられ、フッ素系イオン交換樹脂膜11と一端で接合するカーボンナノチューブ31の他端を、フッ素系イオン交換樹脂膜11と向き合うセパレータ21,22の突出する凸部先端面とカーボン系の導電性接着剤35を用いて接着し接合される。
カーボン系の導電性接着剤35は、塗布液を調製した後、ドクターブレード法やバーコート法等の公知の塗布方法を利用して塗布等することにより設けることができる。
上記した電極触媒担持工程と転写工程との間には、Pt(電極触媒金属)32が担持されたカーボンナノチューブ31にナフィオン溶液(プロトン伝導性物質)を付与して層厚10nmのナフィオン層33を形成する付与工程が設けられる。この場合、カーボンナノチューブ31はその後の転写工程においてPt32及びナフィオン層33が設けられた状態で転写される。
また、付与工程を設けるときには、上記のようにナフィオン層33を形成すると共に、更に形成されたナフィオン層33上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE;撥水化材)溶液を付与してPTFE層34が更に設けられる。この場合には、カーボンナノチューブ31はその後の転写工程においてPt32並びにナフィオン層33及びPTFE層34が設けられた状態で転写される。
付与工程でのナフィオン層33及びPTFE層34の形成は、ナフィオン溶液(プロトン伝導性物質の溶液)又はPTFE溶液(撥水化材の溶液)を塗布法、浸漬法などの公知の方法により行なうことができ、精細なカーボンナノチューブの一本一本の表面に均一に付与できる点で特に浸漬法が望ましい。
(第2実施形態)
本発明の膜電極接合体及び燃料電池の第2実施形態を図3及び図4を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の膜電極接合体においてフッ素系イオン交換樹脂膜11とセパレータとの間に更に拡散層を設け、CNT電極(アノード極及びカソード極)をCNT触媒層と拡散層とで構成するようにしたものである。なお、発電のための燃料は第1実施形態で使用した燃料を用いることができ、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図3に示すように、燃料電池(単セル)40は、膜電極接合体50及び、膜電極接合体50を両側から狭持すると共に水素ガス流路23とエア流路24とを形成する一対のセパレータ21、22で構成されている。また、図3に示す単セルもまた、セパレータを介在させて複数積層することでスタック構造とすることができる。
膜電極接合体50は、フッ素系イオン交換樹脂膜11と、フッ素系イオン交換樹脂膜11を狭むようにして設けられたアノード拡散極46及びカソード拡散極47とで積層構造に構成されている。アノード拡散極46及びカソード拡散極47は各々、電池反応(電気化学反応)を担うCNT触媒層42、43と集電体として機能する拡散層44、45とで構成されている。
CNT触媒層42、43は、第1実施形態において詳述したように同様に転写法を利用して、フッ素系イオン交換樹脂膜11の上にカーボンナノチューブ31を転写接合し配向させるようにして形成したものである。以下、図4を参照して説明する。図4は、膜電極接合体50のカソード極側を拡大して示す概略図である。
図4に示すように、フッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面に略垂直に直線状カーボンナノチューブ31がその一端で接合して配向されてCNT触媒層43をなしており、カーボンナノチューブ31の他端は拡散層45の一方の表面で接合されている。アノード極側についても同様である。
本実施形態では、CNT触媒層とセパレータの間に拡散層を設けるようにしたので、セパレータの流路(凹部)の有無に関わらず集電可能であり、また、構成が容易で簡易に作製することができる。
さらに、拡散層44、45の他方の表面はセパレータ22、23の凸部先端面と接合されており、カーボンナノチューブ31は図3〜図4のように、フッ素系イオン交換樹脂膜11のセパレータと対向する表面全体に配向されている。拡散層44、45はともに、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されている。なお、拡散層は、カーボンクロスのほか、炭素繊維からなるカーボンペーパーやカーボンフェルトなどで構成した形態も好適である。
(第3実施形態)
本発明の膜電極接合体及び燃料電池の第3実施形態を図5及び図6を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の膜電極接合体において直線状のカーボンナノチューブ31のフッ素系イオン交換樹脂膜11との接合側におけるチューブ内壁にPt32を担持すると共に、カーボンナノチューブ(CNT)の各々を酸素富化CeO2管に内設した状態で、非接合側のCNT端をセパレータの凸状に突出する凸部先端面とカーボン系導電性接着剤で接着して構成したものである。なお、発電のための燃料は第1実施形態で使用した燃料を用いることができ、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図5に示すように、フッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面に略垂直に直線状カーボンナノチューブ31(長さ500μm、外径10nm)がその一端で接合し配向されており、カーボンナノチューブ31の他端はセパレータ22の凸部先端面と接合されている。カーボンナノチューブ31は、フッ素系イオン交換樹脂膜11のセパレータ22の凸部と向き合う領域にだけ配向されて、凸部で接合するカーボンナノチューブ31を介してセパレータ22とフッ素系イオン交換樹脂膜11との導電性が確保されるようになっている。アノード極側についても同様である。
カーボンナノチューブ31の各々には、図5及び図6に示すように、その内壁面に電池反応を担う電極触媒金属として粒径3nmの白金(Pt)32が担持されている。配向された複数本のカーボンナノチューブを担体とすることで、表面積を拡く確保し高密度に担持できると共に、発電中に水が過剰に発生する環境下でも水の排出性が低下することがなく、ガスの三相界面への供給、拡散性が保持され、担持されたPt32が有効に電池反応に寄与して担持量に応じた発電効率を得ることができる。
また、Pt32は、カーボンナノチューブ31の一端(即ち、フッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面との接合側の端部;以下、先端部ともいう。)の側に担持された構成を有しており、従来のように膜電極接合体にボルト等を用いた締め付けによる面圧付与を行なわなくとも、発電部位であるPt32からセパレータ22に至るまでの接触抵抗を効果的に抑え得るようになっている。
本実施形態においても、Pt32の粒子径はカーボンナノチューブ31の外径以下のサイズに選択されており、上記粒径以外では1〜3nm程度の範囲とするのが有効である。電極触媒金属には、Pt以外にPtと他の金属とからなる合金などを用いることができる。本実施形態のように、Ptをカーボンナノチューブ31の内壁面に担持する場合においても、第1実施形態と同様に、湿式法及び乾式法のいずれの方法によっても行なうことが可能である。詳細については既述の通りである。
Pt32は、プロトン伝導性物質であるNafion溶液(Aldrich Chemical社)を付与して設けられたナフィオン膜54で覆われており、更にカーボンナノチューブ31の先端部にかけて設けられてナフィオン膜54を介してフッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面と接合されている。これにより、電池反応でのプロトンの伝導性及びフッ素系イオン交換樹脂膜11との接合強度が確保されるようになっている。
カーボンナノチューブ31の各チューブ壁には、Pt32の担持部近傍に、供給されたエア中の酸素が通過する(図6参照)ための孔51が複数設けられている。各カーボンナノチューブ当りの孔51の形成割合としては50%以下が望ましい。カーボンナノチューブに孔を形成するには、焼成温度、触媒等にて適合させる等の方法が好適である。また、拡散層を設けない本実施形態では、カーボンナノチューブ31の長さは200μm以上が望ましい。
Ptが担持されたカーボンナノチューブ31は、図5及び図6に示すように、一本ごとに、内部中空で断面円形の長さ500μm、内径15mmの酸素富化CeO2管52に内設されており、各カーボンナノチューブの外壁面全体が酸素富化CeO2管52で被覆された構造となっている。酸素富化CeO2管は、空気の成分のうち酸素を窒素より早く通過させることができ、エア流路24に供給されたエアを酸素分圧の高い(酸素分圧20%以上の)状態にして通過し、酸素濃度の高いエアをCNT電極に供給して発電効率が得られるようになっている。
酸素富化CeO2管以外には、ZrO2、CeO2/ZrO2、Ce0.8Zr0.22、V25などのセラミックス材およびこれらの複合材料、その他J.power sources 115(2003)40−43に記載のセラミックス材、特開2003−320607号公報に記載のセラミックス材、等の酸素富化性を有するセラミックス材を適宜選択して構成された酸素富化セラミックス管を使用することができる。酸素富化性は、大気雰囲気である一方の側からセラミックス材を介した他方の側に空気成分のうち酸素が窒素よりも早く通過して酸素分圧を高める特性である。
酸素富化セラミックス管の内径は、カーボンナノチューブの内設が可能な径であれば制限はないが、内設するカーボンナノチューブの外径+0.1〜0.01μm、具体的には外径+15〜10nmの範囲であるのが望ましく、長さは所望に応じて選択すればよい。また、酸素富化CeO2管の形状は、上記した断面円形以外に、断面が矩形、方形、楕円形など任意の形状に構成することができる。酸素富化CeO2管は、例えば、押出成型やゾル・ゲル等の方法によって作製することができる。
カーボンナノチューブは、必ずしもその外壁面全体が被覆されている必要はなく、発電部位であるPt32の担持部が少なくとも被覆されるようにして酸素富化CeO2管52を設けるようにすることもできる。電極を構成するカーボンナノチューブ、特に発電部位をなすPt担持部において電池反応が進行して局部的に発熱するため、酸素富化CeO2管を設けてカーボンナノチューブの少なくとも発熱部位を外側から覆うことで保熱され、この熱エネルギーを利用して低温始動性、及び酸素富化CeO2管の酸素富化性をより向上させることができる。
また、本実施形態では図示していないが、第1実施形態と同様に電池反応で生じた生成水などの排出性を確保する点から、カーボンナノチューブ31のナフィオン膜54の上に更に、ポリテトラフルオロエチレン(撥水化材;PTFE)よりなるPTFE膜を設けることもできる。
カーボンナノチューブ31で構成されたCNT電極(アノード極12、カソード極13)はセパレータ21、22と、各々の凸部先端面においてそれぞれカーボン系の導電性接着剤35によって接着されており、乾燥後は導電性を有してセパレータとの間の導電性が確保され、従来のように膜電極接合体にボルト等を用いた締め付けによる面圧付与を行なわなくとも充分な導電性が得られるようになっている。
本実施形態の膜電極接合体は、第1実施形態と同様の電極触媒担持工程及び転写工程と、転写後のカーボンナノチューブ31を酸素富化CeO2管52に内設して被覆する被覆工程とを行なうことによって作製できる。なお、電極触媒担持工程及び転写工程の詳細については既述のとおりである。
被覆工程では、転写によりフッ素系イオン交換樹脂膜11に配向されたカーボンナノチューブ31を、別途用意した酸素富化CeO2管52の管内を通して内設して被覆する。被覆工程が行なわれた後に接着工程が設けられ、フッ素系イオン交換樹脂膜11と一端で接合するカーボンナノチューブ31の他端及びカーボンナノチューブ31を内設する酸素富化CeO2管52を、フッ素系イオン交換樹脂膜11と向き合うセパレータ21,22の突出する凸部先端面とカーボン系の導電性接着剤35を用いて接合し固定する。
電極触媒担持工程と転写工程との間には、Pt32が担持されたカーボンナノチューブ31にナフィオン溶液(プロトン伝導性物質)を付与してナフィオン膜54を形成する付与工程が設けられる。この場合、カーボンナノチューブ31はその後の転写工程においてPt32及びナフィオン膜54が設けられた状態で転写される。また、付与工程を設けるときには、ナフィオン膜54を形成すると共に、更にナフィオン膜54上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE;撥水化材)溶液を付与してPTFE膜を更に設けることができる。この場合には、カーボンナノチューブ31はその後の転写工程においてPt32並びにナフィオン膜54及びPTFE膜が設けられた状態で転写される。
次に、本発明の膜電極接合体の他の例を説明する。図7の膜電極接合体は、所望単位で束ねた複数本のカーボンナノチューブ31を、内部中空で断面円形の長さ500μm、内径15nmの単一の酸素富化CeO2管55を用いて束状に内設し被覆したものである。セパレータ22のフッ素系イオン交換樹脂膜11側に突出する凸部先端面で接着されるカーボンナノチューブ群を一単位として被覆した構造に構成されている。この例もまた、上記の各実施形態に適用することができる。
上述した実施形態では、燃料に水素ガス及び空気を用いた固体高分子形燃料電池(PEFC)を中心に説明したが、メタノール溶液を用いた直接メタノール形燃料電池(DMFC)の場合においても同様である。
また、本発明の膜電極接合体及び燃料電池は、電気自動車等の車両や船舶、航空機等への電力供給源として適用することができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記工程にしたがって膜電極接合体及び燃料電池セルを作製した。
−電極触媒担持工程−
(1)カーボンナノチューブの生成
50mm×50mmのシリコン基板を2枚電気炉中に入れ、真空度1.0×10-3Paの雰囲気のもと10℃/minで800℃まで昇温し、5時間加熱処理して洗浄した。洗浄後冷却した後、このシリコン基板の表面に電子ビーム蒸着法により厚さ5nmのFe薄膜(CNT生成触媒金属)を形成し、Fe担持シリコン基板を得た。
内径50mmの石英反応管の内部に、基板が設置されたときの該基板表面を流れる原料ガスの流速を速めるための、スリット構造(スリット幅3mm)を有する石英製ボードを設置し、この石英製ボード上に上記より得たFe担持シリコン基板を載置した。この石英製ボードを使用することにより、通常用いられる石英製ボードに比して断面積が約1/10となるため、原料ガスの流速を約10倍速めることが可能となる。
上記の石英製ボートが設置された石英反応管にヘリウムガスを200ml/minで供給し、730℃まで昇温した。管内温度が730℃に達した後、ヘリウムガス中に更にアセチレンガスを30ml/minで10分間導入した。その後、アセチレンガスの導入を停止し、常温まで冷却した。このようにして、Fe担持シリコン基板のFe薄膜の表面に、該表面の法線方向と略平行(該表面に略垂直)な直線状のカーボンナノチューブ(長さ約250μm)を生成した。
(2)電極触媒金属の担持
次に、塩化白金酸を50mg/mlの割合となるようにエタノールに溶解し、塩化白金酸のエタノール溶液(Pt/EtOH溶液)を調製した。続いて、2枚のFe担持シリコン基板を、カーボンナノチューブが生成された側の表面が上向き(反重力方向)となるようにして置き、上記のPt/EtOH溶液をカーボンナノチューブ上方からピペットで0.7μl/cm2となるように均等に滴下した。滴下後、300℃のアルゴンガス中に入れて2時間加熱処理した。このようにして、カーボンナノチューブの表面に白金が担持された電極前駆体を2枚得た。
−付与工程−
上記のようにして得た電極前駆体の各々をナフィオン溶液(EW1100(0.1%エタノール溶液)、Aldrich Chemical社;プロトン伝導性物質)中に含浸し、取出した後140℃下で真空乾燥した。続いて、乾燥後の電極前駆体の各々を更にポリフッ化ビニリデン(PVDF)の0.1%N−メチル−2−ピロリドン溶液(撥水化材)中に浸漬し、取出した後100℃下で乾燥させ撥水化処理した。
−転写工程−
次に、100mm×100mmのナフィオン膜(厚み25μm;高分子電解質膜)を用意し、このナフィオン膜を、カーボンナノチューブ生成面がナフィオン膜と接するようにして上記2枚のFe担持シリコン基板で挟み込んでサンドイッチ構造体とした。このサンドイッチ構造体をホットプレート上に載置し、1MPaで加圧しながら120℃まで加熱し、その状態で1分間保持した後、常温まで冷却し加圧を解除した。
次に、サンドイッチ構造体から機械的にシリコン基板を剥離することにより、ナフィオン膜の両側の表面に、ナフィオン処理及び撥水化処理がなされたPt担持カーボンナノチューブ(白金CNT電極;長さ約250μm)を転写した。このカーボンナノチューブは直線形状を有し、ナフィオン膜にその表面の法線方向と略平行(該表面に略垂直)に配向して接合されていた。以上のようにして、白金CNT電極/ナフィオン膜/白金CNT電極の構造からなる膜電極接合体(MEA)を得た。
−接着工程−(燃料電池セルの作製)
溝幅及び溝深さが各々1mmの凹状に形成された流路を有するセパレータを2枚用意し、その各々の流路以外の凸状に突出する凸部先端面に、ドクターブレード法によりJEF120(日本アチソン(株)製;カーボン系導電性接着剤)を厚み10μmとなるように塗布した。そして、上記のようにして得たMEAに対して、その白金CNT電極の表面と導電性接着剤が塗設された凸部先端面とが接触するように導電性接着剤の乾燥前に組合わせて接着し、セパレータ/MEA/セパレータに構成された燃料電池セルを作製した。
(実施例2)
実施例1の「−付与工程−」において、ナフィオン溶液中に含浸した後に撥水化処理を行なわなかったこと以外、実施例1と同様にして、膜電極接合体(MEA)を得、燃料電池セルを作製した。
(実施例3)
実施例1において、「−接着工程−」の操作を以下のように変更し、白金CNT電極とセパレータとの間に拡散層を設けたこと以外、実施例1と同様にして、燃料電池セルを作製した。
−接着工程−
拡散層を設けるためのカーボンペーパーを2枚用意し、上記より得られたMEAの白金CNT電極の両方の表面にカーボンペーパーを両側から挟み込んで設けた。続いて、溝幅及び溝深さが各々1mmの凹状に形成された流路を有するセパレータを2枚用意し、その各々の流路以外の凸状に突出する凸部表面に、ドクターブレード法によりJEF120(日本アチソン(株)製;カーボン系導電性接着剤)を厚み10μmとなるように塗布した。そして、上記カーボンペーパーの表面と導電性接着剤が塗設された凸部表面とが接触するように導電性接着剤の乾燥前に組合わせて接着し、セパレータ/拡散層/MEA/拡散層/セパレータに構成された燃料電池セルを作製した。
(実施例4)
実施例2において、「−接着工程−」の操作を以下のように変更し、白金CNT電極とセパレータとの間に拡散層を設けたこと以外、実施例1と同様にして、燃料電池セルを作製した。
−接着工程−
拡散層を設けるためのカーボンペーパーを2枚用意し、上記より得られたMEAの白金CNT電極の両方の表面にカーボンペーパーを両側から挟み込んで設けた。続いて、溝幅及び溝深さが各々1mmの凹状に形成された流路を有するセパレータを2枚用意し、その各々の流路以外の凸状に突出する凸部表面に、ドクターブレード法によりJEF120(日本アチソン(株)製;カーボン系導電性接着剤)を厚み10μmとなるように塗布した。そして、上記カーボンペーパーの表面と導電性接着剤が塗設された凸部表面とが接触するように導電性接着剤の乾燥前に組合わせて接着し、セパレータ/拡散層/MEA/拡散層/セパレータに構成された燃料電池セルを作製した。
(実施例5)
実施例1の「−電極触媒担持工程−」において、「(1)カーボンナノチューブの生成」で用いたスリット構造を有する石英製ボードを、スリット構造を有しない石英製ボードに代えたこと以外、実施例1と同様にして、膜電極接合体(MEA)を得、燃料電池セルを作製した。
(実施例6)
実施例2の「−電極触媒担持工程−」において、「(1)カーボンナノチューブの生成」で用いたスリット構造を有する石英製ボードを、スリット構造を有しない石英製ボードに代えたこと以外、実施例1と同様にして、膜電極接合体(MEA)を得、燃料電池セルを作製した。
(実施例7)
実施例1の「−付与工程−」において、撥水化処理前に、スチレンスルホン酸モノマー(プロトン伝導性物質前駆体)の溶液中に含浸し、取出した後、紫外線を重合反応が完了するまで照射してオンサイト重合させることでポリスチレンスルホン酸(プロトン伝導性物質)を設け、これに続いて撥水化処理したこと以外、実施例1と同様にして、膜電極接合体(MEA)を得、燃料電池セルを作製した。
(評価1)
実施例1〜7で作製した燃料電池セルを用いて、セル設定温度を80℃、水素ガス供給量300ml/mim、空気供給量1000ml/minとして運転させ、発電運転時の電流密度2A/cm2のときのセル電圧、出力可能な出力待機の状態(OCV)のときの電圧を締付け圧を変化させて計測した。計測結果は下記表1に示す。
Figure 2005203332
上記表1に示すように、いずれの燃料電池セルにおいても過大な締め付けによる面圧を与えることなく良好な発電性能を得ることができた。特に拡散層を設けなかった実施例1〜2の燃料電池セルは、締め付け圧の強弱に依存しない優れた発電性能を有していた。また、実施例1〜2に比し、拡散層を設けた実施例3〜4の燃料電池セルでは、低い締め付け圧では発電性能が徐々に低下することが判った。また、カーボンナノチューブの長さが短い実施例5〜6では、締め付け圧による発電性能の変動は認められないものの、ガス拡散性に劣る結果、発電性能もやや低下した。さらに、カーボンナノチューブにおいてオンサイト重合させた実施例7ではより良好な発電性能が得られた。
(実施例8)
実施例1において、−転写工程−及び−接着工程−の間に下記の被覆工程を設け、酸素富化CeO2管に白金CNT電極の全体を内設して被覆された被覆白金CNT電極/ナフィオン膜/被覆白金CNT電極の構造からなる膜電極接合体(MEA)を得たこと以外、実施例1と同様にして、セパレータ/MEA/セパレータに構成された燃料電池セルを作製した。
−被覆工程−
まず、CeO2粉末とエポキシ、フェノール等を混合してペースト状にし、これを押出成形した後、1200℃で焼成して長さ約250μm、内径約50nmの酸素富化CeO2管を作製した。なお、イットリア、シリカ等の焼結助材を加えると細孔を埋めてしまうので焼結助材は加えない。そして、転写されたPt担持カーボンナノチューブ(白金CNT電極;長さ約250μm)を、得られた酸素富化CeO2管の内部を通して被覆し、被覆白金CNT電極/ナフィオン膜/被覆白金CNT電極の構造からなる膜電極接合体(MEA)を得た。その後に接着工程に移行した。
(評価2)
実施例8で作製した燃料電池セル(酸素富化CeO2管あり)、及び実施例1で作製した燃料電池セル(酸素富化CeO2管なし)を用いて、セル設定温度を80℃、水素ガス供給量300ml/mim、空気供給量1000ml/minとして運転させ、発電運転時の電圧(V)−電流密度(A)曲線を作成した。図8にV−A曲線を示す。
図8に示すように、電極をなすカーボンナノチューブを酸素富化CeO2管で被覆して構成した実施例8の燃料電池セルは、酸素富化CeO2管で被覆しなかった実施例1の燃料電池セルに比べ、広い電流密度領域において良好な発電特性を示した。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池セルを示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係る膜電極接合体を拡大して示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池セルを示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る膜電極接合体を拡大して示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係る膜電極接合体を拡大して示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係る膜電極接合体のカソード極の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明の膜電極接合体の他の例を拡大して示す概略断面図である。 酸素富化CeO2管の有無の効果を示す電圧−電流密度曲線である。 従来型の燃料電池セルの構造を説明するための概略断面図である。
符号の説明
10,40…燃料電池(単セル)
11…フッ素系イオン交換樹脂膜(高分子電解質膜)
20,50…膜電極接合体
21,22…セパレータ
31…カーボンナノチューブ
32…白金(電極触媒金属)
33…ナフィオン層(プロトン伝導性物質)
34…PTFE層(撥水化材)
35…カーボン系導電性接着剤
42,43…CNT触媒層
44,45…拡散層
52,55…酸素富化CeO2管(断熱部材)

Claims (31)

  1. 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜に配向されると共に電極触媒金属を担持したカーボンナノチューブとを備えた膜電極接合体。
  2. 燃料流路を形成するセパレータを前記カーボンナノチューブに対向させて設けるときに、前記セパレータのカーボンナノチューブ側に突出する凸部先端面と向き合う前記高分子電解質膜の領域に、前記カーボンナノチューブを設けた請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記カーボンナノチューブの長さが200μm以上である請求項1又は2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記カーボンナノチューブは、少なくとも前記高分子電解質膜の膜面に略垂直に配向されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  5. 前記電極触媒金属が白金又は白金と他の金属とからなる合金である請求項1〜4のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  6. 前記カーボンナノチューブの表面にプロトン伝導性物質を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  7. 前記プロトン伝導性物質の上に撥水化材を更に有する請求項6に記載の膜電極接合体。
  8. 前記電極触媒金属の粒子径が前記カーボンナノチューブの外径以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  9. 前記プロトン伝導性物質がパーフルオロスルホン酸系化合物である請求項6〜8のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  10. 前記プロトン伝導性物質の厚みが1〜70μmである請求項6〜9のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  11. 前記撥水化材がフッ素系樹脂である請求項7〜10のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  12. 前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデンの少なくとも一種を含む請求項11に記載の膜電極接合体。
  13. 前記カーボンナノチューブの少なくとも一部を覆う酸素富化性の断熱部材を更に備えた請求項1〜12のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  14. 前記断熱部材は、酸素富化セラミックス材で構成された請求項13に記載の膜電極接合体。
  15. 前記断熱部材は筒形状をなし、筒内部に前記カーボンナノチューブの少なくとも一つが内設されている請求項13又は14に記載の膜電極接合体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の膜電極接合体を備えた燃料電池。
  17. 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜側に凹部を有し燃料流路を形成するセパレータと、前記セパレータの高分子電解質膜側に突出する凸部先端面と向き合う前記高分子電解質膜の領域に設けられると共に、電極触媒金属を担持したカーボンナノチューブとを備えた請求項16に記載の燃料電池。
  18. 触媒担持体に生成されたカーボンナノチューブに電極触媒金属を担持する電極触媒担持工程と、電極触媒金属が担持された前記カーボンナノチューブを高分子電解質膜に転写し、前記カーボンナノチューブの一端を前記高分子電解質膜に接合して配向する転写工程と、を有する膜電極接合体の製造方法。
  19. 前記転写工程は、カーボンナノチューブを前記高分子電解質膜の膜面に略垂直に配向するようにした請求項18に記載の膜電極接合体の製造方法。
  20. 前記転写工程の後に、前記高分子電解質膜のカーボンナノチューブが配向された側に燃料流路を形成するセパレータを併設し、前記高分子電解質膜と一端で接合するカーボンナノチューブの他端と前記セパレータの凸部先端面とを導電性接着剤を用いて接着する接着工程を更に有する請求項18又は19に記載の膜電極接合体の製造方法。
  21. 前記導電性接着剤がカーボン系導電性接着剤である請求項20に記載の膜電極接合体の製造方法。
  22. 前記カーボンナノチューブは、触媒担持体の表面における原料ガスの流速を2mm/sec以上として生成された請求項18〜21のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  23. 前記電極触媒金属は、湿式法及び乾式法のいずれかによりカーボンナノチューブに担持された請求項18〜22のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  24. 前記電極触媒担持工程と前記転写工程との間に、電極触媒金属が担持されたカーボンナノチューブに更にプロトン伝導性物質を付与する付与工程を有し、前記転写工程はプロトン伝導性物質が付与されたカーボンナノチューブを転写するようにした請求項18〜23のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  25. 前記付与工程は、前記プロトン伝導性物質の上に撥水化材を更に付与し、前記転写工程において撥水化材が付与されたカーボンナノチューブを転写するようにした請求項24に記載の膜電極接合体の製造方法。
  26. 前記プロトン伝導性物質がパーフルオロスルホン酸系化合物である請求項24又は25に記載の膜電極接合体の製造方法。
  27. 前記撥水化材がフッ素系樹脂である請求項25又は26に記載の膜電極接合体の製造方法。
  28. 前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデンの少なくとも一種を含む請求項27に記載の膜電極接合体の製造方法。
  29. 前記付与工程は、含浸法により付与を行なう請求項24〜28のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  30. 前記付与工程は、カーボンナノチューブにプロトン伝導性物質前駆体を付与し、付与後の前記プロトン伝導性物質前駆体を重合させてプロトン伝導性物質が付与されるようにした請求項24〜29のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  31. 前記転写工程で高分子電解質膜に接合して配向されたカーボンナノチューブの少なくとも一部を酸素富化性の断熱部材で覆う被覆工程を更に有する請求項18〜30のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
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