JP2005202553A - 印刷システムおよびこれに用いるプリンタ、プログラム、印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生成した印刷用データが特定のプリンタのみで印刷されるようにすると共に印刷用データの不正使用を防止する。
【解決手段】 クライアントコンピュータ20により印刷指示のなされた画像ファイルや文書ファイルの印刷用データを生成し(S200)、生成した印刷用データに対して出力先プリンタとしてのプリンタ30のシリアル番号を暗号化鍵として暗号化処理を行なってプリンタ30に送信する(S210,S220)。プリンタ30のシリアル番号は、プリンタ30から通信により取得してHDDに記憶されている。プリンタ30では、メインコントローラのROMに記憶されているシリアル番号を復号化鍵として印刷用データの復号化処理を行なって印刷を実行する(S230,S240)。この結果、生成した印刷用データが特定のプリンタのみで印刷されるようにすると共に印刷用データの不正使用を防止することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 クライアントコンピュータ20により印刷指示のなされた画像ファイルや文書ファイルの印刷用データを生成し(S200)、生成した印刷用データに対して出力先プリンタとしてのプリンタ30のシリアル番号を暗号化鍵として暗号化処理を行なってプリンタ30に送信する(S210,S220)。プリンタ30のシリアル番号は、プリンタ30から通信により取得してHDDに記憶されている。プリンタ30では、メインコントローラのROMに記憶されているシリアル番号を復号化鍵として印刷用データの復号化処理を行なって印刷を実行する(S230,S240)。この結果、生成した印刷用データが特定のプリンタのみで印刷されるようにすると共に印刷用データの不正使用を防止することができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、印刷システムおよびこれに用いるプリンタ、プログラム、印刷方法に関し、詳しくは、コンピュータと該コンピュータに通信媒体を介して接続されたプリンタとを備える印刷システムおよびこれに用いるプリンタ、プログラム、こうした印刷方法に関する。
従来、この種の印刷システムとしては、コンピュータにインストールされたプリンタドライバにより文書や画像などを印刷用データ(プリンタ制御コード)に変換してプリンタに送信し、プリンタにより受信した印刷用データを実行して印刷を行なうものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうしたシステムでは、生成した印刷用データをファイル形式で保存しておくことができ、所望のタイミングでプリンタへ送信して印刷を行なうなど、印刷用データを比較的自由に取り扱うことができるようになっている。
特開平11−272432号公報
しかしながら、上述の印刷システムでは、生成した印刷用データを比較的自由に取り扱うことができ、システムの使用態様によっては不都合が生じることがある。例えば、こうした印刷システムを用いて有料コンテンツの印刷サービスを行なう場合などには、認証技術や暗号化技術を適用することにより有料コンテンツ自体の保護や管理を行なっていても、印刷用データが不正に流出し他のコンピュータやプリンタを用いて印刷されてしまう虞がある。したがって、コンテンツだけでなく印刷用データについてもより適切な保護や管理を行なうことが望ましい。
本発明の印刷システムおよびこれに用いるプリンタ、プログラム、印刷方法は、生成した印刷用データが特定のプリンタのみで印刷されるようにすることを目的の一つとする。また、本発明の印刷システムおよびこれに用いるプリンタ、プログラム、印刷方法は、印刷用データの不正使用を防止することを目的の一つとする。
本発明の印刷システムおよびこれに用いるプリンタ、プログラム、印刷方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の印刷システムは、
コンピュータと該コンピュータに通信媒体を介して接続されたプリンタとを備える印刷システムであって、
前記コンピュータは、前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶する情報記憶手段と、印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて前記プリンタにより実行可能な印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化する印刷用データ暗号化手段と、該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信するデータ送信手段と、を備え、
前記プリンタは、該プリンタを識別する所定の識別情報を記憶するプリンタ用記憶手段と、前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化する印刷用データ復号化手段と、該復号化した印刷用データを実行して印刷する印刷実行手段と、を備える
ことを要旨とする。
コンピュータと該コンピュータに通信媒体を介して接続されたプリンタとを備える印刷システムであって、
前記コンピュータは、前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶する情報記憶手段と、印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて前記プリンタにより実行可能な印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化する印刷用データ暗号化手段と、該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信するデータ送信手段と、を備え、
前記プリンタは、該プリンタを識別する所定の識別情報を記憶するプリンタ用記憶手段と、前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化する印刷用データ復号化手段と、該復号化した印刷用データを実行して印刷する印刷実行手段と、を備える
ことを要旨とする。
この本発明の印刷システムでは、コンピュータにより、プリンタの識別情報を記憶しておき、印刷指示に伴って生成した印刷用データをプリンタの識別情報を用いて暗号化してプリンタに送信し、プリンタにより、プリンタの識別情報を記憶しておき、コンピュータから送信された印刷用データをプリンタの識別情報を用いて復号化して実行する。したがって、印刷用データを暗号化する際に用いた識別情報に対応するプリンタのみで印刷用データを復号化して実行できるようにすることができる。この結果、印刷用データの不正使用を防止することができる。ここで「コンピュータ」には、所謂パーソナルコンピュータの他、印刷用データを生成可能な各種の情報機器が含まれる。また「所定の識別情報」としては、シリアル番号などを挙げることができる。
こうした本発明の印刷システムにおいて、前記コンピュータの印刷用データ暗号化手段および前記プリンタの印刷用データ復号化手段は、前記所定の識別情報を共通の鍵として前記印刷用データを暗号化および復号化する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の印刷システムにおいて、前記コンピュータは、所定のタイミングで通信媒体を介して接続されたプリンタから該プリンタを識別する所定の識別情報を取得し該取得した所定の識別情報を前記情報記憶手段に記憶させる識別情報取得手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、所定のタイミングでプリンタの識別情報を取得して記憶することができる。
さらに、本発明の印刷システムにおいて、前記コンピュータの印刷用データ暗号化手段は前記印刷用データの一部として該印刷用データを実行可能な期間を示す実行可能期間情報を付加する手段であり、前記プリンタの印刷実行手段は前記復号化した印刷用データの実行可能期間情報に基づいて該印刷用データの実行可否を判定し該判定により実行可能と判定されたときに該印刷用データを実行して印刷する手段であるものとすることもできる。こうすれば、印刷用データを実行可能な期間を制限することができる。
本発明のプリンタは、
通信媒体を介してコンピュータに接続可能なプリンタであって、
前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶するプリンタ用記憶手段と、
前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化する印刷用データ復号化手段と、
該復号化した印刷用データを実行して印刷する印刷実行手段と、
を備えることを要旨とする。
通信媒体を介してコンピュータに接続可能なプリンタであって、
前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶するプリンタ用記憶手段と、
前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化する印刷用データ復号化手段と、
該復号化した印刷用データを実行して印刷する印刷実行手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のプリンタでは、プリンタの識別情報を記憶しておき、コンピュータから送信された印刷用データをプリンタの識別情報を用いて復号化して実行する。したがって、自身の識別情報を用いて暗号化された印刷用データを復号化して実行することができる。
本発明の印刷用データ生成装置用プログラムは、
プリンタを識別する所定の識別情報を記憶する情報記憶手段を備えるコンピュータを、該プリンタにより実行可能な印刷用データを生成する印刷用データ生成装置として機能させるプログラムであって、
印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化する印刷用データ暗号化モジュールと、
該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信するデータ送信モジュールと、
を備えることを要旨とする。
プリンタを識別する所定の識別情報を記憶する情報記憶手段を備えるコンピュータを、該プリンタにより実行可能な印刷用データを生成する印刷用データ生成装置として機能させるプログラムであって、
印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化する印刷用データ暗号化モジュールと、
該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信するデータ送信モジュールと、
を備えることを要旨とする。
この本発明の印刷用データ生成装置用プログラムでは、プリンタの識別情報を記憶するコンピュータを、印刷指示に伴って生成した印刷用データをプリンタの識別情報を用いて暗号化してプリンタに送信する印刷用データ生成装置として機能させる。したがって、印刷用データをプリンタの識別情報を用いて暗号化して送信することができる。
こうした本発明の印刷用データ生成装置用プログラムにおいて、所定のタイミングで前記コンピュータと通信媒体を介して接続されたプリンタから所定の識別情報を取得し該取得した所定の識別情報を前記情報記憶手段に記憶させる識別情報取得モジュールを備えるものとすることもできる。こうすれば、コンピュータを、所定のタイミングでプリンタの識別情報を取得して記憶するように機能させることができる。
本発明の印刷方法は、
コンピュータと該コンピュータに通信媒体を介して接続されたプリンタとを用いた印刷方法であって、
前記コンピュータにより、
(a)前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶しておき、
(b)印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて前記プリンタにより実行可能な印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化し、
(c)該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信し、
前記プリンタにより、
(d)該プリンタを識別する所定の識別情報を記憶しておき、
(e)前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化し、
(f)該復号化した印刷用データを実行して印刷する、
ことを要旨とする。
コンピュータと該コンピュータに通信媒体を介して接続されたプリンタとを用いた印刷方法であって、
前記コンピュータにより、
(a)前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶しておき、
(b)印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて前記プリンタにより実行可能な印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化し、
(c)該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信し、
前記プリンタにより、
(d)該プリンタを識別する所定の識別情報を記憶しておき、
(e)前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化し、
(f)該復号化した印刷用データを実行して印刷する、
ことを要旨とする。
この本発明の印刷方法では、コンピュータにより、プリンタの識別情報を記憶しておき、印刷指示に伴って生成した印刷用データをプリンタの識別情報を用いて暗号化してプリンタに送信し、プリンタにより、プリンタの識別情報を記憶しておき、コンピュータから送信された印刷用データをプリンタの識別情報を用いて復号化して実行する。したがって、印刷用データを暗号化する際に用いた識別情報に対応するプリンタのみで印刷用データを復号化して実行できるようにすることができる。この結果、印刷用データの不正使用を防止することができる。ここで「コンピュータ」には、所謂パーソナルコンピュータの他、印刷用データを生成可能な各種の情報機器が含まれる。また「所定の識別情報」としては、シリアル番号などを挙げることができる。
こうした本発明の印刷方法において、前記ステップ(a)は、所定のタイミングで前記コンピュータと通信媒体を介して接続されたプリンタから所定の識別情報を取得し該取得した所定の識別情報を記憶するステップであるものとすることもできる。こうすれば、所定のタイミングでプリンタの識別情報を取得して記憶することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての印刷システム10の構成の概略を示す構成図である。印刷システム10は、図示するように、クライアントコンピュータ20と、このクライアントコンピュータ20にUSBケーブルなどの通信ケーブルを介して接続されたプリンタ30とにより構成されており、クライアントコンピュータ20から送信される印刷用データをプリンタ30により実行して印刷を行なう。
クライアントコンピュータ20は、図示するように、CPU21やROM22,RAM23を中心とした汎用のコンピュータとして構成されており、データを記憶するハードディスクドライブ(HDD)24を備える。HDD24には、クライアントコンピュータ20をプリンタ30に適合させるプリンタドライバ26がインストールされており、画像ファイルや文書ファイルなどをプリンタ30により実行可能な印刷用データに変換してプリンタ30に送信したりプリンタ30の各種設定を行なったりする。
プリンタ30は、一般的なインクジェット方式のプリンタとして構成されており、図示するように、プリンタ30全体の動作を制御するメインコントローラ31と、パーソナルコンピュータ20などから送信される印刷用データの解析などのデータ処理を行なうデータ処理部33と、この解析結果に基づいて画像や文書などを用紙に印刷する印刷実行部35とを備える。メインコントローラ31が有する図示しないROMには、プリンタ30を一意に識別するシリアル番号が記憶されている。印刷実行部35は、印刷ヘッドやキャリッジ機構などのインクジェット方式のプリンタが有する一般的なユニットにより構成されている。なお、こうした印刷実行部35による印刷動作については、一般的なインクジェット方式のプリンタと同様であり、本発明の中核をなさないから、これ以上の詳細な説明は省略する。
次に、こうして構成された印刷システム10の動作について説明する。まず、クライアントコンピュータ20によりプリンタ30のシリアル番号を取得する際の動作について説明し、次に、プリンタ30により印刷を行なう際の動作について説明する。図2は、クライアントコンピュータ20がプリンタ30からシリアル番号を取得する際の、クライアントコンピュータ20とプリンタ30における各処理と通信の様子をシーケンシャルに示す説明図である。まず、図示するように、クライアントコンピュータ20からプリンタ30に対してシリアル番号の送信を依頼する番号依頼データを送信する(ステップS100)。番号依頼データの送信は、実施例では、プリンタドライバ26によりクライアントコンピュータ20のモニタに表示出力するプリンタ設定画面40を介して操作者から送信指示がなされたときに行なうものとした。プリンタ設定画面40の一例を図3に示す。プリンタ設定画面40は、図示するように、クライアントコンピュータ20に出力先プリンタとして設定されているプリンタに関して各種設定(スプールの設定や給紙オプションの設定など)を行なうことができるように画面構成されており、「プリンタ情報の取得」ボタン42が押下されると番号依頼データの送信指示がなされたと判断して番号依頼データを送信する。なお、プリンタ設定画面40は、クライアントコンピュータ20に出力先プリンタとして設定されているプリンタ毎に表示され各種設定や番号依頼データの送信指示が行なえるようになっている。したがって、出力先プリンタとして複数のプリンタが設定されている場合には、プリンタ設定画面40を表示出力する際に対象とするプリンタを指定し、この指定したプリンタに対して各種設定や番号依頼データの送信指示を行なうことになる。
クライアントコンピュータ20からシリアル番号の送信を依頼する番号依頼データが送信されると、これを受信したプリンタ30では、メインコントローラ31のROMに記憶されているシリアル番号を読み込んでクライアントコンピュータ20に送信し(ステップS110)、シリアル番号を受信したクライアントコンピュータ20では、受信したシリアル番号をHDD24の所定領域に保存して(ステップS120)、処理を終了する。
次に、プリンタ30により印刷を行なう際の動作について説明する。図4は、クライアントコンピュータ20により印刷用データを生成してプリンタ30により実行する際の、クライアントコンピュータ20とプリンタ30における各処理と通信の様子をシーケンシャルに示す説明図である。図示するように、まず、クライアントコンピュータ20により印刷指示のなされた画像ファイルや文書ファイルの印刷用データを生成する(ステップS200)。印刷用データを生成する処理は、明度や彩度などを自動調整する画像調整処理や印刷用の色空間に変換する色変換処理,多値データを2値化する2値化処理などにより構成される。こうした処理は、一般的なプリンタドライバにおける処理と同様であり、本発明の中核をなさないから、これ以上の詳細な説明は省略する。
そして、生成した印刷用データに対して出力先プリンタとしてのプリンタ30のシリアル番号を暗号化鍵として暗号化処理を行なう(ステップS210)。暗号化鍵として用いるシリアル番号は、前述したように、プリンタ30から取得しクライアントコンピュータ20のHDD24の所定領域に保存されたものである。なお、暗号化処理としては、暗号化と復号化とを共通の鍵で行なう共通鍵暗号方式(秘密鍵暗号方式)に準じた各種の暗号化処理を採用することができる。
こうして印刷用データに対する暗号化処理を行なうと、暗号化した印刷用データをプリンタ30に送信し(ステップS220)、印刷用データを受信したプリンタ30では、メインコントローラ31のROMに記憶されているシリアル番号を復号化鍵として印刷用データの復号化処理を行なう(ステップS230)。前述したように、暗号化処理では、暗号化と復号化とを共通の鍵で行なう共通鍵暗号方式に準じた暗号化処理を行なっているから、暗号化鍵と復号化鍵とが同じ場合(即ち、クライアントコンピュータ20に記憶されているシリアル番号とプリンタ30に記憶されているシリアル番号とが同じ場合)にのみ、印刷用データの復号化処理を行なうことができることになる。
そして、復号化した印刷用データに基づいて印刷を実行して(ステップS240)、処理を終了する。印刷を実行する際には、データ処理部33により印刷用データを解析すると共にこの解析結果に基づいて印刷実行部35の印刷ヘッドやキャリッジ機構を駆動して画像や文書などを用紙に印刷することになる。
ここで、クライアントコンピュータ20により生成され暗号化処理のなされた印刷用データがプリンタ30以外の他のプリンタに送信された場合を考えると、クライアントコンピュータ20に記憶されているシリアル番号とプリンタに記憶されているシリアル番号とが異なるから暗号化鍵と復号化鍵とが異なることになり、印刷用データの復号化処理を行なうことができない。もとより、こうした復号化処理を行なわないプリンタに送信された場合には暗号化された印刷用データを解析して実行することができない。したがって、プリンタ30のシリアル番号を暗号化鍵として暗号化処理のなされた印刷用データは、プリンタ30以外のプリンタでは印刷することができないのである。
以上説明した実施例の印刷システム10によれば、クライアントコンピュータ20により、HDD24に保存されたプリンタ30のシリアル番号を暗号化鍵として印刷用データを暗号化してプリンタ30に送信し、プリンタ30により、受信した印刷用データをROMに記憶されているシリアル番号を復号化鍵として復号化して実行することができる。したがって、印刷用データを暗号化する際に暗号化鍵として用いたシリアル番号に対応するプリンタのみで印刷用データを復号化して実行できるようにすることができる。この結果、暗号化鍵として用いたシリアル番号に対応するプリンタ以外のプリンタでは印刷用データを実行することができないから、印刷用データの不正使用を防止することができる。また、プリンタ設定画面40を介して操作者から送信指示がなされたときにプリンタ30にシリアル番号の送信を依頼する番号依頼データを送信してシリアル番号を取得することができる。
ここで、実施例の印刷システム10におけるクライアントコンピュータ20では、HDD24が情報記憶手段に相当し、ステップS100,S120の処理を実行するCPU21が識別情報取得手段に相当し、ステップS200,S210の処理を実行するCPU21が印刷用データ暗号化手段に相当し、ステップS220の処理を実行するCPU21がデータ送信手段に相当する。また、実施例の印刷システム10におけるプリンタ30では、メインコントローラ31のROMがプリンタ用記憶手段に相当し、ステップS230の処理を実行するメインコントローラ31が印刷用データ復号化手段に相当し、ステップS240の処理を実行するメインコントローラ31やデータ処理部33,印刷実行部35が印刷実行手段に相当する。また、図2や図4に例示した各処理をクライアントコンピュータ20に実行させるプリンタドライバ26が本発明の印刷用データ生成装置用プログラムに相当する。
実施例の印刷システム10では、プリンタ30を識別する識別情報としてシリアル番号を用いるものとしたが、プリンタ30を識別する情報であればその他の情報であっても構わない。
実施例の印刷システム10では、プリンタ30のシリアル番号を暗号化と復号化の共通の鍵として用いるものとしたが、シリアル番号を用いて印刷用データを暗号化し、同じシリアル番号を用いて印刷用データを復号化するものであれば、暗号化や復号化の処理方式は問わないのは勿論である。
実施例の印刷システム10では、プリンタ設定画面40を介して操作者から送信指示がなされたときにプリンタ30にシリアル番号の送信を依頼する番号依頼データを送信するものとしたが、番号依頼データを送信するタイミングはこれに限られず、その他のタイミングで送信するものとしてもよい。例えば、クライアントコンピュータ20の出力先プリンタとしてプリンタ30を追加設定する際などに、番号依頼データを送信してプリンタ30のシリアル番号を取得するものとしてもよい。また、プリンタ30から通信によりシリアル番号を取得するものとしなくても、クライアントコンピュータ20上でシリアル番号を手入力するものとしたり、インターネットなどのネットワークを介して接続されたサーバからシリアル番号を受信するものとしても差し支えない。
実施例の印刷システム10では、プリンタ30のシリアル番号を共通の鍵として印刷用データの暗号化や復号化を行なうことによりプリンタ30以外のプリンタでは印刷用データを実行できないようにしたが、さらに、クライアントコンピュータ20により印刷用データを生成する際に印刷用データの一部として印刷用データを実行可能な期間を示す実行可能期間情報を付加し、プリンタ30によりこの実行可能期間情報を参照して実行可能な期間の範囲内であるか否かを判定し、実行可能な期間の範囲内であるときにのみ印刷用データを実行するものとしてもよい。この場合、例えば、印刷用データを生成する際に現在日時から所定時間(例えば、2時間)経過した日時を実行可能期間情報として付加し、プリンタ30では現在日時が実行可能期間情報として付加された日時より前であるときに実行可能な期間の範囲内であると判定するものとすればよい。こうすれば、印刷用データを実行可能な期間を制限することができるから、より一層、印刷用データの不正使用を防止することができる。
実施例では、プリンタ30のシリアル番号を共通の鍵として印刷用データの暗号化や復号化を行なう本発明を印刷システム10の形態として説明したが、印刷方法の形態とすることもできる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 印刷システム、20 クライアントコンピュータ、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 HDD、30 プリンタ、31 メインコントローラ、33 データ処理部、35 印刷実行部、40 プリンタ設定画面、42 「プリンタ情報の取得」ボタン。
Claims (10)
- コンピュータと該コンピュータに通信媒体を介して接続されたプリンタとを備える印刷システムであって、
前記コンピュータは、前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶する情報記憶手段と、印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて前記プリンタにより実行可能な印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化する印刷用データ暗号化手段と、該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信するデータ送信手段と、を備え、
前記プリンタは、該プリンタを識別する所定の識別情報を記憶するプリンタ用記憶手段と、前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化する印刷用データ復号化手段と、該復号化した印刷用データを実行して印刷する印刷実行手段と、を備える
印刷システム。 - 前記コンピュータの印刷用データ暗号化手段および前記プリンタの印刷用データ復号化手段は、前記所定の識別情報を共通の鍵として前記印刷用データを暗号化および復号化する手段である請求項1記載の印刷システム。
- 前記コンピュータは、所定のタイミングで通信媒体を介して接続されたプリンタから該プリンタを識別する所定の識別情報を取得し該取得した所定の識別情報を前記情報記憶手段に記憶させる識別情報取得手段を備える請求項1または2記載の印刷システム。
- 前記所定の識別情報は、シリアル番号である請求項1ないし3いずれか記載の印刷システム。
- 請求項1ないし4いずれか記載の印刷システムであって、
前記コンピュータの印刷用データ暗号化手段は、前記印刷用データの一部として該印刷用データを実行可能な期間を示す実行可能期間情報を付加する手段であり、
前記プリンタの印刷実行手段は、前記復号化した印刷用データの実行可能期間情報に基づいて該印刷用データの実行可否を判定し、該判定により実行可能と判定されたときに該印刷用データを実行して印刷する手段である、
印刷システム。 - 通信媒体を介してコンピュータに接続可能なプリンタであって、
前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶するプリンタ用記憶手段と、
前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化する印刷用データ復号化手段と、
該復号化した印刷用データを実行して印刷する印刷実行手段と、
を備えるプリンタ。 - プリンタを識別する所定の識別情報を記憶する情報記憶手段を備えるコンピュータを、該プリンタにより実行可能な印刷用データを生成する印刷用データ生成装置として機能させるプログラムであって、
印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化する印刷用データ暗号化モジュールと、
該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信するデータ送信モジュールと、
を備える印刷用データ生成装置用プログラム。 - 所定のタイミングで前記コンピュータと通信媒体を介して接続されたプリンタから所定の識別情報を取得し該取得した所定の識別情報を前記情報記憶手段に記憶させる識別情報取得モジュールを備える請求項7記載の印刷用データ生成装置用プログラム。
- コンピュータと該コンピュータに通信媒体を介して接続されたプリンタとを用いた印刷方法であって、
前記コンピュータにより、
(a)前記プリンタを識別する所定の識別情報を記憶しておき、
(b)印刷指示のなされた電子ファイルに基づいて前記プリンタにより実行可能な印刷用データを生成すると共に該生成した印刷用データを前記所定の識別情報を用いて暗号化し、
(c)該暗号化した印刷用データを前記プリンタに送信し、
前記プリンタにより、
(d)該プリンタを識別する所定の識別情報を記憶しておき、
(e)前記コンピュータから暗号化された印刷用データが前記通信媒体を介して送信されたときに前記プリンタ用記憶手段に記憶された所定の識別情報を用いて該印刷用データを復号化し、
(f)該復号化した印刷用データを実行して印刷する、
印刷方法。 - 前記ステップ(a)は、所定のタイミングで前記コンピュータと通信媒体を介して接続されたプリンタから所定の識別情報を取得し該取得した所定の識別情報を記憶するステップである請求項9記載の印刷方法。
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