JP2005201171A - 圧縮機の潤滑機構 - Google Patents

圧縮機の潤滑機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2005201171A
JP2005201171A JP2004009202A JP2004009202A JP2005201171A JP 2005201171 A JP2005201171 A JP 2005201171A JP 2004009202 A JP2004009202 A JP 2004009202A JP 2004009202 A JP2004009202 A JP 2004009202A JP 2005201171 A JP2005201171 A JP 2005201171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
lubricating oil
back pressure
pressure chamber
scroll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004009202A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Kamiya
茂 神谷
Yuichi Kamiya
裕一 神谷
Yoshiki Tada
世史紀 多田
Masafumi Inoue
雅文 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004009202A priority Critical patent/JP2005201171A/ja
Publication of JP2005201171A publication Critical patent/JP2005201171A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】 密閉されたハウジング内に電動機を組み込んだスクロール型圧縮機のような圧縮機において、電動機と圧縮機部の双方を十分に潤滑する。
【解決手段】 密閉されたハウジング1の上部に電動機2、下部に圧縮機部3が設けられる。圧縮機部がスクロール型圧縮機である場合には、旋回スクロール20の端板部21の上面に仕切り壁9の開口15を含む背圧室が形成される。吐出流体に含まれている潤滑油は例えばオイルセパレータ34によって分離され、絞り要素37によって適度に減圧された後に、潤滑油通路40を通って背圧室へ供給される。背圧室は潤滑油の貯留部を兼ねていて、回転軸6の上端部に設けられた遠心型のインペラ61が回転することにより、潤滑油が回転軸6に形成された連通穴60を通って汲み上げられて上部空間13内へ放出される。潤滑油は重力により流下して各部分を潤滑し、再び背圧室に貯留される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機を組み込んだ密閉型の圧縮機における潤滑機構に係り、とりわけ好適なものとして、圧縮機部が固定スクロールと旋回スクロールからなるスクロール型圧縮機である場合の潤滑機構に関するものである。
一般に、スクロール型流体機械においては、流体を加圧(圧縮)する際に発生する加圧反力(圧縮反力)として旋回スクロールに大きな軸方向力、所謂「スラスト荷重」が作用する。そこで、従来は、旋回スクロールの背面側、つまり旋回スクロールの端板部のうち作動室と反対側の面に吐出圧を導いて、この吐出圧によって旋回スクロールを固定スクロール側に押し付けることにより、旋回スクロールに作用するスラスト荷重を相殺している(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−170571号公報
しかしながら、例えば、二酸化炭素等を冷媒とする蒸気圧縮式冷凍装置では、冷媒を約10MPa以上の高圧まで加圧する必要があるので、仮に、特許文献1に記載されているようなスクロール型圧縮機をこの蒸気圧縮式冷凍装置用の圧縮機として採用すると、旋回スクロールの背面側、つまり圧縮機を駆動する電動機が収納される旋回スクロールの背面側の室(以下これを「モーター室」と称する)に吐出圧を作用させることになるため、このモーター室にも10MPa以上の高圧が作用する。このため、モーター室を構成する容器部材の肉厚を厚くして、容器部材の耐圧強度を高める必要があるので、スクロール型圧縮機の大型化及び重量増加を招くことになる。
この点を考慮して、モーター室の圧力を吸入圧力よりも高いが吐出圧力よりは低い中間圧として、それを旋回スクロールの背圧としてスラスト荷重の一部を相殺しようとするスクロール型圧縮機が知られている(特許文献2を参照)。このスクロール型圧縮機においては吐出ガス中の潤滑油を油分離部によって分離し、減圧した後にそれを貯油部に蓄えると共に、ポンプ等の手段を用いて圧縮機構と電動機との間へ戻すようになっている。
特開平11−303776号公報
特許文献2に記載されたスクロール型圧縮機は以下に述べるような問題を有する。
1.上部に圧縮機構部、下部にモーター室を配設して、モーター室の底部に潤滑油を貯留することになるため、特に潤沢に潤滑油を必要とする圧縮機構部まで潤滑油を送油するための送油ポンプ等の圧送手段が必要となることから構成が複雑となる。
2.圧縮機構部でも最も潤沢に潤滑油を必要とする部位は、旋回スクロールのスラスト摺動部、及び旋回スクロールを公転駆動するための各軸受部であるが、両部位とも上部に位置するため、前述のように下部に貯留した潤滑油を何らかの圧送手段によって上部まで移送して給油することになるが、運転条件の変化などによって貯留されている潤滑油油量が変動し、例えば油ポンプの吸入口以下に油面が低下した場合には給油が停止し、潤滑が不良となる恐れがある。
3.運転停止時には、圧縮機構部に付着していた潤滑油が全て下方に流下してしまうために、次の運転開始時には潤滑油が非常に乏しい状態で回転を開始することになることから、磨耗や焼き付きの恐れが生じるなど、信頼性の面における問題も生じる。つまり、従来の潤滑機構は、スクロール型圧縮機の下部に貯留された潤滑油を上部に移送して重要な潤滑必要部位の潤滑を行うものであるから、若干不安定な要素を含むものとなっている。
本発明は、従来技術におけるこのような問題を可及的に簡単な手段によって解消することを発明の解決目的としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、特許請求の範囲の請求項1に記載したような圧縮機を提供するものである。即ち、本発明は、密閉されたハウジング内の下部に圧縮機部が設けられると共に、回転軸を介して圧縮機部を駆動する電動機がハウジング内の上部に設けられている密閉型圧縮機において、圧縮機部によって圧縮されて吐出される流体から分離される潤滑油を貯留するために圧縮機部に潤滑油の貯留部が設けられており、貯留部内に貯留された潤滑油を電動機の上部空間へ導くために、回転軸を貫通して連通穴が形成されていると共に、電動機の上部空間において回転軸の上端部に回転軸の連通穴に通じる半径方向の流路を形成する遠心型のインペラが取り付けられていることを特徴とする。
本発明の圧縮機はこのように構成されているから、圧縮機部によって圧縮されて吐出される流体から分離される潤滑油が貯留部に一時的に貯留され、回転軸と共に遠心型のインペラが回転することによりインペラの内部に発生する負圧によって、回転軸を貫通して設けられた連通穴を通って吸い上げられて電動機の上部空間内へ放出される。それによって潤滑油は重力によりハウジング内を上部から下部に向かって回転軸に沿って流れるため、上部にある電動機の内部や軸受部、下部にある圧縮機部の摺動部分等の潤滑の必要な部分が順次に潤滑される。潤滑を終わった潤滑油は下部の圧縮機部に設けられた貯留部に再び貯留される。潤滑の過程において潤滑油の一部は被圧縮流体に混入するが、混入した潤滑油は流体が圧縮された後に分離されて再び前述の過程を繰り返す。
本発明においては圧縮機部をスクロール型圧縮機として構成することができる。この場合は、ハウジングの下部に固定スクロールと、固定スクロールに噛み合う可動の旋回スクロールと、旋回スクロールを固定スクロールに向かって軸方向に付勢するために旋回スクロールの端板部の上面にシール手段によって区画形成された背圧室を設けると共に、背圧室をその上部にある電動機の内部空間と連通させることによって、背圧室に潤滑油の貯留部としての機能をも与える。
背圧室は潤滑油の貯留部を兼ねているから、加圧されて吐出された流体から分離される潤滑油が、吐出圧よりは低いが吸入圧よりは高い最適の高さの圧力を帯びて背圧室へ供給されるために、背圧室が適度に加圧されて、旋回スクロールを固定スクロールに向かって軸方向に付勢する。それによって、圧縮反力によって発生する軸方向力の少なくとも一部が相殺されるので、旋回スクロールを支持する各軸受部の負荷が軽減される。また、背圧室に溜まった潤滑油が回転軸の上端部に取り付けられた遠心型のインペラによって汲み上げられて、電動機の上部空間内へ放出されるので、放出された潤滑油が電動機の内部を潤滑しながら回転軸に沿って圧縮機部まで流下する間に、電動機の内部や軸受部、更にハウジングの下部の圧縮機部まで隈なく潤滑する。潤滑を終わった潤滑油は再び背圧室に流入して貯留される。
この場合、吐出される流体から分離される潤滑油を背圧室へ導くための潤滑油通路の途中に絞り要素を設けて、絞り要素の流量特性を適正に設定することにより、背圧室による圧縮反力の相殺の割合と、潤滑油の循環量等を適正に調整することができる。
以下、添付の図面に示された幾つかの実施例を本発明の圧縮機についての最良の実施形態として、それらについて順次詳細に説明を加える。
図1に示す第1実施例のスクロール型圧縮機C1においては、密閉された共通のハウジング1内の上部寄りの部分に電動機2が設けられると共に、下部寄りの部分に圧縮機部3が設けられている。電動機2はハウジング1に固定されたステータ4と、その中で回転し得るロータ5を有する。ロータ5に取り付けられた回転軸6の下部は主軸受7と環状の仕切り壁9を介して、また、上部は副軸受8と環状の仕切り壁10を介して、それぞれハウジング1によって回転自由に軸支されている。下部の仕切り壁9によってハウジング1の内部空間がその上側のモーター室11と下側の吸入室12とに分けられる。また、上部の仕切り壁10によってハウジング1の内部が上側の上部空間13と下側のモーター室11とに分けられる。前述のステータ4やロータ5はモーター室11内にある。
なお、仕切り壁9には転動する複数個のボールやローラを有する主軸受7が取り付けられていると共に、仕切り壁10にも同様な副軸受8が取り付けられているのと、電動機2のステータ4とロータ5との間には若干の隙間があるから、軸受7及び8の隙間及びステータ4とロータ5との隙間を介して、上部空間13とモーター室11とは連通している。上部空間13とモーター室11は後述のように旋回スクロールのための背圧室に連通する中間圧力室となると共に、シールリング14によって吸入室12から遮断された仕切り壁9の大きな開口15の内部空間がモーター室11と連通していて、この開口15の内部空間が背圧室の主要部を構成する。
回転軸6の下端には、主軸受7によって軸支されている軸部分に対して偏心すると共に下方へ突出している偏心軸部16が設けられている。回転軸6の偏心軸部16には円筒形のブッシュ17が、それに形成された偏心穴によって相対的に回転可能に嵌合している。なお、ブッシュ17にはバランスウェイト18が取り付けられている。偏心穴を有するブッシュ17と回転軸6の偏心軸部16とが係合することによって所謂従動クランク機構が構成されるが、従動クランク機構自体は周知のものであるし、本発明は従動クランク機構を用いた点に特徴がなく、この部分に固定のクランク機構(例えば、偏心軸部16とブッシュ17が一体化されたもの等)を使用することもできるので、この部分についての詳細な説明は省略する。
ブッシュ17は、ニードルベアリングからなる旋回スクロール軸受19を介して旋回スクロール20の端板部21のボス部22を回転可能に軸支する。端板部21の上面と仕切り壁9の下面は摺動可能に係合して、作動時に旋回スクロール20に作用するスラスト力の一部を支持するスラスト受け部23を形成している。このスラスト受け部23を構成する端板部21の上面或いは仕切り壁9の下面における外周寄りの周縁部に円環状の溝が設けられて、その中に前述のようにシールリング14が装着され、相手方の面に対して摺動係合することによって、背圧室を構成する開口15の空間と吸入室12との間を気密状態に遮断している。旋回スクロール20の端板部21の下面には渦巻き形の羽根部24が一定の幅をもって下方へ突出するように形成されている。
旋回スクロール20と噛み合って圧縮機部3を構成する固定スクロール25が、その端板部26の周縁においてハウジング1の下部の内面に固定されている。固定スクロール25の端板部26の上面には渦巻き形の羽根部27が一定の幅をもって上方へ突出するように形成されている。それによって、固定スクロール25の渦巻き形の羽根部27は、それに対向する旋回スクロール20の渦巻き形の羽根部24と噛み合って、両者の間に対になった作動室28を形成する。
第1実施例のスクロール型圧縮機C1は例えば図示しない空調装置における冷媒圧縮機として使用されるので、図示しない冷凍サイクル(一般的にはヒートポンプシステム)において熱を吸収して吸入管29を通って吸入室12へ戻ってくる比較的に低温低圧の二酸化炭素のような冷媒が、外周部の作動室28が半径方向の外方に向かって開いた時に作動室28内へ取り込まれる。回転軸6の回転によって旋回スクロール20が偏心軸部16とブッシュ17からなるクランク機構を介して駆動され、その自転が図示しない自転防止機構によって阻止されるので旋回スクロール20は固定スクロール25に対して公転のみをする。それによって、外周部の作動室28は閉じ、容積を縮小しながら半径方向の内方へ移動するので、その間に作動室28内の冷媒は圧縮される。そして、作動室28が中心部において内方に向かって開いた時に、高圧となった冷媒が吐出口30を通過し、吐出弁31を押し開いて吐出室32へ排出される。
第1実施例のスクロール型圧縮機C1についての以上の構成と作動は、従来から知られているスクロール型圧縮機と同様なものである。本発明の特徴の一つに対応して、第1実施例のスクロール型圧縮機C1においてはハウジング1の最下部に取り付けられたブロック33の一部にオイルセパレータ34を設けている。第1実施例におけるオイルセパレータ34は、円柱形の空間と、その空間内へ接線方向に開く吐出室32の出口通路と、端板部26から空間内へ垂下している円筒形の隔壁と、隔壁の中心部の上面に開く吐出管35の開口部等からなっている。もっとも、オイルセパレータ34の具体的な構造はこのようなものに限られる訳ではなく、気液分離作用をするものならば他の形式のオイルセパレータを使用してもよい。図示のオイルセパレータ34は遠心分離作用を利用するものであって、吐出管35を通って冷凍サイクルへ導かれる気体状の冷媒から分離された液状の潤滑油はオイルセパレータ34の底部のような空間からなる貯油部36に溜まる。
オイルセパレータ34によって分離されて貯油部36に溜まっている潤滑油は、貯油部36が吐出室32に連通していて吐出圧に近い高い圧力を帯びているので、貯油部36の底部に連通している潤滑油通路40と、潤滑油の流量を制限するオリフィスとかキャピラリのような絞り要素37とを介してスラスト受け部23へ送られ、旋回スクロール20の端板部21と仕切り壁9との間の摩擦摺動面を潤滑するだけでなく、更に矢印によって示したように、背圧室を構成する仕切り壁9の開口15内から旋回スクロール20のボス部22内へ流れて、旋回スクロール軸受19や偏心軸部16とブッシュ17との摺動部分をも潤滑する。
スラスト受け部23にはシールリング14が設けられているので、それによって囲まれた内側の空間、特に下部仕切り壁9の開口15の内部空間が旋回スクロール20のための背圧室を構成する。この背圧室には貯油部36やモーター室11よりも少し低い圧力が背圧として作用している。従って、シールリング14の内側の円形の面積に背圧を乗じた値の軸方向力が旋回スクロール20の端板部21を押し下げるので、作動室28内で冷媒を圧縮することにより旋回スクロール20を押し上げようとする圧縮反力としての軸方向力の少なくとも一部が相殺され、その分だけ主軸受7等の負荷が小さくなる。なお、シールリング14は僅かに漏れを生じるため、開口15内に溜まった潤滑油の一部が吸入室12へ流入し、旋回スクロール20と固定スクロール25の渦巻き形の羽根部等の摺動接触する部分を潤滑する。
これもまた背圧室の一部である旋回スクロール20のボス部22内へ流れた潤滑油は、一時的にそこに貯留されて旋回スクロール軸受19やブッシュ17などを潤滑するだけでなく、本発明の各実施例に共通の特徴として、回転軸6の中心を貫通して形成された連通穴60を通って上方へ吸い上げられる。連通穴60を介して潤滑油に吸い上げ力を作用させるために、図1に示す第1実施例のスクロール型圧縮機C1においては、図2に平面図形を示すような遠心型のインペラ61を設けている。
第1実施例における遠心型のインペラ61は、絞り加工部分によって回転軸6の上端に嵌合する円環状の円板62と、穴のない円板63とを所定の間隔をおいて平行に支持し、それらの間に彎曲した形状の複数枚の板羽根64を放射状に取り付けたものである。インペラ61が回転軸6と共に回転すると、放射状の板羽根64の間にある空気等の流体が板羽根64によって遠心力を与えられて半径方向に振り飛ばされるから、インペラ61の内部が負圧になって、背圧室の中でもボス部22内にある潤滑油が連通穴60を通って上部空間13内へ吸い上げられる。なお、インペラ61は金属製であっても合成樹脂製であってもよい。
従って、回転軸6の中心に連通穴60を形成すると共に、簡単な構造の遠心型のインペラ61を回転軸6の上端に取り付けることにより、ボス部22内の潤滑油を上部空間13内へ汲み上げることができるので、特別にポンプのような圧送手段を設ける必要がない。インペラ61によって上部空間13内へ放出された潤滑油は、副軸受8を通過する時にこれを潤滑し、重力により電動機2内を流下して主軸受7を潤滑する。更に、主軸受7を通過して背圧室である開口15内に流入し、潤滑油通路40を通って来た潤滑油と合流して前述のように流れることにより潤滑作用をする。図示実施例のスクロール型圧縮機においては、旋回スクロール20のための背圧室を構成する開口15の内部空間(ボス部22の内部空間を含む)は、一時的に潤滑油を貯留する作用もするので、背圧室は同時に潤滑油のための貯留部をも兼ねている。
図示実施例の他の特徴として、背圧室となる開口15に通じる背圧抜き穴41が設けられると共に、開口15と吸入室12との間に背圧制御弁42が配設される。つまり、背圧制御弁42の高圧側が背圧室に連通すると共に、背圧制御弁42の低圧側が吸入室12に連通している。背圧制御弁42としては一般的に定差圧弁、すなわち上流側圧力と下流側圧力の圧力差が一定になるように制御する弁を用いる。従ってこの場合には、開口15内の圧力と実質的に同じ値になる旋回スクロール20の背圧と、吸入室12の圧力との差が一定になるように制御する。
旋回スクロール20のための背圧室兼潤滑油の貯留部となる開口15の内部空間は、吐出室32の圧力に近い高圧を帯びている貯油部36内の潤滑油が、潤滑油通路40と絞り要素37を通過することによって適当に減圧されて開口15内へ供給されることにより加圧される。それによって、開口15の内部空間は背圧室として作動するために必要な高さの背圧として、吐出圧と吸入圧との中間の最適値の圧力を与えられる。背圧室の圧力は、定差圧弁(背圧制御弁42)の設定圧力を調整することによって変化させることができる。
図3及び図4に、本発明の第2実施例を示す。第2実施例が前述の第1実施例と異なる点は遠心型のインペラの形状或いは構造のみにあるので、図3及び図4においては圧縮機全体の構成を示す図面は省略して、インペラの部分のみを図示している。
第2実施例の特徴を示す遠心型のインペラ65は、例えば軽合金や合成樹脂等から製作される概ね円盤形のもので、外形の成形時に同時に成形するか、或いは成形後に機械加工を加えることによって半径方向に複数個の遠心排出穴66が穿孔されていると共に、中心において回転軸6の上端部を受け入れるための中心開口67を備えている。また、回転軸6の上端部には、インペラ65の複数個の遠心排出穴66に対応してそれら連通する横穴68が複数個設けられていて、それらによって全ての遠心排出穴66が回転軸6の連通穴60に連通している。なお、図4に示す69はインペラ65を回転軸6の上端部に固定するためのボルトである。
第2実施例における遠心型のインペラ65はこのように構成されているから、構造が簡単で製造が容易になるという利点があるが、第1実施例における遠心型のインペラ61と同等の作用効果を奏する。即ち、インペラ65は、回転軸6の連通穴60を通して潤滑油を上部空間13へ汲み上げて、電動機2の内部空間を通して潤滑油を流下させることによりハウジング1内の各部分を潤滑する。
図5及び図6は本発明の第3実施例を示すもので、第3実施例もまた遠心型のインペラの形状或いは構造のみに特徴を有するので圧縮機の全体構成を示す図面は省略している。第3実施例においては、回転軸6の上端部に横穴70を設けると共に、この横穴70に中空のパイプ71を挿入して固定し、パイプ71の中央部に形成した穴72によってパイプ71の内部通路73を回転軸6の連通穴60に連通させたものである。
第3実施例における遠心型のインペラ74はこのように構成されているから第1実施例の遠心型のインペラ61と概ね同様な作用効果を奏する。しかも、その主体は1本の短いパイプ71に過ぎないから、前述の各実施例に比べて構造が簡単であるため、より安価に製造することができる。
図7及び図8は、更に構造が簡単な第4実施例における遠心型のインペラ75を示すものである。第4実施例におけるインペラ75は、単に回転軸6の上端部に1個或いは複数の横穴76を設けただけのものである。第4実施例は、回転軸6の回転数(回転速度)が高いタイプの圧縮機に限って実用化することができる例である。このようにきわめて簡単な構造であっても回転軸6が高速で回転する場合には、横穴76が潤滑油に遠心力を与えることができるので、開口15内にある潤滑油を回転軸6の連通穴60を通じて上部空間13内へ汲みあげることができる。なお、77は連通穴60の上端を塞ぐプラグを示している。
これらの各実施例における遠心型のインペラは、回転軸6の所定の回転数やインペラの有効径、更に回転軸6の長さや連通穴60の直径などによって潤滑油を汲みあげる能力等の特性が異なるから、対象とする圧縮機の設計条件に応じて最適な実施例の構造を選択して使用する必要がある。また、これらの実施例の他にも、回転軸6の上端部において潤滑油に対して遠心作用を及ぼすことができる他の手段を適用してもよいことは言うまでもない。
図9に背圧室の圧力源が前述の各実施例とは異なる第5実施例としてのスクロール型圧縮機C5の構造を示す。図1に示す第1実施例のスクロール型圧縮機C1によって代表される前述の各実施例においては、背圧室へ背圧を供給するための圧力源として、圧縮機に内蔵されているオイルセパレータ34によって圧縮機の吐出ガス中から分離した潤滑油を用いる場合のみを示しているが、背圧室の圧力源として使用可能なものはオイルセパレータ34のみに限られない。即ち、図9に示す第5実施例では、冷凍システムの吐出ガスライン78を流れる高圧のガス(冷媒)の一部を、例えば吐出ガスライン78に設けた分岐部79によって分流させると共に、キャピラリチューブやオリフィスのような絞り要素80を介して背圧室へ供給するように構成した場合を示している。
この場合は、分流して最終的に背圧室(開口15の内部空間)へ供給されるガス中に含まれている潤滑油が、圧縮機構の上部にある背圧室兼貯留部の空間に貯留されて、前述の第1実施例の場合と同様に背圧を発生すると共に潤滑作用を行う。分流させたガスの具体的な供給先については、図9にa,b,c或いはdとして示したような色々な位置とすることができる。即ち、aは旋回スクロール20のスラスト受け部23、bは開口15の中央部、cはモーター室11の下部、dは上部空間13である。これらの少なくとも一つの位置を選択して加圧されたガスを供給することにより、背圧室となる開口15の内部空間を加圧し、潤滑油を貯留する。その他の点は図1に示す第1実施例と同様である。
更に、吐出ガスのライン78の適当個所に図示しない油分離器を設置し、それによって分離された高圧の潤滑油を、オリフィスやキャピラリ等の流量絞り要素を介して背圧室兼貯留部である開口15内へ供給してもよい。
第1実施例としてのスクロール型圧縮機の縦断面図である。 第1実施例の要部の平面図である。 第2実施例の要部の平面図である。 第2実施例の要部の縦断面図である。 第3実施例の要部の部分的断面図である。 第3実施例の要部の平面図である。 第4実施例の要部の縦断面図である。 第4実施例の要部の平面図である。 第5実施例としてのスクロール型圧縮機の縦断面図である。
符号の説明
1…ハウジング
2…電動機
3…圧縮機部
6…回転軸
9…仕切り壁
11…モーター室
12…吸入室
13…上部空間
14…シールリング
15…開口(背圧室兼潤滑油の貯留部)
20…旋回スクロール
25…固定スクロール
32…吐出室
34…オイルセパレータ
35…吐出管
36…貯油部
60…連通穴
61,65,74,75…遠心型のインペラ

Claims (3)

  1. 密閉されたハウジング内の下部に圧縮機部が設けられると共に、回転軸を介して前記圧縮機部を駆動する電動機が前記ハウジング内の上部に設けられた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機部によって圧縮されて吐出される流体から分離される潤滑油を貯留するために前記圧縮機部に設けられた貯留部と、前記貯留部内に貯留された潤滑油を前記電動機の上部空間へ導くために前記回転軸を貫通して形成された連通穴と、前記電動機の上部空間において前記回転軸の上端部に取り付けられて前記連通穴に通じる半径方向の流路を形成している遠心型のインペラとを備えていることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、前記圧縮機部がスクロール型圧縮機として構成され、前記ハウジングの下部に固定スクロールと、前記固定スクロールに噛み合う可動の旋回スクロールと、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに向かって軸方向に付勢するために前記旋回スクロールの端板部の上面にシール手段によって区画形成された背圧室とを備えていると共に、前記背圧室がその上部にある前記電動機の内部空間と連通していることによって前記潤滑油の貯留部をも兼ねていて、前記背圧室自体から汲み上げられて前記遠心型のインペラによって前記電動機の上部空間内へ放出された後に前記電動機の内部を潤滑しながら前記回転軸に沿って前記圧縮機部まで流下する潤滑油を受け止め得るように構成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 請求項2において、前記圧縮機部から吐出される流体から分離される潤滑油を前記背圧室へ導くための潤滑油通路の途中に絞り要素が設けられていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
JP2004009202A 2004-01-16 2004-01-16 圧縮機の潤滑機構 Withdrawn JP2005201171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004009202A JP2005201171A (ja) 2004-01-16 2004-01-16 圧縮機の潤滑機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004009202A JP2005201171A (ja) 2004-01-16 2004-01-16 圧縮機の潤滑機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005201171A true JP2005201171A (ja) 2005-07-28

Family

ID=34822311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004009202A Withdrawn JP2005201171A (ja) 2004-01-16 2004-01-16 圧縮機の潤滑機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005201171A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100992897B1 (ko) 2010-05-04 2010-11-08 오세일 히트펌프용 압축기
CN103603804A (zh) * 2013-11-13 2014-02-26 安徽美芝精密制造有限公司 旋转式压缩机
CN103644119A (zh) * 2008-07-25 2014-03-19 Lg电子株式会社 电动机构和压缩机
KR101474019B1 (ko) 2008-07-25 2014-12-18 엘지전자 주식회사 전동기구 및 이를 적용한 압축기
KR20200098158A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 엘지전자 주식회사 압축기
CN113700650A (zh) * 2021-09-16 2021-11-26 珠海格力电器股份有限公司 压缩机以及具有其的空调器
US11319956B2 (en) 2019-06-28 2022-05-03 Danfoss Commercial Compressors Scroll compressor provided with an orbital disc lubrication system

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101474019B1 (ko) 2008-07-25 2014-12-18 엘지전자 주식회사 전동기구 및 이를 적용한 압축기
CN103644119A (zh) * 2008-07-25 2014-03-19 Lg电子株式会社 电动机构和压缩机
US8864480B2 (en) 2008-07-25 2014-10-21 Lg Electronics Inc. Oil recovery member, and motor mechanism and compressor using the same
WO2011139041A2 (ko) * 2010-05-04 2011-11-10 Oh Seil 히트펌프용 압축기
WO2011139041A3 (ko) * 2010-05-04 2012-01-26 Oh Se Il 히트펌프용 압축기
KR100992897B1 (ko) 2010-05-04 2010-11-08 오세일 히트펌프용 압축기
CN103603804A (zh) * 2013-11-13 2014-02-26 安徽美芝精密制造有限公司 旋转式压缩机
CN105889074A (zh) * 2013-11-13 2016-08-24 安徽美芝精密制造有限公司 旋转式压缩机
CN103603804B (zh) * 2013-11-13 2017-02-08 安徽美芝精密制造有限公司 旋转式压缩机
KR20200098158A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 엘지전자 주식회사 압축기
KR102373829B1 (ko) * 2019-02-12 2022-03-14 엘지전자 주식회사 압축기
US11408426B2 (en) 2019-02-12 2022-08-09 Lg Electronics Inc. Compressor
US11319956B2 (en) 2019-06-28 2022-05-03 Danfoss Commercial Compressors Scroll compressor provided with an orbital disc lubrication system
DE102020115376B4 (de) 2019-06-28 2024-03-21 Danfoss Commercial Compressors Scroll-Verdichter mit Orbitalscheiben-Schmiersystem
CN113700650A (zh) * 2021-09-16 2021-11-26 珠海格力电器股份有限公司 压缩机以及具有其的空调器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11248608B2 (en) Compressor having centrifugation and differential pressure structure for oil supplying
US8747088B2 (en) Open drive scroll compressor with lubrication system
US20150030487A1 (en) Compressor
US20070183916A1 (en) Oil pump for a scroll compressor
JP4511412B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP2008101559A (ja) スクロール圧縮機およびそれを用いた冷凍サイクル
JP7075407B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP2007138868A (ja) スクロール圧縮機
EP2653650A2 (en) Scroll type compressor
US20170002816A1 (en) Scroll compressor
WO2016173319A1 (zh) 涡旋压缩机
JP2007085297A (ja) スクロール圧縮機
JP2005201171A (ja) 圧縮機の潤滑機構
JP7057532B2 (ja) スクロール圧縮機
JP3925229B2 (ja) 密閉型スクロール圧縮機およびそれを用いた冷凍サイクルおよび冷凍装置
JP2017025789A (ja) 回転式圧縮機
JP5209279B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2006257882A (ja) スクロール圧縮機
CN110552886B (zh) 压缩机
JP5288941B2 (ja) スクロール型圧縮機
CN109306957B (zh) 压缩机
JP6972391B2 (ja) スクロール圧縮機
US10816000B2 (en) Compressor having centrifugation structure for supplying oil
JP2009097357A (ja) 密閉形スクロール圧縮機
JP2007247562A (ja) 冷媒圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070403