JP2005200743A - 鋳造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鋳物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的強度及び熱疲労強度が共に良好な鋳造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鋳物を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係る鋳造用アルミニウム合金は、機械的強度及び熱疲労強度が共に要求されるものであって、アルミ母材に、
Siを4.0〜7.0wt%、
Mgを0.4〜1.0wt%、
Cuを0.10wt%以下、
Feを0.3wt%以下、
の割合で含ませたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械的強度及び熱疲労強度が共に要求される鋳造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鋳物に関するものである。
機械的強度及び耐熱性を高めた鋳造用アルミニウム合金として、Al-Si-Cu-Mg4元系又はAl-Si-Cu-Ni-Mg5元系の鋳造合金がある(例えば、AC4D,AC8A,AC8B,AC8C(JIS規格))。
これらの合金はCuとMgを同時に含んでおり、これらの合金からなる鋳造体にT6熱処理を施すことで、金属組織中の析出物が高密度化及び微細化し、鋳造体は高い機械的強度を示す。また、これらの析出物は高温で安定であるため、高温雰囲気下での使用中においても鋳造体の機械的強度の低下は少ない。しかし、高温で安定な析出物は、逆に熱疲労寿命(熱疲労強度)を劣化させてしまう。
一方、熱疲労強度を高めた鋳造用アルミニウム合金として、Cuを含まないAl-Si-Mg3元系の鋳造合金がある(例えば、AC4C,AC4CH(JIS規格))。
これらの合金も、前述したAl-Si-Cu-Mg4元系又はAl-Si-Cu-Ni-Mg5元系の鋳造合金と同様にT6熱処理を施すことで、金属組織中の析出物が高密度化及び微細化し、鋳造体は高い機械的強度を示す。また、これらの析出物は高温で不安定であるため、高温雰囲気下での使用中において消滅又は無害化し、熱疲労強度を劣化させることはない。しかし、Al-Si-Mg3元系の鋳造合金は、析出物の絶対量が少ないため、Al-Si-Cu-Mg4元系又はAl-Si-Cu-Ni-Mg5元系の鋳造合金ほどの機械的強度は得られない。
ここで、Al-Si-Mg3元系の鋳造合金であっても、A357合金(AA規格)のようにMg含有量を増大させることで、中間相(Mg2Si)の析出により常温での機械的強度を高めることも可能である。しかし、A357合金は、熱間では大きく軟化してしまう。このため、A357合金を、シリンダヘッドの下面部分のように高温に晒される場所に適用した場合、常温で得られていた高い強度を長時間維持することは困難である。
本発明者らは以前、Al-Si-Cu-Mg4元系の鋳造合金に安定化処理を施すことで、高温環境下で疲労強度及び熱疲労強度がほとんど劣化しない鋳造用アルミニウム合金を提案した(特許文献1参照)。具体的には、この鋳造用アルミニウム合金は、320MPa以上の引張強度と、5%以上の破断伸びを有している。
AC4D、AC4C、及び特許文献1記載の鋳造用アルミニウム合金(以下、前発明合金と表す)における引張強度と熱疲労寿命との関係を図1に示す。図1に示すように、領域Aで示されるAC4Dの引張強度は約300〜320MPa、熱疲労寿命は約180〜500サイクル、領域Bで示されるAC4Cの引張強度は約270〜300MPa、熱疲労寿命は約1000〜1500サイクル、領域Cで示される前発明合金の引張強度は約320〜350MPa、熱疲労寿命は約700〜1200サイクルである。
引張強度は高い方から順に、前発明合金、AC4D、AC4Cとなっている。また、熱疲労寿命は長寿命の方から順に、AC4C、前発明合金、AC4Dとなっている。このことから、前発明合金は、AC4Dよりも高い引張強度及びAC4Cとほぼ同等の熱疲労寿命を目的とした鋳造用アルミニウム合金であることがわかる。この前発明合金以外にも、熱疲労強度又は疲労強度(靭性)を高めた鋳造用アルミニウム合金が提案されている(特許文献2,3参照)。
特開2001−262262号公報 特開平10−251790号公報 特開平11−293430号公報
近年、鋳造用アルミニウム合金においては、機械的強度及び熱疲労強度の更なる向上が望まれている。特に、AC4D及び前発明合金に匹敵する引張強度を有し、かつ、AC4Cと同等以上の熱疲労強度を有するもの、つまり、図1における領域Dの特性を有する鋳造用アルミニウム合金が望まれている。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、機械的強度及び熱疲労強度が共に良好な鋳造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鋳物を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係る鋳造用アルミニウム合金は、機械的強度及び熱疲労強度が共に要求される鋳造用アルミニウム合金において、アルミ母材に、
Siを4.0〜7.0wt%、
Mgを0.4〜1.0wt%、
Cuを0.10wt%以下、
Feを0.3wt%以下、
の割合で含ませたものである。ここで、Si、Mg、Cu、Feの他に、更にSrを0.005〜0.030wt%の割合で含ませてもよい。
一方、本発明に係るアルミニウム合金鋳物は、前述した鋳造用アルミニウム合金の鋳造体で形成したものである。ここで、鋳造体に、T6熱処理を施してもよい。
本発明によれば、引張強度及び熱疲労強度を高いレベルで兼ね備えたアルミニウム合金鋳物を得ることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係る鋳造用アルミニウム合金は、アルミ母材に、
Siを4.0〜7.0wt%、
Mgを0.4〜1.0wt%、
Cuを0.10wt%以下、好ましくは0.05wt%以下、
Feを0.3wt%以下、好ましくは0.2wt%以下、
の割合で含有させたものである。また、本実施の形態に係る鋳造用アルミニウム合金は、Si、Mg、Cu、Feの他に、更にSrを0.005〜0.030wt%の割合で含有させてもよい。
ここで言う「アルミ母材」とは、Al及び不可避不純物で構成されるほぼ純粋なアルミ材のことである。
一方、本発明の好適一実施の形態に係るアルミニウム合金鋳物は、前述した鋳造用アルミニウム合金と同じ化学組成となるように各元素の添加量を調整してアルミニウム合金溶湯を溶製し、そのアルミニウム合金溶湯を用いて鋳造を行って得られた鋳造体で構成されるものである。ここで、本実施の形態に係るアルミニウム合金鋳物は、300MPa以上、好ましくは320MPa以上の引張強度と、1200サイクル以上、好ましくは1500サイクル以上の熱疲労寿命とを具有するものである。また、得られた鋳造体にT6熱処理を施して、本実施の形態に係るアルミニウム合金鋳物としてもよい。
得られたアルミニウム合金鋳物に対して、適宜、仕上げ加工等の各種処理を施すことで、目的とする最終製品が得られる。
尚、ここで言う「熱疲労寿命」は、アルミニウム合金鋳物に対して低温→高温→低温(例えば、100℃→250℃→100℃)を1サイクルとする熱サイクルを与える熱疲労試験を行い、全歪み振幅値が所定値(例えば、約±0.5%)である試験において材料が破断に到るまでの繰り返し回数(サイクル)を表している。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
Si含有量が4wt%,7wt%の鋳造用アルミニウム合金を用いたアルミニウム合金鋳物におけるMg含有量と引張強度との関係を図2に示す。図2中の直線21は、Si含有量が4wt%のアルミニウム合金鋳物、直線22は、Si含有量が7wt%のアルミニウム合金鋳物である。
図2に示すように、Si含有量が4〜7wt%の範囲のアルミニウム合金鋳物において、Mg含有量が0.4wt%以上の場合、320MPa以上の引張強度が得られることが確認できる。
Si含有量が4wt%,7wt%の鋳造用アルミニウム合金を用いたアルミニウム合金鋳物におけるMg含有量と熱疲労寿命との関係を図3に示す。図3中の直線31は、Si含有量が4wt%のアルミニウム合金鋳物、直線32は、Si含有量が7wt%のアルミニウム合金鋳物である。
図3に示すように、Si含有量が4〜7wt%の範囲のアルミニウム合金鋳物において、Mg含有量が1.0wt%以下の場合、1500サイクル以上の熱疲労寿命が得られることが確認できる。
以上に示した図2,図3より、Si含有量が4〜7wt%、Mg含有量が0.4〜1.0wt%のアルミニウム合金鋳物において、320MPa以上の引張強度及び1500サイクル以上の熱疲労寿命が得られることが確認できる。
ここで、Mg含有量が0.4〜1.0wt%の範囲のアルミニウム合金鋳物において、図2に示したように、Si含有量が多くなるのに伴って引張強度も向上するが、その変位量は比較的小さい。しかし、Mg含有量が0.4〜1.0wt%の範囲のアルミニウム合金鋳物において、図3に示したように、Si含有量が少なくなるのに伴って熱疲労寿命は大きく向上する。よって、Si含有量は好ましくは4.0〜6.0wt%とされ、この範囲において、アルミニウム合金鋳物の引張強度を重視する場合はSi含有量を高くし、アルミニウム合金鋳物の熱疲労強度を重視する場合はSi含有量を少なくする。
また、Mg含有量が0.4〜1.0wt%の範囲のアルミニウム合金鋳物において、図2に示したように、Mg含有量が多くなるのに伴って引張強度が向上し、図3に示したように、Mg含有量が少なくなるのに伴って熱疲労寿命が向上する。よって、Mg含有量は好ましくは0.5〜1.0wt%とされ、この範囲において、アルミニウム合金鋳物の引張強度を重視する場合はMg含有量を高くし、アルミニウム合金鋳物の熱疲労強度を重視する場合はMg含有量を少なくする。
また、Si含有量を4.0wt%、Mg含有量を1.0wt%、及びFe含有量を0.2wt%に固定した鋳造用アルミニウム合金を用いたアルミニウム合金鋳物におけるCu含有量と熱疲労寿命との関係を図4に示す。
図4に、直線41で示すように、Cu含有量が少なくなるのに伴って熱疲労寿命は向上しており、Cu含有量が0.10wt%以下の範囲のアルミニウム合金鋳物において、1500サイクル以上の熱疲労寿命が得られることが確認できる。特に、Cu含有量は、1700サイクル以上の熱疲労寿命が得られる0.05wt%以下が好ましい。
鋳造用アルミニウム合金におけるFeの含有量を0.3wt%以下としたのは、不純物であるFeを0.3wt%を超えて含有させると、アルミニウム合金鋳物の靭性が著しく低下し、延いては熱疲労強度が低下するためである。Fe含有量が少ない程、熱疲労寿命がより良好となるため、Feの含有量は0.2wt%以下が好ましい。
本実施の形態に係る鋳造用アルミニウム合金を用いてアルミニウム合金鋳物を作製することで、引張強度及び熱疲労強度を高いレベルで兼ね備えること、具体的には、300MPa以上、好ましくは320MPa以上の引張強度及び1200サイクル以上、好ましくは1500サイクル以上の熱疲労寿命を得ることができる。このため、本実施の形態に係るアルミニウム合金鋳物を用いて、内燃機関用のシリンダヘッドを作製することで、AC4D及び前発明合金に匹敵する引張強度及びAC4Cと同等以上の熱疲労強度を有するシリンダヘッドが得られる。よって、引張強度に優れたシリンダヘッドでありながら、エンジンの運転/停止という熱サイクル条件を繰り返し付与しても、機械的特性が低下するおそれがなく、安定である。
また、本実施の形態に係る鋳造用アルミニウム合金において、Si、Mg、Cu、Feの他に、Srを0.005〜0.030wt%の割合で更に含有させることで、共晶Siが微細化し、球状化するため、熱疲労強度を更に良好とすることができる。
さらに、本実施の形態に係るアルミニウム合金鋳物は、T6熱処理を施しても熱疲労強度がほとんど劣化しないため、その高い熱疲労強度をほとんど損なうことなく、引張強度を更に高めることができる。
また、本実施の形態に係るアルミニウム合金鋳物は、シリンダヘッドのみにその用途が限定されるものではなく、例えば、内燃機関用のシリンダブロック(又はピストン)、タービン、油圧シリンダボディ等にも適用することができる。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明について、実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルミ母材に、
Siを4.0wt%、
Mgを0.4wt%、
Feを0.2wt%、
Cuを0.03wt%、
の割合で含有させた鋳造用アルミニウム合金溶湯を溶製する。その合金溶湯を用いて鋳造を行い、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(実施例2)
Mg含有量を1.0wt%とする以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(実施例3)
Si含有量を7.0wt%とする以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(実施例4)
Si含有量を7.0wt%とする以外は、実施例2と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(実施例5)
Cu含有量を0.10wt%とする以外は、実施例2と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(実施例6)
Fe含有量を0.3wt%とする以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(比較例1)
Si含有量を3.0wt%とする以外は、実施例2と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(比較例2)
Si含有量を9.0wt%とする以外は、実施例2と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(比較例3)
Fe含有量を0.4wt%とする以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
(比較例4)
Cu含有量を0.20wt%とする以外は、実施例2と同様にして、アルミニウム合金鋳物を作製する。
実施例1〜6及び比較例1〜4の各アルミニウム合金鋳物の引張強度(MPa)、熱疲労寿命(サイクル)を表1に示す。ここで、熱疲労寿命は、各合金鋳物に対して低温→高温→低温を1サイクルとする熱サイクルを与える熱疲労試験を行い、歪み値が所定値に達した時の繰り返し回数(サイクル)とした。また、表1のデータを基にして、熱疲労寿命と引張強度との関係を図5に示す。
Figure 2005200743
表1及び図5に示すように、実施例1〜6の各アルミニウム合金鋳物は、引張強度が305〜355MPa(中央値は313〜352MPa)、熱疲労寿命が1230〜1934サイクルであり、いずれも目標値(300MPa以上の引張強度、1200サイクル以上の熱疲労寿命)を満足していた。また、実施例1〜5の各アルミニウム合金鋳物は、熱疲労寿命が1505〜1934サイクルであり、いずれも好ましい熱疲労寿命(1500サイクル以上)を満足していた。これらのアルミニウム合金鋳物の中で、特に、実施例2のアルミニウム合金鋳物は、引張強度が345〜350MPa(中央値は348MPa)、熱疲労寿命が1750サイクルであり、両者を高いレベルで満足していた。
これに対して、比較例1のアルミニウム合金鋳物は、Si含有量が3.0wt%と規定範囲(4.0〜7.0wt%)よりも少ないため、鋳造性が悪く、鋳物内部にポロシティ(気孔)や引け巣等の鋳造欠陥が多く発生した。その結果、引張強度のばらつきが大きくなってしまい(294〜342MPa(中央値は318MPa))、目的の引張強度が得られない場合があった。また、熱疲労寿命はばらつきが極めて大きく、データを得ることができなかった。
比較例2のアルミニウム合金鋳物は、引張強度は345〜359MPa(中央値は352MPa)であり、目標値を超えていた。しかし、Si含有量が9.0wt%と規定範囲よりも多いため、熱疲労寿命が780サイクルと、目標値を大きく下回った。
比較例3のアルミニウム合金鋳物は、引張強度は320MPaであり、目標値を超えていた。しかし、Fe含有量が0.4wt%と規定範囲(0.3wt%以下)よりも多いため、熱疲労寿命はそれぞれ674サイクルと、目標値を下回った。実施例6と比較例3との比較により、Fe含有量の増加に伴って熱疲労寿命が著しく低下することが確認できた。
比較例4のアルミニウム合金鋳物は、引張強度は342〜350MPa(中央値は346MPa)であり、目標値を超えていた。しかし、Cu含有量が0.20wt%と規定範囲(0.10wt%以下)よりも多いため、熱疲労寿命が1055サイクルと、目標値を下回った。
実施例1〜6の各アルミニウム合金鋳物は、AC4C製鋳物と比較して引張強度が約12〜26%向上し、また、AC4D製鋳物と比較して熱疲労寿命が約2.4〜3.6倍になっていた。特に、実施例1〜5の各アルミニウム合金鋳物は、AC4D製鋳物と比較して熱疲労寿命が約3.0〜3.6倍になっていた。
よって、機械的強度が必要なため、AC4Dでしか製造できなかった部品(鋳造製品)を、実施例1〜6の各アルミニウム合金鋳物で製造した場合、部品の寿命を約2.4〜3.6倍に長くすることができる。特に、実施例1〜5の各アルミニウム合金鋳物で製造した場合、部品の寿命を約3.0〜3.6倍に長くすることができる。また、熱疲労強度が必要なため、AC4Cでしか製造できなかった部品を、実施例1〜6の各アルミニウム合金鋳物で製造した場合、同じ強度を得るのであれば部品断面積を約12〜26%減少させることができる。このため、断面積減少の分だけ、部品を薄肉化でき、部品の軽量化を図ることができる。
その結果、部品の重量を、従来の部品と同程度とした場合、実施例1〜6の各アルミニウム合金鋳物で内燃機関用エンジンを製造することで、エンジンに対して負荷可能な熱的負荷及び機械的負荷を増加させることができる。よって、エンジン出力を向上させることができる。また、部品に対する熱的負荷及び機械的負荷を、従来の部品と同程度とした場合、実施例1〜6の各アルミニウム合金鋳物で内燃機関用エンジンを製造することで、エンジンを軽量化することができる。よって、エンジンの燃費向上を図ることができる。
本発明の好適一実施の形態に係る鋳造用アルミニウム合金の特性を示す図である。 Mg含有量と引張強度との関係を示す図である。 Mg含有量と熱疲労寿命との関係を示す図である。 Cu含有量と熱疲労寿命との関係を示す図である。 実施例における各アルミニウム合金鋳物の熱疲労寿命と引張強度との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 機械的強度及び熱疲労強度が共に要求される鋳造用アルミニウム合金において、アルミ母材に、
    Siを4.0〜7.0wt%、
    Mgを0.4〜1.0wt%、
    Cuを0.10wt%以下、
    Feを0.3wt%以下、
    の割合で含ませたことを特徴とする鋳造用アルミニウム合金。
  2. 上記Si、Mg、Cu、Feの他に、更にSrを0.005〜0.030wt%の割合で含ませた請求項1記載の鋳造用アルミニウム合金。
  3. 請求項1又は2記載の鋳造用アルミニウム合金の鋳造体で形成したことを特徴とするアルミニウム合金鋳物。
  4. 上記鋳造体にT6熱処理を施してなる請求項3記載のアルミニウム合金鋳物。
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