JP2005200375A - チオフェン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高収率、高純度かつ簡便なチオフェン化合物の製造法を提供する。
【解決手段】下記一般式(2)で表される化合物を無機塩基の存在下で硫黄と反応させる下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物の製造方法。
【化1】
(式中、R11およびR13は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R12は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。ただし、R11とR12またはR12とR13は、それぞれ互いに結合して5または6員環を形成してもよい。)
【化2】
(式中、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R22は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。ただし、R21とR22またはR22とR23は、それぞれ互いに結合して5または6員環を形成してもよい。)
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(2)で表される化合物を無機塩基の存在下で硫黄と反応させる下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物の製造方法。
【化1】
(式中、R11およびR13は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R12は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。ただし、R11とR12またはR12とR13は、それぞれ互いに結合して5または6員環を形成してもよい。)
【化2】
(式中、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R22は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。ただし、R21とR22またはR22とR23は、それぞれ互いに結合して5または6員環を形成してもよい。)
【選択図】なし
Description
本発明は、チオフェン化合物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、2−アミノチオフェン化合物を簡便で高収率かつ高純度に製造する方法に関する。
チオフェン化合物は、写真用添加剤,増感色素,染料,電子材料,医薬品などの機能性化合物の合成中間体として有用な化合物である。非特許文献1では、一般式(2)で表される化合物を有機塩基の存在下で硫黄と反応させて2−アミノチオフェン化合物を得る合成法が記載されている。しかし、一般式(2)で表される化合物の2量化反応が副反応として常に起こるため、得られる2−アミノチオフェン化合物の収率、純度はともに低く、特に精製工程が煩雑であった。2量化反応については、非特許文献2に記載されている。一方、非特許文献3では、また収率や純度を改善するため有機塩基を触媒量用いる合成法が記載されている。しかし、それでも収率、純度ともに不十分であり、かつ基質汎用性が乏しい。
ケー・ゲワード(K.Geward)著、ケミシェ・ベリヘテ(Chem.Ber.);3571(1965)
ユー・テ・アブラメンコ(Yu.T.Abramenko)著、ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)USSR;230−235(1986)
エム・エッチ・エルナグジ(M.H.Elnagdi)著、 リービグス・アナレン・デル・ケミー(Liebigs Ann.Chem.);1215−1219(1990)
このように、チオフェン化合物の製造法として、一般式(2)で表される化合物を有機塩基の存在下で硫黄と反応させると低収率かつ低純度であり、特に精製工程も含めるととても簡便な製造法とは言えない。従って、本発明の目的は、高収率,高純度かつ簡便な一般式(1)で表される2−アミノチオフェン化合物の製造法を提供することにある。
本発明者らは、従来のこうした課題を克服すべく検討を行った結果、上記一般式(2)で表される化合物を出発原料にして無機塩基の存在下で硫黄と反応させることにより、下記一般式(1)で表される2−アミノチオフェン化合物が高収率かつ高純度で合成できることを見出した。すなわち、本発明の上記目的は下記方法によって達成された。
(1)下記一般式(2)で表される化合物を無機塩基の存在下で硫黄と反応させることを特徴とする下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物の製造方法
(1)下記一般式(2)で表される化合物を無機塩基の存在下で硫黄と反応させることを特徴とする下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物の製造方法
(式中、R11およびR13は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R12は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。ただし、R11とR12またはR12とR13は、それぞれ互いに結合して5または6員環を形成してもよい。)
(式中、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R22は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。ただし、R21とR22またはR22とR23は、それぞれ互いに結合して5または6員環を形成してもよい。)。
(2)前記一般式(1)のR11が水素原子または電子求引性基であり、R13が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アシル基またはイミド基であることを特徴とする(1)項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
(3)前記一般式(2)で表される化合物1モルに対して、前記無機塩基0.01〜0.5モルを混合させることを特徴とする(1)または(2)項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
(4)前記無機塩基が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
(5)反応溶媒としてアルコールを用いることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
(2)前記一般式(1)のR11が水素原子または電子求引性基であり、R13が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アシル基またはイミド基であることを特徴とする(1)項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
(3)前記一般式(2)で表される化合物1モルに対して、前記無機塩基0.01〜0.5モルを混合させることを特徴とする(1)または(2)項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
(4)前記無機塩基が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
(5)反応溶媒としてアルコールを用いることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
本発明のチオフェン化合物の製造方法によれば、上記一般式(1)で表される2−アミノチオフェン化合物が、簡便な方法かつ高収率、高純度で得られる。
まず、本発明の製造方法で製造されるチオフェン化合物について詳細に説明する。
本発明の製造方法で得られるチオフェン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
本発明の製造方法で得られるチオフェン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)において、R11およびR13は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては以下の基が挙げられる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基が挙げられる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基が挙げられる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基、更に好ましくは、炭素数3から30の5または6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基、更に好ましくは、炭素数3から30の5または6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル及びアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N´−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N´−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル及びアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル及びアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルキル及びアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、該水素原子が上記の官能基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R11は、好ましくは水素原子または電子求引性基であり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、スルファモイル基またはヘテロ環基である。
ここで用いられる「電子求引性基」とは、電子効果で電子求引的な性質を有する置換基であり、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、σp値が大きい置換基である。例えば、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキル及びアリールスルホ二ル基などが挙げられる。ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるため、1935年にハメット(L. P. Hammett)より提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J. A. Dean編“Lange’s Handbook of Chemistry”第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
R11は、特に好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルスルホニル基またはカルバモイル基である。
ここで用いられる「電子求引性基」とは、電子効果で電子求引的な性質を有する置換基であり、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、σp値が大きい置換基である。例えば、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキル及びアリールスルホ二ル基などが挙げられる。ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるため、1935年にハメット(L. P. Hammett)より提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J. A. Dean編“Lange’s Handbook of Chemistry”第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
R11は、特に好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルスルホニル基またはカルバモイル基である。
R13は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アシル基またはイミド基であり、特に好ましくは、水素原子、アルキル基またはアリール基である。
一般式(1)において、R12は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。R12として好ましくは、分岐もしくは環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、チオフェン環基、ピリジン環基、チアゾール環基またはベンゾチアゾール環基である。
次に具体例として一般式(1)の好ましい例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
前記チオフェン化合物は、置換基の種類によっては、互変異性体として存在することがある。純粋な形態の任意の互変異性体、互変異性体の任意の混合物は、いずれも本発明の化合物に包含される。
前記チオフェン化合物には、その合成過程や単離法などによって対塩を伴っているものも含まれる。対塩としてはいずれのものでもよいが、例えば、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、金属イオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。構造によっては分子内塩を形成しても良い。
次に、本発明の上記一般式(1)で表される化合物の製造方法(チオフェン化合物の製造方法)について詳しく述べる。
本発明の製造方法は、下記一般式(2)で表わされる化合物を無機塩基の存在下で硫黄と反応させる工程を含むものである。
本発明の製造方法は、下記一般式(2)で表わされる化合物を無機塩基の存在下で硫黄と反応させる工程を含むものである。
(式中、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R22は、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。ただし、R21とR22またはR22とR23は、それぞれ互いに結合して5または6員環を形成してもよい。)
一般式(2)において、R21〜R23のそれぞれは、一般式(1)におけるR11〜R13のそれぞれと同義である。すなわち、R21はR11に、R22はR12に、R23はR13にそれぞれ対応する。
一般式(2)において、R21〜R23のそれぞれは、一般式(1)におけるR11〜R13のそれぞれと同義である。すなわち、R21はR11に、R22はR12に、R23はR13にそれぞれ対応する。
一般式(2)で表される化合物は、任意の手法により得ることができるが、例えばJ.Org.Chem.,2784−2789(1966)に記載の方法を挙げることができる。
また、本発明において用いられる硫黄としては、コロイド状、結晶状、粉末状、硫黄華などの形態で市販されており、いずれの形態でも使用可能であるが、粉末状の硫黄を用いるのが好ましい。
硫黄の使用量は適宜選択可能であるが、通常は一般式(2)で表される化合物1モルに対して0.5〜10モル程度を混合して用い、より好ましくは0.7〜5モルであり、特に好ましくは、0.9〜1.5モルを用いるものである。
また、本発明において用いられる硫黄としては、コロイド状、結晶状、粉末状、硫黄華などの形態で市販されており、いずれの形態でも使用可能であるが、粉末状の硫黄を用いるのが好ましい。
硫黄の使用量は適宜選択可能であるが、通常は一般式(2)で表される化合物1モルに対して0.5〜10モル程度を混合して用い、より好ましくは0.7〜5モルであり、特に好ましくは、0.9〜1.5モルを用いるものである。
本発明において用いられる無機塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。好ましくは、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムであり、特に好ましくは炭酸水素ナトリウムである。
無機塩基の使用量は適宜選択可能であるが、通常は一般式(2)で表される化合物1モルに対して0.001〜10モル程度混合して用い、より好ましくは0.005〜1.5モルであり、特に好ましくは、0.01〜0.5モルを用いるものである。
無機塩基の使用量は適宜選択可能であるが、通常は一般式(2)で表される化合物1モルに対して0.001〜10モル程度混合して用い、より好ましくは0.005〜1.5モルであり、特に好ましくは、0.01〜0.5モルを用いるものである。
一般式(1)で表される化合物を製造するにあたり無溶媒でも、一般式(2)で表される化合物、硫黄、及び無機塩基を適宜混合することで反応は進行するが、水または有機溶媒を用いても同様に反応は進行する。例えば、一般式(2)で表される化合物と硫黄を有機溶媒に懸濁して、無機塩基を添加し、反応混合液を加熱攪拌して反応させることができる。有機溶媒の種類は反応系に応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール等)、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はN,N−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、スルホランが挙げられる。これらの溶媒を適宜組み合わせて混合物として用いてもよい。本発明の反応をさせるに際して、反応溶媒である有機溶媒としては、好ましくは、アセトニトリル、またはアルコールであり、特に好ましくはエタノールである。また、用いる有機溶媒の使用量は特に限定されず、反応系の種類などに応じて適宜選択することができるが、通常は一般式(2)の化合物に対して有機溶媒を質量比でそれぞれ0〜100倍程度が適当であり、0.5〜50倍が好ましく、特に好ましくは1〜20倍である。
本発明の方法における反応温度は特に限定されず、反応系の種類や反応種の化合物の濃度などに応じて適宜選択できるが、通常は−20℃〜150℃程度であり、好ましくは、0℃〜120℃、特に好ましくは20℃〜80℃である。
反応時間も特に限定されないが、通常は1分〜24時間程度、好ましくは5分から12時間、さらに好ましくは10分〜5時間である。
また、一般式(2)で表わされる化合物、硫黄、無機塩基の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されない。
反応時間も特に限定されないが、通常は1分〜24時間程度、好ましくは5分から12時間、さらに好ましくは10分〜5時間である。
また、一般式(2)で表わされる化合物、硫黄、無機塩基の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
2−アミノチオフェン化合物(例示化合物D−8)を以下の合成スキームに従い合成した。
2−アミノチオフェン化合物(例示化合物D−8)を以下の合成スキームに従い合成した。
(1)中間体Aの合成
中間体Aは、β−アセチルナフタレンを出発原料にしてJ. Org. Chem. ,2784−2789(1966)に記載の合成法に従って合成した。
(2)例示化合物(D−8)の合成
中間体A2.18g(10mmol)と硫黄321mg(10mmol)をエタノール20mLに懸濁して、室温で炭酸水素ナトリウム168mg(2mmol)を添加した。この反応混合液を内温50℃で加熱攪拌すると反応液は徐々に均一系になった。内温50℃で3時間攪拌した後、氷冷すると結晶が析出した。さらに反応液に水を20mL添加して10分攪拌した後、この結晶をろ取、水でかけ洗い、乾燥して例示化合物(D−8)を2.33g(白色結晶、収率93%、HPLC純度98.5%)で得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3)
8.09(s,1H),7.8−7.9(m,3H),7.6−7.7(m,1H),7.4−7.6(m,2H),6.47(s,1H),4.90(s,2H)
中間体Aは、β−アセチルナフタレンを出発原料にしてJ. Org. Chem. ,2784−2789(1966)に記載の合成法に従って合成した。
(2)例示化合物(D−8)の合成
中間体A2.18g(10mmol)と硫黄321mg(10mmol)をエタノール20mLに懸濁して、室温で炭酸水素ナトリウム168mg(2mmol)を添加した。この反応混合液を内温50℃で加熱攪拌すると反応液は徐々に均一系になった。内温50℃で3時間攪拌した後、氷冷すると結晶が析出した。さらに反応液に水を20mL添加して10分攪拌した後、この結晶をろ取、水でかけ洗い、乾燥して例示化合物(D−8)を2.33g(白色結晶、収率93%、HPLC純度98.5%)で得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3)
8.09(s,1H),7.8−7.9(m,3H),7.6−7.7(m,1H),7.4−7.6(m,2H),6.47(s,1H),4.90(s,2H)
実施例2
2−アミノチオフェン化合物(例示化合物D−2)を以下の合成スキームに従い合成した。
2−アミノチオフェン化合物(例示化合物D−2)を以下の合成スキームに従い合成した。
(1)中間体Bの合成
中間体Bは、4’−メチルアセトフェノンを出発原料にしてJ. Chem. Res. Miniprint,2434−2452(1990);J. Org. Chem. ,2784−2789(1966);J. Am. Chem. Soc.,1050(1945)に記載の合成法に従って合成した。
(2)例示化合物(D−2)の合成
中間体B1.82g(10mmol)と硫黄321mg(10mmol)をエタノール10mLに懸濁して、室温で炭酸水素ナトリウム84mg(1mmol)を添加した。この反応混合液を内温50℃で加熱攪拌すると、反応液は徐々に均一系になった。この反応液を内温50℃で2.5時間攪拌した後、氷冷、1N塩酸水1mLと水20mLを添加して攪拌すると結晶が析出した。この結晶をろ取、水でかけ洗い、乾燥して例示化合物(D−2)を2.07g(白色結晶、収率97%、HPLC純度99.0%)で得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3)
7.47(d,J=8.1Hz,2H),7.22(d,J=8.1Hz,2H),6.32(s,1H),4.86(s,2H),2.37(s,3H)
中間体Bは、4’−メチルアセトフェノンを出発原料にしてJ. Chem. Res. Miniprint,2434−2452(1990);J. Org. Chem. ,2784−2789(1966);J. Am. Chem. Soc.,1050(1945)に記載の合成法に従って合成した。
(2)例示化合物(D−2)の合成
中間体B1.82g(10mmol)と硫黄321mg(10mmol)をエタノール10mLに懸濁して、室温で炭酸水素ナトリウム84mg(1mmol)を添加した。この反応混合液を内温50℃で加熱攪拌すると、反応液は徐々に均一系になった。この反応液を内温50℃で2.5時間攪拌した後、氷冷、1N塩酸水1mLと水20mLを添加して攪拌すると結晶が析出した。この結晶をろ取、水でかけ洗い、乾燥して例示化合物(D−2)を2.07g(白色結晶、収率97%、HPLC純度99.0%)で得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3)
7.47(d,J=8.1Hz,2H),7.22(d,J=8.1Hz,2H),6.32(s,1H),4.86(s,2H),2.37(s,3H)
試験例
Chem. Ber.;3571(1965)やLiebigs Ann. Chem.;1215−1219(1990)に記載の有機塩基(モルホリン)を用いて製造したものを比較例として、無機塩基を用いた本発明例と、HPLCにより中間体A、(D−8)、YDyeのそれぞれの生成率を比較した。
Chem. Ber.;3571(1965)やLiebigs Ann. Chem.;1215−1219(1990)に記載の有機塩基(モルホリン)を用いて製造したものを比較例として、無機塩基を用いた本発明例と、HPLCにより中間体A、(D−8)、YDyeのそれぞれの生成率を比較した。
下記中間体A10mmolに硫黄10mmolをエタノール20mLに懸濁して、室温で表1に記載の塩基をそれぞれの記載量添加した。この反応混合液を内温50℃で下記表の反応時間攪拌した。そして、それぞれの反応液を採取し、中間体A、(D−8)、YDyeのそれぞれの生成率をHPLC測定における面積(%)により求めた。結果を表1に示す。
上記表1に示されるように、塩基として無機塩基、特に炭酸水素ナトリウムを用いると(D−8)の生成率が高いことがわかる。すなわち、前記一般式(2)で表される化合物を出発原料にして硫黄と無機塩基、特に炭酸水素ナトリウムを用いることにより、前記一般式(1)で表される2−アミノチオフェン化合物が高収率かつ高純度で合成できる。
Claims (5)
- 下記一般式(2)で表される化合物を無機塩基の存在下で硫黄と反応させることを特徴とする下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物の製造方法。
- 前記一般式(1)のR11が水素原子または電子求引性基であり、R13が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アシル基またはイミド基であることを特徴とする請求項1に記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 前記一般式(2)で表される化合物1モルに対して、前記無機塩基0.01〜0.5モルを混合することを特徴とする請求項1または2に記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 前記無機塩基が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
- 反応溶媒としてアルコールを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチオフェン化合物の製造方法。
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- 2004-01-16 JP JP2004009915A patent/JP2005200375A/ja active Pending
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CN109134493A (zh) * | 2018-09-19 | 2019-01-04 | 浙江师范大学 | 一种具有抗菌活性的2-氧代色烯并噻吩衍生物及其合成方法和应用 |
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