JP2005193539A - 耐水性床材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 洗面所やキッチン等に使用される耐水性能を必要とする床材において、床材表面から湿気や水分が掛かる等の劣悪な床材使用環境においても、床材表面の、特に水分に弱い溝加工部分において、床材表面からの水分浸透を有効に防止可能で、しかも、製造が容易で品質的にも安定した耐水性床材を安価に提供することを課題とする。
【解決手段】 木質基材表面に合成樹脂からなる化粧シ−トを貼着し、その上に化粧溝を設けてなる床材において、前記化粧溝内の表面層がビニル系モノマ−を主体とする含浸液を含浸させて重合し得られる木材と高分子の複合体で形成される構成とした。
【選択図】 図3
【解決手段】 木質基材表面に合成樹脂からなる化粧シ−トを貼着し、その上に化粧溝を設けてなる床材において、前記化粧溝内の表面層がビニル系モノマ−を主体とする含浸液を含浸させて重合し得られる木材と高分子の複合体で形成される構成とした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、建物内部の比較的水の掛かりやすい場所や湿気の多い場所の床に適する耐水性床材に関する。
従来、建物の内部の床で、洗面所やキッチン等の比較的水が掛かりやすく湿気が多い場所に用いられる床材は、施工後、比較的短期間の使用においても、床材表面から水分が浸透し、床材の表面化粧材に水分吸収による膨れが発生したり、表面化粧材が剥離したりするなどして長期の使用に耐えなかった。
床材表面化粧材として天然銘木の突板や単板を使用し、その上に表面仕上げ塗装を施した床材に比べると、合成樹脂シ−トを表面化粧材として貼着した床材は、床材表面からの水分に対して比較的強いが、床材表面に化粧溝が加工されている場合は、通常、溝深さは合成樹脂シ−トの厚みよりも深いので、溝底は木質基材にまで達しており、溝の内部表面は木質基材が露出することになる。この表面化粧溝の箇所から水分が浸透すると、上記したような床材表面の膨れや表面化粧材の剥離の原因となる。
そこで、従来の、合成樹脂シ−トを表面化粧材として貼着した床材は、木質基材表面に合成樹脂シ−トを貼着し、その上から所定位置に表面化粧溝を加工し、溝加工によって溝内部の木質基材が直接外部へ露出する箇所においては、外部からの水分の浸透が発生しやすいため、特に溝内部の木質基材が露出した部分において、仕上げ塗装の塗料の塗布量や塗装回数を通常よりも多くすることによって、溝加工部分の耐水性を向上させるようにしたものが多かった。
この他、木質基材表面の下地単板層を樹脂含浸法、すなわちWPC処理法によって作製したものを用い、そのWPC単板の厚みの範囲内の溝深さを有する表面溝を加工することで、床材の表面加工溝内部の耐水性を向上させることも行われてきた。
また、高度な技術を要し、コスト的にも不利な、上記WPC法の欠点を改良するための一方法として、基材と表面化粧材との間にビニロンが80%、ガラス繊維20%の組成からなるシ−トを樹脂含浸させて得られたレジンシ−トを介在させて熱圧接合した耐水性を有する床材がある。(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−180057号公報(第2−3頁、第1図)
従来からある床材で、表面化粧溝内部の木質基材が露出した部分において、仕上げ塗装の塗料の塗布量や塗装回数を通常よりも多くした耐水性床材は、表面仕上げ塗装の塗料の塗布量や塗装回数を多くしただけでは、せっかく多く塗布した塗料であっても溝加工部分の露出した木質基材中に塗料の大半が吸収されてしまって、皮膜として残存しないか、残存してもかなり薄いものであり、溝加工部分の耐水性能に限界があった。
洗面所やキッチン等の床材でも住宅によって、比較的水分が掛かりにくかったり、水分が掛かってもすぐに拭き取る習慣のある住宅においては、これでも耐水性能として十分であったが、使用条件や環境条件が劣悪な住宅においては、上記したように、溝加工部分における溝部の膨れや表面化粧材の剥離が生じることが多々あった。
また、床材表面にWPC単板を用いる方法では樹脂含浸前に単板を乾燥しておく必要があり、単板乾燥工程で単板に割れやアバレが発生し易く、単板歩留まりも悪く、技術的にもかなり難しく、製造工数もかかり、コスト的にも高価なものについていた。また、床材表面の下地単板層全体を樹脂含浸するので、使用する樹脂の量も多くなり、コスト的にかなり不利となる。
また、上記特開平6−180057号公報に記載の床材においては、ビニロンが80%、ガラス繊維20%の組成からなるシ−トを樹脂含浸させて得られたレジンシ−トを基材と表面化粧材との間に介在させて熱圧接合するので、コスト的にもかなり高価なものとなっていた。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされるもので、洗面所やキッチン等の床材において、水分や湿気の劣悪な使用環境においても、床材表面の溝加工部分において、床材表面からの水分浸透を有効に防止可能で、しかも、コスト的にも安価な耐水性床材とその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の耐水性床材は、木質基材表面に合成樹脂からなる化粧シ−トを貼着し、その上に化粧溝を設けてなる床材において、前記化粧溝内の表面層がビニル系モノマ−を主体とする含浸液を含浸させて重合し得られる木材と高分子の複合体で形成されていることを特徴とする。
このような構成を有する本発明によれば、前記化粧溝内の表面層が木材と高分子の複合体で形成されているので、床材表面の表面化粧溝加工部分の耐水性能が向上する。水分に対して劣悪な使用環境にあっても、床材表面の溝加工部分の膨れや表面化粧シ−トの剥離等が発生する恐れがない。
請求項2に記載の本発明の耐水性床材の製造方法は、請求項1に記載の耐水性床材を製造するに当たって、
1.床材表面の表面溝を設ける位置に相当する木質基材表面近傍にのみビニル系モノマ−を主体とする含浸液を多目に塗布する。
2.次に、ビニル系モノマ−を主体とする含浸液を塗布した木質基材を熱圧し塗布された含浸液を木質基材表面に含浸させ硬化させる。
3.その上に合成樹脂からなる表面化粧シ−トを貼着する。
4.床材としての実加工及び表面溝加工を行う。
5.床材表面に表面仕上げ塗装を施す。
以上の方法で製造することを特徴とする。
1.床材表面の表面溝を設ける位置に相当する木質基材表面近傍にのみビニル系モノマ−を主体とする含浸液を多目に塗布する。
2.次に、ビニル系モノマ−を主体とする含浸液を塗布した木質基材を熱圧し塗布された含浸液を木質基材表面に含浸させ硬化させる。
3.その上に合成樹脂からなる表面化粧シ−トを貼着する。
4.床材としての実加工及び表面溝加工を行う。
5.床材表面に表面仕上げ塗装を施す。
以上の方法で製造することを特徴とする。
このような方法で床材を製造すると、床材表面化粧溝の内部の表面層が木材と高分子からなる複合体によって形成されているので、水分に対して劣悪な使用環境にあっても、床材表面の溝加工部分の膨れや表面化粧シ−トの剥離等が発生する恐れのない床材の製造が可能となり、しかも、床材表面の表面溝を設ける位置に相当する木質基材表面近傍にのみ前記ビニル系モノマ−を主体とする含浸液を塗布含浸し重合させるので、木材と高分子からなる複合体を、溝加工予定箇所のみ形成することができ、従って使用する含浸液が極めて少なくて済み、コスト的にもかなり有利になる。
本発明によれば、化粧溝内の表面層が木材と高分子からなる複合体によって形成されているので、床材表面の特に表面溝加工部分の耐水性が向上する。長期の使用によっても、水分に対して劣悪な使用環境にあっても、床材表面の溝加工部分の膨れや表面化粧シ−トの剥離等が発生する恐れがない。また本発明の製造方法によれば、このような耐水性能を有する床材の製造が安価に、しかも安定して可能となる。
本発明の詳細を図面に従って説明する。図1は本発明の耐水性床材1の平面図で図2は図1の断面図であり、(イ)はA−A線断面図で、(ロ)はB−B線断面図である。図3は図2の要部拡大図であり、(イ)はC部拡大断面図であり、表面化粧溝4の部分の拡大断面図である。(ロ)は床材端部のD部及びE部の拡大断面図であり、半溝部Mの拡大断面図である。隣接する床材どうしを接合した時に前記半溝部Mどうしが合わさって1本の溝が形成されるようになる。また、図4の(イ)〜(ホ)は本発明の耐水性床材の製造工程を示す説明図である。
図1には、本発明の耐水性床材1を上から見たところを示している。本発明の耐水性床材1は木質基材2の表面に表面化粧シ−ト3が貼着されており、床材表面には化粧溝4が本例では床材の短手方向に溝間隔を等分にして2本形成されている。前記表面化粧溝4は床材1の長手方向のみであってもよいし、また、本例に示すように短手方向のみであってもよいし、また長手方向及び短手方向に縦横に形成されていてもよいものとする。
また前記表面化粧溝4の本数も本例に示すように2本であっても良いし、また、2本以外であっても、勿論良いものとする。床材1の四周の側面において、嵌合係止部5が設けられている。本例では、相対向する側面において、嵌合凸部5a及び嵌合凹部5bが、施工時に隣接床材どうしの間で互いに嵌合可能なように形成され、本実加工がなされている。
図2には、本発明の床材1の断面図が示されている。本例に示す表面化粧溝4は(ロ)に示すように、断面視略V字型形状のV溝を有しており、また、床材どうしの接合構造も、(イ)及び(ロ)に示すように、本例では嵌合凸部5a及び嵌合凹部5bのような本実加工を示す。しかしながら、前記表面化粧溝4はV溝に限ったものでなく、U溝、角溝等であってもよい。
さらに、床材1の端部において半溝部Mが形成されている。該半溝部Mは隣接する床材どうしが接合された時に半溝部Mと半溝部Mが合わさって1本の表面化粧溝を形成するようになるのである。また、床材どうしの接合構造も、本例に示すように、本実加工以外の雇実加工、相じゃくり加工、それら以外の接合構造であってもよい。木質基材2の表面に化粧シ−ト3が貼着されている。
木質基材2は例えば、合板、中比重繊維板、パ−ティクルボ−ド、OSB、LVL、集成材等が好適に用いることができる。また、化粧シ−ト3は、例えばポリオレフィン樹脂シ−ト、塩ビ樹脂シ−ト、ポリエステル樹脂シ−ト、ポリウレタン樹脂シ−ト等の合成樹脂シ−トの他、薄葉紙に木目又は抽象柄が印刷された化粧紙や、天然銘木の突板等を用いることができるが、これらの中でもポリオレフィン樹脂シ−ト、塩ビ樹脂シ−ト、ポリエステル樹脂シ−ト、ポリウレタン樹脂シ−ト等の合成樹脂シ−トが耐水性能という観点から好適に用いることができる。
図3において、本発明の耐水性床材1の要部拡大断面図を示す。(イ)は表面化粧溝4を含むC部の拡大断面図を示し、(ロ)は床材1の端部であるD部及びE部の拡大断面図を示す。断面図を見てわかるように、表面化粧溝4及び半溝部Mの内部の表面近傍が、ビニル系モノマ−を主体とする含浸液Rを含浸させて重合し得られる木材と高分子の複合体Gで形成されている。
この時、ビニル系モノマ−を主体とする含浸液Rとしては、例えば、スチレン、メタクリル酸メチル(MMA)の他、架橋モノマ−添加系含浸液Rとして、BDMA、EDMA、また、極性モノマ−添加系含浸液Rとして、HEMA、GHA等を好適なものとして例示できる。また、反応開始剤としては、例えばBPOなどの過酸化物やAIBNなどのアゾ化合物が好適なものとして例示できる。
図3の(イ)において、本発明の床材1の表面化粧溝部分の構成を拡大して示す。この箇所には、本例では、断面視略V字型形状が示されている。前記表面化粧溝の作製方法は、
床材表面の表面溝を設ける位置に相当する木質基材表面近傍にのみビニル系モノマ−を主体とする含浸液を多目に塗布し、次に、前記含浸液を塗布した木質基材を熱圧し塗布された含浸液を木質基材表面に含浸硬化させ、その上に合成樹脂からなる表面化粧シ−トを貼着し、床材としての実加工及び表面溝加工を行う。溝加工機は、例えば、Vグル−バ−、NCル−タ−、ハンドル−タ−、テノ−ナ−、その他の加工機が適する。それ以外の加工機であっても、勿論よいものとする。最後に溝部分又は床材表面全面に表面仕上げ塗装を施す。
床材表面の表面溝を設ける位置に相当する木質基材表面近傍にのみビニル系モノマ−を主体とする含浸液を多目に塗布し、次に、前記含浸液を塗布した木質基材を熱圧し塗布された含浸液を木質基材表面に含浸硬化させ、その上に合成樹脂からなる表面化粧シ−トを貼着し、床材としての実加工及び表面溝加工を行う。溝加工機は、例えば、Vグル−バ−、NCル−タ−、ハンドル−タ−、テノ−ナ−、その他の加工機が適する。それ以外の加工機であっても、勿論よいものとする。最後に溝部分又は床材表面全面に表面仕上げ塗装を施す。
図3の(ロ)において、本発明の床材1の端部の構成を拡大して示す。この箇所には、前記したように、床材1の端部において、半溝部Mが形成されている。該半溝部Mは隣接する床材どうしが接合された時に半溝部Mと半溝部Mが合わさって1本の表面化粧溝を形成するように構成されているのである。
前記半溝部Mの作製方法は、木質基材2に本実加工する時に本実加工の嵌合凸部5aと半溝部Mを同時に形成できるようにカッタ−刃の形状を調整しておくと良い。また、嵌合凹部5bと半溝部Mの場合も同様である。加工する場合の加工機械は、表面化粧溝4の場合と同様のものでよい。表面化粧溝4が本例のように断面視略V字型形状である場合は、半V加工すればよい。
図4において、本発明の耐水性床材1を製造する方法について詳しく述べる。図4では床材1の中程にある2本のV溝の場合で示すが、床材1の端部における半溝部Mの場合も同様である。
図4の(イ)において、木質基材2の表面の表面化粧溝4を加工する位置及びその近傍に、前記含浸液Rを塗布する。表面化粧溝4の位置及びその近傍にのみ塗布する方法としては、例えば、床材の木質基材2の表面に型板Tを載置し、その上から、例えばロ−ルコ−タ−C、スプレ−塗装機S、刷毛塗り等の塗布手段を用いて塗布するとよい。前記型板Tとしては、例えばPETフィルム等の合成樹脂フィルムで耐溶剤性、耐熱性があり繰り返し使用できるものが好適である。前記ロ−ルコ−タ−Cの場合、例えば、塗布ロ−ルとして軟質の合成樹脂発泡体からなる軟質ロ−ルSRを用い、ドクタ−ロ−ルDとの間に含浸液Rを投入し、下部送りロ−ルQとの間に前記型板Tを載置した木質基材2を投入し塗布を行う。
次に、(ロ)に示すように、前記含浸液Rが所定位置に塗布された木質基材2をホットプレスHで表面を熱圧して含浸液Rを重合させ、木質基材2の表層部に木材と高分子の複合体Gを形成させる。この時、含浸熱圧条件は含浸液Rの種類によっても多少異なるが、含浸液Rの塗布量はおよそ160〜300g/m2、熱圧条件は、圧力がおよそ10.0〜12.0kg/cm2で、熱板HPの温度は、およそ140〜160℃程度で、熱圧時間はおよそ5分〜10分程度が好適である。熱圧加工後およそ24時間以上常温で養生する。
次に、(ハ)に示すように、含浸液Rによって所定位置表層部に複合体Gが形成された木質基材2の表面に例えば、ポリオレフィン樹脂系化粧シ−ト、塩ビ樹脂系化粧シ−ト等の合成樹脂系表面化粧シ−ト3を貼着する。この時、接着剤はアクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤等、使用する合成樹脂系表面化粧シ−ト3に適合するものを適宜選択すればよい。
次に、(ニ)に示すように、木質基材2の前記複合体Gが形成された位置に、表面化粧溝4を加工する。この時、表面化粧溝4が前記複合体Gの形成部内に納まる程度の大きさと形状であることが重要である。このようにして、表面化粧溝4の内部表面層すなわち、溝内部表面及びその近傍に、前記複合体Gが残存するようにして表面溝加工を行うことが大切である。溝加工に用いる機械装置は、木工加工に用いる、NCル−タ−、ハンドル−タ−、グル−バ−、テノ−ナ−、その他の溝加工機を用いて行うことができる。
最後に、(ホ)に示すように、このようにして作製された床材1の表面の全面又は床材1の表面化粧溝4の溝加工部分に表面仕上げ塗料Fを、本例では、スプレ−塗装機S用いて、表面仕上げ塗装を施す。この時の表面仕上げ塗料Fは、例えば、ウレタン樹脂塗料、アクリル変性ウレタン樹脂塗料、アミノアルキッド樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料等が好適なものとして挙げることができる。もちろん、これら以外であってもよいものとする。塗装方法は、ロ−ル塗装、スプレ−塗装、フロ−コ−タ−によるカ−テン塗装方法等が好適に用いることができる。もちろん、これら以外であってもよいものとする。このようにして床材1の表面化粧溝部分又は床材表面全面に塗装膜Pを形成させる。
〔実施例1〕
巾920mm、長さ1830mm、厚さ12mmで、5プライのラワン合板を基材とした。次に、PETフィルムに表面溝加工予定位置に合致するように、表面溝巾よりも大き目の巾4.0mmのスリットを2本作製した。スリットは左右2尺(606mm)ピッチで、床材短手方向の横溝用として作製した。
巾920mm、長さ1830mm、厚さ12mmで、5プライのラワン合板を基材とした。次に、PETフィルムに表面溝加工予定位置に合致するように、表面溝巾よりも大き目の巾4.0mmのスリットを2本作製した。スリットは左右2尺(606mm)ピッチで、床材短手方向の横溝用として作製した。
次に、位置確認しながら、前記PETフィルムを前記ラワン基材上に仮止めした。このようにして準備された木質基材上にロ−ルコ−タ−にて含浸液を塗布した。含浸液はスチレン、メタクリル酸メチル(MMA)を用いた。反応開始剤としてBPOを用いた。含浸液Rの塗布量は200g/m2とし、熱圧条件は圧力12kg/cm2、温度160℃、熱圧時間は8分とした。この後、型板のPETフィルムを剥がして、室温にて24時間養生した。
次に、木目柄が印刷された厚さ0.2mmのポリオレフィン樹脂シ−トを2液性のウレタン樹脂系接着剤で常温圧着させた。次に、含浸加工した位置に、断面視略V字型形状の表面化粧溝を加工した。溝巾は1.5mmとし、溝深さは0.75mmとした。V字型溝底の角度を略90度とした。最後に床材の4側面に本実加工し、ウレタン樹脂塗料で床材表面全面を仕上げ塗装した。このようにして実施例1の床材を作製した。
次に比較例について述べる。
〔比較例1〕
木質基材の所定位置に含浸加工を行わないで、その他は実施例1と全く同様にして、比較例1の床材を作製した。
〔比較例1〕
木質基材の所定位置に含浸加工を行わないで、その他は実施例1と全く同様にして、比較例1の床材を作製した。
次に、上記実施例1と比較例1の床材について特に表面化粧溝部分における耐水性試験を下記の要領で実施した。
〔耐水性試験方法〕
実施例1、比較例1の床材から一辺100mmの試験サンプルを各3片切り出す。この時、表面化粧溝部分を必ず含むようにする。次に、表面化粧溝部に水を4cc滴下し、時計皿でカバ−し常温で2時間放置した後、表面付着水をウエスで十分に拭き取った後、吸水量を電子天秤にて測定し、床材表面の水による微細な膨潤の発生の有無を目視にて観察する。
耐水性能評価基準(床材表面のシワの発生状態)
微細な膨潤の発生:全く無しの場合 評価 ○
同上 :1本以上〜3本以下の場合 評価 △
同上 :4本以上〜10本以下の場合 評価 ×
同上 :11本以上の場合 評価 ××
〔耐水性能試験結果〕
実施例1及び比較例1の試験結果を下記に示す。
〔耐水性試験方法〕
実施例1、比較例1の床材から一辺100mmの試験サンプルを各3片切り出す。この時、表面化粧溝部分を必ず含むようにする。次に、表面化粧溝部に水を4cc滴下し、時計皿でカバ−し常温で2時間放置した後、表面付着水をウエスで十分に拭き取った後、吸水量を電子天秤にて測定し、床材表面の水による微細な膨潤の発生の有無を目視にて観察する。
耐水性能評価基準(床材表面のシワの発生状態)
微細な膨潤の発生:全く無しの場合 評価 ○
同上 :1本以上〜3本以下の場合 評価 △
同上 :4本以上〜10本以下の場合 評価 ×
同上 :11本以上の場合 評価 ××
〔耐水性能試験結果〕
実施例1及び比較例1の試験結果を下記に示す。
〔考察〕
床材表面化粧溝の内部の表層部を含浸液で含浸硬化させ、複合体を形成した実施例1の床材は、溝部においても、極めて良好な耐水性を有している。
床材表面化粧溝の内部の表層部を含浸液で含浸硬化させ、複合体を形成した実施例1の床材は、溝部においても、極めて良好な耐水性を有している。
(イ)A−A線断面図。
(ロ)B−B線断面図。
図2の要部拡大図。
(イ)図2のC部拡大断面図。
(ロ)図2のD部及びE部の拡大断面図。
本発明の耐水性床材の製造工程を示す説明図。 (イ)含浸液の塗布工程。 (ロ)熱圧硬化工程 (ハ)表面化粧シ−ト貼着工程 (ニ)表面化粧溝加工工程 (ホ)表面仕上げ塗装工程
1 本発明の耐水性床材
2 木質基材
3 表面化粧シ−ト
4 表面化粧溝
5 嵌合係止部
5a 嵌合凸部
5b 嵌合凹部
M 半溝部
R 含浸液
G 複合体
P 塗装膜
T 型板
C ロ−ルコ−タ−
SR 軟質ロ−ル
D ドクタ−ロ−ル
Q 送りロ−ル
H ホットプレス
HP 熱板
S スプレ−塗装機
F 表面仕上げ塗料
2 木質基材
3 表面化粧シ−ト
4 表面化粧溝
5 嵌合係止部
5a 嵌合凸部
5b 嵌合凹部
M 半溝部
R 含浸液
G 複合体
P 塗装膜
T 型板
C ロ−ルコ−タ−
SR 軟質ロ−ル
D ドクタ−ロ−ル
Q 送りロ−ル
H ホットプレス
HP 熱板
S スプレ−塗装機
F 表面仕上げ塗料
Claims (2)
- 木質基材表面に合成樹脂からなる化粧シ−トを貼着し、その上に化粧溝を設けてなる床材において、前記化粧溝内の表面層がビニル系モノマ−を主体とする含浸液を含浸させて重合し得られる木材と高分子の複合体で形成されていることを特徴とする耐水性床材。
- 請求項1に記載の耐水性床材を製造するに当たって、
1.床材表面の表面溝を設ける位置に相当する木質基材表面近傍にのみビニル系モノマ−を主体とする含浸液を多目に塗布する。
2.次に、ビニル系モノマ−を主体とする含浸液を塗布した木質基材を熱圧し塗布された含浸液を木質基材表面に含浸させ硬化させる。
3.その上に合成樹脂からなる表面化粧シ−トを貼着する。
4.床材としての実加工及び表面溝加工を行う。
5.床材表面に表面仕上げ塗装を施す。
以上の方法で製造することを特徴とする耐水性床材の製造方法。
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