JP2005190842A - 面状発熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加温(保温)対象物の形状にあわせて比較的自由に変形させることが可能で、しかもその対象物との接着性にも優れ、且つ良好な熱伝導性を有する面状発熱体を提供すること。
【解決手段】 通電により発熱する発熱層と、その両面に積層された絶縁層とを有する面状発熱体であって、前記絶縁層が(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100重量部あたり50〜200重量部の熱伝導性無機化合物(B)を含む熱伝導性組成物からなることを特徴とする。また、前記絶縁層が0.4〜3W/m・Kの熱伝導率を有する前記面状発熱体が好ましく、前記熱伝導性無機化合物(B)がアルミニウム化合物である前記面状発熱体が好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接触物を面で加温することが可能な面状発熱体に係り、さらに詳しくは、通電により発熱する発熱層と、その両面に積層された絶縁層とを有する面状発熱体に関する。
面状発熱体は、敷布、マット、カーペット、床、配管、タンクなどの加温や保温など多種多様な用途に使用されている。従来の面状発熱体としては、例えば基布に導電性塗料を塗布した発熱層を有する面状発熱体、導電性線条体(線、帯、糸)を面状に配置してなる発熱層を有する面状発熱体、導電性粒子が分散された導電性シートからなる発熱層を有する面状発熱体などが知られている。
上記いずれのタイプの発熱層を有する面状発熱体においても、発熱層と被加温(保温)物との間に電気的な絶縁性を確保する必要があることから、発熱層の両面には絶縁層をシート状に積層してある。このような絶縁シート(絶縁層はシート状に形成されて用いられるため、そのシート状のものを以後「絶縁シート」と呼ぶことがある)としては、ポリ塩化ビニル(PVC)シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートなどが用いられてきた。
しかし、PVCシートは、塩素や可塑剤を含有しており、廃棄処理に難点を有すると共に、経時変化により可塑剤が飛散して可撓性が低下するという問題があった。また、PETシートは、PVCシートに比較すると可撓性に劣り、被加温(保温)物の形状によっては面状発熱体の使用が制約されるという問題があった。
ところで、面状発熱体に用いられる絶縁シートには、発熱層で発生した熱を効率よく均一に被加温(保温)物に伝えることが要求されている。この熱伝導性の改良については、発熱層の表面に、特定の熱伝導性と電気絶縁性とを有するシリコンゴムを積層する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような方法により得られる面状発熱体は、被加温(保温)物との接着性に劣るという問題があった。
特開平7−242827号公報
本発明は、前述した従来技術の実状に鑑み、面状発熱体が設置される加温(保温)対象物の形状にあわせて比較的自由に変形させることが可能で、しかもその対象物との接着性にも優れ、且つ良好な熱伝導性を有する面状発熱体を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、絶縁層を構成する材料に着目して鋭意検討した結果、特定のポリマー成分と熱伝導性無機化合物とを、特定の比率で配合することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、通電により発熱する発熱層と、その両面に積層された絶縁層とを有する面状発熱体であって、前記絶縁層が(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100重量部あたり50〜200重量部の熱伝導性無機化合物(B)を含む熱伝導性組成物からなることを特徴とする面状発熱体が提供される。この面状発熱体においては、前記絶縁層が0.4〜3W/m・Kの熱伝導率を有することが好ましく、前記熱伝導性無機化合物(B)がアルミニウム化合物であることが好ましい。
本発明によれば、面状発熱体が設置される加温(保温)対象物の形状にあわせて比較的自由に変形させることが可能で、しかもその加温(保温)対象物との接着性にも優れ、良好な熱伝導性を有する面状発熱体が提供される。さらに、本発明に係る面状発熱体のポリマー成分は塩素を含まないので、廃棄焼却処理が容易であると共に、広範囲な用途の加温や保温に使用することができる。
本発明に係る面状発熱体は、通電により発熱する発熱層と、その両面に積層された絶縁層とを有する。
前記発熱層の具体的な構造は、特に限定されず、例えば基布に導電性塗料を塗布した発熱層、導電性線条体(線、帯、糸)を面状に配置してなる発熱層、導電性粒子が分散された導電性シートからなる発熱層、導電性塗料層から成る発熱層などが例示される。発熱層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.5〜5mm程度である。
本発明の面状発熱体は、前記絶縁層が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100重量部あたり50〜200重量部の熱伝導性無機化合物(B)を含む熱伝導性組成物からなることを必須の特徴とする。
また、前記絶縁層が0.4〜3W/m・Kの熱伝導率を有することが好ましい。この熱伝導率が0.4W/m・K未満では、熱が伝わりにくくなる傾向があり、3W/m・Kを超えると、面状発熱体の絶縁シートに配合される熱伝導性無機化合物の割合が高くなるため、絶縁層が硬くなる傾向がある。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体を意味する。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、後述する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)を単独で、あるいは後述する、有機酸基を有する単量体(b)及び/又はその他の共重合可能な単量体(c)と共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)の具体例としては、特に限定されないが、次に挙げるものが例示される。すなわち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−2−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミール、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ドデシル、(メタ)アクリル酸−n−オクタデシルなどの、(メタ)アクリル酸アルキル単量体;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−3,5−ジメチルフェニル、(メタ)アクリル酸−3,5−ジメチルベンジル、(メタ)アクリル酸−1−ナフチル、(メタ)アクリル酸−2−ナフチルなどの、(メタ)アクリル酸アリール単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチルなどの、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルなどの、アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリル酸グリシジルなどの、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの、多官能性(メタ)アクリル酸エステル単量体;などが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)のうち、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)を使用するのが好ましく、なかでも、アクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度は、−24℃)、アクリル酸−n−ブチル(同−54℃)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(同−50℃)を使用するのが、安全性、入手性などの点から好ましい。これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
有機酸基を有する単量体(b)としては、特に限定されず、その代表的なものとして、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基等の有機酸基を有する単量体を挙げることができるが、これらのほか、スルフェン酸基、スルフィン酸基、燐酸基等を含有する単量体も使用することができる。
カルボキシル基を有する単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸;イタコン酸メチル、マレイン酸ブチル、フマル酸プロピル等のα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル;等を挙げることができる。また,無水マレイン酸、無水イタコン酸等の、加水分解等によりカルボキシル基に誘導することができる基を有するものも同様に使用することができる。
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のα,β−不飽和スルホン酸及びこれらの塩を挙げることができる。
これらの有機酸基を有する単量体(b)のうち、カルボキシル基を有する単量体が好ましく、なかでも、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。これらは、工業的に安価で容易に入手することができ、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)との共重合性も良く生産性の点でも好ましい。これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を得るに際しては、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)と有機酸基を有する単量体(b)を共重合するのがより好ましい。特に好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)80〜99.9重量%と有機酸基を有する単量体(b)20〜0.1重量%とを共重合する。(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)の使用量が、上記範囲内であることにより、これから得られる絶縁シートが室温付近での感圧接着性により優れたものとなる。
前記した、その他の共重合可能な単量体(c)は、本発明の趣旨を損わない範囲で使用することができる。その他の共重合可能な単量体(c)の具体例としては、以下のものが挙げられる。アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等の、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;アリルグリシジルエーテルなどの、エポキシ基を有する単量体;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチルなどの、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステル;スチレン、アミノスチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルピリジンなどの、アルケニル芳香族単量体;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエンなどの、共役ジエン系単量体;1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどの、非共役ジエン系単量体;酢酸ビニルなどの、カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどの、オレフィン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの、シアノ基含有ビニル単量体;などである。これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を得るに際しての重合の方法は、特に限定されず、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、熱重合、光重合、放射線重合等のいずれであってもよく、これ以外の方法でもよい。好ましくは、塊状重合、熱重合、光重合である。
重合開始の方法は、特に限定されないが、重合開始剤として熱重合開始剤又は光重合開始剤を用いるのが好ましい。熱重合開始剤は、特に限定されず、過酸化物及びアゾ化合物のいずれでもよく、好ましくは、過酸化物重合開始剤である。1分間半減期温度が120℃以上、170℃以下のものがより好ましい。
過酸化物重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサンペルオキシドのようなペルオキシド;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;等を挙げることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換α−ケトール類;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド;1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム類;等を挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、通常、単量体(a)、(b)、及び(c)の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲である。
前記単量体(a)、(b)、及び(c)に対するその他の重合条件(重合温度、圧力、撹拌条件等々)に、特に制限はない。
本発明に用いられる熱伝導性無機化合物(B)としては、特に限定されないが、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;炭化ケイ素等の金属炭化物;銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属;ダイヤモンド、カーボン等の炭素化合物;石英、石英ガラス等のシリカ粉末;等が挙げられる。中でも、熱伝導性が良い、入手が容易、などの点から、アルミニウム化合物が好ましい。特に水酸化アルミニウムを40重量%以上有するアルミニウム化合物の混合物が好ましい。水酸化アルミニウムを40重量%以上有するアルミニウム化合物の混合物を用いることにより、熱伝導性組成物に優れた難燃性を付与することができる。
これらの熱伝導性無機化合物(B)は単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
熱伝導性無機化合物(B)の形状も特に限定されず、球状、針状、繊維状、鱗片状、樹枝状、平板状及び不定形状のいずれでもよい。
熱伝導性無機化合物(B)としては、通常、0.2〜100μm、好ましくは0.7〜50μmの粒径を有するものを使用する。また、1〜50μmの平均粒径を有するものが好ましい。平均粒径が1μm未満のものは熱伝導性組成物の粘度を増大させ、ポリマーと熱伝導性無機化合物との混練が困難となるおそれがあり、また、同時に硬度も増大し、絶縁シートの密着性を低下させるおそれがある。
一方、50μmを超えるものは、熱伝導性組成物や絶縁シートが軟らかくなりすぎ、過度に感圧接着したり、高温で接着力が低下したり、高温で熱変形したりするおそれがある。
本発明において、熱伝導性無機化合物(B)の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100重量部に対して50〜200重量部、好ましくは100〜180重量部の範囲である。
使用量が50重量部未満では、高温接着力、熱伝導率低下等の問題が有り、逆に200重量部を超えると、絶縁シートの硬度が増大し、密着性低下の問題が生じる。
本発明の面状発熱体における絶縁シートを構成する、前記熱伝導性組成物は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と熱伝導性無機化合物(B)とを前記割合で含むほか、必要により、顔料、その他の充填剤、難燃剤、老化防止剤、増粘剤、粘着付与剤等の公知の各種添加剤を含有することができる。
顔料としては、カーボンブラックや二酸化チタン等、有機系、無機系を問わず使用できる。
その他の充填剤としては、無機化合物や有機化合物微粒子が挙げられる。フラーレンやカーボンナノチューブ等のナノ粒子を添加しても良い。
難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫化合物、有機リン系化合物、赤リン系化合物、シリコーン系難燃剤を挙げることができる。
酸化防止剤としては、ラジカル重合を阻害する可能性が高いため通常は使用しないが、必要に応じてポリフェノール系、ハイドロキノン系、ヒンダードアミン系等の酸化防止剤を使用することができる。
増粘剤としては、微粒シリカ等の無機化合物微粒子、酸化マグネシウム等のような反応性無機化合物を使用することできる。
粘着付与剤としては、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール系樹脂、水添ロジンエステル、不均化ロジンエステル、キシレン樹脂等を挙げることができる。
更に、本発明の面状発熱体における絶縁シートを構成する、前記熱伝導性組成物には、凝集力を高め、耐熱性等を向上させるために、外部架橋剤を添加して、重合体に架橋構造を導入することができる。
外部架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネート等の多官能性イソシアネート系架橋剤;ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤;メラミン樹脂系架橋剤;アミノ樹脂系架橋剤;金属塩系架橋剤;金属キレート系架橋剤;過酸化物系架橋剤;等が挙げられる。
外部架橋剤は、重合体を得た後、これに添加して、加熱処理や放射線照射処理を行うことにより、重合体の分子内及び/又は分子間に架橋を形成させるものである。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と熱伝導性無機化合物(B)とから前記熱伝導性組成物を得る方法は、特に限定されず、熱伝導性無機化合物(B)と、別途合成した(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)とを混合する方法でもよいが、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と熱伝導性無機化合物(B)とを均一に混合できる観点から、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の合成と熱伝導性無機化合物(B)との混合を同時に行う方法が好ましい。
熱伝導性無機化合物(B)と、別途合成した(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)とを混合する方法を採用する場合、混合の方法は、特に限定されず、例えば、乾燥した(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と熱伝導性無機化合物(B)とをロール、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を用いて混合する乾式混合法でも、攪拌機を備えた容器中で有機溶媒の存在下に混合する湿式混合法でもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の合成と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と熱伝導性無機化合物(B)との混合とを、同時に行う方法を採用する場合は、単量体(混合物)及び重合開始剤などの、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の合成に使用する材料、並びに熱伝導性無機化合物(B)の混合物を得た後に重合条件下に加熱するのが好ましい。このとき、各成分の混合順序は特に限定されない。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の合成に使用する材料の主成分である単量体(混合物)の重合が進行しないような温度で、混合を実施するのが好ましい。
前記熱伝導性組成物を得る途中あるいは得た後に、これを面状発熱体の絶縁層として使用する絶縁シートとするためにシート成形する。
熱伝導性組成物を得た後にこれをシート成形する場合、その方法は、特に限定されず、無溶剤コーティング法、紫外線架橋塗工法、放射線架橋塗工法、又は、以下に述べる方法を用いることができる。
例えば、前記熱伝導性組成物又はその溶液を、剥離処理したポリエステルフィルム等の工程紙の上に塗布し、必要ならば適宜の方法により溶剤を除去すればよい。また、熱伝導性組成物を、必要ならば二枚の剥離処理した工程紙間に挟んで、ロールの間を通すことによってシート化してもよい。更に、押出機から押し出す際に、ダイスを通して厚さを制御することも可能である。
さらに用途に応じて、絶縁層として従来のポリ塩化ビニル(PVC)シートやポリエチレンテレフタラート(PET)シートなどの絶縁層に、前記熱伝導性組成物からなる絶縁シートを一部あるいは全面に積層して用いてもよい。
本発明において、このようにして得られた絶縁層の厚みは、面状発熱体として要求される絶縁性及び可撓性などの要求から決定され、好ましくは2mm以下、さらに好ましくは0.2〜1.8mmである。
発熱層と絶縁層との積層方法は、特に限定されず、接着剤による方法、熱融着による方法、室温における密着や粘着による接着方法、などの方法が例示される。接着剤を用いる場合には、接着剤としては、ポリウレタン系、エポキシ樹脂系、及び変性オレフィン系、水添エラストマー系等の接着剤が好ましく使用される。
以下、本発明を、図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る面状発熱体の概略斜視図、図2は図1に示すII−II線に沿う要部断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明に係る面状発熱体2は、面状の発熱層4と、この発熱層4の両面に積層された絶縁層6とを有する。発熱層4の両側には、長手方向に沿って細長い電極8,8が形成してある。
発熱層4としては、本実施形態では、電極8,8間に延びる導電性緯糸と、電極8,8と略平行に延びる絶縁性経糸との織布が用いられる。導電性緯糸は、たとえばポリウレタン樹脂に導電性粒子を混入して得られる導電性塗料を、ポリエステル繊維に含浸させて乾燥して得られる導電性糸などが用いられる。絶縁性経糸としては、たとえばポリエステル繊維を樹脂溶液に浸漬し、乾燥して得られる糸などが用いられる。
導電性粒子としては、特に限定されず、例えば金属粒子、カーボンブラック粒子、グラファイトカーボン粒子、黒鉛粒子などが用いられ、好ましくはカーボンブラック粒子、グラファイトカーボン粒子、黒鉛粒子が用いられる。
発熱層4の両側に配置される電極8,8は、特に限定されないが、本実施形態では、発熱層4を構成する導電性緯線に接続するように編み込まれる可撓性金属線で構成される。電極8の厚みは、発熱層4と同程度であり、0.8〜1.4mm程度である。
発熱層4及び電極8,8を全て被覆するように表裏面に積層される絶縁層6,6は、本実施形態では、前記絶縁シートからなる。絶縁シートの両側端10,10は、相互に熱融着される。絶縁層6の厚みは、本実施形態では、0.2〜1.8mmである。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、発熱層4としては、前述した実施形態の如き織布状の発熱層に限定されず、導電性粒子を含有させたフィルムあるいは導電性粒子を含む導電性インキ層などであっても良い。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
図1に示す面状発熱体2を準備した。発熱層4としては、電極8,8間に延びる導電性緯糸と、電極8,8と略平行に延びる絶縁性経糸との織布を用いた。導電性緯糸としては、ポリエステル製絶縁糸に導電塗料をコーティングしたものを用いた。導電塗料としては、カーボン塗料を用いた。また、この発熱層4の両側端には、電極8,8を、発熱層4と同時に織り込むことにより形成した。発熱層4及び電極8,8の厚みは、0.8〜1.4mmであった。
次に、発熱層4及び電極8,8の表裏面に後述する絶縁シートから成る絶縁層6,6を積層させ、それらの側端部10を熱融着した。各絶縁シートの厚みは、1.0mmであった。
絶縁シート(1)は、次のようにして製造した。
反応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル94%とアクリル酸6%とからなる単量体混合物100重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.03重量部及び酢酸エチル700重量部を入れて均一に溶解し、窒素置換後、80℃で6時間重合反応を行った。重合転化率は97%であった。得られた重合体を減圧乾燥して酢酸エチルを蒸発させ、粘性のある固体状のポリマー(1)を得た。ポリマー(1)のMwは280,000、Mw/Mnは3.1であった。
擂潰機用乳鉢に、ポリマー(1)100重量部、アクリル酸ブチル50.6%、メタクリル酸11.2%、アクリル酸2−エチルヘキシル33.7%及びポリエチレングリコールジメタクリレート(オキシエチレン鎖の繰り返し数=約23、新中村化学工業社製NKエステル23G(ポリエチレングリコール#1000ジメタクリレート))4.5%からなる単量体混合物44.5重量部、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン〔1分間半減期温度は149℃である。〕1.6重量部、並びに水酸化アルミニウム210重量部を一括して投入し、擂潰機により室温で十分混合した。このとき、ポリマー(1)と単量体混合物との合計100重量部(生成する(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100重量部に相当)に対する水酸化アルミニウムの重量比は、145重量部となる。その後、減圧で攪拌しながら脱泡して、粘性液状試料を得た。縦400mm、横400mm、深さ1.0mmの金型の底面に離型剤付きポリエステルフィルムを敷いてから、同試料を金型いっぱいに注入し、その上を離型剤付きポリエステルフィルムで覆った。これを金型から取り出し、130℃、0.5MPaの条件下で、30分間油圧プレスを用いてプレスして重合を行わせ、両面を離型剤付きポリエステルフィルムで覆われた熱伝導性組成物のシート状成形体(1)を得た。
シート中の残存単量体量から単量体混合物の重合転化率を計算したところ、99.9%であった。
前記熱伝導性組成物のシート状成形体(1)の両面を覆っているポリエステルシートを剥がし、厚さ1.0mmの絶縁シート(1)とした。得られた絶縁シート(1)を所定の大きさに切断し、このシートで図1に示す発熱層4及び電極8の表裏面を被覆した。被覆時に、絶縁シート(1)の両側端10,10を熱融着した。熱融着時の加熱温度は、130℃であった。
得られた面状発熱体2の絶縁層6,6を構成する絶縁シート(1)のMFR(測定温度150℃、使用荷重20kgで測定)は、0.21g/分であり、日本ゴム協会規格(SRIS−0101)アスカーC硬度は、45であった。
また、絶縁シート(1)の熱伝導率を、迅速熱伝導率計(QTM−500、京都電子工業社製)により測定したところ、0.70W/m・Kであった。
また、絶縁破壊抵抗を、JIS C2123により室温で測定したところ、15.4kV/mmであり、絶縁性に優れていることが確認された。
また、得られた面状発熱体2の絶縁層6,6を構成する絶縁シート(1)の可撓性を示す特性として、粘弾性スペクトロメーター(ARESレオメータ、レオメトリック サイエンス社製)により、室温にて弾性率(G’)を測定したところ、0.15MPaであり、可撓性に優れていることが確認された。
また、絶縁層6,6と被加温物(アルミ板)との接着性を剥離角度90°の剥離強度にて測定したところ、2.7N/cmであり、接着性に優れることが確認された。
絶縁層6を構成する絶縁シート(2)を製造する際に、ポリマー(1)と単量体混合物との合計100重量部に対する水酸化アルミニウムの重量比が180重量部(実施例1は145重量部)となるように水酸化アルミニウムを投入した他は、実施例1と同様にして面状発熱体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
表1から、この絶縁シート(2)は絶縁性、可撓性、及び接着性に優れることが分かった。
絶縁層6を構成する絶縁シート(3)として、熱伝導性アクリルエラストマー 9894FR−10(住友スリーエム(株)社製)からなる、厚さ1.0mmのシートを用いた以外は、実施例1と同様にして面状発熱体を作製し、評価した。なお、前記熱伝導性アクリルエラストマーは、ポリマー成分100重量部に対して、水酸化アルミニウム換算で約180重量部のアルミニウム化合物を含む(分析値)。結果を表1に示す。
表1から、この絶縁シート(3)は絶縁性、可撓性、及び接着性に優れることが分かった。
〔比較例1〕
絶縁層6を構成する絶縁シート(4)を製造する際に、ポリマー(1)と単量体混合物との合計100重量部に対する水酸化アルミニウムの重量比が220重量部となるように水酸化アルミニウムを投入した他は、実施例1と同様にして面状発熱体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
この絶縁シート(4)はMFRの測定が不可能であった。また、熱伝導率は適正な範囲にあるものの、接着性に劣る結果となった。
〔比較例2〕
絶縁層6を構成する絶縁シート(5)を製造する際に、熱伝導性無機化合物(B)を加えずに、その他の条件は実施例1と同様にして、ポリマー(1)の存在下に単量体混合物の重合を行いシート状成形体を作成しようとしたが、生成したポリマー(2)が粘稠過ぎていたため、両面を覆っているポリエステルシートを剥がすことができず、結果として絶縁シート(5)を作製することができなかった。
〔比較例3〕
絶縁層6を構成する絶縁シート(6)として、XE20−A7013(GE東芝シリコーン(株)社製)からなる、厚さ1.0mmのシリコンゴムシートを用いた以外は、実施例1と同様にして面状発熱体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
この絶縁シート(6)は加硫してあるため、MFRの測定が不可能であった。また、熱伝導率は適正な範囲にあるものの、可撓性にやや劣り、接着性に大きく劣るものであった。
Figure 2005190842
図1は本発明の一実施形態に係る面状発熱体の概略斜視図である。 図2は図1に示すII−II線に沿う要部断面図である。
符号の説明
2… 面状発熱体
4… 発熱層
6… 絶縁層
8… 電極
10… 側端部

Claims (3)

  1. 通電により発熱する発熱層と、その両面に積層された絶縁層とを有する面状発熱体であって、前記絶縁層が(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100重量部あたり50〜200重量部の熱伝導性無機化合物(B)を含む熱伝導性組成物からなることを特徴とする面状発熱体。
  2. 前記絶縁層が0.4〜3W/m・Kの熱伝導率を有する請求項1記載の面状発熱体。
  3. 前記熱伝導性無機化合物(B)がアルミニウム化合物である請求項1又は2記載の面状発熱体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015225811A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 積水化成品工業株式会社 長尺ptcヒーター
JP6174223B1 (ja) * 2016-10-24 2017-08-02 イシイ株式会社 面状発熱体

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