JP2005189527A - 感光性ペースト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境汚染等が少ない水系の現像液を用いる感光性ペーストであり、基材上にイオン性不純物が残らず、未露光部の現像残渣が無く、さらに安定した現像性を有する保存安定性に優れた水現像可能な感光性ペースト組成物を提供する。
【解決手段】 (A)pH4〜10の水に対する溶解度が10質量%以上、かつ重量平均分子量が10,000〜100,000である、水溶性セルロース誘導体及び/又は水溶性ポリビニルアルコール誘導体、(B)一分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する水溶性または親水性の感光性モノマー、(C)光ラジカル重合開始剤、(D)無機粉末、及び(E)希釈剤を含有するペースト組成物であり、該組成物の乾燥皮膜の現像速度が、25℃でpH4〜10の水をスプレー圧0.02MPaで噴出した時、0.6〜2.0μm/秒である感光性ペースト組成物が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セラミック多層基板などの厚膜多層回路や各種ディスプレイパネルの部材の製造に有用な水現像可能な感光性ペースト組成物に関し、さらに詳しくは、露光により有機成分を架橋させ皮膜形成した後、ほぼ中性のpH4〜10の水による現像で容易に画像形成が可能であり、未露光部の現像残渣の発生を抑制し、高解像なパターンを得ることが可能な保存安定性に優れた水現像可能な感光性ペースト組成物に関する。
従来、厚膜多層回路(例えばセラミック多層基板)や各種ディスプレイパネルの部材の作成に、無機粒子含有の非感光性ペーストを基板上にスクリーン印刷してパターンを形成するスクリーン印刷法や、感光性ペースト組成物を基板上に塗布したのち、フォトマスクを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像して基板上にパターンを形成するフォトリソグラフィー法等が用いられてきた。
特にプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという。)は、構造が比較的簡単で大型化が容易な上に、自発光型で表示品位が高く、かつカラー表示も可能なことから大いに注目を集め、その大型化、高精密化が求められ多数の提案がなされている。前記PDPは、対向配置された基板の表面に絶縁材料からなる隔壁が設けられ多数の表示セルに区画され、そのセル内に蛍光体が保持され、プラズマ放電による紫外線の作用で発光し各セルを表示単位とする装置である。そして、前記基板やセル内にはプラズマを発生させるための電極、抵抗体、誘電体等が設けられている。このPDPを高精密化するにはそれを構成する隔壁、電極、抵抗体、誘電体、蛍光体、カラフィルター、ブラックマトリックス(以下、隔壁等という。)を高精度に作製する必要があり、そのために隔壁等を作製するためのパターンをより高精度に形成することが望まれる。
従来のスクリーン印刷法では、ペースト組成物を多層に印刷することから、パターンの位置精度が悪く、高精度の隔壁等が形成できない欠点があった。また、フォトリソグラフィー法でも、現像に有機溶剤が用いられたため環境への汚染防止のための処理設備が必要であり製造コストを高いものにした。さらに、人体に悪影響を及ぼすなどの問題もあった(例えば、特許文献1参照)。この有機溶剤による現像の欠点を解決する感光性ペースト組成物の一つとして、アクリル系ポリマーと光硬化性モノマーを組み合わせた有機成分にカルボキシル基を導入したアルカリ現像型感光性ペーストも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のようなアルカリ現像型のペースト組成物を用いた場合には、アルカリ性を示す水溶液が使用されるため以下のような問題点があった。
(1)アルカリ現像は、現像液のpHが経時的に変化し易く、従って現像時間の条件を一定に保つことが困難である。
(2)アルカリ現像は、現像液中にイオンを多量に含有するため現像後の基材上にイオン性不純物が残る。
加えて、組成中の無機粉末の多くが塩基性を示すため有機成分中のカルボキシル基と塩を形成し、保存安定性に劣るという欠点があった。
また、メチルセルロースなどの水溶性セルロース、光重合性モノマー、光重合開始剤及び無機粉末を含有する水現像型感光性ペースト組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、該水現像型感光性ペーストは溶媒には有機溶媒を使用しているため、組成中で有機溶媒に難溶性の水溶性樹脂と親油性モノマー等の成分が分離し、同じペースト中において相分離が発生した。またペーストを塗布、乾燥、露光の後、水現像する際に、組成中の水溶性樹脂以外の成分が水に難溶性であるため水現像による隔壁等の形成を妨げ、解像性の低下や、現像残渣の発生を促す問題点があった。したがって、高精度の隔壁等を作製するには十分といえなかった。ここで記述した現像残渣とは、水現像後の高精度な隔壁等のライン間に無機粉末が残る現象をいう。
特開平9−222723号公報(特許請求の範囲) 特開昭63−265238号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、環境汚染等が少ない水系の現像液を用いる感光性ペーストであり、基材上にイオン性不純物が残らず、未露光部での現像残渣が無く、さらに安定した現像性を有する保存安定性に優れた水現像可能な感光性ペースト組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
(A)pH4〜10の水に対する溶解度が10質量%以上、かつ重量平均分子量が10,000〜100,000である、水溶性セルロース誘導体及び/又は水溶性ポリビニルアルコール誘導体、
(B)一分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する水溶性又は親水性の感光性モノマー、
(C)光ラジカル重合開始剤、
(D)無機粉末、及び
(E)希釈剤
を含有するペースト組成物であり、該組成物の乾燥皮膜の現像速度が、25℃でpH4〜10の水をスプレー圧0.02MPaで噴出した時、0.6〜2.0μm/秒であることを特徴とする水現像可能な感光性ペースト組成物によれば、未露光部での現像残渣の発生を無くし、高解像なパターンが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、乾燥皮膜の現像速度は以下のようにして求められる。まず、感光性ペースト組成物を、乾燥膜厚が約20μmとなるように銅張積層板上に塗布し、80℃で30分間、熱風循環式乾燥炉で乾燥する。次いで、この乾燥塗膜を形成した基板の厚み(T)を正確に測定し、その後、液温25℃のpH4〜10の水を用いて、スプレー圧0.02MPaにて現像し、塗膜が完全に無くなるまでの時間(t)を測定した。そして、塗膜が完全に除去された基板の厚み(T)を測定し、下記式にて、現像速度を求める。

現像速度(μm/秒)=[T(μm)−T(μm)]/t(秒)
本発明の感光性ペースト組成物によれば、環境汚染の原因となる有機溶剤等の揮発性有機化合物(VOC)を含有することなくペースト化でき、しかも、環境に優しいpH4〜10の水又は水溶液で未露光部に現像残渣を発生することなく、高解像な厚膜パターンを精度よく形成することができる。さらに、本発明の感光性ペースト組成物によれば、高精度化が要求されるセラミック多層基板やPDPが低コストで製造でき、その工業的価値は高い。
本発明の感光性ペースト組成物の基本的な態様としては、(A)pH4〜10の水に対する溶解度が10質量%以上、かつ重量平均分子量が10,000〜100,000である、水溶性セルロース誘導体及び/又は水溶性ポリビニルアルコール誘導体、
(B)一分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する水溶性又は親水性の感光性モノマー、
(C)光ラジカル重合開始剤、
(D)無機粉末、及び
(E)希釈剤
を含有するペースト組成物であり、該組成物の乾燥皮膜の現像速度が、25℃でpH4〜10の水をスプレー圧0.02MPaで噴出した時、0.6〜2.0μm/秒であることを特徴としている。好ましい態様としては、前記無機粉末(D)が、ガラス粉末及び/又は金属粉末であり、また前記希釈剤(E)がpH4〜10の水であることを特徴としている。
本発明の感光性ペースト組成物の現像速度が、0.6μm/秒未満の場合、現像時間が長くなり、作業性が低下するので好ましくない。一方、現像速度が、2.0μm/秒を超えた場合、膜厚のバラツキや現像機のバラツキにより、解像性が変化するので好ましくない。
以下、本発明に係る感光性ペースト組成物の各構成成分について、詳細を説明する。
まず、前記水溶性セルロース誘導体及び水溶性ポリビニルアルコール誘導体(A)としては、ほぼ中性のpH4〜10の水に対する溶解度が10質量%以上であり、かつ重量平均分子量が10,000〜100,000であれば、公知慣用のものが使用できる。例えば水溶性セルロース誘導体としては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース、カチオン化セルロース等が挙げられる。
また、水溶性ポリビニルアルコール誘導体としては、重合度200〜1,000程度の酢酸ビニルポリマーを、アルカリでケン化することにより得られるケン化度60〜95のポリビニルアルコール、及びこれらポリビニルアルコールを、さらにアセタール変性などのアルデヒド変性、エーテル変性、アニオン変性あるいはカチオン変性した変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。ケン化度が60未満の場合、pH4〜10の水に対する溶解度が低くなるので好ましくない。また、ケン化度が95を超えるポリビニルアルコールは、水素結合性が強く、溶解速度が遅くなるので好ましくない。
このような水溶性セルロース誘導体及び水溶性ポリビニルアルコール誘導体(A)のpH4〜10の水に対する溶解度が10質量%未満の場合、ペースト化が困難になり、また乾燥後の膜厚が薄くなるので好ましくない。また、重量平均分子量が、10,000未満の場合、塗膜が脆くなり、乾燥後に剥がれを発生しやすくなるので好ましくない。一方、重量平均分子量が、100,000を超えた場合、粘性が高くなり、ペースト化が困難になり、また現像速度が低下するので好ましくない。
これら水溶性セルロース誘導体及び水溶性ポリビニルアルコール誘導体の中でも、特にヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケン化度60〜95のポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール樹脂が、pH4〜10の水に対する溶解性に優れ、保存安定性にも優れているので好適に使用できる。また、これらは、単独または2種類以上を混合して用いることができる。
これら水溶性セルロース誘導体及び/又は水溶性ポリビニルアルコール誘導体(A)の配合量としては、組成物全体量の5〜40質量%であり、好ましくは組成物全体量の10〜30質量%である。前記配合量が組成物全体量の5質量%未満の場合、バインダー成分が不足し、ペースト化が困難になり好ましくない。一方、前記配合量が40質量%を超えた場合、焼成性が低下したり、焼成後の膜厚が薄くなるので好ましくない。
前記感光性モノマー(B)としては、一分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する水溶性または親水性に優れているものであれば、公知慣用のものが使用できる。具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートメタクリレートなどの(メタ)アクリレート類や、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが、揮発性が低く、特に好ましい。
なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートを総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
これらは、単独又は2種類以上を混合して用いても良い。これら感光性モノマー(B)の配合量としては、組成物全体量の2〜40質量%であり、好ましくは5〜20質量%である。前記配合量が組成物全体量の2質量%未満の場合、感光基が不足し、耐現像性が得られ難くなるので好ましくない。一方、前記配合量が40質量%を超えた場合、乾燥塗膜表面のベタツキが強く、搬送時に塗膜が張り付いたり、ゴミ等が付着しやすくなるので好ましくない。
さらに、上記感光性モノマー(B)に加えて、少量の疎水性多官能モノマーを用いてもよい。これにより、露光時における有機成分の架橋密度が向上し更なる高感度化が可能な上、耐水性の向上も見込める。具体的には公知慣用の多官能モノマー、例えばペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、単独又は2種類以上を混合して用いても良い。これら多官能モノマーの配合量としては、組成物全体量の10質量%未満であり、好ましくは5質量%未満である。前記配合量が組成物全体量の10質量%を超えた場合、pH4〜10の水に対する溶解性が低下したり、焼成性が低下するの好ましくない。
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤(C)としては、水溶性であることが望ましいが、水溶・非水溶性に関わらず公知慣用のものを用いることができる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドテシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1などのアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類又はキサントン類などがあり、これらは、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができ、また、第3級アミン類のような公知慣用の光増感剤を単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの光ラジカル重合開始剤の配合割合は組成物全体量の0.2〜10質量%であり、好ましくは0.5〜5質量%である。前記配合量が組成物全体量の0.2質量%未満の場合、光硬化性が低下し、露光・現像後のパターン形成が困難になるので好ましくない。一方、10質量%を超えた場合、光ラジカル重合開始剤自体の光吸収により、厚膜硬化性が低下し、またコスト高の原因となるので好ましくない。
本発明の感光性ペーストに用いられる無機粉末(D)としては、ガラス粉末及び/又は金属粉末が挙げられ、特にガラス粉末は、露光光源に対して必要な透明性を満たすものであれば限定することなく用いることができる。具体的には、ZnO−SiO系、ZnO−B−SiO系、Bi−SiO系、Bi−B−SiO系、B−Al−SiO系、Bi−B−Al−SiO系などのガラス粉末や、銀、パラジウム、金、白金等の金属粉末等が挙げられる。
これら無機粉末(D)の粒子径は、作製するパターンの形状によるが、平均粒径が0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmが好適に用いられる。平均粒径が10μmを超えると、高精度のパターン形成時に表面凹凸が生じるため好ましくなく、平均粒径が0.1μm未満では焼成時に微細な空洞が形成され絶縁不良発生の原因となり好ましくない。前記無機粉末の形状としては、球状、ブロック状、フレーク状、針状が挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。ガラス粉末と金属粉末を組み合わせて用いる場合、その仕様に合わせて、ガラス粉末と金属粉末の比率を変えることができる。具体的にはガラス粉末と金属粉末の総和100質量%に対し、ガラス粉末が0〜100質量%、金属粉末が100〜0質量%であればよい。
これら無機粉末(D)の配合量としては、組成物全体量の90〜50質量%であり、好ましくは85〜60質量%である。前記配合量が組成物全体量の90質量%を超えた場合、有機成分が不足し、ペースト化が困難になり、好ましくない。一方、前記配合量が50質量%未満の場合、焼成性が低下したり、焼成後の膜厚が薄くなるので好ましくない。
本発明に用いられる希釈剤(E)としては、pH4〜10の水、好ましくはpH6〜8の水が用いられる。pH4未満の場合、酸性度が高くなり、無機粉末や現像機の治具を溶かす作用が強くなったり、また組成物の保存安定性が低下するので好ましくない。一方、pH10を超えた場合、塩基性が強くなり、ガラス粉末を溶かす作用が強くなったり、組成物の保存安定性が低下するので好ましくない。
また、本発明の感光性ペースト組成物は、環境汚染等に問題が無ければ、必要に応じて、親水性の有機溶剤を使用することもできる。例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系有機溶剤;カルビトールアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系有機溶剤を併用することも可能である。
これら希釈剤(E)の配合量は、特に限定されるものではないが、組成物全体量の20質量%未満が好ましい。希釈剤(E)の配合量が、20質量%を超えた場合、粘度が低くなり、印刷性が低下したり、保存中に無機粉末の沈降速度が速くなるので好ましくない。
本発明の感光性ペースト組成物は、必要に応じて、有機染料、有機顔料、紫外線吸収剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、有機あるいは無機の沈降防止剤などの添加剤成分を加えることができる。
これらの配合量は、本発明の感光性ペースト組成物の焼成性や焼成物の強度に問題を与えない範囲であれば、特に限定されるものではないが、一般的に5質量%未満である。
次に、本発明の感光性ペースト組成物を用いたパターンの形成方法を説明する。
まず、基材上にスクリーン印刷等で感光性ペースト組成物を塗布、乾燥し、乾燥塗膜を得る。得られた感光性ペースト組成物の乾燥塗膜に紫外線、エキシマレーザー、X線、電子線などの活性光線を、マスクを介して照射しパターン露光する。次いで、pH4〜10の水を用いて現像処理を施し、未照射部を溶解除去して基材上にパターンを形成する。その後、必要に応じて焼成する。
ここで、前記基材としては、ガラス基板、該ガラス基板上にバス電極等の電極を設けた基板、セラミック基板などが挙げられる。
上記現像処理に用いられるpH4〜10の水には、必要に応じて、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、消泡剤、アルコール類などの濡れ性改質剤を加えることができる。また、現像処理においては、感光性ペースト組成物の特性に応じて、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置などを適宜選択するのがよい。
上記焼成で採用される温度としては、感光性ペースト組成物中の有機物質が焼失される温度であればよく、例えばガラス基板上であれば400〜600℃で10〜90分間の焼成、セラミック基板上であれば400〜1000℃で10〜120分間の焼成が選択できる。
このような本発明の感光性ペースト組成物は、セラミック多層回路、あるいはプラズマディスプレイやフィールドエミッションディスプレイなどの各種ディスプレイを作製する材料として用いられる。
本発明の実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。なお、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」及び「質量%」を表わす。
〈実施例1〉
水現像可能な感光性ペースト組成物の調製:
以下の配合成分を量り取り、撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉し、水現像可能な感光性ペースト組成物を得た。

水溶性セルロース誘導体ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(商品名:メトローズ 60SH−03、信越化学工業(株)製) 100部
ポリエチレングリコールジアクリレート
(商品名:9EG−A、共栄社化学(株)製) 90部
ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート 10部
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルホリノプロパノン−1 10部
2,4−ジエチルチオキサントン 2部
銀粉(球状単分散、平均粒径1μm、比重10.5g/cm
(商品名:AG−5−7A、同和ハイテック(株)製) 550部
イオン交換水 330部
〈実施例2〉
前記実施例1の水溶性セルロース誘導体(商品名:メトローズ 60SH−03)の代わりに、ポリビニルアルコール誘導体(商品名:PVA217、(株)クラレ製、重量平均分子量≒75,000、ケン化度88%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水現像可能な感光性ペースト組成物を調製した。
〈比較例1〉
前記実施例1の水溶性セルロース誘導体(商品名:メトローズ 60SH−03)の代わりに、ポリビニルアルコール(商品名:PVA103、(株)クラレ製、重量平均分子量≒13,000、ケン化度98%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水現像可能な感光性ペースト組成物を調製した。
以上のようにして実施例1,2及び比較例1にて調製した水現像可能な感光性ペースト組成物は、印刷時に、適正な粘度となるように、イオン交換水で粘度調整して使用した。
〈比較例2〉
アルカリ現像型感光性ペースト組成物の調整:
以下の配合成分を量り取り、撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉し、アルカリ現像型導電性ペーストを得た。このようにして得られたアルカリ現像型感光性ペースト組成物は、印刷時に、適正な粘度となるように、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートで粘度調整して使用した。

アルカリ可溶性高分子バインダー 100部
トリメチロールプロパントリアクリレート 15部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15部
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルホリノアミノプロパノン−1 10部
2,4−ジエチルチオキサントン 1部
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート 60部
銀粉(商品名:AG−5−7A、同和ハイテック(株)製))
(球状単分散、平均粒径1μm、比重10.5g/cm) 550部
評価方法:
(現像速度)
実施例1、2及び比較例1の感光性ペースト組成物を、乾燥膜厚が約20μmとなるように銅張積層板上に塗布し、80℃で30分間、熱風循環式乾燥炉で乾燥した。次いで、この乾燥塗膜を形成した基板の厚み(T)を正確に測定し、その後、液温25℃のpH4〜10の水を用いて、スプレー圧0.02MPaにて現像し、塗膜が完全に無くなるまでの時間(t)を測定した。そして、塗膜が完全に除去された基板の厚み(T)を測定し、下記式にて、現像速度を求めた。

現像速度(μm/秒)=[T(μm)−T(μm)]/t(秒)
評価基板の作製:
上記のようにして、調製した水現像可能な感光性ペースト組成物およびアルカリ現像型感光性ペースト組成物を、乾燥後の膜厚が20μmになるようにガラス基板上に塗布した後、80℃の熱風循環式乾燥炉で、20分間乾燥した。次いで、得られた乾燥塗膜を、マスク線幅が10μm間隔の10μm〜100μm試験パターンマスクを介して、超高圧水銀灯により400mJ/cmの照射量で紫外線露光した。引き続き、水現像可能な感光性ペースト組成物の場合は、液温25℃のpH6〜8の水を用いて0.02MPaの噴射圧で、またアルカリ現像型感光性ペースト組成物の場合は、液温30℃の0.1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて0.2MPaの噴射圧で、それぞれ30秒間スプレー現像を行い、パターン形成した。
このようにして得られた評価基板を用いて、以下の方法で、現像残渣と解像性を比較評価した。
(現像残渣)
上記方法でパターンを形成した評価基板中の70μmライン間の未露光部を電子顕微鏡で観察し、X線分析による無機成分検出にて現像残渣の有無を評価した。
○:無機成分が検出されなかった。
×:無機成分が検出された。
(解像性)
上記方法でパターンを形成した評価基板の各線幅のライン/スペースのライン残存性とスペースの抜け性を評価し、共に問題の無いライン/スペースの線幅(μm)を解像性の評価結果とした。
このようにして得られた評価結果を、表1に示す。
Figure 2005189527

表1から明らかなように、本発明の感光性ペースト組成物を用いた基板は、現像残渣を発生することなく、従来のアルカリ現像型感光性ペーストと同等以上の解像性を得ることができる。なお、比較例1に用いたポリビニルアルコールは、ケン化度が高く、水素結合力が強いため、本発明の感光性ペースト組成物に比べ、現像速度が遅くなっている。

Claims (6)

  1. (A)pH4〜10の水に対する溶解度が10質量%以上、かつ重量平均分子量が10,000〜100,000である、水溶性セルロース誘導体及び/又は水溶性ポリビニルアルコール誘導体、
    (B)一分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する水溶性又は親水性の感光性モノマー、
    (C)光ラジカル重合開始剤、
    (D)無機粉末、及び
    (E)希釈剤
    を含有するペースト組成物であり、該組成物の乾燥皮膜の現像速度が、25℃でpH4〜10の水をスプレー圧0.02MPaで噴出した時、0.6〜2.0μm/秒であることを特徴とする水現像可能な感光性ペースト組成物。
  2. 前記水溶性セルロース誘導体及び/又は水溶性ポリビニルアルコール誘導体(A)が、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケン化度60〜95のポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
  3. 前記無機粉末(D)が、ガラス粉末及び/又は金属粉末であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性ペースト組成物。
  4. 前記希釈剤(E)が、pH4〜10の水であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感光性ペースト組成物。
  5. 前記水溶性セルロース誘導体及び/又は水溶性ポリビニルアルコール誘導体(A)の含有率が、組成物全体量の5〜40質量%であり、かつ、前記感光性モノマー(B)の含有率が、組成物全体量の2〜40質量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光性ペースト組成物。
  6. 前記無機粉末(D)の含有率が、組成物全体量の90〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感光性ペースト組成物。
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