JP2005188220A - 被埋設管の埋設方法および埋設装置 - Google Patents

被埋設管の埋設方法および埋設装置 Download PDF

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JP2005188220A JP2003433537A JP2003433537A JP2005188220A JP 2005188220 A JP2005188220 A JP 2005188220A JP 2003433537 A JP2003433537 A JP 2003433537A JP 2003433537 A JP2003433537 A JP 2003433537A JP 2005188220 A JP2005188220 A JP 2005188220A
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Abstract

【課題】 小径管の埋設工事へ好適に適用することができ、設備コストおよび運転コストを最小限に抑えた上で効率的に被埋設管を土中に埋設することができるようにする。
【解決手段】 発進坑H1に据え付けられる基体20と、発進坑H1および到達坑H2間に複数のパイロット管80を継ぎ足しながら貫通させて誘導孔H3を設けるとともにパイロット管80を引き戻し得るべく回転しながら進退可能に基体20に設けられたパイロット管推進ユニット50と、このパイロット管推進ユニット50を進退させる一対の推進機構40と、到達坑H2に到達したパイロット管80の先端と埋設されるべき最初の塩ビ管Pとの間に介設されたドリルヘッド100とを備え、ドリルヘッド100は、一対の推進機構40の後退に応じて誘導孔H3の内周面を径方向の外方に向けて圧接するべく塩ビ管Pからパイロット管80に向けて先細りの円錐状に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、土中に被埋設管を埋設するために用いられる被埋設管の埋設方法および埋設装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に記載されているような、管を土中に埋設するためのシールド掘進工法が知られている。このシールド掘進工法は、予め管の埋設始点位置に縦穴である発進坑を掘削するとともに、管埋設の終点位置に到達坑を掘削し、発進坑に掘進機を据え付けた上でこの掘進機に被埋設管を装着し、この被埋設管の先端に付設されたカッターヘッドを回転させて土を掘削しながら管を到達坑に向けて順次埋設していくものである。
かかるシールド掘進工法は、露天掘り工法、すなわち予め地面に開渠を掘削し、この開渠に管を敷設した後、掘り起こした土を被せて管を埋設する工法に比べて、延々と開渠を掘削する必要がなく、しかも地上設備と干渉することなく管の埋設を行い得るばかりか、埋設位置が深くても対応することができるため、現在、下水管などの管埋設工法の主流になっている。
しかしながら、このようなシールド掘進工法にあっては、管の先端に付設されたカッターヘッドのカッターを回転させカッターヘッドと対向した掘削面の土砂を削り取った上で、この削り取った土砂を排出しなければならず、装置が全体的に大掛かりなものになって設備コストおよび運転コストが嵩むため、かかるコストに見合った大規模な大径管の埋設工事に適用されるのが一般的である。したがって、管径が例えば150mm〜300mmの小径管を埋設するに当っては、上記のようなシールド掘進工法を採用することは採算性の面で不利であることから、特許文献2や特許文献3に記載されているような簡素化された簡便シールド工法(以下、非開削工法という)が提案されている。
まず、特許文献2に記載された非開削工法は、発進坑から到達坑に向けて掘進操作により予め先導管を埋設し、その後、発進坑側から被埋設管を先導管に外嵌した状態でこの先導管にガイドさせつつ到達坑に向けて推進させるというものである。被埋設管の先端には円錐状の圧接ヘッドが同心で装着され、この圧接ヘッドの環状傾斜面が圧接ヘッド周りの土を径方向の外方に向けて圧密して被埋設管が通過し得るように先導孔を拡径するため、カッターヘッドを設ける必要はなく、その分装置が簡素化される。
また、特許文献3に記載された非開削工法は、基本的に特許文献1のものと同様であるが、被埋設管の埋設方向が、特許文献1のものとは逆になっている点が相違している。具体的には、到達坑に到達した先導管に被埋設管を外嵌し、この被埋設管の後端部分を先導管に係止させた状態で先導管を発進坑側へ牽引することにより被埋設管を土中に推進させるようになっている。先の被埋設管の埋設が完了すると、次の埋設管が先の被埋設管に連結されるとともに、先導管は元の位置に戻され、次の被埋設管の埋設に供される。
特許第2914632号公報 特許第2991819号公報 特開平10−196277号公報
ところで、特許文献2に記載された非開削工法は、被埋設管が先導管に案内されつつ土中を推進するとはいいながら、被埋設管の後端部が押圧されるため、被埋設管の先端側の圧接ヘッドは、土質の状況に応じて不均一な力が加わった場合、進行方向に直交する方向に向かう力を受けることになり、これによる圧接ヘッドのふらつきで被埋設管の円滑な推進が損なわれるばかりか、被埋設管が埋設孔の周面に押し当てられることによる摩擦力の増大で多大の推進エネルギーが消費され、運転コストが嵩むという問題点が存在する。
また、特許文献3に記載のものは、特許文献2のものとは逆に被埋設管が到達坑から発進坑に引き戻されつつ土中に推進されるものではあるが、引き戻し操作の作用点が被埋設管後端部であることから、作用的には押圧操作と同様であり、特許文献2に記載の工法の問題点が解決されているわけではない。
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、シールド掘削推進工法に比較して設備コストおよび運転コストの低減化を確保した上で、従来の簡易シールド工法より効率的に、かつ、安定的に被埋設管を土中に埋設することができる被埋設管の埋設方法および埋設装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、地面に掘削された縦穴である発進坑と同到達坑との間に被埋設管を埋設する方法において、前記発進坑から到達坑に向けて複数のパイロット管を継ぎ足しながら貫通させることにより誘導孔を設ける誘導孔貫通工程と、前記到達坑に到達したパイロット管の先端にこの先端と対向する最初の被埋設管の先端を連結するための治具を取り付ける工程と、被埋設管を連結した状態でパイロット管を前記誘導孔から発進坑側に引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて新たな被埋設管を先の被埋設管に順次継ぎ足して誘導孔に順次引き込んでいく被埋設管引込み工程とを備えて構成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、誘導孔貫通工程において、地面に掘削された発進坑から到達坑に向けて複数のパイロット管を継ぎ足しながら貫通させることにより先ず被埋設管を誘導するための誘導孔が設けられる。ついで、被埋設管引込み工程において、到達坑に到達したパイロット管の先端に被埋設管を連結した状態で発進坑側のパイロット管を前記誘導孔から順次引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて新たな被埋設管を先の被埋設管に順次継ぎ足して誘導孔に順次引き込んでいくことにより、複数の被埋設管は、誘導孔に沿って順次土中に埋設されていき、最後のパイロット管を誘導孔から引き抜いた状態で被埋設管の埋設工事が完了する。
このように、一旦発進坑から到達坑に向けて順次継ぎ足される複数のパイロット管の進行で誘導孔を開けていき、引き続きパイロット管を引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて到達坑から複数の被埋設管を継ぎ足しつつ誘導孔に沿って順次埋設していくようになされているため、被埋設管は、周囲の土砂を誘導孔の内周面に圧接しながら埋設されていき、これによって被埋設管の誘導孔内での移動時に排土が発生することがなく、切削刃を設けなくてもよい分および排土の処理を行わなくてもよい分設備コストおよび運転コストの軽減化に貢献する。
しかも、被埋設管は、土中でその先端部分が牽引されるため、後端部分が押圧される場合に比較して先端部分がふらつくような不都合の発生が確実に防止され、土中での方向安定性の高い円滑な推進が確保される。
したがって、かかる埋設方法は、軟弱な地盤における管径が10数mm〜数10mmの小径の例えば塩ビ管の埋設工事に特に好適に使用される。
請求項2記載の発明は、地面に掘削された縦穴である発進坑と同到達坑との間に被埋設管を埋設する被埋設管の埋設装置であって、前記発進坑の穴底に据え付けられる基体と、
前記基体の中央部に設けられ、前記発進坑から到達坑に向けてパイロット管を継ぎ足しながら貫通させることにより誘導孔を設けるとともにパイロット管を引き戻すべく、回転しながら進退可能とされた推進移動部を有するパイロット管推進ユニットと、前記推進移動部を進退させるべく前記基体におけるパイロット管推進ユニットの両サイドに設けられた一対の進退機構と、前記到達坑に到達したパイロット管の先端にこの先端と対向する最初の被埋設管の先端を連結するための治具とを備えて構成され、前記治具は、被埋設管からパイロット管に向けて先細りに形成された円錐状部材であることを特徴とするものである。
この発明によれば、基体を発進坑の穴底に据え付けた状態で、一対の進退機構の駆動により基体の中央部に設けられたパイロット管推進ユニットを前進させるとともに、管回転ユニットの駆動でパイロット管を軸心回りに回転させることにより、パイロット管は、発進坑の内壁面から到達坑に向けて誘導孔を開けながら前進していく。そして、最初のパイロット管が土中に埋設され終わると、このパイロット管を土中に残しパイロット管推進ユニットを一旦元の位置に後退させた上で次のパイロット管をパイロット管推進ユニットに装着し、再度パイロット管推進ユニットを前進させて次のパイロット管を先のパイロット管に連結し、かかる動作を繰り返すことにより複数のパイロット管が同心で接続された状態で発進坑および到達坑間に誘導孔が形成される。
ついで、到達坑内に露出したパイロット管の先端にパイロット管に向けて先細りになるように円錐状に形成された圧接部材を同心で装着するとともに、この圧接部材のパイロット管と反対側に被埋設管を接続し、この状態で進退機構の逆駆動によりパイロット管推進ユニットを引き戻すことにより、圧接部材は、円錐状の外周面が誘導孔の内周面を圧接しながら誘導孔の穴径を押し広げつつ誘導孔に引き入れられていく。しかも、誘導穴の周囲の土砂が圧密化されるので、被埋設管の埋設位置の安定性が向上する。
そして、発進坑側のパイロット管が発進坑内に引き出された状態で、この引き出されたパイロット管を一旦取り外した後にパイロット管推進ユニットを進退機構の駆動で前進させて次のパイロット管をパイロット管推進ユニットに装着し、かかる動作を繰り返すことによって被埋設管が順次誘導孔に埋設されていく。引き戻し方向の先頭の被埋設管が発進坑内に露出した状態で、被埋設管の埋設作業は終了する。
このように、この発明に係る埋設装置を用いることにより、一旦発進坑から到達坑に向けて順次継ぎ足される複数のパイロット管の進行で誘導孔を開けていき、引き続きパイロット管を引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて到達坑から複数の被埋設管を継ぎ足しつつ誘導孔に沿って圧接状態で順次埋設することができるため、被埋設管の誘導孔内での移動時に排土が発生することがなく、切削刃を設けなくてもよい分および排土の処理を行わなくてもよい分設備コストおよび運転コストの軽減化に貢献する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記治具は、被埋設管からパイロット管に向けて先細りに形成された円錐形状を有していることを特徴とするものである。
この発明によれば、パイロット管の引き抜き作業時にパイロット管と被埋設管との間にパイロット管に向けて先細りになった円錐状の圧接部材が介設されているため、パイロット管を引き抜いていくことにより、誘導孔の内周面は、圧接部材の円錐状の外周面に案内されて順次圧接されていき、被埋設管の誘導孔への引き込みが円滑に行われる。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記パイロット管推進ユニットおよび進退機構は、各電動機によって駆動されることを特徴とするものである。
この発明によれば、パイロット管推進ユニットおよび進退機構は、いずれも電動機によって駆動されるため、油圧機構で駆動されるものに比べて油圧ポンプや電磁弁、さらには油圧配管等の多くの付帯設備を設ける必要がなく、装置のコンパクト化および低廉化に貢献するとともに、弁の開閉などの機械的な動作を介することなく電気信号のみでパイロット管推進ユニットおよび進退機構の駆動制御を行うことが可能になり、より精密な被埋設管の埋設制御が実現する。
特に、従来のような油圧ポンプ式では、油圧の送り方向に対して引き方向が弱いという問題があったが、電動機を採用することで送り引きの双方にも同一の強いトルクを付与し得る。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記進退機構は、進退用電動機と、この進退用電動機の駆動により軸心回りに回転するスパイラルロッドと、このスパイラルロッドに噛合したナット部材とを備え、前記ナット部材が前記パイロット管推進ユニットに連結されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、進退用電動機の駆動によるスパイラルロッドの軸心回りの回転によるスパイラルロッドに螺着したナット部材の進退によって、このナット部材に連結されたパイロット管推進ユニットは精密に進退する。また、スパイラルロッドの回転によるスパイラルの周方向の変位は、ナット部材の進退方向に向かう変位に比べて極めて大きいため、その分ナット部材はスパイラルロッドを回転させる力に比べて非常に大きな力で進退する。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記ナット部材はボールナットであることを特徴とするものである。
この発明によれば、ナット部材として複数の球体が装填されたボールナットが採用されているため、ナット部材の内周面とスパイラルロッドの外周面との間の摩擦は、両者間に存在する球体の転がり摩擦となり、面接触による接触摩擦が作用する雌ねじが採用された通常のナットに比較して極めて小さな摩擦力しか作用せず、したがってスパイラルロッドからのナット部材に対する動力の伝達効率が格段に向上するとともに、騒音レベルが抑制される。
請求項7記載の発明は、請求項4乃至6のいずれかに記載の発明において、前記パイロット管推進ユニットは、前記ナット部材が固定されるユニット本体と、このユニット本体に装着された回転ユニット用電動機と、この回転ユニット用電動機の駆動により軸心回りに回転する、前記スパイラルロッドと平行な回転軸とを備え、前記回転軸の先端部には、前記パイロット管を同心で一体に連結し得る連結構造が設けられていることを特徴とするものである。
この発明によれば、パイロット管推進ユニットは、ナット部材が固定されるユニット本体に装着された専用の回転ユニット用電動機によってその回転軸が駆動されるため、電動機が進退機構用のものと共用されている場合に比較し、進退機構の駆動と独立してパイロット管を回転させることが可能になり、その分被埋設管の埋設作業の自由度が向上する。
また、回転軸の先端部には、パイロット管を同心で一体に連結し得る連結構造が設けられているため、パイロット管は、回転軸と一体回転するとともに、パイロット管推進ユニットの後退によって回転軸から外れるような不都合は生じない。
請求項8記載の発明は、請求項2乃至7のいずれかに記載の発明において、前記基体には、パイロット管推進ユニットに装着されたパイロット管を前記スパイラルロッドと平行に支持するパイロット管支持構造が設けられていることを特徴とするものである。
この発明によれば、パイロット管は、パイロット管推進ユニットの回転軸とパイロット管支持構造とによって二点支持がなされるため、回転軸のみにより一点支持されているものに比較して支持状態が安定し、これによって土中に進行したパイロット管は、土中の異物との干渉で進行方向が振れるような不都合が極力防止される。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記パイロット管支持構造は、前記パイロット管を進退可能に挟持する一対のパイロット管挟持部材と、これら一対のパイロット管挟持部材を挟持位置と挟持解除位置との間で位置変更させる操作手段とを備えていることを特徴とするものである。
この発明によれば、操作手段の操作により一対のパイロット管挟持部材を挟持解除位置に位置設定した状態でパイロット管を一対のパイロット管挟持部材間に位置させ、引き続き操作手段の操作で一対のパイロット管挟持部材を挟持位置に位置変更することにより、パイロット管は、進退が可能な状態で一対のパイロット管挟持部材に位置決め挟持される。一対のパイロット管挟持部材に挟持された状態のパイロット管を取り外すに際しては、操作手段を逆操作すればよい。こうすることによって一対のパイロット管挟持部材は互いに離間した挟持解除位置に移動して挟持が解除された状態になるため、パイロット管を一対のパイロット管挟持部材から取り外すことができる。
このように、操作手段の操作によってパイロット管の挟持と挟持解除とを行うことが可能になっているため、単に位置決め孔にパイロット管を貫通させることによってパイロット管を支持させるようなものと比べて作業性が向上する。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記パイロット管挟持部材は、パイロット管の軸方向と直交する幅方向の面上に該パイロット管を挟んで対向して併設され、かつ、径寸法が軸の中央から両端に向かうに従って漸増してパイロット管の周面に実質的に密着するガイドローラによって形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、パイロット管は、外周面が鼓状を呈した一対のガイドローラに密着状態で挟持されることにより上下左右への移動が規制された位置決め状態でガイドローラの軸心回りの回転によって前後移動が可能に支持される。このように、パイロット管を一対のガイドローラで挟持することにより、パイロット管の円滑な前後移動を確保した上で上下左右への位置ずれが確実に防止される。
請求項11記載の発明は、請求項2乃至10のいずれかに記載の発明において、前記パイロット管は、一方の端部に軸方向に延びる接続凹部が、他方の端部に前記接続凹部に噛合するべく軸方向に延びる接続凸部がそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
この発明によれば、一のパイロット管の凸部を他のパイロット管の凹部に順次嵌め合わせていくことにより複数のパイロット管を正逆一体回転可能に連結することができる。したがって、各パイロット管を同心でねじ止めすることにより連結する連結方式の場合には、パイロット管がねじの締結方向に回転されるときは回し締りになるため特に問題が生じないが、逆方向に回転させた場合には両者の締結状態が弛緩するという不都合が生じるが、この発明ではかかる不都合は生じない。
請求項1記載の発明によれば、一旦発進坑から到達坑に向けて順次継ぎ足される複数のパイロット管の進行で誘導孔を開けていき、引き続きパイロット管を引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて到達坑から複数の被埋設管を継ぎ足しつつ誘導孔に沿って順次埋設していくようになされているため、被埋設管は、周囲の土砂を誘導孔の内周面に圧密しながら埋設されていき、これによって被埋設管の誘導孔内での移動時に排土が発生することがなく、切削刃を設けなくてもよい分および排土の処理を行わなくてもよい分設備コストおよび運転コストの軽減化に貢献することができる。
しかも、被埋設管は、土中でその先端部分が牽引されるため、後端部分が押圧される場合に比較して先端部分がふらつくような不都合の発生が確実に防止され、被埋設管の土中への円滑な推進を達成することができるとともに、被埋設管の埋設位置の安定性を確保することができる。
請求項2記載の発明によれば、この発明に係る埋設装置を用いることにより、一旦発進坑から到達坑に向けて順次継ぎ足される複数のパイロット管の進行で誘導孔を開けていき、引き続きパイロット管を引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて到達坑から複数の被埋設管を継ぎ足しつつ誘導孔に沿って圧接状態で順次埋設することができるため、被埋設管の誘導孔内での移動時に排土が発生することがなく、切削刃を設けなくてもよい分および排土の処理を行わなくてもよい分設備コストおよび運転コストの軽減化に貢献することができるとともに、被埋設管の埋設位置の安定性を確保することができる。
請求項3記載の発明によれば、パイロット管の引き抜き作業時にパイロット管と被埋設管との間にパイロット管に向けて先細りになった円錐状の圧接部材が介設されているため、パイロット管を引き抜いていくことにより、誘導孔の内周面は、圧接部材の円錐状の外周面に案内されて順次圧接されていき、被埋設管の誘導孔への引き込み操作を円滑に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、パイロット管推進ユニットおよび進退機構は、いずれも電動機によって駆動されるため、油圧機構で駆動されるものに比べて油圧ポンプや電磁弁、さらには油圧配管等の多くの付帯設備を設ける必要がなく、装置のコンパクト化および低廉化に貢献するとともに、弁の開閉などの機械的な動作を介することなく電気信号のみでパイロット管推進ユニットおよび進退機構の駆動制御を行うことが可能になり、より精密な被埋設管の埋設制御が実現することができるとともに、低騒音化に貢献することができる。
請求項5記載の発明によれば、進退用電動機の駆動によるスパイラルロッドの軸心回りの回転によるスパイラルロッドに螺着したナット部材の進退によって、このナット部材に連結されたパイロット管推進ユニットは精密に進退する。また、スパイラルロッドの回転によるスパイラルの周方向の変位は、ナット部材の進退方向に向かう変位に比べて極めて大きいため、その分ナット部材をスパイラルロッドを回転させる力に比べて非常に大きな力で進退させることができる。
請求項6記載の発明によれば、ナット部材として複数の球体が装填されたボールナットが採用されているため、ナット部材の内周面とスパイラルロッドの外周面との間の摩擦は、両者間に存在する球体の転がり摩擦となり、面接触による接触摩擦が作用する雌ねじが採用された通常のナットに比較して極めて小さな摩擦力しか作用せず、したがってスパイラルロッドからのナット部材に対する動力の伝達効率を格段に向上させることができる。
請求項7記載の発明によれば、パイロット管推進ユニットは、ナット部材が固定されるユニット本体に装着された専用の回転ユニット用電動機によってその回転軸が駆動されるため、電動機が進退機構用のものと共用されている場合に比較し、進退機構の駆動と独立してパイロット管を回転させることが可能になり、その分被埋設管の埋設作業の自由度を向上させることができる。
また、回転軸の先端部には、パイロット管を同心で一体に連結し得る連結構造が設けられているため、パイロット管は、回転軸と一体回転するとともにパイロット管推進ユニットの後退によって回転軸から外れるような不都合の発生を確実に防止することができる。
請求項8記載の発明によれば、パイロット管は、パイロット管推進ユニットの回転軸とパイロット管支持構造とによって二点支持がなされるため、回転軸のみにより一点支持されているものに比較して支持状態が安定し、これによって土中に進行したパイロット管は、土中の異物との干渉で進行方向が振れるような不都合を確実に防止することができる。
請求項9記載の発明によれば、パイロット管支持構造は、パイロット管を進退可能に挟持する一対のパイロット管挟持部材と、これら一対のパイロット管挟持部材を挟持位置と挟持解除位置との間で位置変更させる操作手段とを備えているため、操作手段の操作によってパイロット管の挟持と挟持解除とを行うことが可能になり、単に位置決め孔にパイロット管を貫通させることによってパイロット管を支持させるようなものと比べて操作性が改善され、作業性を向上させることができる。
請求項10記載の発明によれば、パイロット管は、外周面が鼓状を呈した一対のガイドローラに密着状態で挟持されるため、上下左右への移動が規制された位置決め状態でガイドローラの軸心回りの回転によって前後移動することができる。このように、パイロット管を一対のガイドローラで挟持することにより、パイロット管の円滑な前後移動を確保した上で上下左右への位置ずれを確実に防止することができる。
請求項11記載の発明によれば、一のパイロット管の凸部を他のパイロット管の凹部に順次嵌め合わせていくことにより複数のパイロット管を正逆一体回転可能に連結することができる。
本発明は、管径が例えば350mm以下の小口径の被埋設管を、市街地や、道路、軌道敷あるいは河川敷等を地下横断で埋設するのに適した非開削工法に関するもの(被埋設管の埋設方法および埋設装置)であり、装置を全体的にコンパクトに構成することが可能であるとともに、開削操作を行うことなく効率的に被埋設管を埋設することができるものである。以下、先ず図1〜図13に基づいて埋設装置について説明し、ついで図14〜図16に基づいて埋設方法について説明するとともに、図17および図18に基づいて埋設施工の制御について説明する。
図1は、本発明に係る被埋設管の埋設装置の一実施形態(塩ビ管引戻し埋設装置10)を示す分解斜視図であり、図2は、その組立て斜視図である。また、図3は、図2の側面図であり、図4は、図2の平面図である。なお、図1〜図4においてX−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。また、図1〜図4以外の図において図中にXおよびYが記載されている場合は、これらX、Yは、特に断っていなくても同様の方向表示である。
これらの図に示すように、塩ビ管引戻し埋設装置10は、地面に掘削された作業坑(発進坑H1(図14))の穴底に据え付けられる基体20と、この基体20に取り付けられるガイド部材30と、このガイド部材30にガイドされて前後方向に進退するボールナット部材(ナット部材)44を備えた推進機構(進退機構)40と、前記ボールナット部材44の進退により進退しながら後述のパイロット管80を軸心回りに回転させるパイロット管推進ユニット50と、パイロット管80をクランプするトグルクランプ(パイロット管支持構造)60とを備えた基本構成を有している。
そして、後端部がパイロット管推進ユニット50に装着され、前端側がトグルクランプ60に支持されたパイロット管80の前端面には、後述する発進坑H1から到達坑H2(図14)に向けてパイロット管80を推進させるに際しドリルヘッド100(図2、図13)が連結される一方、到達坑H2から発進坑H1に向けてパイロット管80を引き戻すに際しては、ドリルヘッド100に変えて塩化ビニル(ポリビニルクロライド)製の管である塩ビ管(被埋設管)Pの接続された圧接部材(治具)90(図2、図11)が連結されるようになっている。
前記基体20は、前記ガイド部材30、推進機構40、パイロット管推進ユニット50およびトグルクランプ60を支持するものであり、正面視でU字形状を呈した前板21と、後方でこの前板21と対向した当該前板21と同一形状の後板22と、前板21および後板22間に架設された幅方向一対の仮設部材23と、各仮設部材23に載置固定された幅方向一対のH型材24とを備えて構成されている。
前記前板21には、幅方向の中央位置において、上縁部から下方に向けて切り欠かれることによって形成した切欠き凹部211が設けられているとともに、後板22にも同様の切欠き凹部221が設けられている。特に前板21の切欠き凹部211には、その底縁部に前記トグルクランプ60を装着するための装着板25がねじ止めその他で一体に固定されている。
前記仮設部材23は、断面形状がコ字状を呈したいわゆるC型鋼によって形成され、C形状の開口部分が互いに対向するように前板21および後板22間に架設されている。かかる仮設部材23は、前後方向に延びる側板231と、この側板231の下縁部から直角に折り返された状態で形成された底板232と、同上縁部から前記底板232と対向するように直角に折り返されることによって形成された天板233とからなっている。
仮設部材23のC形状を呈した開口部分における底板232と天板233との間には所定枚数の補強板234が介設され、これによって天板233の先端側が下方に撓むのを防止するようにしている。なお、仮設部材23は、C型鋼によって形成されることに限定されるものではなく、H型鋼を採用してもよい。
前記前板21および後板22の各幅方向両側縁部には、互いに対向する方向に直角に折り曲げられることによって形成した略三角形状の補強用側片212,222がそれぞれ設けられている。そして、前記各仮設部材23は、前後の端面が前板21および後板22に当接され、かつ、側板231の外面側がこれらの補強用側片212,222に当接された状態でねじ止めあるいは溶接止めされることにより前板21および後板22並びに補強用側片212,222に固定されている。かかる連結構造を採用することにより基体20の構造的な強度が確保されている。
前記H型材24は、ガイド部材30を支持するものであり、下板241および上板242の幅方向の中央部同士が前後方向に延びる縦板243(図5)により結合されることによって形成されている。かかるH型材24は、下板241が仮設部材23の天板233上に載置された状態で当該天板233並びに前板21および後板22にねじ止めまたは溶接止めされることによってこれらと一体化している。
図5は、前記ガイド部材30の一実施形態を示す断面図である。以下、図3および図1を参照しながらガイド部材30について説明する。ガイド部材30は、後述のボールナット部材44(図6)の前後動を案内するものであり、各H型材24に支持されて左右一対で設けられている。かかるガイド部材30は、ポリテトラトラフルオロエチレンやシリコン樹脂等の強靭で、かつ、潤滑性能を備えた合成樹脂材料によって形成されたガイド部材本体31と、このガイド部材本体31を覆った断面視でコ字状の補強カバー32とを備えて構成されている。前記ガイド部材本体31は、ボールナット部材44に対応して中心角αが少なくとも180°乃至はそれを若干越えるように設定された前後方向に延びる広角の円弧状ガイド溝33を有し、前記ボールナット部材44は、この円弧状ガイド溝33内で摺動しつつ前後動し得るようになっている。
一対のガイド部材本体31(図5には右方のガイド部材30を示している)の対向面には、前記円弧状ガイド溝33に連通した前後方向に延びる逃し溝34が設けられ、この逃し溝34からボールナット部材44の一部品である後述の結合アーム444が外部に向けて突出されている。
前記推進機構40は、図1に示すように、後板22の後面側であって、切欠き凹部221の左右位置に固定された幅方向一対の直方体状のケーシング41と、各ケーシング41の上面に縦置きで敷設された幅方向一対の推進用電動機(進退用電動機)42と、前板21および後板22における各ケーシング41と対向した部分に架設された幅方向一対のスパイラルロッド43と、各スパイラルロッド43に螺着された幅方向一対のボールナット部材44とを備えて構成されている。ケーシング41には後述するギヤ機構70(図7)が内装され、前記スパイラルロッド43は、このギヤ機構70を介して推進用電動機42の駆動力が伝達されて軸心回りに回転し得るようになっている。
前記各ケーシング41の上面には、幅方向に架設された架設板411がそれぞれ設けられ、前記推進用電動機42は、この架設板411に立設状態で固定されている。
前記後板22における前記ケーシング41と対向した部分の略中央位置には、貫通孔が穿設されているとともに、この貫通孔にベアリング45が装着されている。また、前記前板21の前記貫通孔と対向した位置の外面側にはベアリングケース46が設けられ、このベアリングケース46にもベアリング45が内装されている。そして、前記スパイラルロッド43は、これら前後一対のベアリング45に支持されることにより円滑に回転し得るようになっている。
図6は、ボールナット部材44の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図6におけるX、Yによる方向表示は図1の場合と同様である。図6に示すように、ボールナット部材44は、摺接状態でスパイラルロッド43が貫通される円筒状のボールケース441と、このボールケース441に内装された複数個の鋼球(球体)442と、ボールケース441の一方の端面(図6に示す例では前方側の端面)に同心で一体に連接された、摺接状態でスパイラルロッド43に外嵌するフランジ部材443と、このボールナット部材443の外周面から径方向に突設された結合アーム444とからなっている。
前記ボールケース441は、ボールナット部材44に摺接状態で外嵌する前後方向一対の環状壁間441aを有しているとともに、これら一対の環状壁間441a間に内径寸法が環状壁間441aより大径の鋼球装着室441bが設けられている。そして、鋼球装着室441bの内径寸法は、鋼球442がスパイラルロッド43の螺旋突条431間の螺旋凹溝432に嵌り込んだ状態で当該鋼球442の外周面が鋼球装着室441bの内周面に摺接するように設定されている。したがって、スパイラルロッド43が軸心回りに回転すると、ボールケース441は鋼球442を介してスパイラルロッド43の長手方向に向けて移動することになる。
前記フランジ部材443は、外径寸法が前記ガイド部材本体31の円弧状ガイド溝33の曲率内径寸法より僅かに小さく設定されている。これによってボールナット部材44は、図5に示すように、フランジ部材443が円弧状ガイド溝33に装着された状態で当該フランジ部材443が円弧状ガイド溝33の曲率内周面に摺接しながら前後方向(図5の紙面に直交する方向)に移動し得るようになっている。
前記結合アーム444は、フランジ部材443の外周面から径方向に突設された突出片444aと、この突出片444aの先端から前方および後方に向けて突設された結合片444bとからなっている。突出片444aは、上下幅寸法が前記ガイド部材本体31の逃し溝34の上下幅寸法より短めに設定され、これによって、図5に示すように、フランジ部材443がガイド部材本体31の円弧状ガイド溝33に嵌め込まれた状態で逃し溝34に嵌り込み、先端部が逃し溝34から外部に突出するようになっている。
前記結合片444bには、一対の連結ボルト47がそのボルト本体をボールケース441と反対側に突出させた状態で貫通されている。前記パイロット管推進ユニット50は、これらの連結ボルト47が螺着、かつ、締結されることにより、図2に示すように、一対のガイド部材30間に装着されるようになっている。
図7は、ケーシング41内に設けられたギヤ機構70を説明するための断面視の説明図であり、(イ)は、右側面側から見た図、(ロ)は、前方側から見た図である。図7に示すように、推進用電動機42は、ケーシング41の架設板411に縦置きで立設され、その駆動軸421が架設板411を貫通してケーシング41の上下方向中央部より若干上方位置まで垂下されている。かかる状態でケーシング41内にギヤ機構70が形成されている。
そして、ギヤ機構70は、駆動軸421の下端部に同心で一体に装着された駆動軸側傘歯車71と、この駆動軸側傘歯車71およびスパイラルロッド43間でスパイラルロッド43と直交するようにケーシング41内を横断した中継軸72と、前記駆動軸側傘歯車71と噛合するように中継軸72の左方位置に同心で一体に装着された中継軸側傘歯車73と、前記中継軸72の幅方向中央部に中継軸72と同心で一体に形成されたウォームギヤ74と、このウォームギヤ74に噛合するようにスパイラルロッド43に同心で一体に装着されたピニオン75とを備えて構成されている。
したがって、推進用電動機42の駆動で駆動軸421が軸心回りに回転すると、この回転は、駆動軸側傘歯車71、中継軸側傘歯車73およびウォームギヤ74を介して減速状態でピニオン75に伝達され、これによってスパイラルロッド43が軸心回りに回転することになる。
前記パイロット管推進ユニット50は、図1に示すように、直方体状を呈したハウジング(ユニット本体)51と、このハウジング51の天板511上に縦置きで据え付けられた、パイロット管80を軸心回りに回転させるための回転用電動機(回転ユニット用電動機)52と、この回転用電動機52の駆動で図略のギヤ機構を介して軸心回りに回転する回転軸(推進移動部)53とを備えて構成されている。回転軸53の前端面にパイロット管80が同心で装着されるようになっている。
前記ハウジング51は、幅寸法が一対のガイド部材30間の内寸法より若干短めに設定されているとともに、前後寸法が基体20の前板21および後板22間の内寸法の略5分の1に設定され、これによって一対のガイド部材30間に装着された状態で前後動し得るようになっている。
かかるハウジング51の幅方向一対の側板512には、回転軸53の軸心と略同一高さ位置に前記ボールナット部材44の結合片444bに設けられた一対の連結ボルト47に対応する一対のボルト孔54がそれぞれ螺設され、これらのボルト孔54に連結ボルト47を螺着して締結することにより、パイロット管推進ユニット50が、図2に示すように、基体20の一対のガイド部材30間に装着された状態になるようにしている。
因みに、本実施形態においては、パイロット管推進ユニット50のハウジング51の前面側における回転軸53より下方位置に、図1および図3に示すように、前方に向かって突設されたパイロット管支持台55が設けられている。このパイロット管支持台55は、パイロット管80を回転軸53に対して着脱操作するに際し、パイロット管80を仮置きするためのものであり、かかるパイロット管支持台55の存在でパイロット管80の回転軸53に対する着脱操作を容易に行い得るようにしている。
なお、ハウジング51内には、回転用電動機52の駆動を回転軸53に伝達するためのギヤ機構が設けられているが、このギヤ機構は、先の推進機構40用のギヤ機構70(図7)と同様の構造であるため説明を省略する。
以下、図8を基に、必要に応じて図1および図2を参照しながらトグルクランプ60について説明する。図8は、トグルクランプ60を示す図であり、(イ)は、側面図であってパイロット管80のクランプが解除された状態、(ロ)は、同パイロット管80がクランプされた状態をそれぞれ示している。また、(ハ)は、トグルクランプ60の正面図である。
これらの図に示すように、トグルクランプ60は、パイロット管推進ユニット50に装着されたパイロット管80の先端側を支持するものであり、基体20の装着板25(図1)に装着される側面視でL字形状を呈したガイド体61と、このガイド体61にガイドされつつ昇降可能に装着された昇降体62と、前記ガイド体61に装着された下部ガイドローラ(パイロット管挟持部材)63と、この下部ガイドローラ63と上方で対向するように前記昇降体62に装着された上部ガイドローラ(パイロット管挟持部材)64と、これら上下のガイドローラ63,64に挟持されたパイロット管80をクランプする(パイロット管80の挟持状態を維持する)クランプ構造(操作手段)65とを備えて構成されている。
前記ガイド体61は,その下部で前後幅が幅広に寸法設定された幅方向一対の基部611と、各ガイド体61の前方上面から上方に向かって延設された前後幅寸法が基部611の略1/2の幅方向一対の長尺ガイド板612とからなっている。前記一対の基部611は、それぞれ互いに平行に底板601上に立設されている。前記下部ガイドローラ63は、一対の基部611間における長尺ガイド板612より後方位置の上部に架設された下部ローラ軸631回りに回転自在に軸支されている。
前記昇降体62は、ガイド体61の長尺ガイド板612に摺接状態で外嵌された幅方向一対の被ガイド角筒621と、各被ガイド角筒621の後端縁部から後方に向けて延設された幅方向一対の上部ローラ支持板622と、これら一対の上部ローラ支持板622の上縁部間に架設された連結板623とを備えている。前記上部ガイドローラ64は、一対の連結板623間に架設された上部ローラ軸641回りに回転自在に軸支されている。
そして、各連結板623には、各下縁部から下方に向けて突設された支持ロッド624がそれぞれ設けられている一方、前記ガイド体61の各基部611には支持ロッド624が摺接状態で嵌挿される上下方向に延びた嵌挿孔613がそれぞれ穿設されているとともに、各嵌挿孔613にコイルスプリング614がそれぞれ内装されている。かかる一対のコイルスプリング614の付勢力によって、クランプ構造65の後述する操作レバー67がクランプ解除姿勢に姿勢設定された状態で昇降体62は、図8の(イ)に示すように、上方位置に位置設定される一方、操作レバー67がクランプ姿勢に姿勢設定された状態で、昇降体62は、図8の(ロ)に示すように、コイルスプリング614の付勢力に抗して下方位置に位置設定される。
前記下部ガイドローラ63は、図8の(ハ)に示すように、径寸法が軸心方向の中央位置で最小に設定されているとともに、左右に向かうに従って漸増するように鼓状に形成され、正面視における上下の輪郭線がパイロット管80の周面に沿うように曲率半径がパイロット管80の半径と略同一に設定されている。従って、パイロット管80は、下部ガイドローラ63上に載置されることによりその周面に略密着することになる。
また、前記上部ガイドローラ64は、下部ガイドローラ63と同一形状に設定されている。従って、昇降体62が下方位置に位置設定されることにより、下部ガイドローラ63上のパイロット管80は、その周面が上下のガイドローラ63,64の周面に略密着した状態になり、これによってパイロット管80は上下のガイドローラ63,64によって四方に対して安定した状態で支持されることになる。
前記クランプ構造65は、一対の長尺ガイド板612の後方縁部間に架設された支持板615の後面側に固定されるブラケット66と、このブラケット66に回動自在に取り付けられた操作レバー67と、この操作レバー67の基端側に回動自在に取り付けられたC字形状を呈するC字状中間体68と、このC字状中間体68と前記連結板623との間に介設される連結ロッド69とを備えて構成されている。
前記ブラケット66は、側面視でコ字状(図8では逆コ字状)に設定されており、コ字状の縦線に当るブラケット本体661と、このブラケット本体661の上端部から後方に向かって斜め上方に延びるように突設された操作レバー67が連結される上部突片662と、ブラケット本体661の下端部から後方に向けて水平に突設された連結ロッド69が貫通される下部突片663とからなっている。
前記操作レバー67は、レバー本体671と、このレバー本体671の基端側で当該レバー本体671を挟持した幅方向一対の挟持板672とからなっている。挟持板672は、ブラケット本体661の後方に位置したレバー本体671から上部突片662へ向かうようにレバー本体671に付設されている。かかる挟持板672は、上部突片662の先端を幅方向に貫通した上部支軸664回りに回動自在に軸支されている。
上記C字状中間体68は、後方に向けて膨出するように方向設定されている。かかるC字状中間体68は、上端部が幅方向一対の挟持板672間に挟持された状態で、一対の挟持板672を貫通した中間支軸665回りに回動自在に軸支されているとともに、下端部が、二つ割れになった連結ロッド69の上端部の装着溝内に嵌り込んだ状態で連結ロッド69の二つ割れ部分を幅方向に貫通した下部支軸666回りに回動自在に軸支されている。
そして、前記ブラケット66、操作レバー67、C字状中間体68および連結ロッド69間の相対的な位置関係は、操作レバー67が上部支軸664回りに反時計方向に回動操作されることにより、図8の(イ)に示すように、レバー本体671が後方に向かって斜め上方に延びるクランプ解除姿勢に姿勢設定されるとともに、昇降体62がパイロット管80のクランプを解除した上方位置に位置設定される一方、操作レバー67が上部支軸664回りに時計方向に回動操作されることにより、図8の(ロ)に示すように、レバー本体671が後方に向けて斜め下方に延びるクランプ姿勢に姿勢設定されるとともに、昇降体62が下降してパイロット管80が上下のガイドローラ63,64に挟持された下方位置に位置設定されるようになされている。
また、前記レバー本体671が、図8の(ロ)に示すように、クランプ姿勢に姿勢設定された状態では、前記上部支軸664および下部支軸666の各軸心は、一点鎖線で示す鉛直線L上に位置するのに対し、中間支軸665の軸心は僅かに鉛直線Lより前方に位置し、これによってコイルスプリング614の付勢力でC字状中間体68にはブラケット66回りに反時計方向に向かうモーメントが作用するようになっている。従って、レバー本体671がクランプ姿勢に姿勢設定されると、レバー本体671をクランプ解除姿勢に姿勢変更しない限りパイロット管80に対する上下のガイドローラ63,64によるクランプ状態が解消されることはない。
かかるトグルクランプ60によれば、レバー本体671がクランプ解除姿勢に姿勢設定された状態(この状態はコイルスプリング614の付勢力によって維持される)で、パイロット管80を一対の長尺ガイド板612間に通し、その後端部をパイロット管推進ユニット50の回転軸53に装着し、引き続きレバー本体671を下方に向けて上部支軸664回りに回動操作することにより、昇降体62は、中間支軸665、C字状中間体68、下部支軸666および連結ロッド69を介しコイルスプリング614の付勢力に抗して下降するため、トグルクランプ60を貫通したパイロット管80は、上下のガイドローラ63,64によってクランプされることになる。
そして、パイロット管80が上下のガイドローラ63,64にクランプされた状態では、パイロット管80の上下左右への移動は規制されるのに対し、上下のガイドローラ63,64の回転によってパイロット管80の前後方向への移動は許容される。これによってパイロット管80は、先端が振れることなく安定した状態で前進し得るようになる。
図9は、パイロット管80の一実施形態を示す図であり、(イ)は斜視図、(ロ)は側面図、(ハ)はパイロット管80が連結された状態を示す側面図である。なお、図9の(イ)では、パイロット管80の各端面を示すために、パイロット管80の前端部および後端部の双方を紙面の表面側に向けた状態にしている。また、図9におけるX、Yによる方向表示は図1の場合と同様である。
まず、図9の(イ)および(ロ)に示すように、パイロット管80は、円筒状のパイロット管本体81と、このパイロット管本体81の前後の端面から同心で外方に向かって突設された前後方向一対の括れ管部82と、前端側の括れ管部82の端部に同心で形成された前端側フランジ83と、後端側の括れ管部82の端部に同心で形成された後端側フランジ84と、前記前端側フランジ83から同心で外方に向かって突設された突設管85とを備えた基本構成を有している。
前記前後のフランジ83,84は、外径寸法が同一で、かつ、パイロット管本体81および括れ管部82の中間の外径寸法に設定されている。また、前記突設管85は、外径寸法が括れ管部82のそれより若干短めに設定されている。
そして、前端側フランジ83の前端面には、互いに対向した位置(180°位相がずれた点対称位置)に突設管85の周面から径方向に外方に向かって突設された直方体状の一対の係止突起(接続凸部)831が設けられている。
一方、前記後端側フランジ84には、その端面に前記前端側フランジ83の係止突起831に対応した一対の係止凹溝(接続凹部)841が凹設されているとともに、適所には周面から軸心に向かって穿設された所定個数の貫通孔842が穿設されている。かかる後端側フランジ84およびこれに続く括れ管部82の内径寸法は、前記突設管85の外径寸法より僅かに大きく設定されている。
従って、一のパイロット管80の突設管85を他の突設管85の後端側フランジ84に内嵌した上で周方向に位置合せを行うことにより、前端側フランジ83の係止突起831が後端側フランジ84の係止凹溝841に嵌り込み(噛合し)、これによって一のパイロット管80と他のパイロット管80とが回り止め状態で互いに連結される。
そして、突設管85には、2本のパイロット管80が互いに接合された状態で後端側フランジ84の貫通孔842に対応した位置にねじ孔851が螺設され、前記貫通孔842を介してねじ86をねじ孔851に螺着し締結することにより、2本のパイロット管80は、図9の(ハ)に示すように、互いに抜止め状態で連結されることになる。
図10は、パイロット管推進ユニット50の回転軸53のパイロット管80に対する連結構造を示す斜視図であり、(イ)は、パイロット管80が回転軸53に連結される直前の状態、(ロ)は、パイロット管80が回転軸53に連結された状態をそれぞれ示している。図10の(イ)に示すように、回転軸53の連結構造は、先のパイロット管80における前端側フランジ83のものと基本的に同様であり、回転軸53の端面から同心で突設された突設管531と、この突設管531の外周面の点対称位置から径方向の外方に向かって突設された一対の係止突起532とを備えて構成されている。前記突設管531の外径寸法は、パイロット管80の突設管85の外径寸法と同一に設定されているとともに、回転軸53の係止突起532は、パイロット管80の係止突起831と同一に形状設定されている。
また、突設管531は、外径寸法が前記パイロット管80の突設管85と同一に設定されているとともに、その外周面にはパイロット管80の後端側フランジ84に穿設された貫通孔842に対応した位置にねじ86が螺着されるねじ孔533が螺設されている。したがって、パイロット管80は、後端側フランジ84が回転軸53の突設管531に外嵌され、かつ、後端側フランジ84の係止凹溝841が回転軸53の係止突起532に外嵌された状態で、ねじ86を後端側フランジ84の貫通孔842を介して回転軸53の突設管531のねじ孔533に螺着、かつ、締結することにより、パイロット管80が、図10の(ロ)に示すように、回転軸53に一体回転可能に連結されることになる。
図11は、到達坑に到達したパイロット管80と埋設しようとする塩ビ管Pとの間に介設される圧接部材90の一実施形態を示す図であり、(イ)は一部切欠き斜視図、(ロ)は側面視の断面図である。なお、図11におけるX、Yによる方向表示は図1の場合と同様である。圧接部材90は、到達坑に到達したパイロット管80の前端縁部と、これから埋設しようとする塩ビ管Pとの間に同心で介設されるものである。
かかる圧接部材90は、図11に示すように、前後方向に長尺の中心軸91と、この中心軸91の略中央位置に外嵌される、後方に向かって先細りに形状設定された円錐体92と、前記中心軸91における円錐体92から前方に突出した部分(後述の回転筒体装着部915)に同心で外嵌された回転筒体93と、この回転筒体93に外嵌、かつ、螺着された、塩ビ管Pを装着するための塩ビ管装着筒体94と、中心軸91の後端部に同心で外嵌される、パイロット管80を連結するための連結筒体95とを備えた基本構成を有している。
前記中心軸91には、前後方向の略中央位置に他の部分より若干大径に設定された円錐体装着部911が形成されている。この円錐体装着部911の後方には、環状括れ溝912を介して円錐体装着部911より若干小径に設定された小径部913が形成されている。この小径部913のさらに後方に当該小径部913より小径の連結筒体装着部914が形成されている。さらに、中心軸91における円錐体装着部911より前方には、円錐体装着部911より小径の回転筒体装着部915が形成されている。
前記円錐体装着部911の後端部には、後方に向かって先細りに形成された環状傾斜部911aが設けられている一方、前記円錐体92には、かかる環状傾斜部911aを備えた円錐体装着部911に対応するように軸心方向に向けて同心で穿設された装着孔921が貫設され、中心軸91を後端側からこの装着孔921に差し通すことによって、図11の(ロ)に示すように、円錐体92が前方への抜止め状態で中心軸91の円錐体装着部911に装着されるようになっている。
また、円錐体装着部911の周面には、前後方向に長尺で真っ直ぐなキー突起911bが突設されている一方、円錐体92の内周面にはキー突起911bに対応した図略のキー凹部が凹設され、キー突起911bがこのキー凹部に嵌り込むことによって円錐体92が回り止め状態で円錐体装着部911に装着されるようになっている。
そして、円錐体92が中心軸91の円錐体装着部911に装着された状態で、内周面の一部が前記環状括れ溝912に嵌り込むように形状設定されたCリング96を環状括れ溝912に外嵌した上で当該Cリング96を円錐体92の後端面にねじ止めすることにより、円錐体92は、前後方向に抜止め状態で円錐体装着部911に装着されるようになっている。前記回転筒体93は、ベアリングBに外嵌される筒体本体931と、この筒体本体931の前後の端部に同心で形成された同一径寸法の前後方向一対の環状板932とからなっている。各環状板932は、外径寸法が円錐体92の最大外径寸法より若干小さめに設定されている。
一方、中心軸91の回転筒体装着部915には、前後端部にそれぞれベアリングBが外嵌されている。そして、回転筒体装着部915における後方側のベアリングBと前方側のベアリングBとの間にはブッシュ97が外嵌されているとともに、回転筒体装着部915の前端面には、当該回転筒体装着部915より若干大径の抜止め円板98が同心でねじ止めにより固定され、これによって前後一対のベアリングBは、回転筒体装着部915から抜止めされるようになっている。
前記塩ビ管装着筒体94は、塩ビ管Pを装着するためのものであり、外径寸法が円錐体92の最大外径寸法と等しいか僅かに小さめに設定されている。かかる塩ビ管装着筒体94は、後半部分に内径寸法が前記環状板932の外径寸法より僅かに大きく設定された接合部941が形成され、この接合部941を一対の環状板932に外嵌した上で溶接止めすることによって塩ビ管装着筒体94が回転筒体93に固定されるようになっている。また、塩ビ管装着筒体94の前端部には、塩ビ管Pが外嵌、かつ、螺着される雄ねじ部942が形成されている。
前記連結筒体95は、パイロット管80を圧接部材90に連結するためのものであり、基本的にパイロット管80の後端側と同様の連結構造が採用されている。かかる連結筒体95は、中心軸91の連結筒体装着部914に同心で外嵌される中心軸側装着部951と、パイロット管80の突設管85に外嵌されるパイロット管側装着部952とからなっている。
前記中心軸側装着部951は、内径寸法が中心軸91の連結筒体装着部914の外径寸法より僅かに大きく設定され、これによって連結筒体装着部914に摺接状態で外嵌し得るようになっている。これに対しパイロット管側装着部952は、内径寸法が中心軸側装着部951の内径寸法より若干大径で、かつ、パイロット管80(図9)の突設管85が摺接状態で嵌入し得るように内径寸法が設定されている。かかる連結筒体95は、前板21の連結筒体装着部914に外嵌された状態でねじ止めされることにより中心軸91に固定されるようになっている。
そして、このような連結筒体95のパイロット管側装着部952の後端面には、パイロット管80の前端側に設けられた一対の係止突起831に対応する一対の係止凹部953が凹設されている。したがって、パイロット管80の突設管85を連結筒体95のパイロット管側装着部952に嵌入した上で周方向に位置合せを行って係止突起831を係止凹部953にはめ込むことによって圧接部材90が回り止め状態でパイロット管80の先端に接合される。この接合状態において、連結筒体95のパイロット管側装着部952と突設管85とをねじ止めすることにより、圧接部材90がパイロット管80に一体に連結されることになる。
図12は、塩ビ管Pの一実施形態を示す図であり、(イ)は、一部切欠き側面図、(ロ)は、一の塩ビ管Pと他の塩ビ管Pとが連結された状態を示す一部切欠き側面図、(ハ)は、塩ビ管Pが圧接部材90に連結された状態を示す一部切欠き側面図である。
図12の(イ)に示すように、塩ビ管Pには、一方の端部の内周面に雌ねじの螺設された雌ねじ部P1が形成されているとともに、他方の端部の外周面に前記雌ねじ部P1に対応する雄ねじの螺設された雄ねじ部P2が設けられている。
したがって、一の塩ビ管Pの雌ねじ部P1を他の塩ビ管Pの雌ねじ部P1に螺着して締結することにより、図13の(ロ)に示すように各塩ビ管Pが互いに連結される。また、雌ねじ部P1を圧接部材90における塩ビ管装着筒体94の雄ねじ部942に螺着して締結することにより、塩ビ管Pが、図13の(ハ)に示すように、圧接部材90に連結されることになる。
図13は、ドリルヘッド100の一実施形態を示す図であり、(イ)は斜視図、(ロ)はドリルヘッド100がパイロット管80に連結された状態を示す一部切り掻き側面図である。図13に示すように、ドリルヘッド100は、土中でパイロット管80を前進させるためにパイロット管80の先端に連結されるものであり、外径寸法がパイロット管本体81のそれと略同一に径設定された円柱状のドリルヘッド本体101と、このドリルヘッド本体101の先端側に形成された切刃部102と、同基端側に形成された連結部103とを備えている。
前記切刃部102は、本実施形態においてはドリルヘッド本体101の先端側が先細りになるように斜めに切断されることにより傾斜面102aを備えて形成されている。かかる切刃部102は、軸心回りに回転しながらパイロット管80の土中での直進性を維持しつつ前進していくことになる。また、切刃部102が土中の岩石等の異物と干渉することにより一の方向への回転で回転用電動機52の駆動トルクが増大したとき、回転用電動機52を逆駆動させることで(すなわち切刃部102を逆回転させることで)前記トルクの増大を解消することができ、これによってパイロット管80の前進操作を確保することができる。
前記連結部103の基端側の端部には、端面から同心で切削されることによって凹設された、パイロット管80の突設管85が嵌入される嵌入孔104(図13の(ロ))が設けられているとともに、パイロット管80の一対の係止突起831に対応した一対の係止凹部105(図13の(イ))が設けられている。そして、嵌入孔104に突設管85が差し込まれ、かつ、係止凹部105に係止突起831が嵌り込んだ状態で、周面から連結部103と突設管85とをねじ止めすることによってドリルヘッド100がパイロット管80に一体的に連結されるようになっている。
そして、本発明の塩ビ管Pの埋設方法は、まず、土中に掘削された縦穴である発進坑H1から同到達坑に向けて塩ビ管引戻し埋設装置10の押し出し駆動でパイロット管80を継ぎ足しながら先頭のドリルヘッド100の回転進行で誘導孔を開け、引き続きパイロット管80の先頭のドリルヘッド100を圧接部材90と交換するとともに、この圧接部材90に塩ビ管Pを連結し、今度は塩ビ管引戻し埋設装置10の引き戻し駆動で圧接部材90により誘導孔の内周面を圧接しながら拡径しつつ塩ビ管Pを継ぎ足しながら土中に埋設していくものである。
以下、上記のように構成された塩ビ管引戻し埋設装置10を用いて土中に塩ビ管Pを埋設する埋設方法の一実施形態について図14〜図16を基に説明する。図14〜図16は、塩ビ管Pの埋設方法を説明するための説明図である。
そして、図14の(イ)は塩ビ管引戻し埋設装置10を発進坑H1内に吊り降ろしつつある状態、図14の(ロ)は塩ビ管引戻し埋設装置10が発進坑H1の低部に据え付けられた状態、図14の(ハ)はパイロット管80の先端にドリルヘッド100が装着された状態、図14の(ニ)は誘導孔が穿孔されつつある状態をそれぞれ示している。
また、図15の(イ)はドリルヘッド100が到達坑H2に到達した状態、図15の(ロ)は到達坑H2内で圧接部材90がドリルヘッド100と交換された状態、図15の(ハ)は最初の塩ビ管Pを圧接部材90に連結されて引き込み操作が開始された状態をそれぞれ示している。
さらに、図16の(イ)は複数の塩ビ管Pが順次継ぎ足されながら誘導孔に引き込まれつつある状態、図16の(ロ)は最初の塩ビ管Pが発進坑H1に到達した状態、図16の(ハ)は発進坑H1と到達坑との間に塩ビ管Pが埋設された状態をそれぞれ示している。
土中に塩ビ管Pを埋設するに際しては、予め埋設の始点位置に発進坑H1が掘削されるとともに、埋設の終点位置に到達坑H2が掘削される。その後、図14の(イ)に示すように、塩ビ管引戻し埋設装置10がクレーン車等の所定の作業機械によって発進坑H1内に吊り降ろされ、図14の(ロ)に示すように、発進坑H1の底部に据え付けられる。この据え付けに際し、塩ビ管引戻し埋設装置10の後端部と発進坑H1の後方壁との間に金属製の後方反力板11が介設されるとともに、塩ビ管引戻し埋設装置10の前端部と発進坑H1の前方壁との間に前方反力板12が介設される。前記後方反力板11は、推進用電動機42の駆動でパイロット管80を土中に推進させたときに塩ビ管引戻し埋設装置10に加わる反力を受けるためのものであり、前方反力板12は、塩ビ管Pを引戻すときに塩ビ管引戻し埋設装置10に加わる反力を受けるためのものである。
ついで、図14の(ハ)に示すように、前端にドリルヘッド100の連結されたパイロット管80が塩ビ管引戻し埋設装置10におけるパイロット管推進ユニット50の回転軸53(図1)に連結され、その前端側がトグルクランプ60によって支持される。この際に、ドリルヘッド100の嵌入孔104の奥部に発光素子等からなる発光部材131(図17)が装着される。この発光部材131が照射した光は、パイロット管推進ユニット50のハウジング51後方に設けられた図略の撮像素子によって検出されるようになっている。したがって、撮像素子が発光部材131からの光をどの位置で受光するかによってパイロット管80が直進しているか否かを監視することができるようにしている。
そして、パイロット管80の発進準備が整うと、回転用電動機52および推進用電動機42を駆動させる。これらの駆動でドリルヘッド100はパイロット管80を介して回転用電動機52の駆動で回転しながら、推進用電動機42の駆動によるスパイラルロッド43およびボールナット部材44を介したパイロット管推進ユニット50の前進で土中に切り込んでいき、これによって、図14の(ニ)に示すように、土中に誘導孔H3が穿孔されていくとともに、パイロット管80が誘導孔に圧入されていく。
なお、このパイロット管80の土中への圧入操作は、パイロット管推進ユニット50が可動範囲における前進限位置に到達すると、ここで一旦推進用電動機42および回転用電動機52の駆動を停止し、パイロット管80の回転軸53(図1)に対する連結を解除した上で推進用電動機42を逆駆動してパイロット管推進ユニット50を後退限位置にまで引き戻し、この状態で新たなパイロット管80の後端部を回転軸53に連結するとともに、同前端部を先のパイロット管80に連結し、再度パイロット管推進ユニット50を前進限位置まで前進させるというパイロット管80の継ぎ足し操作を繰り返す。こうすることによって、図14の(ニ)に示すように、複数のパイロット管80が継ぎ足されながら土中を前進していく。
そして、図15の(イ)に示すように、先頭のパイロット管80が到達坑H2に到達することにより発進坑H1および到達坑H2間の土中に誘導孔H3が貫通すると、ドリルヘッド100がパイロット管80から取り外され、その後、図15の(ロ)に示すように、先頭のパイロット管80の前端部に圧接部材90が連結され、当該圧接部材90が推進用電動機42の逆駆動で土中に略30cm程度引き込まれた状態で、図15の(ハ)に示すように、塩ビ管Pが圧接部材90に連結される。因みに、到達坑H2の底部には、圧接部材90に連結される塩ビ管Pを支持するためのガイドスタンド13が設けられ、このガイドスタンド13に塩ビ管Pを支持させることによって塩ビ管Pの圧接部材90に対する連結作業が容易に行われ得るようになされている。
このような最初の塩ビ管Pの圧接部材90に対する連結作業に先立って、地上の適所に水流供給装置14が仮設される。この水流供給装置14は、水流をホース15(図16の(イ))を介して塩ビ管P内に送込み、先端の圧接部材90の周面から誘導孔H3内に噴出させるものである。かかる主流の噴出を行うためには、圧接部材90の周面に所定個数の水流噴出孔を穿設しておく必要がある。
さらに本実施形態においては、連結用鋼棒16の先端が圧接部材90内に固定された状態で塩ビ管Pが当該連結用鋼棒16に遊嵌されるとともに、塩ビ管Pの基端外方でこの連結用鋼棒16に塩ビ管Pより大径の押し輪17が固定される。かかる連結用鋼棒16および押し輪17は、後に直列に連結される複数の塩ビ管Pが土中を発進坑H1に向けて引き戻されるときに互い同士および圧接部材90から外れないようにするためのものである。なお、かかる連結用鋼棒16を採用する場合には、圧接部材90の構造をそれに対応し得るものにしておく必要がある。
ついで、図16の(イ)に示すように、水流供給装置14からの水流を圧接部材90内に供給しつつ回転用電動機52を駆動させながら推進用電動機42を逆駆動させる。これによるパイロット管推進ユニット50の後退でパイロット管80が軸心回りに回転しながら発進坑H1へ引き戻され、これによって圧接部材90も回転しながら(但し塩ビ管Pは回転しない状態で)引き戻される。この引き戻し操作において、圧接部材90の外周面から噴出される水流によって誘導孔H3の孔壁が軟化させられた状態で、圧接部材90は、その円錐体92の環状傾斜面92によって軟化した誘導孔H3の内周面を径方向に外方に向けて圧接するため、誘導孔H3は容易に拡径して塩ビ管Pが通り易くなる。
そして、1本のパイロット管80が塩ビ管引戻し埋設装置10へ引き戻されると、このパイロット管80がこれに続くパイロット管80から取り外されるとともに、最前端の塩ビ管Pに新たな塩ビ管Pが接続されるとともに連結用鋼棒16も継ぎ足され、このような操作が繰り返されることによって、図16の(ロ)に示すように、塩ビ管Pが到達坑H2から発進坑H1に向けて土中を貫通する。
ついで、発進坑H1内に敷設された塩ビ管引戻し埋設装置10や後方反力板11、前方反力板12等を発進坑H1から撤去するとともに、到達坑H2内に敷設されたガイドスタンド13を撤去し、さらに地上設置の水流供給装置14を撤去することによって、図16の(ハ)に示すように、発進坑H1および到達坑H2間の土中への塩ビ管Pの埋設作業が終了する。
そして、本実施形態における本発明に係る誘導孔貫通工程は、図14の(ハ)に示す塩ビ管引戻し埋設装置10の駆動開始から、図15の(イ)に示すパイロット管80の発進坑H1および到達坑H2間土中貫までの工程のことであり、同通被埋設管引込み工程は、図14の(ロ)に示す圧接部材90のパイロット管80への連結から図16の(ロ)に示す塩ビ管Pの到達坑H2および発進坑H1間土中貫通までの工程のことである。
以下、図17および図18を基にパイロット管80の推進制御について説明する。図17は、パイロット管80の推進制御の一実施形態を示すブロック図であり、図18は、先頭のパイロット管80に内装された発光部材131の発光位置を表示するモニタ装置132の一実施形態を模式的に示す説明図である。
図17に示すように、塩ビ管引戻し埋設装置10(図2)は、パイロット管80の推進操作を制御するためのマイクロコンピュータからなる制御部110を有している。この制御部110には、記憶装置であるROM(read only memory)120およびRAM(random access memory)123が接続されている。ROM121は、制御部110が行う推進制御用等のプログラムや、その制御に要求される各種のデータを記憶するものである。また、RAM123は、制御部110が行う演算処理等で生じたデータを一時的に記憶するものである。
前記制御部110は、パイロット管80の推進中における推進用電動機42の回転負荷トルクを検出する推進負荷検出部111と、パイロット管80の推進力を制御する推進力制御部112と、パイロット管80を回転させるための回転用電動機52の回転負荷トルクを検出する回転負荷トルク検出部113と、パイロット管80の回転力や回転方向を制御する回転力制御部114と、パイロット管80の回転位相を検出するための必要に応じて採用される回転位相検出部115と、パイロット管80の推進方向を制御する推進方向制御部116とを備えている。
前記推進負荷検出部111は、推進用電動機42に供給される電流値の変化を推進負荷トルクの変化として検出するものである。推進負荷検出部111が検出した推進用電動機42の推進負荷は、推進力制御部112へ向けて出力される。
前記推進力制御部112は、推進負荷検出部111から入力された推進用電動機42の推進負荷値に応じてパイロット管80を所定の推進速度に切り換えるために推進用電動機42へ供給される電力を増減させるもので、出力部に電力増減のための図略のインバータ回路を備えている。そして、インバータ回路から推進用電動機42の図略の駆動回路に駆動信号(電力)が出力されるようになっている。そのために前記ROM120には、推進用電動機42の推進負荷トルクTと負荷電流IRとの関係をテーブルにした推進用電動機用T−IR特性テーブル121が記憶され、推進力制御部112は常にこの特性テーブル121を参照し、推進負荷検出部111が検出した推進負荷トルクと対応する負荷電流を出力するべくインバータ回路のオンデュ−ティティを変更するようにしている。
このように推進用電動機42をインバータを介して駆動制御することにより、高速推進時での所要トルクを得ることができる他、低速推進時での高トルクを得ることができるので、負荷が大きくなっても低速での確実な推進が可能になる。また、このような構成とすることで逆に引き戻し時(パイロット管80の引き戻しによる圧接部材90を介した塩ビ管Pの埋設時)においても、引き戻し速度に対して同様に所要のトルクを得ることができる。
そして、推進用電動機42の推進負荷が大きくなると、そのときのトルクに対応するT−IR特性テーブル121から読み取られた電流が実質的にインバータ回路を介して推進用電動機42に供給され、これによる推進用電動機42の高出力でパイロット管80の推進速度が維持される一方、推進用電動機42の推進負荷が小さくなると、推進用電動機42へ供給される電流値が減らされてパイロット管80の推進速度は維持される。
前記回転負荷トルク検出部113は、回転用電動機52に供給される電流値に応じてパイロット管80を回転させつつある回転用電動機52の回転負荷トルクを検出するようになっている。回転負荷トルク検出部113が検出した回転用電動機52の回転負荷トルクは、回転力制御部114へ向けて出力される。
一方、本実施形態においては、前記回転力制御部114による制御に関し、インバータ回路を設けない方式が採用されている。その理由は、回転の場合、推進の場合のような大きな負荷変動が生じないからである。そして、回転力制御部114は、回転負荷トルク検出部113から入力された回転用電動機52の回転負荷トルク値に応じてパイロット管80を所定の回転速度に切り換えるために回転用電動機52へ供給される電力を増減させるような制御信号を出力するようになっている。そのために前記ROM120には、回転用電動機52の回転負荷トルクTと負荷電流IRとの関係をテーブルにした回転用電動機用T−IR特性テーブル122が記憶され、回転負荷トルク検出部113は常にこの特性テーブル122を参照し、回転負荷トルク検出部113が検出した回転負荷トルクと対応した負荷電流を出力するようになっている。
したがって、回転用電動機52の回転負荷が大きくなると、そのときのトルクに対応するT−IR特性テーブル122から読み取られた電流が回転用電動機52に供給され、これによる回転用電動機52の高出力でパイロット管80の回転速度が維持される一方、回転用電動機52の回転負荷が小さくなると、回転用電動機52へ供給される電流値が減らされてパイロット管80の回転速度は維持されることになる。
そして、特に回転力制御部114の場合、パイロット管80の先端のドリルヘッド100が例えば土中に混ざった岩石等の異物と干渉することによって回転用電動機52の回転負荷トルクが予め設定された上限トルクを越えると、回転用電動機52を逆駆動させるための制御信号が出力され、これによる回転用電動機52の逆駆動でパイロット管80を逆回転させるようになされている。かかるドリルヘッド100の回転方向の変更でパイロット管80を正常な回転速度に回復させ得るようにしている。
前記回転位相検出部115は、パイロット管推進ユニット50の回転軸53に沿って設けられたエンコーダやポテンショメータ等からなる所定の位相センサ130の検出信号に基づいてパイロット管80の位相(基準位置に対する回転角度位置)を検出するものである。この回転位相検出部115により、パイロット管80の回転角度位置が常に検出されるようになされている。
前記推進方向制御部116は、パイロット管80の推進方向を制御するためのものである。この推進方向制御部116によるパイロット管80の推進方向制御のために先頭のパイロット管80内の前端の軸心位置には、所定の発光素子を備えた発光部材131が設けられているとともに、筒状を呈した回転軸53の基端位置には例えばCCD(charge coupled device)を備えてなる図略の撮像素子が発光部材131と対向配置されている。
また、塩ビ管引戻し埋設装置10の適所には、液晶等からなる表示画面133を備えたモニタ装置132が設けられ、前記撮像素子で撮像された光の位置が光点135によって表示画面133上に表示されるようになっている。
そして、図18に示すように、筐体134の前面に設けられた表示画面133には、回転用電動機52の回転軸53に連結されたパイロット管80の軸心と対応する中心位置(目盛原点O)が設定されているとともに、この目盛原点Oを通るように横方向に引かれた横目盛線133xと、目盛原点Oを通り、かつ、横目盛線133xと直交するように引かれた縦目盛線133yが設けられ、表示画面133に表示された光点135に対応する縦横の目盛(横目盛線133xおよび縦目盛線133yの各目盛)を読み取ることによって目盛原点Oからの光点135の変位量と変位方向とを視認し得るようになっている。
なお、表示画面133上には、少なくとも前記目盛原点Oに対応する中心点の表記があれが足り、横目盛線133xおよび縦目盛線133yは必要に応じて表記すればよい。
そして、前記推進方向制御部116は、表示画面133に表示された光点135の変位量と変位方向とに応じて推進用電動機42および回転用電動機52に向けて所定の制御信号を出力し、これによる各電動機42,52の所定の駆動および駆動停止で光点135が目盛原点Oに向かうように(すなわちパイロット管80が掘削予定直線に沿って直進するように)パイロット管80の推進方向が修正される。
以下、推進方向制御部116によるパイロット管80の推進方向の修正制御の一例について説明する。表示画面133には、目盛原点Oを中心とした所定径寸法の円形の許容範囲136が設定され、光点135がこの許容範囲136内に位置しているときには推進方向制御部116から制御信号が出力されることはなく、パイロット管80の推進操作が継続されるのに対し、光点135が、図18に示すように、許容範囲136から外れると、推進方向制御部116は、推進用電動機42および回転用電動機52の電源装置に対して停止信号を出力し、これによって一旦各電動機42,52が停止される。
しして、各電動機42,52が停止された後、推進方向制御部116は、光点135の方向(光点135と目盛原点Oとを結ぶ方向線137)と、横目盛線133xとの間の角度(方向角θ)を算出し、この算出結果に基いて前記回転位相検出部115が検出したパイロット管80の現状の位相に基づいてドリルヘッド100の切刃部102の楕円形を呈した傾斜面102a(図13)の短軸138と前記方向線137とが直交する(すなわち、短軸138と横目盛線133xとによって形成される角度が「90°−θ」になる)とともに、傾斜面102aが誘導孔H3(図15)の内周面側に向くように回転用電動機52に向けて制御信号を出力する。
かかる制御信号による回転用電動機52の駆動で、ドリルヘッド100の切刃部102の傾斜面102aは、誘導孔H3の周面の延長面に対向当接し、かつ、先端部が予め設定された直線状の掘削予定線に向かった状態(表示画面133において目盛原点Oに向かった状態)になる。
この状態で、推進方向制御部116は、回転用電動機52の駆動停止を維持しつつ推進用電動機42に向けてパイロット管推進ユニット50を前進させる制御信号を出力する。これにより非回転状態で前進するドリルヘッド100は、その傾斜面102aが誘導孔H3の最先端の内周面から前記掘削予定線に向かうように案内されるため、これによってドリルヘッド100の掘削予定線からの偏心が修正されることになる。
かかるドリルヘッド100の推進方向の修正は、表示画面133の光点135を目視することによって確認することができる。そして、表示画面133において光点135が目盛原点Oに到達すると(すなわちドリルヘッド100の軸心が掘削予定線と一致すると)、推進方向制御部116は、各電動機42,52が通常の駆動を行う制御信号を出力し、これによって塩ビ管引戻し埋設装置10による誘導孔H3の掘削が再開される。
また、モニタ装置132には、各種の操作ボタンを備えた入力部139が設けられている。この入力部139は、ドリルヘッド100の掘削予定線からの偏心をマニュアル操作で修正するためのものであり、推進方向制御部116による自動制御ではドリルヘッド100の偏心状態が解消されない場合、あるいは当初からマニュアル操作を選択した場合に、モニタ装置132の表示画面133を目視しながらマニュアル操作で各電動機42,52の駆動および停止操作を行うことができる。
そして、入力部139には、自動制御をマニュアル操作に切り替えるための切り換えボタンが設けられ、この切り替えボタンを押釦操作することによって、表示画面133への光点135の表示は継続されたまま、推進方向制御部116による制御が中断される。この状態で、オペレータは、表示画面133を視認しながらマニュアル操作で各電動機42,52の駆動や停止を実行し、トライアンドエラーでドリルヘッド100の推進方向を修正することができる。
このような制御部110を備えた塩ビ管引戻し埋設装置10は、地面に掘削された縦穴である発進坑と同到達坑との間に管を推進させて貫通孔を穿設する貫通孔の穿設装置として、前記発進坑の穴底に据え付けられる基体と、前記基体の中央部に設けられ、前記発進坑から到達坑に向けて管を継ぎ足しながら貫通させるべく、回転しながら進退可能とされた推進移動部を有するパイロット管推進ユニットと、前記推進移動部を進退させるべく前記基体におけるパイロット管推進ユニットの両サイドに設けられた一対の進退機構と、先頭の管に同心で装着されるドリルヘッドと、先頭の管に内装され管の軸心に沿って光を照射する発光部材と、前記発光部材からの光を受光する撮像素子と、前記管の位相を検出する位相センサと、前記ドリルヘッドの穿孔予定直線からの偏心を修正制御する制御部とを備えて構成され、前記ドリルヘッドは、先端が斜めに切断されることによって形成した傾斜面を有する切刃部を有し、前記制御部は、前記撮像素子の受光により前記先頭の管の穿孔予定直線からの偏心を判別したとき、管の回転を一旦停止させた上で前記位相センサの検出信号に基づき前記ドリルヘッドの傾斜面が前記貫通孔となるべき孔の内周面に向かわせる制御信号を出力し、その後、回転停止状態の管を前進させる制御信号を出力するものであることを特徴とする貫通孔の穿設装置と規定することができる。
以上詳述したように、本発明に係る塩ビ管Pの埋設方法は、地面に掘削された縦穴である発進坑H1と同到達坑H2との間に塩ビ管Pを埋設する塩ビ管Pの埋設方法において、前記発進坑H1から到達坑H2に向けて複数のパイロット管80を継ぎ足しながら貫通させることにより誘導孔を設ける誘導孔貫通工程と、前記到達坑に到達したパイロット管80の先端に塩ビ管Pを連結した状態で発進坑H1側のパイロット管80を前記誘導孔から順次引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて新たな塩ビ管Pを先の塩ビ管Pに順次継ぎ足して誘導孔に順次引き込んでいく被埋設管引込み工程とを備えてなるものである。
かかる構成の埋設方法によれば、誘導孔貫通工程において、地面に掘削された発進坑H1から到達坑H2に向けて複数のパイロット管80を継ぎ足しながら貫通させることにより先ず塩ビ管Pを誘導するための誘導孔H3が設けられ、引き続き実行される被埋設管引込み工程において、到達坑H2に到達したパイロット管80の先端に塩ビ管Pを連結した状態で発進坑H1側のパイロット管80を前記誘導孔H3から順次引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて新たな塩ビ管Pを先の塩ビ管Pに順次継ぎ足して誘導孔H3に順次引き込んでいくことにより、複数の塩ビ管Pは、誘導孔H3に沿って順次土中に埋設されていき、最後のパイロット管80を誘導孔H3から引き抜くことによって直列に連結された複数本の塩ビ管Pを到達坑H2と発進坑H1との間の土中に埋設することができる。
このように、一旦発進坑H1から到達坑H2に向けて順次継ぎ足される複数のパイロット管80の進行で誘導孔H3を開けていき、引き続きパイロット管80を引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて到達坑H2から複数の塩ビ管Pを継ぎ足しつつ誘導孔H3に沿って順次埋設していくようになされているため、塩ビ管Pは、周囲の土砂を誘導孔H3の内周面に圧接しながら埋設されていき、これによって塩ビ管Pの誘導孔H3内での移動時に排土が発生することがなく、切削刃を設けなくてもよい分および排土の処理を行わなくてもよい分設備コストおよび運転コストの軽減化に貢献することができる。
しかも、従来の多数連接された複数本の塩ビ管Pの基端部を押圧することによって先端のドリルヘッド100を進行させるものにあっては、押圧源がドリルヘッド100から相当距離離間した状態になっているため、先頭のドリルヘッド100がふらつき、したがって、たとえ予め誘導孔H3が穿孔され、かつ、案内用の誘導管がこの誘導孔H3に貫通されている場合であっても、ドリルヘッド100が対向面の土から受ける反力によって連結された複数の塩ビ管Pに進行方向と直交する方向に向かう力が作用することがあり、これによる摩擦力の増大で塩ビ管Pの進行埋設が困難になるという不都合が生じる。
これに対し、本発明に係る埋設方法にあっては、ドリルヘッド100を誘導孔H3に沿って引き戻すようにしているため、ドリルヘッド100がふらつくようなことは起こらず、しかもドリルヘッド100に続く塩ビ管Pが進行方向に直交する方向へ力を加えるようなことは起こらないため、ドリルヘッド100の進行状態は極めて安定したものになり、これによって従来に比べてより容易、かつ、正確に塩ビ管Pを埋設することができる。
また、パイロット管80の引き抜き作業時にパイロット管80と塩ビ管Pとの間にパイロット管80に向けて先細りになった円錐状のドリルヘッド100が介設されていることにより、パイロット管80を引き抜いていくことにより、誘導孔H3の内周面は、ドリルヘッド100の円錐状の外周面に案内されて順次圧接されていき、塩ビ管Pの誘導孔H3への引き込みを容易、かつ、円滑に行うことができる。
また、本発明に係る塩ビ管引戻し埋設装置10は、発進坑H1の穴底に据え付けられる基体20と、発進坑H1から到達坑H2に向けて複数のパイロット管80を継ぎ足しながら貫通させて誘導孔H3を設けるとともにパイロット管80を引き戻し得るべく回転しながら進退可能に基体20の中央部に設けられたパイロット管推進ユニット50と、このパイロット管推進ユニット50を進退させるべく基体20におけるパイロット管推進ユニット50の両サイドに設けられた一対の推進機構40と、到達坑H2に到達したパイロット管80の先端と埋設されるべき最初の塩ビ管Pとの間に介設されたドリルヘッド100とを備えて構成され、ドリルヘッド100は、一対の推進機構40の後退に応じて誘導孔H3の内周面を径方向の外方に向けて圧接するべく塩ビ管Pからパイロット管80に向けて先細りの円錐状に形成されてなるものである。
かかる塩ビ管引戻し埋設装置10によれば、基体20を発進坑H1の穴底に据え付けた状態で、一対の推進機構40の駆動により基体20の中央部に設けられたパイロット管推進ユニット50を前進させるとともに、管回転ユニットの駆動でパイロット管80を軸心回りに回転させることにより、パイロット管80は、発進坑H1の内壁面から到達坑H2に向けて誘導孔H3を開けながら前進していく。
そして、最初のパイロット管80が土中に埋設され終わると、このパイロット管80を土中に残しパイロット管推進ユニット50を一旦元の位置に後退させた上で次のパイロット管80をパイロット管推進ユニット50に装着し、再度パイロット管推進ユニット50を前進させて次のパイロット管80を先のパイロット管80に連結し、かかる動作を繰り返すことにより複数のパイロット管80が同心で接続された状態で発進坑H1および到達坑H2間に誘導孔H3が形成される。
ついで、到達坑H2内に露出したパイロット管80の先端にパイロット管80に向けて先細りになるように円錐状に形成されたドリルヘッド100を同心で装着するとともに、このドリルヘッド100のパイロット管80と反対側に塩ビ管Pを接続し、この状態で推進機構40の逆駆動によりパイロット管推進ユニット50を引き戻すことにより、ドリルヘッド100は、円錐状の害周面が内周面を圧接しながら穴径を押し広げつつ誘導孔H3に引き入れられていく。
そして、発進坑H1側のパイロット管80が発進坑H1内に引き出された状態で、この引き出されたパイロット管80を一旦取り外した後にパイロット管推進ユニット50を推進機構40の駆動で前進させて次のパイロット管80をパイロット管推進ユニット50に装着し、かかる動作を繰り返すことによって塩ビ管Pが順次誘導孔H3に埋設されていく。引き戻し方向の先頭の塩ビ管Pが発進坑H1内に露出した状態で、塩ビ管Pの埋設作業は終了する。
このように、本発明に係る塩ビ管引戻し埋設装置10を用いることにより、一旦発進坑H1から到達坑H2に向けて順次継ぎ足される複数のパイロット管80の進行で誘導孔H3を開けていき、引き続きパイロット管80を引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて到達坑H2から複数の塩ビ管Pを継ぎ足しつつ誘導孔H3に沿って圧接状態で順次埋設することができるため、塩ビ管Pの誘導孔H3内での移動時に排土が発生することがなく、切削刃を設けなくてもよい分および排土の処理を行わなくてもよい分設備コストおよび運転コストの軽減化に貢献することができる。
そして、推進機構40は推進用電動機42によって駆動されるとともに、パイロット管推進ユニット50は回転用電動機52によって駆動されるようになされているため、これらを油圧機構で駆動させるものに比べて油圧ポンプや電磁弁、さらには油圧配管等の多くの付帯設備を設ける必要がなく、装置のコンパクト化および低廉化に貢献するとともに、弁の開閉などの機械的な動作を介することなく電気信号のみでパイロット管推進ユニット50および推進機構40の駆動制御を行うことが可能になり、より精密な塩ビ管Pの埋設制御を実現することができる。
また、推進機構40は、前記推進用電動機42と、この推進用電動機42の駆動により軸心回りに回転するスパイラルロッド43と、このスパイラルロッド43に噛合したボールナット部材44とを備え、ボールナット部材44がパイロット管推進ユニット50に連結されているため、推進用電動機42の駆動によるスパイラルロッド43の軸心回りの回転によるスパイラルロッド43に螺着したボールナット部材44の進退によって、このボールナット部材44に連結されたパイロット管推進ユニット50は精密に進退することができる。
また、スパイラルロッド43の回転によるスパイラルの周方向の変位は、ボールナット部材44の進退方向に向かう変位に比べて極めて大きいため、その分ボールナット部材44は、スパイラルロッド43を回転させる力に比べて非常に大きな力で進退することができ、非常に大きな力を必要とするパイロット管80の土中への推進および塩ビ管Pに引き戻しに好適に適用することができる。
そして、ナット部材として特にボールナット部材44が採用されているため、ボールナット部材44のボールケース441の内周面とスパイラルロッド43の外周面との間の摩擦は、両者間に存在する鋼球442の転がり摩擦となり、面接触による接触摩擦が作用する雌ねじが採用された通常のナットに比較して極めて小さな摩擦力しか作用せず、これによってスパイラルロッド43からのボールナット部材44に対する動力の伝達効率を格段に向上させることができる。
また、パイロット管推進ユニット50は、ボールナット部材44が固定されるハウジング51に装着された専用の回転用電動機52によってその回転軸53が駆動回転されるため、電動機が推進機構40用のものと共用されている場合に比較し、推進機構40の駆動と独立してパイロット管80を回転させることが可能になり、その分塩ビ管Pの埋設作業の自由度を向上させることができる。
また、回転軸53の先端部には、パイロット管80を同心で一体に連結し得る連結構造(本実施形態ではこの連結構造は、パイロット管80の基端面に偏心状態で凹設された係止凹溝841に嵌り込む係止突起532を備えて構成されている)が設けられているため、パイロット管80は、回転軸53と一体回転するとともに、パイロット管推進ユニット50の後退によって回転軸53から外れるような不都合は生じない。
さらに、基体20には、パイロット管推進ユニット50に装着されたパイロット管80をスパイラルロッド43と平行に支持するトグルクランプ60が設けられているため、パイロット管80は、パイロット管推進ユニット50の回転軸53とトグルクランプ60とによって二点支持がなされ、回転軸53のみにより一点支持されているものに比較して支持状態が安定し、これによって土中に進行したパイロット管80は、土中の異物との干渉で進行方向が振れるような不都合を確実に防止することができる。
加えて、パイロット管80は、一方の端部(基端側の端部)に偏心状態で係止凹溝841が凹設されている一方、他方の端部に係止凹溝841に対応した係止突起831が凸設され、これらの係止凹溝841および係止突起831は、一のパイロット管80と他のパイロット管80とを同心で、かつ、回り止め状態で互いに連結し得るように形状設定されているため、一のパイロット管80の凸部を他のパイロット管80の凹部に順次嵌め合わせていくことにより複数のパイロット管80を正逆一体回転可能に連結することができる。したがって、各パイロット管80を同心でねじ止めすることにより連結する連結方式の場合には、パイロット管80がねじの締結方向に回転されるときは回し締りになるため特に問題が生じないが、逆方向に回転させた場合には両者の締結状態が弛緩するという不都合が生じるが、係止凹溝841に係止突起831を嵌め込む方式ではこのような不都合は生じない。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、被埋設管としてポリビニルクロライド製の塩ビ管Pを例に挙げて説明したが、本発明は被埋設管が塩ビ管Pであることに限定されるものではなく、ポリビニルクロライド以外の合成樹脂材料製のものであってもよいし、鋼管等の金属製の管であってもよい。
(2)上記の実施形態においては、ガイド部材本体31が潤滑性能を備えたポリテトラフルオロエチレン等の強靭でかつ潤滑性能を備えた合成樹脂材料で形成されているが、本発明は、ガイド部材本体31が合成樹脂製であることに限定されるものではなく、金属製であってもよい。但し、ガイド部材本体31を金属製とした場合には、補強カバー32を設ける必要がなくなる反面、ガイド部材本体31の内面側に潤滑油を供給する必要がある。
(3)上記の実施形態においては、圧接部材90は、中心軸91に円錐体92、回転筒体93、塩ビ管装着筒体94および連結筒体95を外嵌することによって形成されているが、こうする代わりに一体物で圧接部材90を構成してもよい。
(4)上記の実施形態においては、回転軸53の端面に係止突起532が設けられているが、こうする代わりにパイロット管80の係止突起831と対応するように係止凹部を設けてもよい。なお、こうした場合には、上記の実施形態とは逆にパイロット管80の基端側に係止突起831が位置し、先端側に係止凹溝841が位置した状態で複数本のパイロット管80が連結されることになるため、パイロット管80の圧接部材90と対向した対向面には係止凹溝841が存在することになる。したがって、圧接部材90の端部に係止凹部953に代えてパイロット管80の係止凹溝841に対応させるべく係止凹部953に買えて係止凸部を設ける必要がある。
(5)上記の実施形態においては、ドリルヘッド100の切刃部102は、ドリルヘッド本体101の先端を斜めに切断することによって形成されているが、本発明は、ドリルヘッド100の切刃部102がドリルヘッド本体101の先端を斜めに切断することによって形成されたものであることに限定されるものではなく、土質や作業状況に応じて円錐状のものや、端面に凹凸が形成されたものなど各種の形態の切刃部を適用することができる。
(6)上記の実施形態においては、トグルクランプ60に設けられる上下のガイドローラ63,64は、径寸法が幅方向の中央部から左右に向けて円弧状に漸増するように設定され、これによってパイロット管80の外周面と線接触するようになされているが、こうする代わりに径寸法が中央部から左右に向けて直線状に漸増するように設定してもよい。こうすることによってパイロット管80は、上下のガイドローラ63,64の周面とバランスよく点接触して当該上下のガイドローラ63,64に支持されることになる。
(7)上記の実施形態においては、回転用電動機52の回転負荷トルクを回転用電動機52へ供給される電流値によって回転負荷トルク検出部113が検出するようにしているが、本発明は、回転用電動機52の回転負荷トルクを電流値によって検出することに限定されるものではなく、回転用電動機52の回転軸53の回転数をエンコーダ等の回転数検出手段によって検出し、この検出結果から回転用電動機52の回転負荷トルクを検出するように構成してもよい。
(8)上記の実施形態においては、先頭のパイロット管80内に発光部材131を装着し、この発光部材131からの光を円筒状の回転軸53の基端面に設けたCCD等を備えた撮像素子によって受光し、この受光結果をモニタ装置132の表示画面133に表示するとともに、この表示結果に基づいて推進方向制御部116によりドリルヘッド100の掘削予定線からの偏心を自動的に修正するようにしているが、こうする代わりに、パイロット管80内に反射鏡を設ける一方、回転軸53の基端側に発光部材および撮像素子の双方を設け、発光部材の発光の反射鏡による反射光を撮像素子で受光してドリルヘッド100の偏心を検出するようにしてもよい。
(9)上記の実施形態においては、先頭のパイロット管80内の発光部材131からの光を撮像素子で受光し、この受光結果に基いて制御部110による自動的なドリルヘッド100の偏心修正が行われるようになされているが、こうする代わりに回転軸53の基端側からトランシットで発光部材131を目視し、この目視によって光点135の中心位置からのずれを読み取り、この読み取り結果に基づくマニュアル操作で推進用電動機42および回転用電動機52の駆動状態を貼設する、いわゆるトランシット方式でドリルヘッド100の偏心を修正するようにしてもよい。
(10)上記の実施形態においては、パイロット管推進ユニット50が一対の推進機構40の駆動で進退するようになされているが、こうする代わりにハウジング51を基体20に固定するとともに、回転軸53をスプライン軸(推進移動部)で構成して回転用電動機52の駆動で軸心回りに回転しながら進退し得るようにし、このスプライン軸を1台の推進機構により同心で進退させるようにしてもよい。
(11)図19は、パイロット管80の連結構造の他の実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、パイロット管80が連結される前の状態、(ロ)は、一部切欠きでパイロット管80が連結された状態をそれぞれ示している。この実施形態においては、端部同士が互いに連接された各パイロット管80をねじ86(図9)で止める代わりに、連結具140を用いて止めるようにしている。連結具140は、端面視で半円状を呈した一対の半円状挟持金具141と、これら一対の半円状挟持金具141によって各パイロット管80の端部同士を挟持した状態で各半円状挟持金具141を係止するCリング145とからなっている。
前記半円状挟持金具141は、曲率外径寸法がパイロット管本体81のそれと同一に設定されているとともに、その内面における曲率中心線の延びる方向の中央部に、パイロット管80の各フランジ83,84の径寸法(各フランジ83,84の径寸法は同一に差っていされている)より僅かに大きい曲率半径を備えた大曲率半径部142を有している。また、この大曲率半径部142の両側部にそれぞれ大曲率半径部142より曲率径寸法が小さい小曲率半径部143が形成されている。
そして、前記各小曲率半径部143は、曲率半径がパイロット管80の括れ管部82の外径寸法より僅かに大きく設定されている。
また、前記大曲率半径部142は、曲率中心線方向の長さ寸法が各フランジ83,84を合せた長さ寸法より僅かに長く設定されているとともに、前記各小曲率半径部143は、同長さ寸法がパイロット管80の括れ管部82の軸心方向の長さ寸法より僅かに短く設定されている。さらに、半円状挟持金具141の外面側には、Cリング145を装着するための周方向に延びる2本の装着溝144が設けられている。
したがって、2本のパイロット管80が互いに連接された状態で、一対の半円状挟持金具141により各フランジ83,84を挟持すると、各大曲率半径部142が各フランジ83,84に外嵌されるとともに、各小曲率半径部143が各括れ管部82の外周面に当接し、これによって各パイロット管80は管心方向に向けて確実に外れ止めされた状態になる。この状態でCリング145を装着溝144に装着することにより、2本のパイロット管80を、図19の(ロ)に示すように、管心方向に対して外れ止め状態で確実に連結することができる。
このように構成された連結具140を用いて複数本のパイロット管80を連結していくことにより、連結された複数本のパイロット管80は、連結部分も含めて全長に亘り同一外径寸法になるため、土中への推進が円滑になる。
なお、かかる連結具140は、パイロット管80同士の連結の他に、パイロット管80と回転用電動機52の回転軸53(図10)との連結、パイロット管80と圧接部材90(図11)との連結、およびパイロット管80とドリルヘッド100(図13)との連結にも適用することができる。
(12)パイロット管80同士の連結、パイロット管80と回転用電動機52の回転軸53(図10)との連結、パイロット管80と圧接部材90(図11)との連結、およびパイロット管80とドリルヘッド100(図13)との連結において、連結部分のシール用としてゴム等の弾性材料製のOリングを採用し、このOリングを互いに嵌め合わされる内筒と外筒との間に介設してもよい。こうすることによって連結された複数本のパイロット管80の内部が外部と封止され、土中を進行中のパイロット管80内への地下水等の侵入を確実に防止することができるため、パイロット管80内に侵入した地下水に邪魔されるような不都合の生じることはなく、塩ビ管埋設工事を円滑に行うことができる。
本発明に係る塩ビ管引戻し埋設装置の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す塩ビ管引戻し埋設装置の組立て斜視図である。 図2に示す塩ビ管引戻し埋設装置の側面図である。 図2に示す塩ビ管引戻し埋設装置の平面図である。 ガイド部材の位置実施形態を示す断面図である。 ボールナット部材の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。 ケーシング内に設けられたギヤ機構を説明するための断面視の説明図であり、(イ)は、右側面側から見た図、(ロ)は、前方側から見た図である。 トグルクランプを示す図であり、(イ)は、側面図であってパイロット管のクランプが解除された状態、(ロ)は、同パイロット管がクランプされた状態をそれぞれ示している。また、(ハ)は、トグルクランプの正面図である。 パイロット管の一実施形態を示す図であり、(イ)は斜視図、(ロ)は側面図、(ハ)はパイロット管80が連結された状態を示す側面図である。なお、図9の(イ)では、パイロット管の各端面を示すために、パイロット管の前端部および後端部の双方を紙面の表面側に向けた状態にしている。 パイロット管推進ユニットの回転軸のパイロット管に対する連結構造を示す斜視図であり、(イ)は、パイロット管が回転軸に連結される直前の状態、(ロ)は、パイロット管が回転軸に連結された状態をそれぞれ示している。 到達坑に到達したパイロット管と埋設しようとする塩ビ管(被埋設管)との間に介設される圧接部材の一実施形態を示す図であり、(イ)は一部切欠き斜視図、(ロ)は側面視の断面図である。 塩ビ管Pの一実施形態を示す図であり、(イ)は、一部切欠き側面図、(ロ)は、一の塩ビ管と他の塩ビ管Pとが連結された状態を示す一部切欠き側面図、(ハ)は、塩ビ管が圧接部材に連結された状態を示す一部切欠き側面図である。 ドリルヘッドの一実施形態を示す図であり、(イ)は斜視図、(ロ)はドリルヘッドがパイロット管に連結された状態を示す一部切り掻き側面図である。 塩ビ管の埋設方法を説明するための説明図であり、(イ)は、塩ビ管引戻し埋設装置を発進坑内に吊り降ろしつつある状態、(ロ)は、塩ビ管引戻し埋設装置が発進坑の低部に据え付けられた状態、(ハ)は、パイロット管の先端にドリルヘッドが装着された状態、(ニ)は、誘導孔が穿孔されつつある状態をそれぞれ示している。 塩ビ管の埋設方法を説明するための説明図であり、(イ)は、ドリルヘッドが到達坑に到達した状態、(ロ)は、到達坑内で圧接部材がドリルヘッドと交換された状態、の(ハ)は、最初の塩ビ管を圧接部材に連結されて引き込み操作が開始された状態をそれぞれ示している。 塩ビ管の埋設方法を説明するための説明図であり、(イ)は、複数の塩ビ管が順次継ぎ足されながら誘導孔に引き込まれつつある状態、(ロ)は、最初の塩ビ管が発進坑に到達した状態、(ハ)は、発進坑と到達坑との間に塩ビ管が埋設された状態をそれぞれ示している。 パイロット管の推進制御の一実施形態を示すブロック図である。 先頭のパイロット管に内装された発光部材の発光位置を表示するモニタ装置の一実施形態を示す説明図である。 パイロット管の連結構造の他の実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、パイロット管が連結される前の状態、(ロ)は、一部切欠きでパイロット管が連結された状態をそれぞれ示している。
符号の説明
10 塩ビ管引戻し埋設装置(被埋設管の埋設装置)
11 後方反力板 12 前方反力板
13 ガイドスタンド 14 水流供給装置
15 ホース 16 連結用鋼棒
17 押し輪 20 基体
21 前板 211 切欠き凹部
212 補強用側片 22 後板
221 切欠き凹部 222 補強用側片
23 仮設部材 231 側板
232 底板 233 天板
234 補強板 24 H型材
241 下板 242 上板
243 縦板 25 装着板
30 ガイド部材 31 ガイド部材本体
32 補強カバー 33 円弧状ガイド溝
34 逃し溝 40 推進機構
41 ケーシング 411 架設板
42 推進用電動機(進退用電動機)
43 スパイラルロッド 44 ボールナット部材(ナット部材)
441 ボールケース 441a 環状壁間
441b 鋼球装着室 442 鋼球(球体)
443 フランジ部材 444 結合アーム
444a 突出片 444b 結合片
45 ベアリング 46 ベアリングケース
47 連結ボルト 50 パイロット管推進ユニット
51 ハウジング(ユニット本体)
52 回転用電動機(回転ユニット用電動機)
53 回転軸(推進移動部) 531 突設管
532 係止突起 533 ねじ孔
54 ボルト孔 55 パイロット管支持台
60 トグルクランプ 601 底板
61 ガイド体 611 基部
612 長尺ガイド板 613 嵌挿孔
62 昇降体 621 被ガイド角筒
622 上部ローラ支持板 623 連結板
624 支持ロッド 63 下部ガイドローラ(パイロット管挟持部材)
631 下部ローラ軸 64 上部ガイドローラ(パイロット管挟持部材)
641 上部ローラ軸 65 クランプ構造(操作手段)
66 ブラケット 661 ブラケット本体
662 上部突片 663 下部突片
664 上部支軸 665 中間支軸
666 下部支軸 67 操作レバー
671 レバー本体 672 挟持板
68 C字状中間体 69 連結ロッド
70 ギヤ機構 71 駆動軸側傘歯車
72 中継軸 73 中継軸側傘歯車
74 ウォームギヤ 75 ピニオン
80 パイロット管 81 パイロット管本体
82 括れ管部 83 前端側フランジ
831 係止突起(接続凸部) 84 後端側フランジ
841 係止凹溝(接続凹部) 842 貫通孔
85 突設管 851 ねじ孔
90 圧接部材(治具) 91 中心軸
911 円錐体装着部 911a 環状傾斜部
911b キー突起 912 環状括れ溝
913 小径部 914 連結筒体装着部
915 回転筒体装着部 92 円錐体
921 装着孔 93 回転筒体
931 筒体本体 932 環状板
94 塩ビ管装着筒体 941 接合部
942 雄ねじ部 95 連結筒体
951 中心軸側装着部 952 パイロット管側装着部
953 係止凹部 96 Cリング
97 ブッシュ 98 抜止め円板
100 ドリルヘッド 101 ドリルヘッド本体
102 切刃部 102a 傾斜面
103 連結部 104 嵌入孔
105 係止凹部 110 制御部
111 推進負荷検出部 112 推進力制御部
113 回転負荷トルク検出部 114 回転力制御部
115 回転位相検出部 116 推進方向制御部
120 ROM 121 推進用電動機用T−IR特性テーブル
122 回転用電動機用T−IR特性テーブル
123 RAM 131 発光部材
132 モニタ装置 133 表示画面
133x 横目盛線 133y 縦目盛線
134 筐体 135 光点
136 許容範囲 137 方向線
138 短軸 139 入力部
140 連結具 141 半円状挟持金具
142 大曲率半径部 143 小曲率半径部
144 装着溝 145 Cリング
H1 発進坑 H2 到達坑
H3 誘導孔 P 塩ビ管(被埋設管)
P1 雌ねじ部 P2 雄ねじ部

Claims (11)

  1. 地面に掘削された縦穴である発進坑と同到達坑との間に被埋設管を埋設する方法において、
    前記発進坑から到達坑に向けて複数のパイロット管を継ぎ足しながら貫通させることにより誘導孔を設ける誘導孔貫通工程と、
    前記到達坑に到達したパイロット管の先端にこの先端と対向する最初の被埋設管の先端を連結するための治具を取り付ける工程と、
    被埋設管を連結した状態でパイロット管を前記誘導孔から発進坑側に引き抜いていくとともに、この引き抜き動作に応じて新たな被埋設管を先の被埋設管に順次継ぎ足して誘導孔に順次引き込んでいく被埋設管引込み工程
    とを備えて構成されていることを特徴とする被埋設管の埋設方法。
  2. 地面に掘削された縦穴である発進坑と同到達坑との間に被埋設管を埋設する被埋設管の埋設装置であって、
    前記発進坑の穴底に据え付けられる基体と、
    前記基体の中央部に設けられ、前記発進坑から到達坑に向けてパイロット管を継ぎ足しながら貫通させることにより誘導孔を設けるとともにパイロット管を引き戻すべく、回転しながら進退可能とされた推進移動部を有するパイロット管推進ユニットと、
    前記推進移動部を進退させるべく前記基体におけるパイロット管推進ユニットの両サイドに設けられた一対の進退機構と、
    前記到達坑に到達したパイロット管の先端にこの先端と対向する最初の被埋設管の先端を連結するための治具とを備えたことを特徴とする被埋設管の埋設装置。
  3. 前記治具は、被埋設管からパイロット管に向けて先細りに形成された円錐形状を有していることを特徴とする請求項2記載の被埋設管の埋設装置。
  4. 前記パイロット管推進ユニットおよび進退機構は、各電動機によって駆動されることを特徴とする請求項2または3記載の被埋設管の埋設装置。
  5. 前記進退機構は、進退用電動機と、この進退用電動機の駆動により軸心回りに回転するスパイラルロッドと、このスパイラルロッドに噛合したナット部材とを備え、前記ナット部材が前記パイロット管推進ユニットに連結されていることを特徴とする請求項4記載の被埋設管の埋設装置。
  6. 前記ナット部材はボールナットであることを特徴とする請求項5記載の被埋設管の埋設装置。
  7. 前記パイロット管推進ユニットは、前記ナット部材が固定されるユニット本体と、このユニット本体に装着された回転ユニット用電動機と、この回転ユニット用電動機の駆動により軸心回りに回転する、前記スパイラルロッドと平行な回転軸とを備え、前記回転軸の先端部には、前記パイロット管を同心で一体に連結し得る連結構造が設けられていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の被埋設管の埋設装置。
  8. 前記基体には、パイロット管推進ユニットに装着されたパイロット管を前記スパイラルロッドと平行に支持するパイロット管支持構造が設けられていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の被埋設管の埋設装置。
  9. 前記パイロット管支持構造は、前記パイロット管を進退可能に挟持する一対のパイロット管挟持部材と、これら一対のパイロット管挟持部材を挟持位置と挟持解除位置との間で位置変更させる操作手段とを備えていることを特徴とする請求項8記載の被埋設管の埋設装置。
  10. 前記パイロット管挟持部材は、パイロット管の軸方向と直交する幅方向の面上に該パイロット管を挟んで対向して併設され、かつ、径寸法が軸の中央から両端に向かうに従って漸増してパイロット管の周面に実質的に密着するガイドローラによって形成されていることを特徴とする請求項9記載の被埋設管の埋設装置。
  11. 前記パイロット管は、一方の端部に軸方向に延びる接続凹部が、他方の端部に前記接続凹部に噛合するべく軸方向に延びる接続凸部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載の被埋設管の埋設装置。
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