JP2005187869A - メッキ方法及びメッキ装置 - Google Patents

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努 座間
Satoshi Isoda
聡 磯田
Yasuhiro Iwasaki
康弘 岩崎
Yosuke Kato
陽祐 加藤
Kazuhisa Kitamoto
和久 北本
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Abstract

【課題】不溶性の金属アノードを用いた銅の電解メッキにおいても発生している孔部に対するメッキの充填不良が、解消できるようにする。
【解決手段】金属膜形成板111は、銅箔が形成された樹脂基板であり、管理槽102に収容されているメッキ液中に浸漬される。金属膜形成板111は、例えば、保持治具112に固定されてメッキ液中に浸漬され、保持治具112は、例えば、管理槽102の上部周縁部に固定された保持治具固定部113に保持されている。金属膜形成板111の銅箔は、メッキ液中において電気的に浮遊した状態となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細な孔部に銅のメッキ処理を行うためのメッキ方法及びメッキ装置に関する。
微細な溝や孔部に選択的に銅のメッキを行い、これらを銅で充填するために、促進剤と抑制剤を用いる技術がある。この技術では、抑制剤には、例えば、分子量が1000を超えるポリエチレングリコールなどの高分子界面活性剤が用いられ、促進剤には、例えば、硫黄系有機化合物が用いられる(特許文献1,2,3参照)。
以下、上述した技術について簡単に説明する。
極小孔部の表面側のエッジ部分には、メッキ電流の集中が生じやすくメッキ電着が進行しやすい。このエッジ部分に抑制剤が吸着し、過剰なメッキの電着が抑制される。これに対し、抑制剤は、物理的な大きさによって微細な孔部の内部に拡散しにくく、孔部の底部に行くに従って抑制剤の濃度は低くなる。この結果、微小な孔部の内部には、抑制剤があまり吸着しないため、電析反応の進行しやすい状態が確保される。
一方、硫黄系有機化合物などの促進剤は、高分子界面活性剤に比較して分子量が小さく、極小間隙の内部にも進入しやすく、孔部の内部における銅メッキの電着速度を促進させる。
以上に示した抑制剤と促進剤との作用により、微細な孔部の内部に選択的に銅メッキをして充填することが可能となる。
ところが、上記技術において、孔部を充填しようとしている銅のメッキ部分に、くぼみが大きく残ってしまう現象が発生している。この原因として、メッキ液中に生成されたCu+により促進剤が分解することが知られている。
銅のメッキを行うプロセスにおいては、メッキ液中に銅のイオンを供給するための手段として銅電極(アノード)が利用される(特許文献4参照)。ところが、銅電極の使用によりメッキ液中にCu+が発生してしまい、上述した促進剤の分解を招いていた。
従って、促進剤の分解という問題を解消するために、銅電極へのエアー撹拌により、メッキ液中に発生したCu+を迅速に酸化してCu2+とし、Cu+の濃度を低下させることで促進剤の濃度低下を抑制する技術が提案されている。
また、Cu+発生を抑制する技術として、アノード電極に銅を用いずに不溶性の金属を用い、銅のイオンの供給は酸化銅を添加することで行う技術がある(特許文献5,6参照)。不溶性のアノード電極を用いることにより、メッキ液中におけるCu+の発生が抑制でき、促進剤の濃度低下を抑制できるようになる。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開2000−248397号公報 特開2001−181895号公報 特開2001−168063号公報 特開平5−239698号公報 特開平2−289423号公報 特開2002−068743号公報
ところが、不溶性の金属アノードを用いる技術においても、くぼみの大きい充填部が発生する問題が発生している。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、不溶性の金属アノードを用いた銅の電解メッキにおいても発生している孔部に対するメッキの充填不良が、解消できるようにすることを目的とする。
本発明に係るメッキ方法は、硫酸銅の水溶液から構成されて抑制剤と促進剤とが添加されたメッキ液を用いてメッキ対象物に銅の電解メッキを行うメッキ方法において、銅から構成された構造体を電気的に浮遊した状態でメッキ液中に浸漬する処理をする第1工程と、第1工程の処理の後、メッキ液中に抑制剤を新たに添加する第2工程と、メッキ液中に浸漬した陽極とメッキ対象物との間に電流を流してメッキ対象物の表面に銅の電解メッキを行う第3工程とを備えるようにしたものである。上記第1工程において、メッキ液中に気泡を導入して導入した気泡を構造体に作用させるようにしてもよい。
本発明に係るメッキ装置は、硫酸銅の水溶液から構成されて抑制剤と促進剤とが添加されたメッキ液を用いた電解メッキを行うメッキ装置において、メッキ液を収容して陽極とメッキ対象物とが浸漬されるメッキ槽と、メッキ槽に収容されているメッキ液が循環され、銅から構成された構造体が電気的に浮遊した状態で浸漬され、かつメッキ液中に複数の気泡を供給する泡沫発生手段を備える管理槽とを少なくとも備えたものである。
以上説明したように、本発明によれば、銅から構成された構造体を電気的に浮遊した状態でメッキ液中に浸漬するようにしたので、不溶性の金属アノードを用いた銅の電解メッキにおいても発生している孔部に対するメッキの充填不良が抑制できるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるメッキ装置の構成例を示した構成図である。このメッキ装置は、メッキ槽101,管理槽102,酸化銅溶解槽103から構成されている。メッキ槽101には、硫酸銅,硫酸,微量の塩素イオンなどから構成されたメッキ液が収容され、メッキ槽101のオーバーフロー部104にオーバーフローしたメッキ液は、管理槽102に輸送される。
管理槽102においては、メッキ槽101より輸送されて収容されているメッキ液に対し、抑制剤,促進剤などの添加剤が添加される。添加される抑制剤は、例えば、ポリエチレングリコールであり、添加される促進剤は、例えば、フェノールスルホン酸である。また、管理槽102に収容されているメッキ液の一部は、ポンプ105により酸化銅溶解槽103に輸送され、輸送されたメッキ液には、酸化銅溶解槽103において所定量の酸化銅が溶解され、酸化銅が溶解されたメッキ液は、ポンプ106により管理槽102に還流される。
以上のことにより、管理槽102において各成分の濃度が調整されたメッキ液は、ポンプ107により濾過部108を介してメッキ槽101に循環される。
管理槽102により成分の濃度が調整されて循環しているメッキ液を収容しているメッキ槽101では、メッキ液中に、例えばチタン板に白金とイリジウムとを7:3の割合で被覆した不溶性の陽極109が浸漬されている。メッキ槽101のメッキ液中に、板状の陽極109に対向するように処理対象の基板110を浸漬し、陽極109と基板110との間に電流を流すことで、基板110の所望の領域に対する銅のメッキが行える。
また、メッキ槽101に収容されているメッキ液中には、抑制剤と促進剤とが添加されているため、以下に説明するように、基板110が備える微細な溝や孔部に選択的に銅のメッキを行い、これらを銅で充填することを可能としている。
まず、上記極小孔部の表面側のエッジ部分には、メッキ電流の集中が生じやすくメッキ電着が進行しやすい。このエッジ部分に抑制剤が吸着し、過剰なメッキの電着が抑制される。これに対し、抑制剤は、物理的な大きさによって微細な孔部の内部に拡散しにくく、孔部の底部に行くに従って抑制剤の濃度は低くなる。この結果、基板110の微小な孔部の内部には、抑制剤があまり吸着せず、電析反応は進行しやすい状態が確保される。
一方、硫黄系有機化合物などの促進剤は、高分子界面活性剤に比較して分子量が小さく、極小間隙の内部にも進入しやすく、基板110の孔部の内部における銅メッキの電着速度を促進させる。
以上に示した抑制剤と促進剤との作用により、基板110が備える微細な孔部の内部が、選択的に銅メッキされて銅膜により充填されるようになる。
促進剤及び抑制剤の添加量(メッキ液中の各濃度)は、例えば、メッキ槽101に収容されているメッキ液を分取し、分取したメッキ液をCVS(Cyclic Voltammeric Stripping)法などにより分析して管理する。また、メッキ液中の硫酸銅や硫酸などの他の成分の濃度についても、分取したメッキ液を分析することで管理する。なお、管理槽102においては、図示しない温度制御機構により、メッキ液の温度を23℃程度に制御している。
以上に説明したように構成されたメッキ装置において、本実施の形態では、金属膜形成板(銅から構成された構造体)111が、管理槽102に設けられているようにした。金属膜形成板111は、銅箔が形成された樹脂基板であり、管理槽102に収容されているメッキ液中に浸漬される。金属膜形成板111は、例えば、保持治具112に固定されてメッキ液中に浸漬され、保持治具112は、例えば、管理槽102の上部周縁部に固定された保持治具固定部113に保持されている。金属膜形成板111の銅箔は、電気的に接続されず、通電されることはなく、メッキ液中において電気的に浮遊した状態となっている。
また、図1のメッキ装置では、管理槽102の金属膜形成板111が配置されている領域の下部に、泡沫発生部120を設ける。泡沫発生部120は、例えば、複数の穴が設けられた管である。泡沫発生部120には、空気供給部121から空気が供給され、泡沫発生部120からは、複数の気泡からなる泡沫が、管理槽102に収容されているメッキ液中に供給される。泡沫発生部120と空気供給部121とにより、泡沫発生手段が構成されている。泡沫発生部120より供給された複数の気泡は、金属膜形成板111の表面に沿って、メッキ液中を上昇する。
以上のように構成した図1のメッキ装置によれば、金属膜形成板111により、例えば管理槽102に収容されているメッキ液中に、銅から構成された構造体が浮遊した状態で存在しているようにしたので、メッキ対象の基板の孔部に対するメッキの充填不良が、解消できるようになる。
メッキ液中に金属膜形成板111を浮遊した状態で浸漬する処理をしたメッキ液に、抑制剤を新たに添加して所定の濃度とし、このメッキ液を用いて電解メッキをすることで、メッキ対象の基板の孔部に対するメッキの充填不良が解消する。
金属膜形成板111の表面の銅により、メッキ液中の促進剤が分解した分解成分がより分解され、この結果、孔部に対する銅メッキ膜の充填状態が改善されるようになるものと考えられる。孔部に対する銅メッキ膜の充填不良は、抑制剤の分解物が原因と推定されるが、金属膜形成板111の存在で、上記分解物の分解が促進され、この結果、孔部に対する銅メッキ膜の充填状態が改善されるようになるものと考えられる。
なお、金属膜形成板111の代わりに、金属板を用いるようにしてもよく、また、メッシュケース内に複数の金属球を収容したものを用いるようにしてもよく、電気的に浮遊した金属が、メッキ液に接触する状態となっていればよい。
以下、実装基板の製造方法について、簡単に説明する。
まず、図2(a)に示すように、銅からなる膜厚18μm程度の金属層202が表面に形成されたコア基板201を用意する。例えば、日立化成工業株式会社製MCL−E−67を任意の寸法に切り出すことで、コア基板201を得ることができる。
次に、図2(b)に示すように、コア基板201に貫通孔203を形成する。貫通孔203は、例えばドリルを用いた穴あけ処理により行うことができる。この場合、バリ取り(デバリング)処理が必要となる。
次に、貫通孔203を形成したコア基板201を、例えば、アトテック株式会社製アクチベーターネオガント834などの触媒付与剤に浸漬し、コア基板201の露出面に無電解銅メッキのための触媒となる金属を吸着させる。引き続いて、コア基板201を、例えば、日立エーアイシー株式会社製アディティブ無電解銅メッキなどのメッキ液に浸漬し、図2(c)に示すように、貫通孔203内部の側面を含むコア基板201の露出している面に、銅からなる膜厚10μm程度の金属層204が形成された状態とする。
次に、図2(d)に示すように、スクリーン印刷法によるインクの充填で、貫通孔203の内部が充填樹脂205で充填された状態とする。上記インクとしては、エポキシ系熱硬化樹脂を用いればよく、貫通孔203をインクで充填した後、充填されたインクを加熱して熱硬化することで、充填樹脂205が充填された状態が得られる。充填樹脂205が充填されたことにより、金属層204が形成されているコア基板201の主表面及び裏面がほぼ平らな状態となる。また、例えば、アトテック株式会社製ドージングソリューションセキュリガントPを用いた液処理により、充填樹脂205の露出面が、粗面の状態となるようにする。
次に、前述した無電解メッキ法と同様にし、図2(e)に示すように、金属層204及び充填樹脂205の上を覆うように、銅からなる膜厚17μm程度の金属層206が形成された状態とする。
次に、公知のフォトリソグラフィグラフィー技術とエッチング技術とにより、金属層206を加工し、図2(f)に示すように、金属層206に内層パターン207が形成された状態とする。
次に、銅箔が表面に形成された半硬化状態の接着シートを用意し、接着シートを金属層206の表面に貼り付け、加熱した状態で加圧することで、図2(g)に示すように、層間分離樹脂層208及び銅からなる金属層209が形成された状態とする。上記接着シートは、例えば、ガラス繊維からなる不織布(布機材)に樹脂が含浸されたものである。
次に、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とにより、図2(h)に示すように、金属層209の所望の領域に開口部210が形成された状態とする。
ついで、開口部210が形成された金属層209をマスク(コンフォーマルマスク)とした炭酸ガスレーザの照射により、図2(i)に示すように、孔部211が形成された状態とする。孔部211は、金属層209の表面から層間分離樹脂層208を介して金属層206に到達し、孔部211の底部では、金属層206の表面が露出した状態である。孔部211は、例えば、孔径が0.1mm,深さが0.06mm程度である。この後、図示していない領域において、貫通孔が形成される。
次に、孔部211が形成されたコア基板201を、例えば、アトテック株式会社製アクチベーターネオガント834などの触媒付与剤に浸漬し、孔部211の内部の露出面に無電解銅メッキのための触媒となる金属が吸着した状態とする。引き続いて、コア基板201を、例えば、日立エーアイシー株式会社製アディティブ無電解銅メッキなどのメッキ液に浸漬し、図2(j)に示すように、孔部211の内部露出面を含む金属層209の表面に、銅からなる膜厚10μm程度のシード層212が形成された状態とする。シード層212は、銅の電解メッキにおいて電流を流すための給電膜となる。
次に、図2(k)及び図2(l)に示すように、孔部211の内部が充填されるように金属層213が形成された状態とする。
金属層213の形成について、以下に説明する。
まず、シード層212が形成されたコア基板201を、図1に示す基板110としてメッキ装置にセットする。
ついで、上記メッキ装置を動作させ、シード層212の露出面及び金属層209の上に、電界メッキにより銅を析出させる。前述したように、図1に示すメッキ装置によれば、メッキ液中に添加されている抑制剤(例えばメルテックス株式会社製マイクロフィルVF−BN)と促進剤(例えばメルテックス株式会社製マイクロフィルVF−AN)との作用により、微細な孔部211の内部が、選択的に銅メッキされて銅膜により充填されるようになる。この結果、孔部211の内部が充填され、表面が平坦な状態で金属層213が形成された状態が得られる。
この後、金属層213の加工による外層パターンの形成,ソルダーレジスト層の形成,シンボルマーク印刷,防塵やプリフラックス塗装などの表面処理,外形加工などを経ることで、実装基板が完成する。
ところで、上述では、不溶性の陽極を用いる場合について説明したが、これに限るものではなく、図3に示すように、銅からなる陽極309を用いるメッキ装置であっても同様である。図3のメッキ装置は、メッキ槽301,管理槽302から構成されている。メッキ槽301には、硫酸銅,硫酸,微量の塩素イオンなどから構成されたメッキ液が収容され、メッキ槽301のオーバーフロー部304にオーバーフローしたメッキ液は、管理槽302に輸送される。
管理槽302においては、メッキ槽301より輸送されて収容されているメッキ液に対し、抑制剤,促進剤などの添加剤が添加される。添加される抑制剤は、例えば、ポリエチレングリコールであり、添加される促進剤は、例えば、フェノールスルホン酸である。
以上のことにより、管理槽302において各成分の濃度が調整されたメッキ液は、ポンプ307により濾過部308を介してメッキ槽301に循環される。
管理槽302により成分の濃度が調整されて循環しているメッキ液を収容しているメッキ槽301では、陽極ケース391に複数の銅ボール392が収容された陽極309が浸漬されている。メッキ槽301のメッキ液中に、上述した構成の陽極309に対向するように処理対象の基板310を浸漬し、陽極309と基板310との間に電流を流すことで、基板310の所望の領域に対する銅のメッキが行える。
図3のメッキ装置では、電解メッキにおいて、陽極309を構成する銅ボール392より銅が溶解することで、メッキ槽301のメッキ液中に銅イオンが供給される。
図3のメッキ装置においても、金属膜形成板311が、管理槽302に設けられている。金属膜形成板311は、銅箔が形成された樹脂基板であり、管理槽302に収容されているメッキ液中に浸漬される。金属膜形成板311は、例えば、保持治具312に固定されてメッキ液中に浸漬され、保持治具312は、例えば、管理槽302の上部周縁部に固定された保持治具固定部313に保持されている。
また、図3のメッキ装置でも、管理槽302の金属膜形成板311が配置されている領域の下部に、泡沫発生部320を設ける。泡沫発生部320には、空気供給部321から空気が供給され、泡沫発生部320からは、複数の気泡からなる泡沫が、管理槽302に収容されているメッキ液中に供給される。
図3のメッキ装置においても、金属膜形成板311の表面の銅により、メッキ液中の促進剤が分解した分解成分がより分解され、この結果、孔部に対する銅メッキ膜の充填状態が改善されるようになる。
以下に、孔部に対するメッキの充填不良について考察する。
前述したように、銅の電解メッキにおいて、不溶性の金属アノードを用いる技術においても、くぼみの大きい充填部が発生する問題が起きている。この問題は、促進剤の濃度低下ではない他の原因により起きるものと推定できる。
ここで、銅の電解メッキにおけるメッキ液の管理の1つとして、CVS(Cycle Voltammetric Stripping)分析により、促進剤や抑制剤の濃度管理を行っている(CVS分析では、測定対象の液中における銅の溶解に必要な電荷量を測定している)。ところが、この濃度管理の中では、くぼみの大きい充填部が発生しても、抑制剤の濃度が低下している傾向は確認されていない。
従って、くぼみの大きい充填部が発生している状況においても、メッキ液の中では、銅のメッキ(電析)が阻害されているわけではないものと考えられる。
以上のことをふまえると、くぼみの大きい充填部が発生している状況では、くぼみの部分(くぼみの底)の表面において、銅の電析が抑制されているものと推定される。この推論を進めると、問題が発生している微小な領域の銅メッキ膜表面に、電析を抑制する物質が吸着しているものと推定され、この物質は、抑制剤が分解して生成した分解物ではないかと推定される。
本来、抑制剤は、高分子材料であるため、微細なくぼみの底にまでは拡散しにくいはずである。ところが、分解物は、抑制剤が分解して生成されるものと考えられるため、分子量が小さく、促進剤と同様に微細なくぼみの底にまで拡散しやすくなっていると推定できる。
懸かる状況においても、メッキ液における「銅の溶解に必要な電荷量」には変化がなく、この結果、CVS分析では、今回の問題が発生している状況が反映されないものと推定される。
また、「くぼみの大きい充填部が発生している」という問題が起きている状況では、新たに抑制剤を添加しても、「分子量が低下した抑制剤が微細なくぼみの内部にまで拡散している」状況が解消するとも考えられない。実際、問題が起きている状況では、単に抑制剤を追加しても、問題が解消されない。
以上に説明した従来の状態に対し、メッキ液中に銅箔が設けられた樹脂基板が存在していると、銅が触媒と同様に作用し、抑制剤が分解して生成された「分子量が低下した抑制剤」をより分解し、抑制剤としての機能を消滅させるものと考えられる。メッキ液中に銅箔が設けられた樹脂基板を存在させておくと、前述したCVS分析に変化が確認され、抑制剤の濃度が低下した状態に測定される。この状態で、新たに抑制剤をメッキ液中に追加して所定の濃度状態とし、このメッキ液でメッキ処理をすると、「くぼみの大きい充填部が発生している」という孔部に対するメッキの充填不良が、解消されている。
以上のことから、硫酸銅を用いた銅の電解メッキで抑制剤と促進剤とにより孔部を充填するように銅メッキを行う場合において、触媒として機能し得る銅などの金属材料をメッキ液中に配設しておくことで、孔部に対するメッキの充填不良が、解消できるものと考えられる。
なお、上記金属材料として銅を用いる場合、メッキ液中にCu+が生成して促進剤を分解する問題が発生する場合がある。この場合、空気の泡沫を供給するなどエアー撹拌を行い、メッキ液中に導入した気泡を金属膜形成板(銅から構成された構造体)に作用させ、メッキ液中に発生したCu+を迅速に酸化してCu2+とし、Cu+の濃度を低下させることで促進剤の濃度低下を抑制すればよい。
本発明の実施の形態におけるメッキ装置の構成例を示す概略的な断面図である。 実装基板の製造過程を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態におけるメッキ装置の他の構成例を示す概略的な断面図である。
符号の説明
101…メッキ槽、102…管理槽、103…酸化銅溶解槽、104…オーバーフロー部、105,106,107…ポンプ、108…濾過部、109…陽極、110…基板、111…金属膜形成板(銅から構成された構造体)、112…保持治具、113…保持治具固定部、120…泡沫発生部、121…空気供給部。

Claims (3)

  1. 硫酸銅の水溶液から構成されて抑制剤と促進剤とが添加されたメッキ液を用いてメッキ対象物に銅の電解メッキを行うメッキ方法において、
    銅から構成された構造体を電気的に浮遊した状態で前記メッキ液中に浸漬する処理をする第1工程と、
    前記処理の後、前記メッキ液中に前記抑制剤を新たに添加する第2工程と、
    前記メッキ液中に浸漬した陽極とメッキ対象物との間に電流を流して前記メッキ対象物の表面に銅の電解メッキを行う第3工程と
    を備えたことを特徴とするメッキ方法。
  2. 請求項1記載のメッキ方法において、
    前記第1工程において、前記メッキ液中に気泡を導入して導入した気泡を前記構造体に作用させる
    ことを特徴とするメッキ方法。
  3. 硫酸銅の水溶液から構成されて抑制剤と促進剤とが添加されたメッキ液を用いた電解メッキを行うメッキ装置において、
    前記メッキ液を収容して陽極とメッキ対象物とが浸漬されるメッキ槽と、
    前記メッキ槽に収容されているメッキ液が循環され、銅から構成された構造体が電気的に浮遊した状態で浸漬され、かつメッキ液中に複数の気泡を供給する泡沫発生手段を備える管理槽と
    を少なくとも備えたことを特徴とするメッキ装置。
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