JP2005187537A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定のモノマーを必須とするモノマー成分を重合して得られた樹脂と、残存モノマーとしての上記特定のモノマーとを含み、上記特定のモノマー(残存モノマー)に起因する臭気を効果的にマスキングしてなる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる樹脂組成物は、2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを必須モノマーとするモノマー成分を重合して得られる樹脂と、微量の前記必須モノマーと、前記樹脂に対し0.002〜0.2重量%の割合の香料とを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを必須モノマーとするモノマー成分を重合して得られる樹脂において、該樹脂が微量に含む残存モノマーに起因する臭気の問題を、樹脂の物性に影響を与えない範囲内で解消した樹脂組成物に関する。
樹脂製品から発生する臭気を香料の添加によりマスキングする技術が知られている。具体的には、所定の樹脂成分、所定のモノマー成分、香料および重合禁止剤を含み電子線照射によって架橋構造を導入できる樹脂組成物から得られる粘着シートに関する技術である(特許文献1参照。)。この技術では、樹脂組成物を基材に塗布したあと電子線を照射して架橋反応を行うときに、該架橋反応とともに、前記樹脂成分や架橋物の分解反応も起こり、この分解物に起因する臭気が発生することから、この臭気をマスキングする目的で、香料を架橋前の樹脂組成物に予め含有させるようにしている。
特開昭59−33376号公報
しかしながら、樹脂製品から発生する臭気が問題となるのは、上述したような分解物を生じる場合に限らず、モノマー成分を重合して得られた樹脂(溶液状も含む)をそのままで用いる場合においても、長時間(連続的または断続的に)それを取り扱う雰囲気下に居た場合等の特別な状況下では、同様に臭気が問題視されるようになってきている。すなわち、上で述べた従来技術では、電子線照射により多量の分解物が発生するため、強い臭気が生じ、直ちに問題状況が認識されるため、その解決が求められたのであるが、本発明が対照としている残存モノマー(2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート)は、その残存量が少なく、しかも、それ自体、あまり臭気を発する化学品でもないため、これまで、その臭気が直接問題とされることはなかった。ところが、その使用状況が変わり、例えば、一時的に見れば従来問題とされなかった程度の量であり臭気レベルであっても、長期的には少しずつ残存モノマーが周り(雰囲気中や、壁等の建材中など)に蓄積され、その蓄積量に見合う強さの臭気源となるため、上記電子線照射の場合において問題とされた程度の強さの臭気を生じる状況が生まれるようになったのである。なお、重合条件等を通常の方法に比べてより厳密に調整・制御すれば、残存モノマーの量をその臭気が上記問題とならない程度まで少なくすることも可能ではあるが、その分、経済性や生産性等について大きく劣ることとなり、工業的実用性を考慮すると必ずしも好ましいとは言えず、やはり通常の重合条件で実施する場合において上記臭気の問題を解消することが望まれる。
そこで、前記した従来技術と同様にして、香料で残存モノマーをマスキングすることが考えられるが、このマスキングによって樹脂が本来持っている性能が劣化するようなことがあってはならない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートと言う特定のモノマーを必須とするモノマー成分を重合して得られた樹脂において、残存モノマーとしての上記必須モノマーに起因する臭気を効果的にマスキングしてなる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを特定のモノマーとして必須とするモノマー成分を重合して得られる樹脂に対し、香料をある制限された使用量範囲で用いるようにすれば、上記課題、すなわち、臭気を抑えることと樹脂性能を維持することとを両立できることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明にかかる樹脂組成物は、2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを必須モノマーとするモノマー成分を重合して得られる樹脂と、微量の前記必須モノマーと、前記樹脂に対し0.002〜0.2重量%の割合の香料とを含む。
本発明によれば、2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを必須モノマーとするモノマー成分を重合して得られる樹脂において、その残存モノマー(上記必須モノマーからなる)に起因する臭気を抑えることと樹脂性能を維持することとを両立できる。
以下、本発明にかかる樹脂組成物について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明にかかる樹脂組成物は、前述したように、2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2EHA」と言うことがある。)および/またはブチルアクリレート(以下「BA」と言うことがある。)を必須とするモノマー成分を重合して得られる樹脂(A)と、2EHAおよび/またはBAからなるモノマー(B)と、さらに香料(C)とを含むものである。
以下、本発明の樹脂組成物の各構成成分について具体的に説明し、引き続き、これらを組み合わせてなる樹脂組成物について説明する。
前記樹脂(A)は、2EHAおよび/またはBAを必須に含むモノマー成分を重合して得られる樹脂(重合体)、すなわち2EHAに由来する構造単位および/またはBAに由来する構造単位を少なくとも一部に有する樹脂(重合体)であればよく、限定はされない。したがって、樹脂(A)は、樹脂全体として、(メタ)アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アルキド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル変性アクリル樹脂等の変性樹脂、および、エチレン性不飽和結合を有するモノマー成分を重合して得られる樹脂等の、いずれに分類される樹脂であってもよいが、これらの中でも、耐久性、耐水性および耐薬品性等の諸物性バランスや製造コスト等を考慮すると、(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。樹脂(A)としては、これら各種樹脂の1種類のみを用いてもよいし2種類以上を併用してもよく、限定はされない。
前記モノマー成分に必須に含まれる2EHAおよび/またはBAの含有割合は、限定はされないが、前記モノマー成分の総量に対して、40重量%以上である場合について考慮することが好ましく、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。上記含有割合が上記範囲を下回る場合、重合後に2EHAおよび/またはBAの残存分による臭気が前述した問題となるレベルに達しないことがある。また、樹脂(A)中、2EHAに由来する構造単位および/またはBAに由来する構造単位の含有割合は、限定はされないが、40重量%以上である場合について考慮することが好ましく、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
前記モノマー成分に含まれるブチルアクリレート(BA)としては、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートおよびt−ブチルアクリレートが挙げられ、これらのうち1種のみが前記モノマー成分中のBAとして含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよく、限定はされない。
前記モノマー成分に含むモノマーとしては、2EHAおよびBA以外のその他のモノマーも用いることができる。上記その他のモノマーとしては、限定はされず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、カルボキシル基末端カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カルボキシル基末端カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、および、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびイタコン酸等の酸性官能基含有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエン等の芳香族不飽和単量体;ブタジエンおよびイソプレン等の炭化水素系不飽和単量体;クロロプレンおよび塩化ビニル等のハロゲン原子含有不飽和単量体;N,N´−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、N−ジメチルアクリルアミドおよびイソプロペニルオキサゾリン等の窒素原子含有不飽和単量体;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物;酢酸ビニルおよび酪酸ビニル等のビニルエステル;トリフルオロエチル(メタ)アクリレートおよびテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッ素原子含有不飽和単量体;ビニルメチルエーテルおよびビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のケイ素原子含有不飽和単量体;グリシジル(メタ)アクリレートおよびα−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和単量体;エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートおよびポリプロピレングリコールジアクリレート等の多官能性不飽和単量体;2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールおよび市販のRUVA−93(大塚化学株式会社製)等の反応性ベンゾトリアゾール型紫外線吸収性単量体(例えば、特開平8−151415号公報参照。);2−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノンおよび2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ)プロポキシベンゾフェノン等の反応性ベンゾフェノン型紫外線吸収性単量体;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、市販のアデカスタブLA−82やLA−87(旭電化工業株式会社製)および市販のFA−711MMやFA−712HM(日立化成工業株式会社製)等の反応性紫外線安定性単量体(例えば、特開平1−261409号公報参照。)等;が挙げられる。これらその他の単量体は、1種類のみを用いてもよいし2種類以上を併用してもよく、限定はされない。
樹脂(A)は、前述したように、(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましいが、(メタ)アクリル系樹脂とするためには、前記モノマー成分中に(メタ)アクリル系モノマーを30重量%以上含むようにすることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。なお、上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、必須モノマーである2EHAおよびBAの他、前述した(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸等が挙げられる。また、前記(A)の樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である場合、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位の含有割合は、限定はされないが、30重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
樹脂(A)を得るための重合方法は、限定されず、従来公知の重合方法、例えば、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法および塊状重合法等から適宜選択して採用することができるが、製造上の簡便さの点からは溶液重合法が好ましい。
溶液重合法に用い得る溶媒としては、樹脂(A)に対して実質的に不活性であり、樹脂(A)を溶解もしくは分散が可能なものを適宜選択して使用できる。例えば、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルアミルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコールおよびイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶媒;テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオキサンおよびクロロホルム等のその他の溶媒;などの有機溶媒や、水などが好ましく挙げられるが、限定されない。これら溶媒は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
溶液重合法を行う際に用いる上記溶媒の使用量は、限定はされず、公知の条件で適宜設定すればよいが、例えば、樹脂(A)を上記溶媒に溶解させた状態あるいは分散させた状態で本発明の樹脂組成物の構成成分として用いる場合は、該樹脂組成物全体に対して上記溶媒の割合が95重量%以下となるように使用することが好ましく、より好ましくは10〜95重量%、さらに好ましくは15〜90重量%である。
前記各種重合方法を行う際は、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)および2,2´−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよび1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキサイド系開始剤;等の、通常のラジカル重合開始剤が好ましく挙げられるが、これらに限定はされない。これら重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、モノマー成分の総量に対して、0.05〜20重量%とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜15重量%である。
前記各種重合方法を行う際は、必要に応じ、分子量を調節する目的で連鎖移動剤や重合調節剤を用いることができる。例えば、n−ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンおよびドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオグリセロールおよび2−メルカプトエタノール等のその他メルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー、ジスルフィド、イソプロピルアルコール、ジオキサン、四塩化炭素およびクロロホルム;等が好ましく挙げられる。これら連鎖移動剤や重合調節剤は、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。これら連鎖移動剤や重合調節剤の使用量は、モノマー成分の総量に対して、0.01〜10重量%とするのが好ましい。
前記各種重合方法を行う際の反応温度は、限定はされず、室温〜200℃が好ましく、より好ましくは40〜140℃である。なお、反応時間は、反応温度、または、モノマー成分の組成や重合開始剤の種類などに応じ、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、150,000〜2,000,000が好ましく、より好ましくは200,000〜1,500,000、さらに好ましくは300,000〜1,000,000である。上記重量平均分子量が150,000未満であると、十分な凝集力が発現せず、また十分な凝集力を発現させるために架橋剤を併用すれば粘着性が低下するおそれがあり、2,000,000を超えると、十分な粘着性やタック性が発現しにくくなるおそれがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
樹脂(A)のガラス転移温度(Tg(℃))は、限定はされないが、例えば、−100〜200℃であることが好ましく、より好ましくは−80〜100℃であるが、特に、樹脂(A)に粘着性を発現させ、本発明の樹脂組成物を粘着剤組成物として用い得るようにする場合は、樹脂(A)のTg(℃)は、−70〜−30℃であることが好ましく、より好ましくは−65〜−35℃、さらに好ましくは−60〜−40℃である。上記Tg(℃)が−70℃未満であると、高温凝集力が低下するおそれがあり、−30℃を超えると、常温で感圧接着性が発現しないおそれがある。なお、ガラス転移温度(Tg(℃))は、「POLYMERHANDBOOK 第3版」(John Wiley & Sons, Inc.発行)に記載された各種単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移温度(Tg(K))を基にして、下記式(1)により求めることができるほか、DSC(示差走査熱量測定装置)やDTA(示差熱分析装置)によっても求めることができる。
1/Tg(K)=W/Tg+W/Tg+・・・+W/Tg (1)
(ただし、Wは、使用した各モノマーの重量分率を表す。Tgは、使用した各モノマーの単独重合体のTg(K)を表し、ポリマーハンドブック(3rd Ed., J.Brandrup and E.H.Immergut, WILEY INTERSCIENCE)中の値などの、一般に公開されている掲載値を用いればよい。)
本発明の樹脂組成物における、樹脂(A)の含有割合は、該樹脂組成物全体に対して、3〜99.7重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜85重量%、特に好ましくは30〜70重量%、最も好ましくは45〜55重量%である。上記含有割合が3重量%未満であると、十分な粘物性が発現しにくくなるおそれがあり、99.7重量%を超えると、塗布性などのハンドリング性が低下するおそれがある。
前記モノマー(B)としての、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)および/またはブチルアクリレート(BA)は、基本的には、前述したモノマー成分の重合により樹脂(A)を合成した際に未反応モノマーとして残った、いわゆる残存モノマーであるとするが、これに限定はされず、その少なくとも一部が重合中や重合後等に前記モノマー成分とは別に混入されたものであってもよい。
上記2EHAおよびBAは、人体にとってそれぞれ独特の不快臭を有する化合物であるため、これらが、重合により得られた樹脂(A)とともに残存モノマーとして存在すると、樹脂製品そのものから不快臭を漂わせることになり好ましくない。一般には、残存モノマーとして存在する上記2EHAおよび/またはBAの量はごく微量であるため、樹脂製品の一般使用者・消費者等にとっては上記不快臭はそれほど大きな問題にはならない場合も多いが、例えば、該樹脂製品の製造・加工・包装等に携わる従業員等にとっては、上記不快臭の漂う雰囲気下あるいは上記不快臭を吸引せざるを得ない環境下に長時間居続けることが多い事情を考慮すると、非常に大きな問題となり得る。
本発明の樹脂組成物においては、モノマー(B)の含有割合が樹脂(A)に対して0.2重量%以上である場合を対象とすることが好ましく、より好ましくは0.25重量%以上、さらに好ましくは0.3重量%以上である。モノマー(B)の含有割合が0.2重量%未満であれば、前述した臭気の問題も生じず、香料によってマスキングする必要もないため、本発明において対象とする範囲ではない。また、本発明の樹脂組成物においては、モノマー(B)の含有割合が樹脂(A)に対して2.0重量%以下である場合を対象とすることが好ましく、より好ましくは1.8重量%以下、さらに好ましくは1.5重量%以下である。モノマー(B)の含有割合が2.0重量%を超える場合は、通常重合により残存するモノマー濃度の範囲とは考えにくく、本発明において対象とする範囲にはならないおそれがある。
前記香料(C)としては、モノマー(B)に起因する不快臭を中和(マスキング)し得るものであればよく、限定はされないが、例えば、メントール(l−メントール、d−メントール)、イオノン(α−イオノン、β−イオノン)、1,8−シネオール、リモネン、バニリン、エチルバニリン、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アルミシンナミックアルデヒド、アンスラニル酸メチル、イソオイゲノール、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、ウンデカンラクトン、エナント酸エチル、オイゲノール、オクチルアルデヒド、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル、カプロン酸、カプロン酸アリル、カプロン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、けい皮アルコール、けい皮アルデヒド、けい皮酸、けい皮酸エチル、けい皮酸メチル、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピール、酢酸フェニルエチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、1−酢酸メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネロール、デシルアルコール、デシルアルデヒド、テルピネオール、ノナラクトン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソエチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、1−ペリラアルデヒド、α−ボルネオール、マルトール、N−メチルアンスラニル酸メチル、メチル−β−ナフチルケトン、ユーカリプトール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、リナロール、ムスコン、シペトン、アンプレイン、オレンジ油、レモン油、はっか油、シトロネラ油、しょう脳油、レモングラス油、ラベンダー油、ボアドローズ油、ベルガモット油、スペアミント油、ライム油、プチグレン油、クロープ油、ゼラニウム油およびサンダルウッド油などが好ましく挙げられる。なかでも、メントールおよび/またはイオノンが、モノマー(B)に対するマスキング効果に極めて優れ、しかも、少ない使用量でも十分なマスキング効果を発揮し得る点でコスト面にも優れるため、より好ましい。臭気の原因となる残存モノマーが前記モノマー(B)である場合に、そのマスキングの為の香料(C)としてメントールおよび/またはイオノンを用いることは、上述したような点で、特に好ましい組み合わせである。
本発明の樹脂組成物における香料(C)の含有割合は、樹脂(A)に対して、0.002〜0.2重量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.15重量%、さらに好ましくは0.01〜0.1重量%である。香料(C)の含有割合が上記範囲を下回る場合は、前述したマスキングの効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、香料(C)の含有割合が上記範囲を上回る場合は、前述したマスキングの効果を超えて香料自体の臭いが目立ってしまい逆に不快に感じてしまうおそれや、樹脂(A)の各種樹脂物性(例えば粘着性など)に悪影響を与えてしまうおそれがあり、後者の観点では香料(C)の含有割合はできるだけ少ない方が望ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記樹脂(A)、モノマー(B)および香料(C)を含んでなるが、必要に応じて、さらにその他の成分を、本発明の効果が損なわれない範囲で含んでいてもよい。
上記その他の成分としては、例えば、各種有機顔料または無機顔料;酸性染料、直接染料、反応性染料、分散染料、食品用色素等の各種染料;可塑剤、成膜助剤、ワックス、保湿剤、消泡剤界面活性剤、湿潤剤、レベリング剤、粘着性付与剤(増粘剤)、レオロジー改良剤、金属イオン封鎖剤、殺生剤、分散剤;炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、シリケート等の増量剤;充填剤、凍結防止剤、凍結および解凍安定剤、保存料、腐食防止剤、カラー保水性向上剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤および蛍光増白剤;等の各種添加剤などが挙げられる。特に、本発明の樹脂組成物を、粘着剤組成物として用い得るようにする場合(樹脂(A)のTg(℃)が前述した範囲である場合)は、上記その他の成分としては、例えば、通常の粘着剤に用いられる、粘着性付与剤(増粘剤)、充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、架橋剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤および紫外線安定剤等の各種添加剤などが挙げられる。
上記粘着性付与剤としては、例えば、(重合)ロジン系、(重合)ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロン系、クマロンインデン系、スチレン樹脂系、キシレン樹脂系、フェノール樹脂系および石油樹脂系等のものが挙げられる。これらは1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。これら粘着付与剤を含有させる場合、その含有割合は、所望する粘着性能が得られるように適宜設定すればよく、限定はされない。
本発明の樹脂組成物は、樹脂(A)、モノマー(B)、香料(C)、および、必要に応じて用いる上記その他の成分、を組み合わせることにより得ることができ、その調製方法は限定はされず、例えば、各成分をどのような順序でどのようにして混合してもよい。具体的には、本発明の樹脂組成物は、バドル翼等の撹拌機、高速撹拌分散機、高圧ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルおよび振動式分散機等の、公知の撹拌装置、分散装置または破砕装置により調製することができる。また、必要に応じて、ストレーナー等を通して粗大粒子等を除去することもできる。
本発明の樹脂組成物の用途は、限定はされず、例えば、グラビア印刷用インク、フレキソ印刷用インクおよびインクジェットプリンター用インク等の各種インク;OPニスおよびフィルムコート等の各種クリアーコーティング剤;インクジェットプリンター用受容紙の受容層;路面表示用塗料、導電性塗料、プラスチック用塗料、無機建材用塗料、金属用塗料、皮革塗料および補修用塗料等の各種塗料;有機基材、無機基材および難接着性基材へのプライマー;不織布バインダー、顔料捺染用バインダー、撥水加工や仕上げ加工用バインダー、および、織布コーティングや含浸処理加工用バインダー等の各種繊維処理剤;ドライラミネートや押し出しラミネート等の各種ラミネート用接着剤、木材用接着剤および構造用接着剤等の各種接着剤;帯電防止剤;プライマー;トップコート;粘着剤;マニキュアやヘアセット剤等の各種化粧品;などの幅広い用途に好適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物を粘着剤組成物として用いる場合は、例えば、絆創膏、薬剤含有粘着製品、手術・創価保護用テープまたはシート、スポーツ用テープ、脱毛用粘着シート等の医療用粘着製品;搬送用等の電子部品用粘着テープ;研磨布固定用テープ、ベリクル固定用テープ、バックラインドテープ、ダイシングテープ、リードフレーム固定用テープ、クリーニングテープ・シート等の半導体用粘着テープ;プリント基板用粘着テープ;識別用、装飾用、マーキング用等の剥離・装飾用粘着テープまたはシート;印刷用粘着紙、印刷用粘着フィルム等のラベル・シール用粘着シート;ダクト用、写真製版用、スプライシング用、遮熱・防音・防張用等の粘着テープ;シーリング用、日射遮へい・ガラス飛散防止フィルムやふすま紙等の建築・建材用、電磁波シールド用、光学用等の粘着テープまたはシート;滑り・離型用テープ、ゴキブリ・ネズミ捕獲用粘着テープ、ゴミ取り用粘着テープ等の特殊粘着テープまたはシート;等の用途や、ガラス板、金属板、プラスチック板、液晶パネル、塗装板、化粧板等の保護フィルム;塗装時に使用されるマスキングテープ・養生テープ;建設部材等の仮押さえ用粘着テープ;使用後剥離が必要となるリサイクル関連粘着テープ(片面あるいは両面テープ);熱線・紫外線吸収フィルム;等の再剥離が必要な用途などの、従来の粘着剤の用途全般に用いることができる。
本発明の樹脂組成物を、例えば粘着剤組成物として用いる場合は、通常、基材等に塗布(塗工)して、粘着シート等の粘着製品とする。
上記基材としては、例えば、クラフト紙、和紙、クレープ紙、合成紙等の紙;レーヨン(スフ)、綿、アセテート、ガラス、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の単独または混紡の織布;ポリエチレン、ポリプロピレン等の割布;レーヨン、アラミド、ポリエステル、ガラス等の不織布類;セロハン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン等のプラスチックフィルムやシート;天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリクロロプレンゴム等の単独または混合物のゴムシート;ポリウレタン、ポリエチレン、ブチルゴム、ポリクロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の発泡体;アルミニウム、銅、鉛、ステンレス等の金属箔;ガラス、ナイロン、レーヨン等のフィラメントとフィルムとの貼合せ複合体;紙、布(不織布も含む)プラスチックフィルム、金属箔、発泡体等の同種または異種の複数層の貼合せ複合体;アスベスト、マイカなど;等が挙げられる。
上記基材に塗布する方法としては、限定はされず、例えば、ナイフコート、コンマコート、スロットダイコート、スライドダイコート、エアナイフコート、プレードコート、バーコート、キスコート、スプレーコート、エアスプレーコート、ロールコート、ブラシコート、カーテンコート、フラッドコート、ディッピングコート等の従来公知の方法を採用できる。また、上記基材に直接塗布してもよいし、離型紙にあらかじめ塗布したものを基材に転写するようにしてもよい。さらに、上記基材の片面に塗布するようにしてもよいし、両面に塗布するようにしてもよい。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、「リットル」を単に「L」と記すことがある。また、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
<残存モノマー濃度の測定>
重合後の樹脂溶液について、(株)島津製作所製のGC−14B(カラム:G−100((財)化学物質評価研究機構製))を使用して、残存モノマーとしての2−エチルヘキシルアクリレートおよびブチルアクリレートの濃度をそれぞれ測定した。
<臭気強度および不快感の評価>
香料を添加した又は無添加のポリマー溶液を、離型紙(サンエー化研工業社製、製品名:K−80HS)上に、アプリケーターを用い、クリアランスを20mil(約500μm)に設定して塗布した後、80℃で2分間乾燥し、乾燥膜厚が約140μmの粘着シートを得た。この粘着シートの粘着面を厚み50μmのポリエステルフィルムに張り合わせ、これを25mm×100mmの大きさに切り、臭気評価用サンプルとした。
上記臭気評価用サンプルから離型紙を剥がして、(i)臭気強度、(ii)不快感のそれぞれの観点で10人によるパネルテストを行った。各人には、(i)臭気強度については、強い臭気の場合を「×」、弱い臭気又は臭気が無い場合を「○」とし、(ii)不快感については、快く感じる又は不快感が無い場合を「○」、不快に感じる場合を「×」として評価させた。この結果に基づき、総合的に、(i)臭気強度および(ii)不快感のいずれにおいても、7〜10人が「○」と評価した場合を「A」、4〜6人が「○」と評価した場合を「B」、0〜3人しか「○」と評価しなかった場合を「C」として評価した。
〔実施例1〕
2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2EHA」)270部、ブチルアクリレート(以下「BA」)295部、酢酸ビニル(以下「VAC」)24部、アクリル酸(以下「AA」)9部およびヒドロキシエチルアクリレート(以下「HEA」)1.8部を混合してモノマー成分(1)を調製した。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび不活性ガス導入管を装着したフラスコに、上記モノマー成分(1)200部と酢酸エチル398部とを初期仕込みした。
上記モノマー成分(1)の残り(約400部)、酢酸エチル10部および過酸化ベンゾイル系重合開始剤(ナイパーBMT−K40、日本油脂社製)0.8部を、滴下ロートに入れ、十分に混合しておいた。
窒素ガスを20mL/分で流通させながら、撹拌下でフラスコの内温を85℃まで昇温させ、その後、過酸化ベンゾイル系重合開始剤(ナイパーBMT−K40、日本油脂社製)0.96部をフラスコ内に投入し、重合反応を開始させた。
重合反応開始から15分後から、滴下ロート中の混合物を定量的に90分かけてフラスコ内に投入し、重合反応を進めた。滴下ロート中の混合物を投入し終えた直後、酢酸エチル100部を添加し、引き続き、フラスコの内温を80℃に保持したままで90分間熟成反応を行った。
その後、重合開始剤(ABN−E、日本ヒドラジン工業株式会社製)1.8部と酢酸エチル60部との混合溶液を、30分ごとに5回に分けてフラスコ内に投入し(残存モノマー反応用)た。引き続き、フラスコの内温を80℃に保持したままで再度90分間熟成反応を行い、重合反応を終了させ、ポリマー溶液を得た。
このポリマー溶液に、粘着付与樹脂(スーパーエステルA−100、荒川化学工業株式会社製)150部を添加し、溶解させた。さらに、酢酸エチルを適量追加し、不揮発分(固形分)が約50wt%になるように調整したポリマー溶液(1)を得た。
ポリマー溶液(1)は、不揮発分50wt%、粘度7000mPa・s(25℃、B型粘度計、ローターNo.3、回転数12/秒)であり、ポリマー溶液(1)中のポリマー(粘着付与樹脂は除く)の重量平均分子量(Mw)は680000、数平均分子量(Mn)は90000(ポリスチレン換算ゲルパーミエーションクロマトグラフ)、ガラス転移温度(Tg(℃))は−58℃であった。また、ポリマー溶液(1)中の、残存モノマーとしての2EHAおよびBAの合計濃度は、ポリマー溶液(1)中のポリマー(粘着付与樹脂は除く)に対して、1.04wt%であった。
ポリマー溶液(1)に、十分に撹拌しながら、香料としてのメントールを、ポリマー溶液(1)中のポリマー(粘着付与樹脂は除く)に対して、0.002wt%、0.02wt%および0.2wt%となるように配合したもの各々について、前述した方法により、臭気強度および不快感を評価した。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1で得られたポリマー溶液(1)に、十分に撹拌しながら、香料としてのメントールを、ポリマー溶液(1)中のポリマー(粘着付与樹脂は除く)に対して、0.0002wt%および0.6wt%となるように配合したもの各々について、前述した方法により、臭気強度および不快感を評価した。その結果を表1に示す。
〔実施例2〜5〕
実施例1において、香料としてのメントールをα−イオノン、1,8シネオール、リモネンおよびバニリンの各々に変更した以外は、同様にして、臭気強度および不快感を評価した。その結果を表1に示す。
〔比較例2〜5〕
比較例1において、香料としてのメントールをα−イオノン、1,8シネオール、リモネンおよびバニリンの各々に変更した以外は、同様にして、臭気強度および不快感を評価した。その結果を表1に示す。
〔比較例6〕
実施例1において、香料としてのメントールを配合しなかった以外は、同様にして、臭気強度および不快感を評価した。その結果を表1に示す。
〔比較例7〕
2EHA270部、BA259部、VAC60部、AA9部およびHEA1.8部を混合してモノマー成分(c1)を調製した。
実施例1と同様のフラスコに、上記モノマー成分(c1)200部と酢酸エチル398部とを初期仕込みした。
上記モノマー成分(c1)の残り(約400部)、酢酸エチル10部および過酸化ベンゾイル系重合開始剤(ナイパーBMT−K40、日本油脂社製)0.8部を、滴下ロートに入れ、十分に混合しておいた。
窒素ガスを20mL/分で流通させながら、撹拌下でフラスコの内温を85℃まで昇温させ、その後、過酸化ベンゾイル系重合開始剤(ナイパーBMT−K40、日本油脂社製)0.96部をフラスコ内に投入し、重合反応を開始させた。
重合反応開始から15分後から、滴下ロート中の混合物を定量的に90分かけてフラスコ内に投入し、重合反応を進めた。滴下ロート中の混合物を投入し終えた直後、酢酸エチル100部を添加し、引き続き、フラスコの内温を80℃に保持したままで90分間熟成反応を行った。
その後、重合開始剤(ABN−E、日本ヒドラジン工業株式会社製)3.6部と酢酸エチル60部との混合溶液を、30分ごとに10回に分けてフラスコ内に投入し(残存モノマー反応用)た。引き続き、フラスコの内温を80℃に保持したままで240分間熟成反応を行い、重合反応を終了させ、ポリマー溶液を得た。
このポリマー溶液に、粘着付与樹脂(スーパーエステルA−100、荒川化学工業株式会社製)150部を添加し、溶解させた。さらに、酢酸エチルを適量追加し、不揮発分(固形分)が約50wt%になるように調整したポリマー溶液(c1)を得た。
ポリマー溶液(c1)は、不揮発分50wt%、粘度9500mPa・s(25℃、B型粘度計、ローターNo.3、回転数12/秒)であり、ポリマー溶液(c1)中のポリマー(粘着付与樹脂は除く)の重量平均分子量(Mw)は750000、数平均分子量(Mn)は110000(ポリスチレン換算ゲルパーミエーションクロマトグラフ)、ガラス転移温度(Tg(℃))は−55℃であった。また、ポリマー溶液(c1)中の、残存モノマーとしての2EHAおよびBAの合計濃度は、ポリマー溶液(c1)中のポリマー(粘着付与樹脂は除く)に対して、0.164wt%であった。
ポリマー溶液(c1)について、香料は配合せずに、前述した方法により、臭気強度および不快感を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2005187537
本発明にかかる樹脂組成物は、例えば、粘着剤、各種インク、各種コーティング剤、各種塗料、各種プライマー、各種繊維処理剤、各種接着剤等の用途に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 2−エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを必須モノマーとするモノマー成分を重合して得られる樹脂と、微量の前記必須モノマーと、前記樹脂に対し0.002〜0.2重量%の割合の香料とを含む、樹脂組成物。
  2. 前記香料がメントールおよび/またはイオノンである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂のガラス転移温度が−70〜−30℃である、請求項1から3までのいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記微量の必須モノマーが前記樹脂に対し0.2〜2重量%の割合で含まれてなる、請求項1から4までのいずれかに記載の樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012229301A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Hitachi Chemical Co Ltd 樹脂組成物及びそれを用いた被覆層の製造方法、電子部品

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