JP2005181996A - 防眩性フィルム、それを用いた反射防止フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

防眩性フィルム、それを用いた反射防止フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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上 豪 一 三
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田 行 光 岩
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Abstract

【課題】 カール発生の抑制と耐擦過性とを付与した防眩性フィルムを提供すること。
【解決手段】 基材と、防眩層とにより構成されてなる防眩性フィルムであって、前記防眩層が、微粒子と、二種以上の多官能性アクリル樹脂とを含んでなり、前記二種以上の多官能性アクリル樹脂の少なくとも一種が特定の式で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートであるものによって達成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、CRT、液晶パネル等のディスプレイに用いられる、防眩性フィルム、それを用いた反射防止フィルムおよび画像表示装置に関する。
液晶パネル等のディスプレイは、防眩性フィルムまたは反射防止フィルム等を備えてなるものが一般的であり、これらは光源から発する光を調整する役割を担うものとして利用される。これらフィルムの形成にあっては、フィルム自体の保護、特に耐擦過性付与を目的として、熱硬化性樹脂、とりわけアクリル酸系樹脂が利用される。また、特開平10−20103号(特許文献1)では、ハードコート層の機械的強度を向上させる目的で、電離放射性硬化型樹脂等に電離放射線を照射し架橋硬化させてハードコート層を形成することが提案されている。しかしながら、多くのアクリル酸系樹脂の中から、所望の強度および耐擦過性を向上させる二種以上の樹脂を組合せは未だ見出されていない。
一方、近年、携帯電話、小型ノートパソコンなどに使用されるディスプレイにあっては
、その薄厚化がますます要求されている。この要求に対して、本発明者は、従来の厚さ(
100〜70μm)の半分とした透明基材に、防眩性剤を含んでなる電離放射性硬化型樹脂等を塗布して電離放射線を照射して架橋硬化させて防眩性層を形成させたところ、防眩性層にカールが発生することが分かった。従って、現在、基材上に形成された防眩層のカール化を抑制し、かつ、耐擦傷性を向上させた防眩性フィルムおよびそれを用いた反射防止フィルムの開発が切望されている。
特開平10−20103号
発明の概要
本発明者等は、今般、イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートとそれ以外の多官能性アクリル樹脂とを組み合わせたものを利用することにより、カール発生を抑制し、かつ、耐擦傷性を有する防眩性フィルムを得ることができるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
従って、本発明はカール発生を抑制し、かつ、優れた耐擦傷性を有する防眩性フィルムを提供することを目的とする。
よって、本発明による防眩性フィルムは、基材と、該基材の上に形成されてなる防眩層とを備えてなるものであって、
前記防眩層が、微粒子と、二種以上の多官能性アクリル樹脂とを含んでなり、
前記二種以上の多官能性アクリル樹脂の少なくとも一種が下記一般式(I):
Figure 2005181996
で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートであるものである。
本発明の別の態様によれば反射防止フィルムが提供され、この反射防止フィルムは、基材と、防眩層と、低屈折率層とにより構成されてなるものであって、
前記低屈折率層が、前記防眩層より低い屈折率を有するものであり、かつ、前記防眩層の上に形成されてなるものであり、
前記基材と、前記防眩層が、先の本発明による防眩性フィルムを構成するものである。
発明の具体的説明
防眩性フィルム
本発明による防眩性フィルムの一態様を図1を用いて説明する。図1は本発明による防眩性フィルム1の断面図を示す。基材9の上面に防眩層が形成されている。防眩層5が、微粒子と、多官能性アクリル樹脂として上記一般式(I)で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートと、それ以外の多官能性アクリル樹脂であるペンタエリストールトリアクリレートとを含んでなる組成物を基材9の上面に塗布し紫外線を照射し形成したものである。
本発明による防眩性フィルムはカール発生を有効に防止し、かつ、耐傷性に優れたものである。従って、本発明にあっては、防眩性フィルム1の縁周部4と中心部3との厚さ7は0μmであるのが最も好ましいが、技術的にみて、厚さ7は1.0μm以下、好ましく0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下である。
1)多官能性アクリル樹脂
本発明における防眩層は、二種以上の多官能性アクリル樹脂を利用し成される。本発明にあっては、多官能性アクリル樹脂の少なくとも一種が上記一般式(I)で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートを用いる。上記一般式(I)で表される以外の多官能性アクリル樹脂の具体例としては、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ペンタエリスリトール〔トリ(メタ)〕アクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)等が挙げられ、好ましくは上述のPETA、DPHA、HPDAであり、より好ましくはペンタエリストールトリアクリレート[(CH=CHCOCOHCCHOH]が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートの添加量は、多官能性アクリル樹脂の総重量に対して、10以上45重量%以下であり、好ましくは上限が40重量%以下であり下限が20重量%以上である。
本発明による好ましい態様によれば、上記一般式(I)で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートと、ペンタエリストールトリアクリレートとの組合せを用いることが好ましい。
本発明にあっては、二種以上の多官能性アクリル樹脂を用いて防眩層を形成させてなるが、さらに他の基本材料、例えばUV硬化型化合物などの電離放射性硬化組成物を添加してもよい。また、防眩層を形成する際に、光重合開始剤を用いることができ、その具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが挙げられる。この化合物は市場入手可能であり、例えば商品名イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が挙げれられる。
2)防眩性剤
防眩性剤としての微粒子は、無機系、有機系のいずれのものも利用することができる。微粒子は、球状、例えば真球状、楕円状などの形状であってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。無機系微粒子の具体例としてはシリカビーズが挙げられ、有機系微粒子の具体例としてはプラスチックビーズが挙げられ、透明性のものがより好ましい。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられ、好ましくはスチレンビーズが挙げられる。
プラスチックビーズの粒径は、0.5μm以上15μm以下であり、好ましくは下限が
1.5μm以上であり上限が6μm以下である。無機ビーズの粒径は、0.5μm以上5μm以下のものが好ましい。粒径範囲が上記の範囲内にあることにより、防眩層表面に防眩性を十分に付与することができ、かつフィルム内を透過した内部からの光を防眩層内部の光拡散効果により平均化をさせ、表示画面に現れるギラツキを十分に改善することができる。
プラスチックビーズ、無機ビーズの添加量は、防眩層の全重量に対して、3重量%以上30重量%以下であり、好ましくは下限が5重量%以上であり上限が25重量%以下である。添加量が上記の範囲内にあることにより、光を拡散する効果が高く、透過画像の鮮明度が増加し、映像のギラツキを抑制することができる。
プラスチックビーズを添加する際、シリカ等の無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーの添加は、防眩層を形成する樹脂成分中に添加されたプラスチックビーズの沈降を抑制することができる。
無機フィラーの粒径は、0.5μm以上5μm以下のものが好ましい。無機フィラーの添加量は、防眩層の全重量に対して、3重量%以上30重量%以下であり、好ましくは上限が15重量%以下である。無機フィラーの粒径または添加量が、上記の範囲内にあることにより、プラスチックビーズの沈降を有効に防止することができるとともに、防眩層の透明性を確保することができるからである。
プラスチックビーズまたは無機フィラーを添加した場合は、防眩層を構成する樹脂成分と十分に混合して均一に分散させた後に、透明基材に塗布することが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による防眩性フィルムが後記する帯電防止層を含む場合、防眩層が導電性微粒子をさらに含んでなることが好ましい。これにより帯電防止層と、防眩層の最表面層との間に導電性が付与される。ここで、導電性微粒子の具体例としては、後記する帯電防止層で述べるのと同様であってよく、好ましくは、金および/またはニッケルで表面処理をした微粒子であることが好ましい。この場合の粒子としては、シリカ、カーブンブラック、金属粒子または樹脂粒子が好ましく用いられる。通電粒子の粒径は、防眩層の膜厚の1/3以上であることが好ましい。このような導電性微粒子を用いることにより、1012Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下の良好な導電性を持つ防眩層を得ることが可能となる。
3)基材
基材は、透明性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度とに優れたものが好ましい。基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、またはポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル、セルローストリアセテートが挙げられる。
本発明にあっては、これらの熱可塑性樹脂を薄膜の柔軟性に富んだフィルム状体として使用するが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板またはガラス板の板状体のものも使用することができる。
基材の厚さは、20μm以上300μm以下、好ましくは上限が200μm以下であり、下限が30μm以上である。本発明の好ましい態様によれば、基材の厚さが50μm以下、好ましくは35μm以下とされてよい。基材の厚さがこのような薄いものとされても、本発明における二種以上の多官能性アクリル樹脂を利用することにより、防眩性フィルムのカール発生を抑制することを可能とする。基材は、その上に防眩層を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤もしくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行なってもよい。
4)防眩層の形成
防眩層は、上記した二種以上の多官能性アクリル樹脂と、適切な溶剤、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、MEK、MIBKに混合して得た液体組成物を基材に塗布することにより形成されてよい。
本発明の好ましい態様によれば、上記の液体組成物に、フッ素系またはシリコーン系などのレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加した液体組成物は、塗布または乾燥時に塗膜表面に対して酸素による硬化阻害を有効に防止し、かつ、耐擦傷性の効果とを付与することを可能とする。レベリング剤は、耐熱性が要求されるフィルム状透明基材(例えばトリアセチルセルロース)に好ましくは利用される。
液体組成物を塗布する方法としては、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。液体組成物の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。紫外線源の具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、または直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
防眩層の厚さは、0.5μm以上10μm以下であり、好ましくは下限が1μm以上であり上限7μm以下である。
帯電防止層(導電層)
本発明の好ましい態様によれば、防眩性フィルムは帯電防止層(導電層)を基材と防眩層との間に形成されてよい。
電防止層(導電性層)は、好ましくは防眩層の上面に形成されてよい。帯電防止層の形成の具体例としては、防眩層の上面に導電性金属もしくは導電性金属酸化物等を蒸着またはスパッタリングすることにより蒸着膜を形成する方法または樹脂中に導電性微粒子を分散した樹脂組成物を塗布するにより塗膜を形成する方法が挙げられる。帯電防止層の形成にあっては、帯電防止層の表面抵抗値が、5×107Ω/□以下となるよう行うことが好ましい。
1)帯電防止剤
帯電防止層を蒸着膜で形成する場合、耐電防止剤として導電性金属もしくは導電性金属酸化物、例えばアンチモンドープのインジウム・錫酸化物(以下、「ATO」という)、インジウム・錫酸化物(以下、「ITO」という)が挙げられる。帯電防止層としての蒸着膜の厚さは、10nm以上200nm以下であり、好ましくは上限が100nm以下であり、下限が50nm以下である。
帯電防止層は帯電防止剤である導電性微粒子を含む塗液により形成されてもよい。導電性微粒子としては、金属酸化物からなるのものを挙げることができる。そのような金属酸化物の具体例としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO(1.95)、Sb(1.71)、SnO(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In(2.00)、Al(1.63)、アンチモンドープ酸化錫「略称ATO」(2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛「略称AZO」(2.0)等を挙げることができる。
導電性微粒子は、1ミクロン以下の、いわゆるサブミクロンの大きさのものを指し、好ましくは、平均粒径が0.1nm〜0.1μmのものである。導電性微粒子の添加量は、帯電防止層の全重量に対して、5重量%以上70重量%以下であり、好ましくは上限が60重量%以下であり、下限が15重量%以上である。塗膜の厚さは、0.05μm以上2μm以下であり、好ましくは下限が0.1μm以上であり上限が1μm以下である。
2)硬化型樹脂
本発明にあっては、導電性微粒子を用いて塗膜する場合、好ましくは硬化型樹脂を用いる。硬化型樹脂としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げら、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
a)電離放射線硬化型樹脂
電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、先に述べた多官能性アクリル樹脂と同様であってよい。
電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
b)溶剤乾燥型樹脂
電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般的に例示されるものが利用される。溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。
本発明の好ましい態様によれば、基材の材料がTAC等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例として、セルロース系樹脂、例えばニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。セルロース系樹脂を用いことにより、基材と帯電防止層との密着性と透明性とを向上させることができる。
c)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等をさらに添加して使用することができる。
帯電防止層の形成
帯電防止層として塗膜を形成するには、導電性微粒子に硬化型樹脂に含ませた塗液を、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法により塗布する。次に、この塗液の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。
電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
反射防止フィルム
本発明の別の態様によれば、反射防止フィルムが提供でき、そのフィルムは上記した本発明による防眩性フィルムの防眩層の上に低屈折率層が形成されてなるものである。
低屈折率層
低屈折率層は、防眩層の表面、好ましくは最表面に形成されてなり、低屈折率層は、防眩性層の屈折率と相違するものであり、好ましくはその屈折率が防眩層のものより低いものが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、防眩性層の屈折率が1.5以上であり、低屈折率層の屈折率が1.5未満であり、好ましくは1.45以下で構成されてなるものが好ましい。
低屈折率層の厚さは、20nm以上800nm以下であり、好ましくは上限が400nm以下であり、下限が50nm以上である。
本発明による反射防止フィルムの好ましい一例としては、基材と帯電防止層(これらの屈折率は防眩性層の屈折率より低いものである)と、防眩層(屈折率1.50以上)と、低屈折率層(屈折率1.5未満)とで構成されてなるものが挙げられる。この反射防止フィルムは空気層(屈折率1.0)と接しているので、効率よく反射防止を行うことができる。特に、防眩性層の屈折率より低い低屈折率層を積層することにより反射防止効果がより高くなる。
1)低屈折率層剤
低屈折率層剤の具体例としては、シリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体が挙げられ、その例としてはフッ化ビニリデン30〜90重量%及びヘキサフルオロプロピレン5〜50重量%を含有するモノマー組成物が共重合されてなるフッ素含有割合が60〜70重量%であるフッ素含有共重合体100重量部と、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物80〜150重量部とからなる樹脂組成物が挙げられる。
このフッ素含有共重合体は、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを含有するモノマー組成物を共重合することによって得られる共重合体が挙げられる。このモノマー組成物における各成分の割合は、フッ化ビニリデンが30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%、特に好ましくは40〜70重量%であり、またはヘキサフルオロプロピレンが5〜50重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜45重量%である。このモノマー組成物は、更にテトラフルオロエチレンを0〜40重量%、好ましくは0〜35重量%、特に好ましくは10〜30重量%含有するものであってもよい。
このフッ素含有共重合体を得るためのモノマー組成物は、必要に応じて、他の共重合体成分が、例えば、20重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有されたものであってもよい。この共重合体の具体例としては、フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−ブロモー3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモー3,3−ジフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等のフッ素原子を有する重合性モノマーを挙げることができる。
このようなモノマー組成物から得られるフッ素含有共重合体のフッ素含有割合は60〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは62〜70重量%、特に好ましくは64〜68重量%である。添加割合がこのような範囲であることにより、後述の溶剤に対して良好な溶解性を有する。または、フッ素含有共重合体を成分として含有することにより、優れた密着性と、高い透明性と、低い屈折率とを有し、優れた機械的強度を有する薄膜を形成することが可能となる。
フッ素含有共重合体は、その分子量がポリスチレン換算数平均分子量で5000〜200000、特に10000〜100000であることが好ましい。このような大きさの分子量を有するフッ素含有共重合体を用いることにより、得られるフッ素系樹脂組成物の粘度が好適な大きさとなり、従って、確実に好適な塗布性を有するフッ素系樹脂組成物とすることができる。
フッ素含有共重合体自体の屈折率は1.45以下、好ましくは1.42以下、より好ましくは1.40以下であるものが好ましい。屈折率がこの範囲にあることにより、形成される薄膜の反射防止効果が好ましいものとなる。
2)低屈折率層の形成
本発明による反射防止フィルムは、基材と、防眩層と、低屈折率層とにより構成されてなるものであり、基材と、防眩層、必要に応じて帯電防止層、の各層形成にあっては先の本発明による防眩性フィルムで説明したのと同様であってよい。低屈折率層の形成は以下のようにして行う。
フッ素含有共重合体と樹脂とを、必要に応じて光重合開始剤の存在下で活性エネルギー線を照射することにより、または熱重合開始剤の存在下で加熱されることにより重合して塗膜を形成することができる。使用する樹脂は帯電防止性層で説明したのと同様であってよい。これらの樹脂のうち、好ましくは、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
使用する樹脂は、エチレン性不飽和基を1分子中に3個以上含有するものである場合には、得られるフッ素系樹脂組成物は、特に、基材に対する密着性及び基材の表面の耐傷性等の機械的特性が極めて良好な薄膜を形成するものとすることができる。
樹脂の添加量は、フッ素含有共重合体100重量部に対して30〜150重量部、好ましくは35〜100重量部、特に好ましくは40〜70重量部である。また、フッ素含有共重合体と樹脂とを含む重合体形成成分の合計量におけるフッ素含有割合が30〜55重量%、好ましくは35〜50重量%であることが好ましい。
添加量またはフッ素含有割合が、上記した範囲内にあることにより、低屈折率層は、基材に対する密着性が良好であり、また、屈折率が高く良好な反射防止効果を得ることが可能となる。
好ましい低屈折率層
本発明の好ましい低屈折率層は、低屈折率層用組成物を調製して塗膜する方法が好ましくは挙げられる。低屈折率層用組成物は、微粒子と、樹脂と、任意成分とにより形成されてよい。低屈折率層は、単層または複数層であってもよい。
微粒子
微粒子は、無機物、有機物のいずれでもあってよく、例えば、金属、金属酸化物、プラスチックからなるものが挙げられ、好ましくは酸化珪素(シリカ)微粒子が挙げられる。シリカ微粒子は結着剤(バインダー)の屈折率上昇を抑制しつつ、所望の屈折率を付与することを可能とする。シリカ微粒子は結晶性、ゾル状、ゲル状の状態等を問わない。また、シリカ微粒子は市販品を使用することができ、例えば、アエロジル(デグサ社製)、コロイダルシリカ(日産化学工業製)等が好ましく使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。「空隙を有する微粒子」は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。
空隙を有する無機系の微粒子の具体例としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましくは挙げられる。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
塗膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムおよび表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、または断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体的としては、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
微粒子の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であり、好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、より好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。
微粒子の疎水化
本発明の好ましい態様によれば、微粒子は疎水化されたものが好ましい。疎水化される微粒子はそれ自体、疎水性、非疎水性、これらの両性のいずれであってもよい。また、疎水化は、微粒子の全表面または内部構造までさらに行ってもよい。微粒子を疎水化する処理方法としては、1)低分子有機化合物による疎水化処理、2)高分子化合物による表面被覆疎水化処理、3)カップリング剤による疎水化処理、4)疎水性ポリマーをグラフトすることによる疎水化方法が挙げられる。
樹脂
樹脂は、1分子中に3個以上の電離放射線で硬化する官能基を有するモノマーが含まれる。本発明で使用するモノマーは、電離放射線により硬化する官能基(以下、「電離放射線硬化性基」と適宜呼ぶ)を有し、かつ、熱により硬化する官能基(以下、「熱硬化性基」と適宜呼ぶ)を有する。このため、このモノマーを含有する組成物(塗工液)を被塗工体の表面に塗布し、乾燥した後、電離放射線を照射し、又は電離放射線の照射と加熱を行うことにより、塗膜内の架橋結合等の化学結合を容易に形成し、塗膜を効率よく硬化させることができる。
このモノマーが有する「電離放射線硬化性基」は、電離放射線の照射により重合又は架橋等の大分子量化反応を進行させて塗膜を硬化させることができる官能基であり、例えば、光ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオン重合のような重合反応、或いは、光二量化を経て進行する付加重合又は縮重合等の反応形式により反応が進行するものが挙げられる。その中でも、特に、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基は、紫外線、電子線のような電離放射線の照射により直接的に、又は開始剤の作用を受けて問接的に光ラジカル重合反応を生じるものであり、光硬化の工程を含む取り扱いが比較的容易なものとして好ましい。
モノマー成分中に含まれていてもよい「熱硬化性基」は、加熱によって同一の官能基又は他の官能基との間で重合又は架橋等の大分子量化反応を進行させて硬化させることができる官能基であり、そのような基の具体例としては、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、水素結合形成基等が挙げられる。これらの官能基の中でも水素結合形成基は、微粒子が無機超微粒子である場合、微粒子表面に存在する水酸基との親和性にも優れており、該無機超微粒子及びその集合体のバインダー中での分散性を向上させるので好ましい。水素結合形成基のうち、特に水酸基が、バインダー成分への導入が容易で、コーティング組成物の保存安定性や熱硬化により無機系の空隙を有する微粒子表面に存在する水酸基との共有結合を形成し、該空隙を有する微粒子が架橋剤として作用し、塗膜強度の更なる向上を図ることができるために特に好ましい。ここで、塗膜の屈折率を充分に低くするためには、モノマー成分の屈折率が1.65以下であることが好ましい。
本発明による反射防止積層体の低屈折率層の形成に用いるコーティング組成物の結着剤としては、1分子中に2個以上の電離放射線硬化性基を有するモノマー成分が挙げられ、これは塗膜の架橋密度を向上させ、膜強度又は硬度を向上させるために好ましいものである。
塗膜の屈折率を下げ、撥水性を持たせるためには、分子中にフッ素原子を有することが望ましい。本発明においては、フッ素原子を含み、且つ数平均分子量が2万以上の電離放射線で硬化するポリマーと、1分子中に2個以上の電離放射線で硬化する官能基を有するフッ素含有及び/又は先の非含有のモノマーとの組合せを好ましくは用いることができる。この組合せによる組成物は、低屈折率組成物に成膜性(皮膜形成能)と低い屈折率を付与するための結着剤である電離放射線硬化型のフッ素原子を含有するモノマー及び/又はボリマーを含んでなるものである。
分子中にフッ素原子を含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーは塗膜の架橋密度を高める効果があり、分子量が小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果がある。フッ素原子含有ポリマーは、分子量が十分大きいので、フッ素原子含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーと比べて成膜性が高い。このフッ素原子含有ポリマーに、上記フッ素原子含有及び/又は非含有モノマー及び/又はオリゴマーとの組合せにより、流動性が向上され塗工液としての適性が改善され、架橋密度も高められるので塗膜の硬度又は強度を向上させることができる。
フッ素原子含有モノマーの具体例としては、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロー2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等が挙げられる)、アクリルまたはメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類、完全または部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等が挙げられる。
フッ素原子非含有モノマーの具体例としては、ペンタエリストールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリストールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレー;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート誘導体、ジペンタエリストールペンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;または、これらのラジカル重合性モノマーが重合したオリゴマーが挙げられる。これらのフッ素非含有モノマー及び/又はオリゴマーは、二種以上を組み合わせて用いても良い。
任意の成分
低屈折率層は、疎水化処理された微粒子と、結着剤を含んでなるものであるが、さらに必要に応じて、フッ素系化合物および/またはケイ素化合物、分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物以外の結着剤等を含んでなるものであってよい。さらに、低屈折率層形成用塗工液には、溶剤、重合開始剤、硬化剤、架橘剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、またはその他の成分が含まれていても良い。
低屈折率層の形成に当たっては、必要に応じて適宜な溶剤を用い、粘度を、樹脂組成物として好ましい塗布性が得られる0.5〜5cps(25℃)、好ましくは0.7〜3cps(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた反射防止膜を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ基材に対する密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
樹脂の硬化手段は、帯電防止層の項で説明したのと同様であってよい。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素系樹脂組成物に添加されることが好ましい。
低屈折率層の形成方法は、他の一般的な薄膜成形手段、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、電気めっき法等の適宜な手段であってもよく、例えば前記以外の反射防止塗料の塗膜、膜厚0.1μm程度のMgF等の極薄膜や金属蒸着膜、あるいはSiOxやMgFの蒸着膜により形成してもよい。
偏光板と画面表示装置
本発明の別の態様によれば、偏光素子と、反射防止フィルムとにより構成されてなる偏光板を提供することができ、その偏光板は、偏光素子の表面に、本発明による反射防止フィルムを形成させてなるものである。また、本発明のさらに別の態様によれば、画像表示装置を提供することができ、この画像表示装置は、透過性表示体と、前記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるり、この透過性表示体の表面に、本発明による防眩性フィルム、本発明による反射防止フィルム、または本発明による偏光板が形成されてなるものである。
1)偏光板
本発明によれば、偏光素子に本発明の反射防止フィルムをラミネートすることによって、反射防止性の改善された偏光板が提案される。偏光素子は、例えば、よう素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。ラミネート処理にあたって、接着性の増加のため、または電防止のために、反射防止フィルムの基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。
本発明による偏光板は、例えば、バックライト側から、偏光素子と、本発明による反射防止フィルムとの順で形成されてよい。また別の例によれば、本発明による反射防止フィルムが偏光素子の両面に形成された偏光板であってもよい。
2)画像表示装置
本発明による画像表示装置は、基本的には光源装置(バックライト)と表示素子と本発明による防眩性フィルムとで構成されてよく、好ましくは光源装置と、表示素子と、本発明による反射防止フィルム(より好ましくは、本発明による偏光板)とで構成されてよい。また、本発明による画像表示装置の一例としては、バックライト側から、光源装置、偏光素子、基材、画像表示素子、基材、偏光板(好ましくは本発明のものによる)、反射防止フィルム(好ましくは本発明のものによる)として形成されてよい。
本発明による画像表示装置が液晶表示装置の場合、光源装置の光源は反射防止フィルムの下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
用途
本発明による防眩性フィルム、反射防止フィルム、偏光板、画像表示装置は、透過型表示装置に利用される。特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、液晶パネルなどの高精細画像用ディスプレイの表面に用いられる。
本発明の内容を下記の実施例により詳細に説明するが、本発明の内容は実施例により限定して解釈されるものではない。
実施例1
下記組成表に示される組成物を十分混合して調整し、孔径30umのポリプロピレン製フィルターでろ過して塗布液1とした。80um厚のトリアセチルセルロースフィルム(TAC;TD80U:富士写真フィルム社製)をロール形態で巻きだして、先に調整した防眩層塗布液1を、乾燥膜厚が7umになるように塗布し、110度で1分間加熱した後、さらに窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を55mJ照射して、光硬化させ、防眩層を形成させて防眩性フィルムとした。
塗布液1
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA; 日本化薬社製) 55質量部
上記一般式(I)で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレート
(東亞合成社製;M-215) 45質量部
アクリル系ポリマー(三菱レイヨン社製;mw=75,000) 10質量部
光硬化開始剤(チバガイギー社製;イルガキュア184) 5質量部
アクリル−スチレンビーズ(綜研化学社製;粒径3.5um、n=1.55) 3質量部
スチレンビーズ(綜研化学社製;粒径3.5um、n=1.60) 12質量部
シロキサン系レべリング剤(10-28;大日本精化社製) 0.05質量部
トルエン 140質量部
シクロヘキサノン 60質量部
比較例1
下記組成表に示される組成物を用いて塗布液2を調製した以外は、実施例1と同様にして防眩性フィルムを得た。
塗布液2
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA; 日本化薬社製) 95質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物
(DPHA;日本化薬社製) 5質量部
アクリル系ポリマー(三菱レイヨン社製;mw=75,000) 10質量部
光硬化開始剤(チバガイギー社製;イルガキュア184) 5質量部
アクリル−スチレンビーズ(綜研化学社製;粒径3.5um、n=1.55) 3質量部
スチレンビーズ(綜研化学社製;粒径3.5um、n=1.60) 12質量部
シロキサン系レべリング剤(10-28;大日本精化社製) 0.05質量部
トルエン 140質量部
シクロヘキサノン 60質量部
比較例3
下記組成表に示される組成物を用いて塗布液3を調製した以外は、実施例1と同様にして防眩性フィルムを得た。
塗布液3
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA; 日本化薬社製) 95質量部
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;日本化薬社製) 5質量部
アクリル系ポリマー(三菱レイヨン社製;mw=75,000) 10質量部
光硬化開始剤(チバガイギー社製;イルガキュア184) 5質量部
アクリル−スチレンビーズ(綜研化学社製;粒径3.5um、n=1.55) 3質量部
スチレンビーズ(綜研化学社製;粒径3.5um、n=1.60) 12質量部
シロキサン系レべリング剤(10-28;大日本精化社製) 0.05質量部
トルエン 140質量部
シクロヘキサノン 60質量部
評価試験
実施例1、比較例1および2で調製した防眩性フィルムについて下記の評価試験を行った。その結果は下記表1に記載した通りであった。
評価1:カール発生有無試験
防眩性フィルムを10cm×10cmにカットした際の最大カール幅(図1に沿って)を測定した。測定は、防眩性フィルムを温度25度、湿度55%の環境にて行った。
評価2:塗膜密着度評価試験
防眩性フィルムにおける防眩層の面のみを縦10×横10=100升の碁盤目をカッターナイフを用いて形成した。次に、碁盤目セロテープ(ニチバン社製:セロハンテープ)を2.5cm×2.5cmの試験片を5回急速に着脱を繰り返し、100升中、残存する升の数を「m」とし塗膜密着度をm/100として表した。
評価3:全光線透過率およびヘイズ値測定試験
防眩性フィルムを、反射・透過率計HR−100(村上色彩技術研究所)により測定した。
評価4:強度評価試験
防眩性フィルムを、9.8N荷重により鉛筆を加圧して強度を鉛筆の高度で評価した。
評価5:耐擦傷性試験
防眩性フィルムを、摩耗輪CS−10F(TABER INDUSTRIELS社製)を用い、4.9N×2の荷重で100回転後のヘイズ変化を測定した。
Figure 2005181996
図1は、本発明による防眩性フィルムの一態様を示す概略図である。
符号の説明
1 防眩性フィルム
3 防眩性フィルムの中心部
4 防眩層の縁周部
5 防眩層
7 カール幅
9 透明基材

Claims (9)

  1. 基材と、該基材の上に形成されてなる防眩層とを備えてなる防眩性フィルムであって、
    前記防眩層が、微粒子と、二種以上の多官能性アクリル樹脂とを含んでなり、
    前記二種以上の多官能性アクリル樹脂の少なくとも一種が下記一般式(I):
    Figure 2005181996
    で表されるイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートである、防眩性フィルム。
  2. 前記イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレート以外の多官能性アクリル樹脂が、ペンタエリストールトリアクリレートである、請求項1に記載の防眩性フィルム。
  3. 前記防眩性フィルムにおける中心部と縁周部との差が、1.0μm以下である、請求項1または2に記載の防眩性フィルム。
  4. 前記イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートの添加量が、前記多官能性アクリル樹脂の総重量に対して10重量%以上45重量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防眩性フィルム。
  5. 前記基材と前記防眩層との間に、帯電防止層が形成されてなり、
    前記帯電防止層が硬化型樹脂と、導電性材料とを含んでなるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の防眩性フィルム。
  6. 前記防眩層が導電性微粒子をさらに含んでなり、これにより前記防眩層の最表面層と前記帯電防止層との間に導電性が付与されてなる、請求項5に記載の防眩性フィルム。
  7. 基材と、防眩層と、低屈折率層とをこれらの順で備えてなる反射防止フィルムであって、
    前記低屈折率層が、前記防眩層より低い屈折率を有するものであり、
    前記基材と前記防眩層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載された防眩性フィルムを構成するものである、反射防止フィルム。
  8. 偏光素子と、反射防止フィルムとを備えてなる偏光板であって、
    前記偏光板の表面に、請求項7に記載の反射防止フィルムが形成されてなる、偏光板。
  9. 透過性表示体と、前記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなる画像表示装置であって、
    前記透過性表示体の表面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の防眩性フィルム、請求項7に記載の反射防止フィルム、または請求項8に記載の偏光板が形成されてなる、画像表示装置。
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