JP2005178081A - 立体成形物の製造方法 - Google Patents

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Hiroaki Yoshizawa
宏明 吉澤
Tetsuji Mase
哲次 間瀬
Takashi Terada
隆 寺田
Masaya Nagata
雅也 永田
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Abstract


【課題】 連続繊維強化熱可塑性樹脂シートに予めスリット加工を施し、成形時に繊維配向のバラツキのない複数個の立体成形物を同時に効率的に成形できる。
【解決手段】 連続繊維強化熱可塑性樹脂シート1の隣り合う成形面の間にスリット5若しくは長孔を形成する工程と、第1の型16および第2の型17を備える加圧成形装置を用いて、該加圧成形装置の隣り合う前記成形用表面部位間に該熱可塑性樹脂シートのスリット若しくは長孔を位置決めして配置する工程と、前記熱可塑性樹脂シートを加熱する工程と、該熱可塑性樹脂シートの各成形面を前記成形用表面部位で加圧成形する工程とを行い、熱可塑性樹脂シートの各成形面に該スリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形するものであることを特徴とする立体成形物の製造方法。
【選択図】 図4

Description

この発明は、熱可塑性樹脂をベースマトリックスとし、連続繊維を強化材とした連続繊維強化複合材シートから複数個の立体的成形物を同時に成形する立体成形物の製造方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂をベースマトリックスとし、強化繊維に配向性を持たせた高性能繊維強化複合材料シートから、立体的成形物を加熱圧縮成形する熱可塑性樹脂高性能繊維強化複合材料シートの成形装置があり(特許文献1参照)、その連続繊維強化複合材料シートの加熱圧縮成形において、シートの必要箇所をピンで拘束し、格子効果による変形を利用して立体成形物を得る方法は実用化されている(特許文献2参照)。
特開平4−144733公報(図1参照)。 特開平4−176631公報(図2参照)。
しかし、上記特許文献1の成形装置と、特許文献2の制御方法および装置で、熱可塑性樹脂高性能繊維強化複合材料シートの加熱圧縮成形において1つのシートより同時に複数個の立体成形物を得ようとする場合には、それぞれの立体成形物の成形に必要な繊維配向の変化が繊維の連続性のため滑り込みが互いに抵抗し合い、不要なテンションがかかり、立体成形物を1個だけ成形した場合に比べて繊維配向が変化し立体成形物の品質が異なったものとなり、場合によっては繊維配向が乱れ、皺の発生を生じることが問題点となっていた。この熱可塑性樹脂高性能繊維強化複合材料シートを用いて成形する場合に前記問題点を解決してシート一枚より同時に多数個の立体成形物を繊維配向が乱れたり、皺が発生することなく成形しうる技術の開発が必要となっている。
この発明者はこの熱可塑性樹脂高性能繊維強化複合材料シートに成形前に連続繊維を分断する加工を施すことにより複数個の立体成形物を皺が発生することなく同時に成形しうる製造方法を開発したものです。
この発明は、前記した問題点を解決できるようにしたもので、成形前の連続繊維強化熱可塑性樹脂シートに打ち抜き装置において、繊維の連続性が妨げとなる箇所である隣り合う成形面の間にスリット若しくは長孔を形成しておき、成形装置において、スリット若しくは長孔を形成した熱可塑性樹脂シートの各成形面にそのスリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して繊維配向のバラツキのない複数個の立体成形物を同時に成形して成形効率を向上した立体成形物の製造方法を提供することを目的とする。
この発明の請求項1の立体成形物の製造方法は、連続繊維強化熱可塑性樹脂シートより複数の立体成形物を加圧成形によって製造する立体成形物の製造方法であって、該製造方法は、連続繊維強化熱可塑性樹脂シートの隣り合う成形面の間にスリット若しくは長孔を形成する工程と、複数の目的成形物を同時にかつ近接した位置にて加圧成形可能な複数の成形用表面部位を有する第1の型および第2の型を備える加圧成形装置を用いて、該加圧成形装置の隣り合う前記成形用表面部位間に該熱可塑性樹脂シートのスリット若しくは長孔を位置決めして配置する工程と、前記熱可塑性樹脂シートを加熱する工程と、該熱可塑性樹脂シートの各成形面を前記成形用表面部位で加圧成形する工程とからなり、前記熱可塑性樹脂シートに形成するスリット若しくは長孔の長さは、加圧成形装置の隣り合う成形用表面部位の前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ又はそれより長くなるように形成するものであり、該スリット若しくは長孔を形成した熱可塑性樹脂シートの各成形面に該スリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形するものであることを特徴とするものである。
この発明の請求項2の立体成形物の製造方法は、請求項1において、前記熱可塑性樹脂シートにスリット若しくは長孔を形成する工程は、該スリット若しくは長孔を間隔をおいて形成するものであるととともに、各スリット若しくは長孔を連続しないで、その長さが当該スリット若しくは長孔が配置される前記加圧成形装置の隣り合う前記成形用表面部位の前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ若しくはそれより長くなるように形成するものであることを特徴とする。
この発明の請求項3の立体成形物の製造方法は、請求項1又は2において、前記加圧成形装置は、多数の目的成形物を同時にかつ近接した位置にて加圧成形可能な多数の成形用表面部位が間隔をおいて設けられた第1の型および第2の型を備えるものであり、前記スリット若しくは長孔を連続しないで間隔をおいて形成した熱可塑性樹脂シートの各成形面にスリット若しくは長孔を連続しない箇所の応力と、スリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形するものであることを特徴とする。
上記したこの発明の立体成形物の製造方法は、スリット若しくは長孔を形成する工程で連続繊維強化熱可塑性樹脂シートの隣り合う成形面の間にスリット若しくは長孔を形成して繊維の連続性が妨げとなる箇所を分断開放しておき、そのスリット若しくは長孔の長さは、加圧成形装置の隣り合う成形用表面部位の前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ又はそれより長く形成し、加圧成形装置で、前記スリット若しくは長孔を形成した熱可塑性樹脂シートの各成形面に多数の目的成形物を同時にかつ近接した位置に加圧成形するとき、スリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形する。連続繊維によるテンションが有効に働く箇所の繊維の連続性を維持しつつ、スリット若しくは長孔の部分的分断加工を施したことにより、成形時にテンションでスリット若しくは長孔が拡開変形され、成形物に皺が寄ることなく複数個の立体成形物を同時に成形する。
上記したこの発明の立体成形物の製造方法は、前記各スリット若しくは長孔を連続しないで、その長さが当該スリット若しくは長孔が配置される前記加圧成形装置の隣り合う前記成形用表面部位の前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ若しくはそれより長くなるように形成するので、該熱可塑性樹脂シートの各成形面にスリット若しくは長孔を連続しない箇所の応力とスリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して成形物に皺が寄ることなく、繊維の配向性が揃ったものを成形する。
この発明の立体成形物の製造方法によれば、スリット若しくは長孔を形成する工程で、連続繊維強化熱可塑性樹脂シートの隣り合う成形面の間にスリット若しくは長孔を形成して繊維の連続性が妨げとなる箇所を分断開放し、加圧成形装置で、前記スリット若しくは長孔を形成した熱可塑性樹脂シートの各成形面に多数の目的成形物を同時に加圧成形するとき、スリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形することができる。連続繊維によるテンションが有効に働く箇所の繊維の連続性を維持しつつ、スリット若しくは長孔の部分的分断加工を施したことにより、成形時にテンションでスリット若しくは長孔が拡開変形され、成形物に皺が寄ることなく複数個の立体成形物を同時に成形することができ、成形の効率化が図れる。
この発明の立体成形物の製造方法によれば、熱可塑性樹脂シートの各成形面にスリット若しくは長孔を連続しない箇所の応力とスリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して成形物に皺が寄ることなく、繊維の配向性が揃ったものを成形することができる。
この発明の立体成形物の製造方法により立体成形物Aを成形する実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の立体成形物を打ち抜き装置と加圧成形装置により成形するプロセスを示す説明図、図2はスリットを入れたシートと、成形後の成形状態を示す斜視図、図3は複数個成形の場合の縦横にスリットを入れたシートの斜視図、図4は複数の立体成形物を成形した状態のシートを示す斜視図、図5は複数個成形の場合の縦横にスリットを入れたシートの平面図、図6は複数の立体成形物を成形したシートを示す平面図、図7は同一部破断正面図、図8はこの発明のスリットを入れたシートを成形する加圧成形装置を示す斜視図、図9は同成形前の破断正面図、図10は同成形後の破断正面図、図11は成形した立体成形物の斜視図である。
この発明の立体成形物の製造方法は、1枚の連続繊維強化熱可塑性樹脂シート1で同時に複数個の立体成形物Aを加圧成形によって製造する立体成形物の製造方法であって、スリット5若しくは長孔を打ち抜く工程と、加圧成形装置15を用いて、そのスリット5若しくは長孔を打ち抜いたシートを位置決めし、加熱し、加圧して立体成形物Aを成形する工程を行うものである。
図2ないし図7において、連続繊維強化熱可塑性樹脂シート1にスリット5を入れた場合と、成形後のシート1aに複数の立体成形物Aを成形した状態を示す。
この連続繊維強化熱可塑性樹脂シート1は熱可塑性樹脂をベースマトリックスとし、強化繊維に配向性を持たせたものである。シート1は、規則性を有する織物状配向の強化繊維を熱可塑性樹脂に含浸、凝固させたシートで、連続シート製造プロセスにより量産された素材等を使用する。高性能ACMシート(高性能先端複合材料)は繊維体積含有率VOLが50%を越え、織物による補強効果が素材全体の強度性能を向上させてもので、耐衝撃性に優れた素材である。この素材を用いて複数個の立体成形物Aの複数個分に相当する大きさとしたシート1を用意する。この成形前のシート1は、複数の立体成形物Aを成形するために、縦、横或いは縦横を仮想線Xで区画して複数のシート成形部分2とし、各仮想線で区画されたシート成形部分2は立体成形物Aと周囲に繋ぎシート部4を成形できる広さとする。
前記スリット5若しくは長孔を打ち抜く工程として、実施形態では打ち抜き装置10を用いて熱可塑性樹脂シート1にスリット5若しくは長孔を打ち抜く工程を説明する。
打ち抜き装置10において、連続繊維強化熱可塑性樹脂シートの隣り合う成形面の間にスリット5若しくは長孔を形成する工程を行う。前記熱可塑性樹脂シートに形成するスリット若しくは長孔(以下、スリットという)の長さは、加圧成形装置の隣り合う成形用表面部位16aの前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ又はそれより長くなるように形成する。
図1において、10はスリットを入れる打ち抜き装置、例えばパンチプレス機で、上型11と下型12とからなり、上型11にスリットを入れる刃部11aと下型12に刃受け凹部12aが備えられている。13は上型11を昇降するシリンダである。この型の材質は金属とする。
熱可塑性樹脂シート1に多数個の同じ台形の立体成形物を縦横に並べて成形する場合を説明する。
前記打ち抜き装置10を用いてスリット5を形成する工程は、シート1を上型11と下型12の間にセットしてシリンダによりパンチすることにより、スリット5がシート1の縦横に立体成形物Aを成形する成形面2とするに必要な広さの間隔をおいて形成される。
前記各スリット5は連続しないで、その長さが当該スリット若しくは長孔が配置される加圧成形装置15の隣り合う前記成形用表面部位16aの前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ又はそれより長くなるように形成される。
スリット5は立体成形物の各辺の長さと同じ若しくはそれより若干長くして、台形の立体成形物の場合には四隅などに皺などの変形を生じないようにする。この台形の立体成形物の縦横の長さが異なる場合には、それぞれ各辺の長さと略同じ、或いはそれ以上の長さとする。
前記スリット5は縦横に間隔をおいて形成され、かつスリット5は連続しないで形成されているので、この熱可塑性樹脂シートの各成形面にスリット若しくは長孔を連続しない箇所の応力と、スリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形することができる。
前記スリット5は、成形前の連続繊維強化熱可塑性樹脂シート1に成形する複数の立体成形物間の中間を縦、横或いは縦横に区画する仮想線X上であって、各成形用表面部位16a間に繊維を分断開放して加工される(図3および図5参照)。
各スリット5が連続しない箇所3、3’は、立体成形物Aを縦横に配列して製造する場合には、立体成形物A間の中間の仮想線Xが交差する箇所のスリット5の間、或いはスリットとシートの端の間であり、また、立体成形物Aを縦、又は横に配列して成形するときは、シートの端との間であり、成形時にテンションが有効に働いて成形面の四隅を有効に保持して立体成形物Aを成形することができる。
スリット5を設ける箇所は、台形の立体成形物Aの場合、その成形する複数個の立体成形物の隣り合う成形面の間の繋ぎシート部4の中間位置である。
前記繋ぎシート部4は、成形時にかかるテンションでシートをずり込ませてスリット5を両側より均等に拡開させ、変形を吸収しうる広さとし、立体成形物には繊維配向の乱れ、皺が生じないようにする。スリット5が成形の際にかかるテンション、内部応力等で拡開されるとき、両端を支点として中央部が大きく広げられ略六角形の穴6に広げられる。例えばスリット5はテンションで図に示すような略六角形に拡開されて繋ぎシート部4を変形させて成形部に歪み、皺の発生等を生じないようにしてある。
而して、隣り合う立体成形物Aの間で繊維の連続性をスリット5により分断開放しておき、加圧成形時にスリットが強化連続繊維のテンション、応力等により両側より均等に拡開されて繋ぎシート部が変形されることで歪みを吸収して、立体成形物に皺が生ずることなく、繊維配向のバラツキのない複数個の立体成形物Aを成形することができる(図4および図6参照)。
前記各スリット5が連続しない箇所3、3’とは、隣り合う立体成形物の間に設けたスリット5同士の端の間、スリット5とシートの端面との間の繊維の連続性を維持する非分断部分を言う。実施形態では、この非分断部3として、シート1に複数の立体成形物間を縦横に成形する場合には、縦横の仮想線X上のスリット5の端部との間の交差部3、スリット5の端とシートの両端との間の非分断部分3’を言う(図3および図5参照)。この非分断部分3は、狭いと成形時に破断を生じて十分な拘束作用がなくなるためにスリット5を十分に拡開できず、成形物に歪み等を生ずることになるので、少なくとも成形時にテンションが有効に働き繊維の連続性を維持するだけの長さ、広さを残すようにするのが好ましい。この非分断部分3には成形時にテンションが有効に働き、シートをピンで拘束するのと略同様の力が働くので、交差部をピンで拘束しなくとも成形できる。
なお、実施形態では、スリットを打ち抜く装置として、パンチプレス機を用いる場合を示したが、これに限られるものではなく、スリットは切削機等他の装置で加工することもできる。図では同一の台形状立体成形物を成形するために、シートの縦方向と横方向に複数のスリットを所定の間隔に設けてある場合を示したが、これに限られるものではなく、他の形状や異なる形状を同一シートより成形する場合にも同様の縦横のスリットを成形物間に入れることにより応用できる。
次に、前記スリット5を打ち抜いたシートに立体成形物を加圧成形する加圧成形装置15による工程を説明する。
複数の目的成形物Aを同時にかつ近接した位置にて加圧成形可能な複数の成形用表面部位16aを有する第1の型16および第2の型17を備える加圧成形装置15における工程は、前記熱可塑性樹脂シート1を加熱する工程と、該加圧成形装置15の隣り合う前記成形用表面部位16a間に該熱可塑性樹脂シート1のスリット5を位置決めして配置する工程と、該熱可塑性樹脂シート1の各成形面2を前記成形用表面部位16aで加圧成形する工程とからなり、該スリット若しくは長孔を形成した熱可塑性樹脂シート1の各成形面2に該スリット5に生ずる変形を利用して立体成形物Aを成形するものである。
図2において、左側に成形前のシート1、右側に成形後のシート1aを示す。成形前のシート1は2個の立体成形物Aを成形する場合で、シート1は四角形として、2個の立体成形物間の両端を非分断部分3’としてスリット5を加工する。このスリット5の長さは、立体成形物Aの長さと略同じとしてある。非分断部分3’は、成形時にテンションがかかるもそのままで、スリット5の部分だけがテンションで両側から均等に拡開されて図5のように仮想線に対称な略六角形の穴6に拡開される。
図3および図6は、一枚のシートより9個の立体成形物Aを同時に成形する場合で、シート1は四角形として、9個の立体成形物を区画する縦横の仮想線Xのスリット5の端と端の間の交差部に非分断部分3、スリット5の端とシート1の端との間に非分断部分3’が残され、立体成形物間の縦横の仮想線X上には所定の長さのスリット5を入れてある。このスリットの長さは、立体成形物Aの長さと略同じとしてある。この実施例では、縦横のスリット5の長さが異なり、成形時の略六角形の穴6の長さが異なる。
成形時にこの非分断部分3、3’はそのままで、スリット5の部分だけが広げられて図のように略六角形の穴6となる。シートは四隅でクランプされるだけで、シートの端は拘束されていないので、成形時に非分断部分3’による作用が働き、立体成形物の端とシートの端面との間にも、スリット5の箇所とほぼ同様にテンションがかかることにより繊維配向制御されて略六角形の半分の台形状のシート端部の変形6’となり、立体成形物には繊維配向の乱れ、皺が生じないようにする。
この発明のスリット5若しくは長孔を打ち抜いたシート1に立体成形物Aを加圧成形する加圧成形装置15による工程は、該加圧成形装置15の隣り合う成形用表面部位16a間に該熱可塑性樹脂シートのスリット若しくは長孔を位置決めして配置する工程と、前記熱可塑性樹脂シートを加熱する工程と、該熱可塑性樹脂シートの各成形面を前記成形用表面部位で加圧成形する工程を行う。
図1、図8および図9において、複数の目的成形物を同時にかつ近接した位置にて加圧成形可能な複数の成形用表面部位を有する第1の型および第2の型を備える加圧成形装置15を説明する。
15は複数個の立体成形物の加圧成形装置で、上部の凹型(上型)16と該凹型に対してプレスする下部の凸型(下型)17とからなり、上部の凹型16にはその下面の成形用凹部16a、下部の凸型(下型)17にはその上面の成形用凸部17aが備えられる。18は上部の凹型を備える上テーブル、19は上テーブルを昇降するシリンダ、20は下部の凸型を備える下テーブル、21は下テーブルを昇降するシリンダ、22は連続繊維強化熱可塑性樹脂シートを挟持するシートクランプ、23はヒータである。この型の材質は金属、樹脂等とする。ヒータ23の加熱によりシートを所定温度、例えばナイロン樹脂の場合には260℃〜270℃まで昇温させ凹型と凸型で成形する。型の温度調整は、成形するシートの材質や成形サイクルにより電気ヒータにより加熱する場合、水を循環させて冷却させたりする場合もある。この型の加熱、冷却はかならず必要とするものではない。シートクランプは成形装置の中で、自動的にシートの4コーナを指で摘むようにクランプするものである。
前記加圧成形装置15の隣り合う成形用表面部位16a間に該熱可塑性樹脂シートのスリット若しくは長孔を位置決めして配置する工程は、シート1の両端をシートクランプ22で拘持して凹型16と凸型17間に運び、加圧成形装置15の隣り合う成形用表面部位16aの間の中間にスリットが位置するように配置する工程である。スリットの位置決めはシートを成形装置にセットする時点で型とスリットの関係位置を決める。例えば、シートを位置決めガイドに合わせてセットし、成形スタートするとシートは自動的にクランプされ加熱位置まで搬送されるようにする。
前記熱可塑性樹脂シートを加熱する工程は、凹型16と凸型17間にヒータ23を配置して、ヒータ間に前記シート1を通して両面から加熱して樹脂を溶融、シートを軟化させ成形に適した状態とする工程である。
該熱可塑性樹脂シートの各成形面を前記成形用表面部位で加圧成形する工程は、加熱し、位置決めした後、上下テーブルのシリンダ19、21を作動して加圧成形する工程である。
図1によりこの発明の連続繊維強化熱可塑性樹脂シートに打ち抜き装置10でスリット5を成形する状態から加圧成形装置15で立体成形物Aを成形するまでの製造方法のプロセスを説明する。
先ず、打ち抜き装置10でシート1にスリット5を入れる場合を説明する。
図1(a)で、打ち抜き型の上型11と下型12間にシート1をセットする。
図1(b)で、シリンダ13を作動して下型に対して上型をパンチして刃部11aと刃受け凹部12aでシート1に縦、横又は縦横に間隔をおいて所定長さで複数ののスリット5が入れられる。スリット5を入れたシート1を取り出す。
次に、前記打ち抜き装置10で形成したシート1を加圧成形装置15で加圧成形する。
図1(c)において、加圧成形装置15は凹型16は上方に、凸型17は下方にセットされ、開いた上下の型間にシート1の端をシートクランプ22で挟持してセットする。このとき、凹型16と凸型17の成形用表面部位である縦、横又は縦横に配列した凹凸の型の間に前記シート1のスリット5の位置決めをしてセットする。
図1(d)において、一対のヒータ23を進出し、ヒータ23の間にクランプ22によりクランプしたシート1を位置させて、ヒータ23で所定の温度に昇温される。
所定の温度にシート1を昇温して、マトリックス樹脂が溶融してシート1が軟化後、ヒータ23を退避させる。
図1(e)において、加熱軟化したシート1はシリンダ19を下降して凹型16の下にすみやかにセットされる。
図1(f)において、その状態を維持したままシリンダ21で凸型17が上昇し、シート1をプレス冷却し複数の立体成形物Aが成形される。
上記シートを成形、すなわち圧縮加工、絞り加工等の成形をする場合、成形中のテンションにより繊維が配向を変える格子効果による変形を生ずる。
この際、シート1には所定の箇所にスリット5を入れてあるので、成形時にマトリックス樹脂が溶融したシートの繊維配向の変化に伴い材料の外周四辺は各辺の中央部がずり込まれ、略六角形の穴6に拡開され、シート端部の変形6’とされて繊維配向が一定した品質の複数個の各立体成形物を成形することができる。
次に、図1(c)のように、シリンダ19、21を駆動して凹型と凸型を開き、かつクランプ22は外されてシート1aの拘束を解くことにより、複数個の立体成形物Aを成形したシート1aを取り出す。
この取り出したシート1aから複数個の立体成形物Aを適宜切断手段等で切断して所定の形状とする。
この発明の連続繊維強化熱可塑性樹脂シートによる複数個の立体成形物の製造方法によれば、打ち抜き装置10で連続繊維強化熱可塑性樹脂シート1に予め成形する複数の立体成形物を区画する仮想線上にスリット5を設けて繋ぎシート部4の連続繊維を部分的に分断加工を施したので、加熱圧縮成形時にシートの成形部分の外周四辺はずり込まれてスリット5が拡開して略六角形状の穴6、シート端部の変形6’となり、その繋ぎシート部4でテンションにより生ずる変形を吸収することができ、繊維配向が一定した品質の複数個の立体成形物Aを成形することができる。1枚の連続繊維強化熱可塑性樹脂シート1より同時に2個以上の立体成形物Aの成形が可能で、成形の効率化を図ることができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態を実施しうるものである。前記実施形態では、同一形状の同時多数個成形を示しているが、異なる形状の同時多数個成形についてもこの原理を応用することができる。
打ち抜き型と成形型によりこの発明の連続繊維強化熱可塑性樹脂シートによる複数個の立体成形物を成形するプロセスを示す説明図である。 成形前のスリットを入れたシートと、成形後の成形状態を示す斜視図である。 複数個成形の場合の縦横にスリットを入れた成形前のシートの斜視図である。 複数の立体成形物を成形したシートを示す斜視図である。 複数個成形の場合の縦横にスリットを入れた成形前のシートの平面図である。 複数の立体成形物を成形したシートを示す平面図である。 同一部破断正面図である。 この発明のスリットを入れたシートを成形する成形装置を示す斜視図である。 同成形前の破断正面図である。 同成形後の破断正面図である。 成形した立体成形物の斜視図である。
符号の説明
1 連続繊維強化熱可塑性樹脂シート
1a 立体成形物を成形したシート
2 成形面
3 非分断部
3’ 非分断部
4 シート
5 スリット
6 穴
6’ シート端部の変形
10 打ち抜き装置
11 上型
11a 上型刃部
12 下型
12a 刃受け凹部
13 シリンダ
15 加圧成形装置
16 凹型
16a 凹型成形用表面部位
17 凸型
17a 凸型成形用表面部位
18 上テーブル
19 シリンダ
20 下テーブル
21 シリンダ
22 シートクランプ
23 ヒータ
A 立体成形物
X 仮想線

Claims (3)

  1. 連続繊維強化熱可塑性樹脂シートより複数の立体成形物を加圧成形によって製造する立体成形物の製造方法であって、
    該製造方法は、連続繊維強化熱可塑性樹脂シートの隣り合う成形面の間にスリット若しくは長孔を形成する工程と、
    複数の目的成形物を同時にかつ近接した位置にて加圧成形可能な複数の成形用表面部位を有する第1の型および第2の型を備える加圧成形装置を用いて、該加圧成形装置の隣り合う前記成形用表面部位間に該熱可塑性樹脂シートのスリット若しくは長孔を位置決めして配置する工程と、
    前記熱可塑性樹脂シートを加熱する工程と、
    該熱可塑性樹脂シートの各成形面を前記成形用表面部位で加圧成形する工程を行うものであり、
    前記熱可塑性樹脂シートに形成するスリット若しくは長孔の長さは、加圧成形装置の隣り合う成形用表面部位の前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ若しくはそれより長くなるように形成するものであり、
    該スリット若しくは長孔を形成した熱可塑性樹脂シートの各成形面に該スリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形するものであることを特徴とする立体成形物の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂シートにスリット若しくは長孔を形成する工程は、該スリット若しくは長孔を間隔をおいて形成するものであるととともに、各スリット若しくは長孔を連続しないで、その長さが当該スリット若しくは長孔が配置される前記加圧成形装置の隣り合う前記成形用表面部位の前記スリット若しくは長孔と同じ方向における長さとほぼ同じ若しくはそれより長くなるように形成するものである請求項1に記載の立体成形物の製造方法。
  3. 前記加圧成形装置は、多数の目的成形物を同時にかつ近接した位置にて加圧成形可能な多数の成形用表面部位が間隔をおいて設けられた第1の型および第2の型を備えるものであり、前記スリット若しくは長孔を連続しないで間隔をおいて形成した熱可塑性樹脂シートの各成形面にスリット若しくは長孔を連続しない箇所の応力とスリット若しくは長孔に生ずる変形を利用して立体成形物を成形するものである請求項1又は2に記載の立体成形物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112512775A (zh) * 2018-07-09 2021-03-16 有能沛思株式会社 冲压成形件的连续成形方法以及冲压成形件的连续成形装置

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