JP2005176114A - 復調装置 - Google Patents

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純志 今井
Tokusho Suzuki
徳祥 鈴木
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伝幸 柴田
Noburo Ito
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Abstract

【課題】デジタル信号をデジタル処理する回路を有するアナログテレビ放送受信用の復調装置の生産コストを抑えつつ、量子化誤差に関する不具合(ぼやけ)を排除すること。
【解決手段】図2の下段の周波数a〜eは、ダウンコンバータのローカルミキサによってローカル周波数xだけ下方変換された後の、目的のチャンネル内での各部の周波数を示している。例えばbは映像搬送波周波数に対応する下方変換後の周波数である。アナログテレビ放送における目的のチャンネルの下限周波数をAとする。この時x=A−a′+Δf,a′=a+Δf<b,Δf=1.15MHzとすると、下方変換された後の目的のチャンネル内での各周波数a〜eと、ダウンコンバータのバンドパスフィルタに与えるべき帯域制限特性BPF1との関係は図2の様にΔfだけずれる。例えばこの様な設定により、量子化後のデジタル信号のダイナミックレンジを効果的に圧縮することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、地上波を受信するアンテナに接続するアナログテレビ放送受信用の復調装置に関する。この復調装置は、デジタル信号をデジタル処理する回路を有するアナログテレビ放送用の受信装置に大いに有用なものである。
アナログテレビ放送を受信するための復調装置としては、アナログ回路を用いたものが一般的であり、デジタル信号をデジタル処理する回路(デジタル回路又はコンピュータ)を用いたものは一般的ではないが、デジタル信号をデジタル処理する回路を受信信号処理部に用いたアナログテレビ放送用の復調装置としては、デジタルテレビ放送用の復調装置を構成する場合と略同様に、従来のアナログ回路の一部をそのまま単純にデジタル回路に置き換えた復調装置を考えることができる。
しかしながら、デジタル信号をデジタル処理する回路を受信信号処理部に用いたアナログテレビ放送用の復調装置を構成する際に、アナログ回路の一部をそのまま単純にデジタル回路に置き換えただけでは、縦縞模様を画像表示した際に縦線がぼやけて不鮮明に表示されてしまうことがある。
テレビ画面に縦線がぼやけて表示される原因は、受信信号のA/D変換後のAM変調の高周波成分の量子化誤差にある。図7のグラフは、アナログテレビ放送の各チャンネル内での帯域割り当て形式を示しており、記号A〜Eは各点における周波数を示している。例えば、現在の日本のアナログテレビ放送では、E−Aの値は6MHzである。
AM変調の高周波成分は、同一チャンネル内のその他の周波数に比べて受信レベルが相対的に低い場合が多いので、A/D変換後に量子化誤差が生じ易く、量子化(デジタル化)処理の際にこの成分が劣化すると上記の不具合が生じる。この問題を解決するためには量子化の精度を上げれば良い訳であるが、その様な手段を用いれば、デジタル信号をデジタル処理する回路(デジタル回路又はコンピュータ)の演算処理性能をも同時に引き上げる必要が生じ、結局、コストの面で派生問題が生じることとなる。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、デジタル信号をデジタル処理する回路を有するアナログテレビ放送受信用の復調装置の生産コストを抑えつつ、上記の量子化誤差に関する不具合を排除することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、地上波を受信するアンテナに接続するアナログテレビ放送受信用の復調装置において、アンテナの受信信号から所望の受信チャンネルをアナログ回路で抽出するチューナと、このチューナから出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と、このA/D変換部から出力されるデジタル信号をデジタル処理するデジタル信号処理部と、このデジタル信号処理部から出力されるデジタル信号を復調する復調部とを備え、更に、上記のチューナに、上記の受信チャンネルのチャンネル帯域の下限からこの受信チャンネルの映像搬送波周波数に至るまでの帯域の内の少なくとも一部分領域の受信信号をカットオフする下位領域カットオフ手段を備えることである。
ただし、本明細書では、映像搬送波に基づいて生成される信号の信号帯域から、音声搬送波に基づいて生成される信号の信号帯域へと向う向きを上向きと定義する。本発明の第1乃至第4の手段における周波数帯域などの上下関係は、この定義に基づくものである。したがって、中間周波数帯域(IF)に一旦周波数変換された信号に対しても、以下、上記の下位領域カットオフ手段等の表現を一貫して用いるものとする。言い換えれば、本明細書の各請求項の文言における上下関係は、地上波における周波数の上下関係に対応するものである。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、カットオフすべき一部分領域の帯域幅だけ所定のローカル周波数をずらして設定するローカル周波数設定手段を、上記の下位領域カットオフ手段に設けることである。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、受信チャンネルの帯域幅よりも狭い帯域幅の帯域だけを通過させるバンドパスフィルタを、上記の下位領域カットオフ手段に設けることである。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、受信チャンネルの映像搬送波周波数から上位側に広がる、幅1.2乃至1.3MHzの領域の信号を選択的に増幅するフィルタ部を備えることである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、受信信号のダイナミックレンジを簡単かつ効果的に圧縮することができるので、デジタル信号をデジタル処理する回路を有するアナログテレビ放送受信用の復調装置の生産コストを抑えつつ、上記の量子化誤差に関する不具合を排除することができる。
地上波アナログテレビ放送の場合、受信信号のスペクトルは通常、映像搬送波周波数、音声搬送波周波数、映像副搬送波周波数の順に、高く鋭いピークを示す。AM変調の高周波成分は、映像搬送波周波数と映像副搬送波周波数の間の周波数領域に位置する成分であるが、このAM変調の高周波成分の受信レベルと映像搬送波周波数における受信レベルとのレベル差は、通常非常に大きい。
しかしながら、映像搬送波周波数よりも周波数の低い領域の受信信号をカットオフした場合には、同時に映像搬送波周波数の受信レベルをも抑圧することができるため、映像搬送波周波数の受信レベルとAM変調の高周波成分の受信レベルとのレベル差を効果的に抑制(圧縮)することができる。
この圧縮が生じる理由は、アナログ回路で構成される一般のカットオフ手段により、映像搬送波周波数よりも周波数の低い領域の受信信号をカットオフする際に、通常、映像搬送波周波数近傍の成分も同時にある程度減衰されるためである。言い換えれば、上記の下位領域カットオフ手段のカットオフ周波数近傍の減衰特性は、周波数に対して急峻過ぎてはならず、この周波数特性がある程度周波数に対して穏やかな一般の場合に、上記の作用・効果を得ることができる。
したがって、この映像搬送波のピーク信号に対する抑圧処理は、垂直同期若しくは水平同期のための同期信号が劣化しない範囲内で、或いは映像搬送波のピーク信号のレベルが音声搬送波のピーク信号のレベルと略同等レベルに低下するまでの範囲内で、実施すれば良い。この抑圧効果が大き過ぎると同期信号が劣化してしまい望ましくない。或いは、この抑圧効果が大き過ぎると、今度は音声搬送波のピーク信号が新たな限定要因となるので、それ以上のダイナミックレンジ圧縮効果を得ることはできない。したがって、この抑圧効果が大き過ぎても、映像搬送波が劣化するだけでそれ以上の圧縮効果を得ることはできない。
また、テレビ放送受信用の復調装置に関しては、今後、デジタルテレビ放送受信用の装置を中心として、研究・開発が展開されていく時流が強いが、上記の本発明の構成に従えば、アナログテレビ放送受信用の復調装置とデジタルテレビ放送受信用の復調装置との間で、デジタル信号処理部の多くの部分(ハードウェア及び/又はソフトウェア)を共通化することができる。このため、上記の本発明の構成に従えば、デジタルテレビ放送受信用に開発される例えばデータ圧縮技術、ノイズ抑制技術、ダイバーシチ受信技術、ゴースト除去技術、画像修正技術などを使った製品や部品を、比較的円滑にアナログテレビ放送受信用の復調装置にも取り入れて、利用していくことが可能となる。即ち、本発明は、アナログテレビ放送受信用の復調装置の開発・製造コストの抑制にも寄与する。
なお、カットオフする領域は、目的のチャンネルの帯域幅(6MHz)の下限から、上位側に続く幅約1.1〜1.2MHz程度の領域が良い。この領域が狭過ぎると、ダイナミックレンジを圧縮する効果が不足する。また、この領域が広過ぎると、有用な受信信号(映像搬送波)が必要以上に削除又は減衰されてしまい望ましくない。
また、本発明の第2の手段によれば、受信装置のローカル周波数を1.0〜1.25MHz程度ずらすだけで、非常に簡単に、目的の受信チャンネルのチャンネル帯域の下限からその映像搬送波周波数に至るまでの帯域の内の少なくとも一部分領域の受信信号をカットオフすることができる。この場合にも、上記と同様により望ましいスライド幅Δfは、凡そ1.1〜1.2MHz程度である。
また、このスライド操作によって、目的のチャンネルの上位側の隣のチャンネルの下方領域が、バンドパスフィルタの上限周波数の近傍領域に入り込むことになるが、各チャンネル間の境界近傍の部分の受信信号は常に低レベルであるので、隣のチャンネルの下方領域のはみ出しにより新たな問題が生じることは無い。
また、本発明の第3の手段によれば、帯域制限アナログフィルタの調整又は追加だけで、非常に簡単に、目的の受信チャンネルのチャンネル帯域の下限からその映像搬送波周波数に至るまでの帯域の内の少なくとも一部分領域の受信信号をカットオフすることができる。また、この帯域制限操作によって、目的のチャンネルが上位側にずれてはみ出す様なことは無い。この場合にも、上記と同様に望ましい通過帯域幅は、6MHz−Δf(Δf=1.1〜1.2MHz)程度である。
また、本発明の第4の手段によれば、上記の下位領域カットオフ手段によってカットオフされた受信信号を効果的に補償することができる。地上波アナログテレビ放送の場合、映像搬送波周波数を中心とする上下±1.25MHzの領域では、映像搬送波周波数を折返点として上下対称に同じ情報を搬送している。したがって、下位領域カットオフ手段によって下位の1.25MHzの領域の受信信号がカットオフされた場合でも、映像搬送波周波数より上位の1.25MHzの領域の受信信号を適当に増強しておけば、カットオフされた受信信号を効果的に補償することができる。この補償処理は、アナログ回路上で実現しても良いし、デジタル回路上で実現しても良い。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1のブロック図は、本明細書の各実施例に係わるアナログテレビ放送受信用の復調装置1000のシステム構成を表している。以下、この復調装置1000のシステム構成について説明する。
チューナ1は、ダウンコンバータ1aとAGCアンプ41〜44等を備えている。また、ダウンコンバータ1aは、ローカル発振器10とローカルミキサ21〜24とバンドパスフィルタ31〜34等を備えている。各アンテナA1〜A4はアナログテレビ放送受信用のものであり、それぞれ、チューナ1に内蔵された図略のRFアンプと広帯域バンドパスフィルタとを経由して、それぞれ、対応する各ローカルミキサ21〜24に接続されている。各ローカルミキサ21〜24の出力端は、それぞれ、対応する各バンドパスフィルタ31〜34の入力端に接続されると共に、それぞれ、ローカル発振器10の出力端に接続されている。また、各バンドパスフィルタ31〜34の出力端はそれぞれ、対応する各AGCアンプ41〜44の入力端に接続されている。
即ち、アンテナA1とローカルミキサ21とバンドパスフィルタ31とAGCアンプ41とは順次直列に接続されており、AGCアンプ41が出力するアナログ信号は、A/D変換器51に入力される。他のアンテナ系列(A2,A3,A4)に付いても同様で、これらの各アンテナ系列は、それぞれ互いに並列に配置されている。
一方、MRCユニット2は、A/D変換器51〜54と重み係数演算部60と乗算器71〜74と加算器80とAGC電圧演算部100とD/A変換器110等を備えている。各A/D変換器51〜54の各入力端はそれぞれ、対応する各AGCアンプ41〜44の各出力端に接続されている。また、各A/D変換器51〜54から出力される各デジタル信号はそれぞれ、対応する各乗算器71〜74を経由して加算器80に出力される。加算器80の演算結果(デジタル信号)は、復調器90に出力されると同時に、重み係数演算部60とAGC電圧演算部100にも出力される。
以下、この復調装置1000のシステム動作について説明する。
各アンテナAn(n=1,2,3,4)で受信した受信信号は、上記の図略のRFアンプによってそれぞれ増幅され、上記の図略の広帯域バンドパスフィルタによってVHFとUHFの少なくとも何れか一方に帯域制限を受けた後、それぞれ、対応する各ローカルミキサ21〜24に入力される。各ローカルミキサ21〜24では、ローカル発振器10から発信されるチャンネル選択用の交流信号と各アンテナA1〜A4から得られる受信信号とを乗算することによりミキシング(周波数変換処理)を実行する。これにより、RF信号がIF信号に変換される。ダウンコンバータ1aによって実行されるこの変換の形態に付いては、図2、図3を用いて後から詳しく説明する。
重み係数演算部60は、ダイバーシチ受信を実施するための制御を最大比合成法に従って実行する。即ち、重み係数演算部60は、各A/D変換器51〜54から出力される各デジタル信号と加算器80から出力されるデジタル信号とに基づいて、各アンテナ系列の重み係数を決定する。各乗算器71〜74はそれぞれ、対応する各A/D変換器51〜54から出力される各デジタル信号に、上記の各重み係数を掛けることにより、重み付けがされたデジタル信号をそれぞれ加算器80に出力する。この様な構成により、最大比合成法に従ってダイバーシチ受信を実施することができる。
この加算器80から出力されるデジタル信号は、復調器90が実行するベースバンドへの周波数変換処理やD/A変換処理等を始めとする各種の周知の復調処理を経て、画像/音声出力装置に出力される。ただし、A/D変換を実施する際に各A/D変換器51〜54により、目的の受信チャンネルのアナログ信号を直接ベースバンドレンジに落して処理することも可能である。その様な場合には、上記のベースバンドへの周波数変換処理は必要ない。また、AGC電圧演算部100は、加算器80から出力される上記のデジタル信号に基づいて、AGCアンプ41〜44の適正な利得を求める。これにより、受信状態に応じた出力レベルが決定されるので加算器80から出力される上記のデジタル信号のレベルが安定する。
なお、D/A変換器110は、AGC電圧演算部100の算出結果(:AGCアンプ41〜44の適正な利得)をアナログ信号に変換して、各AGCアンプ41〜44に出力するものである。
図2に、本実施例1におけるダウンコンバータ1aの設定形態を示す。本図2の下段の周波数a〜eは、ダウンコンバータ1aのローカルミキサ21〜24によってローカル周波数xだけ下方変換された後の周波数を示しており、それぞれ前述の図7の周波数A〜Eと、次式(1)に示す対応関係を持っている。即ち、ここで、x[MHz]は、ローカル発振部10が発振する交流信号(ローカル)の周波数である。
(周波数a〜e)
a=A−x (Aは目的の受信チャンネルの下限周波数),
b=B−x (Bは目的の受信チャンネルの映像搬送波周波数),
c=C−x (Cは目的の受信チャンネルの映像副搬送波周波数),
d=D−x (Dは目的の受信チャンネルの音声搬送波周波数),
e=E−x (Eは目的の受信チャンネルの上限周波数),
b−a=1.25MHz,
c−b=3.579545MHz,
d−b=4.5MHz,
e−a=6.0MHz …(1)
また、本図2の上段は、バンドパスフィルタ31〜34に与えるべき、帯域制限特性(BPF1)を示しており、この帯域制限範囲の上下限a′,e′は、次式(2)に示す様に設定されている。
(上下限a′,e′)
a′=a+Δf<b,
e′=a′+6.0MHz …(2)
ここで、バンドパスフィルタ31〜34の帯域制限範囲の下限値a′は定数であるので、ローカル周波数xは、所望の受信チャンネルの下限周波数Aに対して、次式(3)が成り立つ様に決定すれば良い。
x = A−a′+Δf
= E−e′+Δf …(3)
本実施例1では、上記のスライド幅Δfを1.15MHzとする。図3は、図1の復調器90内のベースバンドレンジで観測される目的の受信チャンネルの受信状態(スペクトル)を例示するグラフであり、図3−AはΔf=0MHzと設定した場合の比較例(以下、比較例1と言う)に相当し、図3−BはΔf=1.15MHzと設定した場合の本実施例1に相当している。
図3−Aに例示する比較例1では、AM高周波に対応する丸印で示す部分が、映像搬送波に対応する周波数bの部分よりも約60dBも信号レベルが低くなっている。このため、比較例1では、例えば前述の重み係数演算部60等で実施されるデジタル信号処理の処理データ(デジタルデータ)のダイナミックレンジを大きくしないと、前述の縦線がぼやけてしまう不具合を回避することができない。
一方、図3−Bに例示する本実施例1では、Δf=1.15MHzとする図2及び式(3)のローカル周波数xの設定により、音声搬送波に対応する周波数dの部分が最大値を示す様に変更されており、かつ、この部分とAM高周波に対応する部分との信号レベルのレベル差は、約40dB程度にまで、圧縮、改善されている。これは、下方領域1.15MHzをカットオフする際に、カットオフされる領域に最も近い映像搬送波に相当する部分の信号レベルも同時に減衰されたためである。
このため、本実施例1では、MRCユニット2で扱われる処理データ(デジタルデータ)のダイナミックレンジを効果的に圧縮できるので、MRCユニット2内での量子化精度をむやみに高くする必要がなくなる。即ち、本実施例1では、A/D変換器51〜54での量子化精度を必要かつ十分な精度に適度に設定できるので、MRCユニット2の価格を効果的に抑制することができる。
また、本実施例1では、Δf=1.15MHzと設定したが、スライド幅Δfの適正範囲は1.0〜1.25MHz程度で、望ましいくは、例えば上記の様に約1.1〜1.2MHz程度の範囲内に設定すれば、有効な結果が得られ易い。
本実施例1では、ローカル周波数xを上記の式(3)に従ってΔfずらすだけで非常に簡単に、目的の受信チャンネルのチャンネル帯域の下方領域の受信信号をカットオフすることができる点が、最も大きな特徴である。
或いはまた、前述の式(3)においてx=A−a′としたままでも、即ち、ローカル周波数xに対するΔfのスライドを実施しないままでも、図1のバンドパスフィルタ31〜34の帯域制限特性を巧く変更することにより、上記の実施例1と同様の効果を得ることができる。本実施例2では、その様な場合について例示する。
図4に、本実施例2におけるダウンコンバータ1aの設定形態を示す。即ち、本実施例2においては、図1のバンドパスフィルタ31〜34に与えるべき帯域制限特性を図4の上段の帯域制限特性BPF2の様に設定する。本図4では、前述の図2と同じ数値は同じ変数を用いて示しており、図2の帯域制限特性BPF1の上限周波数(e′)は、図4の帯域制限特性BPF2の上限周波数(e′)と一致している。しかし、図2の帯域制限特性BPF1の下限周波数a′と図4の帯域制限特性BPF2の下限周波数a″との間には、次式(4)の関係を設ける。
(BPF2の下限周波数a″)
a″=a′+Δf …(4)
即ち、本実施例2(図4)では、帯域制限特性の上限周波数は、上記の実施例1のBPF1の上限周波数と同じ周波数に据え置き、帯域制限特性の下限周波数のみを帯域制限特性BPF1に対してΔfだけ上方にずらすことにより、帯域制限特性BPF2を設定する。この様に、下方側の領域(目的の受信チャンネルのチャンネル帯域の下限からこの受信チャンネルの映像搬送波周波数に至るまでの帯域の内の一部分領域)をカットオフできる様に、バンドパスフィルタ31〜34に与えるべき帯域制限特性の帯域幅を狭くすることによっても、実施例1と略同様の作用原理によって、実施例1と略同様の効果を得ることができる。
図1のバンドパスフィルタ31に関する本実施例3においてのより具体的な構成例を図5に示す。勿論、バンドパスフィルタ32〜34に付いても図5のバンドパスフィルタの構成例と全く同じ構成にする。このバンドパスフィルタ31の構成例では、2つのバンドパスフィルタ30b,30cを並列に接続している点が特徴的であり、例えばこの様な構成によって、受信チャンネルの映像搬送波周波数から上位側に広がる、幅1.2乃至1.3MHzの領域の信号を選択的により大きく増幅することが可能となる。
増幅器30aは、その前段のローカルミキサ(21/22/23/24)から出力されるアナログ信号を増幅して、2つのバンドパスフィルタ30b,30cにそれぞれ出力する。バンドパスフィルタ30bの帯域制限特性は、図2に示す帯域制限特性BPF1と同じにする。また、バンドパスフィルタ30cの帯域制限特性は、図6に示す帯域制限特性BPF3の様に設定する。本図6では、前述の図2と同じ数値は同じ変数を用いて示しており、図6の帯域制限特性BPF3の下限周波数αは、図2の帯域制限特性BPF1の下限周波数a′と略一致している。即ち、α≒a′と設定する。一方、図6の帯域制限特性BPF3の上限周波数εは、ε≒2b−aと設定する。また、2つのバンドパスフィルタ30b,30cから出力される各アナログ信号は、アナログ信号合成器30dによって合成する。
この時、Δf=1.15MHzとし、かつ、前述の式(1)〜式(3)に従って、ローカル周波数xなどを決定すれば、アナログ信号合成器30dによって出力される合成信号においては、映像搬送波周波数に対応する周波数bより上位の1.25MHzの領域の受信信号だけが、選択的により高い利得で増幅されることになる。
地上波アナログテレビ放送の場合、映像搬送波周波数を中心とする上下±1.25MHzの領域では、映像搬送波周波数を折返点として上下対称に同じ情報を搬送しているので、下位領域カットオフ手段によって下位の1.25MHzの領域の受信信号がカットオフされた場合でも、例えば本実施例3の様に、映像搬送波周波数より上位の1.25MHzの領域の受信信号だけを選択的に適当に増強しておけば、下位領域カットオフ手段でカットオフされた受信信号を効果的に補償することができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の実施例1では、ローカル周波数xをスライド幅Δfだけずらすことにより、本発明の作用・効果を導き、また、上記の実施例2では、帯域制限特性BPF2をスライド幅Δfだけ狭くすることにより、本発明の作用・効果を導いたが、両実施例の手段を組み合わせて実施することも可能である。この場合、例えばΔfを575kHzに設定すれば、結局、目的の受信チャンネルの下位領域1.15MHzをカットオフすることができるので、この様な複合した方式によっても、上記と同様に本発明の作用・効果を得ることができる。
言い換えれば、ローカル周波数xによってミキシングされた後の目的のチャンネルの下限周波数f1と、そのチャンネルを抽出するために帯域制限を掛けるバンドパスフィルタの下限周波数f2との間に、f1+Δf=f2(1.0MHz≦Δf≦1.3MHz)の関係を設けることができれば良いのであって、この関係を満たすために、ローカル周波数xをスライドさせても良いし、バンドパスフィルタの下限周波数f2をスライドさせても良いし、両者のスライド幅の和がΔfに一致する様に設定しても良い。
(変形例2)
また、復調装置(受信装置)のA/D変換を実施する前のアナログ回路においては、ローカルミキサによる周波数変換やバンドパスフィルタによる帯域制限は、何段階に分けて実施しても良い。したがって、受信チャンネルのチャンネル帯域の下限からこの受信チャンネルの映像搬送波周波数に至るまでの帯域の内の少なくとも一部分領域の受信信号をカットオフする、本発明の下位領域カットオフ手段は、多段階に分けて構成することも勿論可能である。A/D変換を実施する前のアナログ信号処理部(アナログ回路)の中に、本発明の下位領域カットオフ手段を配置する限り、本発明の下位領域カットオフ手段を多段階に分けて構成しても、上記と同様の効果が得られることは、本発明の作用原理から明らかである。
(変形例3)
また、実施例3では、映像搬送波のレベル補償処理をアナログ回路で行っているが、この様な補償処理は、例えば図1の構成下においては、MRCユニット2中のデジタル信号処理部等で実施しても良い。この様な方式の如何は、デジタル信号処理部の演算処理能力における余裕の有無によって決定すれば良い。より一般には、この様な補償機構は、本発明の復調装置を構成する任意の部分に組み込んだり挿入したりすることができる。
本発明は、地上波を受信するアンテナに接続するアナログテレビ放送受信用の復調装置に関し、デジタル信号をデジタル処理する回路を有するアナログテレビ放送用の受信装置に大いに有用なものである。
各実施例に係わる復調装置1000のシステム構成を表すブロック図 実施例1におけるダウンコンバータ1aの設定形態を示すグラフ 比較例1(Δf=0)での受信状態を例示するグラフ 実施例1(Δf=1.15MHz)での受信状態を例示するグラフ 実施例2におけるダウンコンバータ1aの設定形態を示すグラフ 実施例3におけるバンドパスフィルタ31の構成例を表すブロック図 実施例3におけるバンドパスフィルタ30cの設定形態を示すグラフ アナログテレビ放送の各チャンネル内での帯域割り当て形式を示すグラフ
符号の説明
A1〜A4: アンテナ
1000 : アナログテレビ放送受信用の復調装置
1 : チューナ
1a: ダウンコンバータ
10 : ローカル発振器
21〜24: ローカルミキサ
31〜34: バンドパスフィルタ
41〜44: AGCアンプ
2 : MRCユニット
51〜54: A/D変換器
60 : 重み係数演算部
71〜74: 乗算器
80 : 加算器
90 : 復調器
100 : AGC電圧演算部
110 : D/A変換器

Claims (4)

  1. 地上波を受信するアンテナに接続するアナログテレビ放送受信用の復調装置であって、
    前記アンテナの受信信号から所望の受信チャンネルをアナログ回路で抽出するチューナと、
    前記チューナから出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と、
    前記A/D変換部から出力されるデジタル信号をデジタル処理するデジタル信号処理部と、
    前記デジタル信号処理部から出力されるデジタル信号を復調する復調部と
    を有し、
    前記チューナは、
    前記受信チャンネルのチャンネル帯域の下限から前記受信チャンネルの映像搬送波周波数に至るまでの帯域の内の少なくとも一部分領域の受信信号をカットオフする下位領域カットオフ手段を有する
    ことを特徴とするアナログテレビ放送用の復調装置。
  2. 前記下位領域カットオフ手段は、
    カットオフすべき前記一部分領域の帯域幅だけ、所定のローカル周波数をずらして設定するローカル周波数設定手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のアナログテレビ放送用の復調装置。
  3. 前記下位領域カットオフ手段は、
    前記受信チャンネルの帯域幅よりも狭い帯域幅の帯域だけを通過させるバンドパスフィルタを有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアナログテレビ放送用の復調装置。
  4. 前記受信チャンネルの映像搬送波周波数から上位側に広がる、幅1.2乃至1.3MHzの領域の信号を選択的に増幅するフィルタ部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアナログテレビ放送用の復調装置。
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