JP2005174987A - アルミ這い上がり防止分子線セル - Google Patents

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Abstract


【課題】 III−V族窒化物系半導体薄膜を製造するためにMBE装置で使用する分子線セルにおいて、窒素ラジカルに接触したアルミの融液はるつぼを這い上がる。這い上がって、るつぼの鍔部から垂れたアルミはヒータに付着し断線させる。また反射板を付着汚染する。るつぼでのアルミ這い上がりを防ぐ必要がある。
【解決手段】 るつぼを鍔部より上に延ばした突出部を形成する。ヒータから遠く低温である突出部でアルミ融液温度を下げ粘度を高め這い上がりを止める。さらにるつぼ内部にリング上の窒素侵入防止リングを設ける。融液の這い上がりはリングの裏面で停止する。リング開口部は狭くて窒素ラジカルの侵入を防ぐ。それはアルミ這い上がりを効果的に防ぐ。さらに内外二重るつぼとして内るつぼに突出部と窒素侵入防止リングを設けることもできる。
【選択図】 図3

Description

この発明は分子線エピタキシー装置のアルミ(Al)用分子線セルの改良に関する。アルミ融液はPBNるつぼとの濡れ性がよいので、るつぼを這い上がりヒータや反射板を汚染劣化させる。アルミ融液の這い上がりは特に窒化物の成長において著しく現れる現象である。この発明はIII−V族窒化物半導体エピタキシャル成長用のAl分子線セルにおいてAl融液の這い上がりをなくした分子線セルを提供することを目的とする。
分子線エピタキシー(MBE)装置は、超高真空のチャンバにおいて、加熱された基板に向けて様々な物質の分子線を照射し、基板の上に多様な組成の薄膜を成長させる装置である。超高真空チャンバの内部には液体窒素シュラウドが設けられ真空排気装置によって内部が10−7〜10−9Pa程度の超高真空に引かれる。
基板はホルダ−によって下向きに保持される。基板の斜め下には多数の分子線セルが基板を狙うような角度で上斜め向きに設けられる。基板を保持するマニピュレータには基板を加熱するためのヒータや、必要に応じて基板を回転する装置がついている。実験用の分子線エピタキシー装置の場合は厚みや膜の状態を監視するための膜厚モニタやRHEED等が設けられることもある。
MBEチャンバは超高真空を維持するため他の真空室とゲートバルブを介して接続しており搬送機構によってウエハをセットしたホルダーを真空室から他の真空室へと搬送できるようになっている。
薄膜の成分を微細な分子線として飛ばすために多数の分子線セルが設けられる。分子線セルは固体原料を加熱して融液とし蒸発させ超高真空中で分子線とするものである。(固体原料を昇華させ、分子線とするものもある。) 様々な分子線セルがあるがここでは固体原料用の分子線セルを説明する。
図1は通常の固体原料用の分子線セルの断面である。コイル状に巻いたヒータ1の内部に有底円筒形のPBN(Pyrolitic Boron Nitride)るつぼ2が側面反射板3によって保持される。るつぼ2の内部に固体の原料を入れるようになっている。側面反射板3は厚みが0.05mm〜0.3mm程度のタンタルの薄い板である。同心円状に何枚も重ねて設けられる。薄いタンタル板には多数の突起が形成されており隣接板間に間隙を作るようになっている。
るつぼ2の下方には円形の薄いタンタルの底面反射板4が設けられる。これもたがねで突起をつくり隣接板の間に隙間を作り接触しないようになっている。反射板の枚数を増やすと保温効果が増える。側面反射板3は下端において円盤状のベース5に固定される。底面反射板4はベース5の上に載っている。るつぼ2は底部22と中筒部23と上方の広がった鍔部24よりなる。鍔部24の端が側面反射板3によって保持される。るつぼ2は鍔部24、側面反射板3を通じてベース5に支持される。
るつぼの中に原料融液25が収容される。PBNるつぼであるから耐熱性に優れている。ヒータ1によって中筒部23を加熱する。ここではコイル状ヒータを図示しているが上下に蛇行するリボン状のヒータを用いる事もある。
ヒータ1はるつぼ2の外周部にあって、側面反射板3、底面反射板4とは非接触である。るつぼ2の底部22には熱電対6の先端が接触し温度を監視できるようになっている。
ベース5を保持するために複数の支柱8がフランジ7との間に設けられる。フランジ7は分子線エピタキシー装置の円筒形のポートに分子線セルを取り付けるための面となる。フランジ7には電流フィードスルー9、9があって、ヒータ用の電流が導入されるようになっている。これは導線を絶縁体で被覆したものでフランジの穴を貫通したものである。ポートの内側(フランジの上側)では導線17、17が上に伸びヒータ1の両端子に繋がっている。
フランジ7の中央には熱電対フィードスルー10がある。熱電対の2端子が外部へ導き出されている。内部では熱電対のリードを通す絶縁碍子18が鉛直に設けられる。ベース5の中央を貫いて熱電対の碍子18が延びている。分子線セルはこれだけであるがるつぼの開口部にはシャッター(図示しない)が設けられる。軸を中心にして旋回することによりるつぼの開口部を閉ざしたり開いたりして分子線をオンオフする。
るつぼ2の原料固体を入れておき分子線セルを分子線結晶成長装置のポートに取り付けチャンバを真空に引いてからヒータ1に通電して加熱し原料融液を生成する。融液は蒸発する。超高真空なので細い分子線となって直進し基板に当たる。基板では単独であるいは他の元素と反応して薄膜を基板の上に形成する。
分子線セルは薄膜の主成分の材料や、ドーパント材料の数だけ必要である。例えばSiウエハにSi薄膜を成長させるなら、Si分子線セルだけでよい。燐、ボロンをドープするなら燐(P)、ボロンの分子線セルも必要である。
本発明はアルミの分子線セルを問題にする。GaAs基板の上にGaAs、AlGaAs薄膜を成長させて赤外レーザ、赤外発光ダイオードを作る場合、アルミが混晶成分として必要である。その場合はGa分子線セル、As分子線セル、Al分子線セルを設けてAlGaAs薄膜を生成する。
その場合でもAl分子線セルには問題があった。それはAlの融液がPBNと濡れ性がよくて液状のAlがるつぼの壁面を這い上がるという現象である。るつぼの上まで這い上がり鍔部から反射板に滲み通り、さらにヒータへ垂れて行く。アルミ付着によってヒータを短絡、断線させることがある。ヒータが断線すると薄膜成長できなくなる。成長を中止し分子線セルを修繕してもう一度始めなければならない。ヒータだけでなく反射板はアルミで汚れ反射率が低下する。そのようにアルミの這い上がり現象は様々な不都合を引き起こす。アルミ這い上がりを防ぐための工夫がなされなければならない。
特許文献1は、GaAs、AlGaAs薄膜のGaAs基板上の成長においてアルミがPBNるつぼを這い上がるのでそれを防ぐために、中央部に穴をもち中央近くで跳ね上がり周辺部で下へ折れ曲がるような円板形状のプロテクターキャップを、るつぼ鍔部の下部と側面反射板の間に入れて、アルミ融液が鍔部の裏面から反射板へ漏れないようにくい止めるようにした。プロテクターキャップのためにアルミ融液は最外反射板の外側を垂れるようになり、内部のヒータが保護される。
特開平10ー120490号「分子線セル」
III−V族薄膜のエピタキシャル成長の混晶成分としてアルミが用いられることがある。これまで述べたものは相手のV族がAsの場合であった。これを砒化物系薄膜と呼ぶことにする。GaAs赤外レーザはアルミとガリウムの混晶膜を一部に含むからである。その場合もアルミのるつぼ這い上がりによるヒータ断線が問題になり特許文献1のような工夫がなされた。
III−V族薄膜のエピタキシャル成長の研究開発は、V族がAsでなく、窒素Nであるものが主流になっている。青色LED、青色LDを作るためにサファイヤ(Al)基板の上に、InGaN、AlGaN、InAlGaNなどの混晶薄膜を成長させる。これは窒化物系薄膜と呼ぶことにする。この場合、In分子線セル、Ga分子線セル、Al分子線セル、窒素ガスソースセルが必要である。その他にドーパントの分子線セルも必要である。
窒素は通常のガスソースセルでは窒素が膜中に取り込まれないためラジカルセルを用いる。それは本発明の対象でないから説明しない。In分子線セル、Ga分子線セルなどは別段問題ない。しかしAl分子線セルは這い上がりが問題になる。
しかも相手が窒素の場合は、Alのるつぼ這い上がりがなおいっそう激しいということが分かってきた。
超高真空中のことであるし、各々の分子線セルは離れているのだから、他の分子線セルが何であるのかということは無関係のように思うが、実際にはそうでないようである。窒化物系薄膜成長の場合、窒素はラジカルセルを使い高周波、熱などで窒素を反応性の強いラジカルにするが、窒素ラジカルがAl分子線セルに入りAlを活性化し、より強く這い上がるように仕向けているようである。(詳細については不明である。)
V族がAsの場合(砒化物系)の這い上がりよりも、5族がNの場合(窒化物系)はなおいっそう強力になり旺盛なAl這い上がり現象が起こる。だからV族がAsであるときのAl分子線セルの技術工夫がNの場合には最早役に立たない。
アルミの這い上がりを防ぐには開口部の温度を下げれば良い。るつぼの開口部近傍を水冷したというような分子線セルが提案され実施されている。分子線エピタキシー装置の内部に水冷パイプを導入しるつぼの上縁の廻りに巡らせる。外部から冷却水を送給しるつぼの上縁を冷やすようにする。開口部の温度を下げるとアルミが粘度を増して這い上がりにくくなる。一部は固体にもどりるつぼ壁を動けないようになる。
水冷るつぼは確かにアルミ這い上がりを防ぐことができる。しかしながら超高真空を維持しなければならない分子線エピタキシー装置チャンバに水冷パイプを新たに設けるので構造をより複雑にする。すぐ近くに電気系統もありヒータが近接して存在するのだから故障を引き起こしやすい。分子線セルのコストを押し上げる。分子線エピタキシー装置の保守の手間も増大する。冷却水導入による方法よりももっと簡便であって信頼性がありより低コストのアルミ這い上がりの工夫が望まれる。
本発明は、鍔部より上方へるつぼ円筒部を延長する。底部・鍔部の長さLと延長した突出部Mの長さの和L+Mがるつぼの全長になる。突出部はヒータから遠くて温度が低い。
あるいはさらにるつぼの内周面にリング状の窒素侵入防止板を付加する。るつぼの内径をDとしてリング状窒素侵入防止板の内径をdとする。dはDより狭いので上方から窒素ラジカルがるつぼの内部まで侵入しにくくなる。
鍔部と突出部の両方を同じるつぼに形成すると複雑になる。そこで鍔部のあるるつぼと突出部のあるるつぼを組み合わせて用いてもよい。二重るつぼとすると、単純な断面形状のるつぼを二つ作ればよいから製造が容易である。
るつぼの上端をヒータよりも上へ延ばしたので、その部分の温度Tmは鍔部温度Ttより低くてアルミ融液の粘度が上がる。粘度が高くなるから這い上がりにくくなる。るつぼ頂点までの距離が、底部・鍔部までの長さLに突出部の長さMを加えたものになる。るつぼが高くなるからアルミ融液の這い上がりが起こっても頂点まで到達しない。るつぼが高くなるから上縁から窒素ラジカルが侵入してもアルミ融液までなかなか降りてこない。だからラジカルによるアルミ引き上げ作用も減退する。そのような効果があるためには、突出部の高さMは、るつぼ開口部直径をDとして、0.25D≦M≦2Dの範囲にあることが望ましい。
るつぼ上方の内部にリング状の窒素侵入防止リングを設けると、(D−d)/2の幅の下面が生成される。這い上がりアルミ融液はリングの下面の(D−d)/2を伝って上面へ登ることができない。必ず途中で落下する。だからアルミ這い上がりをもっと効果的に防ぐことができる。さらに開口部が狭小化するので窒素ラジカルが入りにくくなる。窒素ラジカルがアルミ融液から切り放される。そのためにアルミを引上げる駆動力が減少する。
さらにるつぼを内外二重にし、内るつぼを背の高いものにするとアルミの這い上がりの距離が長くなる。アルミ融液は頂点までのぼらないで落ちてしまう。二つのるつぼを使うことにすれば一つのるつぼに鍔部と突出部の両方を形成する必要がないから構造が単純化される。内るつぼは単純な円筒形状となり清掃も容易になる。PBNは熱CVDで製造するから複雑な形状のものは作りにくいが、二重るつぼならそのような製造の難しさはない。二つのるつぼを使うからコストはそれだけ増加する。しかしそれは水冷機構をチャンバ内部へ追加設置するよりは低コストである。二重になって加熱の効率が下がるように思えるがPBNは赤外に対して殆ど透明で内部までヒータの輻射熱を良く通す。
[実施例1(突出部)]
図2によって本発明の実施例1にかかる分子線セルを説明する。コイル状のヒータ1の内側にPBNるつぼ2が設けられる。このるつぼ2は底部22と中筒部23と鍔部24を有する。そこまでは従来例にかかるるつぼと同様である。しかしこのるつぼは鍔部より上に突出部20が新たに設けられている。これによって突出部の高さMだけ上方へ延長されることになる。そのほかの構造は従来のものと同じである。円筒形のタンタル薄板を組み合わせた側面反射板3がるつぼを包囲するように設けられる。これはたがねで表面に凹凸を多数形成するなどの手法によって板が重ならず隙間を形成するようになっている。ヒータから外へ向かう輻射熱を内部へ反射してるつぼの温度を高める作用がある。
るつぼ2の下方には底面反射板4が設けられる。これもタンタルなど高融点金属の薄板であって、円盤状に切ったものを隙間を作るように重ねたものである。円盤状のベース5が側面反射板3の下端を支持する。底面は反射板4とベース5の真ん中に通し穴があって、熱電対6の絶縁碍子18が通し穴を挿通している。熱電対6の先端はPBNるつぼ2の底部に接触している。
ベース5が支柱8によってフランジ7に結合され、電流フィードスルー9、熱電対フィードスルー10がフランジに設けられるという構造は図1のものと同様である。
固体アルミ原料をるつぼに入れておいて分子線エピタキシー装置にセットし真空に引いてヒータに通電するとるつぼ内の原料が加熱されてアルミ融液25となる。蒸発してアルミ分子線26となって開口部から飛んで基板(図示しない)へ向かう。高温のアルミ融液はPBNに対して濡れ性が高いので壁面を伝ってのぼってゆく。
しかしこの分子線セルは突出部20があるからその高さMの分だけるつぼが高くなる。突出部20の上縁は、ヒータ1の上端からM以上離れる。そのため突出部20の温度はるつぼの鍔部24、中筒部23より低くなる。温度が低いとアルミ融液の粘度が高くなりアルミ融液が這い上がりにくくなる。途中で上昇を停止する。それに上縁までの距離が長くなるからアルミが這い上がっても上縁まで到達しない。また開口部上端からアルミ融液25面までの距離がMだけ長くなるから窒素ラジカルが液面まで至らない。窒素ラジカルの引き上げ効果が少なくなるからアルミ這い上がりがその意味でも少なくなる。
[実施例2(突出部+窒素侵入防止リング)]
図3によって本発明の実施例2にかかる分子線セルを説明する。このるつぼ2は上に延びる突出部20を持ちしかも円筒内部に窒素侵入防止リング32を有する。だからこのるつぼ2は底部22、中筒部23、鍔部24と突出部20と窒素侵入防止リング32を有する。かなり複雑な形状であるが、リングだけを後付けにすればよい。
ヒータから離れた突出部20の温度は低くアルミ融液の温度が下がるから這い上がりが減る。突出部のためるつぼが長くなるからるつぼの上縁までの距離が長く、這い上がりアルミ融液27が上頂まで至らない。
そのような効果のほかに、窒素侵入防止リング32をるつぼの内部で中筒部23の上端近傍に設けているのでその効果もある。窒素侵入防止リング32によってアルミ融液の上昇運動が遮られる。融液は連続体だから上部でつまるとその下からの這い上がりは止まってしまう。その効果は顕著である。
図3に示すように、這い上がりアルミ融液27が窒素侵入防止リング32の裏面にまで到達したとしても、リング32の近傍では温度が高いので融液の粘度が低く、リング裏面から脱落しやすい。そこで狭い開口部dを越えることができず液面に落下する。壁面を這い上がらず液面から蒸発して窒素侵入防止リング32の裏面に付いたものもあるがそれも長く付着できず裏面から落下する。
窒素ラジカルが上方開口部から入ってくるのであるがそれが窒素侵入防止リング32の狭い開口部(直径d)によって遮られる。リングの内径dはるつぼの内径Dの1/3〜3/4程度とする。
[実施例3(二重るつぼ+突出部+窒素侵入防止リング)]
図4によって本発明の実施例3にかかる分子線セルを説明する。これはるつぼを二つ組み合わせた二重るつぼである。外側のるつぼ2は通常の有底有鍔円筒形である。円形底部22、中筒部23、鍔部24よりなる。これは支持用のるつぼであり鍔部の端が側面反射板3によって保持される。
中に挿入した内部るつぼ30は鍔部がなくて、外部るつぼよりも長い円筒を持つ。内部るつぼ30は内部るつぼ底部33、円筒の内部るつぼ胴部34、上方への突出部36を有する。突出部36の突出の高さMは、0.25D≦M≦2D(Dはるつぼ開口部直径)である。内部るつぼ30はヒータ上端あたりに窒素侵入防止リング32を有する。内部るつぼ30と外部るつぼ2の間には環状のスペーサ35が挿入されている。それは内部るつぼのガタツキを防ぐためである。
二重るつぼ方式でも実施例2と同様の効果がある。内部るつぼ30のヒータから離れた突出部36の温度は低くアルミ融液の温度が下がるから這い上がりが減る。突出部36のためつぼが長くなるからるつぼの上縁までの距離が長く、這い上がりアルミ融液27が上頂まで至らない。
内部るつぼ30の内側で中筒部23の上端近傍に、窒素侵入防止リング32を設けているので壁面を伝うアルミ融液の上昇運動が妨げられる。液面から蒸発してきたアルミ融液がリング下面に付着してもやがて落下する。例え裏面に表面張力で滞留してもリングの上面までまわり込むことができない。さらに窒素ラジカルの侵入が狭い開口部(直径d)で遮られて活性なラジカルが内部の融液25にまで到達しない。窒素ラジカルとの反応が減ってアルミ這い上がりの契機がなくなる。
二重るつぼにするのは複雑な断面形状のPBNるつぼが作りにくいから、突出部と鍔部をもつるつぼを分離したものである。二重るつぼにするからるつぼコストが2倍になる。またヒータ熱が内部まで入るかどうか疑問があろう。しかしPBNはヒータが発する赤外光に対して透明だからヒータの輻射熱は二重るつぼを容易に透過して融液に到達できる。もう一つの問題は熱電対の測温の精度である。熱電対先端と融液の間に二重のるつぼが介在する。それによって温度測定に少し時間遅れが出るがそれは僅かである。
[実施例4(二重るつぼ+突出部)]
実施例3において窒素侵入防止リング32を省略した二重るつぼもアルミ這い上がりを防ぐ効果がある。内部るつぼは底部33、胴部34、突出部36を有するが窒素侵入防止リング32を持たない。外部るつぼ2は底部22。中筒部23、鍔部24を持つ。外部るつぼの鍔部24が側面反射板3で支持される。内外るつぼの間にはスペーサがある。それは図3と図2から容易に類推できるから図面を省略した。内部るつぼの突出部は温度が低いので融液は粘度を増しあるいは固化するのでアルミ融液の這い上がりを防ぐことができる。液面からるつぼ開口部縁までの距離が長くてアルミがそこまで高く這い上がれない。二重の意味でアルミの這い上がりを防ぐ。
従来例にかかる分子線セル全体の概略断面図。
突出部を設けた本発明の第1の実施例にかかる分子線セルのベースより上部のみの断面図。
突出部と窒素侵入防止リングを設けた本発明の第2の実施例にかかる分子線セルの上部のみの断面図。
突出部と窒素侵入防止リングをもつ内部るつぼと、鍔部をもつ外部るつぼを組み合わせた二重るつぼである本発明の第3の実施例にかかる分子線セルの上部のみの断面図。
符号の説明
1ヒータ
2るつぼ
3側面反射板
4底面反射板
5ベース
6熱電対
7フランジ
8支柱
9電流フィードスルー
10熱電対フィードスルー
17導電線
18絶縁碍子
20突出部
22底部
23中筒部
24鍔部
25アルミ融液
26アルミ分子線
27這い上がりアルミ融液
28横這いアルミ融液
29漏れアルミ融液
30内部るつぼ
32窒素侵入防止リング
33内部るつぼ底部
34内部るつぼ胴部
35スペーサ
36るつぼ突出部

Claims (4)

  1. 分子線エピタキシー装置において使用する底部、中筒部、鍔部をもつ有底円筒状のAl分子線セルであって、鍔部の上に延びる突出部を設けたことを特徴とするアルミ這い上がり防止分子線セル。
  2. 分子線エピタキシー装置において使用する底部、中筒部、鍔部をもつ有底円筒状のAl分子線セルであって、鍔部の上に延びる突出部を設け、上方内面に窒素侵入防止リングを設けたことを特徴とするアルミ這い上がり防止分子線セル。
  3. 分子線エピタキシー装置において使用するアルミ分子線セルであって、底部、中筒部、鍔部をもつ有底円筒状の外部るつぼと、底部、胴部をもち外部るつぼより背の高い内部るつぼとを内外二重に組み合わせて、外部るつぼ鍔部より内部るつぼが突出するようにしてあることを特徴とするアルミ這い上がり防止分子線セル。
  4. 分子線エピタキシー装置において使用するアルミ分子線セルであって、底部、中筒部、鍔部を持つ有底円筒状の外部るつぼと、底部、胴部を持ち胴部内部に窒素侵入防止リングを有し外部るつぼより背の高い内部るつぼとを内外二重に組み合わせて、外部るつぼ鍔部より内部るつぼが突出するようにしてあることを特徴とするアルミ這い上がり防止分子線セル。
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