JP2005174959A - リソグラフィシステム、プログラム及び情報記録媒体、支援装置、並びに露光方法 - Google Patents

リソグラフィシステム、プログラム及び情報記録媒体、支援装置、並びに露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】途中の工程からロットを分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを可能にする。
【解決手段】複数台の投影露光装置1101〜110Nを管理するホスト160が、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報をも管理する。そして、その元工程情報の少なくとも一部を含むホストからの問い合わせに応じ、演算装置130が、元工程と現工程との像歪みの差が許容値となる適合装置及びその像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報をホストに回答する。これにより、ホストが、ロットの識別情報によらず、適合装置の1台を選択して像歪み補正値を与えることで、その選択された投影露光装置により元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リソグラフィシステム、プログラム及び情報記録媒体、支援装置、並びに露光方法に係り、更に詳しくは、複数の投影露光装置をホスト計算機システムで集中的に管理するリソグラフィシステム、前記ホスト計算機システムに接続されたコンピュータに所定の処理を実行させるプログラム及び該プログラムが記録された情報記録媒体、リソグラフィシステムで用いられる支援装置、並びに該支援装置を含むシステムで行われる露光方法に関する。
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布された物体、例えばウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「ウエハ」という)上に転写する投影露光装置が用いられている。このような半導体素子等の製造にあたっては、異なる回路パターンをウエハ上に幾層にも積み重ねて形成するために重ね合わせ露光を行うのが一般的となっている。
また、近年では、生産性を高めるために、複数の投影露光装置を用意し、これらの投影露光装置をホスト計算機で集中的に管理するリソグラフィシステムが構築されている。このようなシステムでは、生産性を高めるために、1枚のウエハ上の各レイヤ(層)の回路パターンを異なる投影露光装置を用いて転写するようになるので、重ね合わせ露光をする際の各投影露光装置のスケジューリングが必要となる。例えば、ウエハ上の元工程レイヤ(以下、単に「元工程」とも呼ぶ)での露光に用いられた投影露光装置が稼働中である場合には、現在稼動していない他の投影露光装置を現工程レイヤ(現行レイヤ:以下、「現工程」とも呼ぶ)の露光に用いるようにスケジューリングすれば、全体の露光工程を短縮することができるようになる。
このようなスケジューリングを実行する際に問題となるのが、各投影露光装置間における転写像の歪み(ディストーション)である。レイヤ間の像の重ね合わせ精度を確保するためには、このようなディストーションを各投影露光装置間でマッチングさせることが重要となる。
半導体素子の高集積化に伴う重ね合わせ精度の高精度化への要求の高まりを受け、この種の複数の投影露光装置間のディストーションマッチングを行うシステムとして、像歪み補正能力の号機間差や経時変化に起因するレイヤ間のショット形状誤差を極力低減することを目的としたリソグラフィシステムが最近になって提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のリソグラフィシステムは、各投影露光装置で転写像の歪みをそれぞれ理想値に極力近づけるとともに、先行する1つのレイヤ(基準レイヤ:元工程)の露光を行った投影露光装置における転写像の歪みと同様の歪みが生じるように、後のレイヤ(現工程)の露光を行う投影露光装置の投影光学系等を調整し、元工程(基準レイヤ)に対して転写像を合わせるものである。この特許文献1に記載のリソグラフィシステムでは、大略次のような手順で元工程の転写像に対する現工程の転写像(投影像)の歪みのマッチングが行われる。
a.予めロット名毎にロット履歴が各露光装置から収集され、集中情報サーバ内に記憶される。ロット履歴には、その工程の露光に用いられた装置名、その露光の際に使用されたディストーション補正値、露光が行われた日時などのデータが記録されている。一方、システムを構成する全ての露光装置の各々について、定期的にその装置の露光の際の像歪み(ディストーション)が計測され、その計測結果が集中情報サーバ内に保存される。
b.そして、あるロットのウエハに対してある工程(現工程)の処理を行う場合、ホスト計算機がロットの識別子(例えば、ロット番号)及び重ね合わせ露光にあたって重ね合わせ精度を確保すべき露光済みの層(基準レイヤ:元工程)等の情報を指定して、現工程の処理を行うのに適切な装置を、像歪み演算装置に問い合わせる。
c.像歪演算装置は、受信したロット情報(ロット識別子及び基準レイヤなど)を元に集中情報サーバ内の露光履歴から元工程の露光に関する投影像の歪データを取得し各種計算処理を行った後、適合装置の候補リストをホスト計算機に送信する。
d.ホスト計算機は、受信した候補リストの内、最も効率良くリソグラフィ工程を進行させることができる装置を選択し、その選択した露光装置のマシンコントローラ(MC)に対して、重ね合わせ露光の対象となるウエハのロットの識別子を指定して、露光実行の指示を行う。
e.露光実行の指示を受信したMCは、重ね合わせ露光の対象となるウエハのロットの識別子及び自己が制御する露光装置の識別子を指定して、当該ロットのウエハの露光をするに当たっての投影像の歪の調整パラメータ値を像歪演算装置に問い合わせ、その応答を得る。MCは、その応答として得た調整パラメータ値を露光装置に送る。露光装置では、この調整パラメータ値に応じて結像特性補正装置を制御して、投影像の歪みの調整を行った後、重ね合わせ露光を実行する。
しかしながら、特許文献1に記載のリソグラフィシステムでは、ロット番号などのロットの識別子(及びロット履歴)を必要とし、ロットの識別子を変えると元工程の情報を取得することができなくなるので、ロットの識別子としてロット名を用いる場合などであってもそのロット名を途中で変えることができなかった。このため、途中の工程からロットを分割するような多品種少量生産(例えば、1ロット25枚のウエハを途中の工程で次々に分割していき、多様な製品を作るような場合)には、特許文献1に記載のシステムなどのような従来のリソグラフィシステムを使用することができなかった。
また、特許文献1に記載のリソグラフィシステムなどの従来のリソグラフィシステムでは、投影像の歪の調整パラメータ値は、露光直前にMCが像歪み演算装置に問い合わせることで、その問い合わせの回答として取得していた。このため、像歪み演算装置がダウンすると、最適な調整パラメータ値を用いて工程を処理することができなくなり、このような状況下で製品の生産を続行しても良品を生産することは困難であることから、生産が停止されていた。
特開2000−36451号公報
本発明は、上述した事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置(1101〜110N)と;前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システム(160)と;前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する像歪み演算装置(130)と;を備える第1のリソグラフィシステムである。
ここで、「元工程」とは、重ね合わせの対象となる先行する1つのレイヤ(基準レイヤ)又はその該基準レイヤの処理工程を意味し、「現工程」とは、基準レイヤに対する重ね合わせが行われる後のレイヤ又はその後のレイヤの処理工程を意味する。本明細書では、このような意味で、「元工程」、「現工程」なる用語を用いる。
これによれば、複数台の投影露光装置を管理するホスト計算機システムが、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報をも管理する。そして、その元工程情報の少なくとも一部を含むホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、像歪み演算装置が、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する。これにより、ホスト計算機システムが、ロットの識別情報によらず、像歪み演算装置から適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値の情報を得、その情報に基づいて、適合装置の1台を選択し、その選択した適合装置が、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置である場合には、該投影露光装置に対応する像歪み補正値をその適合装置に与える。これにより、適合装置により与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。従って、途中からロット分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。
この場合において、前記ホスト計算機システムが、現工程の露光に先立って前記像歪み演算装置に対して前記問い合わせを行うとともに、その問い合わせの回答として前記像歪み演算装置から取得した前記情報を、現工程の露光が開始されるまでの間、前記像歪み演算装置以外の装置に記憶することとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置(1101〜110N)と;前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システム(160)と;前記露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪みに関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する像歪み演算装置(130)と;を備える第2のリソグラフィシステムである。
これによれば、像歪み演算装置が、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定したホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、露光履歴情報(元工程の露光に用いられた露光装置名、使用された投影像の歪み補正値及び露光が行われた日時を含む)と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報をホスト計算機システムに回答する。このように、像歪み演算装置により、ロット名などのロットの識別情報を用いることなく、装置名と日時からそのロットの元工程露光時の情報が特定され、適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値が算出され、それらの情報がホスト計算機システムに対して回答される。そして、ホスト計算機システムが、その情報に基づいて、適合装置の中の1台の適合装置を選択し、その選択した適合装置が、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置である場合には、該投影露光装置に対応する像歪み補正値をその適合装置に与える。これにより、適合装置により与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。従って、途中からロット分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。
本発明は、第3の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置(1101〜110N)と;前記複数台の投影露光装置を管理するホスト計算機システム(160)と;前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する像歪み演算装置(130)と;を備え、前記ホスト計算機システムが、現工程の露光に先立って前記像歪み演算装置に対して前記問い合わせを行うとともに、その問い合わせの回答として前記像歪み演算装置から取得した前記情報を、現工程の露光が開始されるまでの間、前記像歪み演算装置以外の装置に記憶することを特徴とする第3のリソグラフィシステムである。
これによれば、ホスト計算機システムが、現工程の露光に先立って像歪み演算装置に対して問い合わせを行うとともに、その問い合わせの回答として像歪み演算装置から取得した情報(適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値の算出結果の情報)を、現工程の露光が開始されるまでの間、像歪み演算装置以外の装置に記憶する。従って、上記問い合わせの回答取得後現工程の露光が行われるまでの間に像歪み演算装置がダウンしても、ホスト計算機システムでは、像歪み演算装置以外の装置に記憶された適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値の算出結果の情報を用いて、その適合装置の1台を選択し、その選択した適合装置が投影像の歪みを調整可能な投影露光装置である場合には、その投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を与えることにより、該適合装置により現工程に最適な像歪み補正値を使用して工程を処理することが可能となる。
この場合において、前記ホスト計算機システムは、いずれかの投影露光装置により露光が行われている最中に、前記問い合わせ及びその問い合わせの回答として取得した前記情報の記憶を行うこととすることができる。
本発明の第3のリソグラフィシステムでは、前記ホスト計算機システムは、現工程の直前の工程の露光終了直後に前記問い合わせを行うこととすることができる。
本発明の第1〜第3のリソグラフィシステムでは、前記像歪み演算装置からの前記回答の情報は、前記投影像の歪みの差が小さい投影露光装置から順次並べられた適合装置リストを含むこととすることができる。
本発明は、第4の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システムに接続されたコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出する手順と;その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する手順と;を前記コンピュータに実行させる第1のプログラムである。
本発明は、第5の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システムに接続されたコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、前記投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪みに関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出する手順と;その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する手順と;を前記コンピュータに実行させる第2のプログラムである。
本発明の第1、第2のプログラムは、コンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体に記録することができ、その情報記録媒体に記録された第1、第2のプログラムをコンピュータにインストールし、メインメモリにロードすることで、コンピュータに本発明の第1、第2のプログラムを実行させることができる。従って、本発明は、第6の観点からすると、本発明の第1又は第2のプログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体であるとも言える。
本発明は、第7の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システムとにそれぞれ通信回線を介して接続されるリソグラフィシステムの支援装置であって、前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する演算装置を備えるリソグラフィシステムの第1の支援装置である。
これによれば、ホスト計算機システムが、ロットの識別情報によらず、演算装置から適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値の情報を得、その情報に基づいて、適合装置の1台を選択し、その選択した適合装置が、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置である場合には、該投影露光装置に対応する像歪み補正値をその適合装置に与える。これにより、適合装置により与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。従って、途中からロット分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。
本発明は、第8の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システムとにそれぞれ通信回線を介して接続されるリソグラフィシステムの支援装置であって、前記投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪みに関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する演算装置を備えるリソグラフィシステムの第2の支援装置である。
これによれば、演算装置により、ロット名などのロットの識別情報を用いることなく、装置名と日時からそのロットの元工程露光時の情報が特定され、適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値が算出され、それらの情報がホスト計算機システムに対して回答される。そして、ホスト計算機システムが、その情報に基づいて、適合装置の中の1台の適合装置を選択し、その選択した適合装置が、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置である場合には、該投影露光装置に対応する像歪み補正値をその適合装置に与える。これにより、適合装置により与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。従って、途中からロット分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。
本発明は、第9の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するホスト計算機システムとにそれぞれ通信回線を介して接続されるリソグラフィシステムの支援装置であって、現工程の露光に先立ってなされた前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を、現工程の露光が開始されるまでの間、自装置以外の装置に記憶させるために、前記ホスト計算機システムに回答する演算装置を備えるリソグラフィシステムの第3の支援装置である。
これによれば、ホスト計算機システムが、問い合わせの回答として演算装置から取得した情報(適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値の算出結果の情報)を、現工程の露光が開始されるまでの間、支援装置以外の装置に記憶する。従って、上記問い合わせの回答取得後現工程の露光が行われるまでの間に支援装置がダウンしても、ホスト計算機システムでは、支援装置以外の装置に記憶された適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値の算出結果の情報を用いて、その適合装置の1台を選択し、その選択した適合装置が投影像の歪みを調整可能な投影露光装置である場合には、その投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を与えることにより、該適合装置により現工程に最適な像歪み補正値を使用して工程を処理することが可能となる。
本発明は、第10の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システムと、前記複数台の投影露光装置及び前記ホスト計算機システムにそれぞれ通信回線を介して接続された支援装置とを備えるシステムで用いられる露光方法であって、前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、前記支援装置が、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの投影像の歪みを調整可能な少なくとも1台の適合装置、該適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する工程と;前記ホスト計算機システムが、前記回答に応じて前記適合装置の中から現工程の露光を実行する投影露光装置を選択し、その選択した投影露光装置に対して前記像歪み補正値の指定を含む露光指示を行う工程と;前記選択された投影露光装置が、前記像歪み補正値に基づいて、自装置の投影像の歪みを調整した状態で、現工程の露光を実行する工程と;を含む第1の露光方法である。
これによれば、上記の選択された露光装置により、与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。従って、途中からロット分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。
本発明は、第11の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システムと、前記複数台の投影露光装置及び前記ホスト計算機システムにそれぞれ通信回線を介して接続された支援装置とを備えるシステムで用いられる露光方法であって、前記投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、前記支援装置が、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪に関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの投影像の歪みを調整可能な少なくとも1台の適合装置、該適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する工程と;前記ホスト計算機システムが、前記回答に応じて前記適合装置の中から現工程の露光を実行する投影露光装置を選択し、その選択した投影露光装置に対して前記像歪み補正値の指定を含む露光指示を行う工程と;前記選択された投影露光装置が、前記像歪み補正値に基づいて、自装置の投影像の歪みを調整した状態で、現工程の露光を実行する工程と;を含む第2の露光方法である。
これによれば、上記の選択された投影露光装置により、与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。従って、途中からロット分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。
本発明は、第12の観点からすると、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するホスト計算機システムと、前記複数台の投影露光装置及び前記ホスト計算機システムにそれぞれ通信回線を介して接続される支援装置とを備えるシステムで用いられる露光方法であって、前記ホスト計算機システムから現工程の露光に先立って行われた問い合わせに応じ、前記支援装置が、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの投影像の歪みを調整可能な少なくとも1台の適合装置、該適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する工程と;前記ホスト計算機システムが、前記算出結果の情報を、前記支援装置から受け取った後、現工程の露光が開始されるまでの間、前記支援装置以外の装置に記憶する工程と;前記ホスト計算機システムが、現工程の露光を開始する際に、前記算出結果の情報に含まれる適合装置の中から現工程の露光を実行する投影露光装置を選択し、その選択した投影露光装置に対して前記像歪み補正値の指定を含む露光指示を行う工程と;前記選択された投影露光装置が、前記像歪み補正値に基づいて、自装置の投影像の歪みを調整した状態で、現工程の露光を実行する工程と;を含む第3の露光方法である。
これによれば、上記問い合わせの回答取得後現工程の露光が行われるまでの間に支援装置がダウンしても、ホスト計算機システムでは、支援装置以外の装置に記憶された適合装置及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値の算出結果の情報を用いて、その適合装置の1台を選択し、その選択した適合装置が投影像の歪みを調整可能な投影露光装置である場合には、その投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を与えることにより、該適合装置により現工程に最適な像歪み補正値を使用して工程を処理することが可能となる。
本発明は、更に別の観点からすると、本発明の第1〜第3の露光方法のいずれかが行われるリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法である。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態に係るリソグラフィシステム100の構成が概略的に示されている。このリソグラフィシステム100は、N台の投影露光装置1101〜110N、像歪み演算装置としてのSDMサーバ(Super Distortion Matching Server)130、記憶装置140、ターミナルサーバ150及びホスト計算機システム160等を備えている。
この内、各投影露光装置110i(i=1、2、……、N)、SDMサーバ130及びターミナルサーバ150は、ローカルエリアネットワーク(LAN)170に接続されている。また、記憶装置140は、スカジー(SCSI)等の通信路180を介してSDMサーバ130に接続されている。また、ホスト計算機システム160は、ターミナルサーバ150を介してLAN170に接続されている。すなわち、ハードウエア構成上では、各投影露光装置110i(i=1、2、……、N)、SDMサーバ130(及び記憶装置140)、ターミナルサーバ150、及びホスト計算機システム160の相互間の通信経路が確保されている。
前記投影露光装置1101〜110Nのそれぞれはステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置、いわゆるステッパ(以下、「静止型露光装置」と呼ぶ)であっても良いし、また、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、すなわちスキャニング・ステッパ(以下、「走査型露光装置」と呼ぶ)であっても良い。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、Nは偶数であるものとし、N台の投影露光装置1101〜110Nの全てが、投影像の歪み調整能力を有するとともに、奇数番目の投影露光装置1101、1103、……、110N-1が走査型露光装置であり、かつ偶数番目の投影露光装置1102、1104、……、110Nが静止型露光装置であるものとする。
図2には、図1中の1台の走査型露光装置である投影露光装置1101の概略的な構成が示されている。投影露光装置1101は、図2に示されるように、照明系IOP、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、物体としてのウエハWが搭載されるウエハステージWST等を備えている。
前記照明系IOPは、光源と、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、内面反射型インテグレータ(ロット・インテグレータ)、又は回折光学素子など)を含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド(マスキングブレードとも呼ばれる視野絞り)、及びコンデンサレンズを含むリレー光学系等(いずれも不図示)を含んで構成される照明光学系と、を備えている。本実施形態と同様の照明系の構成は、例えば、特開平6−349701号公報などに開示されている。この照明系IOPでは、回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラインドで規定されたスリット状(X軸方向に伸びる細長い長方形状)の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、例えば、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、F2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光などが用いられる。なお、照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)などを用いても良い。
前記レチクルステージRST上にはレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、ここでは、リニアモータなどから成る不図示のレチクルステージ駆動部によって、照明光学系の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内でX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置はレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報は主制御装置50に送られ、該主制御装置50では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部を介してレチクルステージRSTを制御する。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図2における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。この投影光学系PLとしては、ここでは、鏡筒32の内部に光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメント27、29及びその他の複数のレンズエレメントから成る例えば両側テレセントリックな屈折系が用いられている。この投影光学系PLの投影倍率は、例えば1/5(あるいは1/4)とされ、投影光学系PLに関して前述の照明領域と共役な露光領域に回路パターンの縮小像が投影される。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルR上の照明領域が照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。この投影露光装置1101では、この投影光学系PLによる投影像の歪み(倍率を含む)を補正する結像特性補正装置が設けられている。
次に、結像特性補正装置について説明する。この結像特性補正装置は、大気圧変化、照明光吸収等による投影光学系PL自体の結像特性の変化を補正すると共に、ウエハW上の先行する特定レイヤ(例えば前レイヤ)のショット領域(区画領域)に転写されたパターンの像の歪みに合わせてレチクルRのパターンの投影像を歪ませる働きをもつ。投影光学系PLの結像特性としては投影倍率、焦点位置、像面湾曲、ディストーション、非点収差、コマ収差、球面収差等があり、それらを補正する機構はそれぞれ考えられ、本実施形態では焦点位置以外の結像特性が、例えば投影光学系PLのレンズエレメントの移動によって補正可能となっているが、以下の説明において、結像特性補正装置は、主として投影像の歪み(倍率を含む)に関する補正のみを行なうものとする。
図2において、投影光学系PLを構成する、レチクルRに最も近い(最も物体面側の)レンズエレメント27は円環状の保持部材28に保持されている。この保持部材28は、伸縮自在の複数(ここでは3つ)の駆動素子、例えばピエゾ素子11a、11b、11c(但し、図2では紙面奥側の駆動素子11cは図示せず)を介して、レンズエレメント29を保持する円環状の保持部材の上面に支持されている。駆動素子11a、11b、11cに印加される駆動電圧が結像特性制御部12によって独立して制御され、これによって、レンズエレメント27が光軸AXに直交する面に対して任意に傾斜及び光軸AX方向に移動可能な構成となっている。
レンズエレメント27に続くレンズエレメント29は、レンズエレメント27と同様に複数の駆動素子によって光軸AXに直交する面に対して任意に傾斜及び光軸AX方向に駆動されるようになっている。残りのレンズエレメントは、投影光学系PLのレンズ鏡筒32に固定されている。
なお、本実施形態では投影光学系PLの鏡筒32内でレンズエレメント27、29のみがそれぞれ単独で可動となっているが、3つ以上のレンズエレメントを可動としても良いし、少なくとも2つのレンズエレメントを一体に保持したレンズ群を可動としても良い。
レンズエレメント27、29の位置は、不図示の位置センサにより厳密に測定され、その測定結果に基づいて主制御装置50からの指示に応じ結像特性制御部12により各駆動素子の駆動量が制御されることで、レンズエレメント27、29の位置が目標位置に保たれるようになっている。
この投影露光装置1101では、レンズエレメント27の保持部材28、レンズエレメント29の保持部材、複数の駆動素子(11a、11b、11c等)及び各駆動素子に対する駆動電圧を制御する結像特性制御部12によって結像特性補正装置(倍率調整機能を有する)が構成されている。なお、投影光学系PLの光軸AXとは鏡筒32に固定されたレンズエレメントの共通の光軸を指すものとする。
結像特性制御部12は、上記の駆動素子を介したレンズエレメントの駆動制御のみならず、光源を制御して照明光ILの中心波長をシフトさせることによっても、投影光学系の結像特性(投影像の歪み)を調整するようになっている。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図2における下方に配置され、その底面に設けられた不図示の気体静圧軸受により不図示のベース上に所定のクリアランスを介して浮上支持され、リニアモータ等のアクチュエータを含む不図示のウエハステージ駆動部によって、X軸方向、Y軸方向に自在に駆動されるとともに、Z軸方向、θz方向、θx方向(X軸回りの回転方向)及びθy方向(Y軸回りの回転方向)に微小駆動されるようになっている。
ウエハステージWST上には、ほぼ円形のウエハホルダ9が設けられており、このウエハホルダ9にウエハWが真空吸着され、平坦化矯正されて保持されている。このウエハホルダはウエハWの露光時の熱蓄積による膨脹変形を押さえるために低熱膨張材料で構成されている。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置はウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)18によって、移動鏡17を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は主制御装置50に送られ、主制御装置50では、その位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージWSTを、ウエハステージ駆動部を介して制御する。
なお、実際には、移動鏡はX軸に直交する反射面を有するX移動鏡と、Y軸に直交する反射面を有するY移動鏡とが設けられ、これに対応してウエハ干渉計もX軸方向位置計測用のXレーザ干渉計とY軸方向位置計測用のYレーザ干渉計とが設けられているが、図2ではこれらが代表して移動鏡17、ウエハ干渉計18として図示されている。なお、例えば、ウエハステージWSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡17の反射面に相当)を形成しても良い。また、Xレーザ干渉計及びYレーザ干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計であり、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。従って、以下の説明ではウエハレーザ干渉計18によって、ウエハステージWSTのX、Y、θz、θy、θxの5自由度方向の位置が計測されるものとする。また、多軸干渉計は45°傾いてウエハステージWSTに設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
また、ウエハステージWSTの上面には、その表面がウエハW表面とほぼ同一高さに設定された基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面には、後述するアライメントセンサのベースライン計測用の基準マーク及びレチクルアライメント用の基準マークなどが所定の位置関係で形成されている。
投影光学系PLの側面には、ウエハW上の各ショット領域に付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)の位置を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメント検出系、例えば画像処理方式の結像式アライメントセンサ8が設けられている。アライメントセンサ8は、ウエハW上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサである。なお、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光または回折光を検出する、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることはもちろん可能である。このアライメントセンサ8の検出結果が不図示のアライメント信号処理系を介して主制御装置50に出力されている。
また、投影露光装置1101は、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する照射系13と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束を、それぞれスリットを介して受光する受光系14とから成る斜入射方式の多点焦点位置検出系が設けられている。この多点焦点位置検出系(13、14)としては、例えば特開平6−283403号公報に開示されるものと同様の構成のものが用いられる。この多点焦点位置検出系(13、14)で検出されるウエハ位置情報は、主制御装置50に供給されるようになっている。主制御装置50では、このウエハ位置情報に基づいてウエハステージ駆動部を介してウエハステージWSTをZ軸方向及び傾斜方向に駆動して、ウエハWのフォーカス・レベリング制御を行う。
前記主制御装置50は、例えばマイクロコンピュータから成り、上述した投影露光装置1101の構成各部を統括して制御する。また、本実施形態では、この主制御装置50は、投影露光装置1101に併設された不図示のコータ・デベロッパ(以下、「C/D」と呼ぶ)をも制御する。また、主制御装置50は、LAN170に接続されている。
次に、上述のようにして構成された投影露光装置1101における露光処理工程の動作について、図2を参照しつつ、簡単に説明する。
主制御装置50では、干渉計16、18からの位置情報をモニタしつつ、ウエハステージWSTをウエハW上の第1ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)に移動するとともに、レチクルステージRSTを走査開始位置(加速開始位置)に移動して、その第1ショット領域の走査露光を行う。
すなわち、主制御装置50では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向逆向きの相対走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、露光光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
主制御装置50では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が露光光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショット領域の走査露光が終了する。これにより、レチクルRの回路パターンが投影光学系PLを介してウエハW上の第1ショット領域に縮小転写される。
このようにして、ウエハW上の第1ショット領域に対する走査露光(走査露光方式によるレチクルRの回路パターンの転写)が終了すると、ウエハステージWSTをウエハW上の第2ショット領域の露光のための走査開始位置へ移動させるショット間のステッピング動作を行う。そして、その第2ショット領域に対する走査露光を上述と同様にして行う。以後、第3ショット領域以降も同様の動作を行う。
このようにして、ショット間のステッピング動作とショット領域に対する走査露光動作とが繰り返され、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全てのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
他の走査型露光装置である投影露光装置1103、1105、……、110N-1も、上記投影露光装置1101と同様に構成されている。
また、静止型露光装置から成る投影露光装置1102、1104、……、110Nは、基本的には、図2の投影露光装置1101と同様に構成される。但し、これらの投影露光装置1102、1104、……、110Nでは、それぞれのレチクルステージがXY面内でX、Y及びθz(Z軸周りの回転)方向に微少駆動のみ可能に構成されている点、及び投影光学系PLの円形視野内での照明光ILの照射領域(前述の照明領域や露光領域に対応)が図2の走査型露光装置に比べて大きく、例えば走査型露光装置の走査露光範囲と同程度の大きさを持つ点が異なる。これらの投影露光装置では、ウエハステージ及びレチクルステージを共に静止させた状態で露光が行われる。
図1に戻り、各投影露光装置110iを構成する前述の主制御装置50は、LAN170及びターミナルサーバ150を介して、ホスト計算機システム160との間で通信を行い、ホスト計算機システム160からの指示に応じて各種の制御動作を実行する。
図1に戻り、前記SDMサーバ130は、演算能力に優れた中規模のコンピュータシステム(例えば、ミニコン・システムやエンジニアリング・ワークステーション・システム)によって構成されたリソグラフィシステムの支援装置である。このSDMサーバ130は、LAN170を介した上記の投影露光装置1101〜110Nとの通信の他に、LAN170及びターミナルサーバ150を介して、ホスト計算機システム160との間で通信を行う。
また、SDMサーバ130は、投影露光装置1101〜110N等との通信に際し、必要に応じて記憶装置140に対するデータの読み書きを行う。なお、SDMサーバ130には、対オペレータのマンマシンインタフェースである表示ディスプレイとキーボードやマウス等のポインティングデバイスなどとを含む入出力装置131が設けられている。また、SDMサーバ130には、CD(compact disc),DVD(digital versatile disc),MO(magneto-optical disc)あるいはFD(flexible disc)等の情報記録媒体のドライブ装置132が、外付けで接続されている。ドライブ装置132にセットされた情報記録媒体(以下では、CDであるものとする)には、後述する図6のフローチャートで示される処理アルゴリズムに対応するプログラム(以下、便宜上、「第1プログラム」と呼ぶ)、その他のプログラム、並びにこれらのプログラムに付属するデータベースなどが記録されている。
このSDMサーバ130は、各投影露光装置110i(i=1〜N)から定期的に送られてくる後述する投影像の歪みデータ(ディストーション・データ)を記憶装置140内のデータベースに登録する。
前記ターミナルサーバ150は、LAN170における通信プロトコルとホスト計算機システム160の通信プロトコルとの相違を吸収するためのゲートウエイプロセッサとして構成される。このターミナルサーバ150の機能によって、ホスト計算機システム160と、LAN170に接続された投影露光装置1101〜110N及びSDMサーバ130等との間の通信が可能となる。
前記ホスト計算機システム160は大型のコンピュータを含んで構成される製造管理システム(MES:Manufacturing Execution System)である。ここで、製造管理システム(MES)とは、生産ラインで流れている各製品の工程、設備、条件、作業データをコンピュータで全て管理し、分析し、これにより品質向上、歩留まり向上及び作業ミス低減等のより効率的な生産を支援するシステムである。
なお、ホスト計算機システム160はMES以外でも良く、例えば専用のコンピュータを用いても良い。
前記LAN170としては、バス型LAN及びリング型LANのいずれも採用可能であるが、本実施形態では、IEEE802規格のキャリア敏感型媒体アクセス/競合検出(CSMA/CD)方式のバス型LANを使用している。
ここで、各投影露光装置110i(i=1〜N)の主制御装置50からSDMサーバ130へ送られる像歪みデータを得るために、各投影露光装置110iで定期的に行われるパターンの投影像の歪み(ディストーション)の計測及びその計測結果に基づく像歪みデータ(ディストーション・データ)の算出について説明する。ここで、投影像の歪みの計測等を定期的に行うのは、投影光学系の結像特性が経時的に変化することを考慮したものである。
投影像の歪みの計測は、テストレチクルを用いた露光、及び露光が終了したウエハ上のレジスト像(転写像)の計測の2段階で行われる。
先ず、テストレチクルを用いた露光について、投影露光装置1101の場合を例にとって説明する。ここでは、一例として図3に示されるようなテストレチクルR1を用いるものとする。この図3のテストレチクルR1は、その中央部に、幅D1(D1は、例えば125mm)、長さL1(L1は、例えば165mm)のパターン領域PA1を有し、そのパターン領域PA1内に、レチクル中心を中心として、XY2次元方向に所定間隔Δd(Δdは例えば10mm)でn(nは例えば、11×15=165)個の計測用マークM1〜Mnが形成されている。
オペレータ又はホスト計算機システム160により、テスト露光の指示(ディストーション計測指示)がなされると、不図示のレチクル搬送系によりレチクルR1が搬送され、ローディングポジションにあるレチクルステージRSTに吸着保持される。その後、ウエハW上の第1ショット領域に対して、前述した走査露光が行われ、走査露光方式でレチクルR1のパターン領域PA1のパターンが転写される。これにより、テストレチクルR1を用いた第1の露光条件下での露光が終了する。
次いで、主制御装置50により、予め定められた手順に従って、露光条件、例えば照明条件等が変更され、その変更後の第2の露光条件下で、上記と同様にしてウエハW上の第2ショット領域に対して、レチクルR1のパターン領域PA1のパターンが転写される。なお、本実施形態の投影露光装置では、例えば、照明光学系内で光源とオプティカルインテグレータとの間に、交換可能に配置される複数の回折光学素子、照明光学系の光軸に沿って可動なプリズム、ズーム光学系を含む光学ユニット(成形光学系)を有している。本実施形態の投影露光装置では、この光学ユニットによって照明光学系の瞳面上での照明光ILの光量分布(2次光源の大きさや形状)、即ちレチクルRの照明条件を変更できるようになっている。
このようにして、露光条件を変更しつつ、設定された全ての露光条件下でのレチクルR1のパターン領域PA1のパターンのウエハW上の異なるショット領域に対する転写が終了すると、その旨がSDMサーバ130に設けられた入出力装置131のディスプレイ上に表示される。
次いで、オペレータ又はホスト計算機システム160により計測指示がなされると、主制御装置50により不図示のウエハ搬送系を用いてウエハホルダ上のウエハWが不図示のC/Dに搬送される。そして、C/DによりそのウエハWの現像が行われ、その現像後に、ウエハW上にテストレチクルR1に対応するレジスト像が形成される。
次いで、主制御装置50では、その現像が終了したウエハWを、ウエハ搬送系を用いて再びウエハホルダ上にロードした後、ウエハW上の第1ショット領域に形成されたパターン領域PA1における計測用マークM1〜Mnのレジスト像を、アライメントセンサ8を用いて順次検出する。そして、それぞれの計測値と対応するウエハ干渉計18の計測値とに基づいて、計測用マークM1〜Mnのレジスト像の位置を順次演算し、それらの演算結果、すなわち計測用マークM1〜Mnのレジスト像のステージ座標系上における位置座標を、内部メモリ内に各計測用マークと対応付けて記憶する。
以後同様にして、ウエハW上の第2ショット領域、第3ショット領域、……に形成されたパターン領域PA1における計測用マークM1〜Mnのレジスト像のステージ座標系上における位置座標を求め、ステージ座標系上における位置座標を内部メモリ内に各計測用マークと対応付けて記憶する。
このようにして、設定された全ての異なる露光条件の下で形成された計測用マークM1〜Mnのレジスト像の位置座標が内部メモリ内に記憶される。
次に、主制御装置50では、内部メモリに記憶された計測用マークM1〜Mnのレジスト像のステージ座標系上における位置座標を、各ショット領域の基準点、例えばショット領域の中心点を原点とする理想的な座標系(ショット座標系)における座標データにそれぞれ変換する。そして、各計測用マークM1〜Mnのレジスト像の座標データと対応するレジスト像の設計上の位置座標との差に基づいて、各計測用マークのM1〜Mnのレジスト像の位置ずれ量を、ショット領域毎(すなわち、露光条件毎)に求める。
そして、主制御装置50では、ショット領域毎に、概ね次のような処理を行う。すなわち、上記の位置ずれ量のデータ(生データ)から、所定の許容値を超える異常値データを除去し、異常値データ除去後の位置ずれ量の平均値を、センタ・シフト量と考えて、全位置ずれ量から除去する(センタ・シフト補正)。次いで、このようにしてセンタ・シフト補正が終了した位置ずれ量からレチクル製造誤差(パターン描画誤差などを含む)を除去する(レチクル製造誤差補正)。そして、レチクル製造誤差を補正した位置ずれ量からアライメントマーク製造誤差を除去する(アライメントマーク製造誤差補正)。次いで、アライメントマーク製造誤差を補正した位置ずれ量からレチクルローテーション量を除去する(レチクルローテーション補正)。
このようにして、得られた位置ずれ量のデータを、以下の説明においては、像歪みデータと呼ぶ。主制御装置50は、この像歪みデータを露光条件毎に求め、それぞれの計測時刻データとともにSDMサーバ130に送信する。SDMサーバ130は、これらのデータを、記憶装置140内のデータベースに登録する。なお、オペレータが、像歪みデータを入出力装置131を介してSDMサーバ130に入力しても良いことは勿論である。
上述と同様の像歪みデータの計測が、その他の投影露光装置1102、1103、……、110Nにおいても、定期的に行われ、その計測結果が、SDMサーバ130に送られ、SDMサーバ130により、記憶装置140内のデータベースに登録される。すなわち、上記の像歪みデータが、投影露光装置毎、計測時刻毎、露光条件毎に、記憶装置140のデータベースに登録される。ここで、露光条件は、露光条件毎にIDが付された状態でデータベースに登録されるので、以下の説明では、露光条件毎のIDを露光IDと記述する。
なお、静止型露光装置1102、1104、……、110Nでは、例えば図4に示されるようなテストレチクルR2が用いられる。この図4のテストレチクルR2は、その中央部に、幅D2(D2は、例えば110mm)、長さL2(L2は、例えば110mm)のパターン領域PA2を有し、そのパターン領域PA2内に、レチクル中心を中心として、XY2次元方向に所定間隔Δd(Δdは例えば10mm)でm(mは例えば、9×9=81)個の計測用マークM1〜Mmが形成されている。
また、上で説明した、各投影露光装置における、設定された全ての異なる露光条件の下で形成された計測用マークM1〜Mmのレジスト像の位置座標の算出より後の処理は、必ずしも主制御装置50により行う必要はなく、SDMサーバ130により行うようにしても構わない。また、上記の像歪みデータは、基準ウエハ法を用いて求められたものであっても良い。
また、リソグラフィシステム100では、露光工程の終了時に各投影露光装置110iの主制御装置50とホスト計算機システム160との間で、LAN170及びターミナルサーバ150を介して通信が行われ、主制御装置50から露光終了の通知とともに対応する投影露光装置110iの露光履歴データがホスト計算機システム160に送られ、ホスト計算機システム160により不図示の記憶装置内のデータベースに登録されるようになっている。その露光履歴データには、露光コマンドを処理したときのプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程の露光処理を行った装置名(すなわち投影露光装置110iの識別情報)、その露光ID及び像歪み補正値、並びに露光処理日時等の情報が含まれる。
次に、上述のようにして構成された本実施形態のリソグラフィシステム100によるウエハWの露光の際の各部の動作について図5及び図6に基づいて説明する。図5には、ホスト計算機システム160の処理アルゴリズムを示すフローチャートが示され、図6には、SDMサーバ130の処理アルゴリズムを示すフローチャートが示されている。
なお、前提として、露光対象となるウエハWは、既に1層以上の露光が投影露光装置1101によって実行されている。また、ウエハWの露光履歴データなどは、ホスト計算機システム160の内部記憶装置内に記憶されているものとする。また、各投影露光装置110iに関する像歪みデータの情報は、記憶装置140に記憶されているものとする。
図5のフローチャートで示される、ホスト計算機システム160の処理アルゴリズムがスタートするのは、あるプロセスプログラムに対応する露光処理の準備が開始されたときである。
まず、図5のステップ204において、重ね合わせ露光にあたって重ね合わせ精度を確保すべき露光済みの層(基準レイヤ:元工程)の露光履歴データの一部を含む問い合わせ情報をターミナルサーバ150及びLAN170を介して送信して、露光対象のウエハWの露光を行うのに適切な投影露光装置を、SDMサーバ130に問い合わせる。ここで、上記の露光履歴データの一部には、露光コマンドを処理したときのプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程(元工程)の露光処理を行った装置(ここでは、一例として投影露光装置1101とする)の装置名、該装置の元工程の露光時における露光ID及び像歪み補正値、並びに前記プロセスプログラムに対応する工程の露光処理日時等の情報が含まれる。
そして、ステップ206に進んで、SDMサーバから問い合わせに対する回答がなされるのを待つ。
一方、SDMサーバ130では、上記の問い合わせ情報を受信すると、図6のフローチャートで示される第1プログラムの処理(処理アルゴリズム)を開始する。なお、これに先立ってその第1プログラムが格納されたCDがドライブ装置132にセットされ、そのCDからその第1プログラムがSDMサーバ130のメインメモリにロードされている。
まず、図6のステップ302において、受信した問い合わせ情報中の元工程の露光処理を行った装置名、処理日時及び露光IDに基づいて、記憶装置140内に記憶されている各投影露光装置110iに関する投影像の歪みデータのデータベースを検索し、元工程露光時の像歪みデータ(元工程の露光を行った装置、露光ID及び日時に対応するレチクルローテーション補正後の像歪みデータ)を取得する。
次のステップ304において、上記ステップ302で取得した元工程露光時の像歪みデータと、受信した問い合わせ情報に含まれる像歪み補正値としての像歪み補正パラメータ(ここでは、次式(1)で表される3次モデルの係数k1〜k20)の値と、元工程の露光処理を行った装置のレンズパラメータファイルとに基づいて、元工程の露光時の実際の像歪みデータを算出する。ここで、レンズパラメータファイルとは、例えば可動レンズを駆動する駆動素子毎の単位駆動量(調整量)に対する像歪みの変位量(各計測マーク像の位置の変化量)から成るテーブルデータファイルを意味する。
Figure 2005174959
ここで、この元工程の露光時の実際の像歪みデータの算出に際しては、比較座標定義に関わらず、全ての計測点に補正量を乗せる。これにより、露光時に指定された像歪み補正パラメータによる補正後の像歪みデータ(露光時の投影光学系によるディストーション形状データと考えられる)が得られる。
次のステップ306において、上記ステップ304で算出した像歪みデータから比較座標定義ファイル内に定義された座標のデータのみを抽出する。ここで、比較座標定義ファイルは、最終的に製造される半導体デバイス毎に、必要とする露光エリアが異なり、必ずしも投影光学系が持つ最大エリアで最適化する必要が無いことを考慮して予め定められている。
次のステップ307において、投影露光装置の番号を示すカウンタiを1に初期化する(i←1)。
次のステップ308において、i番目(ここでは1番目)の投影露光装置110i(ここでは1101)の最新の像歪みデータ(現工程の露光IDに対応したもの)を記憶装置140内を検索して取得し、その取得した像歪みデータから比較座標定義ファイル内に定義された座標のデータのみを抽出する。
上記ステップ302〜308までの処理により、元工程と、i番目の投影露光装置110i(ここでは、1番目の投影露光装置1101)を現工程処理装置として用いるものと仮定した際の現工程との、比較座標定義ファイルに定義された座標(計測点)毎の像歪み(ディストーション)データが得られる。なお、比較座標定義ファイルに定義された座標に対応する計測データがない場合、元の像歪みデータから、3次モデルにおけるパラメータを算出し、計測データのない座標での誤差量の推定値を算出すれば良い。
次のステップ310において、以上により得られた比較座標定義ファイルに定義された座標における、元工程の像歪みデータとi番目の投影露光装置110i(ここでは、1番目の投影露光装置1101)を現工程処理装置として用いるものと仮定した際の現工程の像歪みデータとの差分(像歪み差分データ)を算出する。
次のステップ312において、上記ステップ310で算出した像歪み差分データと前述したレンズパラメータファイルとに基づいて、i番目の投影露光装置(ここでは、1番目の投影露光装置1101)のショット形状誤差、すなわち各計測マーク像の位置ずれ量を全体的に最小にする調整量(結像特性補正装置のレンズエレメント27、29の光軸方向駆動量及び傾斜量、すなわち各駆動素子に対する印加電圧等)を、最小二乗法などの統計演算により求める。また、このとき、i番目の投影露光装置の像面傾斜量を併せて算出しても良い。
次のステップ314において、上で求めた調整量(及び像面傾斜量)が、許容値内にあるか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合には、ステップ316に進み、ステップ312で算出された調整量を用いて、投影光学系PLを実際に調整した場合の像歪みデータの変化量を算出した後、ステップ318に進む。
なお、上述の調整量の算出と、その算出された調整量に基づく像歪みデータの変化量の算出に際しては、各投影露光装置で制御可能なパラメータのみに限定して計算が行われる。従って、「一括露光」型の投影露光装置なのか、「走査露光型」の投影露光装置なのかの区別が必要となる。
ステップ318では、上で求めたi番目の投影露光装置の像歪みデータの変化量に対して上式(1)の3次モデルの係数(像歪み補正パラメータk1〜k20)の値を最小二乗法によってそれぞれ算出し、その算出された像歪み補正パラメータの値をi番目の投影露光装置が現工程の露光の際に用いるべき像歪み補正値とする。
次のステップ320では、i番目の投影露光装置について、先に求めた像歪み差分データから、ステップ316で求めた変化量を差し引くことで、ショット内の各座標における補正後の最終的な残留誤差データを求めた後、ステップ322に進む。
ステップ322では、残留誤差データが、全ての座標において許容値内であるか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合には、次のステップ324に進んでi番目の投影露光装置を適合装置として内部メモリに一時的に記憶した後、ステップ326に進む。
ステップ326では、カウンタiのカウント値iがN以上であるか否かを判断することにより、全ての投影露光装置について処理が終了したか否かを判断する。ここでは、i=1であり、最初の投影露光装置1101について処理が終了したのみなので、ここでの判断は否定され、ステップ328でカウンタiを1インクリメントした後、ステップ308に戻り、以後、ステップ308以下の処理を、ステップ326における判断が肯定されるまで、繰り返す。これにより、投影露光装置1102〜110Nのそれぞれについて、上で説明した投影露光装置1101と同様の処理が行われる。
この一方、上記ステップ314又はステップ322における判断が否定された場合には、i番目の投影露光装置100iは、適合装置とすべきではないので、以後の処理を行うことなく、ステップ326にジャンプする。
そして、最後の投影露光装置110Nについての処理が終了し、ステップ326における判断が肯定されると、ステップ330に進み、上記ステップ324で内部メモリ内に適合装置として一時的に記憶した1又は複数台の投影露光装置及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値(ステップ318で算出されている)、並びに残留誤差(ステップ320で算出されている)を、前記問い合わせに対する回答として、ホスト計算機システム160へLAN170及びターミナルサーバ150を介して送信した後、一連の処理を終了する。
この一方、ホスト計算機システム160では、上記のSDMサーバ130の処理がなされている間、図5のステップ206で回答を待っているが、上記ステップ330の処理(問い合わせに対する回答)がなされることで、ステップ206の判断が肯定され、ステップ208に進む。
ステップ208では、受信した各適合装置について現在の稼動状況及び将来の稼動予定、並びに残留誤差を参照し、リソグラフィシステムにおける処理効率と露光精度とを総合的に勘案して、受信した適合装置の中から重ね合わせ露光を行う投影露光装置を選択する。ホスト計算機システム160は、例えば、複数台の適合装置が現在稼動していないときには、その中で残留誤差が最小のものを現工程の露光を行う露光装置として選択することにより、処理効率を確保しつつ露光精度を高めることができる。勿論、適合装置とされた投影露光装置が1台である場合は、その投影露光装置を現工程の露光を行う露光装置として選択する。
また、例えば、ホスト計算機システム160は、適合装置とされた投影露光装置が複数台ある場合に、全ての適合装置が稼動中の場合には、例えばスループットを優先する観点から最も早く現在の露光動作が完了する予定の投影露光装置を適合装置の中から選択するようにしても良いし、同様の観点から、現在稼動していない投影露光装置が1台だけあれば、その投影露光装置を選択するようにしても良い。
なお、以下では、投影露光装置1103が選択された場合を例にして説明を行う。
そして、ステップ209において、選択した装置(ここでは、投影露光装置1103)が稼動を終了したか否かを判断し、この判断が否定された場合にはその稼動が終了するのを待つ。一方、このステップ209における判断が肯定された場合、すなわち選択した装置(ここでは、投影露光装置1103)が当初から稼動を終了していた(稼動中でなかった)場合あるいは稼動を終了した場合には、ステップ210に進んで、その選択した装置(ここでは投影露光装置1103)の主制御装置50に、像歪み補正値の指定を含む露光実行の指示を行う。その後、ステップ212に進んで、露光終了の通知がなされるのを待つ。
上記の露光実行の指示がなされると、選択された投影露光装置(ここでは、投影露光装置1103)の主制御装置50は、受信した像歪み補正値に基づいて、自身の結像特性補正装置を制御して、投影像の歪みを調整する。具体的には、ホスト計算機システム160から受け取った像歪み補正値に対応する各駆動素子に対する印加電圧を算出し、その印加電圧を、結像特性制御部12を介して各駆動素子にそれぞれ印加して駆動可能なレンズエレメントをそれぞれ駆動し、投影光学系のディストーションなどを調整する。
この後、元工程の投影露光装置1101と投影像の歪みの差の最大値が許容範囲内であり、かつ投影像の歪みが調整された、選択された投影露光装置(ここでは、投影露光装置1103)によって、前述した走査露光方式で現工程の露光が行われ、レチクルRに形成されたパターンがウエハW上の各ショット領域にそれぞれ重ね合わせて転写される。なお、露光開始に先立って、レチクルアライメント及びアライメントセンサ8のベースライン計測、並びにウエハアライメント(EGA方式など)の準備作業が行われており、ウエハアライメントの結果得られた各ショット領域の位置情報及び計測されたベースラインに基づいて、各ショット領域の露光のための加速開始位置(走査開始位置)へのウエハW(ウエハステージWST)の移動が行われることは、勿論である。
そして、上記の選択された投影露光装置(ここでは投影露光装置1103)による現工程の露光が終了すると、その投影露光装置(ここでは投影露光装置1103)の主制御装置50からLAN170及びターミナルサーバ150を介してホスト計算機システム160に、露光終了の通知とともにその露光履歴データが送られる。
この一方、ホスト計算機システム160では、上記の現工程の露光が行われている間、図5のステップ212の待ち状態にあるが、上記の露光終了の通知により、ステップ212の判断が肯定され、ステップ214に進んで、上記ステップ212で、選択した投影露光装置(ここでは投影露光装置1103)の主制御装置50から露光終了の通知とともに受け取った露光履歴データを、内部記憶装置内のデータベースに登録した後、一連の処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るリソグラフィシステム100によると、複数台の投影露光装置1101〜110Nを管理するホスト計算機システム160が、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報をも管理する。そして、その元工程情報の少なくとも一部を含むホスト計算機システム160からの問い合わせ(図5のステップ204参照)に応じ、SDMサーバ130が、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる1又は複数台の適合装置及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報をホスト計算機システム160に回答する(図6のステップ302〜330参照)。これにより、ホスト計算機システム160が、ロット名などのロットの識別情報によらず、SDMサーバ130から1又は複数台(通常は複数台)の適合装置及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値の情報を得る。そして、ホスト計算機システム160は、その情報に基づいて、適合装置の1台を選択し、その選択した適合装置に対応する像歪み補正値をその適合装置に与える(図6のステップ208、210参照)。これにより、その適合装置により、与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。
このように、本実施形態では、ロットの識別情報によらず、元工程と現工程との投影像の歪みのマッチング(ディストーションマッチング)を行うことが可能となるので、途中からロットを分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。これにより、ウエハ上の複数のショット領域に対して元工程のパターンと現工程のパターンとを重ね合わせ精度良く転写することができる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態のリソグラフィシステムは、ホスト計算機システム160及び支援装置としてのSDMサーバ130の機能が一部相違するが、全体的には、前述した第1の実施形態と同様に構成されている。従って、以下においては、重複説明を避けるべく、上記相違点を中心として説明する。同様の趣旨から、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分には、同一の符号を用いるとともにその詳細説明を省略する。
本第2の実施形態のリソグラフィシステムでは、露光工程の終了時に各投影露光装置110i(i=1〜N)の主制御装置50とSDMサーバ130との間で、LAN170及びターミナルサーバ150を介して通信が行われ、主制御装置50から対応する投影露光装置110iの露光履歴データがSDMサーバ130に送られ、SDMサーバ130により記憶装置140内のデータベースに登録されるようになっている。その露光履歴データには、露光コマンドを処理したときのプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程の露光処理を行った装置名(すなわち投影露光装置110iの識別情報)、その露光ID及び像歪み補正値、並びに露光処理日時等の情報が含まれる。
また、露光工程の終了時に各投影露光装置110iの主制御装置50とホスト計算機システム160との間で、LAN170及びターミナルサーバ150を介して通信が行われ、主制御装置50から露光処理終了が通知され、この通知を受領したホスト計算機システム160により、その露光コマンドを処理したときのプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程(元工程)の露光処理を行った装置名(すなわち投影露光装置110iの識別情報)、及びプロセスプログラムに対応する工程の露光処理日時等の情報が、内部記憶装置内のデータベースに登録されるようになっている。
次に、本第2の実施形態のリソグラフィシステムによるウエハWの露光の際の各部の動作について図7及び図8に基づいて説明する。図7には、ホスト計算機システムの処理アルゴリズムを示すフローチャートが示され、図8には、SDMサーバ130の処理アルゴリズムを示すフローチャートが示されている。
なお、前提として、露光対象となるウエハWは、既に1層以上の露光が投影露光装置1101によって実行されている。また、元工程となる工程のプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程の露光処理を行った装置名(投影露光装置110iの識別情報)、及び露光処理日時等の情報は、ホスト計算機システム160の内部記憶装置内に記憶されているものとする。また、各投影露光装置110iに関する像歪みデータ及びウエハWの露光履歴データなどは、記憶装置140に記憶されているものとする。
図7のフローチャートで示される、ホスト計算機システム160の処理がスタートするのは、あるプロセスプログラムに対応する露光処理の準備が開始されたときである。
まず、図7のステップ404において、ホスト計算機システム160は、重ね合わせ露光にあたって重ね合わせ精度を確保すべき露光済みの層(基準レイヤ:元工程)に関する情報(露光コマンドを処理したときのプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程(元工程)の露光処理を行った装置(ここでは、一例として投影露光装置1101とする)の装置名及び前記プロセスプログラムに対応する工程の露光処理日時等の情報)を含む問い合わせ情報をターミナルサーバ150及びLAN170を介して送信して、露光対象のウエハWの露光を行うのに適切な投影露光装置を、SDMサーバ130に問い合わせる。しかる後、ステップ406に進んで、SDMサーバから問い合わせに対する回答がなされるのを待つ。
一方、SDMサーバ130では、上記の問い合わせ情報を受信すると、図8のフローチャートで示されるプログラム(以下、「第2プログラム」と呼ぶ)の処理(処理アルゴリズム)を開始する。なお、これに先立ってその第2プログラムが格納されたCDがドライブ装置132にセットされ、そのCDからその第2プログラムがSDMサーバ130のメインメモリにロードされている。
まず、図8のステップ502において、受信した問い合わせ情報中の元工程の露光処理を行った装置名、処理日時に基づいて、記憶装置140内に記憶されている露光履歴データのデータベースを検索し、その元工程における露光ID及び使用された像歪み補正値の情報を取得する。
次のステップ503において、受信した問い合わせ情報中の装置名、処理日時及び上記ステップ502で取得した露光IDに基づいて、記憶装置140内の各投影露光装置110iに関する像歪みデータのデータベースを検索し、元工程露光時の像歪みデータ(元工程の露光を行った装置、その露光ID及び日時に対応するレチクルローテーション補正後の像歪みデータ)を取得する。
次のステップ504において、取得した元工程露光時の像歪みデータと、上記ステップ502で取得した像歪み補正値としての像歪み補正パラメータ(ここでは、前述の式(1)で表される3次モデルの係数k1〜k20)の値と、元工程の露光処理を行った装置のレンズパラメータファイルとに基づいて、元工程の露光時の実際の像歪みデータを算出する。
この場合も、前述したステップ304と同様の理由により、この元工程の露光時の実際の像歪みデータの算出に際しては、比較座標定義に関わらず、全ての計測点に補正量を乗せる。
次のステップ506において、上記ステップ504で算出した像歪みデータから比較座標定義ファイル内に定義された座標のデータのみを抽出する。
次のステップ507において、投影露光装置の番号を示すカウンタiを1に初期化する(i←1)。その後、ステップ526における判断が肯定されるまで、ステップ508〜ステップ528の処理(判断を含む)を繰り返し行う。ここで、ステップ508〜ステップ528の処理(判断を含む)は、前述のステップ308〜328と同様であるので、各ステップの詳細説明は省略する。
これにより、ステップ514及びステップ522で、各投影露光装置110iについて、適合装置であるか否かの判断が段階的に行われ、ステップ514及びステップ522で肯定的な判断がなされた投影露光装置のみが適合装置として、ステップ524で、内部メモリに記憶されることとなる。
そして、最後の投影露光装置110Nについての処理が終了し、ステップ526における判断が肯定されると、ステップ530に進み、上記ステップ524で内部メモリ内に適合装置として一時的に記憶した1又は複数台の投影露光装置及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値(ステップ518で算出されている)、並びに残留誤差データ(ステップ520で算出されている)を、前記問い合わせに対する回答として、ホスト計算機システム160へLAN170及びターミナルサーバ150を介して送信した後、一連の処理を終了する。
この一方、ホスト計算機システム160では、上記のSDMサーバ130の処理がなされている間、図7のステップ406で回答を待っているが、上記ステップ530の処理(問い合わせに対する回答)がなされることで、ステップ406の判断が肯定され、ステップ408に進む。
ステップ408では、前述のステップ208と同様にして、受信した適合装置の中から重ね合わせ露光を行う投影露光装置を選択する。
なお、以下では、投影露光装置1103が選択された場合を例にして説明を行う。
そして、ステップ409及びステップ410において、選択した投影露光装置1103が稼動中でなければ直ちに、また、選択した投影露光装置1103が稼動中の場合には露光動作の終了を待って、選択した投影露光装置1103の主制御装置に、像歪み補正値の指定を含む露光実行の指示を行う。その後、ステップ412に進んで、露光終了の通知がなされるのを待つ。
上記の露光実行の指示がなされると、選択された露光装置(ここでは、投影露光装置1103)の主制御装置50は、前述と同様にして、受信した像歪み補正値に基づいて、自身の結像特性補正装置を制御して、投影像の歪みを調整する。
この後、元工程の投影露光装置1101と投影像の歪みの差の最大値が許容範囲内であり、かつ投影像の歪みが調整された投影露光装置1103によって、前述した走査露光方式で現工程の露光が行われ、レチクルRに形成されたパターンがウエハW上の各ショット領域にそれぞれ重ね合わせて転写される。なお、この場合も、露光開始に先立って、レチクルアライメント及びアライメントセンサ8のベースライン計測、並びにウエハアライメント(EGA方式など)の準備作業が行われており、ウエハアライメントの結果得られた各ショット領域の位置情報及び計測されたベースラインに基づいて、各ショット領域の露光のための加速開始位置(捜査開始位置)へのウエハW(ウエハステージWST)の移動が行われることは、勿論である。
そして、上記の投影露光装置1103による現工程の露光が終了すると、その投影露光装置1103の主制御装置50からLAN170及びターミナルサーバ150を介してホスト計算機システム160に、露光終了の通知がなされる。
この一方、ホスト計算機システム160では、上記の現工程の露光が行われている間、ステップ412の待ち状態にあるが、上記の露光終了の通知により、ステップ412の判断が肯定され、ステップ414に進んで、投影影露光装置1103の装置名及び処理日時をプロセスプログラム名とともに、不図示の記憶装置内のデータベースに登録した後、一連の処理を終了する。
以上説明したように、本第2の実施形態のリソグラフィシステムによると、SDMサーバ130が、元工程の露光を行った投影露光装置の装置名(識別情報の一種)及び露光が行われた日時を指定したホスト計算機システム160からの問い合わせ(図7のステップ404)に応じ、露光履歴情報としての露光履歴データ(元工程の露光に用いられた装置名、使用された投影像の歪み補正値及び露光が行われた日時を含む)と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる適合装置、及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報をホスト計算機システム160に回答する(図8のステップ502〜530)。
このように、SDMサーバ130により、ロット名などのロットの識別情報を用いることなく、装置名と日時とに基づき露光履歴データから元工程露光時に使用された投影像の歪み補正値を少なくとも含む情報が特定され、この情報と投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、適合装置及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値が算出され、それらの情報がホスト計算機システム160に対して回答される。
そして、ホスト計算機システム160が、それらの情報に基づき、適合装置が複数台ある場合、その中の1台の適合装置(投影露光装置)を選択し(ステップ408)、その選択した適合装置に対応する像歪み補正値をその適合装置に与える(ステップ410)。これにより、選択された適合装置により与えられた像歪み補正値に基づいて投影像の歪みが元工程に合わせて補正された状態で露光が行われる。従って、本実施形態では、ロットの識別情報によらず、途中からロット分割するような多品種少量生産などの場合にも、元工程と現工程とのディストーションマッチングを行うことが可能になる。これにより、ウエハ上の複数のショット領域に対して元工程のパターンと現工程のパターンとを重ね合わせ精度良く転写することができる。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本第3の実施形態のリソグラフィシステムは、ホスト計算機システム160及び支援装置としてのSDMサーバ130の機能が一部相違するが、全体的には、前述した第1の実施形態と同様に構成されている。従って、以下においては、重複説明を避けるべく、相違点を中心として説明する。同様の趣旨から、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分には、同一の符号を用いるとともにその詳細説明を省略する。
本第3の実施形態のリソグラフィシステムでは、露光工程の終了時に各投影露光装置110iの主制御装置50とホスト計算機システム160との間で、LAN170及びターミナルサーバ150を介して通信が行われ、主制御装置50から露光終了の通知とともに対応する投影露光装置110iの露光履歴データがホスト計算機システム160に送られ、ホスト計算機システム160により内部記憶装置内のデータベースに登録されるようになっている。その露光履歴データには、露光コマンドを処理したときのプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程の露光処理を行った装置名(すなわち投影露光装置110iの識別情報)、その露光ID及び像歪み補正値、並びにその工程の露光処理日時等の情報が含まれる。
次に、本第3の実施形態のリソグラフィシステムを構成するホスト計算機システム160、SDMサーバ130の処理について図9及び図10に基づいて説明する。図9には、ホスト計算機システムの処理アルゴリズムを示すフローチャートが示され、図10には、SDMサーバ130の処理アルゴリズムを示すフローチャートが示されている。
なお、前提として、露光対象となるウエハWの露光履歴データなどは、ホスト計算機システム160の内部記憶装置内にデータベースとして記憶されているものとする。また、各投影露光装置110iに関する像歪みデータの情報は、記憶装置140内のデータベースとして記憶されているものとする。
まず、図9のステップ602において、ホスト計算機システム160は、いずれかの投影露光装置110kの主制御装置50から露光終了の通知とともに対応する投影露光装置110k(kは、1〜Nのいずれか)の露光履歴データが送られて来るのを、監視することにより、特定のプロセスプログラムに対応する工程の露光が終了するのを待つ。
そして、そのプロセスプログラムに対応する工程(元工程)の露光が終了して、投影露光装置110kの主制御装置50から露光終了の通知とともに対応する投影露光装置110k(kは、1〜Nのいずれか)の露光履歴データが、LAN170及びターミナルサーバ150を介して送られてくると、ステップ604に進んで、その送られてきた露光履歴データを内部記憶装置(不図示)内のデータベースに登録する。
次のステップ604では、重ね合わせ露光にあたって重ね合わせ精度を確保すべき露光済みの層(基準レイヤ:元工程)の露光履歴データの一部と、次の工程で使用される可能性がある投影露光装置のリスト(装置リスト)とを含む問い合わせ情報を、ターミナルサーバ150及びLAN170を介して送信して、露光対象のウエハWの露光を行うのに適切な投影露光装置を、SDMサーバ130に問い合わせる。ここで、上記露光履歴データの一部には、露光コマンドを処理したときのプロセスプログラム名、そのプロセスプログラムに対応する工程の露光処理を行った装置(ここでは、一例として投影露光装置1101とする)の装置名、該装置の元工程の露光時における露光ID及び像歪み補正値、並びに前記プロセスプログラムに対応する工程の露光処理日時等の情報が含まれる。
そして、ステップ608に進んで、SDMサーバ130から問い合わせに対する回答がなされるのを待つ。
一方、SDMサーバ130では、上記の問い合わせ情報を受信すると、図10のフローチャートで示されるプログラム(以下、「第3プログラム」と呼ぶ)の処理(処理アルゴリズム)を開始する。なお、これに先立ってその第3プログラムが格納されたCDがドライブ装置132にセットされ、そのCDからその第3プログラムがSDMサーバ130のメインメモリにロードされている。
そして、ステップ702〜ステップ728で、前述した第1の実施形態におけるステップ302〜328と同様の処理を行う。この場合も、ステップ708〜728のループの処理は、ステップ726における判断が肯定されるまで、繰り返し行われる。但し、本実施形態では、ホスト計算機システム160からの問い合わせ情報の中に、前述の装置リストが含まれているので、ステップ707以下の処理の対象は、N台の投影露光装置のうちの次の工程で使用される可能性のあるM台(M≦N)の投影露光装置となっている。このため、この次の工程で使用される可能性のあるM台の投影露光装置の識別番号jを1〜Mとし、その識別番号を示すカウンタをjとしている。この場合、例えばj=1の装置が、i=1の装置に一致するとは限らないことは勿論である。
なお、上記ステップ702〜ステップ728の各ステップの処理は、前述のステップ302〜ステップ328の各ステップの処理と同様であるから、詳細説明は省略する。
そして、次の工程で使用される可能性のあるM台の投影露光装置について、ステップ707〜728の処理が終了し、ステップ726の判断が肯定されると、ステップ730に移行する。
ステップ730では、ステップ724で内部メモリ内に適合装置として一時的に記憶している1又は複数台の投影露光装置を、ステップ720で算出している各適合装置の残留誤差データが小さい順にソートする(並べ替える)。
次のステップ732では、そのソート後の適合装置のリストと各適合装置で用いるべき像歪み補正値(ステップ718で算出されている)を、前記問い合わせに対する回答として、ホスト計算機システム160へLAN170及びターミナルサーバ150を介して送信した後、一連の処理を終了する。
この一方、ホスト計算機システム160では、上記のSDMサーバ130の処理がなされている間、図9のステップ608で回答を待っているが、上記ステップ732の処理(問い合わせに対する回答)がなされることで、ステップ608の判断が肯定され、ステップ610に進む。
ステップ610では、受信した適合装置リスト及び各適合装置の像歪み補正値を、内部メモリに記憶した後、ステップ612に進んで、次の工程(現工程)の露光を開始すべき状況になるのを待つ。
そして、次の工程の露光を開始すべき状況になると、ステップ612における判断が肯定され、ステップ614に進んで、受信した適合装置リスト内の各適合装置について現在の稼動状況及び将来の稼動予定なども参照し、リソグラフィシステムにおける処理効率と露光精度とを総合的に勘案して、受信した適合装置の中から重ね合わせ露光を行う投影露光装置を選択する。この際、残留誤差データが小さい順に適合装置がリストアップされているので、ホスト計算機システム160では、現在稼動していない又はもうすぐ露光が終了する適合装置が複数台ある場合、その中で適合装置リスト上で上位にある投影露光装置を選択することにより、スループットと重ね合わせ精度との両方を同時に満足する投影露光装置の選択が可能となり、結果的に処理効率を確保しつつ露光精度を高めることができる。
なお、以下では、投影露光装置1103が選択された場合を例にして説明を行う。
そして、ステップ616において、選択した投影露光装置1103が稼動中でなければ直ちに、また、選択した投影露光装置1103が稼動中の場合には露光動作の終了を待って、選択した投影露光装置1103の主制御装置に、像歪み補正値の指定を含む露光実行の指示を行う。その後、ステップ602に戻り、前述の特定のプロセスプログラムに対応する工程の露光が終了するのを待つ。
上記の露光実行の指示がなされると、選択された露光装置(ここでは、投影露光装置1103)の主制御装置50は、前述と同様にして、受信した像歪み補正値に基づいて、自身の結像特性補正装置を制御して、投影像の歪みを調整する。
この後、元工程の投影露光装置1101と投影像の歪みの差の最大値が許容範囲内であり、かつ投影像の歪みが調整された投影露光装置1103によって、前述した走査露光方式で次の工程(現工程)の露光が行われ、レチクルRに形成されたパターンがウエハW上の各ショット領域にそれぞれ重ね合わせて転写される。この場合も、露光開始に先立って、前述のウエハアライメント(EGA方式など)の準備作業が行われており、ウエハアライメントの結果得られた各ショット領域の位置情報及び計測されたベースラインに基づいて、各ショット領域の露光のための加速開始位置(捜査開始位置)へのウエハW(ウエハステージWST)の移動が行われることは、勿論である。
その後、露光が終了して、投影露光装置1103の主制御装置50から露光終了の通知とともに対応する投影露光装置1103の露光履歴データが、LAN170及びターミナルサーバ150を介して送られてくると、ホスト計算機160は、ステップ604以下の処理を繰り返すことになる。
ここで、上記のホスト計算機システム160の処理では、説明を簡略化するために、特定のプロセスプログラムに着目して説明を行ったが、実際には、複数のプロセスプログラムにそれぞれ従う一連の処理が、並行して行われている。すなわち、各プロセスプログラムに対応する図9のフローチャートで示されるのと同様の処理が、ホスト計算機システム160によって、同時並行的に実行されている。この場合の同時並行的な処理は、いわゆる時分割処理であっても良いし、マルチタスク処理であっても良い。
以上説明したように、本第3の実施形態のリソグラフィシステムによると、ホスト計算機システム160が、ある工程の露光の終了後SDMサーバ130に対して問い合わせを行う(ステップ606)とともに、その問い合わせの回答としてSDMサーバ130から取得した情報(適合装置リスト及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値の算出結果の情報)を、次の工程(現工程)の露光が開始されるまでの間、内部記憶装置(不図示)内に記憶する(ステップ610、612)。
この場合、ホスト計算機システム160では、次の工程の露光を開始すべき場合に、その内部記憶装置に記憶された適合装置リスト及び各適合装置で用いるべき像歪み補正値の算出結果の情報を用いて、その適合装置の1台を選択し(ステップ614)、その選択した適合装置に露光実行を指示する際(ステップ616)に該適合装置が用いるべき像歪み補正値を与えることが可能となる。この結果、選択された適合装置によって現工程に最適な像歪み補正値を使用して工程が処理されることとなる。
従って、本第3の実施形態のリソグラフィシステムによると、上記問い合わせの回答取得後次の工程の露光が行われるまでの間にSDMサーバ130がダウンしても、次の工程(現工程)に最適な像歪み補正値を使用して工程を処理することが可能になる。
なお、上記第3の実施形態では、ホスト計算機システム160が、問い合わせの回答としてSDMサーバ130から取得した情報を、その内部記憶装置に記憶する場合について説明したが、これに限らず、SDMサーバ130以外の装置であれば、LANに接続されている如何なる装置に記憶しても良い。このようにすれば、SDMサーバ130がダウンしてもその記憶された情報を取り出すことができる。
なお、上記第1、第2の実施形態においても、上記第3の実施形態と同様に、ホスト計算機システム160からの問い合わせに対する回答として、SDMサーバ130が、残留誤差データが小さい順に適合装置をソートした適合装置リストを作成し、その適合装置リストを問い合わせに対する回答の情報の一部としても良い。また、上記第1、第2の実施形態において、上記第3の実施形態と同様に、ホスト計算機システム160が、次の工程で使用される可能性がある投影露光装置のリスト(装置リスト)を、SDMサーバ130に対する問い合わせ情報に含めるようにしても良いことは勿論である。
また、上記各実施形態において、全ての投影露光装置1101〜110Nを、互いの投影像の歪みの差の最大値が許容範囲内である投影露光装置のグループに、予めグループ化しておき、ホスト計算機システム160が、次の工程で使用される可能性がある投影露光装置のリストとして、元工程の露光を行った投影露光装置が含まれるグループの中の少なくとも一部の投影露光装置から成るリストを、問い合わせ情報に含めるようにしても良い。
なお、上記各実施形態では、投影露光装置1101〜110Nの全てが投影像の歪みの補正機能を有するものとしたが、これに限らず、投影露光装置1101〜110Nの一部のみが投影像の歪みを調整可能であっても良い。この場合、そのような投影像の歪みを調整可能な投影露光装置についてのみ、現工程の露光の際に用いるべき像歪み補正値が、SDMサーバ130によって算出される。そして、ホスト計算機システム160が、現工程の露光を行うための適合装置(投影露光装置)として、投影像の歪みを調整可能な投影露光装置の1台を選択した場合には、その選択した適合装置に像歪み補正値が露光指令の一部として送られる。
なお、走査型露光装置の場合、前述の各計測点における像歪みデータには、レチクルステージRSTと、ウエハステージWSTとの速度比のずれや、走査方向の成す角度のずれなどによるステージ系の位置制御の線形の歪み成分、いわゆるステージ成分が含まれている場合がある。従って、このようなステージ成分を除去して重ね合わせ露光を行う場合には、計測された像歪みデータからステージ成分を除去した上で、互いの像歪みデータの比較を行うのが望ましい。
また、レチクルステージやウエハステージに設けられる干渉計用の反射面(上記実施形態では移動鏡の反射面)の凹凸、傾き、及び湾曲などを含めた曲がりがあると、この成分が像歪みデータに含まれるので、同様に曲がり成分を除去しておくことが好ましい。
また、前述したレンズパラメータファイルの調整量に前述のステージ成分を含めて拡張した拡張レンズパラメータファイルを、予め作成しておき、その拡張レンズパラメータファイルを用いて上記各実施形態と同様の処理を行うこととしても良い。この場合、算出された像歪み補正値に基づいて、零でないステージ成分の制御量が算出される場合には、主制御装置50では、各ショット領域の露光に際して、その制御量に応じてレチクルステージRSTとウエハステージWSTの速度比及び走査方向の成す角の少なくとも一方を調整することとなる。
また、上記各実施形態では、各投影露光装置におけるパターン像の歪みの測定を、テストレチクルに形成されたパターンをウエハに実際に転写し、ウエハ上に転写されたパターンを計測することにより行ったが、これに代えて、空間像計測器を使用した、テストレチクルに形成されたパターンの空間像(投影像)の計測結果に基づいて各投影露光装置におけるパターン像の歪みを求めるようにしても良い。また、上記各実施形態では、ウエハ上に形成された転写像を基に元工程のディストーションを計算することとしたが、これに限らず、レイヤ上にディストーションを知ることができるような複数のマークを予め配置しておき、それらのマークを計測することによって、元工程のディストーションを求めることとしても良い。
また、上記実施形態では走査型露光装置の像歪みデータを取得するために、走査露光方式にてテストレチクルのパターンをウエハ上に転写することで、走査露光範囲全域での像歪みデータ(ダイナミックなディストーション・データ)を得るものとしたが、静止露光方式にてテストレチクルのパターンをウエハ上に転写し、その転写像の検出結果から投影光学系の長方形状の露光領域(即ち、ウエハ上での照明光の照射領域)内での像歪みデータ(スタティックなディストーション・データ)を得るだけでも良い。
なお、上記各実施形態では、ドライブ装置132にセットされたCD等の情報記録媒体から第1、第2、第3プログラムがSDMサーバ130のメインメモリにロードされて実行される場合について説明したが、プログラムの形式によっては、情報記録媒体から一旦記憶装置にプログラムをインストールし、そのインストールしたプログラムをメインメモリにロードして実行する場合もある。また、例えばインターネット等を利用し、通信ネットワーク、例えばLAN170を介してSDMサーバ130に上記各プログラムをダウンロードした後に、そのプログラムを記憶装置などにインストールするようにしても良い。
また、上記各実施形態では、上記第1、第2、第3のプログラムが、リソグラフィシステムの支援装置であるSDMサーバ130で実行される場合について説明したが、これに限らず、例えばホスト計算機システム160にLAN160を介して接続された投影露光装置のうちの1台の主制御装置50を構成するマイクロコンピュータで、上記第1、第2、第3のプログラムを実行させるような構成を採用しても良い。すなわち、その1台の投影露光装置の主制御装置50が、上記実施形態のSDMサーバ130の主要な役割(リソグラフィシステムの支援装置の役割)を兼ねるような構成を採用しても良い。このような構成は、その1台の投影露光装置の主制御装置50にドライブ装置132と同様のドライブ装置を接続することで実現することが可能である。また、この場合、記憶装置140は、その主制御装置50に直接接続しても良いし、LAN170を介して接続しても良い。
また、上記各実施形態では、各投影露光装置110i(i=1、2、……、N)、SDMサーバ130及び記憶装置140、並びにターミナルサーバ150及びホスト計算機システム160が、ローカルエリアネットワーク(LAN)170を介して接続されている場合について説明したが、これに限らず、各投影露光装置110i(i=1、2、……、N)、SDMサーバ130及びホスト計算機システム160の三者が無線回線を介して相互に通信を行う構成を採用しても良い。
なお、記憶装置140としては、磁気的に記憶するもの(磁気ディスク、磁気テープ等)、電気的に記憶するもの(バッテリ・バックアップ付RAMなどの半導体メモリ等)、光磁気的に記憶するもの(光磁気ディスク等)、電気磁気的に記憶するもの(デジタルオーディオテープ(DAT)など)等、種々の記憶形態で記憶するものを採用することができることはいうまでもない。
なお、上記各実施形態では、リソグラフィシステムを構成する複数の投影露光装置1101〜110Nに、走査型露光装置と静止型露光装置とが混在する場合について説明したが、全ての投影露光装置が走査型露光装置又は静止型露光装置であっても構わない。また、リソグラフィシステムを構成する複数の投影露光装置1101〜110Nに、解像力が異なる露光装置、あるいは照明光ILの波長が異なる露光装置などが混在しても構わない。
また、投影露光装置の露光対象は、上記の実施形態のように半導体製造用のウエハに限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイや有機ELなどのディスプレイ装置の製造用の角型のガラスプレートや、薄膜磁気へッド、撮像素子(CCDなど)、マスク又はレチクルなどを製造するための基板にも広く適用できる。
また、上記実施形態の投影露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、投影光学系としては、KrF、ArFエキシマレーザ光などの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英やホタル石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザ光などを用いる場合はホタル石その他のフッ化物結晶を用いる必要がある。
また、上記実施形態では、ホスト計算機システム160により管理されている投影露光装置の露光用照明光としては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme・Ultraviolet)光を発生させるとともに。その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行われている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置も本発明のリソグラフィシステムを構成する投影露光装置として採用することができる。さらに、例えば国際公開WO99/49504号パンプレットなどに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体(例えば純水など)が満たされる液浸型露光装置、あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置なども、本発明のリソグラフィシステムを構成する投影露光装置として採用することができる。
また、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置も本発明のリソグラフィシステムを構成する投影露光装置とすることができる。なお、電子線露光装置は、ペンシルビーム方式、可変成形ビーム方式、セルプロジェクション方式、ブランキング・アパーチャ・アレイ方式、及びマスク投影方式のいずれであっても良い。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態のリソグラフィシステムを構成する各投影露光装置(適合装置として選択された投影露光装置を含む)によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
本発明のリソグラフィシステム、プログラム及び情報記録媒体、支援装置、並びに露光方法は、複数の投影露光装置を用いて感光物体上へパターンを重ね合わせて転写するのに適している。
本発明の第1の実施形態のリソグラフィシステムの構成を概略的に示す図である。 図1の投影露光装置1101の概略的な構成を示す図である。 走査型露光装置で像歪みの計測のための露光の際に用いられるテスト用レチクルの一例を示す平面図である。 静止型露光装置で像歪みの計測のための露光の際に用いられるテスト用レチクルの一例を示す平面図である。 第1の実施形態のリソグラフィシステムを構成するホスト計算機システムの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 第1の実施形態のリソグラフィシステムを構成するSDMサーバの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 第2の実施形態のリソグラフィシステムを構成するホスト計算機システムの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 第2の実施形態のリソグラフィシステムを構成するSDMサーバの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 第3の実施形態のリソグラフィシステムを構成するホスト計算機システムの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 第3の実施形態のリソグラフィシステムを構成するSDMサーバの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。
符号の説明
1101〜110N…投影露光装置、160…ホスト計算機システム、130…SDMサーバ(像歪み演算装置、支援装置)、100…リソグラフィシステム。

Claims (17)

  1. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と;
    前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システムと;
    前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する像歪み演算装置と;を備えるリソグラフィシステム。
  2. 前記ホスト計算機システムが、現工程の露光に先立って前記像歪み演算装置に対して前記問い合わせを行うとともに、その問い合わせの回答として前記像歪み演算装置から取得した前記情報を、現工程の露光が開始されるまでの間、前記像歪み演算装置以外の装置に記憶することを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィシステム。
  3. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と;
    前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システムと;
    前記投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪みに関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する像歪み演算装置と;を備えるリソグラフィシステム。
  4. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と;
    前記複数台の投影露光装置を管理するホスト計算機システムと;
    前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する像歪み演算装置と;を備え、
    前記ホスト計算機システムが、現工程の露光に先立って前記像歪み演算装置に対して前記問い合わせを行うとともに、その問い合わせの回答として前記像歪み演算装置から取得した前記情報を、現工程の露光が開始されるまでの間、前記像歪み演算装置以外の装置に記憶することを特徴とするリソグラフィシステム。
  5. 前記ホスト計算機システムは、いずれかの投影露光装置により露光が行われている最中に、前記問い合わせ及びその問い合わせの回答として取得した前記情報の記憶を行うことを特徴とする請求項4に記載のリソグラフィシステム。
  6. 前記ホスト計算機システムは、現工程の直前の工程の露光終了直後に前記問い合わせを行うことを特徴とする請求項4又は5に記載のリソグラフィシステム。
  7. 前記像歪み演算装置からの前記回答の情報は、前記投影像の歪みの差が小さい投影露光装置から順次並べられた適合装置リストを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリソグラフィシステム。
  8. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システムに接続されたコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、
    前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出する手順と;
    その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラム。
  9. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システムに接続されたコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、
    前記投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪みに関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出する手順と;
    その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラム。
  10. 請求項8又は9に記載のプログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体。
  11. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システムとにそれぞれ通信回線を介して接続されるリソグラフィシステムの支援装置であって、
    前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する演算装置を備えるリソグラフィシステムの支援装置。
  12. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システムとにそれぞれ通信回線を介して接続されるリソグラフィシステムの支援装置であって、
    前記投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪みに関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する演算装置を備えるリソグラフィシステムの支援装置。
  13. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するホスト計算機システムとにそれぞれ通信回線を介して接続されるリソグラフィシステムの支援装置であって、
    現工程の露光に先立ってなされた前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの少なくとも1台の適合装置、及び該適合装置のうち投影像の歪みを調整可能な投影露光装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を、現工程の露光が開始されるまでの間、自装置以外の装置に記憶させるために、前記ホスト計算機システムに回答する演算装置を備えるリソグラフィシステムの支援装置。
  14. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光の際に用いられた像歪み補正値を含む元工程情報を管理するホスト計算機システムと、前記複数台の投影露光装置及び前記ホスト計算機システムにそれぞれ通信回線を介して接続された支援装置とを備えるシステムで用いられる露光方法であって、
    前記元工程情報の少なくとも一部を含む前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、前記支援装置が、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの投影像の歪みを調整可能な少なくとも1台の適合装置、該適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する工程と;
    前記ホスト計算機システムが、前記回答に応じて前記適合装置の中から現工程の露光を実行する投影露光装置を選択し、その選択した投影露光装置に対して前記像歪み補正値の指定を含む露光指示を行う工程と;
    前記選択された投影露光装置が、前記像歪み補正値に基づいて、自装置の投影像の歪みを調整した状態で、現工程の露光を実行する工程と;を含む露光方法。
  15. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するとともに、元工程の露光を行った投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を管理するホスト計算機システムと、前記複数台の投影露光装置及び前記ホスト計算機システムにそれぞれ通信回線を介して接続された支援装置とを備えるシステムで用いられる露光方法であって、
    前記投影露光装置の識別情報及び露光が行われた日時を指定した前記ホスト計算機システムからの問い合わせに応じ、前記支援装置が、投影露光装置名、露光が行われた日時及び露光の際の投影像の歪みに関する情報を含む露光履歴情報と、投影露光装置毎の像歪みデータとを用いて、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの投影像の歪みを調整可能な少なくとも1台の適合装置、該適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する工程と;
    前記ホスト計算機システムが、前記回答に応じて前記適合装置の中から現工程の露光を実行する投影露光装置を選択し、その選択した投影露光装置に対して前記像歪み補正値の指定を含む露光指示を行う工程と;
    前記選択された投影露光装置が、前記像歪み補正値に基づいて、自装置の投影像の歪みを調整した状態で、現工程の露光を実行する工程と;を含む露光方法。
  16. 投影像の歪みを調整可能な投影露光装置を少なくとも1台含む複数台の投影露光装置と、前記複数台の投影露光装置を管理するホスト計算機システムと、前記複数台の投影露光装置及び前記ホスト計算機システムにそれぞれ通信回線を介して接続される支援装置とを備えるシステムで用いられる露光方法であって、
    前記ホスト計算機システムから現工程の露光に先立って行われた問い合わせに応じ、前記支援装置が、元工程の露光の際の投影像の歪みに対する現工程の露光の際の投影像の歪みの差が許容値となる、前記複数台の投影露光装置のうちの投影像の歪みを調整可能な少なくとも1台の適合装置、該適合装置で用いるべき像歪み補正値を算出し、その算出結果の情報を前記ホスト計算機システムに回答する工程と;
    前記ホスト計算機システムが、前記算出結果の情報を、前記支援装置から受け取った後、現工程の露光が開始されるまでの間、前記支援装置以外の装置に記憶する工程と;
    前記ホスト計算機システムが、現工程の露光を開始する際に、前記算出結果の情報に含まれる適合装置の中から現工程の露光を実行する投影露光装置を選択し、その選択した投影露光装置に対して前記像歪み補正値の指定を含む露光指示を行う工程と;
    前記選択された投影露光装置が、前記像歪み補正値に基づいて、自装置の投影像の歪みを調整した状態で、現工程の露光を実行する工程と;を含む露光方法。
  17. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の露光方法が行われるリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014512683A (ja) * 2011-04-22 2014-05-22 マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. リソグラフィ機クラスタのためのネットワークアーキテクチャ

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JP2016219812A (ja) * 2011-04-22 2016-12-22 マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. リソグラフィ機のクラスタのためのネットワークアーキテクチャおよびプロトコル

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