JP2005174627A - Picture display device - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、対向配置された基板と、基板間に配設されたスペーサ構体とを備えた画像表示装置に関する。 The present invention relates to an image display device including a substrate disposed oppositely and a spacer structure disposed between the substrates.
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が注目されている。例えば、平面表示装置として機能するフィールド・エミッション・デバイス(以下、FEDと称する)の一種として、表面伝導型電子放出装置(以下、SEDと称する)の開発が進められている。 2. Description of the Related Art In recent years, various flat-type image display devices have attracted attention as next-generation lightweight and thin display devices that replace cathode ray tubes (hereinafter referred to as CRTs). For example, a surface conduction electron-emitting device (hereinafter referred to as SED) is being developed as a kind of field emission device (hereinafter referred to as FED) that functions as a flat display device.
このSEDは、所定の間隔をおいて対向配置された第1基板および第2基板を備え、これらの基板は矩形状の側壁を介して周辺部を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。第1基板の内面には3色の蛍光体層が形成され、第2基板の内面には、蛍光体を励起する電子源として、各画素に対応する多数の電子放出素子が配列されている。各電子放出素子は、電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の電極等で構成されている。 The SED includes a first substrate and a second substrate that are arranged to face each other at a predetermined interval, and these substrates form a vacuum envelope by joining peripheral portions to each other through rectangular side walls. ing. Three color phosphor layers are formed on the inner surface of the first substrate, and on the inner surface of the second substrate, a large number of electron-emitting devices corresponding to each pixel are arranged as an electron source for exciting the phosphor. Each electron-emitting device includes an electron-emitting portion and a pair of electrodes that apply a voltage to the electron-emitting portion.
前記SEDにおいて、第1基板および第2基板間の空間、すなわち真空外囲器内は、高い真空度に維持されることが重要となる。真空度が低い場合、電子放出素子の寿命、ひいては、装置の寿命が低下してしまう。また、第1基板および第2基板間に作用する大気圧荷重を支持し基板間の隙間を維持するため、両基板間には、多数の板状あるいは柱状のスペーサが配置されている(例えば、特許文献1)。SEDにおいて、画像を表示する場合、蛍光体層にアノード電圧が印加され、電子放出素子から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体層へ衝突させることにより、蛍光体が発光して画像を表示する。実用的な表示特性を得るためには、通常の陰極線管と同様の蛍光体を用い、アノード電圧を数kV以上望ましくは5kV以上に設定することが必要となる。
上記構成のSEDにおいて、高い加速電圧を持った電子が蛍光面に衝突した際、蛍光面で2次電子および反射電子が発生する。第1基板と第2基板との間の空間が狭い場合、蛍光面で発生した2次電子および反射電子が、基板間に配設されたスペーサに衝突し、その結果、スペーサが帯電する。SEDにおける加速電圧では、一般にスペーサは正に帯電する。この場合、電子放出素子から放出された電子ビームはスペーサに引き付けられ、本来の軌道からずれてしまう。その結果、蛍光体層に対して電子ビームのミスランディングが発生し、表示画像の色純度が劣化するという問題がある。 In the SED having the above configuration, when electrons having a high acceleration voltage collide with the phosphor screen, secondary electrons and reflected electrons are generated on the phosphor screen. When the space between the first substrate and the second substrate is narrow, secondary electrons and reflected electrons generated on the phosphor screen collide with a spacer disposed between the substrates, and as a result, the spacer is charged. At the acceleration voltage in the SED, the spacer is generally positively charged. In this case, the electron beam emitted from the electron-emitting device is attracted to the spacer and deviates from the original trajectory. As a result, there is a problem that electron beam mislanding occurs in the phosphor layer and the color purity of the display image is deteriorated.
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、電子ビームの軌道ずれ、および放電の発生を抑制し、信頼性および表示品位の向上した画像表示装置を提供することにある。 The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide an image display device that suppresses the deviation of the trajectory of an electron beam and the occurrence of discharge, and has improved reliability and display quality.
前記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、蛍光面が形成された第1基板と、前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに前記蛍光面を励起する複数の電子放出源が設けられた第2基板と、前記第1および第2基板の間に設けられ前記第1および第2基板に作用する大気圧荷重を支持するスペーサ構体とを備えている。
前記スペーサ構体は、前記第1および第2基板に対向しているとともに、それぞれ前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔を有した板状の支持基板と、前記複数の電子ビーム通過孔間で、前記支持基板の少なくとも一方の表面上に立設された複数のスペーサと、を有し、前記スペーサは、その表面に形成された複数の溝を有し、前記複数の溝は、それぞれスペーサの前記支持基板側の端から延出端まで延びているとともに前記電子ビーム通過孔と対向している。
In order to achieve the above object, an image display device according to an aspect of the present invention is configured to excite the phosphor screen while being disposed to face the first substrate with a gap between the first substrate on which the phosphor screen is formed. A second substrate provided with a plurality of electron emission sources; and a spacer structure provided between the first and second substrates and supporting an atmospheric pressure load acting on the first and second substrates.
The spacer structure is opposed to the first and second substrates, and has a plate-like support substrate having a plurality of electron beam passage holes opposed to the electron emission sources, and the plurality of electron beam passage holes. A plurality of spacers erected on at least one surface of the support substrate, and the spacers have a plurality of grooves formed on the surface, and the plurality of grooves are respectively The spacer extends from the end on the support substrate side to the extended end and faces the electron beam passage hole.
この発明によれば、電子ビームの軌道ずれ、および放電の発生を抑制し、信頼性および表示品位の向上した画像表示装置を提供することができる。 According to the present invention, it is possible to provide an image display device in which an electron beam trajectory shift and discharge are suppressed, and reliability and display quality are improved.
以下図面を参照しながら、この発明を、平面型の画像表示装置としてFEDの一種であるSEDに適用した実施形態について詳細に説明する。
図1ないし図3に示すように、SEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる第1基板10および第2基板12を備え、これらの基板は約1.0〜2.0mmの隙間をおいて対応配置されている。第1基板10および第2基板12は、ガラスからなる矩形枠状の側壁14を介して周縁部同士が接合され、内部が真空に維持された偏平な真空外囲器15を構成している。
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is applied to an SED, which is a kind of FED, as a flat-type image display device will be described in detail with reference to the drawings.
As shown in FIGS. 1 to 3, the SED includes a
第1基板10の内面には蛍光面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青に発光する蛍光体層R、G、B、および遮光層11を並べて構成され、これらの蛍光体層はストライプ状、ドット状あるいは矩形状に形成されている。蛍光体スクリーン16上には、アルミニウム等からなるメタルバック17およびゲッタ膜19が順に形成されている。
A
第2基板12の内面には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、Bを励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。第2基板12の内面上には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器15の外部に引出されている。
On the inner surface of the
接合部材として機能する側壁14は、例えば、低融点ガラス、低融点金属等の封着材20により、第1基板10の周縁部および第2基板12の周縁部に封着され、これらの基板同士を接合している。
The
図2ないし図5に示すように、SEDは、第1基板10および第2基板12の間に配設されたスペーサ構体22を備えている。本実施形態において、スペーサ構体22は、第1および第2基板10、12間に配設された矩形状の金属板からなるグリッド24と、グリッドの両面に一体的に立設された多数の柱状のスペーサと、で構成されている。
As shown in FIGS. 2 to 5, the SED includes a
詳細に述べると、支持基板として機能するグリッド24は、第1基板10の内面と対向した第1表面24aおよび第2基板12の内面と対向した第2表面24bを有し、これらの基板と平行に配置されている。グリッド24には、エッチング等により多数の電子ビーム通過孔26が形成されている。電子ビーム通過孔26は、それぞれ電子放出素子18と対向して、複数列および複数行に配列され、電子放出素子から放出された電子ビームを透過する。真空外囲器15の長手方向をX、これと直交する幅方向をYとした場合、電子ビーム通過孔26は、長手方向Xおよび幅方向Yに所定のピッチで並んでいる。ここでは、幅方向Yのピッチが長手方向Xのピッチよりも大きく設定されている。
More specifically, the
グリッド24は、例えば鉄−ニッケル系の金属板により厚さ0.1〜0.3mmに形成されている。グリッド24の表面には、金属板を構成する元素からなる酸化膜、例えば、Fe3O4、NiFe2O4からなる酸化膜が形成されている。また、グリッド24の表面24a、24b、並びに、各電子ビーム通過孔26の壁面は、放電電流制限効果を有する高抵抗膜により被覆されている。この高抵抗膜は、ガラスを主成分とする高抵抗物質で形成されている。
The
グリッド24の第1表面24a上には複数の第1スペーサ30aが一体的に立設され、それぞれ隣合う電子ビーム通過孔26間に位置している。第1スペーサ30aの先端は、ゲッタ膜19、メタルバック17、および蛍光体スクリーン16の遮光層11を介して第1基板10の内面に当接している。
A plurality of
グリッド24の第2表面24b上には複数の第2スペーサ30bが一体的に立設され、それぞれ隣合う電子ビーム通過孔26間に位置している。第2スペーサ30bの先端は第2基板12の内面に当接している。ここでは、各第2スペーサ30bの先端は、第2基板12の内面上に設けられた配線21上に位置している。第1および第2スペーサ30a、30bは、長手方向Xおよび幅方向Yにおいて、電子ビーム通過孔26よりも数倍大きなピッチで配列されている。各第1および第2スペーサ30a、30bは互いに整列して位置し、グリッド24を両面から挟み込んだ状態でグリッド24と一体に形成されている。
A plurality of
図4および図5に示すように、第1および第2スペーサ30a、30bの各々は、グリッド24側から延出端に向かって径が小さくなった先細テーパ状に形成されている。例えば、各第1スペーサ30aは細長い長円状の横断面形状を有し、グリッド24側に位置した基端の長手方向Xに沿った長さLが約1mm、幅方向Yに沿った幅Wが約300μm、また、延出方向に沿った高さが約0.6mmに形成されている。各第2スペーサ30bは細長い長円状の横断面形状を有し、グリッド24側に位置した基端の長手方向Xに沿った長さが約1mm、幅方向Yに沿った幅が約300μm、また、延出方向に沿った高さが約0.8mmに形成されている。第1および第2スペーサ30a、30bは、その長手方向が長手方向Xと一致した状態でグリッド24上に設けられている。
As shown in FIGS. 4 and 5, each of the first and
第1および第2スペーサ30a、30bの表面、ここでは側面には複数の細長い溝60が形成されている。第1および第2スペーサ30a、30bの各々において、溝60はスペーサのグリッド24側の基端から先端まで、スペーサの延出方向に沿って直線的に延びている。また、溝60は、スペーサの側面において、グリッド24の表面と平行な方向に隙間をおいて複数並んで設けられている。溝60は、各スペーサの全周に渡って複数設けられている。
A plurality of
各溝60の深さdは、各第1および第2スペーサの幅Wの20%以上50%以下に形成されている。本実施形態において、溝60の深さdは約60μmに形成され、また、長手方向Xに沿った溝60の幅gは、電子ビーム通過孔26の径よりも小さい60μmに形成されている。第1および第2スペーサ30a、30bに形成された溝60は、それぞれ隣接した1つの電子ビーム通過孔26と対向した位置に設けられている。
The depth d of each
上記のように構成されたスペーサ構体22は第1基板10および第2基板12間に配設されている。そして、第1および第2スペーサ30a、30bは、第1基板10および第2基板12の内面に当接することにより、これらの基板に作用する大気圧荷重を支持し、基板間の間隔を所定値に維持している。
The
SEDは、グリッド24および第1基板10のメタルバック17に電圧を印加する図示しない電圧供給部を備えている。この電圧供給部は、グリッド24およびメタルバック17にそれぞれ接続され、例えば、グリッド24に12kV、メタルバック17に10kVの電圧を印加する。そして、SEDにおいて、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17にアノード電圧が印加され、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーン16へ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン16の蛍光体層が励起されて発光し、画像を表示する。
The SED includes a voltage supply unit (not shown) that applies a voltage to the
次に、以上のように構成されたSEDの製造方法について説明する。始めに、スペーサ構体22の製造方法について説明する。
図6に示すように、所定寸法のグリッド24、このグリッドとほぼ同一の寸法を有した矩形板状の上型36aおよび下型36bを用意する。この場合、Fe−50%Niからなる板厚0.12mmの金属板を脱脂、洗浄、乾燥した後、エッチングにより電子ビーム通過孔26を形成する。金属板全体を酸化処理した後、電子ビーム通過孔26の内面を含めグリッド表面に絶縁膜を形成する。更に、絶縁膜の上に、ガラスを主成分としたコート液を塗布し、乾燥した後、焼成することにより、高抵抗膜を形成する。これにより、グリッド24を得る。
Next, the manufacturing method of SED comprised as mentioned above is demonstrated. First, a method for manufacturing the
As shown in FIG. 6, a
成形型としての上型36aおよび下型36bは、紫外線を透過する透明な材料、例えば、透明シリコン、透明ポリエチレンテレフタレート等により平坦な板状に形成されている。上型36aは、グリッド24に当接される平坦な当接面41aと、第1スペーサ30aを成形するための多数の有底のスペーサ形成孔40aと、を有している。スペーサ形成孔40aはそれぞれ上型36aの当接面41aに開口しているとともに、所定の間隔を置いて配列されている。同様に、下型36bは、平坦な当接面41bと、第2スペーサ30bを成形するための多数の有底のスペーサ形成孔40bと、を有している。スペーサ形成孔40bはそれぞれ下型36bの当接面41bに開口しているとともに、所定の間隔を置いて配列されている。
The
上型36aおよび下型36bは以下の工程により作成する。ここでは、上型36aの作成方法を代表して説明する。まず、図7に示すように、上型を形成するためのマスタ雄型70を切削により形成する。この場合、例えば、真鍮により形成されたベース板71を用意し、このベース板の一方の表面を切削することにより、第1スペーサ30aに対応する複数の長円柱72を形成する。次いで、直径0.1mmのドリルを用いて、各長円柱62の側面に、スペーサの溝60に対応する複数の溝74を形成する。これによりマスタ雄型70が得られる。続いて、図8に示すように、マスタ雄型70に透明なシリコンを充填して上型36aを成形した後、離型することにより、上型が得られる。なお、下型36bも同様の工程により作成する。
The
上型36a、下型36bは、マスタ雌型を用いて作成してもよい。この場合、まず、Fe50%Ni合金からなる厚さ0.25mmの金属板を複数枚用意し、エッチングにより、各金属板にスペーサ断面と等しい断面形状を有した複数の透孔を形成する。図9に示すように、これらの金属板を高い位置精度で積層し、仮止めした後、ホットプレス加工を施すことによりマスタ雌型80が得られる。このマスタ雌型80にシリコン樹脂を充填し、硬化させた後、離型してマスタ雄型82を形成した。その後、上記と同様に、マスタ雄型82を用いて上型36aを作成した。下型36bも同様の工程により作成することができる。
The
次に、図11に示すように、上型36aのスペーサ形成孔40aおよび下型26bのスペーサ形成孔40bにスペーサ形成材料46を充填する。スペーサ形成材料46としては、少なくとも紫外線硬化型のバインダ(有機成分)およびガラスフィラーを含有したガラスペーストを用いる。ガラスペーストの比重、粘度は適宜選択する。
Next, as shown in FIG. 11, the
そして、スペーサ形成材料46の充填されたスペーサ形成孔40aがそれぞれ電子ビーム通過孔26間の所定領域と対向するように、上型36aを位置決めし当接面41aをグリッド24の第1表面24aに密着させる。同様に、下型36bを、各スペーサ形成孔40bが電子ビーム通過孔26間の所定領域と対向するように位置決めし、当接面41bをグリッド24の第2表面24bに密着させる。なお、グリッド24のスペーサ立設位置には、ディスペンサあるいは印刷により、予め接着剤を塗布しておいてもよい。これにより、グリッド24、上型36aおよび下型36bからなる組立体42を構成する。組立体42において、上型36aのスペーサ形成孔40aと下型36bのスペーサ形成孔40bとは、グリッド24を挟んで対向して配列されている。
Then, the
上型36aおよび下型36bをグリッド24に密着させた状態で、上型および下型の外側からスペーサ形成材料に向けて紫外線(UV)を照射する。上型36aおよび下型36bはそれぞれ紫外線透過材料で形成されているため、照射された紫外線は、上型36aおよび下型36bを透過し、充填されたスペーサ形成材料46に照射される。これにより、スペーサ形成材料46が紫外線硬化される。
In a state where the
続いて、図12に示すように、硬化したスペーサ形成材料46をグリッド24上に残すように、上型36aおよび下型36bをグリッド24から剥離する。この際、硬化した各スペーサ形成材料46には複数の溝60が形成されているが、これらの溝はスペーサ形成材料の延出方向、すなわち、上型36aおよび下型36bの離型方向に延出しているため、上型および下型を円滑に離型することができる。
Subsequently, as shown in FIG. 12, the
次に、スペーサ形成材料46が設けられたグリッド24を加熱炉内で熱処理し、スペーサ形成材料内からバインダを飛ばした後、約500〜550℃で30分〜1時間、スペーサ形成材料を本焼成する。これにより、グリッド24上に第1および第2スペーサ30a、30bが作り込まれたスペーサ構体22が得られる。
Next, after the
一方、SEDの製造においては、予め、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17の設けられた第1基板10と、電子放出素子18および配線21が設けられているとともに側壁14が接合された第2基板12と、を用意しておく。続いて、前記のようにして得られたスペーサ構体22を第2基板12上に位置決め配置する。この状態で、第1基板10、第2基板12、およびスペーサ構体22を真空チャンバ内に配置し、真空チャンバ内を真空排気した後、側壁14を介して第1基板を第2基板に接合する。これにより、スペーサ構体22を備えたSEDが製造される。
On the other hand, in the manufacture of the SED, the
以上のように構成されたSEDによれば、各第1および第2スペーサ30a、30bの表面に溝60を設けることにより、スペーサの表面積が増大し沿面距離が延びるため、SEDの耐電圧性が向上する。従って、放電の発生を抑制し、信頼性の向上が図れる。
According to the SED configured as described above, by providing the
各スペーサに形成された溝60は、スペーサのグリッド側の基端から先端までスペーサの延出方向に沿って延びているため、成形型を離型する際、溝60に引っ掛かることなく円滑に離型することができる。これにより、スペーサに損傷を与えることなく、かつ、高い精度でスペーサを形成することが可能となる。従って、スペーサにより第1および第2基板を安定して支持することができるとともに、スペーサ先端と基板との隙を低減し、この隙間に起因した放電の発生を抑制することができる。
Since the
また、スペーサの溝60は、それぞれグリッド24の電子ビーム通過孔26と対向した位置に設けられている。そのため、電子ビーム通過孔26を通る電子ビームとスペーサ表面との距離を大きくでき、帯電したスペーサによる電子ビームの軌道ずれ量を低減することができる。従って、電子ビームを目標の蛍光体層にランディングさせ、表示品位の向上を図ることができる。以上のことから、信頼性および表示品位の向上したSEDが得られる。
The
前述した実施形態において、第1および第2スペーサ36a、36bの各溝60は、1つの電子ビーム通過孔26と対向する幅gとしたが、図13に示すように、幅gを広くし複数の電子ビーム通過孔26と対向して設けてもよい。また、溝60の幅gは、全ての溝について共通である必要はなく、複数の溝間で互いに異なる幅としてもよい。
In the above-described embodiment, each
前述した実施形態において、スペーサ構体22は、第1および第2スペーサおよびグリッドを一体的に備えた構成としたが、第2スペーサ30bは第2基板12上に形成する構成としてもよい。また、スペーサ構体は、支持基板および第2スペーサのみを備え、支持基板が第1基板に接触した構成としてもよい。
In the above-described embodiment, the
図14および図15に示すように、この発明の第2の実施形態に係るSEDによれば、スペーサ構体22は、矩形状の金属板からなる支持基板24と、支持基板の一方の表面のみに一体的に立設された多数の柱状のスペーサ30と、を有している。支持基板24は第1基板10の内面と対向した第1表面24aおよび第2基板12の内面と対向した第2表面24bを有し、これらの基板と平行に配置されている。支持基板24には、エッチング等により多数の電子ビーム通過孔26が形成されている。電子ビーム通過孔26は、それぞれ電子放出素子18と対向して配列され、電子放出素子から放出された電子ビームを透過する。
As shown in FIGS. 14 and 15, according to the SED according to the second embodiment of the present invention, the
支持基板24の第1および第2表面24a、24b、各電子ビーム通過孔26の内壁面は、絶縁層として、ガラス、セラミック等を主成分とした絶縁性物質からなる高抵抗膜により被覆されている。そして、支持基板24は、その第1表面24aが、ゲッタ膜、メタルバック17、蛍光体スクリーン16を介して、第1基板10の内面に面接触した状態で設けられている。支持基板24に設けられた電子ビーム通過孔26は、蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、Bと対向している。これにより、各電子放出素子18は、電子ビーム通過孔26を通して、対応する蛍光体層と対向している。
The first and
支持基板24の第2表面24b上には複数のスペーサ30が一体的に立設されている。各スペーサ30の延出端は、第2基板12の内面、ここでは、第2基板12の内面上に設けられた配線21上に当接している。スペーサ30の各々は、グリッド24側から延出端に向かって径が小さくなった先細テーパ状に形成されている。各スペーサ30は、支持基板24表面と平行な方向に沿った断面が細長い長円状に形成されている。スペーサ30の支持基板24側に位置した基端の長手方向Xに沿った長さLは約1mm、幅方向Yに沿った幅Wが約300μm、また、延出方向に沿った高さが約1.4mmに形成されている。スペーサ30は、その長手方向が真空外囲器の長手方向Xと一致した状態で支持基板24上に設けられている。
A plurality of
各スペーサ30の側面には複数の細長い溝60が形成されている。スペーサ30の各々において、溝60はスペーサのグリッド24側の基端から先端まで、スペーサの延出方向に沿って直線的に延びている。また、溝60は、スペーサの側面において、支持基板24の表面と平行な方向に隙間をおいて複数並んで設けられている。ここでは、溝60は、各スペーサの全周に渡って複数設けられている。
A plurality of
各溝60の深さdは、スペーサ30の幅Wの20%以上50%以下に形成されている。本実施形態において、溝60の深さdは約60μmに形成され、また、溝60の長手方向Xに沿った幅gは、電子ビーム通過孔26の径よりも小さい160μmに形成されている。溝60は、それぞれ対応する1つの電子ビーム通過孔26と対向した位置に設けられている。
上記のように構成されたスペーサ構体22は、支持基板24が第1基板10に面接触し、スペーサ30の延出端が第2基板12の内面に当接することにより、これらの基板に作用する大気圧荷重を支持し、基板間の間隔を所定値に維持している。
The depth d of each
The
第2の実施形態において、他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。第2の実施形態に係るSEDおよびそのスペーサ構体は前述した実施形態に係る製造方法と同様の製造方法によって製造することができる。そして、第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。 In the second embodiment, other configurations are the same as those of the first embodiment described above, and the same reference numerals are given to the same portions, and detailed description thereof is omitted. The SED and its spacer structure according to the second embodiment can be manufactured by a manufacturing method similar to the manufacturing method according to the above-described embodiment. In the second embodiment, the same operational effects as those of the first embodiment described above can be obtained.
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。 Note that the present invention is not limited to the above-described embodiment as it is, and can be embodied by modifying the constituent elements without departing from the scope of the invention in the implementation stage. In addition, various inventions can be formed by appropriately combining a plurality of components disclosed in the embodiment. For example, some components may be deleted from all the components shown in the embodiment. Furthermore, constituent elements over different embodiments may be appropriately combined.
本発明において、スペーサに形成された溝とは、スペーサ表面に対して凹の溝に限らず、スペーサ表面に複数の凸部を形成し、これら凸部の間に形成された溝も含むものである。スペーサの径や高さ、その他の構成要素の寸法、材質等は上述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて適宜選択可能である。スペーサは前述した柱状のスペーサに限らず、板状のスペーサを用いてもよい。スペーサ形成材料の充填条件は必要に応じて種々選択可能である。また、この発明は、電子源として表面伝導型電子放出素子を用いたものに限らず、電界放出型、カーボンナノチューブ等の他の電子源を用いた画像表示装置にも適用可能である。 In the present invention, the groove formed in the spacer is not limited to the concave groove with respect to the spacer surface, but includes a plurality of convex portions formed on the spacer surface and a groove formed between the convex portions. The diameter and height of the spacer, the dimensions and materials of the other components are not limited to the above-described embodiment, and can be appropriately selected as necessary. The spacer is not limited to the columnar spacer described above, and a plate-like spacer may be used. Various filling conditions for the spacer forming material can be selected as necessary. In addition, the present invention is not limited to the one using a surface conduction electron-emitting device as an electron source, but can be applied to an image display device using another electron source such as a field emission type or a carbon nanotube.
10…第1基板、 12…第2基板、 14…側壁、 15…真空外囲器、
16…蛍光体スクリーン、 18…電子放出素子、 22…スペーサ構体、
24…グリッド、支持基板、 26…電子ビーム通過孔、 30…スペーサ、
30a…第1スペーサ、 30b…第2スペーサ、60…溝
DESCRIPTION OF
16 ... phosphor screen, 18 ... electron-emitting device, 22 ... spacer structure,
24 ... Grid, support substrate, 26 ... Electron beam passage hole, 30 ... Spacer,
30a ... 1st spacer, 30b ... 2nd spacer, 60 ... Groove
Claims (6)
前記第1基板と隙間を置いて対向配置されているとともに前記蛍光面を励起する複数の電子放出源が設けられた第2基板と、
前記第1および第2基板の間に設けられ前記第1および第2基板に作用する大気圧荷重を支持するスペーサ構体とを備え、
前記スペーサ構体は、前記第1および第2基板に対向しているとともに、それぞれ前記電子放出源に対向した複数の電子ビーム通過孔を有した支持基板と、前記複数の電子ビーム通過孔間で、前記支持基板の少なくとも一方の表面上に立設された複数のスペーサと、を有し、
前記スペーサは、その表面に形成された複数の溝を有し、前記複数の溝は、それぞれスペーサの前記支持基板側の端から延出端まで延びているとともに前記電子ビーム通過孔と対向している画像表示装置。 A first substrate on which a phosphor screen is formed;
A second substrate disposed opposite to the first substrate and provided with a plurality of electron emission sources for exciting the phosphor screen;
A spacer structure provided between the first and second substrates and supporting an atmospheric pressure load acting on the first and second substrates;
The spacer structure is opposed to the first and second substrates, and a support substrate having a plurality of electron beam passage holes respectively opposed to the electron emission source, and the plurality of electron beam passage holes. A plurality of spacers erected on at least one surface of the support substrate,
The spacer has a plurality of grooves formed on a surface thereof, and each of the plurality of grooves extends from an end of the spacer on the side of the support substrate to an extended end and faces the electron beam passage hole. Image display device.
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