JP2005174568A - 対物レンズ、電子線装置及びこれらを用いたデバイス製造方法 - Google Patents

対物レンズ、電子線装置及びこれらを用いたデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鏡筒部で生じるイオンの影響を受けずカソードの寿命が長く、複数の電子線の光軸周りの配置が適切で、場合によっては1つ電子銃から5本以上の複数の電子線を形成することが可能な電子線装置を提供すること。
【解決手段】ZrO/W(タングステンジルコン酸)カソード又は遷移金属の炭化物カソードの電子銃から放出される光軸外方向への電子線を試料上に集束し走査する電子線装置であって、この電子線装置は、電子銃室側と試料側との真空コンダクタンスを小さくする板を備え、この板における光軸から離れた位置に電子線を通過させるための開口を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は電子線装置に係り、特に、最小線幅が0.1μm未満のパターンを有する基板(試料)の評価を高スループットで行う電子線装置に関する。また本発明は、ウェハ径が300mmΦ以上に大型化した場合に、ウェハ上のパターンを高スループットで評価でき、ウェハ上にパターンを高スループットで形成することができる電子線装置に関する。更に、そのような電子線装置を用いてデバイスを製造する方法に関する。
近年、基板上のパターン評価や基板上へパターンを形成するために電子線が用いられるようになってきた。電子線を放出するものとしては、ZrO/W(タングステンジルコン酸)カソードの電子銃を用いた電子線装置がある。この電子線装置では、従来光軸上に所定の開口を形成し、この開口を通して電子線を基板に照射していた。このとき、開口を微小なものにすることで排気コンダクタンスを小さくし、電子銃室を超高真空に保つことができた。
また、パターン評価やパターン形成の際のスループット向上を目的として、ZrO/Wカソード電子銃から放出される電子線に基づいて、複数本の電子線を形成する場合があった。この場合、電子銃の特性から最高4本の電子線を形成する方法が提案されていた。
また、ZrO/Wカソード電子銃からの電子線は、その特性から全体のエネルギの10%程度の電子線だけが実際の走査などに利用され、残りの電子線は利用されていなかった。一方、TaC等の遷移金属の炭化物カソードからの電子線は光軸方向には放出されず、光軸外の四方向へのみ強い電子線が放出されることが知られていた。
更に、複数本の電子線を取り扱う電子線装置に用いられる磁気レンズとしては、円形の外形を有する板の中央領域に複数本の光軸が通る磁気レンズが用いられていた。
しかしながら、上記従来の各電子線装置等には以下のような問題があった。即ち、光軸上に電子線を通す微小開口を形成した場合、微小開口の下流側における鏡筒部で発生したイオンがこの微小開口を通過してしまい、カソードを損傷させてしまうという問題があった。なぜなら、イオンは正の電荷を有しており、カソードとアノードとで形成される電界によって加速されて光軸に沿ってカソードに衝突し、カソードがイオン衝撃を受けるからである。
また、電子線を複数本化する場合であっても、4本程度の電子線しか形成しない場合には、パターン評価やパターン形成の際のスループットがあまり向上しない、という問題があった。
また、ZrO/Wカソードについては、光軸方向に放出される電子線よりも強度がはるかに強い光軸外方向への4本の電子線が利用されていなかった。一方、TaCカソードについては、強い電子線が放出されるにもかかわらず、これらの強い電子線が有効に利用されていなかった。
また、強度の強い電子線を細く集束させようとすると、空間電荷効果によって電子線がぼけてしまい、十分に細く集束させることができない、という問題があった。
更に、円形の外形を有する板の中央領域に複数個の光軸を有する磁気レンズを使用する場合、光軸は3行3列とか4行4列とか、更には5行5列のようにマトリック状に配置されている。このため、コイルから各光軸までの距離がそれぞれ異なり、その結果、磁気レンズのコイルに近い領域(周辺領域)の光軸でのレンズ強度が、コイルから遠い領域(中央領域)における光軸でのレンズ強度と若干異なる、という問題があった。更に、マトリックス状に配列された電子線を用い、試料台を連続移動させながらパターン評価を行う場合に、評価領域が重複してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、鏡筒部で生じるイオンの影響を受けずカソードの寿命が長く、複数の電子線の光軸周りの配置が適切で、場合によっては1つ電子銃から5本以上の複数の電子線を形成することが可能な電子線装置を提供することを目的とする。
また、4本の電子線を輝度を低下させないで試料まで到達させることが可能で、空間電荷効果をできるだけ抑制して大電流の電子線を小径に絞ることが可能な電子線装置を提供することを目的とする。
また本発明は、複数本の電子線を1枚のウェハ上に形成可能な対物レンズであって、評価領域重複の問題が無く、どの電子線に対するレンズ強度もほぼ等しい対物レンズを提供することを目的とする。
更に、このような電子線装置又は対物レンズを有する電子線装置を用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、ZrO/Wカソード又は遷移金属の炭化物カソードから電子線を放出する電子銃と、この電子銃から光軸外方向へ放出された電子線を試料上に集束し走査する電子光学系とを有する電子線装置であって、電子銃と試料との間に電磁レンズを設け、この電磁レンズを用いて電子線の光軸まわりの回転量を調整する、という構成をとっている。
請求項2の発明では、ZrO/Wカソード又は遷移金属の炭化物カソードから電子線を放出する電子銃と、この電子銃から光軸外方向へ放出された電子線を試料上に集束し走査する電子光学系とを有する電子線装置であって、5〜8個の電子線を形成する成形開口板を有する、という構成をとっている。
請求項3記載の発明では、ZrO/Wカソード又は遷移金属の炭化物カソードから電子線を放出する電子銃と、この電子銃から光軸外方向へ放出される電子線を集束させる静電レンズとを備え、この静電レンズをカソードに近接して設けると共に正の電圧を印加して、NA開口板のNA開口に電子線を照射する、という構成を採っている。
請求項4記載の発明では、請求項3に記載の電子線装置において、静電レンズは3枚の電極を重ね合わせた構造を有し、これら3枚の電極のうち中央の電極は厚みが2mm以上である、という構成を採っている。
請求項5記載の発明では、請求項4に記載の電子線装置において、中央電極に形成された開口は、カソード側の内径がNA開口板側の内径より小さくする、という構成を採っている。
請求項6記載の発明では、強磁性体からなり第1の方向に長手軸を有する薄板部とこの薄板部の周辺を取り囲むリブ構造の厚板部とを備え、薄板部における電子線の光軸に対応する位置に複数のパイプ状の突起を有する第1の部品と、強磁性体からなり第1の方向に長手軸を有する薄板部とこの薄板部の周辺を取り囲むリブ構造の厚板部とを備え、薄板部における電子線の光軸に対応する位置に複数の開口部が形成された第2の部品と、第1の部品と第2の部品とを各光軸に対応する部分を共通にして所定の隙間を空けて組合せた時に生じる各部品の各厚板部の間に設けられると共に、各光軸と直交する方向に沿って巻かれたコイルとを有する、という構成を採っている。
請求項7記載の発明では、請求項6に記載の対物レンズにおいて、コイルに電流を流した時発生する磁力線が、強磁性体外へ出るレンズギャップが試料側に向かって形成されるように、第1及び第2の部品の薄板部の間隔と上記パイプ状突起の光軸方向の長さとの関係を設計する、という構成を採っている。
請求項8記載の発明では、請求項6又は7に記載の対物レンズを用い、第1の方向に直角な第2の方向に試料台を連続移動させながら、第1の方向に電子線を走査させて試料のパターン評価又はパターン描画を行う、という構成を採っている。
請求項9記載の発明では、電子銃からの電子線を試料に集束させるための対物レンズであって、対物レンズは、励磁コイルが、電子線の光軸近傍の内側磁極と、この内側磁極の外側に配置された外側磁極と、内側磁極と外側磁極の間に接続された磁気回路とで囲まれた構造を有し、内側磁極と外側磁極との間に形成されるレンズギャップは試料側に開口すると共に、前記内側磁極と外側磁極は、試料側から電子銃側に向かって徐々に広がる円錐台状の形状を有している、という構成を採っている。
請求項10記載の発明では、請求項9に記載の対物レンズにおいて、対物レンズと試料との間には、正の電圧が印加された軸対称の電極が設けられている、という構成を採っている。
請求項11記載の発明では、請求項9又は10に記載の対物レンズにおいて、内側磁極の内側にE×B分離器を設けた、という構成を採っている。
請求項12記載の発明では、請求項1から5の何れかに記載の電子線装置を用いてパターン評価又はパターン形成を行う、という構成を採っている。
請求項13記載の発明では、請求項6から11の何れかに記載の対物レンズを備えた電子線装置を用いてパターン評価又はパターン形成を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
電子銃室と鏡筒部の間の光軸上には開口が無いので、鏡筒部からのイオンがカソードに衝突してカソードを損傷させることが少ない、という効果を有する。また、本発明では、4つの開口を有する開口板と試料間に2段の電磁レンズを設けたので、これらの電磁レンズを短焦点距離にでき、この開口板と試料間の光路長を30cm以下にできる。このため、空間電荷効果を小さくでき、これにより大きい電流の電子線を小さい寸法で形成することができる、という効果を有する。
また、多数の電子線が形成されるので、試料上のパターンの評価あるいはパターン形成のスループットを向上させることができる、という効果を有する。
先ず、図1に基づいて、本発明の一実施形態に係る電子線装置1の構造を、光軸OAの上流側から下流側に向かって順に説明する。図1は、電子線装置1の全体を示す概略図である。電子線装置1には電子銃2が設けられており、電子銃2は、電子線を放出するZrO/Wカソード2aと、ZrO/Wカソード2aを加熱するためのカソード加熱フィラメント2bとを備えている。そして、これらZrO/Wカソード2aとカソード加熱フィラメント2bとはショットキーシールド2cで囲まれている。ショットキーシールド2cは、カソード加熱フィラメント2bからの熱電子を追い返して電子線に影響を及ぼさないようにするためのものである。また、ショットキーシールド2cには、ZrO/Wカソード2aの近傍に所定の開口が形成されており、この開口を電子線が通過するようになっている。尚、カソードは遷移金属の炭化物カソードであってもよく、これについては後述する。
また、ショットキーシールド2cは電子銃室2dに囲まれており、更にこの電子銃室2dの外側表面であって光軸OAに対応する位置には、オリフィスとして機能する平板状のアノード4が設けられている。そして、このアノード4には、光軸OAから僅かにずれた位置に4つの微小開口4a(図では2つのみを示している)が形成されている。ここで、微小開口4aは非常に小さいので、電子銃室2d側と試料15側の鏡筒部17との間が仕切られ、真空コンダクタンスは小さく維持される。これと同時に、アノード4は、光軸OAからはずれて光軸外方向へ放出される電子線のうち、強度が大きい電子線の部分が通過できるように、4つの微小開口4aの位置や形状が適切に設計されている。
アノード4の下流側には、回転制御レンズ5が設けられている。回転制御レンズ5は、光軸OAに沿って2段構造となっており、各段にはそれぞれ2つのコイル5a,5bが巻かれている。各コイル5a,5bは、作られる磁界の方向が互いに逆向きとなるように、相互に反対方向に電流が流れるように制御される。2段構造の回転制御レンズ5は、各段のボーア径も磁気ギャップも等しくなるように構成されており、各コイル5a,5bにそれぞれ等しい電流が流れている場合には、電子線の光軸まわりの回転は相互に打ち消される。一方、各コイル5a、5bに流れる電流の比率を相対的に変更することによって、光軸OAまわりの右回転或いは左回転の量を増減させることができる。
具体的に説明すると、回転制御レンズ5の回転作用が実質的に機能していない状態で、例えば2本の電子線における強度が大きい中心同士を結んだ線が共にY軸上に存在していると仮定する。この状態から、各コイル5a,5bに相互に所定の割合の電流を流すと、回転制御レンズの回転作用により、図2に示すように、電子線の強度が大きい中心O1,O2を結んだ線とy軸との間に所定の回転角θが生じる。図2は、一例として、原点が光軸の位置であり、各電子線に光軸まわりの回転角θが生じている場合を示している。尚、上記のように電子線の光軸まわりの回転角を調整するのは、電子線の強度が最大となる部分が後述するビーム成形開口の位置に正確に一致するようにするためである。尚、当該回転制御レンズは、上記したような回転機能を有すると共に、電子線を集束させる機能をも併せ持っている。
また、回転制御レンズ5の下流側には、電子線を成形する成形板19が設けられている。この成形板19には、多数(図1及び図2では8個)のビーム成形開口が形成され、Y軸方向の両端がビーム成形開口19a,19bとなっている。各ビーム成形開口は、図2に示すように、Y軸へ投影したときの間隔がすべて等しくなり、しかもすべてのビーム成形開口が、アノード4を通って照射される電子線の強度80%以上の領域20の内部に入るように配置されている。ここで、電子線強度80%とは、領域20内のうちで最もビーム強度の強い位置(通常は中心部)の強度を100%として、これに対する強度が80%であることを意味する。
成形板18の下流側には、NA開口6aを有するNA開口板6が設けられ、更にこのNA開口板6の下流側には、縮小レンズ7が設けられている。そして、縮小レンズ7の更に下流側には、静電偏向器8,11が設けられ、電子線を偏向できるようになっている。また、静電偏向器8の近傍には、磁気レンズ12が設けられている。さらに、光軸OAの最下流部には試料15が配置されており、当該試料15の表面に電子線が照射されるようになっている。
また、試料15の表面の近傍には、試料15から放出される二次電子を加速するために正の電圧が印加された軸対称電極14が設けられている。そして、軸対称電極14から更に光軸OAを上流側へ戻る方向には、磁気レンズ12及びE×B分離器9(静電偏向器9a及び電磁偏向器9b)が設けられている。更に、E×B分離器9によって電子線が偏向される方向には、二次電子検出器21が設けられている。
次に、上記電子線装置1の動作について説明する。ZrO/Wカソード2aから放出された電子線の一部は、アノード4の方向に向かって進行する。そして、光軸OAから僅かにずれた位置の4つの微小開口4aを通過する。このとき、鏡筒部で生じたイオンは、カソード2aとアノード4が作り出す電界によってカソード側に向かって加速されるが、微小開口4aは光軸からずれているので、イオンが直接カソード2aに衝突することが回避される。
アノード4の微小開口4aを通過した4本の電子線は、回転制御レンズ5で光軸OA周りに回転すると共に集束されて、成形板19のビーム成形開口を通過する。成形板19の両端部のビーム成形開口19a,19bを含む8個のビーム成形開口は、上記したようにY軸へ投影したときの間隔がすべて等しくなっている(図2参照)。
ビーム成形開口で成形された電子線は、NA開口板6のNA開口6aにクロスオーバを形成する。そして、NA開口を通過した電子線は縮小レンズ7と磁気レンズ(対物レンズ)12で縮小され、試料15の表面に8本の電子線が照射される。このとき、電子線は静電偏向器8,11によってX軸方向に走査されている。
試料15の走査点から放出された二次電子は、正の軸対称電極14で加速され、磁気レンズ12で集束されると共に、E×B分離器9で二次電子検出器21の方向に偏向される。二次電子検出器21で二次電子を検出することにより、8チャンネルのSEM(走査電子顕微鏡)画像を得ることができる。
図3は、光軸方向が(100)方位のTaCカソード(遷移金属の炭化物カソード)を電子銃として用いた場合の、電子線の放出方向の強度分布を示したものである。図中の領域31は(310)方位、領域32は(100)方位からの放出電子線であって、強度が60%以上である領域をそれぞれ示している。(100)方位からの電子線の強度は比較的弱く強度が60%以上の領域も狭いので、中央部の電子線を利用するように成形板にビーム成形開口33をそれぞれ形成した。一方、(310)方位からの電子線の強度は強く、強度が60%以上の領域も広いので、中心からはずれた位置でも十分強い電子線が得られる。従って、Y軸へ投影した電子線間隔が8個とも等しくなる位置にビーム成形開口33を設けることができる。
次に、図4に基づいて本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本実施形態に係る電子線装置51の全体図を示す。電子線装置51には電子銃52が設けられている。この電子銃52は市販のものであり、ZrO/Wカソード52aがヒータ52bに溶接され、ショットキーシールド52cの開口に位置決めされている。また、電子銃52の下流側には引出電極55aが設けられている。この引出電極55aには、従来は0.6mmΦの穴が形成されていたが、本発明では従来よりも大きな0.8〜1.2mmΦの穴を設け、光軸OA外へ放出される電子線がこの引出電極55aに遮蔽されないようになっている。
また、引出電極55aの下流側には中央電極55b及びアノード電極55cが設けられ、これらが静電レンズ55を構成している。そして、光軸外へ放出された電子線がNA開口板58のNA開口58aにクロスオーバを形成するように、この静電レンズ55が機能するようになっている。また、静電レンズ55は、光軸OAに対して大きな角度で放出された電子線を収差が少なく集束させるために、中央電極55bに正の電圧が印加されており加速レンズとなっている。更に、放電が生じないように小さな電圧で必要な集束力が得られるようにするために、中央電極55aの光軸方向の厚みは3mm以上と厚くなっている。因みに、2mm以上の厚みがあれば電子線が十分集束することがシュミレーションで確認できた。また、正の電圧を与えた方が、負の電圧を与えた場合より収差が小さくなる。
上記中央電極55bには電子線が通過する開口が形成されているが、NA開口58aにおいて球面収差の小さなクロスオーバを形成するために、中央電極55bの開口の形状は、ZrO/Wカソード52a側では内径が小さく、NA開口板58側で内径が大きくなっている。因みに、中央電極55bが接地されると共に中央電極55bの電子銃52側の開口内径が引出電極55aの開口の内径と同程度の場合に収差が小さいことが分かった。これは、電子の軌道がレンズで集束され光軸近くを通るようになった場所では電極も小さくなり、軌道と電極があまり接近しないから収差が小さくなるのである。
また、静電レンズ55の直ぐ下流には、4つのビーム成形開口57a(図では2つのみ表示)を有するビーム成形開口板57が設けられている。この各ビーム成形開口57aは、50μmの直径を有し、真空コンダクタンスが小さくオリフィスの役割も有している。
4つのビーム成形開口57aを通過した電子線は、縮小レンズ59で縮小され、更に対物レンズ用電磁レンズ62で縮小され、試料65上において約1/2000の大きさに縮小される。試料65上では、偏向器60とE×B分離器61の静電偏向器とで二次元的にラスタ走査されてSEM像が形成される。ここで、電子線の走査は走査制御部74からの指令に基づいて行われる。そして、試料65上の4つの走査点から放出される二次電子は、正の電圧を印加された電極63と対物レンズ用電磁レンズ62とで細く集束される。集束された二次電子は、E×B分離器61を通過した位置で拡大像が形成され、静電レンズ66,68とで更に拡大され、4つの穴を有する開口板70上に試料65の像が形成される。このとき、二次電子は軸合せ偏向器67,69で偏向される。
また、開口板70の後方には、シンチレータとフォトマルチプライヤの組合せの二次電子検出器71が備えられ、4本の電子線からの二次電子信号が独立して検出され増幅される。増幅された二次電子の信号は、A/Dコンバータ72でデジタル信号に変換され、画像形成回路73に送られる。画像形成回路73には走査制御部74からの走査信号も入力され、二次元画像が形成される。形成された二次元画像は、画像メモリ75に保存され、比較回路76でセル対セル或いはダイ対ダイの比較が行われ、試料65上のパターンの欠陥検出等が行われる。
本発明では、縮小レンズ59と対物レンズ用電磁レンズ62として短焦点距離レンズを用いることにより、ビーム成形開口板57と試料65間の距離を30cm以下の28cmとすることができた。このため、空間電荷効果を抑制することができる。また、電子銃52に接近して静電レンズ55を配置したので、光軸OA外へ放出された4本の電子線が光軸OAから大きく離れる前に集束でき、低収差のクロスオーバをNA開口58aに形成することができて、高輝度の4本の電子線を得ることができる。更に、対物レンズを、対物レンズ用電磁レンズ62と正電圧を印加した電極63との組合せで構成したので、一次電子線の収差を小さくすることができたため、25nmΦのビーム径で29nAの電子線電流を得ることができる。更に、二次電子が通過する初段の拡大レンズを低収差とすることができたので、試料から±90°、即ち、試料から上側のすべての方向へ放出される二次電子を、クロストーク無しに二次電子の検出器71に集めることができる。
次に、図5に基づいて、本発明の第3の実施形態について説明する。図5は、電子線装置に使用される対物レンズ101を示したものであり、図5(A)は平面図であり、図5(B)は図5(A)の切断線P−Pにおける断面図である。この対物レンズ101は、Y軸方向(第2の方向)に試料台(図示略)を連続移動させて試料112上のパターン評価を行うためのものであり、X軸方向(第1の方向)に沿って長手軸を有する長方形状の薄板部107,108を備えている。図では、長手軸方向の長さを一部省略している。
第1の部品を構成する上側の薄板部107には、電子線の光軸OAに対応する位置に、電子線が通る電子線通過穴102が形成されている。また、電子線通過穴102の周囲には、光軸OAに対して軸対称で下方へ向かう円筒状の突起103が形成されている。一方、第2の部品である下側の薄板部108には、上記した突起103に対応する位置に所定の開口部が形成されている。この開口部の直径は突起103の外径よりも大きくなっており、突起103の外周面と開口部の内周面105との間にレンズギャップ104が形成されている。このとき、突起103の最下端部の位置が、下側の薄板部108の下面とZ軸方向に所定の距離が生じるように、角薄板部107と108の間隔及び突起103の長さが設計されている。
また、これらの薄板部107,108の周辺部には、所定のリブとしての厚板部109,111が形成されており、X軸方向(長手軸方向である第1の方向)に薄板部107,108が撓むのを防止している。そして、これらの厚板部109,111の間には、光軸OAに対して直角な方向に沿って、複数の光軸OAの周りに電流を流すコイル110が設けられている。また、図中の符号120は、上側磁極と下側磁極とを固定するネジ位置である。
また、上側及び下側の各薄板部107,108の間には、非磁性の金属部品から形成され、Oリング14を保持するOリング保持部材113が設けられている。このOリング保持部材113は円筒状若しくは円環状の形状をしており、その上下両端部に溝が形成されている。そして、この溝にOリングが挿入されており、各薄板部107,108間に挟みこまれている。このため、光軸OA側とコイル110側との間が相互に密封され、光軸OA側の真空を維持すると共にコイル110と大部分の磁極面を大気圧のままにすることができる。
対物レンズ101の最下端部であって試料112に対向する側には、薄板106が設けられている。この薄板106は正の電圧が印加されるものであり、一次電子の収差を大幅に低減できると共に、試料112から放出される二次電子を引き出し易くするものでる。
ここで、対物レンズ101には複数の電子線が入射されるが、光軸OA相互間の間隔は電子銃の間隔で決定される。仮に、電子銃の間隔が25mmであるとすると、光軸OAをX軸方向に投影した時の間隔は25/√2=17.7mmである。これは、図5に示すように、2つの光軸同士を結んだ線Sを斜辺とし、X軸及びY軸にそれぞれ平行な方向の光軸間距離LxとLyとによって形成される三角形が、直角二等辺三角形になるように、光軸位置が設定されている場合である。このX軸に投影された場合の光軸OAの間隔の値17.7mmに基づいて計算すると、直径300mmのウェハ用では、300/17.7=16.97となり、16本の電子線をX軸方向に沿って配置することができる。ここで、16本の電子線を用いて試料を走査する場合、1本の電子線を用いた場合と比較して、単純計算では16倍のスループット向上となる。しかし、試料が円形のウェハなどの場合、X軸方向の両端部における評価領域は中央部より狭いため、1本の電子線を用いる場合でも当該端の部分の評価時間は中央部と比べて短い。このため、試料全体を評価する場合で比較すると、16本の電子線を用いた場合は、1本の電子線を用いた場合に比べて評価速度の向上は約10倍程度である。また、端の光学系があると、ステージをX軸方向に沿って大きく移動させる必要がなくなるので、試料を収容する試料収容室のX軸方向の寸法を小さくすることができる。
試料112から放出された二次電子は、薄板106が作る正の電界で引かれ、対物レンズ101が作るZ軸方向磁界で集束され、対物レンズ101の上に設けたE×B分離器(図示略)で、符号115で示すように、厚板部109の遠い側に設けた二次光学系に向かって偏向され、二次電子検出器(図示略)で検出される。尚、本実施形態では図5に示すように、各光軸OAはX軸に投影したときの光軸間距離が全て等しいので、Y軸方向に試料台を連続移動させて評価を行う場合、同じ評価領域を別の光軸の電子線で重複して評価してしまうという問題点が解消できる。
図6は、第3の実施形態で説明した対物レンズ101の変形例である。当該対物レンズ151は、強磁性体(スーパマロイ、パーマロイ、μ−メタル、電磁軟鉄等の低ヒステリシス材料)の薄板部173,174と、厚板部177,178と、厚板部177と厚板部178の間に設けたコイル160からなるマルチ光軸レンズと、偏向器群171,180,181及びレンズ強度補正用電極175から構成されている。電子線の偏向収差を低減するため、偏向器群171,180,181は三段構成で、これらの偏向量と相互の回転角をシュミレーションで最適化することによって、広い領域を収差を増加させないで偏向することができる。
また、対物レンズ151の開口179や172の加工精度等により、対物レンズ151では光軸OA毎に焦点距離の不揃いが生じるが、この不揃いを補正するため、レンズ強度補正用電極175はセラミックスで作り、光軸OA毎に独立の電圧を与えることが可能となっている。偏向コイル171、181は、約120°の角度範囲で巻かれたサドル型のコイルか、X軸方向偏向用コイル182とY軸方向偏向用コイル183をそれぞれ持っている。また、図中の符号184は、上側磁極と下側磁極とを固定するネジ位置である。
次に、図7に基づいて本発明の第4の実施形態について説明する。図7は、本実施形態の対物レンズ201を示しており、光軸OAを含む面で対物レンズ201を切断した断面図である。図の上方には電子銃(図示略)が備えられ、この電子銃から放出される電子線を光軸を通して当該対物レンズ201によって試料202の表面に集束するようになっている。この対物レンズ201は、内側電極203、外側電極204と磁気回路211とで励磁コイル210を囲む構造を有し、レンズギャップ206が試料202側に向かって開口するように形成されている。
当該対物レンズ201は、従来の対物レンズと異なり、レンズギャップ206の断面形状は光軸OAと平行ではなく、試料202側で半径が小さく且つ電子銃側で半径が大きい円錐台のような形状を有している。このような円錐台状にすることにより、合焦条件を得るための励磁電流のAT(ampere-turn)数が、光軸に平行なレンズギャップの場合に比べて半分程度に減少することがシュミレーションにより確かめられた。
また、従来は、各磁極を通る磁束の密度が、内側磁極203と外側磁極204とで対向している部分(図のハッチングを施した部分)で大きくなり過ぎ、材料の飽和磁束密度に近くなるという問題があったが、次に示すように解決された。即ち、内側磁極203のハッチング部207では、電子銃側で大きい磁束密度となり、外側磁極204のハッチング部208では試料202側が大きい磁束密度となる。内側磁極203のハッチング部107は、光軸に直角な面で切断した場合に電子銃側では断面積が大きくなるため、上記飽和の問題は解決される。同時に、外側磁極204のハッチング部208では、ハッチング部209で示すように、少し厚みを増加させることにより磁束の飽和が回避された。この結果、電極215に高電圧を印加した場合も電子線を小さく絞れることをシュミレーションで確認できた。また、円錐の頂角の半分の値θ1,θ2は、それぞれ内側磁極と外側磁極に対応する値であるが、θ1,θ2共に45°より大きい場合、磁極の磁束密度が小さく、スーパマロイの如き低飽和磁束密度の材料も使用可能であった。
また、外側磁極204の下方には、電極215を外側磁極204からなる磁極の下面に固定するためのスペーサ205が設けられており、スペーサ205の材料としてSiC等の少し導電性のあるセラミックスを用い、電子ビームから絶縁物表面が直視できることによるチャージアップの問題も解決した。
また、対物レンズ201は、試料202から放出される二次電子を検出器(図示略)の方向へ曲げるE×B分離器212を備え、このE×B分離器212は電磁偏向器212bが静電偏向器212aの外側に取り付けられる鞍形コイルで、外側の磁性体のコアは対物レンズ201の内側磁極203と共通にすることにより、対物レンズ201と各偏向器212a,212bの軸のずれを最小にしている。
レンズギャップ206の近傍は、パーメンジュール(Co−Fe50%合金)を用い、磁気回路のその他の部分はパーマロイB(Fe−Ni(45%)合金)を用いれば、電子ビームのエネルギが大きい場合も必要な磁場を作ることができた。
次に図8及び図9を参照して本発明による電子線装置又は対物レンズを用いた半導体デバイスの製造方法の実施形態を説明する。
図8は、本発明による電子線装置を用いた半導体デバイスの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。この実施形態の製造ステップは以下の主ステップを含んでいる。
(1)ウェハを製造するウェハ製造ステップ(又はウェハを準備するウェハ準備ステップ)
(2)露光に使用するマスクを製造するマスク製造ステップ(又はマスクを準備するマスク準備ステップ)
(3)ウェハに必要な加工処理を行うウェハプロセッシングステップ
(4)ウェハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立ステップ
(5)できたチップを検査するチップ検査ステップ
なお、上記のそれぞれの主ステップは更に幾つかのサブステップからなっている。
これらの主ステップ中の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼすのが(3)のウェハプロセッシングステップである。このステップでは、設計された回路パターンをウェハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウェハプロセッシングステップは以下の各ステップを含んでいる。
(A)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成ステップ(CVDやスパッタリング等を用いる)
(B)この薄膜層やウェハ基板を酸化する酸化ステップ
(C)薄膜層やウェハ基板等を選択的に加工するためにマスク(レチクル)を用いてレジストパターンを形成するリソグラフィーステップ
(D)レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチングステップ(例えばドライエッチング技術を用いる)
(E)イオン・不純物注入拡散ステップ
(F)レジスト剥離ステップ
(G)更に、加工されたウェハを検査するステップ
なお、ウェハプロセッシングステップは必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
図9は、図8のウェハプロセッシングステップの中核をなすリソグラフィーステップを示すフローチャートである。このリソグラフィーステップは以下の各ステップを含む。
(a)前段のステップで回路パターンが形成されたウェハ上にレジストをコートするレジスト塗布ステップ
(b)レジストを露光する露光ステップ
(c)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像ステップ
(d)現像されたレジストパターンを安定化するためのアニールステップ
上記の半導体デバイス製造ステップ、ウェハプロセッシングステップ、リソグラフィーステップについては、周知のものでありこれ以上の説明を要しないであろう。
上記(G)の検査ステップに、本発明に係るパターン検査方法を用いると、微細なパターンを高精度で安定して検査できるので、製品の歩留まりの向上、欠陥製品の出荷防止が可能となる。
本発明は、複数の電子線を用いることで、パターンの評価やパターンの形成を高スループットで行うことができる電子線装置に適用できる。
本発明の第1の実施形態に係る電子線装置を示す概略図である。 図1に開示したビーム成形開口と電子線照射領域を示す平面図である。 電子銃に遷移金属の炭化物カソードを用いた場合のビーム成形開口と電子線照射領域を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電子線装置を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る対物レンズを示す図であり、図5(A)は平面図を示し、図5(B)は断面図を示す。 本発明の第3の実施形態に係る対物レンズの変形例を示す図であり、図6(A)は平面図を示し、図6(B)は断面図を示す。 本発明の第4の実施形態に係る対物レンズを示す断面図である。 本発明による半導体デバイスの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図8に開示したウェハプロセッシングステップの中核をなすリソグラフィーステップを示すフローチャートである。
符号の説明
1 電子線装置
2 電子銃
2a カソード
2d 電子銃室
4 アノード
5 回転制御レンズ
6 NA開口板
6a NA開口
7 縮小レンズ
9 E×B分離器
12 磁気レンズ(対物レンズ)
13 レンズギャップ
14 軸対称電極
15 試料
19 成形板
19a,19b ビーム成形開口
20 電子線強度が所定以上の領域
31 (100)方位からの放出電子線であって、強度が60%以上である領域
32 (310)方位からの放出電子線であって、強度が60%以上である領域
51 電子線装置
52 電子銃
52b カソード
55a 引出電極
55b 中央電極
55c アノード電極
57 ビーム成形開口板
57a ビーム成形開口
58 NA開口板
58a NA開口
59 縮小レンズ
61 E×B分離器
62 対物レンズ用電磁レンズ
63 電極
65 試料
66,68 静電レンズ
67,69 偏向器
70 開口板
71 二次電子検出器
72 A/Dコンバータ
73 画像形成回路
75 画像メモリ
76 比較回路
101 対物レンズ
102 電子線通過穴
103 突起
104 レンズギャップ
105 開口内壁面
106 薄板
107,108 薄板部
109,111 厚板部
110 コイル
112 試料
113 Oリング保持部材
114 Oリング
151 対物レンズ
160 コイル
171,180,181 偏向器
172,176,179 開口
173,174 薄板部
175 レンズ強度補正用電極
177,178 厚板部
182 X軸方向偏向用コイル
183 Y軸方向偏向用コイル
201 対物レンズ
203 内側電極
204 外側電極
205 スペーサ
206 レンズギャップ
207,288,209 ハッチング部分
210 励磁コイル
211 磁気回路
212 E×B分離器
215 電極
OA 光軸

Claims (13)

  1. 電子線装置において、
    ZrO/Wカソード又は遷移金属の炭化物カソードから電子線を放出する電子銃と、この電子銃から光軸外方向へ放出された電子線を試料上に集束し走査する電子光学系とを有し、
    前記電子銃と試料との間に電磁レンズを設け、この電磁レンズを用いて前記電子線の前記光軸まわりの回転量を調整することを特徴とする電子線装置。
  2. 電子線装置において、
    ZrO/Wカソード又は遷移金属の炭化物カソードから電子線を放出する電子銃と、この電子銃から光軸外方向へ放出された電子線を試料上に集束し走査する電子光学系とを有し、
    前記電子銃から光軸外方向へ放出される電子線に基づいて、5〜8個の電子線を形成する成形開口板を有することを特徴とする電子線装置。
  3. 電子線装置において、
    ZrO/Wカソード又は遷移金属の炭化物カソードから電子線を放出する電子銃と、この電子銃から光軸外方向へ放出される電子線を集束させる静電レンズとを備え、この静電レンズを前記カソードに近接して設けると共に正の電圧を印加して、NA開口板のNA開口に前記電子線を照射することを特徴とする電子線装置。
  4. 前記静電レンズは3枚の電極を重ね合わせた構造を有し、これら3枚の電極のうち中央の電極は厚みが2mm以上であることを特徴とする請求項3に記載の電子線装置。
  5. 前記中央電極に形成された開口は、前記カソード側の内径がNA開口板側の内径より小さいことを特徴とする請求項4に記載の電子線装置。
  6. 強磁性体からなり第1の方向に長手軸を有する薄板部とこの薄板部の周辺を取り囲むリブ構造の厚板部とを備え、前記薄板部における電子線の光軸に対応する位置に複数のパイプ状の突起を有する第1の部品と、
    強磁性体からなり第1の方向に長手軸を有する薄板部とこの薄板部の周辺を取り囲むリブ構造の厚板部とを備え、前記薄板部における前記電子線の光軸に対応する位置に複数の開口部が形成された第2の部品と、
    前記第1の部品と第2の部品とを各光軸に対応する部分を共通にして所定の隙間を空けて組合せた時に生じる各部品の各厚板部の間に設けられると共に、前記各光軸と直交する方向に沿って巻かれたコイルと、
    を有することを特徴とする対物レンズ。
  7. 前記コイルに電流を流した時発生する磁力線が前記強磁性体外へ出るレンズギャップが試料側に向かって形成されるように、前記第1及び第2の部品の薄板部の間隔と上記パイプ状突起の光軸方向の長さとの関係が設計されていることを特徴とする請求項6に記載の対物レンズ。
  8. 前記第1の方向に直角な第2の方向に試料台を連続移動させながら、前記第1の方向に電子線を走査させて試料のパターン評価又はパターン描画を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の対物レンズ。
  9. 対物レンズにおいて、
    前記対物レンズは電子銃からの電子線を試料に集束させるためのものであり、
    前記対物レンズは、励磁コイルが、電子線の光軸近傍の内側磁極と、この内側磁極の外側に配置された外側磁極と、前記内側磁極と外側磁極の間に接続された磁気回路とで囲まれた構造を有し、
    前記内側磁極と外側磁極との間に形成されるレンズギャップは試料側に開口すると共に、前記内側磁極と外側磁極は、前記試料側から電子銃側に向かって徐々に広がる円錐台状の形状を有していることを特徴とする対物レンズ。
  10. 前記対物レンズと試料との間には、正の電圧が印加された軸対称の電極が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の対物レンズ。
  11. 前記内側磁極の内側にE×B分離器を設けたことを特徴とする請求項9又は10に記載の対物レンズ。
  12. 請求項1から5の何れかに記載の電子線装置を用いてパターン評価又はパターン形成を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
  13. 請求項6から11の何れかに記載の対物レンズを備えた電子線装置を用いてパターン評価又はパターン形成を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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