JP2005171180A - ポリエステル系熱収縮性フィルム - Google Patents

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康弘 冨田
Yasunari Shigematsu
靖得 重松
Hiroo Yoshitoku
簡夫 慶徳
Tomohiko Tanaka
智彦 田中
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Abstract

【課題】 熱収縮性が良好で、収縮仕上がり良好であり、更に耐熱性に優れたフィルムであって、耐破れ性に優れるポリエステル系熱収縮性フィルムを提供する。
【解決手段】 複数の試験片の主収縮方向と直交する方向について特定条件で引張試験をした時の破断伸度(A)が全試験片において400%以上であり、かつ、温水浸漬後、冷却した時の主収縮方向の収縮率が30〜70%であるポリエステル系熱収縮性フィルムであって、温度35℃、相対湿度50%の雰囲気下に2週間保管した後、複数の試験片について同じ条件で引張試験をした時の破断伸度(B)が前記破断伸度(A)平均値の90%以上の値である試験片数が、全試験片数の80%以上であるポリエステル系熱収縮性フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリエステル系熱収縮性フィルムに関し、さらに詳しくは、機械的性質の経時劣化が少なく、印刷時やチュービング加工時の耐破れ性に優れ、熱収縮包装後の耐破れ性も良好であり、また、熱収縮後の白化や収縮ムラ、しわ、歪み、縦引け等の不良の発生が少なく、かつ耐熱性にも優れたポリエステル系熱収縮性フィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレート容器、ポリエチレン容器、ガラス容器等の収縮包装、収縮ラベル等の用途に多く用いられている熱収縮性プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエステル系フィルム等の延伸フィルムがある。しかし、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低く、また、焼却時に塩化水素ガスが発生して焼却炉を損傷し易い等の問題があり、ポリスチレン系フィルムは、収縮後の仕上がり外観性に優れるが、耐溶剤性に劣る等の問題がある。
これに対し、ポリエステル系熱収縮性フィルムは透明性が良好で、衛生性に優れ、剛性が高い等の優れた性能を有する。しかし、収縮開始温度が高く、また温度上昇に伴い収縮率が急激に増大する等の問題があり、凹凸の大きい容器等を被覆した場合、被覆が不十分であったり、しわ等が発生して、仕上がりが良くない等の問題があった。
また、製膜時に主収縮方向に直交する方向(熱収縮性フィルム製造・加工工程における流れ方向)でフィルムが破断し易く、印刷工程やチュービング加工工程、ラベル加工工程において、あるいは、容器等に被覆収縮させた後も衝撃等を受けた際に、フィルムが破断する等の問題があった。
これらの現象は室温環境下であってもフィルム製造後の経過時間、保管時間が長くなると顕著となる傾向が見られ、さらに保管環境温度がより高温となるにしたがってより顕著となる。
昨今、経済性の問題から、熱収縮性フィルムの薄肉化、高速加工化の要請は高まっており、上記のような破断を起こり難くするための耐破れ性の向上は、ポリエステル系熱収縮性フィルムにおける大きな課題となっている。
主収縮方向に直交する方向の耐破断性に優れたポリエステル系熱収縮性フィルムに関し、95℃、10秒間処理時の最大収縮方向の熱収縮率が50%以上であるフィルムであって、30℃、相対湿度85%環境下に2週間保管し、特定条件下の引張試験を行った時、破断伸度5%以下の試験片数が全試験片数の10%以下であるフィルムが提案されている(特許文献1参照)。しかし、このフィルムは、保管試験後に、破断伸度の極めて小さい試験片が発生する割合が抑えられているというだけであり、破断伸度5%以上の試験片の破断伸度の大きさには言及されておらず、必ずしも耐破れ性が優れたものとはいえない。したがって、このフィルムでは上記した各種の状況におけるフィルム破断等の問題の解決には十分対応できない。
特開2003−41028号公報
本発明は、熱収縮性が良好で、収縮仕上がり良好であり、更に耐熱性に優れた(融着開始温度が高い)フィルムであって、機械的性質の経時劣化が少なく、破断伸度、即ち耐破れ性に優れたポリエステル系熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリエステル系熱収縮性フィルムの耐破れ性につき検討を重ねた結果、加熱時の主収縮方向の収縮率が特定範囲内にあって、かつ、主収縮方向に直交する方向の破断伸度の初期値が特定値以上であり、特定の保管条件で保管した後の同破断伸度がある基準以上のものが、熱収縮性フィルムの製造工程において、破断トラブルが少なく、高速加工が可能であり、かつ、製造後も破れの問題のないポリエステル系熱収縮性フィルムが得られることを見出した。
また、当該ポリエステル系熱収縮性フィルムにおいて、多価カルボン酸成分のうち、脂環式ジカルボン酸成分を5モル%以上とし、多価アルコール成分のうち、脂環式ジオール成分を10モル%以上とすることにより、耐破れ性を向上させることができることを知見した。さらに、ポリエステル樹脂に加えて芳香族ポリカーボネート樹脂を配合することにより、収縮仕上がりがさらに向上した、より好ましいポリエステル系熱収縮性フィルムが得られることも知見した。
すなわち、本発明は、
(1)主収縮方向の長さ15mm、主収縮方向と直交する方向の長さ100mmの短冊形状に切り出した複数の試験片を、主収縮方向と直交する方向について、チャック間距離20mm、温度23℃、引張速度200mm/分で引張試験した時の破断伸度(A)が全試験片において400%以上であり、かつ、80℃の温水に10秒間浸漬した後、23℃の水で30秒間浸漬冷却した時の主収縮方向の収縮率が30〜70%であるポリエステル系熱収縮性フィルムであって、
温度35℃、相対湿度50%の雰囲気下に2週間保管した後、前記と同じ形状に切り出した複数の試験片を、前記と同じ条件で引張試験をした時の破断伸度(B)が前記破断伸度(A)平均値の90%以上の値である試験片数が、全試験片数の80%以上であることを特徴とするポリエステル系熱収縮性フィルム、
(2)ポリエステル系熱収縮性フィルムにおいて、多価カルボン酸成分中の脂環式ジカルボン酸成分が5モル%以上であり、多価アルコール成分中の脂環式ジオール成分が10モル%以上である上記(1)記載のポリエステル系熱収縮性フィルム、
(3)多価カルボン酸成分中の脂環式ジカルボン酸成分が10〜60モル%であり、多価アルコール成分中の脂環式ジオール成分が20〜60モル%である上記(2)記載のポリエステル系熱収縮性フィルム、
(4)多価カルボン酸成分中の、脂環式ジカルボン酸成分が5モル%以上であり、多価アルコール成分中の、脂環式ジオール成分が10モル%以上であるポリエステル樹脂100重量部に、さらに芳香族系ポリカーボネート樹脂1〜100重量部を混合した樹脂組成物からなる上記(1)記載のポリエステル系熱収縮性フィルム、
(5)脂環式ジカルボン酸成分が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり、脂環式ジオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノールである上記(2)〜(4)のいずれかに記載のポリエステル系熱収縮性フィルム、
を提供するものである。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムは、熱収縮性が良好で、収縮仕上がり良好であり、(長期の)保管後も耐破れ性に優れるため、熱収縮性フィルムの製造工程において、破断トラブルが少なく、高速加工が可能であり、かつ、製造後も破れの問題のない熱収縮性フィルムである。
また、本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムは、多価カルボン酸成分中に脂環式ジカルボン酸成分を含み、多価アルコール成分中に脂環式ジオール成分を含むことにより、耐破れ性を向上させることができ、耐熱性(融着開始温度)も向上させることができる。そしてさらに芳香族ポリカーボネート樹脂を配合することにより、さらに、収縮仕上がり性が向上したポリエステル系熱収縮性フィルムを得ることができる。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムは、主収縮方向の長さ15mm、主収縮方向と直交する方向の長さ100mmの短冊形状に切り出した複数の試験片を、主収縮方向と直交する方向について、チャック間距離20mm、温度23℃、引張速度200mm/分で引張試験した時の破断伸度(A)が全試験片において400%以上であり、かつ、80℃の温水に10秒間浸漬した後、23℃の水で30秒間浸漬冷却した時の主収縮方向の収縮率が30〜70%であるポリエステル系熱収縮性フィルムであることを要する。
主収縮方向と直交する方向について、破断伸度(A)が400%以上であることは、熱収縮性フィルムの製造工程において、流れ方向の強度が強く熱収縮性フィルムの破断トラブルが少なく、高速加工が可能であるために必要であり、破断伸度(A)は500%以上であることが好ましい。
また、80℃温水浸漬後、冷却した時の主収縮方向の収縮率が30〜70%であることは、熱収縮性が良好であり、ペットボトルやガラス瓶など容器等への包装後の収縮仕上がりが良好であるために必要な条件であり、40%〜70%であることがより好ましい。該収縮率が70%以上であると、フィルムにしわや歪みなどが発生して収縮仕上がりが悪くなる。
そして、本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムは、温度35℃、相対湿度50%の雰囲気下に2週間保管した後、前記と同じ形状に切り出した複数の試験片を、前記と同じ条件で引張試験をした時の破断伸度(B)が前記破断伸度(A)平均値の90%以上の値である試験片数が、全試験片数の80%以上であることを要する。
温度35℃、相対湿度50%の雰囲気下に2週間という保管条件は、経時の破断伸度(耐破れ性)評価の促進試験であり、特に35℃という保管温度はポリエステル系熱収縮性フィルムの通常の保管温度上限である25℃に比し、厳しい条件である。
かかる条件での保管後の引張試験における破断伸度(B)が破断伸度(A)平均値の90%以上の値である試験片数が、全試験片数の80%以上であれば、熱収縮性フィルムの製造工程において、長手>流れ方向の強度が強く熱収縮性フィルム帯の破断トラブルがほとんどなくなって、薄肉化や高速加工が可能であり、また、製造後も破れの問題のないポリエステル系熱収縮性フィルムとなり得る。ポリエステル系熱収縮性フィルムの製造から、熱収縮性フィルムの製造・加工、容器への包装までの各段階で時間が経過しても破断トラブルの少ないものとなる。無論、破断伸度(B)が破断伸度(A)平均値の90%以上の値である試験片が100%に近くなるほど好ましい。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムは、多価カルボン酸成分中の脂環式ジカルボン酸成分を5モル%以上とし、多価アルコール成分中の脂環式ジオールを10モル%以上とすることで、耐破れ性を向上させることができる。
上記脂環式ジカルボン酸成分に用いられる脂環式ジカルボン酸化合物としては特に限定されないが、例えば1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体などが好適に挙げられる。これらの中で1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が収縮性と耐熱性の観点から特に好ましい。更に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体のトランス/シス異性体比は、トランス体が80モル%以上であることが耐熱性の観点から好ましい。
また、上記脂環式ジオール成分に用いられる脂環式ジオール化合物としては特に限定されないが、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等が例示され、これらの中で1,4−シクロヘキサンジメタノールが特に好適に使用される。更に、1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス/シス異性体比は、トランス体が50モル%以上であることが耐熱性の観点から好ましい。
これら脂環式ジカルボン酸成分および脂環式ジオール成分は、結晶性のエチレンテレフタレート等からなるポリエステルの結晶性を乱して非晶化度合いを高める。それぞれを上記所定モル%以上含有させることで、本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムに要請される耐破れ性を向上させることができる。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムにおいて、上記のようにポリエステルの多価カルボン酸成分として脂環式ジカルボン酸成分を含有させることが好ましいが、他の多価カルボン酸成分を含むことができる。
他の多価カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸成分を多く含むものであることが好ましい。芳香族ジカルボン酸成分を構成する芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体などが例示され、これらの中でテレフタル酸が、特にジオール成分としてエチレングリコールなどを用いたときに高い結晶性となるためポリエステル系熱収縮性フィルムに十分な強度を確保させるので特に好ましい。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムにおいて、脂環式ジカルボン酸成分が非晶化度合いを高めて収縮特性、収縮仕上がり性、耐破れ性などの所望の効果を発現するためには、多価カルボン酸成分中5モル%以上であることを要するが、それら効果を一層よく発現させるためには、10モル%以上であることが好ましい。ただし、脂環式ジカルボン酸成分が多くなり過ぎると、透明性が低下したり、シール性が低下する等の不具合が生じることがあるため、60モル%以下に抑えることが好ましい。
さらに、芳香族ジカルボン酸成分を含有させる場合、脂環式ジカルボン酸成分と芳香族ジカルボン酸成分の合計量は多価カルボン酸成分の全量に対して80モル%以上であることが収縮仕上がりの観点から好ましい。
さらに、本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムに用いることのできるポリエステル樹脂において、上記したジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸化合物も、本発明の効果を損なわない範囲で共重合されていてもよい。かかる多価カルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが例示される。
また、本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムにおいて、上記のようにポリエステルの多価アルコール成分として脂環式ジオール成分を含有させることが好ましいが、他の多価アルコール成分を含むことができる。
他の多価アルコール成分としては、脂肪族ジオール化合物を主成分として用いることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール等が例示され、これらの中でエチレングリコールが好適に使用される。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムにおいて、脂環式ジオール成分が非晶化度合いを高めて収縮特性、収縮仕上がり性、耐破れ性などの所望の効果を発現するためには、多価アルコール成分中10モル%以上含有されることを要するが、それらの効果を一層よく発現させるためには、20モル%以上であることが好ましい。ただし、脂環式ジオール成分が多くなり過ぎると、フィルムの収縮率が必要以上に高くなったり、透明性が低下したり、シール性が低下する等の不具合が生じることがあるため、60モル%以下に抑えることが好ましい。
また、本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムに用いることのできるポリエステル樹脂において、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオール;グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸;ステアリン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分;トリカルバリル酸、ヘキサントリカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリオール、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセロールなどの3官能以上の多官能成分;が共重合されていてもよい。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムに用いることのできる上記ポリエステル樹脂は、直接重合法、エステル交換法など、ポリエステル樹脂の慣用の製造方法により、回分式又は連続式によって製造することができる。
重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断されてペレット状とされる。さらに、この重縮合後のペレットを加熱処理して固相重縮合させることにより、更に高重合度化させ得ると共に、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化することもできる。
前記製造方法において、エステル化反応は、必要に応じて、例えば、三酸化二アンチモンや、アンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル化反応触媒の存在下でなされ、エステル交換反応は、必要に応じて、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル交換反応触媒の存在下でなされる。
また、重縮合反応は、例えば、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、及びこれらのエステルや有機酸塩等の燐化合物の存在下、及び、例えば、三酸化二アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等の金属酸化物、或いは、アンチモン、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩や有機金属化合物等の重縮合触媒の存在下でなされる。
これらの重縮合触媒のうち、特に、テトラブトキシチタネート、三酸化二アンチモン、二酸化ゲルマニウムから選択される1種以上が好適に使用される。
また、重合過程での消泡を促進するため、シリコーンオイル等の消泡剤を添加することもできる。
本発明で使用されるポリエステル樹脂は、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1対1)の混合溶媒中、30℃で測定した固有粘度が、通常0.4〜1.5dl/gの範囲であることが好ましい。0.4dl/g以上であると十分な機械的特性が得られ、また1.5dl/g未満であると成形が容易である。これらの観点から、上記条件での固有粘度は0.6〜1.2dl/gの範囲であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムは、後述のように公知の方法で得ることができるが、上記の多価カルボン酸成分および多価アルコール成分をポリエステル樹脂成分としてフィルム中に含有させるための方法としては、目標組成となるようにそれら各成分を配合し共重合を行って、単一のポリエステル樹脂を得る共重合方式と、異なる組成のホモポリエステルあるいは共重合ポリエステルである複数の原料ポリエステル樹脂を準備し、これらを目標組成となる比率で混合してポリエステル樹脂を得るブレンド方式とのいずれの方法であってもよい。これらのうち、ブレンド方式は、ブレンド比率を変更するだけでフィルムの組成を容易に変更でき、多品種のフィルムの工業生産にも対応できるという利点がある。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムは、上記してきたポリエステル樹脂100重量部に対して、芳香族系ポリカーボネート樹脂1〜100重量部を含む樹脂組成物をフィルム化することにより、前記のポリエステル樹脂の特性に加え、さらに収縮仕上がりが向上したポリエステル系熱収縮性フィルムを得ることができる。芳香族系ポリカーボネート樹脂は、2重量部以上含有するのが好ましく、上限は好ましくは60重量部、更に好ましくは50重量部である。上記範囲を超えると延伸が困難となる。
ここで芳香族系ポリカーボネート樹脂としては特に限定されないが入手のし易さ等の観点からビスフェノール型ポリカーボネート樹脂が好ましい。
なお、ポリエステル樹脂と芳香族系ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物は、ポリエステル樹脂と芳香族系ポリカーボネート樹脂を混合することのほか、それぞれのオリゴマーを製造しておき、それらを重縮合させることにより共重合体樹脂として得ることもできる。
本発明において、前記ポリエステル樹脂もしくはポリエステル樹脂/芳香族系ポリカーボネート樹脂の樹脂組成物は、熱収縮性フィルムにした際に、耐ブロッキング性および易滑性を付与できるという点から、無機および/または有機の微粒子を含有していることが好ましい。該微粒子の含有量はフィルム全体に対して、0.005〜1重量%の範囲であることが好ましく、さらには0.01〜0.6重量%の範囲、特には0.02〜0.5重量%の範囲であることが好ましい。
無機微粒子としては、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、弗化リチウム、カーボンブラック、及び、ポリエステル重合時のアルカリ金属、アルカリ土類金属、燐化合物等の触媒等に起因する析出物等が、又、有機微粒子としては、例えば、各種架橋ポリマー等が挙げられる。
これらの微粒子の平均粒子径としては、前述した効果の観点から、0.5〜10μmの範囲であることが好ましく、さらには1〜8μmの範囲、特には1〜5μmの範囲である。なお、ここで平均粒子径とは、レーザー回折法、動的光散乱法等の電磁波散乱法、遠心沈降式等の光透過法などの方法で測定した50%体積平均粒子径(d50)を意味するが、測定方法によって差異が生じる場合は、レーザー回折法による値を用いる。
また、該微粒子の混合方法としては特に限定されず、ポリエステル樹脂の重合過程で添加することもできるし、樹脂組成物を用いる場合にはその組成物製造の過程や、更に熱収縮性フィルム成形の過程で混合することもできる。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムに用いる樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに他の樹脂を混合していてもよい。例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,これらの無水マレイン酸変性物,アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等である。
さらに、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、チオエーテル系の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系等の光安定剤、無機系または有機系の結晶核剤、分子量調整剤、耐加水分解剤、帯電防止剤、滑材、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃補助剤、発泡剤、着色剤、分散助剤などの添加剤を含有していてもよい。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムの製造は、従来公知の方法で行うことができ、特に限定されないが、例えば前記ポリエステル樹脂又は前記樹脂組成物をあらかじめ200〜300℃の温度で溶融押出しカッティングしてペレット状とし、次いで該ペレットを200〜300℃の温度で溶融押出し熱収縮性フィルムの製造を行うこともできる。また、前記ポリエステル樹脂又は前記樹脂組成物を200〜300℃の温度で溶融押出し、直接、熱収縮性フィルムを製造することもできる。
押出し方法としては、特に限定されず、Tダイ法、チューブラー法等を用いることができる。
Tダイ法の場合には、押出し後、表面温度が15〜80℃のキャスティングドラム上で急冷し、厚さ30〜300μmの未延伸フィルムを形成する。そして、加熱縦延伸ロールを使用し、ロール温度60〜120℃、延伸倍率1.0〜1.3倍、好ましくは1.0〜1.1倍の条件下、未延伸フィルムを延伸する。次いで、テンターを使用し、延伸温度60〜120℃、延伸倍率1.7〜7.0の条件下、上記の一軸延伸フィルムを延伸した後、55〜100℃の温度で熱処理して巻き取る。ここで、上記の延伸温度については、80℃の温水に10秒間浸漬した後、23℃の水で30秒間浸漬冷却した時の主収縮方向の収縮率が30%以上、好ましくは40%〜70%となるように適宜決めればよい。
なお、製膜の原料としてはリサイクル原料を使用することもできる。すなわち、本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムに好適に用いることのできるポリエステル系樹脂もしくは樹脂組成物を原料としてシート、フィルム、繊維、成形容器、ボトル等を成形加工する際に発生する端材、あるいは本発明に係る樹脂組成物を一旦溶融してペレット状にしたものも原料として用いることができる。
本発明のポリエステル系熱収縮性フィルムの厚さは10〜100μmの範囲であることが好ましい。該ポリエステル系熱収縮性フィルムの厚さが10μm以上であると二次加工が容易であるという利点があり、100μmを超えるフィルムは加工性に劣る傾向がある。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されるものではない。
各実施例及び比較例で用いるポリエステル樹脂の組成分析及び固有粘度の測定は以下の方法で行った。
(ポリエステル樹脂の組成分析)
ポリエステル樹脂溶液試料を、核磁気共鳴装置(NMR)により1Hをモニターすることにより分析し、ジカルボン酸成分に関しては全ジカルボン酸成分に対するモル%を、ジオール成分に関しては全ジオール成分に対するモル%を求めた。
(固有粘度(dl/g)の測定)
ポリエステル樹脂約0.25gを、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒約25mlに1.0重量%となるように110℃で溶解させた後、30℃まで冷却し、全自動溶液粘度計(中央理化製「2CH型DJ504」)にて30℃で測定した。
各実施例及び比較例で製造されるポリエステル系熱収縮フィルムについて、以下の方法で評価を行った。
(評価方法)
(1)80℃収縮率
各実施例又は比較例におけるフィルムを、延伸方向(主収縮方向)に70mm、これに対する直交方向に10mmの大きさに切り取り試料を作成した。試料の延伸方向に50mm間隔の標線を付し、80℃の温水浴に10秒間浸漬させ、その後30秒間23℃の冷水に浸漬した後の標線間隔(D)を測定し、下式(1)により80℃収縮率を算出した。
「80℃収縮率」(%)=100×(50−D)/50 ・・・式(1)
(2)収縮仕上がり
各実施例又は比較例にて得られたフィルムを延伸方向が横方向となるよう円筒状にし、水を充填した350mLのペットボトルにフィルムをかぶせて、80〜90℃に調整した蒸気シュリンクトンネルを5秒間通過させた後の収縮状態を観察し、以下の基準で判定した。
○:収縮ムラやしわの無いきれいな外観
△:収縮ムラやしわが僅かにある外観
×:収縮ムラやしわが著しい外観
(3)破断伸度
各実施例又は比較例におけるフィルムを、主収縮方向の長さ15mm、主収縮方向と直交する方向の長さ100mmの短冊形状に切り出した10枚以上の試験片を、主収縮方向と直交する方向について、チャック間距離20mm、温度23℃、引張速度200mm/分で引張試験を行った。
(4)融着開始温度
フィルムを60mm(主収縮方向)×300mm(直交方向)に切り出し、2枚のフィルムを重ねてテスター産業(株)製「TP−701−A型ヒートシールテスター」にて測定した。温度設定を70〜170℃の範囲で5℃刻みで行い、各温度で圧力0.1MPa×1分間加圧後、融着の有無を確認し、融着が生じる最低温度である融着開始温度を求めた。
(ポリエステル樹脂)
各実施例及び比較例で用いた原料ポリエステル樹脂について、以下説明する。
(1)ポリエステル樹脂1(PET1)
以下に記載する製造例1の方法にて、ポリエステル樹脂を製造した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(以下、「CHDA」と略記する。)であり、ジオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下、「CHDM」と略記する。)であるポリエステル樹脂であった。また、該ポリエステル樹脂の固有粘度を上記方法で測定した結果、0.98dl/gであった。
製造例1
攪拌機を備えた反応槽、及びペレット化装置を備えた回分式重合装置に、トランス体含量98%のCHDA18.4kg(107モル)と、トランス体含量70%のCHDM15.6kg(108モル)、及びテトラ−n−ブチルチタネートの6%ブタノール溶液870mlを仕込み、窒素フロー下で150℃まで加熱した後、200℃まで昇温した。その後200℃で1時間保持し、エステル化反応を行った後、200℃から250℃へ昇温しつつ徐々に反応器内を減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器槽圧力0.1kPa、反応温度250℃で2.2時間重縮合後、得られたポリエステル樹脂をストランド状に水中に抜き出した後、ペレット状にカッティングした。
(2)ポリエステル樹脂2(PET2)
イーストマン・ケミカル社製「EASTAR PETG Copolyester6763」を使用した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がテレフタル酸(以下、「TPA」と略記する。)であり、ジオール成分は、エチレングリコール(以下、「EG」と略記する。)が全ジオールに対して68モル%、CHDMが全ジオールに対して32モル%であるポリエステル樹脂であった。また、該ポリエステル樹脂の固有粘度を上記方法で測定した結果、0.78dl/gであった。
(3)ポリエステル樹脂3(PET3)
イーストマン・ケミカル社製「EMBRACE Copolyester」を使用した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がTPAであり、ジオール成分は、EGが全ジオールに対して72モル%、CHDMが全ジオールに対して20モル%、ジエチレングリコール(以下、「DEG」と略記する。)が全ジオールに対して8モル%であるポリエステル樹脂であった。また、該ポリエステル樹脂の固有粘度を上記方法で測定した結果、0.83dl/gであった。
(4)ポリエステル樹脂4(PET4)
以下に記載する製造例2の方法にて、ポリエステル樹脂を製造した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分は、TPAが全ジカルボン酸に対して70モル%、イソフタル酸(以下、「IPA」と略記する。)が全ジカルボン酸に対して30モル%であり、ジオール成分がEGであるポリエステル樹脂であった。また、該ポリエステル樹脂の固有粘度を上記方法で測定した結果、0.81dl/gであった。
製造例2
スラリー調製槽、エステル化反応槽、重縮合槽、及びペレット化装置を備えた回分式重合装置を用い、TPAとIPAの混合物(モル比4:1)とEGのエステル化反応物50kgを入れたエステル化反応槽に、予めスラリー調製槽にて調製したTPA30.2kg(182モル)、IPA13.0kg(78モル)及びEG19.4kg(313モル)(ジカルボン酸とジオールのモル比は1:1.2)のスラリーを連続的に添加してエステル化反応を行った。エステル化反応は、反応温度250℃、常圧の条件下、エステル化反応触媒としてポリエステル樹脂の理論収量に対して200重量ppmの三酸化アンチモンを添加し、生成する水を連続的に留出させながら、反応率95%に達するまでエステル化反応を行った。エステル化反応終了後、エステル化反応物の50kgをエステル化反応槽に残し、エステル化反応物を重縮合槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応物が移送された重縮合槽に、安定剤として正リン酸を添加し、重合触媒として酢酸コバルトと三酸化二アンチモンを添加した(何れもEG溶液として添加)。正リン酸、酢酸コバルト、三酸化二アンチモンの添加量はそれぞれ、ポリエステル樹脂の理論収量に対して、60重量ppm、150重量ppm、200重量ppmとした。
その後、常圧から1mmHgまで減圧すると共に、内温を約250℃から約280℃まで上昇させ、EGを留出させながら溶融重縮合反応を行った。減圧開始後4時間経過したところで復圧し、重縮合反応を終了した。重縮合槽を復圧後、槽下部よりポリエステル樹脂をストランド状に水中に抜き出した後、ペレット状にカッティングした。
(5)ポリエステル樹脂5(PET5)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバドュラン5008」を使用した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がTPAであり、ジオール成分が1,4−ブタンジオール(以下、「BD」と略記する。)であるポリエステル樹脂であった。また、該ポリエステル樹脂の固有粘度を上記方法で測定した結果、0.85dl/gであった。
(6)ポリエステル樹脂6(PET6)
以下に記載する製造例3の方法にて、ポリエステル樹脂を製造した。該ポリエステル樹脂について、上述の方法で組成分析を行った結果、ジカルボン酸成分がTPAであり、ジオール成分が、EGが全ジオールに対して88モル%、CHDMが全ジオールに対して12モル%であるポリエステル樹脂であった。また、該ポリエステル樹脂の固有粘度を上記方法で測定した結果、0.78dl/gであった。
製造例3
スラリー調製槽、エステル化反応槽、重縮合槽、及びペレット化装置を備えた回分式重合装置を用い、TPAとEGのエステル化反応物50kgを入れたエステル化反応槽に、予めスラリー調製槽にて調製したTPA43.2kg(260モル)とEG19.4kg(313モル)(ジカルボン酸とジオールのモル比は1:1.2)のスラリーを連続的に添加してエステル化反応を行った。エステル化反応は、反応温度250℃、常圧の条件下、エステル化反応触媒を用いず、生成する水を連続的に留出させながら、反応率95%に達するまで行った。エステル化反応終了後、エステル化反応物の50kgをエステル化反応槽に残し、エステル化反応物を重縮合槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応物が移送された重縮合槽に、EGに溶解させたトランス体含量70%のCHDM4.5kg(31.2モル)を添加し、攪拌混合した。次いで安定剤としてエチルアシッドフォスフェートを添加し、重合触媒として酢酸コバルトとテトラ−n−ブチルチタネートを添加した(何れもEG溶液として添加した)。エチルアシッドフォスフェート、酢酸コバルト、テトラ−n−ブチルチタネートの添加量はそれぞれ、ポリエステル樹脂の理論収量に対して、12重量ppm、24重量ppm、Ti原子として3重量ppmとした。
その後、常圧から1mmHgまで減圧すると共に、内温を約250℃から約270℃まで上昇させ、EGを留出させながら溶融重縮合反応を行った。減圧開始後4時間経過したところで復圧し、重縮合反応を終了した。重縮合槽を復圧後、槽下部よりポリエステル樹脂をストランド状に水中に抜き出した後、ペレット状にカッティングした。
実施例1
ポリエステル樹脂PET1を10重量部、ポリエステル樹脂PET2を90重量部配合し、東芝機械製「TEM58mm」押出機により、幅200mmのTダイ口金から、真空ベントを引きつつ時間吐出量8kgにて冷却ロール上に押出し、幅150mm、厚さ0.20mmのシートを得た。その後、上記シートをT.M.Long社製「フィルムストレッチャー」を標準仕様にて使用し、延伸温度82℃、延伸速度3000%/分でキャスティング押出方向に対して、垂直方向に4倍延伸を行い、厚さ50μmの熱収縮性フィルムを得た。該熱収縮性フィルムについて、上記方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜実施例3、比較例1〜5
表1に示す配合量にてポリエステル樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂を配合し、実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを得、同様に評価した。結果を表1に示す。なお、各実施例及び比較例におけるフィルムからなる試験片を用い特定条件で測定した破断伸度(A)は全試験片において400%以上であった。
Figure 2005171180

Claims (5)

  1. 主収縮方向の長さ15mm、主収縮方向と直交する方向の長さ100mmの短冊形状に切り出した複数の試験片を、主収縮方向と直交する方向について、チャック間距離20mm、温度23℃、引張速度200mm/分で引張試験した時の破断伸度(A)が全試験片において400%以上であり、かつ、80℃の温水に10秒間浸漬した後、23℃の水で30秒間浸漬冷却した時の主収縮方向の収縮率が30〜70%であるポリエステル系熱収縮性フィルムであって、
    温度35℃、相対湿度50%の雰囲気下に2週間保管した後、前記と同じ形状に切り出した複数の試験片を、前記と同じ条件で引張試験をした時の破断伸度(B)が前記破断伸度(A)平均値の90%以上の値である試験片数が、全試験片数の80%以上であることを特徴とするポリエステル系熱収縮性フィルム。
  2. ポリエステル系熱収縮性フィルムにおいて、多価カルボン酸成分中の脂環式ジカルボン酸成分が5モル%以上であり、多価アルコール成分中の脂環式ジオール成分が10モル%以上である請求項1記載のポリエステル系熱収縮性フィルム。
  3. 多価カルボン酸成分中の脂環式ジカルボン酸成分が10〜60モル%であり、多価アルコール成分中の脂環式ジオール成分が20〜60モル%である請求項2記載のポリエステル系熱収縮性フィルム。
  4. 少なくとも、多価カルボン酸成分中の脂環式ジカルボン酸成分が5モル%以上であり、多価アルコール成分中の、脂環式ジオール成分が10モル%以上であるポリエステル樹脂100重量部に対して、芳香族系ポリカーボネート樹脂1〜100重量部を含む樹脂組成物からなる請求項1記載のポリエステル系熱収縮性フィルム。
  5. 脂環式ジカルボン酸成分が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり、脂環式ジオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノールである請求項2〜4のいずれかに記載のポリエステル系熱収縮性フィルム。

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