JP2005170686A - カリ肥料の製造方法 - Google Patents

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Tatsuto Takahashi
達人 高橋
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Abstract


【課題】 カリ原料の使用量を抑えながら必要とされるカリ分が確保された、安価な緩効性カリ肥料の製造方法を提供する
【解決手段】 炭素を含有する溶銑(溶融金属)1上で、CaO、Al、MgO、FeO、Feから選ばれた1種または2種以上の成分とSiOとを含む脱珪スラグ(溶融スラグ)2にカリ原料を添加して珪酸カリ肥料を溶製するカリ肥料の製造方法において、溶銑1の表面1mあたりの脱珪スラグ2の量を100kg以上とした状態で、脱珪スラグ2にカリ原料を投入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水には溶けないがクエン酸には溶解するカリ分(以下、このカリ分を「ク溶性カリ」という)を含み、緩効性を示すカリ肥料の製造方法に関する。
ク溶性カリ化合物としては〔KO・Al・2SiO〕〔KO・(Al、Fe)・2SiO〕、〔KO・MgO・SiO〕、〔KO・CaO・SiO〕等の組成を有するものが知られており、これらク溶性カリ化合物を生成させて、ク溶性カリ化合物を含むカリ肥料を製造する方法については、多くの方法が提案されている。
たとえば、特許文献1には、溶融金属の存在下でCaO、MgO、Al、Feよりなる群から選ばれた1種または2種以上の成分とSiOを含有する原料溶融物にカリ原料を添加してこれらを融合させ、それを冷却固化してカリ肥料を製造する方法が開示されている。ここで、肥料取締法によれば、この方法で製造する肥料成分はク溶性カリ(c−KO)が20mass%以上、可溶性SiOが25mass%以上、アルカリ分が15mass%以上、ク溶性MnOが2mass%以上と定められている。このため、特許文献1には、原料溶融物にSiO分が不足する場合には、珪砂、フライアッシュ、ごみ焼却灰等のSiO分を多く含むものを添加して、成分調整を行うことが開示されている。また、特許文献1には、高炉から出銑された溶銑を脱珪処理した際に生じる脱珪スラグを原料溶融物として使用できることも開示されている。なお、同様の方法でク溶性カリ化合物を生成させることのできるものとして、高炉スラグ、電気炉スラグ、転炉スラグ等がある。
これらのスラグ類は、SiO、MgO、Al、Fe等の成分を含んでいる上に排出時には溶融状態であるので、この溶融状態のスラグ類にカリ原料を添加すれば、ただちにカリ原料が溶融、分解して、ク溶性カリ化合物の生成反応が開始される。カリ原料としては炭酸カリ、重炭酸カリ、硫酸カリ等のカリ塩、カリ長石等のカリ含有鉱物が使用される。
たとえば、溶銑の脱珪処理では、処理容器中の溶銑に酸素ガス、焼結鉱粉等、酸素を含有する物質を添加しながら、溶銑を攪拌する。この処理により、溶銑上に溶融した脱珪スラグが生成する。この脱珪スラグには、溶銑から除去された珪素(Si)がSiOの形で多く含まれる。その中に炭酸カリ等のカリ原料を添加し、一定時間、攪拌し、カリと脱珪スラグを均一混合する。こうして生成したカリ添加スラグ(以下「カリスラグ」という)は溶融状態で排出され、冷却された後、粉砕されてカリ肥料の原料に供される。
このようなカリ肥料の製造においてコスト的に大きな部分を占めるのは、炭酸カリ等のカリ原料の費用である。上述した溶融金属上でカリ肥料を製造する場合には、コスト面から高価なカリ原料の使用量を規格範囲内でできるだけ少なくして、かつ、ク溶性カリ(c−KO)を必要濃度近辺で安定させることが強く望まれている。
しかし、たとえば、溶銑の脱珪処理においては、脱珪処理前の溶銑の成分、脱珪処理前のスラグ量やスラグ成分、あるいは脱珪処理中のスラグフォーミングに伴うスラグの処理容器外への噴出等により、実際のカリ原料添加前の条件が大きく変動する。また、溶銑の脱珪処理では、高炉から出る溶銑成分(特にSi)が変動するために、脱珪処理前のスラグ量が大幅に変化する。ここで、スラグ量が少ない場合にはカリ原料と溶銑とが直接に接触する機会が増えるために、炭酸カリの蒸発ロスが多くなってカリ歩留が悪化する。さらに、スラグ成分が安定しない状態でカリ分を確保するためにはカリ分の設定を高めにせざるを得ず、つまりカリ原料の投入量を多くせざるを得ず、これによりカリ原単位が高くなる。さらにまた、カリ分を増加させると、水溶性カリ(w−KO)の割合が上昇し、逆に緩効性カリ(つまり、ク溶性カリ(c−KO))分が減少するために、本来の緩効性肥料の目的に適さないものとなる。すなわち、水溶性カリ(w−KO)が高い場合には、この水溶性カリ(w−KO)が雨や農業用水により短期間に溶けて流れ出てしまうために、緩効性が失われるようになる。
特開平9−278568号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、カリ原料の使用量を抑えながら、必要とされるカリ分を確保することができる緩効性のカリ肥料の製造方法を提供することを目的とする。
たとえば、溶銑中のSiを除去する脱珪処理の場合は、溶銑中のSi量(以下、「溶銑Si」という)が多ければ除去されるSi量も増え、これによりスラグ(脱珪スラグ)量が増える。しかし、実操業のなかでは、脱珪処理前の溶銑Siはかなり変動し、結果としてスラグの量およびその中の生成SiO量も変動する。一方、溶銑の中には4〜5mass%程度のCが含まれている。この場合、カリ原料投入前のスラグ量が少ないと上述のように溶銑中のC成分とカリ原料とが直接接触し、KO+C→K(gas)+COというカリ蒸発反応を生じてしまい、カリ歩留が低下する。
そこで、本発明では、カリ原料添加前のスラグ量を多くして、カリ原料が溶融金属中のCと接触し難い状態をつくることにより、カリ原料の使用量を抑制しながら、カリ分が確保されたカリ肥料を製造する。
つまり、本発明は以下の(1)〜(4)の発明を提供する。
(1)炭素を含有する溶融金属上で、CaO、Al、MgO、FeO、Feから選ばれた1種または2種以上の成分とSiOとを含む溶融スラグにカリ原料を添加して珪酸カリ肥料を溶製するカリ肥料の製造方法であって、
前記溶融金属の表面1mあたりの前記溶融スラグの量を100kg以上とした状態で前記溶融スラグに前記カリ原料を投入することを特徴とするカリ肥料の製造方法。
(2)上記(1)のカリ肥料の製造方法において、前記珪酸カリ肥料はク溶性カリ(c−KO)を15mass%以上含み、SiOと全KO(t−KO)との質量比(SiO/t−KO)が1.3以上であり、かつ、(CaO+MgO)とSiOの質量比((CaO+MgO)/SiO)が0.4以上である、カリ肥料の製造方法。
(3)上記(2)のカリ肥料の製造方法において、前記SiO/t−KO(質量比)を1.6以上とするカリ肥料の製造方法。
(4)上記(2)および上記(3)のカリ肥料の製造方法において、前記(CaO+MgO)/SiO(質量比)を0.5以上とするカリ肥料の製造方法。
上記(1)のカリ肥料の製造方法に示されるように、カリ原料投入前の溶融スラグ量を100kg/m以上とした場合には、たとえば70kg/mとした場合と比べて、カリ歩留を2〜4割向上させることができる。また、上記(1)の溶融スラグが元々存在していたスラグにスラグ量調整材を加えたものである場合には、このスラグ量調整材としては、カリ肥料の組成、すなわちSiO、CaOを主体とするものが望ましく、20mass%程度までであれば、FeOやMnOが含有されていても差し支えない。また、スラグ量調整材は、その成分があまり変動しないことが望ましい。上記(2)の組成を得るためには、スラグ量調整材にはSiOが50mass%以上含まれていることが望ましい。
カリ肥料中の水溶性カリ(w−KO)を低下させるためには共存するSiO量を上げることが有効である。溶銑Siが多ければ、脱珪処理により生成する脱珪スラグ中のSiO量は多くなる。しかし実際操業では、溶銑Siはかなり変動し、結果として脱珪スラグ中のSiO量も変動する。このため、安定して脱珪スラグ中のSiO量を高位にするには、脱珪処理前の溶銑Siに応じて脱珪処理中にSiO源を投入することが有効である。また、水溶性カリ(w−KO)は全カリ(t−KO)の影響を大きく受けるために、本発明では水溶性カリ(w−KO)を低位に安定させるため、全カリ(t−KO)に対するSiOの適正範囲を上記(2)好ましくは上記(3)のように定めた。つまり、SiO量を全カリ(t−KO)の1.3倍以上、望ましくは1.6倍以上の範囲とすることで、水溶性カリ(w−KO)を5mass%以下の低位に安定させることが可能となる。また、SiOの可溶率対策、すなわち、SiOの可溶率の大幅な低下をもたらさないように、CaOの適正範囲下限として、(CaO+MgO)/SiO(質量比)を上記(2)のように0.4以上とし、望ましくは上記(4)のように0.5以上に調整する。
本発明によれば、カリ原料の使用量を抑えることができるために、安価に、水溶性カリ(w−KO)の生成を抑制した緩効性のカリ肥料を得ることができる。
図1は高炉から出銑された溶銑の脱珪工程でカリ肥料を製造するための概略略の製造設備を示す説明図である。図1において、符号1は溶銑、符号2は生成した脱珪スラグ(脱珪処理前は溶融スラグ)、符号3は処理容器、符号4は攪拌用ランス、符号5は酸素ガス吹き用ランス、符号6はCaO含有粉原料タンク、符号7は温度調整のために添加する焼結鉱のホッパー、符号8はカリ原料のホッパー、符号9は量調整材のホッパー、符号10は原料投入シュート、である。
高炉(図示せず)から出銑された溶銑は、そのまま、あるいは事前に除滓されて、図1に示される脱珪処理設備に到着する。予め脱珪処理前の処理容器3のスラグ量を計測することは非常に困難なため、明らかな条件、すなわち溶銑Si、湯面高さ等から推定でカリ原料や量調整材の添加量を決める。そして、まず、溶銑Siに応じて脱珪するために必要な酸素ガス量を決め、攪拌用ランス4の先端からガスおよび必要であればCaO含有粉原料タンク6から供給されるCaO成分調整材をインジェクションし、溶銑1を攪拌しながら酸素ガス吹き用ランス5から酸素ガスを溶銑1に吹きつけて、下記式で表される脱珪反応を生じさせる。
脱珪反応:Si(溶銑)+O(gas)→SiO
この脱珪反応で生成するSiOは、脱珪スラグ2の主成分たるSiOとなる。この脱珪反応の途中では、必要に応じて、温度調整のために焼結鉱等の酸素含有物を焼結鉱ホッパー7から脱珪スラグ2に添加する。また、処理容器3から脱珪スラグ2がこぼれないように、ホッパー9からの量調整材(つまり、SiO源)の脱珪スラグ2への添加量調整等を行い、これにより脱珪速度を調整する。これは、量調整材を脱珪スラグ2に添加した後にスラグフォーミングにより処理容器3外に脱珪スラグが噴出すると、投入した量調整材も噴出した脱珪スラグと共に処理容器3外に出てしまって、SiO量(つまり、SiO含有率)の調整ができなくなり、しかも、カリ原料添加後の成分調整に誤差を生じることとなる、からである。
量調整材としては、SiO純分が50mass%以上であるものを用いることが好ましい。脱珪スラグ2に添加した量調整材はすぐには脱珪スラグ2に溶解することができない。このため、量調整材の溶解時間を確保するために脱珪速度を調整する必要があるが、脱珪処理時間をむやみに長くすることは、脱珪処理自体の処理能率を低下させることとなるために、現実的ではない。このため、量調整材の速やかな脱珪スラグ2への溶解が必要とされる。
量調整材の脱珪スラグ2への溶解速度はその粒度によって大きく変化する。図2は量調整材の脱珪スラグ2への投入時の粒度(つまり、量調整材の原料粒度)とその溶解速度との関係を示す説明図である。量調整材の投入平均粒度が5mmφの場合には溶解時間4分で80%であり、7分かけても90%程度しか溶解しない。これに対して、量調整材の投入平均粒度が3mmφ以下の材料の場合には4分でほぼ100%溶解できることがわかる。このため本発明では平均粒度を3mmφ以下と細かくした量調整材を使用する。これにより短い溶解時間で量調整材を脱珪スラグ2に溶解することができ、脱珪処理を効率的に進めることができる。
生成する脱珪スラグ2の量は主に溶銑Siに比例して増加する。このためSiO源となる量調整材の量は、脱珪処理前の溶銑Si別に定め、カリ原料添加前の脱珪スラグ量とそのSiO含有率が一定になるようにする。図3はカリ原料投入前の溶銑の単位表面積あたりの脱珪スラグ量とカリ歩留指数を示す説明図である。図3から、カリ原料投入時の脱珪スラグ量を増加させることでカリ歩留を上げることができることがわかる。なお、カリ歩留指数は、単位表面積あたり70kg(70kg/m)のときの歩留を1として求められている。
脱珪処理の末期に量調整材を脱珪スラグ2に添加することにより、脱珪処理前の溶銑Siが低い場合でも、カリ原料投入時点での脱珪スラグ量を多いレベルで安定させることができる。これにより、溶銑Siの変動によらずに脱珪スラグ量を高位に安定させて、カリ原料と溶銑の直接接触によるカリの蒸発ロスを低減し、カリ歩留を高位に安定させることができる。なお、カリ原料添加前の脱珪スラグ量は、具体的には溶銑表面積当たり100kg/m以上であることが好ましく、さらに130kg/m以上に保つことがより好ましい。
図4は脱珪スラグ量の違いによる全カリ(t−KO)のばらつきの違いを示す説明図である。先に図3を参照しながら説明したように、脱珪スラグ量を多くすることによってカリ歩留が高位に安定し、また、相対的な量のばらつきが減少するために、図4に示すように、生成するカリスラグ中の全カリ(t−KO)をも安定させることができる。これにより、最終的なカリ肥料における組成のばらつきを考慮して全カリ(t−KO)が規定から外れないようにする余裕分を下げることができ、製造コストに大きく影響するカリ原単位を低減することができる。なお、脱珪スラグ量が多い方がカリ歩留の向上には有効であるが、あまりに多過ぎると処理容器3のフリーボードを越して脱珪スラグが噴出し、かえって歩留低下を招くこととなるため、脱珪スラグ量はこのような処理容器3からの噴出が起こらない範囲に制限される。
前述したように、溶銑Si別に決められた量の量調整材を投入することにより、脱珪スラグ2におけるSiO量を調整することができるが、このとき、SiO量を全カリ(t−KO)の1.3倍以上、好ましく1.6倍以上の範囲とする。量調整材の適正な量は、処理容器3のフリーボードや平均的な脱珪処理前の脱珪スラグ量等との関係で変化する。
脱珪に必要な酸素量を溶銑1に送酸し、溶銑上に生成した脱珪スラグ2(CaO、MgO、SiO、FeOを含む)に、上部量調整材ホッパー9から量調整材を添加する。その間、攪拌ランス4からのガスによる攪拌力で量調整材を脱珪スラグ2に溶解させる。上記手順によってSiO含有率および全量が調整された脱珪スラグ2にさらにカリ原料を添加し、カリスラグを溶製する。
図5に、溶製後の全カリ(t−KO)が15〜30mass%となるようにカリスラグを製造した場合の、(SiO/t−KO)と(w−KO/t−KO)との関係を示す。また図6に、各全カリ(t−KO)含有率目標でのSiO含有率と水溶性カリ(w−KO)との関係を示す。なお、図6では、各全カリ(t−KO)含有率の線上に、SiO含有率が全カリ(t−KO)含有率の1.3倍の場合と1.6倍の場合の点がプロットされている。さらに図7に、CaO/SiO(質量比)と可溶性SiO指数との関係を示す。これら図5〜図7に示されるように、水溶性カリ(w−KO)は、共存するSiO量の影響を受け、全カリ(t−KO)にも大きく影響される。なお、水溶性カリ(w−KO)以外のカリ分の殆どはク溶性カリ(c−KO)である。つまり、全カリ(t−KO)に対して水溶性カリ(w−KO)が占める割合が少ないほど、ク溶性カリ(c−KO)が多く、肥料としての緩効性が高いものとなる。
図5に示されるように、SiO/t−KOが1.5未満の範囲では、SiO/t−KOの値が大きくなると、w−KO/t−KOの値は大幅に低下する。しかし、SiO/t−KOが1.5以上では、w−KO/t−KOはほぼ一定になることがわかる。また、図6に示されるように、SiO含有率が全カリ(t−KO)の1.3倍〜1.6倍の組成を目標に溶製すれば、水溶性カリ(w−KO)が5mass%以下のカリスラグを溶製することができる。換言すれば、全カリ(t−KO)含有率目標に応じて、必要とするSiO含有率を決定することができる。このような方法により、全カリ(t−KO)含有率が違っても、最適なSiO含有率を有するカリ肥料を得ることができるようになった。
ただし、SiO含有率を増やすように調整を行う場合には、何らの対応をしなければ、CaO/SiOが低下する。図7に示されるように、CaO/SiOが低下した場合には、SiOの可溶率の低下が生ずる。これは肥料特性として緩効性が失われるために、好ましくない。そこで、本結果から、目標とする可溶性SiO含有率にもよるが、CaO/SiOは0.4以上、好ましくは0.5以上とし、これにより可溶性SiOの含有率が大幅に低下しないようにすることが望ましい。操業的には、量調整材を必要量添加する中でSiO含有率の目標値を決め、それに対応して、攪拌用ランス4からCaO源を添加するか、あるいは処理容器3の上部よりCaOを含んだ成分調整材を脱珪スラグ2に添加等する。これにより、CaO/SiOを0.4〜0.5に調整し、可溶性SiO量の大きな低下を防止することができる。なお、脱珪スラグ中にMgOが含まれる場合には、CaO/SiOを(CaO+MgO)/SiOに置き換えて、前記条件が満たされるようにする。
本発明は水溶性カリ(w−KO)の含有率が低く、ク溶性カリ(c−KO)の含有量が高い、緩効性のカリ肥料の製造に好適である。
高炉から出銑された溶銑の脱珪工程でカリ肥料を製造するための概略略の製造設備を示す説明図。 量調整材の脱珪スラグへの投入時粒度と溶解速度との関係を示す説明図。 カリ原料投入前の溶銑の単位表面積あたりの脱珪スラグ量とカリ歩留指数を示す説明図。 脱珪スラグの量の違いによる全カリ(t−KO)のばらつきの違いを示す説明図。 SiO/t−KOとw−KO/t−KOとの関係を示す説明図。 全カリ(t−KO)含有率目標でのSiO含有率と水溶性カリ(w−KO)との関係を示す説明図。 CaO/SiOと可溶性SiO指数との関係を示す説明図。
符号の説明
1;溶銑
2;脱珪スラグ
3;処理容器
4;攪拌用ランス
5;酸素ガス吹き用ランス
6;CaO含有粉原料タンク
7;焼結鉱のホッパー
8;カリ原料のホッパー
9;量調整材のホッパー
10;原料投入シュート

Claims (4)

  1. 炭素を含有する溶融金属上で、CaO、Al、MgO、FeO、Feから選ばれた1種または2種以上の成分とSiOとを含む溶融スラグにカリ原料を添加して珪酸カリ肥料を溶製するカリ肥料の製造方法であって、
    前記溶融金属の表面1mあたりの前記溶融スラグの量を100kg以上とした状態で前記溶融スラグに前記カリ原料を投入することを特徴とするカリ肥料の製造方法。
  2. 前記珪酸カリ肥料はク溶性カリ(c−KO)を15mass%以上含み、SiOと全KO(t−KO)との質量比(SiO/t−KO)が1.3以上であり、かつ、(CaO+MgO)とSiOの質量比((CaO+MgO)/SiO)が0.4以上であることを特徴とする請求項1に記載のカリ肥料の製造方法。
  3. 前記SiO/t−KO(質量比)が1.6以上であることを特徴とする請求項2に記載のカリ肥料の製造方法。
  4. 前記(CaO+MgO)/SiO(質量比)が0.5以上であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のカリ肥料の製造方法。
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CN103739341A (zh) * 2014-01-14 2014-04-23 天津水泥工业设计研究院有限公司 一种硅钙钾肥的生产工艺和设备

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