JP2005169960A - 湿式凝固成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、エンドレスベルトを基板とする薄膜状物の湿式凝固成形プロセスにおいて、エンドレスベルトの効果的な洗浄方法と廃液量を削減できる凝固プロセスを提供することにある。
【解決手段】薄膜状物の凝固液の一部を抜き出し前処理を行なった凝固液をエンドレスベルト上に流下させることによって、ベルトの洗浄と凝固液の状態の制御の両立を実現させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、薄膜状の複合化材料の基材に適した高分子多孔質材料の湿式凝固成形方法および装置に関するもので、エンドレスベルトを成形基板とする装置の内、基板が成形物と共に凝固槽に導入される装置における湿式凝固成形方法および装置に関するものである。
従来、シート状の高分子多孔質材料の製造法としては、1)熱可塑性高分子に無機塩粉末を練り込み薄膜状に成形したのち無機塩を溶剤で溶解抽出する方法、2)無機塩等を練り込んで薄膜としたものを延伸することにより物理的に小孔を生じさせる方法、3)溶剤(溶媒)に溶解した高分子溶液を薄膜状とし、溶剤に相溶性を持ちかつその高分子素材を溶解しない他の溶剤(非溶媒)に接触させ、元の溶剤の抽出・溶剤置換により高分子素材を凝集させて得る方法などが知られている。しかし、前記1)、2)の方法は無機塩等の粉末のサイズ孔径が規制されるため微細な孔径を有する多孔質シートを得ることは困難であり、そのような微細な孔径を持つ多孔質シートを得る方法としては、3)の方法が広く用いられている。
上記3)の方法による適用例の一つとして、近年、エネルギー効率や環境性に優れた新しい発電技術として注目されている燃料電池、取り分け高分子固体電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池用途がありその展開が期待されている。高分子固体電解質膜には通常プロトン伝導性のイオン交換樹脂膜が使用されるが、プロトン伝導性以外にも燃料の水素等の透過を防ぐ燃料透過抑止性や機械的強度などの特性が必要である。このような高分子固体電解質膜としては例えば米国デュポン社製ナフィオン(商品名)に代表されるようなスルホン酸基を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー膜が知られている。
しかし、固体高分子形燃料電池の高出力化や高効率化の方策の一つとして膜厚の低減の試みがなされているが、上記のような単膜では膜厚低減に伴い機械的強度も低減する。その結果、高分子固体電解質膜と電極との一体化製造工程の実現が困難になる。また、発電時の熱、水分率変動により膜の寸法変化が生じる。こうなると、高分子固体電解質膜と電極が剥離して発電特性が低下するという問題が発生する。さらに、膜厚を低減させることで燃料透過抑止性が低下し、起電力の低下や燃料の利用効率の低下を招くなどの問題点を有していた。
そこで、機械的強度を高めるためパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー等を多孔質材料に含浸複合化させる検討が盛んに行われるようになった。複合化材料として実現するためにはこの多孔質基材を工業的に安定して、かつ安価に生産できることが非常に重要である。
薄膜状物の成形方法としては、ドクターブレード等を用いてポリマー溶液を基板上に延展する流延法と呼ばれる製膜方法の他にも、直線状スリットダイから押し出す方法や円周状スリットダイからブロー押し出しする方法、二枚の基板に挟んだポリマー溶液をローラーでプレスするサンドイッチ法、回転基板にドープを投下し基板の回転によって薄膜化するスピンコート法など、溶液を膜状に成型するあらゆる方法が使用できる。
しかし、実生産プロセスとして比較的安価でメンテナンスの面からも簡便な方法として、エンドレスベルトを成形基板とする流延法が広く用いられている。
上記エンドレス基板を用いた湿式の凝固成形装置は、一般に溶液状物の成形後、凝固液との接触により固化される。通常、成形物は凝固前の剥離が困難であるため、しばしばエンドレス基板は成形物と共に凝固槽内へ導かれ剥離される。または、エンドレス基板上で凝固液の噴霧により凝固を進行させた後、エンドレス基板と共に水洗槽内へ導かれる。剥離後のエンドレス基板は再度成形基板として使用するために、付着した成形物の残材や凝固液の洗浄、除去が必要で、エンドレスベルトの復路側に洗浄装置が設けられる。
従来のエンドレスベルトの洗浄装置としては、図1に示すようにエンドレスベルト10にスクレーパ20を接触させて付着物をかき取らせるか、図2に示すように、エンドレスベルトに洗浄液をノズルから噴射させて付着物を洗い落とした後に、スクレーパ20か吸水ロール21を単独あるいは併用して付着した洗浄液を除去する方法が取られている。
スクレーパを用いてエンドレスベルトの付着物をかき取る方法は、方法が簡便であるが、付着物の除去が完全ではない為、特許文献1にあるように複数段のスクレーパの配置を工夫したものや、特許文献2にあるようにスクレーパの配置方向をエンドレスベルトの進行方向に対し斜めに配置することで、付着物かき取りの抵抗を低減させて、付着物の滞留とスクレーパとエンドレスベルトとの密着性の向上をはかる方法が記載されている。
上記スクレーパを用いる方法は、エンドレスベルトを鉱石、食品等の搬送用に使用する場合は、単に付着部をかき取るだけで良く、エンドレスベルトへのスクレーパの接触による摩擦傷の影響は重要視されないが、本発明のような多孔質基材の成形装置用途に用いる場合は、摩擦傷があるとその多孔質材料の多孔度、厚み斑に直接影響を与えることになり製品の品質管理上好ましくない。
また、図3にあるように、コンベアベルト10の一部をガイドロール32によって曲げることにより洗浄槽31に浸漬させ、洗浄液噴射ノズル34によりエンドレスベルトに磨耗傷をつけることなく効果的に付着物を除去できる方法が特許文献3に記載されている。
特開平7−215443(1頁〜4頁など) 特開2001−114417(1頁〜6頁など) 特開平7−277481(1頁〜4頁など)
しかしながら、上記の方法ではエンドレスベルトを洗浄槽内に案内するために槽入口と出口に少なくとも各々1個のガイドロール32が必要となり、そのガイドロールはエンドレスベルトの表面に接触することになる。すなわち、洗浄槽での付着物の剥離には効果があるが、エンドレスベルト表面が付着物除去前のガイドロールに接触することによりエンドレスベルトに傷をつけてしまう恐れがある。このため、上記の方法を多孔質材料の成形装置用途に適用することは品質管理上好ましいとは言えない。
さらには、洗浄液が経時的に汚れていく為に、洗浄液の交換を頻繁に行わないと除去した付着物が浮遊あるいは沈殿する。前者に対しては、洗浄液噴射ノズル34等により強制流を与えることで再付着防止効果を狙っている。後者については、沈殿を抑制するために洗浄槽内に設置した洗浄液噴射ノズル35により上昇流を与えることで沈殿を防止している。しかし、いずれも部分的な付着物の除去であり完全ではない。また、槽内に洗浄液噴射ノズル35を設置することによりデッドスペースが発生するだけでなく、メンテナンス性も損なわれる。
また、さらには、エンドレスベルトとしての構造が部分的に屈曲される状態は繰り返し応力によるベルトの寿命低下を招き、メンテナンス、ベルト交換を考慮すると維持管理の面でも不利である。
しかも、ベルトの周長が長くなることは蛇行調整、テンション調整等で技術的な部分での難易度が増し設備が煩雑になる。
そして、洗浄液を使うことにより廃液が発生し廃液処理の問題が避けられない。通常、湿式凝固成形により薄膜状物を得るプロセスではポリマーを溶解する溶媒、凝固溶媒、あるいは水洗液用の薬液が使用されるため、ベルト表面には残溶媒、残薬液の付着があり、ベルトが洗浄液の中に浸漬されることでこの付着液が洗浄液に混入し洗浄液をそのまま排水できなくなる場合が多い。
他方で、基板と共に成形物が通過する凝固槽あるいは成形物の洗浄槽の液の温度や濃度等は経時的に変化していく。この経時的変化は凝固槽として用いる場合、多孔質膜の孔径、多孔度など、その凝固プロセスに与える影響は大きい。また、洗浄槽として用いる場合でも洗浄速度に影響が出る恐れがあり、場合によっては洗浄時間が不足して品質不良が発生する。結果的にライン速度を落として減産を余儀なくされるか、新たな設備投資が必要となる。
上記問題に対して温度については、槽をジャケット構造にして熱媒により温度調節を行ったり、凝固液を直接抜き出し外部の温度調節器によって温度調整を行う必要がある。濃度については、連続的に濃度調製用の液体を凝固槽へ直接添加すると同時に凝固液を排液させるか、循環ラインを設けてそこで濃度調整用の液体を添加調製する方法が必要である。いずれの場合も設備が大掛かりになる。
以上のように、ベルト洗浄専用槽と凝固槽(あるいは洗浄槽)を別々に設置することは、設備コストの増大につながるだけではなく廃液処理の問題が深刻になってくる。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたもので、凝固液の一部を抜き出し前処理を行った凝固液をエンドレスベルト上に流下させ、エンドレスベルトの洗浄を行い、かつ洗浄液を凝固槽へ戻し循環させることにより、凝固液の濃度、温度、pH等の状態制御が可能な湿式凝固成形装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。
即ち本発明は、
(1)エンドレスベルトを基板として、薄膜状物の湿式凝固成形を行うプロセスにおいて、該エンドレスベルトを洗浄し、同時に凝固液の濃度、温度および水素イオン濃度(pH)の内、少なくもと一つ以上の制御を行うことを特徴とする湿式凝固成形装置。
(2)エンドレスベルトの少なくとも一部が凝固槽に浸漬されており、凝固槽内から抜き出した凝固液を該エンドレスベルト上に流下させることを特徴とする、湿式凝固成形装置。
(3)凝固液の循環ラインにおいて凝固液の温度を調整し、かつ凝固液の循環によって凝固槽内の液全体の温度制御を行うことを特徴とする湿式凝固成形装置。
(4)凝固液の循環ラインにおいて薬剤を添加することでpH調整を行うことを特徴とする湿式凝固成形装置。
である。
本発明に関わる湿式凝固成形装置を用いることによって、ベルト成形基板であるエンドレスベルトの洗浄と凝固液の状態の制御を両立させることができ、凝固液の状態の制御による品質の安定化、エンドレスベルトの洗浄による設備の長寿命化、ベルト洗浄専用槽と凝固槽(あるいは洗浄槽)を兼用することによる設備コストの削減、さらには廃液量低減化という効果がある。
本発明に用いる薄膜状物の形態としては、溶液状にしたポリマーを基板上にキャストして成形可能なものであれば種類は問わないが、例えば酢酸セルロール、ポリスルホン、ポリカーボネイト、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリ弗化ビニリデン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、それらの前駆体、およびそれらの混合物などがあり、固体高分子形燃料電池用の高分子固体電解質膜としての複合膜用基材に適した材料としてはポリベンザゾール系ポリマーである。ポリマーを溶液にするために用いる溶媒は、湿式凝固にて除去できるものなら何でもよいが、例えばメタンスルホン酸、ジメチル硫酸、ポリ燐酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられ、あるいはこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒を用いることもできる。中でも特にメタンスルホン酸、ポリ燐酸が好ましい。
本発明では、等方性のポリベンザゾール系ポリマー溶液の凝固において、水蒸気、メタンスルホン酸水溶液、リン酸水溶液、グリセリン水溶液の他、塩化マグネシウム水溶液などの無機塩水溶液などの中から非溶媒(貧溶媒)と凝固条件を選択することにより支持体膜表面および内部の構造を制御するに至った。特に好ましい凝固の手段は水蒸気と接触させて凝固する方法や、凝固の初期において水蒸気に短時間接触させた後に水に接触させて凝固する方法、メタンスルホン酸水溶液に接触させて凝固する方法などである。
薄膜状物の成形方法としては、ドクターブレード等を用いてポリマー溶液を基板上に延展する流延法と呼ばれる製膜方法の他にも、直線状スリットダイから押し出す方法や円周状スリットダイからブロー押し出しする方法、二枚の基板に挟んだポリマー溶液をローラーでプレスするサンドイッチ法、回転基板にドープを投下し基板の回転によって薄膜化するスピンコート法など、溶液を膜状に成型するあらゆる方法が使用できる。本発明の目的に適した好ましい製膜方法は流延法、サンドイッチ法である。流延法の基板やサンドイッチ法の基板にはガラス板や金属板、樹脂フィルム等の他、凝固時の支持体膜の空隙構造を制御する等の目的で種々の多孔質材料を基板として好ましく用いることができる。また、上記基板をワンパスあるいはエンドレス化により、容易に連続プロセスに適用することが可能である。
本発明においては、上記エンドレスベルトを用いた成形装置にて、凝固液の一部をポンプにより凝固槽から抜き出し凝固槽外へ出て行くエンドレスベルト上にノズルにより流下させることによって、ベルト上に残った成形物の残材を洗い流すことができる。その後、ポリテトラフルオロエチレンテ製のスクレーパによって凝固液の液切りを行う。また、液切りが不十分な場合は、エアブローや加熱エアのブローにより乾燥を完全なものにすることができる。
凝固槽からの凝固液の抜き出し場所については、溶媒の比重、装置構成により適宜選ばれるが、溶媒の比重が凝固液に対して重い場合は凝固槽下面から抜くことが望ましい。一方、溶媒の比重が凝固液に対して軽い場合は凝固槽の上部より抜き出す方が効率がよい。
凝固液の循環方法については、基板移動方向に対して向流方向に循環させる(下流側から抜き出して、上流側より流下)方法が好ましい。循環量については、系の条件により都度選定されるものであるが、凝固水槽の容量に対し毎時2〜20回の交換回数が好ましい。なお、毎時5〜8回の交換回数を満たす循環量の場合は、液面の水位変動も抑制して循環でき、より好ましい。
抜き出した凝固液は、凝固成形物の溶媒等に起因して酸性あるいはアルカリ性になっていることがあり、特に本発明の適用例の場合、凝固液は酸性になっているためそのままエンドレスベルトに流下させると金属エンドレスベルトの腐食を促進させてしまう。そのため、抜き出した凝固液を適当な薬剤でpH調整を行った後、ベルトに流下させてやることでベルト表面に付着した酸性凝固液を効率よく洗い流し、結果的にベルトの寿命向上をはかることができる。なお、腐食を抑制するための水素イオン濃度としては、pHで3〜9であり、好ましくは、pHで5〜7である。
また、抜き出した凝固液をベルト上への流下前にポンプの吐出圧を利用して濾過することで、凝固槽内の成形物の残や、コンタミ等の異物がベルトへ再付着することを抑えることができる。槽内の液の循環によって、結果的に凝固槽内全体の汚物の除去ができる。凝固液の性質にもよりエンドレスベルトの材質は適宜選定されるべきであるが、通常SUS316L製の金網で目開き40μm程度の物が適当である。
また、抜き出した凝固液をベルト上への流下前に、熱交換器により流下する凝固液の温度を5〜50℃、好ましくは、20〜50℃上げることにより、ベルトからの付着物の剥離性を向上させることができる。また、凝固槽内の経時的な温度変動を緩和させることができる。
付着物の洗い流し用の凝固液の流下方法については、ポンプにより昇圧して強制噴射させることで、付着物の剥離を促進させることができるが、酸性の凝固液の場合、周囲への飛散による設備の腐食、作業者の被災の恐れがあり好ましくない。ベルト上に層流状態で滑らかに流下させスクレーパで完全除去する方法が好ましい。ベルト上への流下量としては系により適宜決定されるものであるが、ベルト移動速度に対して線速度で3倍程度の流量を確保することが適当であった。
以下、本発明を図面に従って具体的に説明する。
図4、図5は、本発明のエンドレスベルト式成形装置の概要を示す図の一例である。
以下各部について詳細に説明する。まず、図4に示すように金属製のエンドレスベルト10とドラム11、12によって構成される連続基板上にポリマー13を連続的に供給し、ドクターブレード14を介して一定厚みに成形薄膜化される。移動するスチールベルト上に設けた加湿ゾーン15を通過させることによって初期凝固を行った後、凝固槽16にて凝固完成、洗浄を行う。あるいは、加湿ゾーンにて凝固完了させた後、凝固槽16にて洗浄を行なっても良い。さらには、成形直後に加湿ゾーンなしで凝固槽16に投入させ、凝固を行ってもよい。
図5は、エンドレスベルト基板10が、ドラム11、12およびガイドロール26(2本)の計4個のロールに外接する形で構成されたエンドレスベルト式成形装置の概略の一例である。
次にベルト洗浄装置については、図4を用いて説明する。凝固槽16の下面からポンプ17によって凝固液を連続的に抜き出し、濾過装置18を介してノズル19よりエンドレスベルト10上に流下させる。スクレーパ20を用いて除去できなかった付着物を剥離させると共に凝固液をかき取る。さらには、エアブローノズル22(図示せず)を用いて凝固液を吹き飛ばしてもよい。さらには、加熱装置23(図示せず)にてエアを加熱させた後エアブローをして乾燥を完全なものにしてもよい。
また、濾過装置18の後でpH調整装置28、熱交換器29、濃度調整液添加装置30を任意に組み合わせて使用し、循環液のpH、温度、濃度の調整を行う。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
ポリ燐酸中にIV=24dL/gのポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾールポリマーを14重量%含んだドープにメタンスルホン酸(純度99.5重量%)を加えて希釈し、ポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾール濃度1重量%の等方性溶液を調製した。この溶液をハステロイ(商品名)製で、幅400mm、周長7000mm、厚み0.5mmのエンドレスベルト上に、成形幅300mm、クリアランス300μmのドクターブレードで成形後、連続的に温度25℃、相対湿度80%の加湿ゾーンを滞留時間3minで通過させた。引き続き成形物をエンドレスベルトと共に液温25℃の凝固槽へ導き凝固完成させた。成形した膜は凝固槽中で引き剥がし、水洗後巻取を行なった。膜の剥離後、エンドレスベルトは凝固槽を出たところで、凝固槽下部から2L/minで抜き出した凝固液を流下させ成形の付着残を除去すると共に、ポリテトラフルオロエチレン製スクレーパで凝固液をかき取った。
実施例2
エンドレスベルトの材質をSUS316とした以外は実施例1と同じ方法とした。
実施例3
凝固槽下部から抜き出した凝固液を水酸化ナトリウムにてpH6に調整したのちに、エンドレスベルト上に流下させた以外は実施例1と同じ方法とした。
実施例4
凝固槽下部から抜き出した凝固液を水酸化ナトリウムにてpH6に調整したのちに、エンドレスベルト上に流下させた以外は実施例2と同じ方法とした。
実施例5
凝固槽下部から抜き出した凝固液を目開き40μmの金網を用いた濾過装置にて処理したのちに、エンドレスベルト上に流下させた以外は実施例1と同じ方法とした。
実施例6
凝固槽下部から抜き出した凝固液を熱交換器によって、40℃に温度調整を行なったのち、エンドレスベルト上に流下させた以外は実施例1と同じ方法とした。
Figure 2005169960
<腐食速度>
テスト前後の対象物(エンドレスベルト)の重量を量り、その減量を単位面積、単位時間当たりの重量に換算した。
実施例1〜6は、いずれも凝固成形物の付着残をきれいに剥離することができた。
実施例4においては、実施例2との比較において、表1に示す通りベルトの腐食速度の低減効果があった。すなわちベルトの寿命を向上させることができた。ただし、実施例1と3の比較ではベルトの材質が耐食性のあるハステロイ(商品名)であるため、腐食の度合いが小さく差があらわれなかった。なお、ベルトの材質としては耐食性の高い材質を用いることが望ましいが、現実的にはコストが非常に高く、しかも耐食材料は希少金属を用いるため入手も困難な場合が多い。そのため、極力汎用な材料を用いることが好ましい。
実施例5においては、ベルトへの剥離させた付着残の再付着が抑制でき、結果的にスクレーパでの付着物の滞留が抑制できメンテナンス頻度を1/3に向上させることができた。
実施例6においては、実施例1と比較して温度上昇による洗浄効果向上により付着残の剥離性向上の効果を確認することができた。
さらには、ベルト洗浄専用槽と凝固槽(あるいは洗浄槽)を兼用することで、新たな洗浄液が不要となることは結果的には廃液量の削減につながりランニングコストの削減になる。また、イニシャルコストとしては洗浄液供給設備、貯蔵設備等付帯設備を必要としないため設備コストを抑えられる。その効果は一概には言えないが、本実施例の場合では全体設備の約5〜10%程度に相当する。ランニングコストまで含めるとその効果はさらに大きい。結果的に大幅な低コスト化が必須な燃料電池用途としての、効果は大きい。
実施例に説明したが本発明はもとより上記例に限定されるものではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の湿式凝固成形装置を用いることで薄膜状物の連続生産の点において品質の安定化と安価な製造コストに利点があり、エネルギー、食品、産業資材等の幅広い用途分野に利用することができ産業界に寄与することが大である。
従来のエンドレスベルトの洗浄機構の一例 従来のエンドレスベルトの洗浄機構の一例 従来のエンドレスベルトの洗浄機構の一例 本発明に関わるエンドレスベルト成形装置の全体概要の一例 本発明に関わるエンドレスベルト成形装置の全体概要の一例
符号の説明
10:エンドレスベルト
11:ドラム
12:ドラム
13:ポリマー
14:ドクターブレード
15:加湿ゾーン
16:凝固槽
17:ポンプ
18:濾過装置
19:ノズル
20:スクレーパ
21:吸水ロール
22:エアブローノズル
23:加熱装置
24:巻取機
25:ベルト駆動モータ
26:ガイドロール
27:pH計
28:pH調整装置
29:熱交換器
30:濃度調整液添加装置
31:洗浄槽
32:ガイドロール
33:ガイドロール
34:洗浄液噴射ノズル
35:洗浄液噴射ノズル
36:排液口

Claims (4)

  1. エンドレスベルトを基板として、薄膜状物の湿式凝固成形を行うプロセスにおいて、該エンドレスベルトを洗浄し、同時に凝固液の濃度、温度および水素イオン濃度(pH)の内、少なくもと一つ以上の制御を行うことを特徴とする湿式凝固成形装置。
  2. エンドレスベルトの少なくとも一部が凝固槽に浸漬されており、凝固槽内から抜き出した凝固液を該エンドレスベルト上に流下させることを特徴とする、請求項1の範囲の湿式凝固成形装置。
  3. 凝固液の循環ラインにおいて凝固液の温度を調整し、かつ凝固液の循環によって凝固槽内の液全体の温度制御を行うことを特徴とする請求項1乃至2の範囲の湿式凝固成形装置。
  4. 凝固液の循環ラインにおいて薬剤を添加することでpH調整を行うことを特徴とする請求項1乃至3の範囲の湿式凝固成形装置。
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