JP2005169488A - 鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーの溶融時において、赤熱現象の発生を防止しつつ、良好な溶融性状と適正な溶融速度を維持させることができ、また、色調を黒色でなくすることによって汚れを防止し、更に、黒色以外の任意の色に着色することによって製品(品質)毎の見分けが可能な鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーを提供することにある。
【解決手段】本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーは、1300℃における溶融スラグ粘度(η)が5ポイズ以上であり、カーボンブラック含有量が0.5質量%以下または不在であり、且つカーボンブラック以外の炭素質粉末の合計量A(質量%)が
8logη+5≧A≧1.5logη+2
の式を満足することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼の連続鋳造において、鋳型内溶鋼表面上に供給される鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーに関する。
鋼の連続鋳造において、モールドパウダーは鋳型内の溶鋼表面上に添加され、溶鋼から熱を受けて滓化溶融し、溶融スラグ層を形成し、順次鋳型と凝固シェルとの隙間に流入し消費される。この間のモールドパウダーの主な役割としては(1)鋳型と凝固シェル間の潤滑;(2)溶鋼から浮上する介在物の吸収;(3)溶鋼の再酸化防止と保温;(4)凝固シェルから鋳型への抜熱速度のコントロールなどである。
連続鋳造用モールドパウダーの化学組成は、一般にSiO、CaOを主成分とし、Al、MgO、BaO、SrO、LiO、NaO、F、MnO、B、C等の各成分から構成されている。原料は、主原料、シリカ原料、フラックス原料、炭素質原料等から構成されている。ここで、主原料としては、例えばポルトランドセメント、合成珪酸カルシウム、ウォラストナイト、高炉スラグ、黄リンスラグ、ダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO)等が用いられる。シリカ原料は、塩基度(CaO/SiO質量比)や嵩比重などの粉体特性調整のために加えられ、例えばガラス、珪石、珪藻土などがある。フラックス原料は軟化点、粘度等の溶融特性調整剤としての役割があり、例えば蛍石、氷晶石、フッ化マグネシウムなどのフッ化物、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸マンガン、炭酸バリウム等の炭酸塩等が用いられる。炭素質原料は溶融速度調整剤、発熱剤としての役割があり、例えばカーボンブラック、コークス、黒鉛、膨張性黒鉛等が用いられる。
また、連続鋳造用モールドパウダーの形態は、粉末と顆粒に分類できる。顆粒状モールドパウダーは発塵が少ないという利点がある。一方、連続鋳造の操業安定性と、得られる鋼の高品質化のためには、溶鋼の保温性に優れ、溶融性状も良い粉末状モールドパウダーの方が適している。
粉末状モールドパウダーには、焼結防止と溶融速度調整のため、通常カーボンブラックが1〜3質量%、その他の炭素質粉が合計で2.0質量%以下程度添加されている。カーボンブラックは強力な付着力と分散性によって粉末状モールドパウダーを構成する全ての原料粒子の表面を完全に被覆する。また、カーボンブラックはスラグに濡れ難い特性を持っているので、粉末状モールドパウダーが熱を受けた時、軟化溶融する温度になるまで、原料粒子同士が直接接触するのをカーボンブラックが防ぐことにより、原料粒子間の融着を抑え、焼結と溶融の進行を遅らせることができるため、一般的なモールドパウダーにはなくてはならない原料である。
また、カーボンブラック添加量が少ない粉末状モールドパウダーとして、特許文献1には、基材原料に、カーボンブラックを0.7mass%以下配合するとともに、カーボンブラック以外の顔料を0.5mass%以上配合し、かつパウダー粒を中空で可及的に球状となしたことを特徴とする連続鋳造用着色パウダー(請求項1);基材原料に、カーボンブラックを0.7mass%以下配合するとともに、カーボンブラック以外の顔料を0.5mass%以上配合し、かつ基材原料中のフッ化ソーダ(NaF)、氷晶石(3NaF−AlF)、ソーダ灰(NaCO)の合計が5mass%以下であることを特徴とする連続鋳造用着色パウダー(請求項2)が開示されている。
更に、モールドパウダーの1300℃におけるスラグ粘度は、通常0.5〜5.0ポイズである。しかし、より高いスラグ粘度を有するモールドパウダーも提案されており、例えば、特許文献2には、(モールドの上端開口厚−モールドの下端開口厚)/モールドの長片の高さ×100で表わされるモールド長片テーパーが1.0〜0.3%の条件でスラブを連続鋳造するに際して、モールドパウダーとしてCaO、SiO、Alを主成分として、CaO/SiO2重量(質量)比が0.3〜1.0の範囲内にあり、不可避不純物であるF含有量が1重量(質量)%未満であり、1400℃での粘度が4〜20ポイズで、且つ結晶化温度が不在または1000〜1200℃であるものを使用することを特徴とする鋼の連続鋳造方法(請求項1)が開示されている。
また、特許文献3には、タンディッシュとモールド間がオープンで、セミイマージョンノズルを使用し、かつ鋳造速度が0.5〜1.3m/分の範囲内にある鋼の連続鋳造に使用するためのオープン鋳造用モールドパウダーであって、モールドパウダーの1300℃での粘度が8〜60ポイズの範囲内にあり、モールドパウダーの凝固温度が1100〜1295℃の範囲内にあり、かつモールドパウダースラグのCaO/SiOの重量(質量)比が0.5〜1.10の範囲内にあることを特徴とするオープン鋳造用モールドパウダーが開示されている。
更に、特許文献4には、1300℃における粘度が5ポイズ以上で、且つ、次の式1を満足することを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダー:式1・・・A≧(B+30)0.35[式1において、Aは”パウダー中のトータルカーボン量(重量%:質量%)”であり、Bは”1300℃における粘度(ポイズ)である]が開示されている。
特開平8−25007号公報 特許請求の範囲 特開2000−158106号公報 特許請求の範囲 特開2000−158107号公報 特許請求の範囲 特開2001−334351号公報 特許請求の範囲
しかしながら、1300℃における溶融スラグ粘度が5ポイズ以上の高粘度モールドパウダーは、一般的な低粘度モールドパウダーと比較して消費速度が遅いため、鋳型内での受熱時間が長くなって焼結やスラグベアーが発生し易く、溶融性状が悪化し易い。そのため、顆粒よりも溶融性状に優れる粉末品が使用されるが、発塵による作業環境の悪化の問題がある。また、高粘度モールドパウダーは溶融速度を遅く調節しなければならず、カーボンブラックが多量に添加されている。
カーボンブラックは、モールドパウダーが熱を受けた時に、モールドパウダー粒子が直接接触するのを防止して溶融速度を遅らせる働きがある一方で、カーボンブラックが過剰に存在する粉末状モールドパウダーは、モールド内で未溶融状態のまま熱を受けて赤くなって流動する赤熱現象を起こす。赤熱現象は、カーボンブラックがモールドパウダー原料粒子表面を過剰に被覆しているため、軟化溶融温度まで加熱されても原料粒子間の融着が全く起こらないため原料粒子が流動し易くなるために起こるが、一旦赤熱現象が起こると、流動する粉末状モールドパウダーが熱媒体となって溶鋼表面から熱を奪い、本来、保温が重要な溶鋼表面を冷やしてしまい、鋳片品質の悪化の問題や、場合によってはブレークアウトの原因となる。更に、赤熱現象が起こると、粉末状モールドパウダーも冷やされるので、滓化溶融が遅れて適正な溶融層厚みの確保が困難となってモールドと凝固シェル間へのスラグの流入不足を起こし、ブレークアウトの発生原因となる問題もある。このように、粉末状高粘度モールドパウダーはカーボンブラック含有量が多いため、赤熱現象を起こし易く、操業安定性を損なう問題や製品欠陥の原因となる問題がある。
また、多量にカーボンブラックが添加された粉末状高粘度モールドパウダーは、色調が黒色であるため発塵による汚れが目立ち、装置、着衣、皮膚などに付着すると汚れが落ち難く、作業環境を悪化させている。また、殆ど全ての粉末状モールドパウダーは黒色であるため製品(品質)毎の色調に差がなく、見た目での製品(品質)の判別がつき難いことから、作業者による粉末状モールドパウダーの投入間違いがあっても気付かずにトラブルの原因となる可能性もある。粉末状モールドパウダーの製品(品質)毎に色調が異なればモールドパウダーの投入間違いも起こり難くなると考えられる。
更に、特許文献1には、カーボンブラック配合量を0.7mass%以下として、カーボンブラック以外の顔料を0.5mass%以上配合した着色パウダーが開示されているが、カーボンブラック添加量が少ないことによる溶融性状の悪化と、溶融を遅く調節するために、形態を中空顆粒に限定したり、粉末状モールドパウダーの場合には、フラックス原料であるフッ化ナトリウム、氷晶石、炭酸ナトリウムの総量に制限を設けている。しかしながら、特許文献1では、カーボンブラックを0.7mass%以下の量でしか配合していないために、フッ化ナトリウム、氷晶石、炭酸ナトリウムの総量に制限を設けただけでは滓化溶融速度の調整と溶融性状の悪化を防ぐことは困難である。
従って、本発明の目的は、鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーの溶融時において、赤熱現象の発生を防止しつつ、良好な溶融性状と適正な溶融速度を維持させることができ、また、色調を黒色でなくすることによって汚れを防止し、更に、黒色以外の任意の色に着色することによって製品(品質)毎の見分けが可能な鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーを提供することにある。
即ち、本発明は、鋼の連続鋳造用粉末状モールドパウダーにおいて、1300℃における溶融スラグ粘度(η)が5ポイズ以上であり、カーボンブラック含有量が0.5質量%以下または不在であり、且つカーボンブラック以外の炭素質粉末の合計量A(質量%)が
8logη+5≧A≧1.5logη+2
の式を満足することを特徴とする鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーに係る。
また、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーは、カーボンブラック以外の炭素質粉末の少なくとも一部または全部として、酸処理黒鉛を0.1〜8.0質量%含有することを特徴とする。
更に、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーは、融点が1130℃以下であることを特徴とする。
また、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーは、第三石油類、第四石油類及び動植物油類からなる群から選択された1種以上を2.0質量%以下の範囲で含有することを特徴とする。
更に、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーは、顔料を0.3〜7.0質量%含有することを特徴とする。
本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーによれば、溶融時に赤熱現象を起こすことなく良好に溶融することから、安定操業と得られる鋳片品質の向上に効果がある。また、黒色以外の色調であるため、発塵による汚れが目立たなく、作業環境を改善することが可能となる。
粉末状高粘度モールドパウダーには、通常1〜3質量%程度のカーボンブラックが添加されているが、赤熱現象は、カーボンブラックの添加量に大きく左右される。カーボンブラックの添加量が0.5質量%以下であれば赤熱現象が起こり難いことを溶鉄上での溶融試験から確認した。その上で、粉末状高粘度モールドパウダーの溶融速度を遅く制御するために、本発明者は溶鉄上での溶融試験を種々行った結果、カーボンブラックの代わりとして、カーボンブラック以外の炭素質粉末の合計量を、従来のモールドパウダーに添加されるようなカーボンブラック量の3〜7倍量で置換とすることで分散性が劣るのを補うことが可能であることを見出した。
即ち、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーは、カーボンブラック以外の炭素質粉末を添加する。カーボンブラック以外の炭素質粉末としては、例えばコークス、土状黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛、酸処理黒鉛、木炭等の1種以上を使用することができる。ここで、モールドパウダーの粘度が高くなるに従い、消費速度が遅くなり、鋳型内での滞留時間が長くなる。従って、モールドパウダーの溶融スラグ粘度が高くなる程、カーボン添加量を多くして、溶融速度を遅くする必要がある。即ち、カーボンブラック以外の炭素質粉末の合計量A(質量%)は、モールドパウダーの1300℃での溶融スラグ粘度η(ポイズ)との間に下記の式を満足する範囲で添加することが好ましい:
8logη+5≧A≧1.5logη+2
ここで、カーボンブラック以外の炭素質粉末の合計量Aが上記式の範囲未満であると、粉末状モールドパウダーの原料粒子間に分散されず、溶融速度が早くなり過ぎ、焼結が起こり易くなるために好ましくない。また、カーボンブラック以外の炭素質粉末の添加量が上記式の範囲以上であると、モールドパウダーの溶融速度が遅くなり過ぎたり、モールドパウダー原料粒子間に過剰にカーボンが存在するために赤熱を起こし易くなるために好ましくない。また、得られる粉末状高粘度モールドパウダーの色調が黒色となるために好ましくない。コークスと黒鉛の粒度は小さい方が添加効果は大きいため、例えば100メッシュ以下、好ましくは150メッシュ以下の粒度にあるものを使用することが好ましい。
カーボンブラック以外の炭素質粉末の少なくとも一部または全部として、酸処理黒鉛を用いることが好ましく、その添加量は0.1〜8.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3.0質量%の範囲内である。酸処理黒鉛の添加量が0.1質量%未満では、粉末状高粘度モールドパウダーの焼結防止効果が小さくなることがあるために好ましくなく、8.0質量%を超えると、膨張に伴う発塵が著しく多くなるために好ましくない。更に、酸処理黒鉛の粒度は、所望の膨張量を得るため、過度に小さくない方が好ましく、例えば325〜10メッシュの粒度範囲にあるものを使用するのが好ましい。
本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーにおいて、カーボンブラックの添加量は、0.5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.3質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下であり、不在であることが最も好ましい。カーボンブラックの添加量が0.5質量%を超えると、赤熱現象を起こし易くなるために好ましくない。また、モールドパウダーの色調も黒色となるために好ましくない。
本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーにおいて、融点は1130℃以下が好ましく、より好ましくは1100℃以下である。融点が1130℃以下であると、カーボンブラックの添加量が少なくても、溶融性状を良好に維持し易いが、融点が1130℃を超えると、溶融性状が悪化し易くなり好ましくない。ここで、融点の測定方法は、ブリケット成形したモールドパウダーを黒鉛板上に載せて電気炉中で昇温させる過程において、ブリケット成形体が溶融して半球状になった時の温度を融点とした。
本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーにおいて、赤熱現象を防止するために、オイル類を添加することも有効である。オイル類は粉末状高粘度モールドパウダーの原料粒子を凝集させる働きがあり、鋳型内での流動を押さえ、赤熱現象を防止することができる。添加するオイル類は、第三石油類、第四石油類、動植物油などの引火性の低いものが好ましく、例えばエチレングリコール、シリコーンオイル、流動パラフィン、菜種油、オリーブオイルなどが挙げられる。オイル類の添加量は2.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0質量%の範囲内である。オイル類の添加量が2.0質量%を超えると、粉末状高粘度モールドパウダーを鋳型内に投入した時に火炎が大きくなって危険なため好ましくない。
また、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーの嵩比重は、0.9以下、好ましくは0.8以下の範囲内にある。粉末状高粘度モールドパウダーの嵩比重が0.9を超えると、原料粒子同士が接触し易くなるため、溶融性状を良好に維持することができないために好ましくない。
更に、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーには、顔料を添加して適宜所望の色調とすることもできる。ここで、顔料の添加量は0.3質量%以上である。顔料の添加量が0.3質量%未満では、顔料の添加効果が発揮されないために好ましくない。また、顔料の添加量の上限は添加する顔料によって異なるが、概ね7質量%程度である。顔料の添加量が7質量%を超えると、モールドパウダーを構成する他の成分に影響を及ぼすことがあるために好ましくない。顔料の添加量は好ましくは0.5〜5質量%の範囲内である。なお、顔料を適宜選定することにより、モールドパウダーの色調を赤、青、緑、紫等の所望の色調に着色することができる。ここで、顔料としては有機顔料または無機顔料を使用することができるが、少量で着色力の強い有機顔料が好ましい。なお、無機系顔料としては例えばベンガラ、アンバー、イエローオーカー等を例示でき、有機系顔料としてはアザリンレーキ、フタロシアニングリーン、フチロシアニンブルー、グリニッシュイエロー等を例示できる。
また、本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーの1300℃での溶融スラグ粘度(η)は、5ポイズ以上であり、上限は特に定めるものではないが、300ポイズまでは使用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーを更に説明する。
以下の表1に記載する配合割合にて、本発明品と比較品の粉末状モールドパウダーを作製した。
Figure 2005169488
表1中、コークスの粒度は、325メッシュ以下、黒鉛の粒度は、150メッシュ以下、酸処理黒鉛の粒度は、65メッシュ以下である。
得られた本発明品及び比較品のモールドパウダーを用いて実際の鋳造テストを行った。鋳造条件は、鋼種:中炭素鋼、モールドサイズ:210×350mm、鋳造速度:1.1m/分であった。鋳造テストで得られた結果を表1に併記した。
なお、溶融性状は、目視による観察と、ベアーの発生状況から総合的に判断して評価したものである。ここで、○印は、良好を、×印は、不良をそれぞれ示す。
また、赤熱現象は、目視による観察で評価したものである。
更に、溶融速度は、溶融層厚みを測定し、鋳造を通して安定して一定厚みが確保されているか、否かで評価したものである。ここで、○印は、適正を、×印は、不適をそれぞれ示す。
また、作業環境は、モールドパウダーが付着した時の汚れ具合から評価したものである。ここで、○印は、汚れが目立たないを、×印は、汚れが目立つをそれぞれ示す。
更に、製品品質は、得られた鋳片の割れ、介在物の発生状況から評価したものである。ここで、○印は、良好を、×印は、不良をそれぞれ示す。
本発明の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダーは、各種鋼の連続鋳造の際のモールドパウダーとして好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 鋼の連続鋳造用粉末状モールドパウダーにおいて、1300℃における溶融スラグ粘度(η)が5ポイズ以上であり、カーボンブラック含有量が0.5質量%以下または不在であり、且つカーボンブラック以外の炭素質粉末の合計量A(質量%)が
    8logη+5≧A≧1.5logη+2
    の式を満足することを特徴とする鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダー。
  2. カーボンブラック以外の炭素質粉末の少なくとも一部または全部として、酸処理黒鉛を0.1〜8.0質量%含有する、請求項1記載の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダー。
  3. 融点が、1130℃以下である、請求項1記載の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダー。
  4. 第三石油類、第四石油類及び動植物油類からなる群から選択された1種以上を2.0質量%以下の範囲で含有する、請求項1記載の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダー。
  5. 顔料を0.3〜7.0質量%含有する、請求項1記載の鋼の連続鋳造用粉末状高粘度モールドパウダー。
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