以下に本発明の最良の形態を説明するが、開示される発明と実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。明細書中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現し、追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明を適用した第1の情報処理システムの基本構成は、情報処理装置(例えば、図2の本体12)、情報処理装置に指示を出す遠隔操作装置(例えば、図6のリモートコントローラ21)、および、遠隔操作装置からの指示を情報処理装置に転送する制御装置(例えば、図4の制御装置14)を少なくとも含む。
第1の情報処理システムの内、遠隔操作装置は、ユーザが接触した位置を検知する検知手段(例えば、図6のタッチパネル122)と、検知手段により検知された位置を順次結ぶことにより形成される形を判断する判断手段(例えば、図6の描画方向判断部123)と、判断手段による判断結果を制御装置に送信する送信手段(例えば、図6の送信部121)とを備え、制御装置は、送信手段により送信された判断結果を受信する受信手段(例えば、図4の受信部101)と、受信手段により受信された判断結果に対応付けられている処理を判断(例えば、図4の判断部102、位置特定部103、および、制御部104において行われる)し、その処理を示すデータを情報処理装置に出力する出力手段(例えば、図5のインタフェース105)とを備え、情報処理装置は、出力手段により出力されたデータを入力し、そのデータが示す処理を実行する実行手段(例えば、図2の制御部51)を少なくとも含む。
本発明を適用した第2の情報処理システムの基本構成は、情報処理装置(例えば、図22の本体12)と、その情報処理装置に指示を出す遠隔操作装置(例えば、図6のリモートコントローラ21)を少なくとも含む。
第2の情報処理システムの内、遠隔操作装置は、ユーザが接触した位置を検知する検知手段(例えば、図6のタッチパネル122)と、検知手段により検知された位置を順次結ぶことにより形成される形を判断する第1の判断手段(例えば、図6の描画方向判断部123)と、第1の判断手段による判断結果を情報処理装置に送信する送信手段(例えば、図6の送信部121)とを備え、情報処理装置は、送信手段により送信された判断結果を受信する受信手段(例えば、図22の受信部101)と、受信手段により受信された判断結果に対応付けられている処理を判断する第2の判断手段(例えば、図22の判断部102、位置特定部103、および、制御部51)と、第2の判断手段により判断された処理を実行する実行手段(例えば、図22の制御部51)とを少なくとも含む。
本発明を適用した第3の情報処理システムの基本構成は、情報処理装置(例えば、図2の本体12)と、その情報処理装置に指示を出す遠隔操作装置(例えば、図23のリモートコントローラ21)を少なくとも含む。
第3の情報処理システムの内、遠隔操作装置は、ユーザが接触した位置を検知する検知手段(例えば、図23のタッチパネル122)と、検知手段により検知された位置を順次結ぶことにより形成される形を判断する判断手段(例えば、図22の描画方向判断部123)と、判断手段による判断結果から、対応する処理をさらに判断し、その処理を示す信号を生成(例えば、図23の位置特定部103、制御部104において行われる)し、送信する送信手段(例えば、図23の送信部121)とを備え、情報処理装置は、送信手段により送信された信号を受信する受信手段(例えば、図2の入出力部52)と、受信手段により受信された信号が示す処理を実行する実行手段(例えば、図2の制御部51)とを少なくとも含む。
本発明によれば遠隔操作装置が提供される。この遠隔操作装置は、例えば、図6に示したリモートコントローラ21であり、ユーザが接触した位置を検知する検知手段(例えば、図6のタッチパネル122)と、検知手段により検知された位置を順次結ぶことにより形成される形を判断する判断手段(例えば、図6の描画方向判断部123)と、判断手段による判断結果を送信する送信手段(例えば、図6の送信部121)とを少なくとも含む。
この遠隔操作装置は、回転する部材(例えば、図1のハンドル31)に装着され、部材が回転した角度を検知する検出手段(例えば、図21の回転情報提供部232)と、検出手段により検出された角度に応じて、判断手段により判断された方向を補正する補正手段(例えば、図21の方向補正部231)とをさらに含むことができる。
また、本発明によれば遠隔操作方法が提供される。この遠隔操作方法は、ユーザが接触した位置を検知する検知ステップ(例えば、図10のステップS102)と、検知ステップの処理で検知された位置を順次結ぶことにより形成される形を判断する判断ステップ(例えば、図10のステップS103)と、判断ステップの処理による判断結果を送信手段により送信する送信ステップ(例えば、図10のステップS104)とを少なくとも含む。
また、本発明によれば第1のプログラムが提供される。この第1のプログラムは、ユーザが接触した位置を検知する検知ステップ(例えば、図10のステップS102)と、検知ステップの処理で検知された位置を順次結ぶことにより形成される形を判断する判断ステップ(例えば、図10のステップS103)と、判断ステップの処理による判断結果を送信手段により送信する送信ステップ(例えば、図10のステップS104)とを少なくとも含む。
この第1のプログラムは、第1の記録媒体に記録することができる。
本発明によれば、制御装置が提供される。この制御装置は、例えば、図4の制御装置14であって、遠隔操作装置から、ユーザが描画した形に関する情報を受信する受信手段(例えば、図4の受信部101)と、受信手段により受信された情報が示す形を判断する判断手段(例えば、図4の判断部102)と、判断手段により判断された形に対応付けられている処理を示すデータを判断し、そのデータを情報処理装置に出力する出力手段(例えば、図4のインタフェース105)とを少なくとも含む。
また、本発明によれば、制御方法が提供される。この制御方法は、遠隔操作装置から、ユーザが描画した形に関する情報を受信する受信手段により受信された情報の入力を制御する入力制御ステップ(例えば、図15のステップS122)と、入力制御ステップの処理で入力が制御された情報が示す形を判断する判断ステップ(例えば、図15のステップS123)と、判断ステップの処理により判断された形に対応付けられている処理を示すデータを判断(例えば、図15のステップS124)し、そのデータの情報処理装置への出力を制御する出力制御ステップ(例えば、図15のステップS125)とを少なくとも含む。
また、本発明によれば第2のプログラムが提供される。この第2のプログラムは、遠隔操作装置から、ユーザが描画した形に関する情報を受信する受信手段により受信された情報の入力を制御する入力制御ステップ(例えば、図15のステップS122)と、入力制御ステップの処理で入力が制御された情報が示す形を判断する判断ステップ(例えば、図15のステップS123)と、判断ステップの処理により判断された形に対応付けられている処理を示すデータを判断(例えば、図15のステップS124)し、そのデータの情報処理装置への出力を制御する出力制御ステップ(例えば、図15のステップS125)とを少なくとも含む。
この第2のプログラムは、第2の記録媒体に記録することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明が適用される基本的な構成としては、所定の装置と、その装置を操作するための指示を出す遠隔操作装置(リモートコントローラ)とから構成される。リモートコントローラは、簡便な操作が行えるように、ユーザが点や線などを親指などで描画するための部分と、その描画された形を判断する部分を少なくとも含む構成とされる。
また、ユーザがリモートコントローラを用いて指示を出すときに参照される情報を表示する表示装置が、例えば、複数の装置を1つのリモートコントローラで操作する場合や、複数の機能を有する装置に対して指示を出す場合などに設けられる。複数の装置が1つのリモートコントローラで操作される場合、どの装置にどのような指示を出せるのかといった情報が、表示装置に表示される。また、複数の機能を有する装置に対して1つのリモートコントローラで指示が出される場合、階層的に構成された機能を、順番に選択できるような情報が、表示装置に表示される。
さらに、複数の装置を1つのリモートコントローラで操作する場合、複数の装置を一括して制御できるように制御装置が設けられる。その制御装置は、制御対象とされている複数の装置からの情報を取得する機能を有し、取得した情報をもとに、リモートコントローラからの信号を受信し、処理する。
図1は、本発明を適用したシステムの一実施の形態の構成を示す図である。
図1に示したシステムは、車内に設置される、カーナビゲーションシステムなどと称される装置に、本発明を適用した場合の構成例を示している。カーナビゲーションシステムは、GPS(Global Positioning System)を用い、車の走行位置をユーザに認識させ、ユーザが設定した目的地までの道順を、ユーザに案内する機能を有するものである。
図1に示したシステムにおいて、カーナビゲーションシステムは、ディスプレイ11と本体12とから構成されている。ディスプレイ11は、ユーザ(運転者)が運転している状態でも視認できる位置、例えば、車のダッシュボードの上に取り付けられる。ディスプレイ11には、本体12から供給されるデータに基づく画像、例えば、地図が表示される。
図1に示したシステムにおいては、カーナビゲーションシステムの下側に、カーオーディオ13も備えられている。カーオーディオ13は、CD(Compact Disk)を再生したり、ラジオ放送を再生する機能を有する。
リモートコントローラ21は、これらの装置に対して指示を出すユーザ側の装置である。リモートコントローラ21から出力される信号は、制御装置14により受信される。本実施の形態においては、制御装置14が、カーナビゲーションシステムの本体12やカーオーディオ13に対して指示を出す(リモートコントローラ21からの指示を中継する)ように構成されている。
またリモートコントローラ21は、ユーザが持ち運びできる形状、大きさに構成されている。リモートコントローラ21は、車内において、ユーザが保持し、利用することができる形状、大きさに構成されている。また、リモートコントローラ21は、車内の所定の部位、例えば、ハンドル31や肘掛け部32などの、ユーザが運転中でも手の届く範囲に位置する部位に装着され、ユーザは装着された状態のリモートコントローラ21を利用することが可能なように構成されている。
制御装置14は、カーナビゲーションシステムの本体12、カーオーディオ13、および、アクチュエータ15と接続され、それらの装置とデータの授受を行うように構成されている。アクチュエータ15は、車の変速に関わる処理を実行する部分であり、図示されていないギアボックスを制御するために設けられている。
なお制御装置14は、ここではカーナビゲーションシステムなどとは別体で設けられるとするが、この制御装置14は、カーナビゲーションシステムの本体12やカーオーディオ13に組み込まれた構成とされても良い。また、リモートコントローラ21に制御装置14を組み込む構成とすることも可能である。
制御装置14が他の装置とデータの授受を行うのは、リモートコントローラ21から信号を受信したときであり、その受信された信号に対応する処理を、制御装置14は実行する。
このようなシステムにおいて実行される処理について以下に説明する。
まず、詳細を説明する前に、図1を参照して概略を記載しておく。ディスプレイ11上には、所定の装置に対する操作に関する操作項目が表示される。リモートコントローラ21は、ユーザが操作した操作方向(ここでは、上下左右の4方向が、ユーザ操作する操作方向として設定されているとする)を判断し、その判断結果に応じた信号を、制御装置14に対して送信する。
このような場合、ディスプレイ11上には、上下左右の4方向に対応する位置に選択可能な項目が表示され、ユーザは、それらの項目のうち、所望の項目が配置された方向に、リモートコントローラ21上で線を描画することにより、所望の項目を選択する。
制御装置14は、リモートコントローラ21からの信号から、操作方向を判断し、その時点でディスプレイ11上に表示されている項目の位置(座標)を参照し、操作方向に対応する項目を判断する。そして、選択されたと判断される項目に対応する処理を実行するように、接続されている装置に対して指示を出す。
このように、本実施の形態においては、ユーザは、所望の装置に対して指示を出す場合、ディスプレイ11上に表示されている項目が配置されている方向に向かう線を、リモートコントローラ21上で描画する。このようなことを実現するための実施の形態について説明を加える。まず、各装置の機能について、各ブロック図を参照して説明し、その後、各装置における処理について説明を加える。
図2は、カーナビゲーションシステムの機能を示すブロック図である。
本体12の制御部51は、本体12内の各部を制御する。制御部51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成される。入出力部52は、制御装置14と接続され、制御装置14とデータの授受を行う。入出力部52に入力された制御装置14からのデータに基づいて、制御部51は、本体12の各部を制御する。また、制御部51は、必要に応じ、例えば、座標データなどを制御装置14に対して出力する。
入出力部52と制御装置14は、赤外線などの無線を用いてデータの授受を行うような構成としても良いし、有線でデータの授受を行うような構成としても良い。
記憶部53には、制御部51が制御を行ううえで必要となるプログラムや、道路地図に関する地図データが記憶されている。記憶部53は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)など、本体12に対して着脱不可の記録媒体でも良いし、本体12に対して着脱自在の記録媒体、例えば、DVD−ROM(Digital Versatile Disc-Read Only Memory)などでも良い。また、それらの記録媒体の組み合わせで構成されていても良い。
描画部54は、VRAM(Video Random Access Memory)などから構成され、制御部51の制御のもと、記憶部53から読み出される地図データに基づく地図を描画し、インタフェース55を介してディスプレイ11に、その描画した地図を供給する。描画部54は、必要に応じ、ユーザが選択する項目も描画し、インタフェース55を介してディスプレイ11に供給する。このような描画が行われることにより、ディスプレイ11上には、地図のうえに、所定の項目が表示さているときもある。このようなことは、例えば、OSD(On Screen Display)などと称される機能を用いることにより実現できる。
描画部54により項目が描画された場合、その項目がディスプレイ11上で配置される位置(座標)に関するデータ(以下、適宜、座標データと記述する)は、制御部51の制御のもと、入出力部52を介して制御装置14に供給される。
なお、図2においては、以下に説明する実施の形態に必要な部分に関して図示し、説明を加えているが、カーナビゲーションシステムには、図示されていないアンテナや、テレビジョン放送を処理するチューナなども備えられている。
図3は、カーオーディオ13の機能を示すブロック図である。
制御部71は、カーオーディオ13内の各部を制御する。入出力部72は、制御装置14と接続され、制御装置14とデータの授受を行う。入出力部72に入力された制御装置14からのデータに基づいて、制御部71は、カーオーディオ13の各部を制御する。また、制御部71は、必要に応じ、例えば、座標データなどを制御装置14に対して出力する。
再生部73は、図示していないドライブにセットされた所定の記録媒体、例えば、CDやMD((Mini-Disc)(登録商標))からデータを読み出し、再生する。インタフェース74は、再生されたデータを、スピーカ81に提供する。
カーオーディオ13が、描画部54(図2)と同様の処理を実行する機能を有していない場合、操作項目に関する座標データを制御装置14に提供するなどの処理を行わすために、インタフェース74を介してカーナビゲーションシステムの本体12と接続する構成としても良い。そして、その接続された本体12の描画部54から、カーオーディオ13の操作に関する操作項目が描画され、座標データが制御装置14に供給されるような仕組みを設けても良い。
また、カーオーディオ13が表示部(不図示)を備えている場合、その表示部に操作項目を表示させるようにしても良い。
どのような構成を有しても良いが、制御装置14に、ディスプレイ11上でのオーディオ13に関する操作項目が配置されている位置を示す座標データが提供され、ディスプレイ11上に、その操作項目が描画されればよい。
図4は、制御装置14の機能を示すブロック図である。
制御装置14の受信部101は、リモートコントローラ21からの信号を受信する。リモートコントローラ21からの信号は、ユーザが描画した線(形)が、どの方向に向かっているか(どのような形であるのか)を示す信号である。その信号は、例えば、ユーザが描画した形と、その形を示す信号(周波数など)が関連付けられているテーブルを参照して決定された信号である。
そのような信号が、受信部101に受信され、判断部102に供給される。判断部102は、供給された信号が示す方向(形)を判断する。
判断部102は、判断した方向に関するデータを生成し、位置特定部103に供給する。位置特定部103には、制御部104からディスプレイ11上に表示されている項目が配置されている位置を示す座標データも供給される。位置特定部103は、供給された方向に関するデータと座標データを用い、ユーザが操作した方向(上下左右の内の一方向)に位置する項目を判断する。その判断結果は、制御部104に供給される。
制御部104は、位置特定部103から供給された判断結果を、インタフェース105を介して対応する装置に対して出力する。インタフェース105には、カーナビゲーションシステムの本体12、カーオーディオ12、およびアクチュエータ15が接続されている。
なおここでは、カーナビゲーションシステムやアクチュエータ15などの他の装置を一括して、リモートコントローラ21で操作できるようにするために制御装置14を設けるとするが、例えば、カーナビゲーションシステムのみに対して本発明を適用するような場合、制御装置14は、本体12に組み込まれることはもちろんであるが、図4に示した制御装置14の構成も適宜変更される。すなわち、図4に示した制御装置14の構成は、他の装置の構成と同様に、限定を示すものではない。
図5は、リモートコントローラ21の外観の構成を示す図である。
リモートコントローラ21には、ユーザの操作を示す信号を送信する送信部121が設けられている。この送信部121は、赤外線などの無線により信号を送信する。タッチパネル122は、ユーザがタッチ(接触)した部分を検出できる構造とされている。換言すれば、タッチパネル122は、ユーザが接触した位置の座標を取得できる構造とされている。
また、ユーザに操作した方向(リモートコントローラ21側で認識した方向)を確認させるなどの目的のために、タッチパネル122の下側にディスプレイやLED(Light Emitting Diode)を半透明の部材の下に設け、そのディスプレイなどに、ユーザが操作したと判断された方向の矢印を表示させるなどしても良い。
図6は、リモートコントローラ21の内部構成例を示す図である。
リモートコントローラ21のタッチパネル122に入力されたユーザからの指示は、描画方向判断部123に供給される。ユーザは、所定の装置に対して何らかの指示を出す場合、タッチパネル122上に線を描画する。すなわち、本実施の形態におけるリモートコントローラ21に対しては、従来のボタンを押下するといった操作が行われるのではなく、線を描画するといった操作が行われる。
このことは、従来、1次元的(点)な操作で指示が出されていたのを、2次元的(線)な操作で指示が出されることを意味している。
描画方向判断部123により判断された描画方向は、その方向を示す信号に変換され、送信部121により送信される。
このような構成を有する装置で構成される図1に示したシステムにおける動作について以下に説明する。
まず、図7のフローチャートを参照し、システム全体の動作の概略を説明し、その後、各装置における詳細な動作について、他のフローチャートを参照して説明する。
ステップS11において、カーナビゲーションシステムの本体12は、地図をディスプレイ11に対して送信する。制御部51(図2)は、記憶部53に記憶されている地図データを読み出し、描画部54に提供し、描画部54により、地図が描画される。そして、その描画された地図が、インタフェース55を介してディスプレイ11に提供される。
また、本体12は、ステップS12において、地図上に表示する項目も描画し、その項目のデータをディスプレイ11に送信する。ディスプレイ11は、ステップS31とステップS32において、地図と項目の、それぞれの描画データを受信する。そして、ステップS33において、ディスプレイ11は、受信し描画データを基に、地図と項目を表示する。図8は、ステップS33においてディスプレイ11に表示される画面の一例を示す図である。
図8に示したディスプレイ11の画面例には、地図が表示され、その地図の上に4つの項目が表示されている。画面上側には、“カーナビの操作”という項目131が表示され、この項目131が操作されると、カーナビゲーションシステムに関する操作、例えば、地図の拡大、縮小、音声案内のオン、オフ、ルート設定などの操作が行えることを示している。
画面下側には、“オーディオの操作”という項目132が表示され、この項目132が操作されると、カーオーディオ13に関する操作、例えば、音量の調整、ラジオ放送の受信チャンネルの変更、曲のスキップなどの操作が行えることを示している。
画面の右側には、“シフト操作”という項目133が表示され、この項目133が操作されると、アクチュエータ15に対する操作が行え、例えば、シフトアップ、シフトダウンが行えることを示している。
画面の左側には、“その他”という項目134が表示され、この項目134が操作されると、上述した項目131乃至133では操作できない他の項目、例えば、エアーコントローラによる温度の調整などの操作が行えることを示している。
ステップS33において、ディスプレイ11上に図8に示したような画面が表示される一方で、本体12は、ステップS13において、画面上で、項目131乃至134が表示されている位置に関する座標データを、制御装置14に対して送信する。制御装置14から送信された座標データは、ステップS51において、制御装置14に受信される。制御装置14は、受信した座標データを制御部104の記憶部(不図示)に記憶する。
図8に示したような画面が、ディスプレイ11上に表示されている状態だと、ユーザは、表示されている項目を選択できる。ユーザが、ディスプレイ11に表示されている項目(この場合、項目131乃至134)を選択する意志で、リモートコントローラ21を操作すると(形を描画すると)、その操作に対応する信号が、ステップS71の処理として、リモートコントローラ21から制御装置14に対し送信される。
制御装置14は、ステップS52において、リモートコントローラ21からの信号を受信すると、ステップS53において、ユーザにより選択された項目を判断する。ステップS53において、ユーザにより選択されたと判断された項目に関するデータが作成され、ステップS54において、その作成されたデータが送信される。
詳細は後述するが、ステップS54において作成されるデータは、単に、選択された項目が何であるかを示すものであっても良いし、項目が選択されたことにより実行される処理を、所定の装置に指示するデータであっても良い。どのようなデータが作成されるかは、適宜、設計の段階で適切に設定されるものである。
送信されたデータは、ステップS14において、本体12に受信される。本体12は、ステップS14において、受信したデータに対応する処理を実行する。その1つとして、ステップS15において、項目に関する描画デーが作成され、送信される。1つの項目が選択されることにより、その選択された項目に対応付けられている他の項目が、次の項目として、ユーザ側に提供される。
ステップS34において、本体12から送信されてきた項目データを受信したディスプレイ11は、ステップS35において、受信した描画データに基づく新たな項目を、画面上に表示させる。
ここで、図8に示した画面内の項目の内、ユーザにより“カーナビの操作”という項目131が選択される場合を考える。項目131が選択される場合、項目131は、画面の上側に配置されているため、ユーザは、リモートコントローラ21のタッチパネル122上で、上向きの線(下から上に向かうような線)を描画する。上向きの線が描画されたということを示すデータがリモートコントローラ21により生成され、制御装置14に対して送信される(ステップS71)。
なお付言しておくが、ユーザは、線(矢印)が描かれているボタンを操作するのではなく、タッチパネル122に指が接触した状態で、その指を動かし、線を描画する(タッチパネル122上をなぞるように指を動かし、線を描画する)。
制御装置14は、そのようなデータを受信する(ステップS52)と、ステップS53の処理として、受信したデータが示す方向を判断する。そして、その判断の結果、方向は上であると、この場合判断される。この判断結果と、座標データを用い、上側に配置されている項目が判断される。この場合、項目131がユーザにより選択されたということが判断される。
項目131が選択されたという判断結果が、ステップS54において、本体12に対して送信される。本体12は、送信されてきたデータから、項目131が選択されたことを認識する。そして、項目131が操作されたときに表示される項目として設定されている項目の描画データが作成され、ディスプレイ11に送信される。描画データがディスプレイ11に送信されると共に、各項目の座標データも、制御装置14に対して送信される。
ステップS35において、ディスプレイ11の画面上の項目131乃至134が、項目131が操作されたことにより新たな項目に切り換えられる。図9は、ステップS35においてディスプレイ11に表示される画面の一例を示す図である。
図9に示した画面では、ディスプレイ11に表示されている地図を拡大したいときに選択される“拡大”という項目141、地図を縮小したいときに選択される“縮小”という項目142、道案内を音声でも行うか否かを選択する“音声オン”という項目143、および、表示されている項目では行うことができないことを設定する際に選択される“その他”という項目144が、項目131乃至134に対する新たな項目として、ディスプレイ11上に表示されている。
このように、ユーザは、ディスプレイ11に表示されている項目を選択する際、単に、その選択した項目が表示されている方向を、リモートコントローラ21のタッチパネル122上で描画するだけでよい。このような、単に、タッチパネル122上で線を描画するだけの操作は、その操作自体に注意が注がれることなく行うことができるものであり、仮にユーザが運転中であっても、安全に行える操作である。
このような処理を実現するために、各装置で行われる処理について説明を加える。まず、図10のフローチャートを参照して、リモートコントローラ21の処理について説明する。
ステップS101において、描画方向判断部123(図6)は、タッチパネル122に入力があったか否かを判断する。ステップS101において、タッチパネル122に入力があったと判断されるまで、ステップS101の処理が繰り返されることにより、待機状態が維持される。そして、ステップS101において、タッチパネル122に入力があったと判断された場合、ステップS102に処理が進められる。
ステップS102において、タッチパネル122上でユーザが描画した線の座標が取得される。タッチパネル122への入力は常に監視されている。タッチパネル122は、例えば、抵抗膜式タッチパネルを用いることができる。タッチパネル122が、抵抗膜式タッチパネルである場合、そのタッチパネル122は、2枚の抵抗膜が対向配置されて構成されている。ユーザが接触することにより、一方の抵抗膜が押下されると、他方の抵抗膜に接触するように構成されている。また、抵抗膜自体には、電圧が印加される構成とされている。
タッチパネル122の所定の位置において、抵抗膜が接触していない状態(すなわちユーザが接触してない状態)のときに測定される電位と、抵抗膜が接触している状態(すなわちユーザが接触している状態)のときに測定される電位とでは、異なる値となる。また、接触されている状態であっても、抵抗膜が接触している位置が異なると、異なる電位が検出される。
このことを利用し、電位を測定することにより、タッチパネル122上でユーザが接触している位置を検出することができるように、抵抗膜式タッチパネルは構成されている。この電位を測定する時間(サンプリング時間)は、予め設定されており、そのサンプリング時間毎に、抵抗膜が接触している位置の検出が行われる。
このような仕組みを用いて、ステップS101,S102における処理が行われる。すなわち、ステップS101において、サンプリング時間毎に行われる電位の測定の結果、その測定された電位に変化があれば、入力があったと判断される。そして、ステップS102において、その電位の変化から判断されるタッチパネル122上の位置(座標)が判断される。
このようにして、ユーザがタッチパネル122上で接触した位置の座標が取得されると、ステップS103において、ユーザが描画した線の方向が判断される。サンプリング時間毎に取得された座標を、順次接続することにより線であることが認識される。そして、その線の始点と終点を判断することにより、その線の方向を判断することができる。
図11を参照して、ユーザが操作した方向の判断の仕方についてさらに説明を加える。
図11に示した矢印は、時刻t1のときに検出された座標(a,b)が始点とされ、時刻t2のときに検出された座標(p,q)が終点とされている。ここで時刻t1と時刻t2は、時刻t1<時刻t2の関係を満たしている。なお、以下の説明において、“矢印”という記載は、“ユーザが描画した線”を意味し、“その線の始点から終点に向かう方向を示したものである”ことをを意味する。
時刻t1と時刻t2の間隔は、1サンプリング時間であっても良いし、それ以外であっても良い。換言すれば、1サンプリング時間毎に、方向が判断されるようにしても良いし、始点が設定されてから所定のサンプリング時間だけ経過したときの入力を終点とし、数サンプリング時間毎に方向が判断されるようにしても良い。
図11を参照するに、矢印(ベクトル)のX方向の大きさは、|p−a|で表され、Y方向の大きさは、|q−b|で表される。まず、X方向の大きさ|p−a|と、Y方向の大きさ|q−b|が比較され、横方向(X軸方向)の変化であるのか、縦方向(Y方向)の変化であるのかが決定される。すなわちこの場合、|p−a| > |q−b|であれば、横方向の変化であると判断され、|p−a| < |q−b|であれば、縦方向の変化であると判断される。
ベクトルの大きさから、操作された方向は、縦方向か横方向かという大まかな判断がされた後、縦方向であるならば上か下か、横方向であるならば右か左かといった細かい判断が行われる。その判断は、まず前述した処理で、例えば、操作された方向は横方向(X軸方向)であると判断された場合、時刻t2におけるX軸方向の座標pと、時刻t1におけるX軸方向の座標aの差分(p−a)が算出される。そして差分(p−a)が0以上であれば、この場合、X軸のプラス方向に線が描画された、すなわち、右方向に描画がされたと判断される。差分(p−a)が0以下であれば、この場合、X軸のマイナス方向に線が描画された、すなわち、左方向に描画がされたと判断される。
また、前述した処理で、操作された方向は縦方向(Y軸方向)であると判断された場合、基本的に同様の処理により、上方向であるか、下方向であるかが判断される。すなわち、時刻t2におけるY軸方向の座標qと、時刻t1におけるY軸方向の座標bの差分(q−b)が算出される。差分(q−b)が0以上であれば、この場合、Y軸のプラス方向に線が描画された、すなわち、上方向に描画がされたと判断される。差分(q−b)が0以下であれば、この場合、Y軸のマイナス方向に線が描画された、すなわち、下方向に描画がされたと判断される。
このように、ユーザが操作したと判断される方向が検出される。しかしながら、前述したように、ユーザが操作したと判断される方向が検出される場合、X方向の大きさ|p−a|と、Y方向の大きさ|q−b|が等しいときがある。すなわち、|p−a|=|q−b|という関係が満たされる場合、ユーザが操作したと判断される大まかな方向を決定することはできない。
このような場合、換言すれば、ユーザが操作した方向は曖昧であると判断されるような場合、ユーザからの指示を受け付けないようにする。例えば、所定の範囲内に矢印(ベクトル)が存在すると判断される場合、その矢印の方向は判断せず、後段の処理も実行しないようにする。例えば、図12に示したように、斜線で示した部分に矢印が存在すると判断される場合には、その入力は無効であるとして処理されるようにする。
すなわちこの場合、上方向、下方向、左方向、右方向の4方向を判断対象としているので、斜め方向は判断対象に含めないようにする。また、斜め方向という曖昧な方向を判断対象としないことで、例えば、ユーザは上方向を選択したという認識であっても、リモートコントローラ21は右方向が選択されたと認識して処理するといった誤処理が行われるようなことを防ぐことが可能となる。
ここまでの説明においては、ユーザが、タッチパネル122上で線を描画することにより指示を出すとしたが、さらに、点を描画すること(タップ)によっても指示を出すことができるようにしても良い。点を描画するとは、ユーザがタッチパネル122上の一点を押下することで実現される。点が描画されたと判断されるのは、X軸方向とY軸方向の変化率が共に0のとき、すなわち、|p−a|=|q−b|=0のときである。なお、厳密に0のときだけでなく、0に近い値の所定の範囲内の数値であれば、0として扱われ、点が描画されたと判断されるようにしても良い。
点が描画されたときには、例えば、ディスプレイ11上に表示されている項目が消去され、地図だけが表示されるようにする、前の時点で表示されていた画面(または、図8に示したような初期画面)に表示が戻されるようにする、電源をオフにするなどの処理が実行されるようにする。
このようにユーザの操作として、上方向、下方向、左方向、右方向の4方向、および、点という5つの操作が設定されている。この設定されている5つの操作を示す信号が、ステップS104の処理として生成されるわけだが、その生成される信号は、例えば、上方向が“1”、下方向が“2”、左方向が“3”、右方向が“4”、点が“5”といったような数字を各操作に対応させ、その数字を表すものでも良い。
また、線以外の点も含め、5つの操作が設定されている場合、描画方向判断部123(図6)は、座標データから、その座標データにより示される形が、線であるのか点であるのかを判断する。そして、描画方向判断部123は、線であると判断したとき、その線が示す方向を判断し、その方向を示す信号を生成し、点であると判断したとき、点であることを示す信号を生成する。その信号は、上述したように、所定の形を関連付けられた数字などを示すものでも良い。
なお、ユーザの直接的な操作ではないが、ユーザがタッチパネル122に触れていない(従って、ユーザは、リモートコントローラ21を操作していない)という状況も1つの操作として設定されている(6つの操作が設定されている)ようにしても良い。このように、ユーザが操作していない状況も、操作の1形態として判断するようにすることで、例えば、そのような状況が継続した時間により、ディスプレイ11上に表示されていた項目が消去され、地図だけが表示されるなどの処理が実行されるようにすることができる。
ところで、リモートコントローラ21の形状や大きさであるが、例えば、図13に示すように、ユーザが片手(例えば、右手)で保持したときに、その手の親指で操作できる、すなわち、所定の方向の線を描画し、点を描画できる形状、大きさに設計される。このように設計されれば、単に親指を動かすだけで、所望の項目(処理)を選択することができるため、リモートコントローラ21に対する操作に注意を傾けることができる状態のときはもちろんのこと、リモートコントローラ21に対する操作だけに注意をかたむけることができない状況、例えば、運転中などにおいても、簡便に、かつ、確実に、所望の項目(処理)を選択することが可能となる。
図13に示したような状態のとき、タッチパネル122上に線が描画される場合、例えば、ユーザが上方向の線を描画したとき、その線は、常に同じ始点から同じ終点までの線として描かれるとは限らない。すなわち、ユーザが描画する上向きの線としては、図14に示すように、タッチパネル122の左側に短い線で描画された線、タッチパネル122の中心部分で長い線で描画された線、タッチパネル122の右側に、上向きであるが傾いている線で描画された線など、さまざまな線が考えられる。
このような始点や終点が異なる線であっても、上述したような処理により、上向きに描画された線は、上方向の線であると判断され、処理される。すなわち、タッチパネル122上の位置に関わらず、また、長さにかかわらず、上向きの線であれば上向きの線であると判断され、処理されるように、リモートコントローラ21は構成されている。
よって、ユーザは、タッチパネル122上で線を描画する際、比較的雑に描画しても装置側の処理は正確に実行されるため、ボタンなどを操作して指示を出す場合に比べて、ユーザにとっては、あまり注意力を必要とせずに操作を行うことができ、使い勝手が良いものである。
図10のフローチャートの説明に戻り、ステップS103により、描画方向判断部123によりユーザが操作した方向が判断されると、ステップS104において、その判断結果に基づくデータが生成され、送信される。すなわち、例えば、ユーザが操作した方向は、右方向であると判断された場合、“右方向”ということを示すデータが生成され、そのデータが、送信部121により制御装置14に対して送信される。
このような処理が、リモートコントローラ21において繰り返し行われる。
次に、図15のフローチャートを参照し、制御装置14の処理について説明する。
ステップS121において、制御装置14の制御部104(図4)は、インタフェース105を介して、本体12から、座標データと処理データを受信する。
まず、ステップS121において受信される座標データについて説明を加える。座標データは、例えば、図8に示したディスプレイ11上の画面例において、項目131乃至134のそれぞれの項目が表示されている位置を表すデータである。そして、座標データは、ユーザが操作した方向に配置されている項目を判断するために用いられる。よって、座標データとしては、各項目の位置関係が判断できるようなデータであればよい。
例えば、図8を再度参照するに、項目131は、画面の上側に、所定の大きさの領域が割り当てられて表示されているわけだが、この表示されている領域内の1点、例えば、中央に位置する点の座標のみが、項目131に関する座標データとして制御装置14に供給される。他の項目も同じように、表示される領域内の1点の座標データが、制御装置14に供給されるようにすればよい。
または、座標データではなく、表示されている項目の位置を示すデータ、例えば、項目131は、上側に配置されているといったことを示すデータが、制御装置14に供給されるようにしても良い。
次に処理データについて説明を加える。処理データは、項目に関連付けられているデータである。ユーザにより項目が選択された場合、その選択された項目に関連付けられている処理データに基づく処理が実行される。具体例を挙げて説明する。図8を再度参照するに、“カーナビの操作”という項目131が選択された場合を例に挙げて説明する。
項目131は、ユーザが、カーナビゲーションシステムを操作したいときに操作される項目である。そして、この項目131が操作されると、図9に示したように、項目131乃至134が、カーナビゲーションシステムを操作するための項目141乃至144に切り換えられる。よって、この項目131に関連付けられている処理データは、カーナビゲーションシステムの本体12に、図9に示したような項目141乃至144を表示させよという指示を出すデータである。
また、他の例として、図9を再度参照するに“拡大”という項目141がユーザにより選択された場合を例に挙げて説明する。項目141は、ユーザがディスプレイ11に表示されている地図を拡大させたいときに操作される項目である。そのような項目に関連付けられている処理データは、カーナビゲーションシステムの本体12に、地図を拡大して表示せよという指示を出すためのデータである。
このような座標データと処理データが、ステップS121の処理として、カーナビゲーションシステムの本体12から供給されると、制御装置14は、ユーザからの指示待ちの状態となる。そして、ステップS122において、ユーザからの指示を受信すると、ステップS123に処理が進められる。ここで、ユーザからの指示とは、リモートコントローラ21からの信号のことであり、その信号が、ステップS122において受信される。
ステップS123において、判断部102(図4)により、ユーザが描画した線の方向が判断される。リモートコントローラ21からの信号は、上述したように、ユーザが描画した線の方向に関するものであり、制御装置14の受信部101により受信される。受信された信号は、判断部102に供給される。判断部102は、供給された信号から、ユーザが描画した線の方向を判断する。そして、判断結果に基づくデータが生成され、位置特定部103に供給される。
ステップS124において、位置特定部103は、ユーザが選択した項目を判断する。位置特定部103は、判断部102から供給されたデータが示す方向に位置する項目を特定する。例えば、図8に示した画面がディスプレイ11に表示されている状態のときに、判断部102から供給されたデータが示す方向が、“上向き”であった場合、位置特定部103は、項目131がユーザにより選択されたと特定する。位置特定部103は、特定した項目を示すデータを、制御部104に供給する。
制御部104は、ステップS125において、位置特定部103から供給された項目を示すデータから、ユーザが選択した項目を特定し、その特定した項目に関連付けられている処理データを読み出す。そして、制御部104は、読み出した処理データを対応する装置に対して送信する。例えば、項目131(図8)が選択された場合、項目131は、カーナビゲーションシステムを操作する際に選択される項目であるので、カーナビゲーションシステムの本体12に対して処理データが送信される。
このような処理が終了されると、ステップS126において、制御部104は、本体12に対して項目を更新するように指示を出す。すなわち、1つの項目が選択された場合、その選択された項目に関連付けられている次の項目を表示するように指示が出される。例えば、項目131(図8)が選択された場合、項目141乃至144を新たにディスプレイ11上に表示するように、本体12に対して指示が出される。
このような処理が制御装置14において繰り返し行われる。
なお、ステップS122において受信されたリモートコントローラ21からの信号が、点を示す信号であった場合、ステップS123においては、点であると判断される。その結果、ステップS124乃至S126の処理は省略され、点が入力されたときに行う処理として設定されている処理が実行される。
例えば、点が入力されたときに行う処理として設定されている処理が、前の項目に表示を戻すというものであった場合、前の項目に戻せという指示が出される。
図15のフローチャートの処理について具体例を挙げてさらに説明を加える。図8に示した画面が、ディスプレイ11上に表示されているときに、ユーザにより、“オーディオの操作”という項目132が選択された場合、図16に示したような画面(項目)に切り換えられる。
このような場合、制御装置14においては、ステップS123において、ユーザが描画した線は、下向き方向であると判断され、ステップS124において、項目132が選択されたと判断される。そして、その項目132に関連付けられている処理データは、この場合、カーオーディオ13を操作する項目を表示させるためのものである。
よって、ステップS125において、制御装置14からカーオーディオ13に対して、カーオーディオ13を操作するための項目161乃至164を、ディスプレイ11上に表示させよという指示が出される。このような指示を得たカーオーディオ13からは、カーオーディオ13自身を操作するための項目に関するデータが、インタフェース105を介して制御装置14に供給される。この際、処理データもあわせて供給される。
制御装置14は、ステップS126において、供給された項目161乃至164に関するデータと、更新を指示するデータを本体12に対して送信する。本体12においては、供給された指示に基づき、供給された項目161乃至164に関するデータを用いて描画データを作成し、ディスプレイ11に供給する。このような処理が行われることにより、図16に示したような項目161乃至164がディスプレイ11上に表示される。
ここでは、図4に示したように、制御装置14とカーオーディオ13は、インタフェース105を介してデータの授受が行えるように接続されているために、上述したように、制御装置14を介して項目161乃至164に関するデータが、本体12に供給されるとした。しかしながら、本体12とカーオーディオ13が接続され、直接的にデータの授受を行えるように構成されていても良い。
本体12とカーオーディオ13が接続されている場合、制御装置14を介さずに、カーオーディオ13から本体12に、項目161乃至164に関するデータが直接供給されるようにしても良い。
図16に示したような画面がディスプレイ11上に表示されているとき、ユーザがリモートコントローラ21のタッチパネル122上で、上向きの線を描画すると、制御装置14は、ステップS124において、“音量アップ”という項目161が選択されたと判断する。項目161に関連付けられている処理データは、カーオーディオ13に対して、音量をアップせよという指示を出すためのデータである。
ステップS125の処理として、制御装置14は、処理データに基づき、カーオーディオ13に対して音量をアップするように指示を出す。この場合、ディスプレイ11上の項目をそのまま表示しておいて良いので、制御装置14は、ステップS126の処理として、そのままの状態を維持せよという指示を、本体12に対し出す。
このように、ユーザは、簡便にカーオーディオ13に対して、音量をアップせよという指示を出すことができる。同様に、ユーザは、タッチパネル122上で、下向きの線を描画するだけで、カーオーディオ13に対して音量をダウンするように指示を出すことができる。
図16に示したような画面が表示されているときに、ユーザがカーナビゲーションシステムを操作したいと所望した場合に対応するために、例えば、タッチパネル122上に点が描画されると、図8に示したような画面にディスプレイ11上の画面が切り替わり、カーナビゲーションシステムを操作するための項目131が表示されるような仕組みを設けても良い。
このように、ユーザは、タッチパネル122上に線を描画するだけで、所望の操作に対応する項目を選択することができる。よって、ユーザは、運転中であっても、カーオーディオ13の操作を簡単にすることができ、かつ、その操作だけに注意がそがれる可能性も低いため、所望の操作を行うことができる。
次に、図8に示した画面において、“シフト操作”という項目133がユーザに選択された場合について説明する。項目133が操作された場合も、リモートコントローラ21や制御装置14において、基本的に上述したような処理が実行されることにより、ディスプレイ11上の項目131乃至134が、シフト操作に関する項目に切り換えられる。図17は、シフト操作に関する項目が配置されたディスプレイ11上の画面の一例を示す図である。
図17においては、“シフトアップ”という項目181、“シフトダウン”という項目182が表示されている。この2つの項目181,182は、シフトに関する操作であるが、シフトに関する操作としては、この2つの項目181,182がディスプレイ11上に表示されていればよい。そこで、図17に示した画面例では、“カーナビ”という項目183と“カーオーディオ”という項目184が、ディスプレイ11の画面の左右に設けられている。
この項目183,184は、シフト操作自体には直接的な関係はないため、シフト操作だけを行う状態のときには、画面に表示させないようにしても良い。
なお、ディスプレイ11に表示される項目は、図示したものに限定されるものではなく、適宜変更可能であり、設計段階などにおいて、ユーザの使い勝手などを考慮して決定されればよい。また、ユーザ自身が、どのような項目をどのような場面でディスプレイ11上に表示させるかを設定できる機能を設けるようにしても良い。
図17に示した項目のうち、“シフトアップ”という項目181が操作されると、シフトがアップされ、“シフトダウン”という項目182が選択されると、シフトがダウンされる。ここでシフトとは、車における変速ギアを変化させることを意味する。
現在、マニュアル車やオートマティック車などと称される車が市場に出回っている。簡便に記載すれば、マニュアル車は、ユーザが任意のタイミングでギアを変化させる車であり、オートマティック車は、予めプログラミングされたタイミングで、ユーザの手を煩わすことなくギアを変化させる車である。
近年、オートマティック車においても、マニュアル車に近いギアの操作、すなわち、ユーザが所望のタイミングでギアを変化させることができる機能を有している車がある。また、マニュアル車に近いが、ユーザは、クラッチなどの操作をせず、パドルなどと称されるハンドルにつけられたレバーを操作するだけで、ギアを変化させることができる車もある。このような車は、疑似マニュアル車、セミオートマティック車などと、一般的に称されることがある。
ギアの変化のタイミングを、ユーザ側で決定できるようになっている車において、ユーザがギアを上げるときをシフトアップとし、ユーザがギアを下げるときをシフトダウンと、ここでは称する。また、シフトアップとシフトダウンに関わる操作を適宜、シフト操作と称する。
シフトアップまたはシフトダウンが指示されると、アクチュエータ15(図1)に対して変速の指示が出される。アクチュエータ15は、ギアボックス(不図示)を制御するものである。ギアボックスが制御されることにより、シフトアップやシフトダウンが制御される。
実際の変速(シフトアップやシフトダウン)に関わる動作は、アクチュエータ15の動作や、ギアボックスの動作のみならず、クラッチの切り離しや回転数の制御など、様々な動作が関わりあって行われるものであるが、それらの動作は、車により異なり、また、本発明においては、その動作自体の詳細は直接的な関係がないため、ここでは、それらの説明は省略する。以下の説明においては、アクチュエータ15の制御によりシフトアップ、または、シフトダウンの処理が実行されるとして説明をする。
このように、シフトアップ、またはシフトダウンといったシフト操作は、車の走りに直接的に関わること(運転中に行われること)である。よって、シフト操作が行われる状況を考えると、ユーザは、ハンドル31(図1)を保持した状態で行うことが多いと考えられる。本実施の形態においては、このシフト操作も、リモートコントローラ21を操作することで、すなわち、タッチパネル122上で、線(点)を描画することにより行われる。
そこで、ユーザの便宜を考えると、シフト操作に関しては、図13に示したように、リモートコントローラ21を保持した状態で操作が行なわれるよりも、ハンドル31を保持した状態で行えるようにした方が好ましいと考えられる。少なくとも、ユーザがハンドル31を保持した状態でも手の届く範囲内の、ハンドル31や肘掛け32(図1)にリモートコントローラ21が装着された方が使い勝手が良いと考えられる。
そこで、図19に示すようにリモートコントローラ21をハンドル31に装着できるようにする。図19に示したハンドル31には、リモートコントローラ21―1とリモートコントローラ21―2という2つのリモートコントローラが装着されている。
これは、まず、ユーザが右手でも、左手でも、どちらの手でもリモートコントローラ21を操作できるようにするために、左右にそれぞれリモートコントローラ21を設ける。また、ハンドル31は、回転するものであり、回転することによりリモートコントローラ21が操作できない位置に来ることがないようにするために、2つのリモートコントローラ21―1,21−2を備えるようにし、360度の範囲で操作可能なようにする。
ハンドル31は、回転するものであるので、リモートコントローラ21がハンドル31に装着されると、送信部121(図5)は、制御装置14側に向いていないときがある。そのために、リモートコントローラ21から発信された信号が、制御装置14に受信されづらいという状況が発生する可能性がある。
また、リモートコントローラ21がハンドル31に対して着脱自在に構成されている場合、リモートコントローラ21が単にハンドル31に引っかけられて装着されるような構成にしておくと、ハンドル31が回転されたときに、リモートコントローラ21が落下するといったような可能性もある。
そこで、図19に示すように、リモートコントローラ21が収まるような凹部210を、ハンドル31に設ける。凹部210にリモートコントローラ21を収めるような構成とすることで、ハンドル31が回転した時でも、リモートコントローラ21が落下しないようにする。また、リモートコントローラ21とハンドル31に磁石を設け、その磁石の吸引力を利用して着脱自在に構成するようにしても良い。
図19に示すように、リモートコントローラ21に端子201−1と端子201−2を設け、ハンドル31側に、端子211−と端子211−2を設ける。リモートコントローラ21が凹部210に収められたとき、リモートコントローラ21の端子201−1とハンドル31の端子211−1が接触し、リモートコントローラ21の端子201−2とハンドル31の端子211−2が接触するように構成されている。
ハンドル31に設けられている端子211−1と端子211−2は、例えば、制御装置14の制御部104(図4)と接続されている(例えば、インタフェース105の一部として構成されている)。この端子同士が接触することにより、リモートコントローラ21と制御装置14がデータの授受が行えるように構成されている。このように構成することで、ハンドル31が回転しても、確実に、リモートコントローラ21からの指示が、制御装置14に対して供給されるようにすることができる。
なお、リモートコントローラ21は、ハンドル31に対して着脱自在ではなく、ハンドル31の一部として構成(ハンドル31に常に装着されている状態として構成、ハンドル31と一体化されて構成)されていても良い。
ところで、シフト操作のみを考えると、シフトアップ、または、シフトダウンの2つの操作だけできればよい。換言すれば、図17に示した画面がディスプレイ11上に表示されている状態のときに、項目181と項目182を選択できればよい。さらに換言すれば、シフト操作の時には、リモートコントローラ21のタッチパネル122に対して描画される線は、上方向または下方向の2方向のみである。
よって、シフト操作のみを考えた場合、リモートコントローラ21は、上または下という2方向のみ判断できるように構成されていればよい。すなわち、必ずしも、図12を参照して説明したような、斜め方向は判断対象に含めないといったような条件を設ける必要はない。このようなことを考慮し、リモートコントローラ21は、ハンドル31に装着されたか否か(凹部210に収められたか否か)を判断する機能を有し(このような機能は、端子201と端子211が接触したか否かを物理的なスイッチなどで判断できるように構成すれば実現できる)、装着されたと判断された時には、方向に関する判断基準(条件)を切り換える機能を有するようにしても良い。
また、リモートコントローラ21は、車内に複数存在していても良い。例えば、シフト操作を行うリモートコントローラ21と、カーナビゲーションシステムやカーオーディオ13を操作するリモートコントローラ21を、別々に設けても良い。
また、シフト操作を行うリモートコントローラ21は、ハンドル31と一体型に構成されているようにし、カーナビゲーションシステムなどを操作するリモートコントローラ21は、図13に示したようにユーザが保持できるように構成されているようにする。
このように、シフト操作と、その他の操作で、異なるリモートコントローラ21を用いるようにした場合、シフト操作を行うためのリモートコントローラ21は、上述したように、上方向と下方向の2方向のみ判断できる構成とすることが可能である。よって、リモートコントローラ21自体の大きさを小さくすることができ(少なくとも、横方向に関しては縮小することができる)、よりハンドル31と一体化しやすい構造とすることができる。
上述した実施の形態においては、項目がディスプレイ11上に表示されるとして説明したが、シフト操作とカーナビゲーションシステムなどの操作を、それぞれ別のリモートコントローラ21で操作するようにした場合、一方(例えば、カーナビゲーションシステムの方)のリモートコントローラ21で操作する項目のみをディスプレイ11上に表示させるようにしても良い。
また、シフト操作用のリモートコントローラ21をカーナビゲーションシステムなどの操作用のリモートコントローラ21とは別に設けた場合、シフト操作用のリモートコントローラ21で選択される項目は、“シフトアップ”か“シフトダウン”の2つだけである。ユーザとしては、上方向=アップ、下方向=ダウンという関連付けを容易に想起することができるため、そのような2つの項目をディスプレイ11上に表示させなくても良い。よって、上述したように、カーナビゲーションシステムなどの操作に関わる項目のみを、ディスプレイ11上に表示させるようにすることも可能となる。
本発明を適用すれば、シフト操作に関しても、ユーザは、この場合、リモートコントローラ21のタッチパネル122上に、上方向または下方向の線を描画するだけでシフトを変えることができる。
リモートコントローラ21がハンドル31に装着された場合、ハンドル31は回転するということも考慮し、上方向、下方向が判断される必要がある。このような判断がされる必要性について、図20を参照して説明する。なお、図20には、説明の都合上、ハンドル31にリモートコントローラ21が1台だけ備えられている状態を示している。
図20の上段に示した図は、ハンドル31が、回転されていない状態(タイヤが車の進行方向と同一線上に位置している状態)を示している。この状態においては、図20の上段に示すように、X軸は図中、右向きがプラスであり、Y軸は図中、上向きがプラスである。よって、ユーザが、タッチパネル122上で上向きの線を描画すれば、上向きの線であると正常に判断される。
これに対して、図20の下段に示した図は、図20の上段に示したハンドル31の状態から、ハンドル31が180度回転した状態を示している。この状態においては、図20の下段に示すように、X軸は図中、右向きがプラスであり、Y軸は図中、下向きがプラスである。よって、ユーザが、タッチパネル122上で上向きの線を描画しても、その線は、Y軸のマイナス側に向かっている線なので、下向きの線であると判断されてしまう。
このように、ハンドル31が回転した角度(回転角度)に応じた補正をしなくては、ユーザが描画した線がユーザの意図した方向とは異なる方向の線として判断されてしまうことがある。そこで、このような不都合を回避するために、ハンドル31にリモートコントローラ21が装着される場合、また、そのリモートコントローラ21がシフト操作に関わる場合、アクチュエータ15に指示を出すまでの処理に関わる機能の構成は、図21に示したようになる。
図21に示したシフト操作に関わる機能の構成は、リモートコントローラ21、方向補正部231、回転情報提供部232、シフト判断部233、および、アクチュエータ15から構成されている。
リモートコントローラ21からの信号は、方向補正部231に供給される。この方向補正部231には、回転情報提供部232からの信号も供給される。方向補正部231は、まず、リモートコントローラ21から供給された信号から、ユーザが描画した線の方向を判断する。しかしながら、その方向は、ハンドル31の回転角度を考慮したものではないため、回転情報提供部232からの信号を用いて、判断された方向を補正する。
回転情報提供部232からは、ハンドル31の回転角度を示す信号が供給される。例えば、回転情報提供部232は、ハンドル31の回転角度が180度の場合、180度ということを示す信号を生成し、方向補正部231に提供する。方向補正部231は、このような回転角度に関する信号から回転角度を判断し、その回転角度分だけ、ユーザが描画した線の方向を補正する。
例えば、ユーザが描画した線が下向き(−90度方向)であると判断された場合、かつ、回転角度が180度であると判断された場合、すなわち、図20の下段に示した状況であると判断された場合、方向補正部231は、―90度に180度を加算する。この加算の結果、90度という算出結果が取得される。すなわち、―90度は、90度に補正されたことになる。そして、90度は、上向き方向を示すので、ユーザの描画した線は、上向きであると判断される。
このように、方向補正部231により、補正された方向は、シフト判断部233に供給される。シフト判断部233は、供給された信号が示す方向を判断する。その結果、上向きであると判断された場合、アクチュエータ15に対してシフトアップせよという指示が出される。また逆に、下向きであると判断された場合、アクチュエータ15に対してシフトダウンせよという指示が出される。
このように、ハンドル31の回転角度の情報を用いてユーザが描画した方向を補正することにより、ユーザが描画した線の方向を、常に正確に判断することが可能となる。
方向補正部231や回転情報提供部232は、ハンドル31内で、端子211に接続された部分に設けられればよい。または、リモートコントローラ21内で、送信部121とは別系列で、端子201と接続される部分に設けられるようにしても良い。
また、シフト操作をカーナビゲーションシステムなどの操作とは独立して行えるように構成した場合、方向補正部231、回転情報提供部232、および、シフト判断部233は、リモートコントローラ21とアクチュエータ15の間で、ハンドル31の内部などに設けられる。
また、シフト操作をカーナビゲーションシステムなどの操作とともに行えるようにした場合、制御装置14を介して、上述したような処理と基本的に同様の処理が実行されることにより実現することができる。このようにした場合、方向補正部231と回転情報提供部232は、ハンドル31内などに備えられ、方向方正部231から出力された信号は、制御装置14の判断部104(図4)に供給されるようにすればよい。シフト判断部233は、判断部102として構成することができる。
このように構成すれば、1つのリモートコントローラ21で、複数の操作を実行することができる。
なお、リモートコントローラ21をハンドル31に着脱自在に構成した場合、リモートコントローラ21を車の鍵代わりに用いることも可能である。例えば、リモートコントローラ21にIDを記憶させ、リモートコントローラ21がハンドル31に装着されたときに、そのIDが読み出されるように構成し、読み出されたIDが一致した時点で(さらに、タッチパネル122に所定の文字などが入力された時点としても良い)、エンジンなどが駆動されるような仕組みを設けることも可能である。
また、リモートコントローラ21を着脱自在に構成した場合、リモートコントローラ21を、車内に設置されている装置だけでなく、例えば、家庭内のテレビジョン受像機などの装置に対しても指示をだせるようにしても良い。
リモートコントローラ21により、家庭内のテレビジョン受像機などに対しても指示を出すことができるのは、上述した実施の形態においては、リモートコントローラ21側では、ユーザが描画した線の方向のみを判断し、装置側で、選択された項目や処理データを選択しているからである。よって、テレビジョン受像機などの装置においても、制御装置14がテレビジョン受像機とともに備えられる構成、または、制御装置14が行う処理(図15に示したフローチャートの処理)を実行できる機能をテレビジョン受像機自体が備える構成とすることにより、上述したカーナビゲーションシステムなどと同様に、ユーザは、テレビジョン受像機を操作することが可能となる。
上述した実施の形態においては、制御装置14を設け、その制御装置14がリモートコントローラ21からの信号を受信し、処理し、他の装置(例えば本体12)に指示を出すとして説明したが、制御装置14を、本体12などに対して別体として構成するのではなく、一体型に構成しても良い。
図22は、制御装置14を本体12と一体型に構成した場合の本体12の構成例を示す図である。図22に示した本体12は、図4に示した本体12と比較し、入出力部52の代わりに、制御装置14に備えられていた受信部101、判断部102、および、位置特定部130を備えた構成とされている。受信部101、判断部102、および、位置特定部130は、それぞれ、図4に示した制御装置14に含まれる部分と同様の動作を行う。
このように制御装置14が本体12などの所定の装置に組み込まれた場合、リモートコントローラ21からの信号は、各装置に直接送信され、受信した装置側で処理される。
制御装置14をリモートコントローラ21側に設けることも可能である。図23は、制御装置14をリモートコントローラ21側に設けた場合のリモートコントローラ21の構成を示す図である。
図23に示したリモートコントローラ21は、図6に示したリモートコントローラ21を比較し、制御装置14に備えられていた位置特定部103と制御部104が、描画方向判断部123と送信部121との間に設けられた構成とされている。また、受信部251も設けられ、受信部251により受信されたデータは、位置特定部103と制御部104に供給される構成とされている。
このような構成の場合、まず、タッチパネル122に入力された座標データは、描画方向判断部123に供給される。描画方向判断部123は、座標データから、ユーザが描画したのは、線であるか、点であるかを判断し、線である場合、その方向をさらに判断し、その判断結果を位置特定部103に供給する。
位置特定部103には、受信部251により受信された座標データも供給される。位置特定部103は、供給された座標データと方向に関するデータから、選択された項目を判断し、その判断結果を制御部104に供給する。制御部104は、供給された項目に関するデータから、選択された項目を判断し、その項目に関連付けられている処理データを判断する。この処理データは、受信部251により受信される。
制御部104は、判断した処理データに基づく処理を実行する。例えば、カーオーディオ13に対して、音量をアップせよという指示を示すデータが、送信部121から送信される。
このように、リモートコントローラ21に制御装置14を組み込んだ場合、座標データや処理データを、本体12などの制御対象となる装置から供給を受ける必要がある。よって、リモートコントローラ21は、受信部251を備え、所定の装置と双方向通信を行えるように構成される。図示はしないが、リモートコントローラ21の操作対象となる装置側(例えば、本体12)には、座標データや処理データを送信する送信部が設けられた構成とされる。
このようにリモートコントローラ21が構成された場合、所定の装置を制御するための処理データが、リモートコントローラ21自体に記憶されているので、リモートコントローラ21から直接(制御装置14を介さず)に、その所定の装置に対して指示が出される。
なお、上述した実施の形態においては、座標データや処理データは、必要に応じ、本体12などから制御装置14に供給されるとしたが、予め制御装置14に記憶されているようにしても良い。
上述した一連の処理は、それぞれの機能を有するハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
図24は、汎用のコンピュータの内部構成例を示す図である。コンピュータのCPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータやプログラムなどが適宜記憶される。入出力インタフェース305は、キーボードやマウスから構成される入力部306が接続され、入力部6に入力された信号をCPU301に出力する。また、入出力インタフェース305には、ディスプレイやスピーカなどから構成される出力部307も接続されている。
さらに、入出力インタフェース305には、ハードディスクなどから構成される記憶部308、および、インターネットなどのネットワークを介して他の装置とデータの授受を行う通信部309も接続されている。ドライブ310は、磁気ディスク311、光ディスク312、光磁気ディスク313、半導体メモリ314などの記録媒体からデータを読み出したり、データを書き込んだりするときに用いられる。
記録媒体は、図24に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク311(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク312(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク313(MD(Mini-Disc)(登録商標)を含む)、若しくは半導体メモリ314などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記憶されているROM302や記憶部308が含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って、時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
11 ディスプレイ, 12 本体, 13 カーオーディオ, 14 制御装置, 15 アクチュエータ, 21 リモートコントローラ, 31 ハンドル, 32 肘掛け部, 51 制御部, 52 入出力部, 53 記憶部, 54 描画部, 71 制御部, 72 入出力部, 73 再生部, 101 受信部, 102 判断部, 103 位置特定部, 104 制御部, 121 送信部, 122 タッチパネル, 123 描画方向判断部