JP2005162822A - 複合樹脂材料 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 2種以上の樹脂成分が相分離構造をなす樹脂混合物中にフィラーを分散させた複合樹脂材料であって、かつ一部のフィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通していることを特徴とする複合樹脂材料。
【効果】 本発明の複合樹脂材料は、少量のフィラー配合量で優れた物性を示すものであり、特に、フィラーとして導電性フィラーを用いた場合、少量のフィラー配合量で高い導電性を有するものとなり、樹脂本来の物性を損なうこともない優れた複合樹脂材料となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性、熱伝導性、力学物性等の各種物性に優れた複合樹脂材料に関する。
従来、高分子材料の物性改良の手段として、2種類以上のポリマーを混ぜ合わせること(ポリマーブレンド)や、フィラーを添加することによって複合材料化する手法が用いられ、複合化された材料のポリマー部分の相分離構造やフィラーの分散状態を制御することによって、所望の材料物性を発現させる工夫がなされてきた。フィラー添加ポリマーブレンド系複合材料の構造には、ポリマー部分の相分離構造としては、海島構造、共連続構造、サラミ構造等の種類があり、フィラー分散状態としては、フィラーを各相に均一に分散した状態の他に、フィラーを1相又は複数相に偏在させた状態などがある。即ち、ポリマー相分離構造とフィラー分散状態との組合せに応じて各種構造が存在する。このようなフィラー添加ポリマーブレンド系複合材料の開発においては、求める物性を与える構造の研究、及び優れた物性を与える材料の開発が続けられている。
特開2002−38022号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、導電性、熱伝導性、力学物性等の各種物性、特に、導電性に優れた新規な構造を有する複合樹脂材料を提供することを目的とする。
例えば、樹脂材料に導電性を付与するため、導電性カーボンブラック、カーボン繊維、金属粉等の導電性を有するフィラーをブレンドすることが行われているが、必要とされる導電性を得るためには、コンパウンド中にある程度の量の導電性フィラーを配合する必要がある。しかしながら、導電性フィラーの量が多くなると、ベース樹脂本来の物性が損なわれてしまうため、導電性の向上と、樹脂物性の維持は、両立させることが難しく、少ないフィラー量で必要な物性を与える樹脂材料の開発が望まれていた。
従来のフィラー添加ポリマーブレンド系複合材料としては、例えば、特開2002−38022号公報(特許文献1)に、相分離構造を有する樹脂ブレンド系においてフィラーを一方の樹脂相に偏在させた樹脂組成物が開示されているが、この場合、フィラーは複合材料を構成する各々の相内に完全に内包された状態で分散されている。そのため、この状態では、電子や熱などを伝達するパスが寸断された状態にあり、このフィラー状態では、導電性、熱伝導性、力学物性等を効果的に改良できていないと考えられる。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、2種以上の樹脂成分が相分離構造をなす樹脂混合物中にフィラーを分散させた複合樹脂材料のフィラー分散状態を、一部のフィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通しているようにすれば、少量のフィラー配合量でも、効果的な物性改良が可能であること、特に、フィラーとして導電性フィラーを用いる場合、少量のフィラー配合量でも、多くの導電パスが効率よく形成されて高い導電性が得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記の複合樹脂材料を提供する。
[請求項1] 2種以上の樹脂成分が相分離構造をなす樹脂混合物中にフィラーを分散させた複合樹脂材料であって、一部のフィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通していることを特徴とする複合樹脂材料。
[請求項2] 上記相分離構造がマトリックス相と分散相とからなる海島構造であることを特徴とする請求項1記載の複合樹脂材料。
[請求項3] 上記フィラーの残部が上記マトリックス相と分散相双方の各々の内部に包含されて分散し、かつフィラー全体が分散相に偏在していることを特徴とする請求項2記載の複合樹脂材料。
[請求項4] 上記フィラーの残部が上記分散相の内部のみに包含されて分散し、かつフィラー全体が分散相に偏在していることを特徴とする請求項2記載の複合樹脂材料。
[請求項5] 上記分散相の平均径dが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
[請求項6] 上記フィラーが繊維状フィラーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
[請求項7] 上記分散相の平均径dと上記繊維状フィラーの平均繊維長Lとの比L/dが0.001〜10であることを特徴とする請求項6記載の複合樹脂材料。
[請求項8] 上記分散相の平均間隔Dと上記繊維状フィラーの平均繊維長Lとの比L/Dが0.1〜10であることを特徴とする請求項6記載の複合樹脂材料。
[請求項9] 上記分散相の平均間隔Dと、上記隣接する樹脂成分相間の界面を貫通している繊維状フィラーの上記マトリックス相に突出している部分の平均長さLoとの比Lo/Dが0.1〜10であることを特徴とする請求項6記載の複合樹脂材料。
[請求項10] 上記繊維状フィラーの直径が1nm〜1μm、アスペクト比が10〜1,000であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
[請求項11] 上記繊維状フィラーが繊維状カーボンであることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
本発明の複合樹脂材料は、少量のフィラー配合量で優れた物性を示すものであり、特に、フィラーとして導電性フィラーを用いた場合、少量のフィラー配合量で高い導電性を有するものとなり、樹脂本来の物性を損なうこともない優れた複合樹脂材料となる。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明の複合樹脂材料は、2種以上の樹脂成分が相分離構造をなす樹脂混合物中にフィラーを分散させた複合樹脂材料であり、一部のフィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通しているものである。
上記相分離構造としては、特に限定されるものではなく、非相溶性の2種類以上の樹脂成分の混合状態として知られている海島構造、共連続構造、サラミ構造などが挙げられるが、特に、マトリックス相と分散相とからなる海島構造が好ましい。この場合、分散相の平均径dは0.1〜10μmであることが好ましい。
一方、本発明の複合樹脂材料において、フィラーは、一部のフィラーが隣接する樹脂成分相間の界面を貫通している状態となっている。
このフィラーが隣接する樹脂成分相間の界面を貫通している状態について、図を示して説明する。図1は、海島構造を有する樹脂混合物中にフィラーが分散されている複合樹脂材料を模式的に示す図であり、マトリックス相(海相)1中に分散相(島相)2が存在する海島構造をなす樹脂混合物中に、多数のフィラー3が分散している状態を示す。本発明の複合樹脂材料は、(A)に示すようなフィラーが相内に完全に内包されている従来の複合樹脂材料のフィラー分散状態と異なり、(B)に示すように、マトリックス相1と分散相2との界面を貫通しているフィラーがあり、この状態により効率的な物性改良を達成することができるものである。例えば、フィラーが導電性フィラーである場合、このフィラー状態により、複合樹脂材料中に数多くの導電パスが形成されることになり、少量のフィラー量で高い導電性を得ることが可能となる。
本発明において、フィラーは樹脂混合物を構成する樹脂成分各相に分散し、フィラーの分散状態は樹脂混合物全体に均一に分散していてもよいが、特定の樹脂成分相に偏在しているものが好ましい。特に相分離構造が海島構造の場合、フィラーの残部、即ち、樹脂成分相間の界面を貫通しているフィラー以外のフィラーがマトリックス相と分散相双方の各々の内部に包含されて分散し、かつフィラー全体(樹脂成分相間の界面を貫通しているフィラーと、マトリックス相と分散相双方の各々の内部に包含されて分散しているフィラーとを合わせた全部のフィラーを対象とする)が分散相に偏在しているもの、又はフィラーの残部、即ち、樹脂成分相間の界面を貫通しているフィラー以外のフィラーが、分散相の内部のみに包含されて分散し、かつフィラー全体(樹脂成分相間の界面を貫通しているフィラーと、分散相の内部に包含されて分散しているフィラーとを合わせた全部のフィラーを対象とする)が分散相に偏在しているものが好ましい。
本発明において用いられるフィラーの形状としては、粒状、繊維状等いずれの形状のものも用い得、特に制限されるものではないが、直径が1μm以下、好ましくは1nm〜1μm、更に好ましくは0.01〜0.2μmのものを用いることが好ましい。直径が1μmより大きいものは、本発明の目的を達成し得ないおそれがある。
上記フィラーの配合量は、適宜選定され、特に制限されるものではないが、複合樹脂材料全体の0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは1〜5質量%の範囲とすることができる。
また、本発明において、フィラーとしては繊維状フィラーが特に好ましい。繊維状フィラーとしては、直径が1nm〜1μm、アスペクト比(長さ/直径)が10〜1,000であるものが好ましい。アスペクト比が小さすぎると、少量添加で十分な導電パスを形成することが困難となるおそれがある。一方、アスペクト比が大きすぎると、繊維同士の絡み合いにより分散不良が生じる場合がある。
特に、海島構造をなす樹脂混合物に繊維状フィラーを分散させたものとしては、分散相の平均径dと繊維状フィラーの平均繊維長Lとの比L/dが0.001〜10であるものが好ましい。L/dを上記範囲とすることにより、導電パスを良好に形成することができ、特に、フィラーが偏在した分散相同士を、分散相とマトリックス相の界面を貫通した繊維状フィラーが連結して良好に導電パスを形成することができ、導電性を向上させることができる。L/dが0.001未満では分散相の大きさに対して繊維状フィラーが短すぎて、フィラーが界面を貫通することによる導電パスの形成が不十分となる場合があり、10を超えると分散相の大きさに対して繊維状フィラーが長すぎて、繊維状フィラーを分散相に偏在させることが困難となって、十分な導電性の向上効果が得られない場合がある。
また、分散相の平均間隔Dと繊維状フィラーの平均繊維長Lとの比L/Dが0.1〜10であるものが好ましい。この場合、個々の分散相においてこの分散相とその周囲の分散相との間の間隔の中で最も短い値を分散相の間隔とし、これらを平均した値を平均間隔Dとする。L/Dを上記範囲とすることにより、導電パスを良好に形成することができ、特に、フィラーが偏在した分散相同士を、分散相とマトリックス相の界面を貫通した繊維状フィラーが連結して良好に導電パスを形成することができ、導電性を向上させることができる。L/Dが0.1未満では分散相の間隔に対して繊維状フィラーが短すぎて、フィラーが界面を貫通することによる導電パスの形成が不十分となる場合があり、10を超えるとフィラー平均繊維長の分散相平均径(L/d)も大きくなってしまうために、繊維状フィラーを分散相に偏在させることが困難となって、十分な導電性の向上効果が得られない場合がある。
また、分散相の平均間隔Dと、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通している繊維状フィラーのマトリックス相に突出している部分の平均長さLoとの比Lo/Dが0.1〜10であるものが好ましい。この場合、個々の分散相においてこの分散相とその周囲の分散相との間の間隔の中で最も短い値を分散相の間隔とし、これらを平均した値を平均間隔Dとする。Lo/Dを上記範囲とすることにより、導電パスを良好に形成することができ、特に、フィラーが偏在した分散相同士を、分散相とマトリックス相の界面を貫通した繊維状フィラーが連結して良好に導電パスを形成することができ、導電性を向上させることができる。Lo/Dが0.1未満では分散相の間隔に対して繊維状フィラーが短すぎて、フィラーが界面を貫通することによる導電パスの形成が不十分となる場合があり、10を超えるとフィラー平均繊維長の分散相平均径比(L/d)も大きくなってしまうために、繊維状フィラーを分散相に偏在させることが困難となって、十分な導電性の向上効果が得られない場合がある。
本発明の複合樹脂材料においては、導電性を付与するためにフィラーとして導電性フィラーを用いることができ、この場合、導電性カーボン、特に繊維状カーボンを用いることが好適である。このようなものとしては、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)等のカーボンナノチューブ(CNT)、気相成長カーボン繊維(VGCF)などを使用することができる。
一方、本発明において樹脂混合物は、2種以上の樹脂成分、好ましくは2種の樹脂成分の混合物であるが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれをも用いることができる。熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が好ましい例として挙げられ、熱硬化性樹脂の2種以上、特に2種の混合物を使用することができ、これらの樹脂の未硬化の樹脂成分にフィラーを混合して硬化させることにより樹脂材料を得ることができる。
また、熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましい例として挙げられるほか、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等を使用することができ、熱可塑性樹脂の2種以上、特に2種の混合物を使用することができ、これらの樹脂にフィラーを混合(混練)することにより樹脂材料を得ることができる。
混練分散方法は特に制限されないが、フィラーを均一分散させる点、又はフィラーを分散させた樹脂を均一に分散させる点から、バッチ式の場合はラボプラストミルミキサ、連続式の場合は二軸押出機による混練等の方法を採用することが好ましい。
本発明においては、樹脂として熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂から選ばれる2種以上、特に2種の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
なお、樹脂の混合割合は適宜選定されるが、樹脂として2種の樹脂を用いる場合、これら2種の樹脂の一方の配合量が、樹脂総量の0.1〜25質量%、特に0.1〜10質量%であることが好ましい。
本発明の複合樹脂材料は、フィラーとして導電性フィラーを用いた場合は、静電塗装用材料、静電防止フィルム、静電防止パッケージ、半導体トレー、プリンタ若しくはコピー用ドラム材料、発熱材料、電池部材又は燃料電池部材等に用いることができ、少量のフィラー添加量で、1010Ω・cm以下、特に107Ω・cm以下の体積抵抗率を与える複合樹脂材料となる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
樹脂としてポリエチレン(PE)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)を5:95の割合で東洋精機製ラボプラストミルR60を用いて混練し、次いで、フィラーとしてVGCF(直径150nm程度、アスペクト比100程度)を、VGCF配合量を5質量%として上記樹脂に配合し、更に混練してコンパウンドを作製し、混練後、プレスにて1mm厚シートを成形した。この成形品の断面を電子顕微鏡で観察した。その像を図2に示す。図2に示されるように、樹脂混合物は海島構造を形成し、一部のフィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通しており、また、残部はマトリックス相と分散相双方の各々の内部に包含されて分散し、かつフィラー全体としては分散相に偏在していることがわかる。また、三菱化学製ロレスタ及びハイレスタを用いてこの複合樹脂材料の体積抵抗率(導電率)を測定したところ101Ω・cmと優れた導電性を示した。
[実施例2]
樹脂としてナイロン6(PA6)及びポリスチレン(PS)を5:95の割合で東洋精機製ラボプラストミルR60を用いて混練し、次いで、フィラーとしてVGCF(直径150nm程度、アスペクト比100程度)を、VGCF配合量を5質量%として上記樹脂に配合し、更に混練してコンパウンドを作製し、混練後、プレスにて1mm厚シートを成形した。この成形品の断面を電子顕微鏡で観察した。その像を図3に示す。図3に示されるように、樹脂混合物は海島構造を形成し、一部のフィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通しており、また、残部は分散相の内部のみに包含されて分散し、かつフィラー全体としては分散相に偏在していることがわかる。また、三菱化学製ロレスタ及びハイレスタを用いてこの複合樹脂材料の体積抵抗率(導電率)を測定したところ104Ω・cmと優れた導電性を示した。
[比較例1]
樹脂としてナイロン6(PA6)及びポリスチレン(PS)を5:95の割合で東洋精機製ラボプラストミルR60を用いて混練し、次いで、フィラーとしてVGCF(直径150nm程度、アスペクト比100程度)を、VGCF配合量を1質量%として上記樹脂に配合し、更に混練してコンパウンドを作製し、混練後、プレスにて1mm厚シートを成形した。この成形品の断面を電子顕微鏡で観察した。その像を図4に示す。この場合、図4に示されるように、樹脂混合物は海島構造を形成しているものの、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通するフィラーはなく、また、全てのフィラーは分散相に内包されていることがわかる。また、三菱化学製ロレスタ及びハイレスタを用いてこの複合樹脂材料の体積抵抗率(導電率)を測定したところ1016Ω・cmと導電性に劣るものであった。
本発明の複合樹脂材料において、フィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通している状態を説明するための模式図である。 実施例1で得られた複合樹脂材料の断面の電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた複合樹脂材料の断面の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた複合樹脂材料の断面の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 マトリックス相
2 分散相
3 フィラー

Claims (11)

  1. 2種以上の樹脂成分が相分離構造をなす樹脂混合物中にフィラーを分散させた複合樹脂材料であって、一部のフィラーが、隣接する樹脂成分相間の界面を貫通していることを特徴とする複合樹脂材料。
  2. 上記相分離構造がマトリックス相と分散相とからなる海島構造であることを特徴とする請求項1記載の複合樹脂材料。
  3. 上記フィラーの残部が上記マトリックス相と分散相双方の各々の内部に包含されて分散し、かつフィラー全体が分散相に偏在していることを特徴とする請求項2記載の複合樹脂材料。
  4. 上記フィラーの残部が上記分散相の内部のみに包含されて分散し、かつフィラー全体が分散相に偏在していることを特徴とする請求項2記載の複合樹脂材料。
  5. 上記分散相の平均径dが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
  6. 上記フィラーが繊維状フィラーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
  7. 上記分散相の平均径dと上記繊維状フィラーの平均繊維長Lとの比L/dが0.001〜10であることを特徴とする請求項6記載の複合樹脂材料。
  8. 上記分散相の平均間隔Dと上記繊維状フィラーの平均繊維長Lとの比L/Dが0.1〜10であることを特徴とする請求項6記載の複合樹脂材料。
  9. 上記分散相の平均間隔Dと、上記隣接する樹脂成分相間の界面を貫通している繊維状フィラーの上記マトリックス相に突出している部分の平均長さLoとの比Lo/Dが0.1〜10であることを特徴とする請求項6記載の複合樹脂材料。
  10. 上記繊維状フィラーの直径が1nm〜1μm、アスペクト比が10〜1,000であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
  11. 上記繊維状フィラーが繊維状カーボンであることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項記載の複合樹脂材料。
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