JP2005162585A - 粉塵低減剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、吹き付けコンクリート用の粉塵低減剤に関するものである。
掘削後のトンネル内壁面等を安定化させるために急結性コンクリートの吹き付け工法が開発され(特公昭60−4149)広く行われている。これはコンクリートにアルカリ炭酸塩やカルシウムアルミネート等からなる急結剤を混合し、施工面に吹き付けて、短時間でコンクリートを固まらせる技術であるが、この際に粉塵がトンネル内に発生し作業環境を悪化させるという問題があった。
そこで、水溶性の増粘剤としてセルロースエーテル類を添加し粉塵の発生を抑制できるようになった(特開平11−171625等)が、セルロースエーテル類にはセメントの凝結を遅延させる作用があり、急結剤の量が多くなるなどまだ改善の余地があった。
なお吹き付けコンクリート工法には(a)湿式工法と(b)乾式工法がある。
(a)湿式工法は、急結剤を除くすべての原料(水、セメント、砂など)を予め混合し、吹き付け機のノズル手前で急結剤と混合して吹き付ける工法、
(b)乾式工法は、水以外のすべての原料(急結剤も含む)を混合し、吹き付け機のノズル手前で水と混合して吹き付ける工法であるが、セルロースエーテル類はどちらの工法でも利用されている。
特公昭60−4149号公報
特開平11−171625号公報
(b)乾式工法は、水以外のすべての原料(急結剤も含む)を混合し、吹き付け機のノズル手前で水と混合して吹き付ける工法であるが、セルロースエーテル類はどちらの工法でも利用されている。
セルロースエーテル類はセメントの凝結を遅延させるなど粉塵低減剤としてはまだ課題があった。
そこで本発明の課題は、エチルセルロースを成分とする粉塵低減剤に替わる、より経済性に優れた粉塵低減剤を提供することにある。
本発明は、櫛形ジオールとポリオキシアルキレンジオールをジオール成分とする水溶性ポリウレタン樹脂が粉塵低減剤であることを、最も主要な特徴とする。
本発明の粉塵低減剤は、セメントの凝結を遅延しないので、急結剤が節約できる利点がある。
本発明の誘電体ペーストは、下式(1)
(式中、Aは、両末端に水酸基を有するポリオキシアルキレンジオール(化合物A)HO−A−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、
Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)
で表わされる繰り返し単位(a)と、下式(2)
Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)
で表わされる繰り返し単位(a)と、下式(2)
(式中、Dは、分子内に炭素数4〜21の炭化水素基(1価基)を少なくとも2個以上有する櫛形ジオールHO−D−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)
で表される繰り返し単位(b)とからなり、
繰り返し単位(a)のモル比が0.50〜0.99であり、繰り返し単位(b)のモル比が0.01〜0.50である水溶性ポリウレタン樹脂からなる粉塵低減剤である。
で表される繰り返し単位(b)とからなり、
繰り返し単位(a)のモル比が0.50〜0.99であり、繰り返し単位(b)のモル比が0.01〜0.50である水溶性ポリウレタン樹脂からなる粉塵低減剤である。
また本発明のPDP用誘電体ペーストは、上記櫛形ジオールHO−D−OHが、下式(3)
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基または窒素含有炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R1、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
YおよびY’は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。
ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。
nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。
また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D)、または
下式(4)
下式(4)
(式中、R5は、炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R5、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
Y、Y’およびY”は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。
ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。
R4は、全炭素原子数が2〜4のアルキレン基であり、
kは、0〜15の整数である。
kは、0〜15の整数である。
nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。
また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D’)である水溶性ポリウレタン樹脂からなる粉塵低減剤である。
ポリウレタン樹脂
式(1)で表された繰り返し単位(a)中の化合物Aは、水溶性ないし親水性のポリオキシアルキレンジオールである。特にアルキレン基の炭素数2〜6のポリオキシアルキレンジオールが、好適に用いられる。より具体的には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
式(1)で表された繰り返し単位(a)中の化合物Aは、水溶性ないし親水性のポリオキシアルキレンジオールである。特にアルキレン基の炭素数2〜6のポリオキシアルキレンジオールが、好適に用いられる。より具体的には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
この化合物Aの分子量は、数平均分子量(Mn)で好ましくは400〜100,000、より好ましくは400〜20,000、さらに好ましくは900〜9,000の範囲内にある。数平均分子量が400以上で、十分な分子量の樹脂が得られる。また、数平均分子量が100,000以下なら、充分な重合反応が行える。
該ポリオキシアルキレンジオール(化合物A)として、2種類以上のポリオキシアルキレンジオールを組み合わせて用いてもよい。例えば、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコールを組み合わせて用いることも可能である。
またグリコール類の20重量%までなら、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの低分子量グリコールを、他のポリオキシエルキレンジオール類と併用してもよい。
式(2)で表された繰り返し単位(b)中の櫛形ジオールHO−D−OHは、分子内に炭素原子数4〜21の1価炭化水素基を少なくとも2個以上もつジオール類である。1価の炭化水素基はジオール分子の骨格に複数個が側鎖としてグラフトしており、この形状から櫛形ジオールと称している。
上記の1価の炭化水素基の例としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基が挙げられる。
櫛形ジオールの1価炭化水素基は、メチレン基、エーテル基、チオエーテル基、ポリエーテル基等を介して骨格に結合している。
櫛形ジオールの骨格は炭化水素のみからなっていてもよいが、エーテル基(−O−)、ポリエーテル基や3級アミノ基(−N(R)−)などの極性基を骨格にもつジオールも好適に用いられる。
例を挙げれば、特開平10−298261号やUS−4426485号に示されている様なエーテル基(−O−)、ポリエーテル基(−O−CH2CH2−O−など)を骨格に有するジオールや、式(3)、(4)に記載されているような3級アミノ基を骨格に有するジオールなどを利用することができる。
櫛形ジオールの炭化水素基は極性が低く、極性のある溶剤中では炭化水素基同士の相互作用により、ポリウレタンの高分子鎖間に疎水的相互作用が生じ、そのために比較的分子量の低いポリウレタンでも粉塵防止に必要な粘度が得られると考えられる。
櫛形ジオールの製造方法は、特開平11−343328号や特開平12−297133号などに詳しく記載されている。
上記のジイソシアナート化合物(化合物B)は、鎖状脂肪族ジイソシアナート類、環状脂肪族ジイソシアナート類および芳香族ジイソシアナートよりなる群から選ばれたのジイソシアナート化合物である。
ジイソシアナートは、全炭素原子数が(NCO基の炭素原子を含めて)3〜18のジイソシアナート類を用いることがより好ましい。
鎖状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO基の間を直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基で繋いだ構造をもつポリイソシアナート化合物であり、具体例としては、メチレンジイソシアナート、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、1-メチルエチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、2-メチルブタン-1,4-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート(通称HMDIと略す)、ヘプタメチレンジイソシアナート、2,2'-ジメチルペンタン-1,5-ジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステル(通称LDIと略す)、オクタメチレンジイソシアナート、2,5-ジメチルヘキサン-1,6-ジイソシアナート、2,2,4-トリメチルペンタン-1,5-ジイソシアナート、ノナメチルジイソシアナート、2,4,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ウンデカメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、トリデカメチレンジイソシアナート、テトラデカメチレンジイソシアナート、ペンタデカメチレンジイソシアナート、ヘキサデカメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等のジイソシアナートなどが挙げられる。
環状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO基の間を繋ぐアルキレン基が環状構造をもつポリイソシアナート化合物であり、具体例としては、シクロヘキサン-1,2-ジイソシアナート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアナート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアナート、1-メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート、1-メチルシクロヘキサン-2,6-ジイソシアナート、1-エチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート、4,5-ジメチルシクロヘキサン-1,3-ジイソシアナート、1,2-ジメチルシクロヘキサン-ω,ω'-ジイソシアナート、1,4-ジメチルシクロヘキサン-ω,ω'-ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート(通称IPDIと略す)、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメチルメタン-4,4'-ジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタン-4,4'-ジイソシアナート、2,2'-ジメチルジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアナート、3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアナート、4,4'-メチレン-ビス(イソシアナトシクロヘキサン)、イソプロピリデンビス(4-シクロヘキシルイソシアナート)(通称IPCIと略す)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、水素化トリレンジイソシアナート(通称H−TDIと略す)、水素化4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナート(通称H−MDIと略す)、水素化キシリレンジイソシアナート(通称H−XDIと略す)、ノルボルナンジイソシアナートメチル(通称NBDIと略す)等のジイソシアナートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアナート類は、NCO基の間をフェニレン基、アルキル置換フェニレン基およびアラルキレン基などの芳香族基または芳香族基を含有する炭化水素基で繋いだポリイソシアナート化合物であり、具体例としては、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアナート、1-メチル-2,4-フェニレンジイソシアナート(2,4-TDI)、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアナート(2,6-TDI)、1-メチル-2,5-フェニレンジイソシアナート、1-メチル-3,5-フェニレンジイソシアナート、1-エチル-2,4-フェニレンジイソシアナート、1-イソプロピル-2,4-フェニレンジイソシアナート、1,3-ジメチル-2,4-フェニレンジイソシアナート、1,3-ジメチル-4,6-フェニレンジイソシアナート、1,4-ジメチル-2,5-フェニレンジイソシアナート、m-キシレンジイソシアナート、ジエチルベンゼンジイソシアナート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアナート、1-メチル-3,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアナート、3-メチル-1,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアナート、1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4-ジイソシアナート、ナフタリン-1,4-ジイソシアナート、ナフタリン-1,5-ジイソシアナート、1-メチルナフタリン-1,5-ジイソシアナート、ナフタリン-2,6-ジイソシアナート、ナフタリン-2,7-ジイソシアナート、1,1-ジナフチル-2,2'-ジイソシアナート、ビフェニル-2,4'-ジイソシアナート、ビフェニル-4,4'-ジイソシアナート、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、3,3'-ジメチルビフェニル-4,4'-ジイソシアナート、ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアナート(MDI)、ジフェニルメタン-2,2'-ジイソシアナート、ジフェニルメタン-2,4'-ジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート(XDI)等のジイソシアナートなどが挙げられる。
上記ポリウレタン樹脂の製造方法は特開平11−343328号や特開平12−297133号などに詳しく記載されている。
吹き付けコンクリート
本発明の吹き付けコンクリートは、主にポルトランドセメント等の水硬性無機粉体、砂等の細骨材、急結剤、水溶性ポリウレタン樹脂および水からなる。高品質の吹き付けコンクリートの場合はこれに減水剤を加えてもよい。またシリカフュームや石灰石微粉末を加えてもよい。砂利等の粗骨材は用いても用いなくてもよい。コンクリートのダレ防止や靭性向上のために繊維類(ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、セラミック繊維、金属繊維、有機質繊維など)を加えてもよい。
本発明の吹き付けコンクリートは、主にポルトランドセメント等の水硬性無機粉体、砂等の細骨材、急結剤、水溶性ポリウレタン樹脂および水からなる。高品質の吹き付けコンクリートの場合はこれに減水剤を加えてもよい。またシリカフュームや石灰石微粉末を加えてもよい。砂利等の粗骨材は用いても用いなくてもよい。コンクリートのダレ防止や靭性向上のために繊維類(ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、セラミック繊維、金属繊維、有機質繊維など)を加えてもよい。
急結剤は特に限定するものではなく、アルミン酸アルカリ塩や炭酸アルカリ塩などの無機塩類、カルシウムアルミネートやカルシウムサルフォアルミネートなどのセメント鉱物類、水溶性アルミニウム塩などのアルカリフリーの急結剤など、吹き付けコンクリートに通常用いられている各種の急結剤を用いることができる。
一般的な吹き付けコンクリートの組成としては、ポルトランドセメント等の水硬性無機粉体100重量部に対して、砂100〜300重量部、砂利0〜100重量部、急結剤1〜30重量部、水溶性ポリウレタン樹脂0.01〜0.2重量部、水50〜70重量部、減水剤0〜1重量部が好ましい。
より好ましくは、急結剤の量は、水硬性無機粉体100重量部に対して1〜10重量部であり、水溶性ポリウレタン樹脂の量は、水硬性無機粉体100重量部に対して0.01〜0.1重量部である。
本発明においては、急結剤の量はメチルセルロースを粉塵低減剤に用いた吹き付けコンクリートよりも少なくすることができる。その理由はまだ十分には解明されていないが、メチルセルロースはセメント粒子に吸着しセメントの水和反応を抑制するのに対して、本発明の水溶性ポリウレタン樹脂はセメントの水和反応を抑制しないことによると推察される。
湿式工法と乾式工法
(a)湿式工法は、急結剤を除くすべての主原料(水、セメント、砂など)を予め混合してコンクリートを調製し、これをポンプで吹き付け機のノズルへ搬送し、ノズル手前で急結剤と混合して吹き付ける工法である。急結剤は粉体、液体、水と粉体からなるスラリーの何れでもよい。水溶性ポリウレタン樹脂の混合方法としては、水溶性ポリウレタン樹脂を水、セメント、砂などとミキサーで予め混合してコンクリートをつくり、これを吹き付け機のノズルへポンプで搬送しノズル手前で急結剤と混合する方法か、あるいは水溶性ポリウレタン樹脂を急結剤と予め混合し、ノズル手前でコンクリートと混合する方法か、どちらの方法を採用してもよい。
(a)湿式工法は、急結剤を除くすべての主原料(水、セメント、砂など)を予め混合してコンクリートを調製し、これをポンプで吹き付け機のノズルへ搬送し、ノズル手前で急結剤と混合して吹き付ける工法である。急結剤は粉体、液体、水と粉体からなるスラリーの何れでもよい。水溶性ポリウレタン樹脂の混合方法としては、水溶性ポリウレタン樹脂を水、セメント、砂などとミキサーで予め混合してコンクリートをつくり、これを吹き付け機のノズルへポンプで搬送しノズル手前で急結剤と混合する方法か、あるいは水溶性ポリウレタン樹脂を急結剤と予め混合し、ノズル手前でコンクリートと混合する方法か、どちらの方法を採用してもよい。
(b)乾式工法は、水以外のすべての主原料(セメント、砂、急結剤など)を乾式混合し、これを圧縮空気等で吹き付け機のノズルへ搬送し、ノズル手前で水と混合して吹き付ける工法である。水溶性ポリウレタン樹脂をセメント、砂などと乾式ミキサーで予め混合しておき、急結剤と合わせて吹き付け機のノズルへ圧縮空気により搬送し、水をノズル手前で混合してコンクリートとする方法か、あるいは水溶性ポリウレタン樹脂を水と予め混合し、ノズル手前で乾式混合物と混合してコンクリートとする方法か、どちらの方法を採用してもよい。
以下では湿式工法を例にして具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(実施例1)
[櫛形ジオールの合成例]
500mlの丸底フラスコにマグネチックスターラー、温度計および滴下ロートを設置し、2−エチルヘキシルアミン(関東化学)64.6gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換した。オイルバスでフラスコを60℃に加熱し、攪拌しながら、滴下ロートから2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(旭電化、アデカグリシロールED518、エポキシ価220)220.0gを40分かけて滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を80℃に上げて、フラスコを10時間加熱した。続いて、オイルバスの温度を120℃に上げて、真空ポンプを用いて、3mmHgの真空度で少量の未反応物を減圧留去した。2−エチルヘキシルアミン1モルに対して2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが2モルの比率で付加した櫛形ジオール1(OH価からの平均分子量532)を収率90%で得た。
[櫛形ジオールの合成例]
500mlの丸底フラスコにマグネチックスターラー、温度計および滴下ロートを設置し、2−エチルヘキシルアミン(関東化学)64.6gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換した。オイルバスでフラスコを60℃に加熱し、攪拌しながら、滴下ロートから2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(旭電化、アデカグリシロールED518、エポキシ価220)220.0gを40分かけて滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を80℃に上げて、フラスコを10時間加熱した。続いて、オイルバスの温度を120℃に上げて、真空ポンプを用いて、3mmHgの真空度で少量の未反応物を減圧留去した。2−エチルヘキシルアミン1モルに対して2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが2モルの比率で付加した櫛形ジオール1(OH価からの平均分子量532)を収率90%で得た。
[水溶性ポリウレタン樹脂の合成例]
1000mlのSUS製セパラブルフラスコに市販のPEG#6000(三洋化成、数平均分子量8,630)を200g仕込み、窒素シール下で150℃にて溶融した。これを攪拌しながら減圧下(3mmHg)で3時間乾燥した。残留する水分は200ppmであった。70℃まで温度を下げ、フラスコ内を1気圧の窒素で満たした。酸化防止剤としてBHT(ジ−ter−ブチルヒドロキシトルエン)を300ppm加えた。フラスコ内を攪拌しながら、櫛形ジオール1を1.90g、ヘキサメチレンジイソシアナート(東京化成)を4.41g仕込んだ(NCO/OH=0.98mol/mol)。触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.05g添加すると、10分程で急激に増粘した。攪拌を止めて、70℃で2時間反応させた。120℃に温度を上げて30分間一定温度に保ち、その後フラスコから生成物を取り出した。生成物の2%水溶液の粘度は50,000mPa・sであった。
1000mlのSUS製セパラブルフラスコに市販のPEG#6000(三洋化成、数平均分子量8,630)を200g仕込み、窒素シール下で150℃にて溶融した。これを攪拌しながら減圧下(3mmHg)で3時間乾燥した。残留する水分は200ppmであった。70℃まで温度を下げ、フラスコ内を1気圧の窒素で満たした。酸化防止剤としてBHT(ジ−ter−ブチルヒドロキシトルエン)を300ppm加えた。フラスコ内を攪拌しながら、櫛形ジオール1を1.90g、ヘキサメチレンジイソシアナート(東京化成)を4.41g仕込んだ(NCO/OH=0.98mol/mol)。触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.05g添加すると、10分程で急激に増粘した。攪拌を止めて、70℃で2時間反応させた。120℃に温度を上げて30分間一定温度に保ち、その後フラスコから生成物を取り出した。生成物の2%水溶液の粘度は50,000mPa・sであった。
取り出した生成物を小片に裁断後放冷した。これを液体窒素で冷却し、小型の衝撃型電動ミルで粉砕した。粉砕物を篩にかけ、粒子径が600μm以下の粉体を水溶性ポリウレタン樹脂として得た。粉体の平均粒子径は400μmであった。
[吹き付けコンクリートの製造例]
普通ポルトランドセメント:100重量部、砂:200重量部、水:55重量部、ポリカルボン酸系減水剤:0.2重量部、水溶性ポリウレタン樹脂:0.1重量部を混合してモルタル(A)を調製した。
[吹き付けコンクリートの製造例]
普通ポルトランドセメント:100重量部、砂:200重量部、水:55重量部、ポリカルボン酸系減水剤:0.2重量部、水溶性ポリウレタン樹脂:0.1重量部を混合してモルタル(A)を調製した。
別に、急結剤10重量部と水5重量部を混合して急結剤スラリー(B)を調製した。急結剤としては、カルシウムアルミネート(C12A7)と無水石膏を1:1で混合したものを用いた(上記C12A7 でCはCaO、AはAl2O3を表す)。
(A)と(B)をミキサーで15秒間混合し、プロクター貫入試験用の容器に入れ、プロクター貫入抵抗針を用いて凝結始発時間を測定した。
(実施例2、3)
水溶性ポリウレタン樹脂、急結剤の重量部が異なる以外は、実施例1と同様に試験を行った。試験結果を表1に記す。
水溶性ポリウレタン樹脂、急結剤の重量部が異なる以外は、実施例1と同様に試験を行った。試験結果を表1に記す。
(比較例1、2)
水溶性ポリウレタン樹脂の替わりに、メチルセルロースを用いて試験を行った。メチルセルロース及び急結剤の重量部と、試験結果を表1に記す。
水溶性ポリウレタン樹脂の替わりに、メチルセルロースを用いて試験を行った。メチルセルロース及び急結剤の重量部と、試験結果を表1に記す。
トンネル、地下発電所、地下燃料貯蔵施設などの工事に用いられる吹き付けコンクリートの、粉塵低減剤に用いることができる。
Claims (3)
- 下式(1)
(式中、Aは、両末端に水酸基を有するポリオキシアルキレンジオール(化合物A)HO−A−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、
Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)
で表わされる繰り返し単位(a)と、下式(2)
(式中、Dは、分子内に炭素数4〜21の炭化水素基(1価基)を少なくとも2個以上有する櫛形ジオールHO−D−OHの脱アルコール残基(2価基)であり、Bは、ジイソシナアート(化合物B)OCN−B−NCOの脱NCO残基(2価基)である。)
で表される繰り返し単位(b)とからなり、
繰り返し単位(a)のモル比が0.50〜0.99であり、繰り返し単位(b)のモル比が0.01〜0.50である水溶性ポリウレタン樹脂からなる粉塵低減剤。 - 前記櫛形ジオールHO−D−OHが、下式(3)
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基または窒素含有炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R1、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
YおよびY’は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。
ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。
nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。
また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D)、または
下式(4)
(式中、R5は、炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R2およびR3は、炭素原子数4〜21の炭化水素基であり、R5、R2およびR3中の水素の一部または全部はフッ素、塩素、臭素または沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。
Y、Y’およびY”は、水素、メチル基またはCH2Cl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。
ZおよびZ’は、酸素、硫黄またはCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。
R4は、全炭素原子数が2〜4のアルキレン基であり、
kは、0〜15の整数である。
nは、Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄またはCH2基の場合は0である。
また、n’は、Z’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄またはCH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい。)で表わされる櫛形ジオール(化合物D’)である水溶性ポリウレタン樹脂からなる粉塵低減剤。 - 水硬性無機粉体100重量部に対し、砂100〜300重量部、砂利0〜100重量部、急結剤1〜30重量部、水50〜70重量部、減水剤0〜1重量部、及び請求項1または2に記載の水溶性ポリウレタン樹脂からなる粉塵低減剤0.01〜0.2重量部を混合することを特徴とするコンクリート組成物。
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JP2009249608A (ja) * | 2008-04-11 | 2009-10-29 | Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc | ペースト組成物、焼成体およびフラットパネルディスプレイ用部品 |
CN112661434A (zh) * | 2021-01-19 | 2021-04-16 | 武汉新绿博恩科技有限公司 | 一种免蒸养混凝土用减水剂组合物及其制备方法 |
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2003
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