JP4428019B2 - 水溶性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント系材料押出成形用に用いられる水溶性ポリアルキレングリコールを主な原料とする、新規な高分子の製造法に関する。
従来からセメント、細骨材、繊維、水等からなるモルタルを真空押出成形機などで押出成形しセメント板等を製造する際に、押出中にモルタルから水を分離することなく成形するためには、水溶性の高分子をモルタルに添加する必要があった(例えば特許文献1)。
また押出直後の成形体の形状を保持するためには、モルタルが高いチクソ性を示すことが必要であるが、モルタルにメチルセルロースなどの水溶性高分子を添加するだけでは十分な保形性は得られなかった。そのため、従来は石綿(アスベスト)が水溶性セルロースエーテル類と併用されてきた(例えば特許文献1)。
従って従来の押出成形では、水溶性セルロースエーテル類と石綿を併用することで、押出成形に必要なモルタルの保水性と保形性を満たしていたと言える。
ところが、近年になって石綿の有害性が指摘され、押出成形においても石綿の使用は制限されるようになり、現在では石綿の代替物として、各種ポリマー繊維やガラス繊維などの石綿代替繊維類が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの石綿代替繊維類を用いたモルタルは、石綿を用いたモルタルと比較して保形性に劣っていた。そのため、石綿代替繊維類を用いても、モルタルに保水性と同時に十分な保形性を付与しうる新規な押出成形助剤の開発が望まれていた。
また、水溶性セルロースエーテル類はモルタルの混練時に泡をかみ易く、泡により成形品の強度が低下し易いという問題があった。
また、水溶性セルロースエーテル類は、原料に特定の天然パルプを用いる半合成高分子であるために比較的高価であり、押出成形品の原料コストを押し上げていた。またパルプの資源も限られており、より安価な工業原料から合成できる新しい押出成形助剤が待たれていた。
そこで、櫛形疎水基を有する高分子を用いた押出成形助剤が見出され、既に特許出願されている(例えば特許文献2、特許文献3)。
櫛形疎水基を有する高分子は、水に容易に溶解させるために、粉末状であることが望まれる。しかし、櫛形疎水基を有する高分子は、押出機等の混練機や溶液あるいはバルク状で重合されるため、重合後に粉末状に塊砕あるいは加工する必要があった。しかし、櫛形疎水基を有する高分子は弾力性が高く、工業的に塊砕するには、凍結粉砕あるいは、タルクの混入後にジェットミル等で粉砕するしかないが、凍結粉砕法は、非常に高価であるし、タルクを混入すると、セメントの押出成形時に品質劣化を生じる。
他にポリウレタン系粉末重合物を得る方法として、非水溶媒中で原料を分散させながらポリウレタンを重合する非水分散重合法が知られている(例えば特許文献4、非特許文献1)。この方法は反応後、ろ過分離等により、容易に粉末樹脂を単離できるので経済的にも優れた方法である。原料の分散状態を維持するためには非水溶媒種の選択、または分散剤の添加により、分散状態を維持させることが可能である。しかし、既知の分散剤の場合、櫛形疎水基と同様なポリオレフィン部位を有しており、原料に対して5%以上と添加量が多量に必要であるため、重合して得られるポリウレタンの水溶性や押し出し成型助剤としての性能を損なう可能性が大いにあった(例えば特許文献5)。
特公昭43−7134 特開平10−298261号 特開平11−343328号 特公昭57−29485号 特公平5−47564号 日本接着協会誌、9.183.1973年
水溶性セルロースエーテル類などの既存の押出成形助剤は、石綿を用いないセメント系材料の押出成形に用いるには保形性の点でまだ問題が残っていた。
また、水溶性セルロースエーテル類はモルタルの混練時に泡をかみ易く、泡により成形品の強度が低下し易い並びに高価であるという問題があった。
これらの問題を解決するために発明された新規な押出成形助剤を開発したが、重合後に塊砕しなくてはならないという製造上の課題を残していた。
従って本発明の目的は、より経済的でモルタルの保形性と成形品の強度に優れた新しい櫛形疎水基を有する高分子の製造法を提供することにある。
本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、櫛形ジオールを会合基と
する新規な水溶性ポリウレタンを、プレポリマーを用いて不溶性溶媒中で分散重合する方法を開発した。
本発明は、化学式1(化1)
Figure 0004428019
で表される繰り返し単位(1)と、化学式2(化2)
Figure 0004428019
で表される繰り返し単位(2)からなる高分子であり、繰り返し単位(1)のモル比率が0.5以上0.999以下であり、繰り返し単位(2)のモル比率が0.001以上0.5以下であり、重量平均分子量が1万から1、000万の範囲にある水溶性ポリウレタンを製造するにあたり、OCN−B−NCOとHO−D−OHを予め付加したプレポリマーと、HO−A−OHとOCN−B−NCOを、カーボン数3〜20である脂肪族炭化水素に、0〜80%の重量割合範囲で、一種あるいは二種以上のエステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族溶媒、分散剤を含むポリウレタン不溶性溶媒中に加え、分散重合する水溶性ポリウレタンの製造方法に関する。
ただし、AはHO−A−OHが少なくとも両末端に水酸基を有しかつ数平均分子量が400〜100,000の水溶性ポリオキシアルキレンポリオール(化合物A)である2価基であり、該水溶性ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイドの重合物であり、BはOCN−B−NCOが全炭素数が(NCO基の炭素を含めて)3〜18のポリイソシアナート類よりなる群から選ばれたポリイソシアナート化合物(化合物B)である2価基であり、DはHO−D−OHが化学式3(化3)
Figure 0004428019

(ただし、R1は炭素数が1〜20の炭化水素基ないし窒素含有炭化水素基である。またR2およびR3は炭素数が4〜21の炭化水素基である。また該炭化水素基R1、 R2およびR3中の水素の一部ないし全部はフッ素、塩素、臭素ないし沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。またYおよびY’は水素、メチル基ないしCH2Cl基であり、 YとY’は同じでも異なっていてもよい。またZおよびZ’は酸素、硫黄ないしCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。またnはZが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄ないし CH2基の場合は0である。またn’はZ’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄ないし CH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい)で表わされる櫛形ジオール(化合物D)である2価基である。
また本発明は、繰り返し単位(1)のモル比率が0.5以上0.99以下であり、繰り返し単位(2)のモル比率が0.01以上0.5以下であり、化合物Aが数平均分子量3,000〜20,000のポリエチレングリコールであり、化合物Bが全炭素数が(NCO基の炭素を含めて)3〜18の脂肪族ジイソシアナート類よりなる群から選ばれたジイソシアナート化合物であり、重量平均分子量が1万から100万の範囲にある該水溶性ポリウレタンの製造方法に関する。
また本発明は、化合物Dが化学式4(化4)
Figure 0004428019

(ただし、R1'は炭素数が4〜18の鎖状アルキル基であり、R2'およびR3'は炭素数が4〜18のアルキル基ないしアリール基であり、R1'、R2'およびR3'の炭素数の合計が12〜40であり、R2'とR3'は同じ)で表わされる櫛形ジオールである該水溶性ポリウレタンの製造方法に関する。
また本発明は、化合物Bがヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水素化トリレンジイソシアナートまたはノルボルネンジイソシアナートである該水溶性ポリウレタンの製造方法に関する。
本発明により、モルタルの保形性と成形品の強度に優れた新しい櫛形疎水基を有する水溶性ポリウレタンを塊砕することなく、粉末体を得ることができる。
本発明により得られる高分子は、水溶性ポリオキシアルキレンと実質的に単分散の櫛形ジオールをポリイソシアナートで連結して得られる櫛形疎水基を有する高分子である。
化合物A
本発明で用いられる水溶性ポリオキシアルキレンポリオール(化合物A)は、少なくとも高分子鎖の両末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド重合体である。
ただし水酸基を3個以上有するポリオキシアルキレンポリオールを用いると、製品の水への溶解性が低下しやすい。従って、高分子鎖の両末端に1級水酸基を有するポリアルキレングリコールを用いることがより好ましい。
単量体のアルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロロヒドリンなどがあるが、水溶性を高めるためにはエチレンオキサイドの含有率が60重量%以上あることがより好ましい。更に好ましくは、エチレンオキサイドの重合物(ポリエチレングリコール。以下PEGと略記する。)を用いることである。
該化合物Aの分子量は数平均分子量で400〜100,000のものが好ましい。より好ましくは1,500〜50,000、更に好ましくは3,000〜20,000である。分子量が400未満では十分な水溶液粘度を示す製品が得られず、増粘剤に用いることができない。また分子量が100,000より大きくなると反応速度が低下し、やはり十分な水溶液粘度を示す製品が得られない。分子量が3,000〜20,000の範囲で、十分な水溶液粘度を示す製品が最も得られ易い。数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて測定し、カラムにはショウデックズKD−806Mを2本用いた。
化合物B
本発明で用いられるポリイソシアナート化合物(化合物B)は、鎖状脂肪族ポリイソシアナート類、環状脂肪族ポリイソシアナート類および芳香族ポリイソシアナートよりなる群から選ばれた全炭素数が(NCO基の炭素を含めて)3〜18のポリイソシアナート化合物である。ポリイソシアナート類の全炭素数が18より大きいと、高分子の溶解性が低下し易い。
ただし分子内にNCO基3個以上有するポリイソシアナート類を用いると、製品の水への溶解性が低下しやすい。従って、分子内にNCO基を2個有するジイソシアナート類を用いることがより好ましい。
また、芳香族ジイソシアナート類を用いて製造した高分子は、強塩基性であるモルタル中で経時変化をきたし、混練後時間とともに助剤としての効果が低下することがある。モルタルはpHが約14の強アルカリなので、アルカリによる加水分解を受け易い芳香族ジイソシアナート類とポリアルキレングリコール間の結合が、切断されるためと考えられる。
従って、全炭素数が3〜18の鎖状および環状脂肪族ジイソシアナート類を用いることがより好ましい。更に好ましくはヘキサメチレンジイソシアナート(通称HDIと略す)、イソホロンジイソシアナート(通称IPDIと略す)、水素化キシリレンジイソシアナート(通称HXDIと略す)またはノルボルナンジイソシアナートメチル(通称NBDIと略す)を用いることである。特に好ましくは、HDIを用いることである。
鎖状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO基の間を直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基で繋いだ構造をもつジイソシアナート化合物であり、具体例としては、メチレンジイソシアナート、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、1−メチルエチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアナート、2,2’−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステル(LDI)、オクタメチレンジイソシアナート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイソシアナート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアナート、ノナメチルジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ウンデカメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、トリデカメチレンジイソシアナート、テトラデカメチレンジイソシアナート、ペンタデカメチレンジイソシアナート、ヘキサデカメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートなどが挙げられる。
環状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO基の間を繋ぐアルキレン基が環状構造をもつジイソシアナート化合物であり、具体例としては、シクロヘキサン−1,2−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、1−メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアナート、1−メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアナート、1−エチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアナート、4,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジイソシアナート、1,2−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアナート、1,4−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメチルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアナート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、4,4’−メチレン−ビス(イソシアナトシクロヘキサン)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアナート)(IPCI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、水素化トリレンジイソシアナート(HTDI)、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(HMDI)、水素化キシリレンジイソシアナート(HXDI)、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)などが挙げられる。
芳香族ジイソシアナート類は、NCO基の間をフェニレン基、アルキル置換フェニレン基およびアラルキレン基などの芳香族基ないし芳香族基を含有する炭化水素基で繋いだジイソシアナート化合物であり、具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアナート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアナート(2,4−TDI)、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアナート(2,6−TDI)、1−メチル−2,5−フェニレンジイソシアナート、1−メチル−3,5−フェニレンジイソシアナート、1−エチル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1,3−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアナート、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシアナート、m−キシレンジイソシアナート、ジエチルベンゼン
ジイソシアナート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアナート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、3−メチル−1,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、1,3,5−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、ナフタリン−1,4−ジイソシアナート、ナフタリン−1,5−ジイソシアナート、1−メチルナフタリン−1,5−ジイソシアナート、ナフタリン−2,6−ジイソシアナート、ナフタリン−2,7−ジイソシアナート、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアナート、ビフェニル−2,4’−ジイソシアナート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート(MDI)、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアナート、
ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート(XDI)などが挙げられる。
その他のポリイソシアナートとしては1,6,11−ウンデカトリイソシアナート、1,8−ジイソシアナート−4−イソシアナートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナートなどが挙げられる。
化合物D
本発明で用いられる櫛形ジオール(化合物D)は、化学式3(化5)
Figure 0004428019

で表わされる、2級水酸基を分子内に2個有し、疎水鎖を分子内に3本有するジオール類である。
ただし、R1は炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基等の炭化水素基、ないしジアルキルアミノアルキル基等の窒素含有炭化水素基である。またR2およびR3は炭素数が4〜21のアルキル基、アルケニル基、アラ ルキル基またはアリール基等の炭化水素基である。また炭化水素基R1、 R2およびR3中の水素の一部ないし全部はフッ素、塩素、臭素ないし沃素などのハロゲン原子で置換されていてもよい。R2とR3は同じでも異なっていてもよいが、同じであることがより好ましい。またYおよびY’は水素、メチル基ないしCH2Cl基であり、 YとY’は同じでも異なっていてもよいが、同じであることがより好ましい。またZおよびZ’は酸素、硫黄ないしCH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよいが、同じであることがより好ましい。更に好ましくはZおよびZ’がともに酸素であることである。またnはZが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄ないし CH2基の場合は0である。またn’はZ’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄ないし CH2基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよいが、同じであることがより好ましい。
以下に櫛形ジオールの製造方法を説明するが、本発明に用いる櫛形ジオールの合成方法はこの例に限定されるものではない。
櫛形ジオールの製造
攪拌装置、原料導入機構、温度制御機構を有する反応容器に、原料のアミン類とオキシラン化合物類を仕込み、所定の反応温度において撹拌しながら反応させる。反応は無溶媒で行うことができるが、DMFなどの一般的な溶媒を用いてもよい。原料の導入は、アミン類とオキシラン化合物類を一括して仕込んでもよいし、どちらか一方を反応容器に仕込み、他方を連続的ないし段階的に導入してもよい。反応温度は室温〜160℃程度、より好ましくは60℃〜120℃程度が適当である。反応時間は、反応温度等にも依るが、0.5〜10時間程度である。反応終了後のジオールは、GPCにより分散度を求めることができる。また常法によりOH価を求めることができる。
プレポリマーの製造
ジイソシアナート化合物と櫛形ジオール化合物の付加反応により、プレポリマーを得る。攪拌装置、原料導入機構、温度制御機構を有する反応容器内を不活性ガスで置換する。ジイソシアナート化合物と櫛形ジオール化合物を室温にて、ジイソシアナート化合物が櫛形ジオールよりも反応等量よりも過剰となるように仕込み、所定の反応温度まで昇温し、櫛形ジオールがほぼジイソシアナート化合物と反応するまで保持する。プレポリマー合成反応に用いるジイソシアナート化合物の量は、櫛形ジオール1モルに対して、ジイソシアナート化合物のモル数(NCO/OH)が1〜100モル、より好ましくは2〜50モル、更に好ましくは3〜10である。 反応温度はジイソシアナート化合物種、櫛形ジオール種によっても異なるが、20〜180℃が適当である。より好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃の範囲である。反応時間は、反応温度などに
より異なり特に限定するものではないが、1分〜100時間程度である。
水溶性ポリウレタンの製造
櫛形疎水基を有する水溶性ポリウレタンは、化学式10(化6)
Figure 0004428019

に表すように、ポリアルキレングリコール(化合物A)および櫛形ジオール(化合物D)の2個の水酸基とジイソシアナート化合物(化合物B)の2個のNCO基の反応により合成される。繰り返し単位(1)のモル比率が(1−x)でかつ繰り返し単位(2)のモル比率がxである水溶性ポリウレタンは、化合物Aと化合物Dのモル比率が(1−x):xの比率で反応させることにより得られる。
以下に水溶性ポリウレタンの製造方法を例を挙げて説明するが、勿論本発明は以下の製造方法に限定されるものではない。
攪拌装置、原料導入機構、温度制御機構を有する反応容器内を不活性ガスで置換する。ポリアルキレングリコールを、反応容器へ仕込む。ポリアルキレングリコールは分子量によって融点が異なるため、使用するポリアルキレングリコールの融点以上となって、容器内を攪拌しつつ予め合成したプレポリマーとジイソシアナート化合物を反応容器へ導入する。導入方法は特に限定するものではない。
連続的に導入しても断続的に導入してもよい。またジイソシアナート化合物と櫛形ジオールは、同時に導入しても、ジイソシアナート化合物の導入後に櫛形ジオールを導入しても、櫛形ジオールの導入後にジイソシアナート化合物を導入してもよい。その後、水溶性ポリウレタンの不溶性溶媒を仕込む。
水溶性ポリウレタンの不溶性溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素を主成分とし、0〜80%の重量割合範囲で、一種あるいは二種以上のエステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族溶媒、分散剤を含むものが使用される。エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミルなどの各種エステル類や、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネト等の各種アルコキシ基を有するエステル類が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン
、シクロヘキサノン等が、芳香族溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
本発明で用いる分散剤とは、上記した非水溶媒に溶解し、非水溶媒中で水溶性の原料およびポリウレタン重合体を安定して分散させる効果を有するものである。本発明では特に、(1)アルケニル無水コハク酸とポリオールあるいはポリエステルポリオールとを脱水縮合させた樹脂、(2)ジカルボン酸とペンタエリスリトールとを脱水縮合させたポリエステルの残OH基の一部に脂肪酸を脱水縮合させたアルキッド樹脂、(3)不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールあるいはポリエステルポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールにエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた後、OH基をマスキングした樹脂、(4)不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールあるいはポリエステルポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールのOH基をマスキングした後、エチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた樹脂を用いる。
本発明で用いるアルケニル無水コハク酸とは、例えばα−オレフィンを無水マレイン酸上に間接的に置換して付加するいわゆるエン−合成によって得られる既知化合物である。
またポリオールあるいはポリエステルポリオールとしては、分子内に少なくとも2個のOH基を有する化合物であり、ポリアルキレンエーテルグリコール、ジオールとジカルボン酸を重合させて得られるポリエステル、及びこれらの混合物が用いられる。
またアルキッド樹脂で用いられるジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸が用いられる。また不飽和結合含有ジカルボン酸とはマレイン酸、イタコン酸などがあり、さらにその無水物でも使用できる。
またOH基をマスキングする試薬としてはOH基と反応する官能基を分子内に1つ有し、他の末端基が非水分散重合反応系で不活性な官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えばイソシアン酸エチル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸ヘキシル等のモノアルキルイシアネート類が挙げられる。
反応温度を制御しつつ、触媒を加える。触媒は必ずしも不溶性溶媒添加後である必要はなく、ポリアルキレングリコールにジイソシアナート化合物やプレポリマーを加えた後に触媒を加え、反応を開始することも可能である。または、ジイソシアナート化合物やプレポリマーに予め触媒を添加しておき、これらをポリアルキレングリコールに加え反応させることも可能である。
所定の反応時間後に生成物を反応容器から取り出し、固液分離後乾燥し製品とする。
反応に用いられる触媒は特に限定するものではなく、有機金属化合物、金属塩、3級アミン、その他の塩基触媒や酸触媒などの、一般にイソシアナート類とポリオール類の反応に用いられる公知の触媒を用いることができる。例を挙げれば、ジブチル錫ジラウレート(以下DBTDLと略す)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(ドデシルチオラート)、ジブチル錫ジ(ドデシルチオラート)、ジメチル錫ジラウレート、第一錫オクタノエート、1,1,3,3,−テトラブチルー1,3−ジラウリルオキシカルボニルージスタノキサン、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、フェニル水銀アセテート、亜鉛オクトエート、鉛オクトエート、亜鉛ナフテナート、鉛ナフテナート、トリエチルアミン(TEA)、テトラメチルブタンジアミン(TMBDA)、N−エチルモルホリン(
NEM)、1,4−ジアザ[2.2.2]ビシクロオクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、N,N‘−ジメチル−1,4−ジアザシクロヘキサン(DMP)などがある。なかでも錫、ビスマスを含む触媒が高活性のためより好ましい。
反応に用いる触媒の量は、反応温度や触媒の種類によっても異なり特に限定するものではないが、ポリアルキレングリコールの1モル当たり0.0001〜0.1モル、より好ましくは0.001〜0.1モル程度で十分である。
ジイソシアナート化合物の量は、プレポリマー合成時とポリウレタン重合時の合計が、ポリアルキレングリコールと櫛形ジオールの各々のモル数の合計1モルに対して、ジイソシアナート化合物のモル数(NCO/OH)が0.8〜1.3モル、より好ましくは0.9〜1.2モル、更に好ましくは1.0〜1.1である。ジイソシアネートのモル数とポリアルキレングリコールと櫛形ジオールのモル数の合計とがほぼ等量である条件で、最も分子量の大きな生成物が得られる。
ただし、ポリアルキレングリコールや櫛形ジオールに水分が含まれる場合には、上述のジイソシアナート化合物の量は、水分によりジイソシアナートが分解する分だけ余分に用いる必要がある。従って、十分に乾燥した原料を用いることがより好ましい。できれば原料に含まれる水分は、5,000ppm以下が好ましい。より好ましくは1,000ppm以下、更に好ましくは200ppm以下である。
反応に用いる櫛形ジオールの量は、ポリアルキレングリコールの分子量や櫛形ジオールの疎水基の炭素数によっても異なるが、櫛形ジオールのモル数がポリアルキレングリコールの1モル当たり0.001〜1モル(xが0.001〜0.5)が適当である。0.001モル未満では、増粘効果が表われないことがある
。また1モルを超えて反応させることは、溶解性を低下させる場合があるので好ましくない。なお、( )内の数値は該化学式10中のxの値を表している。
該ポリアルキレングリコールとして数平均分子量が3,000〜20,000の範囲にあるポリエチレングリコールを用いた場合に、押出成形助剤として最も優れたポリウレタンが得られ易い。この場合に反応に用いる櫛形ジオールの量としては、ポリエチレングリコール1モル当たり0.01〜1モル(xが0.01〜0.5)がより好ましい。更に好ましくは0.03〜0.67モル(xが0.03〜0.4)である。0.01モル未満では、押出成形助剤としての効果が十分でないことがある。
反応温度は用いる触媒の種類や量などによっても異なるが、50〜180℃が適当である。より好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃の範囲である。反応温度が50℃未満では、反応速度が遅く経済的でない。また180℃を超えると、生成物が熱分解することがある。
反応時間は、用いる触媒の種類や量、反応温度などにより異なり特に限定するものではないが、1分〜10時間程度で十分である。
反応圧力は、特に限定されない。常圧、減圧ないし加圧状態で、反応させることができる。より好ましくは、常圧ないし弱加圧状態で反応させる。
撹拌装置は、分散するに必要な攪拌条件が与えられるものが好ましい。そのための撹拌翼としては、一般的な撹拌翼(タービン、パドル、傾斜パドル、ファウドラー翼、イカリ翼など)でもよいし、ディスパー、ホモミキサー等を用いてもよい。これらの撹拌翼種と撹拌動力によって、製品粒子径を制御できる。製品粒子径は、製品の溶解速度を制御するために重要な因子であり、1〜500μmが好ましく、さらに好ましくは10〜300μmである。
水溶性ポリウレタン
上記のようにして製造された水溶性ポリウレタンは、化学式1(化7)
Figure 0004428019
で表される繰り返し単位(1)と、化学式2(化8)
Figure 0004428019

で表される繰り返し単位(2)からなる高分子であり、繰り返し単位(1)のモル比率が0.5以上0.999以下であり、繰り返し単位(2)のモル比率が0.001以上0.5以下であり、重量平均分子量が1万から1,000万の範囲にある水溶性ポリウレタンである。
繰り返し単位(1)のモル比率が0.5以上0.999以下であり、繰り返し単位(2)のモル比率が0.001以上0.5以下であると、水への溶解性がよく適度な増粘効果がある。
また、重量平均分子量が1万から1,000万の範囲にあると、押し出し成形助剤として最も優れたポリウレタンが得られ易い。重量平均分子量はGPCにて測定し、カラムにはショウデックズKD−806Mを2本用いた。
また、該水溶性ポリウレタンは、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、希釈剤、固結防止剤などを含んでいてもよい。これらの添加物は、重合中に添加しても良いし、重合後添加しても良い。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)プレポリマーの合成
500mlの4つ口セパラブルフラスコに、櫛形ジオール30.5g、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)69.5gを仕込み(NCO/OHモル比=6.94)、反応器内にN2ガスを流しながら、オイルバスにて70℃に昇温し8時間反応させる。得られたプレポリマーのNCO価は、29.6%であった。櫛形ジオールは、2−エチルヘキシルアミン1モルに対して、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが2モルの比率で付加した化合物を用いた。
(2)水溶性ポリウレタン樹脂の非水分散重合
1000mlの4つ口セパラブルフラスコに、脱水したポリエチレングリコール(PEG#6000、三洋化成工業品、数平均分子量8766)100g、2,6−ジーtert−ブチルー4−メチルフェノール(BHT、酸化防止剤)0.05gを仕込み、反応器内にN2ガスを流しながら、攪拌機、温度計、冷却管を付ける。オイルバスにて70℃に昇温し、PEGが溶解したら(1)で得たプレポリマーを3.28g、HDIを0.06g滴下ロートにて仕込み、攪拌混合する(PEG:櫛形ジオール=0.85:0.15、NCO/OHモル比=1.02)。イソオクタン/酢酸ブチル混合溶剤(酢酸ブチル30重量%)300gを反応器内にN2にて圧送した後、攪拌回転数を1000rpmまで上げる。90℃に昇温後、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)触媒を0.02g添加し
、6時間反応させて、混合溶剤中に分散した粒子状の水溶性ポリウレタン樹脂を得た。水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約90〜120μmで、重量平均分子量は約292,500であった。
[実施例2]
溶剤として、酢酸ブチルの代わりにメチルイソブチルケトン(MIBK)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行う。
1000mlの4つ口セパラブルフラスコに、脱水したPEGを100g、BHTを0.05gを仕込み、反応器内にN2ガスを流しながら、攪拌機、温度計、冷却管を付ける。オイルバスにて70℃に昇温し、PEGが溶解したら実施例1、(1)で得たプレポリマーを3.28g、HDIを0.06g滴下ロートにて仕込み、攪拌混合する(PEG:櫛形ジオール=0.85:0.15、NCO/OHモル比=1.02)。イソオクタン/MIBK混合溶剤(MIBK30重量%)300gを、反応器内にN2にて圧送した後、攪拌回転数を1000rpmまで上げる。90℃に昇温後、DBTDLを0.02g添加し、6時間反応させて、混合溶剤中に分散した粒子状の水溶性ポリウレタン樹脂を得た。水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約90〜140μmで、重量平均分子量は約291,000であった。
[実施例3]
分散安定剤としてマリアリムAAS−0851(日本油脂製)を使用し、溶剤としてイソオクタンを単独で使用する以外は、実施例1と同様の操作を行う。
1000mlの4つ口セパラブルフラスコに、脱水したPEGを100g、BHTを0.05g仕込み、反応器内にN2ガスを流しながら、攪拌機、温度計、冷却管を付ける。オイルバスにて70℃に昇温し、PEGが溶解したら実施例1、(1)で得たプレポリマーを3.28g、HDIを0.06g滴下ロートにて仕込み、攪拌混合する(PEG:櫛形ジオール=0.85:0.15、NCO/OHモル比=1.02)。マリアリム5gを溶解させたイソオクタン溶剤300gを、反応器内にN2にて圧送した後、攪拌回転数を1000rpmまで上げる。90℃に昇温後、DBTDLを0.02g添加し、6時間反応させて、混合溶剤中に分散した粒子状の水溶性ポリウレタン樹脂を得た。水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約80〜110μmで、重量平均分子量は約306,000であった。
[実施例4]
・ 分散剤1の合成
東邦化学(株)製のポリブテニルコハク酸の酸価、ポリスチレン換算重量平均分子量を測定したところ、酸価は38.0mgKOH/g、ポリスチレン換算重量平均分子量は3500であった。これを20.0g、ポリエチレングリコール1000(関東化学製)10.0gを撹拌棒付の100mlの3つ口フラスコに入れ、窒素気流下、180℃で20時間撹拌した。さらに5mmHgの減圧下、180℃で20時間撹拌した後、放冷したところ褐色のゴム状物が得られた。この分散剤1の酸価を測定したところ、1.5mgKOH/gであった。また重量平均分子量は約400,000であった。
(2)水溶性ポリウレタン樹脂の非水分散重合
1000mlの4つ口セパラブルフラスコに、脱水したポリエチレングリコール(PEG#6000、三洋化成工業品、OH価12.8mgKOH/g)300g、2,6−ジーtert−ブチルー4−メチルフェノール(BHT、酸化防止剤)0.05gを仕込み、反応器内にN2ガスを流しながら、攪拌機、温度計、冷却管を付ける。オイルバスにて85℃に昇温し、PEGが溶解したら実施例1(1)で得たプレポリマーを9.88g、HDIを0.15g滴下ロートにて仕込み、攪拌混合する(PEG:櫛形ジオール=0.85:0.15、NCO/OHモル比=1.04)。80℃に加温したイソオクタン300gに上記分散剤1を1.5g溶解させた溶液を反応器内にN2にて圧送した後、攪拌回転数を300rpmまで上げ、85℃で1時間撹拌し、分散させた。さらに、90℃に昇温後、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)触媒を0.05g添加し、6時間反応させて、溶剤中に分散した粒子状の水溶性ポリウレタン樹脂を得た。水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約90〜500μmで、重量平均分子量は約280,000であった。
[実施例5]
(1)分散剤2の合成
上記東邦化学(株)製のポリブテニルコハク酸を20.0g、ポリエチレングリコール1000(関東化学製)10.0g、1,10−デカンジオール0.51gを撹拌棒付の100mlの3つ口フラスコに入れ、窒素気流下、180℃で20時間撹拌した。さらに5mmHgの減圧下、180℃で20時間撹拌した後、放冷したところ褐色のゴム状物が得られた。この分散剤2の酸価を測定したところ、0.5mgKOH/gであった。またポリスチレン換算重量平均分子量は350,000であった。
(2)水溶性ポリウレタン樹脂の非水分散重合
実施例4における分散剤1を上記分散剤2に変更した以外は同様に非水分散重合反応を行った。得られた水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約90〜500μmで、重量平均分子量は約340,000であった。
[実施例6]
水溶性ポリウレタン樹脂の非水分散重合
実施例4における分散剤1を荒川化学工業(株)製のアルキッド樹脂、アラキード7502X(OH価40.0mgKOH/g、芳香族ジカルボン酸とペンタエリスリトールとのポリエステルを脂肪酸変性した樹脂)に変更し、さらに分散剤添加量を9.0gとした以外は同様に非水分散重合反応を行った。得られた水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約400〜600μmで、重量平均分子量は約150,000であった。
[実施例7]
(1)分散剤3の合成
平均分子量1000のヘキサメチレンアジペートを20g、無水マレイン酸0.98gを撹拌棒付の100mlの3つ口フラスコに入れ、窒素気流下、150℃で20時間撹拌した。さらに20mmHgの減圧下、170℃まで徐々に温度を上げて撹拌した後、放冷したところ平均分子量2000の不飽和結合含有ポリオールが得られた。この不飽和結合含有ポリオール5gと、酢酸ブチル10gを100mlナス型フラスコに入れ、窒素気流気化110℃で、ラウリルメタクリレート10gと過酸化ベンゾイル0.4gを滴下ロートより30分で滴下した。2時間110℃を保った後、130℃で2時間反応した。さらに、イソシアン酸エチル2gを加え、80℃で6時間反応し、未反応物を5mmHgで留去し、分散剤3を得た。この分散剤3のポリスチレン換算重量平均分子量は53,000であった。
(2)水溶性ポリウレタン樹脂の非水分散重合
実施例4における分散剤1を上記分散剤3に変更した以外は同様に非水分散重合反応を行った。得られた水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約90〜500μmで、重量平均分子量は約400,000であった。
[実施例8]
(1)分散剤4の合成
実施例7と同様に不飽和結合含有ポリオールを合成し、さらに、イソシアン酸エチル2gを加え、80℃で6時間反応し、未反応物を5mmHgで留去し、不飽和結合含有ポリエステルを得た。この不飽和結合含有ポリエステル5gと、酢酸ブチル10gを100mlナス型フラスコに入れ、窒素気流気化110℃で、ラウリルメタクリレート10gと過酸化ベンゾイル0.4gを滴下ロートより30分で滴下した。2時間110℃を保った後、130℃で2時間反応し分散剤4を得た。この分散剤4のポリスチレン換算重量平均分子量は55,000であった。
(2)水溶性ポリウレタン樹脂の非水分散重合
実施例4における分散剤1を上記分散剤4に変更した以外は同様に非水分散重合反応を行った。得られた水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約90〜500μmで、重量平均分子量は約450,000であった。
[実施例9]
・ 分散剤5の合成
上記分散剤2、2.74gをトルエン30mlに溶解した。これにイソシアン酸エチル0.50g、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)触媒0.03gを加え、窒素気流下、80℃で4時間撹拌した。トルエン、残イソシアン酸を減圧留去し、末端をマスキングした分散剤5、3.20gを得た。
(2)水溶性ポリウレタン樹脂の非水分散重合
1000mlの4つ口セパラブルフラスコに、脱水したポリエチレングリコール(PEG#6000、三洋化成工業品、OH価12.8mgKOH/g)300g、2,6−ジーtert−ブチルー4−メチルフェノール(BHT、酸化防止剤)0.05gを仕込み、反応器内にN2ガスを流しながら、攪拌機、温度計、冷却管を付ける。オイルバスにて85℃に昇温し、PEGが溶解したら実施例1(1)で得たプレポリマーを9.88g、HDIを0.15g滴下ロートにて仕込み、攪拌混合する(PEG:櫛形ジオール=0.85:0.15、NCO/OHモル比=1.04)。80℃に加温したイソオクタン300gに上記分散剤5を1.5g溶解させた溶液を反応器内にN2にて圧送した後、攪拌回転数を300rpmまで上げ、85℃で1時間撹拌し、分散させた。さらに、90℃に昇温後、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)触媒を0.05g添加し、6時間反応させて、溶剤中に分散した粒子状の水溶性ポリウレタン樹脂を得た。水溶性ポリウレタン樹脂の主粒子径は約90〜300μmで、重量平均分子量は約430,000であった。

Claims (10)

  1. 化学式1(化1)
    Figure 0004428019
    で表される繰り返し単位(1)と、化学式2(化2)
    Figure 0004428019
    で表される繰り返し単位(2)からなる高分子であり、繰り返し単位(1)のモル比率が0.5以上0.999以下であり、繰り返し単位(2)のモル比率が0.001以上0.5以下であり、重量平均分子量が1万から1,000万の範囲にある水溶性ポリウレタンを製造するにあたり、OCN−B−NCOとHO−D−OHを予め付加したプレポリマーと、HO−A−OHとOCN−B−NCOを、カーボン数3〜20である脂肪族炭化水素に、0〜80%の重量割合範囲で、一種あるいは二種以上のエステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族溶媒、分散剤を含むポリウレタン不溶性溶媒中に加え、分散重合する水溶性ポリウレタンの製造方法。
    〔ただし、AはHO−A−OHが少なくとも両末端に水酸基を有しかつ数平均分子量が400〜100,000の水溶性ポリオキシアルキレンポリオール(化合物A)である2価基であり、該水溶性ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイドの重合物であり、BはOCN−B−NCOが全炭素数が3〜18のポリイソシアナート類よりなる群から選ばれたポリイソシアナート化合物(化合物B)である2価基であり、DはHO−D−OHが化学式3(化3)
    Figure 0004428019
    (ただし、R1は炭素数が1〜20の炭化水素基ないし窒素含有炭化水素基である。またR2およびR3は炭素数が4〜21の炭化水素基である。また該炭化水素基R1、R2およびR3中の水素の一部ないし全部はフッ素、塩素、臭素ないし沃素で置換されていてもよく、R2とR3は同じでも異なっていてもよい。またYおよびY’は水素、メチル基ないしCHCl基であり、YとY’は同じでも異なっていてもよい。またZおよびZ’は酸素、硫黄ないしCH基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよい。またnはZが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄ないしCH基の場合は0である。またn’はZ’が酸素の場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄ないしCH基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていてもよい)で表わされる櫛形ジオール(化合物D)である2価基である。〕
  2. 化合物Aが数平均分子量3,000〜20,000のポリエチレングリコールであり、化合物Bが全炭素数が3〜18の脂肪族ジイソシアナート類よりなる群から選ばれたジイソシアナート化合物であり、重量平均分子量が10万から100万の範囲にある請求項に記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  3. 化合物Dが化学式4(化4)
    Figure 0004428019
    (ただし、R1’は炭素数が4〜18の鎖状アルキル基であり、R2’およびR3’は炭素数が4〜18のアルキル基ないしアリール基であり、R1’、R2’およびR3’の炭素数の合計が12〜40であり、R2’とR3’は同じ)で表わされる櫛形ジオールである請求項1または2に記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  4. 化合物Bがヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水素化トリレンジイソシアナートまたはノルボルナンジイソシアナートメチルである請求項1〜のいずれかに記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  5. 分散剤がアルケニル無水コハク酸とポリオールあるいはポリエステルポリオールとを脱水縮合させた樹脂であることを特徴とする請求項に記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  6. 分散剤がジカルボン酸とペンタエリスリトールとを脱水縮合させたポリエステルの残OH基の一部に脂肪酸を脱水縮合させたアルキッド樹脂であることを特徴とする請求項に記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  7. 分散剤が末端OH基をマスキングした樹脂であることを特徴とする請求項又はに記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  8. 分散剤が不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールあるいはポリエステルポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールにエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた後、OH基をマスキングした樹脂であることを特徴とする請求項に記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  9. 分散剤が不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールあるいはポリエステルポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールのOH基をマスキングした後、エチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた樹脂であることを特徴とする請求項に記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
  10. マスキング剤がアルキルモノイソシアネート化合物である請求項のいずれかに記載の水溶性ポリウレタンの製造方法。
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