JP2005161997A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Yasuyuki Sonoda
恭幸 園田
Hiroyuki Kosho
裕之 古性
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Abstract

【課題】 常に変化する操舵状態への対応と、経時劣化や温度変化によるモータ特性の変動への対応とを両立できる車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】 制御装置110に、センサ出力に基づいて、アクチュエータ出力の合計目標出力を決定する制御部204Aと、合計目標出力を各アクチュエータ112a,112bに分配し、各アクチュエータ目標出力を決定する分配部204Dと、各アクチュエータ112a,112bの効率を推定する効率推定部204Cとを設け、分配部204Dは、事前に求めた効率マップ204Bに基づいて、効率がよくなる通常分配率を決定し、通常分配率から所定量ずつ分配比率を変化させ、最も効率のよくなる分配率補正量を同定し、車両操舵状況の変化により効率マップ204Bが変化した時にも分配率補正量を継承し、最適分配率の同定を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数のアクチュエータを用いて車両の操向を制御する車両用操舵装置の技術分野に属する。
この種の従来技術としては、例えば、主操舵駆動系と副操舵駆動系とからなる二重系の操舵駆動装置が知られている。主操舵用アクチュエータと副操舵用アクチュエータは、遊びを有するリンク機構を介して機械的にリンクされており、常時、駆動される。主制御部、副制御部は、自身の操舵駆動系に異常が生じると、自身の操舵駆動系をシステムダウンさせるとともに、自身の操舵駆動系が正常のときに相互干渉が検知されると、各他方の操舵駆動系を強制停止させる(例えば、特許文献1参照)。
ところが、主操舵用アクチュエータと副操舵用アクチュエータが遊びを有する機構でリンクされているため、主操舵用アクチュエータのみに負荷が集中することとなり、効率が低くシステム寿命も短いという問題があった。
この問題を解決する手段として、例えば、多数のモータを用いて車両を駆動するとき、あらかじめ求めたマップに基づいてモータの駆動力を分配する複数モータの駆動制御装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−37112号公報 特開平7−131994号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、アクチュエータやギアの経年劣化やモータ周囲の環境の違いにより、効率が変化したとき、効率の悪い負荷の比率で動作が行われる。また、複数のアクチュエータを持つ車両用操舵装置において、エンジンの熱等の環境の違いにより、各々のアクチュエータ間で作動効率にばらつきが生じてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、常に変化する操舵状態への対応と、経時劣化や温度変化によるモータ特性の変動への対応とを両立できる車両用操舵装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
車両を操向させる操舵手段と、
この操舵手段に取り付けられ、操舵力を発生させる複数のアクチュエータと、
車両状態と操舵状態の少なくとも1つに関連した物理量を検出するセンサと、
このセンサの出力に基づいて、前記複数のアクチュエータに対し、車両の操向を制御するための信号を出力する制御手段と、
を備えた車両用操舵装置において、
前記制御手段に、前記センサ出力に基づいて、全アクチュエータ出力の合計目標出力を決定する制御部と、
前記合計目標出力を各々のアクチュエータに分配し、各アクチュエータ目標出力を決定する分配部と、
アクチュエータの効率を推定する効率推定部と、
を設け、
前記分配部は、事前に求めた効率マップに基づいて、効率がよくなる通常分配率を決定し、前記通常分配率から所定量ずつ分配比率を変化させ、最も効率のよくなる分配率補正量を同定し、車両操舵状況の変化により効率マップが変化した時にも分配率補正量を継承し、最適分配率の同定を行うことを特徴とする。
本発明にあっては、操舵状態の変動による最適な分配率の変動は効率マップを用いることで制御周期毎に決定できる。一方、アクチュエータやギアの経時劣化や温度変化による効率の変動は、前回の分配率補正量を継承して効率の最適化を行うことで、より速やかに分配率の最適化を達成できる。よって、常に変化する操舵状態への対応と、経時劣化や温度変化によるモータ特性の変動への対応とを両立できる。
以下、本発明の車両用操舵装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1(a)は、実施例1の車両用操舵装置のシステム構成図である。
実施例1の車両用操舵装置は、ステアリングホイール101と、反力アクチュエータ102と、操作状態センサ103と、舵取り車輪104と、ナックルアーム105と、タイロッド106と、ステアリングロッド107と、ステアリングギア108と、操舵角センサ109と、制御装置110と、物理量センサ111と、複数の転舵アクチュエータ112a,112b,112cとから構成される。
前記反力アクチュエータ102は、運転者の操作を伝えるステアリングホイール101に操作反力を発生させる。操作状態センサ103は、ステアリングホイール101が操作された操作量を検出する。
前記ステアリングギア108に発生した車両横方向への力は、ステアリングロッド107、タイロッド106およびナックルアーム105を介して舵取り車輪104を転舵させる。
前記操舵角センサ109は、舵取り車輪104の操舵角(ハンドル角度)を検出する。制御装置110は、舵取り車輪104に転舵角を発生させるための制御量と反力アクチュエータ102に操作反力を発生させるための制御量を算出する。物理量センサ111は、車両の運動制御に関わるセンサ物理量を検知する。
前記転舵アクチュエータ112a,112b,112cは、ステアリングギア108を操作して車両を操向するための力を発生させる。
上述の構成により、運転者の操作入力に対して任意に転舵角の特性を変更することができる、いわゆるステアバイワイヤの機能を実現することができる。以下、簡単のために図1(b)に示すアクチュエータを2個持つ(112a,112b)構成とする。
図2は、制御装置110の操舵制御部分のブロック図である。
操舵制御部204は、操舵指令201と操舵状態202と車両状態203より、アクチュエータ112aとアクチュエータ112bの出力指令を出力し、各々のアクチュエータは操舵手段(ステアリングギア108,ステアリングロッド107,タイロッド106,ナックルアーム105,舵取り車輪104)206を転舵する。
前記操舵指令としては、運転者により前記ステアリングホイール101に入力される指令であり、操作状態センサ103により検出される。操作状態センサ103は、操作角センサでもよいし、操作トルクセンサでもよい。
前記制御装置110は、少なくとも操舵指令と操舵状態を用いアクチュエータ全体での全体目標出力を演算する制御部204Aと、全体目標出力から各々のアクチュエータの目標出力を出力する分配部204Dとを備えている。
前記制御部204Aは、図3に示すように、前記操舵指令からアクチュエータの全体目標出力を決定するフィードフォワード部(FF部)301と、操舵指令と操舵状態の偏差から全体目標出力を補正するフィードバック部(FB部)302とからなる。なお、FB部302としては、PID制御を用いるものでもオブザーバを用い外乱を推定し補償するものでもよい。
前記制御部204Aは、前記操舵指令および操舵状態に加えて、車速やヨーレートや横Gといった車両状態のうちの少なくとも1つを用いて全体目標出力を演算してもよい。分配部204Dでは、効率マップ204Bと効率推定部204Cにより出力される効率とを用いて分配比率を演算する。
前記分配部204Dでは、前記状態量に加えて前記操舵指令と前記操舵状態と前記車両状態の内の少なくとも1つを用いて分配比率を決定してもよい。それぞれのアクチュエータは操舵力を発生し、操舵手段206を転舵させる。
ここで、2つの異なる特性を持つアクチュエータを使用する場合を考える。これは以下に列挙する場合を想定している。
(イ) 機械的な制約により互いに異なる性質を持つアクチュエータを使用しなければならない場合。
(ロ) 例えば高速で効率のよいアクチュエータと低速で効率のよいアクチュエータの2つの特性の異なるモータを使うことにより、より高い性能を実現できる場合。
(ハ) 同じアクチュエータを使用していても製造時のばらつき、経年劣化や過熱度合いの差により互いに特性が異なってしまった場合。
アクチュエータとしてモータを使用する場合、モータの効率は回転速度と出力トルクによって決定される。そこで、あらかじめ各パラメータを用いた効率マップを作成することができ、回転速度と出力トルクの目標値から最も効率の高い出力比率である通常分配比率を一意に決定することができる。
アクチュエータとして、例えば電動モータを用いる場合には、図4に示すように制御装置110が目標出力に相当する目標電流を出力し、アクチュエータ112a,112bは操舵手段206に操舵力を出力する。アクチュエータ内部では、モータドライバ回路402A1,402B1により電流センサ402A2,402B2で検出された電流値が目標電流となるようにフィードバック(FB)され、出力電流によりモータ402A3,402B3が駆動されて操舵力を出力する。
この時、モータ402A3,402B3では、印加される電流に比例したトルクが出力され、その比例係数はトルク定数と呼ぶ。モータ402A3,402B3の印加電流と出力トルクの関係が比例関係とならない時には実測データにより補正してもかまわない。操舵角はモータ402A3,402B3の操舵力出力と操舵手段全体の動特性と外乱により決定される。モータ402A3,402B3の操舵力出力は各々のモータの出力の合計で表されるため、制御装置110の制御部204Aにおいて全モータの合計操舵力出力を算出し、分配部204Dにおいて合計操舵力出力を各々のモータの操舵力出力に分配することで、目標とする操舵角を実現することができる。モータ入力電力と出力の間の効率をあらかじめ求めた効率マップを用いてモータ全体で最も効率のよくなる分配比率とする。このときの分配比率を以下、通常分配比率と呼ぶ。
図4において、2つのモータ402A3,402B3をモータA、モータBとし、制御部204Aの全体目標出力をF*とする。分配比率はモータA、Bそれぞれd、(1-d)とおくことができ、通常分配比率をdA、dB(dA+dB=1)とすると、実際のモータの出力特性が効率マップと同じ特性を持つ時には、d=dAとした時にモータの効率は最も高くなる。
[分配比率算出制御処理]
図5は、分配部204Dで実行される分配比率算出制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
ステップ501で制御開始後、ステップ502では、ハンドル角度θ等の車両状態を読み込み、ステップ503へ移行する。
ステップ503では、転舵角δを読み込み、ステップ504へ移行する。
ステップ504では、全体指令出力F*を導出し、ステップ505へ移行する。
ステップ505では、アクチュエータの効率ηnを算出し、ステップ506へ移行する。アクチュエータの効率ηnは、専用のセンサを用いてもよいし、擬似的に車両制御部にあるFB部の値を用いてもよいし、オブザーバを用いて出力値を推定してもよい。
ステップ506では、モータ効率マップを読み込み、ステップ507へ移行する。
ステップ507では、通常分配比率dA,dBを導出し、ステップ508へ移行する。
ステップ508では、各車両状態、例えば車速Vやハンドル角度θ、操舵速度等から、分配率変化量Δdを導出し、ステップ509へ移行する。この分配率変化量Δdに関しては後で詳述する。
ステップ509では、今回制御時の効率ηnが前回制御時の効率ηn-1よりも大きいかどうかを判定する。YESの場合にはステップ510へ移行し、NOの場合にはステップ515へ移行する。
ステップ510では、フラグが1であるかどうかを判定する。YESの場合にはステップ511へ移行し、NOの場合にはステップ516へ移行する。
ステップ511では、分配率補正量dnをdn-1−Δdとし、ステップ512へ移行する。
ステップ512では、フラグを1とし、ステップ513へ移行する。
ステップ513では、分配比率dをdA+dnとして出力し、ステップ514のリターンへ移行する。
ステップ515では、フラグが1であるかどうかを判定する。YESの場合にはステップ516へ移行し、NOの場合にはステップ511へ移行する。
ステップ516では、分配率補正量dnをdn-1+Δdとし、ステップ517へ移行する。
ステップ517では、フラグをゼロとし、ステップ513へ移行する。
[分配比率算出制御作動]
今回制御時の効率ηnが前回制御時の効率ηn-1よりも大きく、フラグが1である場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップ501→ステップ502→ステップ503→ステップ504→ステップ505→ステップ506→ステップ507→ステップ508→ステップ509→ステップ510→ステップ511→ステップ512→ステップ513→ステップ514へと進む流れとなり、ステップ511において、分配率補正量dnは、前回値dn-1から分配率変化量Δdを減算した値となる。
今回制御時の効率ηnが前回制御時の効率ηn-1よりも大きく、フラグがゼロである場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップ501→ステップ502→ステップ503→ステップ504→ステップ505→ステップ506→ステップ507→ステップ508→ステップ509→ステップ510→ステップ516→ステップ517→ステップ513→ステップ514へと進む流れとなり、ステップ516において、分配率補正量dnは、前回値dn-1に分配率変化量Δdを加算した値となる。
今回制御時の効率ηnが前回制御時の効率ηn-1よりも小さく、フラグが1である場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップ501→ステップ502→ステップ503→ステップ504→ステップ505→ステップ506→ステップ507→ステップ508→ステップ509→ステップ515→ステップ516→ステップ517→ステップ513→ステップ514へと進む流れとなり、ステップ516において、分配率補正量dnは、前回値dn-1に分配率変化量Δdを加算した値となる。
今回制御時の効率ηnが前回制御時の効率ηn-1よりも小さく、フラグがゼロである場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップ501→ステップ502→ステップ503→ステップ504→ステップ505→ステップ506→ステップ507→ステップ508→ステップ509→ステップ515→ステップ511→ステップ512→ステップ513→ステップ514へと進む流れとなり、ステップ511において、分配率補正量dnは、前回値dn-1から分配率変化量Δdを減算した値となる。
[分配比率算出制御作用]
図6と図7は、異なる操舵状態における分配率dと効率ηの関係を示している。効率マップに基づく分配率と効率の関係は図6の曲線601、図7の曲線701で示す関係となっており、実際の分配率と効率の関係は図6の曲線602、図7の曲線702で示す関係となっているとすると。
図6の操舵状態において、通常分配率dA1の分配率の時(603)、実際の効率は604に示す通りとなる。このとき上記手法を用いることで、605に示す最適分配率とすることができる。このときの分配率補正量はdnである。
操舵状態が図6に示される関係の操舵状態から図7に示される操舵状態へと変化する時、効率マップに基づく通常分配率dA2の分配率の時(703)、実際の効率は(704)に示す通りとなる。このとき図6に示される関係の操舵状態の分配率補正量dnを継承した分配率補正量dn+1を用いて分配量補正を行うことで、より速やかに最適分配率(705)を求めることができる。
分配率の変化幅、すなわち分配率変化量Δdは、車速V、転舵角δまたは転舵角速度δdの少なくとも1つ、または複数に依存して決定する。
車速Vに依存する関数A(v)を図8に示すように決める時、車速ゼロの時のΔdをΔdv0とするときにΔd=A(v)・Δdv0とする。このとき、車速Vの高い時にΔdは小さくなり、分配率を変化させた際の車両挙動の変化が少なく運転者に違和感を与えない。また、高速と比較して転舵角δの変動による車両挙動の変化の小さい低速では、Δdを大きくすることになり、速やかに最適分配比率を決定することができる。
転舵角δに依存する関数B(v)を図9に示すように決める時、転舵角ゼロの時のΔdをΔdδ0とするときにΔd=B(δ)・Δdδ0とする。このとき、転舵角δの大きい時にΔdは小さくなり、大舵角の際のモータ出力の変動が小さくなるため、運転者に違和感を与えない。また、転舵角δが小さいのときにもΔdが小さくなることで、直進走行中の転舵角δの変動が少なくなるため、運転者に違和感を与えず良好な操舵特性を実現できる。
転舵角速度δdに依存する関数をC(v)を図10に示すように決める時、転舵角速度ゼロの時のΔdをΔdδd0とする時Δd=C(δd)・Δdδd0とする。転舵角速度δdが小さい時にΔdを小さくすることで、分配率を変化させた際の車両挙動の変化を小さくし、定常走行中の運転者の違和感を低減することができる。
分配率変化量Δdは、車速V、転舵角δ、転舵角速度δdの3個に依存して決定するとき、車速ゼロ、転舵角ゼロ、転舵角速度ゼロの時のΔdをΔd0とし、Δd=A(v)・B(δ)・C(δd)・Δd0とすることにより決定すればよい。
[従来技術の問題点]
特開平7−131994号公報に記載された複数モータの駆動制御装置には、多数のモータを用いて車両を駆動するとき、あらかじめ求めたマップに基づいてモータの駆動力を分配する技術が開示されている。
しかしながら、上記従来技術では、経年劣化やモータ周囲の環境の違いにより効率が変わったときに効率の悪い負荷の比率でモータが駆動される。また、複数のアクチュエータを持つ車両用操舵装置において、エンジンの熱等の環境の違いにより、各々のアクチュエータ間で作動効率にばらつきが生じてしまう。
その他に、アクチュエータの分配率を少しずつ変化させ、その時の効率の変化を観測することで分配率の最適化を行うことも考えられる。ところが、常に操舵速度、操舵方向の変化する操舵系に適応する場合、最適な分配率の変動も大きくなるため、徐々に分配率の最適化を行うという手法は適用しがたい。
すなわち、従来の分配比率変化手法を適用した車両用操舵装置では、以下の2つの問題があった。
(i) 2つの特性の異なるモータを使用して車両の操舵装置の制御を行う際に、モータの効率を向上させたい時に、効率マップを用いた手法では操舵状況に即応した出力分配比率を決定できるが経時劣化や温度変化によるモータ特性の変動に対応できない。
(ii) モータの出力分配比を常に変動させ、モータ効率を推定する方法では常に変化する操舵状態に即応したモータ効率の最適化を行うことが困難である。
[実施例1の効果]
これに対し、実施例1の車両用操舵装置では、操舵状態の変動による最適な分配率dの配分は効率マップ204Bを用いることで毎制御周期ごとに決定することができる。アクチュエータ112a,112bやギアの経時劣化や温度変化による効率の変動により実際の効率マップはあらかじめ用意された効率マップ204Bから異なるが、その変化量は操舵状態や時系列によらず一定の傾向を持つ。そのため、ある操舵状態で効率の最適化を行った際の分配率補正量dnと他の操舵状態で効率の最適化を行った際の分配率補正量dmは互いに相関関係を持っている。よって、異なる操舵状態においても、前回の分配率補正量dn-1を継承して、すなわち、分配率補正量dnを前回値dn-1と分配率変化量Δdから求めて効率の最適化を行うことで、より速やかに分配率dの最適化をすることができる。すなわち、常に変化する操舵状態への対応と、経時劣化や温度変化によるモータ特性の変動への対応とを両立できる(請求項1に対応する効果)。
また、車速Vが高くなるときに、分配率dの最適化の際の分配率変化量Δdを小さくするため、車両挙動の変化を小さく抑え、運転者に違和感を与えない。車速が低い際には分配率変化量Δdを大きくすることで、より速やかに分配率dの最適化を行う。低速では操舵による車両挙動は小さいため、分配率変化量Δdを大きくしても運転者に違和感を与えない(請求項2に対応する効果)。
さらに、転舵角δが大きいときは、操舵装置の発生しなければならない力は大きく、分配率dを変化させた時のアクチュエータの発生する力の変動も大きくなる。分配率変化量Δdを転舵角δが大きくなるのに応じて小さくするため、車両挙動の変化を小さく抑え、運転者に違和感を与えない。また転舵角δが小さい時、すなわち走行時に、運転者は車両挙動の変化に対して敏感であるため、転舵角δが所定値以下の場合には、転舵角δが小さくなるのに応じて分配率変化量Δdを小さくすることで、車両挙動の変化を小さく抑え、運転者に違和感を与えない(請求項3に対応する効果)。
加えて、転舵角速度δdが大きいときには、アクチュエータの出力も大きくなり分配率dを変化させた時のアクチュエータの発生する力の変動も大きくなる。転舵角速度δdが小さい時、分配率変化量Δdを小さくすることで、分配率dを変化させた際の車両挙動の変化を小さくし、定常走行中の運転者の違和感を低減できる(請求項4に対応する効果)。
また、分配率変化量Δdを、車速V、転舵角δおよび転舵角速度δdの関数を掛け合わせた関数によって変化させるため、操舵状態の変動に対応した最適な分配率dの配分を実現できる(請求項5に対応する効果)。
(他の実施例)
以上、本発明を実施する最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
モータが3個以上ある場合には、複数のモータを一まとめとして2つのグループに分け、グループ間の分配比率を前記操作で変化させる。この際にグループ内での分配比率は固定したままとする。例えば、モータA,B,Cがある時に通常分配率dmA,dmB,dmCは効率マップより一意に決定でき、常に変動している。
所定制御周期における分配率補正量がdAn,dBn,dCnであるとき、モータAとBを1つのモータABと考えモータABとモータCの間で分配率の最適化を図る。このときの分配率補正量はdABn+kとdCn+kとおくことができる。実際には、dABn+kはdAn+kとdBn+kの和からなっており、モータABとモータCの間での分配率の最適化の際には、dAn+kとdBn+kの比を一定に固定する。
モータA,B,Cの分配率をdA,dB,dCとすると、
dA = dmA+dABn+k×dAn/(dAn+dBn)
dB = dmB+dABn+k×dBn/(dAn+dBn)
dC = dmC+dCn+k
とする。
所定時間経過後に、違う組み合わせでモータを2つのグループに分割し、同様な処理を繰り返すことにより、モータが3個以上ある場合であっても、モータの分配率の最適化を行うことができる。
実施例1の車両用操舵装置のシステム構成図である。 制御装置の操舵制御部分のブロック図である。 制御部の構成図である。 アクチュエータの構成図である。 分配部で実行される分配比率算出制御処理の流れを示すフローチャートである。 分配率と効率の関係を示す図である。 分配率と効率の関係を示す図である。 車速依存関数A(v)の一例である。 転舵角依存関数B(δ)の一例である。 転舵角速度依存関数C(v)の一例である。
符号の説明
101 ステアリングホイール
102 反力アクチュエータ
103 操作状態センサ
104 舵取り車輪
105 ナックルアーム
106 タイロッド
107 ステアリングロッド
108 ステアリングギア
109 操舵角センサ
110 制御装置
111 物理量センサ
112a,112b,112c 転舵アクチュエータ
201 操舵指令
202 操舵状態
203 車両状態
204 操舵制御部
204A 制御部
204B 効率マップ
204C 効率推定部
204D 分配部
206 操舵手段
301 フィードフォワード部
302 フィードバック部
402A1,402B1 モータドライバ回路
402A2,402B2 電流センサ
402A3,402B3 モータ

Claims (5)

  1. 車両を操向させる操舵手段と、
    この操舵手段に取り付けられ、操舵力を発生させる複数のアクチュエータと、
    車両状態と操舵状態の少なくとも1つに関連した物理量を検出するセンサと、
    このセンサの出力に基づいて、前記複数のアクチュエータに対し、車両の操向を制御するための信号を出力する制御手段と、
    を備えた車両用操舵装置において、
    前記制御手段に、
    前記センサ出力に基づいて、全アクチュエータ出力の合計目標出力を決定する制御部と、
    前記合計目標出力を各々のアクチュエータに分配し、各アクチュエータ目標出力を決定する分配部と、
    アクチュエータの効率を推定する効率推定部と、
    を設け、
    前記分配部は、事前に求めた効率マップに基づいて、効率がよくなる通常分配率を決定し、前記通常分配率から所定量ずつ分配比率を変化させ、最も効率のよくなる分配率補正量を同定し、車両操舵状況の変化により効率マップが変化した時にも分配率補正量を継承し、最適分配率の同定を行うことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記分配部は、最適な分配率補正量を同定する際の分配率変化量を、車速が高くなるのに応じて小さくなるように設定することを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記分配部は、最適な分配率補正量を同定する際の分配率変化量を、転舵角が所定量以下の時には操舵角が大きくなるに従い分配率変化量を大きくし、転舵角が所定量以上の時には操舵角が大きくなるに従い分配率変化量を小さくなるように設定することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記分配部は、最適な分配率補正量を同定する際の分配率変化量を、転舵角速度が高くなるのに応じて大きくなるように設定することを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両操舵装置において、
    車速を変数とする関数と、
    転舵角を変数とする関数と、
    転舵角速度を変数とする関数と、
    を設定し、
    前記分配部は、上記関数のうちの1つまたは2つ以上の関数を掛け合わせた関数によって、分配率変化量を変化させることを特徴とする車両用操舵装置。
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