JP2005160009A - 送受信アンテナおよびそれを用いたミリ波送受信器 - Google Patents

送受信アンテナおよびそれを用いたミリ波送受信器 Download PDF

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Abstract

【課題】ミリ波送受信器を用いたミリ波レーダにおいて、パルス変調器の過渡的出力変動が内部の反射等によりミキサー出力変動へ直接伝達されるのを抑制する。
【解決手段】NRDガイドを基本構成に用い、ミリ波信号発振部21とパルス変調器22とサーキュレータ23とアンテナ24とミキサー25とを設けたミリ波送受信器において、第3の誘電体線路の線路長を、送信用のミリ波信号のうち第3の誘電体線路を通ってその先端部で反射して戻ってサーキュレータ23の第3の接続部に漏洩した一部のミリ波信号と、サーキュレータ23の第1の接続部から第3の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号との中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したミリ波送受信器である。ミキサー出力の変化を小さくすることができ、ミリ波送受信性能を向上させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ミリ波レーダモジュールやミリ波無線通信機等に使用される非放射性誘電体線路(NRDガイド)を用いたミリ波送受信器に関するものであり、パルス変調された送信用のミリ波信号が内部の反射等により受信系に出力されるのを遮断できるスイッチング制御部を有したミリ波送受信器において、スイッチング制御部が閉(オン)状態でのパルス変調器の過渡特性に起因するミキサーからの出力信号の変動の抑制に関するものである。また、サーキュレータの入出力用の伝送線路の1つにアンテナ(一次放射器も含むものである。)が接続されてなる送受信アンテナであって、送信系のミリ波信号の一部が直接受信系へ漏洩することが抑制される送受信アンテナおよびそれを用いたミリ波送受信器に関するものである。
従来から、ミリ波レーダモジュールやミリ波無線通信機等への応用が期待されるミリ波送受信器の方式として、例えば、特許文献1に開示されているようなパルス変調方式が提案されている。
しかしながら、パルス変調方式では、パルス変調された送信用のミリ波信号の一部が送受信器の内部での反射等により受信系に不要な信号として出力され、これが受信性能に悪影響を及ぼすという問題点があった。
本発明者は既にこの問題点に対する解決策を提案している(特願2001−392767号を参照。)。その構成の例を、図11にブロック回路図で、図6に平面図で示す。なお、これらの構成の例において用いられるNRDガイドの基本的な構成は図4に部分破断斜視図で示すようなものであり、距離aで平行に配置された平行平板導体1,2間に誘電体線路3が挟まれた構成である。
図6に示す例のミリ波送受信器は、送信アンテナと受信アンテナとが一体化されたものの例であり、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体51間に、第1の誘電体線路53に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として第1の誘電体線路53を伝搬させるミリ波信号発振部52と、第1の誘電体線路53の途中に介在し、ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として第1の誘電体線路53から出力させるパルス変調器(図示せず)と、第1の誘電体線路53に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路53に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー59側へ伝搬させる第2の誘電体線路58と、平行平板導体51に平行に配設されたフェライト板の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部54aと第2の接続部54bと第3の接続部54cとを有し、一つの接続部から入力されたミリ波信号をフェライト板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の接続部より出力するサーキュレータ54であって、第1の誘電体線路53のミリ波信号の出力端に第1の接続部54aが接続されるサーキュレータ54と、サーキュレータ54の第2の接続部54bに接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部にアンテナ56を有する第3の誘電体線路55と、サーキュレータ54の第3の接続部54cに接続され、アンテナ56で受信されて第3の誘電体線路55を伝搬し第2の接続部54bを通って第3の接続部54cから出力された受信波をミキサー59へ伝搬させる第4の誘電体線路57と、第2の誘電体線路58の中途と第4の誘電体線路57の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、第2の誘電体線路58を伝搬してきたミリ波信号の一部と第4の誘電体線路57を伝搬してきた受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサー59とを設けたミリ波送受信器である。そして、この例において、ミキサー59の出力端に、パルス変調された送信用のミリ波信号がパルス変調器から出力されたときに出力端を開状態とするスイッチング制御部(図示せず)を設けることにより、パルス変調器のパルス化動作を開始するためのパルス化信号がパルス変調器に入力されるのとほとんど同時に、不要信号がミキサー59よりも後段の受信系に出力されるのを防ぐことができる。
次に、図11は図6に示すミリ波送受信器をミリ波レーダとして用いたときの各部の構成をブロック回路図で示したものである。
図11において、11は、ガンダイオードおよびバラクターダイオードを具備したVCOであり、その変調信号入力用のIN−2端子に信号が入力されて動作する。このVCO11の出力信号を、IN−1端子に入力されたパルス化信号をパルス変調器12に入力することにより、パルス変調器12によってパルス変調させる。このパルス変調器12は、図6においては、第1の誘電体線路53の途中に介在するものであり、図8にその構成を斜視図で示したように構成したスイッチである。
図8に示すパルス変調器の構成は、基板88の一主面にチョーク型バイアス供給線路90を形成して、その途中に形成された接続用の電極81,81間に、半田実装されたビームリードタイプのPINダイオードやショットキーバリアダイオード80を設けたスイッチである。このようなスイッチが、PINダイオードやショットキーバリアダイオード80が第1の第1の誘電体線路53の途中の端面間に、そのバイアス印加電圧方向が横方向になるように設置して、パルス変調器12として使用される。
13は、送信時にはミリ波信号をアンテナ14側へ伝送させ、受信時には受信波をミキサー15側へ伝送させるサーキュレータ、14はミリ波信号の送受信用のアンテナであり、アンテナ14は、サーキュレータ13とは金属導波管または金属導波管に誘電体を充填した誘電体導波管等を介して接続された、例えばホーンアンテナ等である。また、15は、VCO11から出力されたミリ波信号とアンテナ14で受信した受信信号とを混合することにより、目標物までの距離等を検出するための中間周波信号を出力するミキサーである。
16は、ミキサー15から出力された中間周波信号を、遮断したり通過させたりする開閉器としてのスイッチである。また、19はスイッチ16の開閉(オン−オフ)のタイミングを制御する制御部である。これらスイッチ16および制御部19からスイッチング制御部が構成される。
制御部19は、パルス変調器12と連動するようにIN−1端子のパルス化信号が入力されて、パルス変調器12でパルス変調された送信用のミリ波信号が、NRDガイドと誘電体導波管との接続部で反射されたりサーキュレータ13から漏れてミキサー15を介して不要信号となって出力されたりして増幅器18に入力される前に、スイッチ16により遮断するようにその開閉のタイミングを制御する。
なお、17はスイッチ16と増幅器18とを交流結合するためのコンデンサである。
以上の構成により、パルス変調された送信用のミリ波信号がミキサー15に混入して後段の受信系に漏れないように遮断できるため、ミリ波レーダシステムの探知精度を高めることが可能となる。
また、このようなミリ波送受信器に組み込まれて使用される送受信アンテナとしては、サーキュレータの入出力用の伝送線路の1つに放射器が接続されているものが知られており、このような送受信アンテナの例は、上記特許文献1に開示されている他、特許文献2にも開示されている。
特許文献1または特許文献2に開示されている従来の送受信アンテナは、例えば、図12に平面図で示すように、ミリ波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路14,15,16が磁性体17の周縁部に放射状に接続され、一つの接続部から入力されたミリ波信号を隣接する他の接続部の一方より出力するサーキュレータの一つの接続部に一端が接続された第3の伝送線路16の他端にアンテナ18が接続されている構成である。
このような従来の送受信アンテナでは、送信系から出力されたミリ波信号を第1の伝送線路14に入力し、第1の伝送線路14から第3の伝送線路16に出力し、この第3の伝送線路16に入力されたミリ波信号を第3の伝送線路16に接続されたアンテナ18から送信する一方、この同じアンテナ18で受信したミリ波信号を第3の伝送線路16に入力し、第3の伝送線路16から第2の伝送線路15に出力し、第2の伝送線路15から受信系に出力するといった動作をするものであり、1つのアンテナ18を共用してミリ波信号を送受信することができるというものである。
特開2000−258525号公報 特開平7−77576号公報
しかしながら、特願2001−392767号において提案した構成においても、本発明者らがさらにミリ波送受信器の性能を高めるべく鋭意検討を重ねた結果、次に述べるようなさらに改善が望まれる問題点を見いだした。
そのようなさらに改善が望まれる問題点として、パルス変調器12の過渡応答特性に伴うパルス変調器12からの送信用のミリ波信号の出力レベルの変動を考慮すべきであるという点があった。
一般に、高周波ダイオードを用いたパルス変調器12は、ゼロバイアス容量等の高周波ダイオードに固有の特性を有しているため、多くの場合、駆動用に理想的なパルス信号を入力したとしても変調用のバイアス電流にリンギングノイズ等の過渡的な変動が伴い、その結果、パルス変調器12からのミリ波信号出力は、元の波形から歪むこととなり、設計意図からはずれたレベル変動を伴ったものとなるという問題点がある。
特願2001−392767号において提案したミリ波送受信器は、パルス変調器12から出力された送信用のミリ波信号が反射等により直接ミキサー15に混入して受信系に出力されるのを遮断できるようにスイッチ16を備えているが、上記のようなレベル変動によって、受信系、この場合はミキサー15で発生する不要な信号も遮断する必要があるため、上記のようなレベル変動が収まって定常状態に安定するまでの間はスイッチ16を閉(オン)状態にすることができず、パルス信号を送出した直後のある一定時間は送受信を行なえないことがあるという問題点があった。
そこで、パルス変調器12からのミリ波信号の出力レベルの過渡的変動によるミキサー15の出力のレベル変動を抑制することが、改善が望まれる問題点である。
この問題点を解決する対策の一つとして、例えばパルス変調器12を多段に組み合わせ、パルス変調器12のON/OFF比特性を良好なものとし、特に問題となっているパルス変調器12のOFF状態時のレベル変動を抑制するという方法が有効であるが、そのためには構成が複雑化してしまうことから、ミリ波送受信器の組み立て工数の増大や、ミリ波送受信器自体およびこれを用いたミリ波レーダ装置の大型化を招くという問題点があった。
また、特許文献1または特許文献2に開示されているような従来の送受信アンテナでは、送信系から入力されたミリ波信号の一部が、第1の誘電体線路14から第2の誘電体線路15へ漏洩して受信すべきミリ波信号と混信するために、受信系の受信特性を悪化させてしまうという問題点があった。
本発明は以上のような改善が望まれる問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、パルス変調された送信用のミリ波信号が内部の反射等により受信系に出力されるのを遮断できる開閉器を有したミリ波送受信器において、パルス信号を送出した直後にも送受信が行なえるようにしたミリ波送受信器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、送信系のミリ波信号の一部が直接受信系へ漏洩することを抑制することができる送受信アンテナおよびそれを用いた高いミリ波送受信性能を有するミリ波送受信器を提供することにある。
本発明の第1の送受信アンテナは、ミリ波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端にアンテナが接続されてなる送受信アンテナであって、前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記アンテナで反射して戻って前記第2の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第2の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とするものである。
また、本発明の第2の送受信アンテナは、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に、該平板導体の内面に互いに対向させて2枚のフェライト板が配置され、該2枚のフェライト板の周縁部に放射状に前記ミリ波信号を入出力する第1、第2および第3の誘電体線路がそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の誘電体線路のLSMモードの定在波の電界が強い箇所に対向する部位で一方の前記平板導体に貫通孔が設けられ、該貫通孔にアンテナまたはアンテナが接続された導波管もしくは一次放射器が接続されてなる送受信アンテナであって、前記第3の誘電体線路の前記一端から前記貫通孔に対向する部位までの長さを、前記第3の誘電体線路を通って前記貫通孔で反射して戻って前記第2の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第2の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とするものである。
本発明の第1のミリ波送受信器は、本発明の第1の送受信アンテナを用いたものであり、
ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に、
第1の誘電体線路に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として前記第1の誘電体線路を伝搬させるミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路の途中に介在し、前記ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として前記第1の誘電体線路から出力させるパルス変調器と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記平板導体の内面に互いに対向させて配設された2枚のフェライト板の周縁部に放射状に配置され、かつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部と第2の接続部と第3の接続部とを有し、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続されたサーキュレータと、
該サーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部にアンテナを有する第3の誘電体線路と、
前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前記アンテナで受信されて前記第3の誘電体線路を伝搬し前記第3の接続部から出力された受信波をミキサーへ伝搬させる第4の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、前記ミリ波信号の一部と前記受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサーとを備え、
前記第3の誘電体線路の線路長を、前記送信用のミリ波信号のうち前記第3の誘電体線路を通って前記先端部で反射して戻って前記第3の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第3の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とするものである。
また、本発明の第2のミリ波送受信器は、本発明の第2の送受信アンテナを用いたものであり、
ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に、
上記本発明の第2の送受信アンテナと、
前記第1の誘電体線路に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として前記第1の誘電体線路を伝搬させるミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路の途中に介在し、前記ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として前記第1の誘電体線路から出力させるパルス変調器と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第4の誘電体線路と、
該第4の誘電体線路の中途と前記第3の誘電体線路の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、前記ミリ波信号の一部と前記送受信アンテナで受信した受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサーと
を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の第1または第2のミリ波送受信器は、上記構成において、前記一部のミリ波信号Waと前記他の一部のミリ波信号Wbとのパワーの比を0.27以上とするとともに、前記位相差δをδ=(2N−1)・π±0.42π(ただし、Nは整数である。)としたことを特徴とするものである。
また、本発明の第1または第2のミリ波送受信器は、上記各構成において、前記ミキサーの前記出力端に、パルス変調された前記送信用のミリ波信号が前記パルス変調器から出力されたときに前記出力端を開状態とするスイッチング制御部を設けたことを特徴とするものである。
本発明の第1の送受信アンテナによれば、ミリ波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端にアンテナが接続されてなる送受信アンテナであって、前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記アンテナで反射して戻って前記第2の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第2の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことから、WaとWbとの位相差δがδ=(2N−1)・πとなるため、第2の伝送線路に漏洩した上記2つのミリ波信号WaおよびWbを確実に互いに丁度逆位相にし、効果的に互いが打ち消し合うようにすることができるので、送信系側である第1の伝送線路から受信系側である第2の伝送線路へ漏洩するミリ波信号を抑制することができ、受信系の受信特性を良好にすることができる送受信アンテナとなる。
また、本発明の第2の送受信アンテナによれば、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に、この平板導体の内面に互いに対向させて2枚のフェライト板が配置され、この2枚のフェライト板の周縁部に放射状に前記ミリ波信号を入出力する第1、第2および第3の誘電体線路がそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の誘電体線路のLSMモードの定在波の電界が強い箇所に対向する部位で一方の前記平板導体に貫通孔が設けられ、該貫通孔にアンテナまたはアンテナが接続された導波管もしくは一次放射器が接続されてなる送受信アンテナであって、前記第3の誘電体線路の前記一端から前記貫通孔に対向する部位までの長さを、前記第3の誘電体線路を通って前記貫通孔で反射して戻って前記第2の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第2の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことから、WaとWbとの位相差δがδ=(2N−1)・πとなるため、第2の誘電体線路に漏洩した上記2つのミリ波信号WaおよびWbを確実に互いに丁度逆位相にし、効果的に互いが打ち消し合うようにすることができるので、送信系側である第1の誘電体線路から受信系側である第2の誘電体線路へ漏洩するミリ波信号を抑制することができ、受信系の受信特性を良好にすることができる送受信アンテナとなる。
本発明の第1のミリ波送受信器によれば、上記構成により、送信用のミリ波信号のうち第3の誘電体線路を通ってその先端部で反射して戻って第3の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、第1の接続部からサーキュレータを介して第3の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これら一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとのの中心周波数における位相差をδとしたときに、前記第3の誘電体線路の線路長を、位相差δがδ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことから、第3の接続部において一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとが弱め合うように干渉し、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとが干渉して合波したミリ波信号の強度(パワー)が、干渉する以前の他の一部のミリ波信号Wbの強度(パワー)よりも、小さくなるように抑制されることとなるので、パルス変調器からミリ波送受信器の内部における反射やサーキュレータのアイソレーションの不足等により、サーキュレータの第3の接続部から漏洩して直接ミキサーにミリ波信号が混入した際のミキサー出力の変化を小さくすることができ、これによりミキサー出力のうち希望するもののみを検出しやすくすることができるため、ミリ波送受信性能を向上させることができる。
また、本発明の第2のミリ波送受信器によれば、上記構成により、送信系のミリ波信号の一部が受信系に漏洩することを抑制することができ、受信すべきミリ波信号との混信を少なくすることができるため、ミリ波送受信器の受信系の受信特性を良好とすることができる。また、これによって、送信系のミリ波信号のパワーを高めて、送受信アンテナで送信するミリ波信号の伝送距離を延ばしたり、S/N(信号対ノイズ)比を向上させたりすることもできるので、全体として、ミリ波送受信性能を向上させることができる。
また、本発明の第1または第2のミリ波送受信器によれば、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとのパワーの比を0.27以上とするとともに、位相差δをδ=(2N−1)・π±0.42π(ただし、Nは整数である。)としたときには、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとが弱め合うように干渉し、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとが干渉して合波したミリ波信号の強度を、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとが干渉する以前のそれぞれの出力強度の合計に比べて半分以下に抑制することが、現実的に設定しやすい範囲の位相差δで実現できることとなるので、パルス変調器からミリ波送受信器の内部における反射やサーキュレータのアイソレーションの不足等により、サーキュレータの第3の接続部から漏洩して直接ミキサーに送信用のミリ波信号が混入した際のミキサー出力の変化を容易かつ確実に小さくすることができ、これによりミキサー出力のうち希望するもののみを最も良好に検出しやすくすることができるため、ミリ波送受信性能をより向上させることができる。
また、本発明の第1または第2のミリ波送受信器によれば、ミキサーの出力端に、パルス変調された送信用のミリ波信号がパルス変調器から出力されたときに出力端を開(オフ)状態とするスイッチング制御部を設けたときには、送信用のミリ波信号がパルス変調器から出力された後すぐにスイッチング制御部を閉(オン)状態にしても、パルス変調器のミリ波出力の過渡的変動によるミキサー出力の変動が十分に収まっているので、不要な信号に妨害されることなく、パルス信号を送出後すぐにミリ波送受信を開始することができる。
以上のように、本発明の送受信アンテナおよびそれを用いた本発明のミリ波送受信器によれば、上記各構成により、パルス変調された送信用のミリ波信号が内部の反射等により受信系に出力されるのを遮断できるスイッチング制御部を有したミリ波送受信器において、スイッチング制御部による遮断時間をほぼパルス変調された送信用のミリ波信号が送出されている時間程度にまで短くできるので、ミリ波送受信できる時間領域が広がった高性能なものとなる。これによって、ミリ波レーダに応用した際に、近距離での探知性能を向上させることができるものとなる。また、送信系のミリ波信号の一部が直接受信系へ漏洩することを抑制することができるので、ミリ波送受信性能を向上させることができるものとなる。
本発明の送受信アンテナおよびそれを用いた本発明のミリ波送受信器について、これらをミリ波レーダに使用した場合を例にとって、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の送受信アンテナの実施の形態の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A’断面図である。また、図2は、本発明の第2の送受信アンテナの実施の形態の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)はそのB−B’断面図である。また、図3は図1または図2に示す送受信アンテナのアイソレーション特性の位相差δによる依存性を示す線図である。また、図4は、非放射性誘電体線路の基本的な構成を示す模式的な部分破断斜視図である。また、図5は、本発明のミリ波送受信器をミリ波レーダに適用した場合の実施の形態の一例について、そのミリ波信号伝送部および中間周波信号伝送部の構成を示すブロック回路図である。また、図6は、送受信アンテナを有するミリ波送受信器の平面図である。また、図7は、本発明の第2のミリ波送受信器の実施の形態の一例を模式的に示す平面図である。また、図8は、ミリ波送受信器のパルス変調器の構成を示す斜視図である。また、図9は、本発明のミリ波送受信器における、図6の第3の誘電体線路近傍の部分拡大平面図である。また、図10は、第3の誘電体線路を通ってその先端部であるアンテナとの接続部で反射して戻って第3の接続部に漏洩する一部のミリ波信号Waと、第1の接続部からサーキュレータを介して第3の接続部へ漏洩する他の一部のミリ波信号Wbとが干渉して合波したときの位相差δによる、ミリ波信号の出力強度の変化を示すグラフである。
図1乃至図4において、1および2は平板導体、3,4および5は伝送線路としての誘電体線路であり、それぞれ第1、第2および第3の誘電体線路である。また、6および7は磁性体としてのフェライト板、8はアンテナ、9は平板導体2に設けられた貫通孔である。また、3a,4aおよび5aはそれぞれ第1、第2および第3の誘電体線路3,4,5の一端であり、5bは第3の誘電体線路の他端である。また、3c,4cおよび5cはそれぞれ第1、第2および第3の接続部である。また、WaおよびWbは、それぞれアンテナ8もしくは貫通孔9で反射して戻って第3の誘電体線路5から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号ならびに第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号を示している。なお、図1(a)および図2(a)において、平板導体1,2は図示していない。また、図2において、貫通孔9に取り付けられるアンテナまたはアンテナが接続された導波管もしくは一次放射器は図示していない。
また、図5において、21はミリ波信号発振部、22はパルス変調器(RFスイッチ)、23はサーキュレータ、24はアンテナ、25はミキサー、26は開閉器(IFスイッチ)、28は増幅器、29はタイミング生成部、30はカプラ(方向性結合器)である。
また、図6および図7において、51は平板導体(平行平板導体のうちの下側の平板導体)、52はミリ波信号発振部、53は第1の誘電体線路、54はサーキュレータ、55は第3の誘電体線路、56はアンテナ、57は第4の誘電体線路、58は第2の誘電体線路、59はミキサーである。また、57aおよび58aは無反射終端器である。なお、図6および図7において、上側の平板導体は図示していない。
なお、図1における平板導体1,2、第1の誘電体線路3、第2の誘電体線路4、第3の誘電体線路5およびアンテナ8は、それぞれ、図6においては、平板導体51、第1の誘電体線路53、第4の誘電体線路57、第3の誘電体線路55およびアンテナ56に相当するものである。また、図2における平板導体1,2、第1の誘電体線路3、第2の誘電体線路4および第3の誘電体線路5は、それぞれ、図7においては、平板導体51、第1の誘電体線路53、第2の誘電体線路58、第3の誘電体線路55に相当するものである。
図1に示す本発明の第1の送受信アンテナの例は、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体1,2間に、この平板導体1,2の内面に互いに対向させて2枚のフェライト板6,7が配置され、この2枚のフェライト板6,7の周縁部に放射状にミリ波信号を入出力する第1、第2および第3の誘電体線路3,4,5がそれぞれ第1、第2および第3の接続部3c,4c,5cで接続され、一つの接続部に入力されたミリ波信号を隣接する他の接続部の一方より出力するサーキュレータCに、第3の接続部5cに一端5aが接続された第3の誘電体線路5の他端5bにアンテナ8が接続されてなる送受信アンテナであって、その第3の誘電体線路5の線路長を、第3の誘電体線路5を通ってアンテナ8で反射して戻って第2の接続部4cに漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、第1の接続部3cからサーキュレータCを介して第2の接続部4cへ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定した構成である。
図1に示す本発明の第1の送受信アンテナの例は、上記従来の送受信アンテナと同様に、送信系から出力されたミリ波信号は、サーキュレータCを介して第1の誘電体線路3から第3の誘電体線路5を通ってアンテナ8から送信され、アンテナ8で受信したミリ波信号は、第3の誘電体線路5から第2の誘電体線路4を通って受信系に出力されるといった動作をする。
しかしながら、その際、本発明の第1の送受信アンテナにおいては、上記のように、第3の誘電体線路5の線路長を、WaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことから、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Waと、アンテナ8で反射して戻って第3の誘電体線路5から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Wbとを、確実に丁度逆位相にし、効果的にこれらを弱め合って干渉させて互いに打ち消し合うようにすることができるので、送信系側である第1の誘電体線路3から受信系側である第2の誘電体線路4へ漏洩するミリ波信号を抑制することができ、受信系の受信特性を良好にすることができる。
このことについて、次に、図3に示す線図を用いて詳細に説明する。まず、ここでは、第1の誘電体線路3に入力されるミリ波信号の強度(単位:ワット(W))に対する上記第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4へ漏洩するミリ波信号Wa+Wbの強度(単位:ワット(W))の比をアイソレーションとし、このアイソレーションの位相差δに対する依存性をアイソレーション特性とする。なお、このアイソレーション特性においては、アイソレーションが小さいほど送信系側である第1の誘電体線路3から受信系側である第2の誘電体線路4へ漏洩するミリ波信号Wa+Wbが小さいことを示す。
図3は、このアイソレーション特性を線図で模式的に示しており、横軸および縦軸はそれぞれ位相差δ(単位:ラジアン)およびアイソレーション(単位なし)であり、実線の特性曲線がアイソレーション特性の位相差δによる依存性を示している。
図1に示す送受信アンテナのアイソレーション特性は、図3に線図で示すように、A・cosδ(Aは比例係数であり、実数である。)に従ってアイソレーションが変化し、アンテナ8で反射して戻って第3の誘電体線路5から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Waと、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Wbとの位相差δが、±π,±3π,・・・,(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)であるときに、アイソレーションが最も小さくなる。
従って、第3の誘電体線路5がδ=(2N−1)・πを満足するような線路長であれば、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4へ漏洩するミリ波信号Wa+Wbを、このような構成において最も小さくすることができる。
ところで、第3の誘電体線路5をこのような条件にするには、一般的には、第3の誘電体線路5の線路長を、(2N−1)/4・λg(nは整数,λgはミリ波信号の第3の誘電体線路5内での波長)と設定する方法が知られている。しかしながら、実際には、見かけ上、アンテナ8でのミリ波信号の反射点が、第3の誘電体線路の他端5bとは異なった位置となるため、第3の誘電体線路5の線路長を(2N−1)/4・λgから長さLだけ補正した線路長である(2N−1)/4・λg+Lに設定すれば、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4へ漏洩するミリ波信号Wa+Wbを、このような構成において最も小さくすることができることとなる。なお、アンテナ8でのミリ波信号の見かけ上の反射点が第3の誘電体線路5の他端5bの位置と異なる理由は、アンテナ8でミリ波信号が反射する際、そのミリ波信号の位相が進んだり遅れたりするためである。
本発明の送受信アンテナおよび本発明のミリ波送受信器においては、このような長さLを求めてから(2N−1)/4・λg+Lを求めるのではなく、より簡便な方法として、位相差δを測定し、この位相差δがδ=(2N−1)・πとなるように第3の誘電体線路5の線路長を設定する。具体的に、第3の誘電体線路5の線路長を設定するには、次のようにすればよい。
初めに、第3の誘電体線路5の線路長を(2n−1)/4・λgに設定し、第1の誘電体線路3の入力端(他端)と第2の誘電体線路4の出力端(他端)とにそれぞれネットワークアナライザの試験端子を接続し、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4への透過特性を測定する。次に、第3の誘電体線路5の線路長を初めに設定した長さから変化させた長さとし、その長さが異なっているいくつかについて、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4への透過特性を同じ方法で測定する。そして、縦軸をこの透過特性とし、横軸を第3の誘電体線路5の線路長として、図3に示すような線図上にこの透過特性の測定値をプロットし、このプロット上に重なるように、A・cosθの近似曲線を描き、この曲線の極小値から、位相差δがδ=(2N−1)・πとなる第3の誘電体線路5の線路長(2n−1)/4・λg+Lを読みとればよい。このようにすれば、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Wbと、アンテナ8で反射して戻って第3の誘電体線路5から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Waとを、確実に、丁度逆位相とすることができる。そして、これにより、送信系側である第1の誘電体線路3から受信系側である第2の誘電体線路4へ漏洩するミリ波信号を、従来よりも抑制することができる。
次に、図2に示す本発明の第2の送受信アンテナの例は、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体1,2間に、この平板導体1,2の内面に互いに対向させて2枚のフェライト板6,7が配置され、この2枚のフェライト板6,7の周縁部に放射状にミリ波信号を入出力する第1、第2および第3の誘電体線路3,4,5がそれぞれ第1、第2および第3の接続部3c,4c,5cで接続され、一つの接続部から入力されたミリ波信号を隣接する他の接続部の一方より出力するサーキュレータCに、第3の接続部5cに一端が接続された第3の誘電体線路5のLSMモードの定在波の電界が強い箇所に対向する部位で一方の平板導体1,2に貫通孔9が設けられ、この貫通孔9にアンテナまたはアンテナが接続された導波管もしくは一次放射器が接続されてなる送受信アンテナであって、第3の誘電体線路5の一端5aから貫通孔9に対向する部位までの長さを、第3の誘電体線路5を通って貫通孔9で反射して戻って第2の接続部4cに漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、第1の接続部3cからサーキュレータCを介して第2の接続部4cへ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定した構成である。
具体的に、第3の誘電体線路5の一端5aから貫通孔9に対向する部位までの長さを設定するには、上記の第3の誘電体線路5の線路長を設定する方法と同じようにすればよい。ただし、この図2に示す例においては、貫通孔9を、第3の誘電体線路5のLSMモードの定在波の電界が強い箇所に対向する部位の一方の平板導体1,2に設ける必要がある。
このようにすれば、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Wbと、貫通孔9で反射して戻って第3の誘電体線路5から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Waとを、確実に、丁度逆位相にして、打ち消し合わせることができ、また、平板導体1,2に垂直な方向にアンテナ等(一次放射器または導波管に接続されたアンテナもしくは一次放射器を含んでいる。)を取り付ける場合において、第3の誘電体線路5から貫通孔9を通してこのアンテナ等へミリ波信号を効率良く伝送することができる。
図2に示す本発明の第2の送受信アンテナの例は、上記のように、第3の誘電体線路5の一端5aから貫通孔9に対向する部位までの長さを、WaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことから、第1の誘電体線路3から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Wbと、貫通孔9で反射して戻って第3の誘電体線路5から第2の誘電体線路4に漏洩するミリ波信号Waとを、確実に丁度逆位相にし、効果的にこれらを弱め合って干渉させ、互いに打ち消し合うようにすることができるので、送信系側である第1の誘電体線路3から受信系側である第2の誘電体線路4へ漏洩するミリ波信号を抑制することができ、受信系の受信特性を良好にすることができる。
次に、本発明の送受信アンテナの構成要素について詳細に説明する。本発明の送受信アンテナにおいて、第1、第2および第3の伝送線路としては、以上の例のように平行平板導体1,2間に誘電体線路3,4,5を配置した非放射性誘電体線路(NRDガイドともいう。)を用いればよい。
この非放射性誘電体線路の基本的な構成は、図4に部分破断斜視図で示すように、所定の間隔aをもって平行に配置された平行平板導体1,2間に、断面が矩形状の誘電体線路3を、間隔aをミリ波信号の波長λに対してa≦λ/2として配置したものである。これにより、外部から誘電体線路3へのノイズの侵入をなくし、かつ外部へのミリ波信号の放射をなくして、誘電体線路3中によりミリ波信号をほとんど損失なく伝搬させることができる。なお、波長λは使用周波数における空気中(自由空間)でのミリ波信号の波長である。
また、第1、第2および第3の誘電体線路3,4,5の材質には、四フッ化エチレン,ポリスチレン等の樹脂、または低比誘電率のコーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)セラミックス,アルミナ(Al)セラミックス,ガラスセラミックス等のセラミックスが好ましく、これらはミリ波帯域において低損失である。
また、第1、第2および第3の誘電体線路3,4,5の断面形状は基本的には矩形状であるが、矩形の角部をまるめた形状であってもよく、ミリ波信号の伝送に使用される種々の断面形状のものを使用することができる。
また、平行平板導体(平板導体)1,2の材質には、高い電気伝導度および良好な加工性等の点で、Cu,Al,Fe,Ag,Au,Pt,SUS(ステンレススチール),真鍮(Cu−Zn合金)等の導体板が好適である。あるいは、セラミックス,樹脂等から成る絶縁板の表面にこれらの導体層を形成したものでもよい。
また、第1、第2および第3の伝送線路としては、ストリップ線路,マイクロストリップ線路,コプレーナ線路,グランド付きコプレーナ線路,スロット線路,導波管,誘電体導波管等を用いても構わない。
また、フェライト板6,7の材質には、フェライトの中でも、例えばミリ波信号に対しては、亜鉛・ニッケル・鉄酸化物(ZnNiFe)が好適である。
また、フェライト板6,7の形状は、通常は円板状とされるが、その他、平面視した形状が正多角形状であってもよい。その場合は、接続される誘電体線路の本数をn本(nは3以上の整数)とすると、その平面形状は正m角形(mは3以上のnより大きい整数)とするのがよい。
また、アンテナ8としては、ホーンアンテナ,スロットアンテナ,誘電体導波管アンテナ,パッチアンテナ,アレーアンテナ等を用いればよい。
また、平板導体1または平板導体2に設けられる貫通孔9の形状は、通常は矩形状とすればよいが、それ以外の円形状,長円形状,楕円形状,多角形状等であっても構わない。
次に、本発明の第1の送受信アンテナを用いた本発明の第1のミリ波送受信器が適用されるミリ波レーダについて詳細に説明する。
本発明の第1のミリ波送受信器が適用されるミリ波レーダにおけるミリ波信号伝送部の構成は、図6に平面図で示したものと同様である。また、その構成において用いられる誘電体線路としてのNRDガイドの基本的な構成は、図4に部分破断斜視図で示したものと同様である。
そして、本発明の第1のミリ波送受信器をミリ波レーダに適用した場合の実施の形態の一例について、そのミリ波信号伝送部および中間周波信号伝送部の構成を図5にブロック回路図で、また図9に図6の第3の誘電体線路近傍の部分拡大平面図で示す。以下、本発明の第1のミリ波送受信器の実施の形態の一例を説明する。なお、以下の説明において、図5中に図6に示した構成要素に対応するものがあるときは、図5における参照符号を括弧書きで併せて示してある。
図6および図5に示すように、本発明の第1のミリ波送受信器を用いたミリ波レーダR1は、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体51間に、第1の誘電体線路53に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として第1の誘電体線路53を伝搬させるミリ波信号発振部(VCO)52(21)と、第1の誘電体線路53の途中に介在し、ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として第1の誘電体線路53から出力させるパルス変調器(RFスイッチ)(22)と、第1の誘電体線路53に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路53に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー59(25)側へ伝搬させる第2の誘電体線路58と、平板導体51の内面に互いに対向させて配設された2枚のフェライト板の周縁部に放射状に配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部54aと第2の接続部54bと第3の接続部54cとを有し、一つの接続部から入力されたミリ波信号を隣接する他の接続部の一方より出力するサーキュレータ54(23)であって、第1の誘電体線路53のミリ波信号の出力端に第1の接続部54aが接続されたサーキュレータ54(23)と、サーキュレータ54(23)の第2の接続部54bに接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部にアンテナ56(24)を有する第3の誘電体線路55と、サーキュレータ54(23)の第3の接続部54cに接続され、アンテナ56(24)で受信されて第3の誘電体線路55を伝搬し第3の接続部54cから出力された受信波をミキサー59(25)へ伝搬させる第4の誘電体線路57と、第2の誘電体線路58の中途と第4の誘電体線路57の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、第2の誘電体線路58を伝搬してきた送信用のミリ波信号の一部と第4の誘電体線路57を伝搬してきた受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサー59(25)とを備えており、第3の誘電体線路55の線路長を、パルス変調器(22)から出力された送信用のミリ波信号のうち、第1の誘電体線路53を伝搬して、サーキュレータ54(23)の第1の接続部54aから第2の接続部54bを通って第3の誘電体線路55へ出力され、第3の誘電体線路55の先端部である送受信アンテナ56(24)との接続部55aで反射して再びサーキュレータ54(23)に戻って第3の接続部54cから第4の誘電体線路57へ漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、第1の接続部54aからサーキュレータ54(23)を介して直接に第3の接続部54cへ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これら一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、第3の誘電体線路55の線路長を、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定した構成とされている。
すなわち、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体51間に、第1の誘電体線路53に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として第1の誘電体線路53を伝搬させるミリ波信号発振部(VCO)52(21)と、第1の誘電体線路53の途中に介在し、ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として第1の誘電体線路53から出力させるパルス変調器(RFスイッチ)(22)と、第1の誘電体線路53に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路53に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー59(25)側へ伝搬させる第2の誘電体線路58と、平行平板導体51に平行に配設されたフェライト板の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部54aと第2の接続部54bと第3の接続部54cとを有し、一つの接続部から入力されたミリ波信号をフェライト板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の接続部より出力するサーキュレータ54(23)であって、第1の誘電体線路53のミリ波信号の出力端に第1の接続部54aが接続されるサーキュレータ54(23)と、サーキュレータ54(23)の第2の接続部54bに接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部にアンテナ56(24)を有する第3の誘電体線路55と、サーキュレータ54(23)の第3の接続部54cに接続され、アンテナ56(24)で受信されて第3の誘電体線路55を伝搬し第2の接続部54bを通って第3の接続部54cから出力された受信波をミキサー59(25)へ伝搬させる第4の誘電体線路57と、第2の誘電体線路58の中途と第4の誘電体線路57の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、第2の誘電体線路58を伝搬してきた送信用のミリ波信号の一部と第4の誘電体線路57を伝搬してきた受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサー59(25)とを備えており、ミキサー59(25)の出力端に、開(オフ)状態で中間周波信号を遮断し、パルス変調器(22)から出力された送信用のミリ波信号が安定したときに閉(オン)状態となって中間周波信号を通過させる開閉器(IFスイッチ)(26)が設けられている。
なお、この例では、ミキサー59(25)の出力端に発生した中間周波信号を開閉する開閉器(26)には、この開閉器26の開閉時間を制御するタイミング生成部(IFスイッチ制御部)(29)を接続するとともに、開閉器(26)の後段に開閉器26を通過して出力された中間周波信号を増幅するための増幅器(AMP)(28)を設けている。
開閉器(26)は、パルス変調器(22)からパルス化された送信用のミリ波信号が出力され、そのミリ波信号の出力が終わり、立ち下がった後、安定したときに閉(オン)状態とされる。このように送信用のミリ波信号の安定に応じて開閉器(26)の開閉を制御するには、送信用のミリ波信号の状態をモニターして開閉器(26)の開閉を制御するようにしてもよいし、例えばパルス変調器(22)の変調信号を利用して、その変調電流が安定したときに開閉器(26)を閉(オン)状態とするようにしてもよい。
ミリ波信号発振部52(21)は、例えばガンダイオードおよびバラクターダイオードを具備したVCO(電圧制御発振器)であり、その変調信号入力用のIN−2端子に信号が入力されて、ミリ波信号の発振器として動作する。このミリ波信号発振部52(21)のVCOの出力信号と、IN−1端子に入力されたパルス化信号とをパルス変調器(22)に入力することにより、パルス変調器(22)によってパルス変調させ、パルス化された送信用のミリ波信号が出力される。
このパルス変調器(22)は、図6においては、第1の誘電体線路53の途中に介在するものであり、例えば図8に示したものと同様に構成したRFスイッチである。その構成は、基板88の一主面にチョーク型バイアス供給線路90を形成して、その中途に形成された接続用の電極81,81間に、半田実装されたビームリードタイプもしくはフリップチップタイプのPINダイオードやショットキーバリアダイオード80を設けたスイッチであり、ショットキーバリアダイオード80が第1の誘電体線路53の途中の端面間に、そのバイアス電圧の印加方向が線路方向を横切る方向になるように設置したものである。
54(23)は、送信時にはミリ波信号をアンテナ56(24)側へ伝搬させ、受信時には受信波をミキサー59(25)側へ伝搬させるサーキュレータである。56(24)はミリ波信号の送受信用アンテナであり、例えばサーキュレータ54(23)とは金属導波管または金属導波管に誘電体を充填した誘電体導波管等を介して接続されたホーンアンテナ等である。また、ミキサー59(25)は、ミリ波信号発振部52(21)のVCOから出力されたミリ波信号とアンテナ56(24)で受信した受信波とを混合することにより、目標物までの距離等を検出するための中間周波信号を出力する。
26は、ミキサー59(25)の出力端に設けられた、ミキサー59(25)から出力された中間周波信号を、開(オフ)状態で遮断し、閉(オン)状態で通過させる開閉器(IFスイッチ)である。また、29は開閉器(26)の開閉(オン−オフ)のタイミングを制御するタイミング信号を生成するタイミング生成部である。
28は、開閉器(26)の後段にミリ波送受信器から出力された中間周波信号を増幅するために接続された、制御端子が付いた増幅器であり、外部から制御端子を通じて制御用信号が入力され、増幅器(28)の利得や動作が時間的に制御される。増幅器(28)の制御期間は、例えばパルス変調器(22)に入力されるパルス信号のデジタル状態により決定され、入力された中間周波信号を、所望のタイミングで所望の期間だけ制御がかかった状態で増幅するように構成されている。
タイミング生成部(29)は、パルス変調器(22)および増幅器(28)の制御信号と連動するようにIN−1端子のパルス化信号および制御端子のパルス信号が入力されて、パルス変調器(22)でパルス変調された送信用のミリ波信号が、NRDガイドと誘電体導波管との接続部で反射されたりサーキュレータ54(23)から漏れてミキサー59(25)を介して不要信号となって出力されて増幅器(28)に入力されたりする前に、開閉器(26)により遮断するようにタイミングを制御する。
そして、この本発明の第1のミリ波送受信器においては、パルス変調器(22)から出力された送信用のミリ波信号のうち、第1の誘電体線路53を伝搬して、サーキュレータ54(23)の第1の接続部54aから第2の接続部54bを通って第3の誘電体線路55へ出力され、第3の誘電体線路55の先端部であるアンテナ56(24)との接続部55aで反射して再びサーキュレータ54(23)に戻って第3の接続部54cから第4の誘電体線路57へ漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、第1の接続部54aからサーキュレータ54(23)を介して直接に第3の接続部54cへ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これら一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、第3の誘電体線路55の線路長を、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定した構成とされている。
また、このような本発明の第1のミリ波送受信器においては、後述するように、第3の誘電体線路55とアンテナ56(24)との特性インピーダンスの差を調整して、これら一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとのパワーの比Rを0.27以上とするとともに、位相差δをδ=(2N−1)・π±0.42π(ただし、Nは整数である。)とすることが好ましい。
このような本発明の第1のミリ波送受信器を用いたミリ波レーダR1における特徴部分を含むパルス変調器(22)からミキサー59(25)までの構成および動作について詳細に説明する。
ミリ波信号発振部(VCO)52(21)でミリ波信号を発生させ、周波数変調された後、そのミリ波信号はカプラ(30)で分岐され、分岐された一部はパルス変調器(22)でパルス変調されて送信用のミリ波信号として出力される。この送信用のミリ波信号は、第1の誘電体線路53を伝搬して第1の接続部54aからサーキュレータ54(23)に入射し、その一部は、サーキュレータ54(23)の本来はアイソレートされている経路(第1の接続部54aから第3の接続部54c)を通って第3の接続部54cから漏洩するか、もしくは第2の接続部54bから出力され第3の誘電体線路55を伝搬してアンテナ56(24)への入射端またはアンテナ56(24)で反射して、再び第3の誘電体線路55を伝搬し第2の接続部54bからサーキュレータ54(23)に入射して第3の接続部54cから漏洩するかして、第4の誘電体線路57を伝搬してミキサー59(25)へ入射するミリ波信号入力PRFとなる。一方、カプラ(30)で分岐された他の一部のミリ波信号は、ローカル経路である第2の誘電体線路58を通ってミキサー59(25)へ入射するミリ波信号入力PLOとなる。それらミリ波信号入力PRFおよびミリ波信号入力PLOをそれぞれPRFおよびPLOとし、ミキサー59(25)から出力される中間周波信号の出力をPMIXおよびその変動をΔPMIXとすれば、ミキサー59(25)の出力PMIXおよびその変動ΔPMIXはそれぞれ次式で示される。
MIX=(PRF・PLO・sinδ・Gc)1/2 …(1)
ΔPMIX=(1/2)・(PRF・PLO・cosδ・Gc)1/2 …(2)
ただし、δはPRFとPLOとの中心周波数における位相差であり、Gcはミキサー59(25)におけるコンバージョンゲインである。
また、PMIXはそれぞれΔPRFまたはΔPLOで示されるPRFまたはPLO自身の変化によっても変化し、ΔPRFとパルス変調器(22)へのミリ波入力Pinとの間には次式の関係がある。
ΔPRF=Pin・η・ΔVSW・α・β …(3)
ただし、ΔVSWはパルス変調器(22)の駆動電圧の変動であり、過渡的応答による変動成分を表しており、αはパルス変調器(22)のON/OFF比、βはサーキュレータ54(23)の第1の接続部54aと第3の接続部54cとの間のアイソレーション(ただし、アンテナ56(24)からの反射成分も含まれる。)を示している。また、ηは次式で示すようにΔVSWに対するパルス変調器22の出力変動ΔPとの比を示している。
η=ΔP/ΔVSW …(4)
ミリ波レーダR1において、ΔPMIXを十分に小さくするためには、式(2)(3)(4)のいずれかの項を小さくすればよいが、このうちPRFを、送信用のミリ波信号のうち、第3の誘電体線路55を通ってその先端部であるアンテナ56(24)との接続部55aで反射して戻って第3の接続部54cに漏洩する一部のミリ波信号Waと、第1の接続部54aからサーキュレータ54(23)を介して直接に第3の接続部54cへ漏洩するミリ波信号Wbとの干渉を利用して小さくすれば、ミリ波送受信性能に係わるPin,ηまたはGcに影響を与えることなく、また、原理的に困難が伴うΔVSW,αまたはβを変える構成にせずとも、容易に設計できるので都合がよい。
RFを一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとの干渉を利用して小さくするには、一部のミリ波信号Waの信号強度(パワー)と他の一部のミリ波信号Wbの信号強度(パワー)とを等しくした上で、それらを逆位相、すなわち位相差δをδ=(2N−1)・π(Nは整数である。)として干渉させればよい。これは、第3の誘電体線路55の線路長を調整し、ミリ波信号を第3の誘電体線路55を往復伝搬させたときの位相変化を(2N−1)・πとすることに等しい。具体的には、第3の誘電体線路55の長さ,幅,比誘電率を変えること等により第3の誘電体線路55の線路長は制御可能である。また、第3の誘電体線路55の先端部であるアンテナ56(24)との接続部55aにおけるミリ波信号に対するインピーダンス整合、すなわち第3の誘電体線路55とアンテナ56(24)との特性インピーダンスの差を調整して接続部55aでの反射係数を変化させることにより、他の一部のミリ波信号Wbの信号強度(パワー)とほぼ等しくなるように一部のミリ波信号Waの信号強度(パワー)を調節することができる。この接続部55aでの反射係数は、特性インピーダンスの差を起こさせる要因である接続部55aの寸法や誘電体の誘電率、もしくは第3の誘電体線路55とアンテナ56(24)との間に導波管等の介在物がある場合にはその介在物の寸法や誘電率を調整することにより調整することができる。
そして、PRFは第3の誘電体線路55の線路長をδ=(2N−1)・πとなるように設定したときに最小となり、δ=(2N)・πとなるように設定したときに最大となるので、ミキサー59(25)の出力変動ΔPMIXは、δ=(2N)・πのときに最大となってミリ波送受信性能は最悪となり、δ=(2N−1)・πのときに最小となってミリ波送受信性能は最良となる。
このことについて、図9および図10を参照して説明する。図9は図6の第3の誘電体線路55近傍の部分拡大平面図であり、図10は、第3の誘電体線路55を通って第3の誘電体線路55の先端部であるアンテナ56(24)との接続部55aで反射して戻って第3の接続部54cに漏洩する一部のミリ波信号Waと、第1の接続部54aからサーキュレータ54(23)を介して第3の接続部54cへ漏洩する他の一部のミリ波信号Wbとが干渉して合波したときの位相差δによる、ミリ波信号の出力強度の変化を示すグラフである。図9において、Waは第3の誘電体線路55のアンテナ56(24)との接続部55aで反射して戻って第3の接続部54cへ漏洩した一部のミリ波信号を表し、Wbは第1の接続部54aからサーキュレータ54(23)を介して直接に第3の接続部54cへ漏洩する他の一部のミリ波信号を表している。第1の誘電体線路53を通って第1の接続部54aに入射した送信用のミリ波信号は、第1の接続部54aと第3の接続部54cとの間がアイソレートされているので、そのほとんどのパワーが第2の接続部54b側へ伝送され、第3の誘電体線路55を通って、アンテナ56(24)から放射される。このとき、第3の誘電体線路55の先端部であるアンテナ56(24)との接続部55aにおいてインピーダンスの若干の不整合により、わずかながら一部のミリ波信号が接続部55aで反射して再び第3の誘電体線路55を戻って、サーキュレータ54(23)を介して第3の接続部54cにWaとして漏洩する。一方、第1の誘電体線路53を通って第1の接続部54aに入射した送信用のミリ波信号は、第1の接続部54aと第3の接続部54cとの間がアイソレートされているものの、わずかながら、そのパワーの一部が第1の接続部54aから第3の接続部54cに、他の一部のミリ波信号Wbとして漏洩する。ここで、一部のミリ波信号Waの電界強度をE、他の一部のミリ波信号Wbの電界強度をE、第3の接続部54cから漏洩するミリ波信号である他の一部のミリ波信号Wbと一部のミリ波信号Waとが干渉して合波されたミリ波信号の出力強度(パワー)をPとすれば、Pは次式で表される。なお、電界強度EおよびEは、それぞれ第3の接続部54cから第4の誘電体線路57に入射した直後の電界強度を表している。
=(1/2)・(|E|−|E|)+2|E||E|cos(δ/2) …(5)
また、パワーの比Rを改めてパワー分割比rとして、
=(|E|/|E|) …(6)
と定義すれば、さらに、Pは、
Figure 2005160009
ただし、
=|E+|E …(8)
と表すことができる。
ここで、
<|E …(9)
であれば、第3の接続部54cから漏洩するミリ波信号Pは、他の一部のミリ波信号Wbが合波されても、元の一部のミリ波信号Waの信号強度である|Eよりも減衰させることができる。
したがって、式(7)において、この条件を満足するようなパワー分割比rおよびδを設定すればよい。
このとき、式(6)から、
|E =r・|E
であり、これを式(8)に代入すると、
|E =P/(1+r
となる。これを式(9)に代入し、パワー分割比rを一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとのパワーの比としてRで表すと、次式が得られる。
Figure 2005160009
この式(10)の条件を満足することにより、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとが弱め合うように干渉し、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとが干渉して合波したミリ波信号の強度が、干渉する以前の他の一部のミリ波信号Wbの強度よりも、小さくなるように抑制される。
次に、式(10)における最適条件について、式(7)および図10を用いて説明する。
式(7)で示されるPは、図10で示される通り、δの変化に従って、π周期で最大値と最小値とを繰り返す特性を示す。図10において横軸は位相差δ(単位:ラジアン)を、縦軸は第3の接続部54cから漏洩するミリ波信号Pを表し、特性曲線はδによるPの変化を表している。また、破線は特性曲線の最大値および最小値を表している。図10から、第3の接続部54cから漏洩するミリ波信号Pは、δが±π,±3π,・・・,(2N−1)π(Nは整数である。)のときに最小値をとり、δが0,±2π,・・・,2Nπのときに最大値をとることが分かる。また、パワー分割比rがr=1、すなわち|E|と|E|とが等しいときに、第3の接続部54cから漏洩するミリ波信号の信号強度Pの最小値は、理論上、限りなく0に近づくことが分かる。
従って、一部のミリ波信号Waの信号強度(パワー)と他の一部のミリ波信号Wbの信号強度(パワー)とを等しくした上で、それらを逆位相、すなわち位相差(2N−1)・πで干渉させれば、式(5)または式(7)で示されるPをほぼ0に近くなるまで抑制でき、式(2)において、Pに対応するPRFが抑制されるので、ミキサー出力変動ΔPMIXが最も小さく良好に抑制されることとなる。
また、ミキサー出力変動ΔPMIXが最も小さく良好に抑制されるとき、発明が解決しようとしている課題で述べたようなレベル変動がすぐに収まって定常状態に安定するので、パルス変調器(22)から出力された送信用のミリ波信号が反射等により直接ミキサー59(25)に混入して受信系に出力されるのを遮断できるように設けられたスイッチ(26)によって、従来のようにミキサー59(25)で発生していた不要な信号までも遮断する必要はなくなり、パルス信号を送出した直後すぐに閉(オン)状態にしてミリ波送受信を開始することできるようになる。
以上、理論的な最適条件について説明したが、実際には、一部のミリ波信号Waの信号強度(パワー)と他の一部のミリ波信号Wbの信号強度(パワー)とをほぼ等しくした上で、それらがほぼ逆位相になるように、第3の誘電体線路55の線路長を設定すればよい。
次に、実際の使用上でより有益である第3の誘電体線路55の線路長の範囲について説明する。
まず、一部のミリ波信号Waの電界強度が他の一部のミリ波信号Wbの電界強度よりも小さいと仮定する。このことは、一部のミリ波信号Waは、元々はアンテナ56(24)から送信されるべきものであることからも考慮されることである。
このとき、第3の接続部54cから漏洩するミリ波信号の出力強度Pの最大値と最小値との比を減衰率Eとすれば減衰率Eが1/2(3dB)を超えるようにすれば、第3の接続部54cから漏洩して出力されるミリ波信号の出力強度(パワー)Pが、他の一部のミリ波信号Wbが一部のミリ波信号Waと干渉する以前に有していた強度(パワー)よりも、少なくとも第3の誘電体線路55の線路長を、位相差δがδ=(2N−1)・πとなるようにしたときに必ず小さくできる。ここで、減衰率Eが1/2(3dB)に近いときには、第3の接続部54cから漏洩して出力されるミリ波信号の出力強度(パワー)Pが、他の一部のミリ波信号Wbが一部のミリ波信号Waと干渉する以前に有していた強度(パワー)よりも小さくなるように、第3の誘電体線路55の線路長を設定できる範囲は非常に狭くなり、δ=(2N−1)・πのみが有効な条件となる。従って、減衰率Eは、E=1/2(3dB)とならないよう、それよりも大きくすればよい。
減衰率Eは、
Figure 2005160009
と表せるので、パワー分割比rは、式(11)から計算されて、式(11)をrを求める式に変形してE>1/2を代入して計算した結果から、r≧0.03とすればよい。このことから、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとの信号強度(パワー)の比R(パワー分割比r)は、特に制御されなくともほとんどの場合にこのような条件を満たすため、第3の誘電体線路55の線路長を位相差δがδ=(2N−1)・πとなるように設定すれば、第3の接続部54cから漏洩して出力されるミリ波信号の出力強度Pを抑制できることとなる。
ただし、このときには、第3の誘電体線路55の線路長を位相差δがδ=(2N−1)・πになるように厳密に設定する必要性から、製作が厳しくなる場合がある。
次に、このようにミリ波信号同士を干渉させたときの減衰率Eは、経験的には、合波させた電磁波が減衰するように2つの電磁波を干渉させて合波させ、その合波させた電磁波の減衰を得るときの十分な減衰率である値としてE=10dB(合波させた電磁波のパワーを合波させる前の2つの電磁波のパワーの合計の1/10に減衰させる減衰率である。)とすることは比較的容易であることが知られており、これからパワー分割比rを設定すれば、同様に、式(7)から、r≒0.27と計算される。このとき、P<(1/2)Pとなるように式(6)の位相差δを決めればよく、位相差δは、一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとの信号強度(パワー)の比R(パワー分割比r)を0.27以上とするとともに、δ=(2N−1)・π±0.42π(ただし、Nは整数である。)と設定すればよいことが導かれる。
この場合には、第3の誘電体線路55の線路長により設定する位相差δの精度が±0.42πとなり、製作が容易となるので、現実的に良好な特性を実現しやすいものとなる。一方、この場合にも、位相差δはδ=(2N−1)・πと設定したときに、最も第3の接続部54cから漏洩して出力されるミリ波信号の出力強度(パワー)P、すなわち第3の接続部54cから漏洩し第4の誘電体線路57を伝搬してミキサー59(25)へ入射するミリ波信号入力PRFが低減されて、ミキサー出力変動ΔPMIXが抑制されるので、発明が解決しようとしている課題で述べたようなレベル変動がすぐに収まって定常状態に安定し、ミリ波送受信特性が良好となることは言うまでもない。
以上に説明した条件に実際に調整するには、第3の誘電体線路55の線路長を変化させたときの第4の誘電体線路57からのミリ波信号の出力強度をパワーメータで測定し、その実測データから図10に示した特性曲線の最大値と最小値を読みとれば、減衰率Eが求められてパワー分割比r(Rに相当する。)が分かり、図10に示した特性曲線の最大値と最小値の繰り返し周期から位相差δが分かるので、これらをもとに、上記の式(10)の条件を満足するように、第3の誘電体線路55の線路長と、第3の誘電体線路55とアンテナ56(24)との接続部55aにおける特性インピーダンスの差とを調整すればよい。
以上のように、本発明の第1のミリ波送受信器によれば、パルス変調器(22)から出力された送信用のミリ波信号のうち、第1の誘電体線路53を伝搬して、サーキュレータ54(23)の第1の接続部54aから第2の接続部54bを通って第3の誘電体線路55へ出力され、第3の誘電体線路55の先端部であるアンテナ56(24)との接続部55aで反射して再びサーキュレータ54(23)に戻って第3の接続部54cから第4の誘電体線路57へ漏洩する一部のミリ波信号をWaとし、第1の接続部54aからサーキュレータ54(23)を介して直接に第3の接続部54cへ漏洩する他の一部のミリ波信号をWbとし、これら一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、第3の誘電体線路55の線路長を、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことにより、また、好ましくは、これら一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとのパワーの比Rを0.27以上とするとともに、位相差δがδ=(2N−1)・π±0.42πとなるように設定したことにより、パルス変調された送信用のミリ波信号がミリ波送受信器の内部における反射等により受信系に出力されるのを遮断できる開閉器(26)を有したミリ波送受信器において、パルス信号を送出した直後にも送受信が行なえるようになるので、これをミリ波レーダに用いたときのレーダ探知性能を高めることができ、特に近距離のレーダ探知性能が優秀なミリ波レーダを提供することができる。
また、本発明の第1の送受信アンテナを用いていることから、ミリ波信号の一部が受信系に漏洩することが抑制され、受信すべきミリ波信号との混信を少なくすることができるので、ミリ波送受信器の受信系の受信特性を良好とすることができる。また、これによって、送信系のミリ波信号のパワーを高めて、送受信アンテナで送信するミリ波信号の伝送距離を延ばしたり、S/N(信号対ノイズ)比を向上させたりすることもできるので、全体として、ミリ波送受信性能を向上させることができる。
次に、本発明の第2の送受信アンテナを用いた本発明の第2のミリ波送受信器が適用されるミリ波レーダについて詳細に説明する。
本発明の第2のミリ波送受信器が適用されるミリ波レーダにおけるミリ波信号伝送部の構成は、図7に平面図で示したものと同様である。また、その構成において用いられる誘電体線路としてのNRDガイドの基本的な構成は、図4に部分破断斜視図で示したものと同様である。
そして、本発明の第2のミリ波送受信器をミリ波レーダに適用した場合の実施の形態の一例について、そのミリ波信号伝送部および中間周波信号伝送部の構成を図5にブロック回路図で、また本発明の第2のミリ波送受信器に用いられる送受信アンテナの例を図2に平面図で示す。以下、本発明の第2のミリ波送受信器の実施の形態の一例を説明する。なお、以下の説明において、図5中に図7に示した構成要素に対応するものがあるときは、図5における参照符号を括弧書きで併せて示してある。
図7および図5に示すように、本発明の第2のミリ波送受信器を用いたミリ波レーダR2は、ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体51間に、図2に示す送受信アンテナと、第1の誘電体線路53に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として第1の誘電体線路53を伝搬させるミリ波信号発振部(VCO)52(21)と、第1の誘電体線路53の途中に介在し、ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として第1の誘電体線路53から出力させるパルス変調器(RFスイッチ)(22)と、第1の誘電体線路53に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路53に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー59(25)側へ伝搬させる第4の誘電体線路57と、この第4の誘電体線路57の中途と第2の誘電体線路58の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、第4の誘電体線路57を伝搬してきた送信用のミリ波信号の一部と第2の誘電体線路58を伝搬してきた受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサー59(25)とを備えている構成である。
また、このような本発明の第2のミリ波送受信器においても、前述のように、第3の誘電体線路55と貫通孔9に接続されたアンテナまたはアンテナが接続された導波管もしくは一次放射器との特性インピーダンスの差を調整して、これら一部のミリ波信号Waと他の一部のミリ波信号Wbとのパワーの比Rを0.27以上とするとともに、位相差δをδ=(2N−1)・π±0.42π(ただし、Nは整数である。)とすることが好ましい。
また、ミキサー59(25)の出力端に、パルス変調された送信用のミリ波信号がパルス変調器(RFスイッチ)(22)から出力されたときにその出力端を開状態とするスイッチング制御部を設けることが好ましい。
上記構成により、本発明の第2のミリ波送受信器は、第3の誘電体線路55を伝搬してきた送信用のミリ波信号が貫通孔9を透過し、その送信用のミリ波信号の一部が貫通孔9で反射される点以外は、本発明の第1のミリ波送受信器と同様の作用効果を有する。
すなわち、本発明の第2のミリ波送受信器によれば、上記構成としたことから、送信系のミリ波信号の一部が受信系に漏洩することを抑制することができ、受信すべきミリ波信号との混信を少なくすることができるため、ミリ波送受信器の受信系の受信特性を良好とすることができる。また、これによって、送信系のミリ波信号のパワーを高めて、送受信アンテナで送信するミリ波信号の伝送距離を延ばしたり、S/N(信号対ノイズ)比を向上させたりすることもできるので、全体として、ミリ波送受信性能を向上させることができる。また、本発明の第2のミリ波送受信器は、平板導体2の貫通孔9上にアンテナまたはアンテナが接続された導波管もしくは一次放射器が接続されているため、ミリ波送受信器をモジュール化する際に、アンテナを平板導体上に収めることができ、モジュールを小型に構成することができる利点がある。
かくして、本発明の送受信アンテナおよびそれを用いた本発明のミリ波送受信器によれば、送信系のミリ波信号の一部が直接受信系へ漏洩するのを抑制することができる送受信アンテナおよびそれを用いたミリ波送受信性能の高いミリ波送受信器を提供することができるものとなる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、本発明の実施の形態の一例であるミリ波レーダR1において、平行平板導体51である第1および第2の平行平板導体間に誘電体線路を配設してなるNRDガイドの第1の平行平板導体に開孔を設け、この開孔およびこの開孔に接続された導波管もしくは誘電体導波管を介して、第3の誘電体線路55の一端とアンテナ56(24)とを接続し、第3の誘電体線路55に沿って第3の誘電体線路55の他端からその開孔までの長さをδ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定する構成としてもよい。この場合には、ミキサー出力変動ΔPMIXが抑制されて、良好なミリ波送受信性能が得られる上に、第1の平行平板導体上に設けたアンテナ56(24)からミリ波送受信用の電磁波を第1の導体板の上方に向かって放射できるものとなり、第2の導体板に略平行な側面を搭載面に用いて、モジュールとしてのミリ波レーダR1を搭載対象物に搭載できるものとなる。通常、平行平板導体51の平行平板導体間にミリ波回路を構成する誘電体線路等の複数の部品が配置されてミリ波レーダモジュールが構成されているため、平行平板導体に平行に広い面積のミリ波レーダモジュールの主面を有しており、この面を搭載面に用いることができれば搭載対象物への安定な取付状態を得ることができる。例えば車載用であれば、ミリ波レーダR1を車の前方部または後方部等に堅牢に取り付けて、前方または後方等の他車に向かってミリ波信号を送受信しやすいものとなる。
本発明の第1の送受信アンテナの実施の形態の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A’断面図である。 本発明の第2の送受信アンテナの実施の形態の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)はそのB−B’断面図である。 図1または図2に示す送受信アンテナのアイソレーション特性の位相差δによる依存性を示す模式的な線図である。 NRDガイドの基本的な構成を示す部分破断斜視図である。 本発明のミリ波送受信器をミリ波レーダに適用した場合の実施の形態の一例について、そのミリ波信号伝送部および中間周波信号伝送部の構成を示すブロック回路図である。 送受信アンテナを有するミリ波送受信器の平面図である。 本発明の第2のミリ波送受信器の実施の形態の一例を模式的に示す平面図である。 ミリ波送受信器のパルス変調器の構成を示す斜視図である。 本発明のミリ波送受信器における、図6の第3の誘電体線路近傍の部分拡大平面図である。 第3の誘電体線路を通ってその先端部であるアンテナとの接続部で反射して戻って第3の接続部に漏洩する一部のミリ波信号Waと、第1の接続部からサーキュレータを介して第3の接続部へ漏洩する他の一部のミリ波信号Wbとが干渉して合波したときの位相差δによる、ミリ波信号の出力強度の変化を示すグラフである。 従来のミリ波送受信器をミリ波レーダとして用いたときの各部の構成を示すブロック回路図である。 従来の送受共用放射器の例を示す模式的な平面図である。
符号の説明
1,2:平板導体
3:第1の誘電体線路
3a:一端
3c:第1の接続部
4:第2の誘電体線路
4a:一端
4c:第2の接続部
5:第3の誘電体線路
5a:一端
5b:他端
5c:第3の接続部
6,7:フェライト板
8:アンテナ
9:貫通孔
21:ミリ波信号発振部
22:パルス変調器(RFスイッチ)
23:サーキュレータ
24:アンテナ
25:ミキサー
26:開閉器(IFスイッチ)
28:増幅器
29:タイミング生成部
30:カプラ(方向性結合器)
51:平板導体(平行平板導体)
52:ミリ波信号発振部
53:第1の誘電体線路
54:サーキュレータ
55:第3の誘電体線路
56:アンテナ
57:第4の誘電体線路
58:第2の誘電体線路
57a,58a:無反射終端器
59:ミキサー
C:サーキュレータ
R1,R2:ミリ波レーダ

Claims (6)

  1. ミリ波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端にアンテナが接続されてなる送受信アンテナであって、前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記アンテナで反射して戻って前記第2の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第2の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とする送受信アンテナ。
  2. ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に、該平板導体の内面に互いに対向させて2枚のフェライト板が配置され、該2枚のフェライト板の周縁部に放射状に前記ミリ波信号を入出力する第1、第2および第3の誘電体線路がそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の誘電体線路のLSMモードの定在波の電界が強い箇所に対向する部位で一方の前記平板導体に貫通孔が設けられ、該貫通孔にアンテナまたはアンテナが接続された導波管もしくは一次放射器が接続されてなる送受信アンテナであって、前記第3の誘電体線路の前記一端から前記貫通孔に対向する部位までの長さを、前記第3の誘電体線路を通って前記貫通孔で反射して戻って前記第2の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第2の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とする送受信アンテナ。
  3. ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に、
    第1の誘電体線路に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として前記第1の誘電体線路を伝搬させるミリ波信号発振部と、
    前記第1の誘電体線路の途中に介在し、前記ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として前記第1の誘電体線路から出力させるパルス変調器と、
    前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
    前記平板導体の内面に互いに対向させて配設された2枚のフェライト板の周縁部に放射状に配置され、かつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部と第2の接続部と第3の接続部とを有し、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続されたサーキュレータと、
    該サーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部にアンテナを有する第3の誘電体線路と、
    前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前記アンテナで受信されて前記第3の誘電体線路を伝搬し前記第3の接続部から出力された受信波をミキサーへ伝搬させる第4の誘電体線路と、
    前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、前記ミリ波信号の一部と前記受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサーとを備え、
    前記第3の誘電体線路の線路長を、前記送信用のミリ波信号のうち前記第3の誘電体線路を通って前記先端部で反射して戻って前記第3の接続部に漏洩した一部のミリ波信号をWaとし、前記第1の接続部から前記サーキュレータを介して前記第3の接続部へ漏洩した他の一部のミリ波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N−1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とするミリ波送受信器。
  4. ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に、
    請求項2記載の送受信アンテナと、
    前記第1の誘電体線路に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として前記第1の誘電体線路を伝搬させるミリ波信号発振部と、
    前記第1の誘電体線路の途中に介在し、前記ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として前記第1の誘電体線路から出力させるパルス変調器と、
    前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第4の誘電体線路と、
    該第4の誘電体線路の中途と前記第2の誘電体線路の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、前記ミリ波信号の一部と前記送受信アンテナで受信した受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサーと
    を備えたことを特徴とするミリ波送受信器。
  5. 前記一部のミリ波信号Waと前記他の一部のミリ波信号Wbとのパワーの比を0.27以上とするとともに、前記位相差δをδ=(2N−1)・π±0.42π(ただし、Nは整数である。)としたことを特徴とする請求項3または請求項4記載のミリ波送受信器。
  6. 前記ミキサーの前記出力端に、パルス変調された前記送信用のミリ波信号が前記パルス変調器から出力されたときに前記出力端を開状態とするスイッチング制御部を設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のミリ波送受信器。
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