JP2005153167A - 紫外線カット性を有する積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、分散性、透明性、表面平滑性が優れ、結果ガスバリヤー性や水蒸気バリヤー性が良好且つ波長420nm以下の紫外線を遮蔽できる積層体を提供することを目的とする。本発明は、食品・化粧品・薬品包装容器等への用途に適用できる。
【解決手段】 基材、
樹脂バインダーと、多価アルコールまたはオルガノポリシロキサンを用いて表面処理された金属酸化物とを含んでなる紫外線カット層、または
ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含んでなるガスバリア層
を有する紫外線カット性を有する積層体。

Description

本発明は、フィルム状、板状または瓶状など形状の紫外線カット層とガスバリア層を設けた積層体に関する。
金属酸化物が、紫外線カット能力を有することは、すでに知られており、化粧品などの用途で実用化されている。しかし、一般に、金属酸化物の樹脂に対する分散性が悪く、分散性不良に伴う、被膜にブツなどの欠陥が発生したり、不透明になったりする問題があった。
また、この金属酸化物の樹脂に対する分散性が悪いと表面の粗さが粗くなる。このような膜とガスバリア層とを有する場合、表面が凹凸になったガスバリア膜が均一にならず、結果として目的のガスバリヤー性や水蒸気バリヤー性が発揮されないといった問題点があった。
この凹凸は金属酸化物の粒子径に大きく依存している。
このガスバリヤー性や水蒸気バリヤー性を改善するには、この金属酸化物の表面粗さを小さくする必要があり、それには金属酸化物の分散性を上げるたり、粒子径を小さくする必要がある。
分散性を改良する目的で、α−酸化第二鉄を形状を制御する(特許文献1)、金属酸化物の表面を、多価アルコール(特許文献2)、あるいは、シロキサン(特許文献3)で処理することが行われているが、さらに、分散性の向上が求められている。
特開平8−59398号公報 特開2002−173579号公報 特開2002−173580号公報
本発明は、分散性、透明性、表面平滑性が優れ、結果ガスバリヤー性や水蒸気バリヤー性が良好且つ波長420nm以下の紫外線を遮蔽できる積層体を提供することを目的とする。
本発明は、基材、
樹脂バインダーと、多価アルコールもしくはオルガノポリシロキサンを用いて表面処理された金属酸化物とを含んでなる紫外線カット層、または
ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含んでなるガスバリア層
を有する紫外線カット性を有する積層体に関する。
また、本発明は、基材、
樹脂バインダーと、多価アルコールおよびオルガノポリシロキサンを用いて表面処理された金属酸化物とを含んでなる紫外線カット層、および
ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含んでなるガスバリア層
を有する上記紫外線カット性を有する積層体に関する。
また、本発明は、金属酸化物が、α−酸化第二鉄、酸化チタン、酸化亜鉛である上記紫外線カット性を有する積層体に関する。
また、本発明は、金属酸化物のアスペクト比が0.2〜1.0の非針状であり、かつ、平均粒径が0.01〜0.06μmである上記紫外線カット性を有する積層体に関する。
また、本発明は、金属酸化物が、多価アルコールを用いた表面処理された後、オルガノポリシロキサンで表面処理されたものである上記紫外線カット性を有する積層体に関する。
また、本発明は、被膜が、さらに、分散剤を含む上記紫外線カット性を有する積層体に関する。
また、本発明は、ポリカルボン酸系ポリマーが、不飽和ジカルボン酸の重合体を含むものである上記紫外線カット性を有する積層体に関する。
また、本発明は、基材、または、
ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含んでなるガスバリア層を少なくとも片面に有する基材に、
溶剤と、樹脂バインダーと、多価アルコールおよびオルガノポリシロキサンを用いて表面処理された金属酸化物とを含んでなる塗料を塗布することを特徴とする、
ガスバリア層と紫外線カット層とを含む積層体の製造方法に関する。
本発明により、分散性、透明性、表面平滑性が優れ、結果ガスバリヤー性や水蒸気バリヤー性が良好且つ波長420nm以下の紫外線を遮蔽できる積層体を提供することができる。
<基材>
本発明で用いられる基材としては、フィルム状、板状または瓶状など形状の、熱可塑性または熱硬化性プラスチックであれば、特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル、ナイロン、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−トなどがあげられる。この中でも、2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム及び2軸延伸したナイロンフィルムが望ましい。
プラスチック基材の表面は、コロナ放電処理やフレーム処理,プラズマ処理等の表面処理してあっても構わないが、これらの表面処理は必須ではない。また、アンカーコートなどのコーティング処理を施していても構わない。
また、このプラスチック基材の表面には何も付与されていない方が望ましいが、予め界面活性剤や高分子電解質系等の有機系の導電剤やUV吸収剤や光安定剤が塗工または練り込みされているものでも構わない。
フィルムとして用いる場合、プラスチック基材の厚さは特に制限されないが、6μm〜2mmが適当であり、特に12〜200μmが望ましい。
<紫外線カット層>
本発明で用いられる金属酸化物としては、α−酸化第二鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどが挙げられる。この中でも、入手のしやすさ、扱い易さの点から、α−酸化第二鉄、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく用いられる。
本発明で用いられる金属酸化物特にα−酸化第二鉄の形状は、好ましくは、非針状である。ここで非針状とは、電子顕微鏡観察による短径と長径の比(短径/長径)が0.2〜1.0の範囲をいう。透明性、分散性が良好な成形物を得るためには、真球状(短径/長径=1.0)が最も好ましい。
本発明で用いられる金属酸化物特にα−酸化第二鉄の平均粒子径は0.01〜0.06μmである。好ましくは0.03〜0.05μmである。平均粒子径が0.01μm未満の場合は粒子凝集、分散不良が発生し透明性、気体遮断性が不十分であり、0.06μmを超える場合は、成形物の表面粗さが大きくなりすぎ、透明性の低下、顔料凝集の発生による成形物の外観不良となる。ここで平均粒径とは、短径、長径の平均を粒径として粒度分布の最大値を示した値をいう。
本発明において、金属酸化物を被覆することにより表面処理を達し得る表面処理剤として多価アルコールまたはオルガノポリシロキサンが用いられる。多価アルコールおよびオルガノポリシロキサンそれぞれの処理を行うのが、より好ましい。
表面処理剤は、それぞれ、金属酸化物の重量の0.01〜10重量%相当量を添加することが好ましい。特に好ましくは、それぞれ、0.1〜2重量%である。
多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコールなどのアルキレングリコールやジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールやグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、イノシトール、ポリビニルアルコールなどの多価アルコールが挙げられる。好ましくはトリメチロールプロパン(TMP)、トリメチロールエタン(TME)などが挙げられる。これらの多価アルコールは一種類、または二種類以上混合して使用できる。
多価アルコールは、金属酸化物の重量の0.01〜10重量%相当量を添加することが好ましい。10重量%を越えると、製造された被膜に発泡やブツ等が生じる場合がある。0.01重量%未満では、金属酸化物表面への多価アルコールの被覆量が充分でなく、金属酸化物の樹脂バインダーへの分散が不良となり、被膜において不良な物性を引き起こる場合がある。
オルガノポリシロキサンの具体例としては、ジメチルポリシロキサンやメチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及び各種変性ポリシロキサン等のポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、エーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサンなどを用いることができる。これらのオルガノポリシロキサンは1種類、または2種類以上混合して使用できる。メチル水素ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
また、上記例示したメチル水素ポリシロキサンは、下記式で表されるものが望ましい。
Figure 2005153167
(式中nは正の整数を表し、12以下であることが好ましい。)
オルガノポリシロキサンは、金属酸化物の重量の0.01〜10重量%相当量を添加することが好ましい。10重量%を越えると、製造された被膜に発泡やブツ等が生じる場合がある。0.01重量%未満では、金属酸化物表面へのオルガノポリシロキサンの被覆量が充分でなく、金属酸化物の樹脂バインダーへの分散が不良となり、被膜において不良な物性を引き起こす場合がある。
上記表面処理剤で金属酸化物を被覆する方法は、湿式処理法または乾式処理法等の公知の方法を利用することができる。
湿式処理は、アルコール等の極性溶媒中に金属酸化物と表面処理剤を加え、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去する。湿式処理においては、表面処理中または処理後に金属酸化物粒子の加熱乾燥工程があると、水分吸着等による含水量が大きく低減する。このようにして得られた低含水量の金属酸化物は、樹脂バインダーへの混合の際に分散性を向上させる利点がある。
また、乾式処理は、金属酸化物をマイクロナイザー、ジェットミルなどの流体エネルギー粉砕機で粉砕する際に、表面処理剤を添加する。このときの流体として、通常は圧縮空気、加熱圧縮空気、スチーム等が用いられる。また、多価アルコールが常温で固体の場合は、溶媒に溶解させた多価アルコール溶液を上記処理工程に使用すればよい。例えば、トリメチロールエタンのエタノール溶液等が挙げられる。
本発明では、金属酸化物特にα−酸化第二鉄を1度の表面処理さらには、少なくとも2度の表面処理をすることにより、金属酸化物特にα−酸化第二鉄表面の樹脂バインダーに対する親和性を効果的に向上させることができる。金属酸化物特にα−酸化第二鉄に、まず、多価アルコールで処理を行い、それにより発生する、多価アルコール由来の水酸基などにシロキサンが反応することが、特に親和性の向上に結びついていることが予想される。
本発明で用いられる樹脂バインダーとしては、重合型熱可塑性樹脂あるいは縮合型熱可塑性樹脂が挙げられる。
重合型熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアルキレン樹脂などが挙げられる。
縮合型熱可塑性樹脂としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸の如き芳香族カルボン酸、又はそのエステルとエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の如き脂肪族グリコールとを縮重合させて得ることのできる従来公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
代表的なものとしてポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂が挙げられる。
また、本発明において用いられる縮合型熱可塑性樹脂として、微生物崩壊性樹脂も用いることができる。微生物崩壊性樹脂としてはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂等が挙げられる。
具体的には市販または試作されている、昭和高分子社製や日本触媒社製のポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、三井化学社製、カーギル社製や島津社製のポリ乳酸、ダイセル化学社製のポリカプロラクトン、モンサント社製のポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシ吉草酸)(P(3HB−3HV))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−4−ヒドロキシ酪酸)(P(3HB−4HB))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシプロピオネート)(P(3HB−3HP))等が挙げられる。
本発明で樹脂バインダーに併用して用いることのできる分散剤は、表面処理したα−酸化第二鉄と樹脂バインダーの相溶性をさらに向上させるために使用できる。その種類、量は、使用する樹脂バインダーに応じて、適宜選択されて使用される。
このような分散剤として、金属石鹸すなわち高級脂肪酸の金属塩、またはオキシカルボン酸金属塩を用いることができる。
例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸亜鉛、ラウリル酸マグネシウム、オキシカルボン酸金属塩としてα−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等の金属塩が挙げられる。
本発明の用いられる樹脂バインダーには、顔料又は染料などの添加剤を併用できる。顔料または染料としては、例えばアゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダスレン系、キノフタロン系等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、群青、コバルトブルー、カーボンブラック、チタンイエロー等の有色無機顔料、硫酸バリウム、カオリン、タルク等の体質顔料、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、モノアゾ系、メチン系、複素環系、ラクトン系、フタロシアニン系等の油溶性染料、分散染料が使用できる。
更に、通常、樹脂バインダーに併用される酸化防止剤、酸化鉄以外の紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤等の添加剤を配合することができる。酸化防止剤としてはフェノール系、ホスファイト系等が使用できる。フェノール系としては、例えばジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を挙げることができる。ホスファイト系としては、例えばトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等を挙げることができる。
紫外線防止剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系等が使用できる。ベンゾトリアゾール系としては、例えば2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール等を挙げることができる。トリアジン系としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等を挙げることができる。
光安定剤としてはヒンダードアミン系等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等を挙げることができる。金属不活性剤としては、例えば2,3-ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等を挙げることができる。
本発明で用いられる表面処理された金属酸化物は、樹脂バインダーに公知の技術で混合される。通常は、樹脂バインダーを溶液とし、この溶液に攪拌機を用いて攪拌しながら、金属酸化物は混合される。攪拌時に添加されてもよい分散剤、その他の添加剤は、必要に応じて、金属酸化物の投入の前後または同時に添加されて攪拌される。この時の溶剤として特に限定はなく、トルエン・キシレンの芳香族溶剤・酢酸エチル・酢酸ブチル等のエステル系溶剤・メチルエチルケトンやアセトンのようなケトン類・ソルベッソ等の石油系混合溶剤、またジメチルホルムアミドやN−メチルピロリドン等の極性溶剤等が挙げられる。
また塗工性を向上させるための更に粘度を調整する為の溶剤混合や、粘度調整剤等の添加を行っても構わない。
樹脂バインダーと金属酸化物とを含む樹脂バインダー溶液は、公知の塗工機で基材に塗布され、基材上に被膜を形成する。被膜の厚さは、通常1μm〜100μm(ドライ)である。
<ガスバリア層>
ガスバリア層は、ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含有したもので、ポリアルコール系ポリマーの有する水酸基と、ポリカルボン酸系ポリマーの有するカルボキシル基との相互作用により、ガスをバリアするような緻密な構造体を構成する。
本発明で用いるポリアルコール系ポリマーとは、分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール系重合体であり、ポリビニルアルコール(PVA)や糖類および澱粉類、水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類の重合体を含むものである。
PVAはケン化度が好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上であり、数平均重合度が通常300〜1500である。
糖類としては、単糖類、オリゴ糖類および多糖類を使用する。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体・誘導体、サイクロデキストリンのような環状オリゴ糖なども含まれる。これらの糖類は、水に溶解性のものが好ましい。澱粉類は、前記多糖類に含まれるが本発明で使用される澱粉類としては小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性澱粉)のほか、各種の加工澱粉がある。加工澱粉としては、物理的変性澱粉、酵素変性澱粉、化学分解変性澱粉、化学変性澱粉、澱粉類にモノマーをグラフト重合したグラフト澱粉などが挙げられる。これらの澱粉類の中でも、焙焼デキストリン等やそれらの還元性末端をアルコール化した還元澱粉糖化物等の水に可溶性の加工澱粉が好ましい。澱粉類は、含水物であってもよい。また、これらの澱粉類は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(CH2CH2Oユニットの繰り返しが1〜6のものが好ましい)、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種または2種以上を共重合して得ることができる。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレートがより好ましく、特にグリセリン(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明で用いるポリカルボン酸系ポリマーとは、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する(共)重合体であり、(メタ)アクリル酸系ポリマーの他、不飽和ジカルボン酸重合体、オレフィン−不飽和ジカルボン酸共重合体が挙げられる。前記ジカルボン酸としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸などが挙げられる。
本発明で使用される不飽和ジカルボン酸の重合体は、不飽和ジカルボン酸の単重合体もしくは共重合体である。不飽和ジカルボン酸の共重合体としては、オレフィン−不飽和ジカルボン酸共重合体が挙げられ、無水不飽和ジカルボン酸とオレフィンモノマーを溶液重合などの公知の方法で共重合することで得られるものである。
オレフィンモノマーとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの炭素数3〜30までのアルキルビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの炭素数2〜30のオレフィンなどが上げられ、これらの混合物を用いることもできる。また、これらのオレフィンモノマーの他(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレン、p−スチレンスルホン酸やこれらの混合物を用いることもできる。このうち、アルキルビニルエーテル類、低級オレフィン類などがガスバリア性の向上の点で好ましい。
好適なオレフィン−不飽和ジカルボン酸共重合体の例として、オレフィン部が、メチルビニルエーテル、エチレン、イソブチレンであり、不飽和ジカルボン酸がマレイン酸、イタコン酸である場合が好ましい。
共重合の際のモノマーの仕込み比率や反応条件により、得られるポリマーにおけるビニル系モノマーと不飽和ジカルボン酸の成分比が変化するが、本発明では、オレフィン−不飽和ジカルボン酸として不飽和ジカルボン酸単位を10モル%以上含有することが必須である。ポリマー中の不飽和ジカルボン酸単位が先述のポリアルコール系ポリマー中のアルコール単位と反応して架橋構造を形成することにより高度なガスバリア性が発現する。オレフィン−不飽和ジカルボン酸共重合体中の不飽和ジカルボン酸単位が10モル%未満の場合、架橋密度が低くなるためガスバリア性が発現しにくい。
なお、本発明で用いるマレイン酸単位を含有するオレフィン−不飽和ジカルボン酸共重合体中のジカルボン酸単位は乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水ジカルボン酸構造を取りやすく、一方、湿潤時や水溶液中では開環してジカルボン酸構造やカルボン酸エステル構造を取りやすくなるが、本発明ではこれら閉環、開環を区別せずジカルボン酸として記述している。
本発明で用いるポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとは、アクリル酸およびメタクリル酸系の重合体であって、カルボキシル基を2個以上含有し、それらのカルボン酸系ポリマーおよびカルボン酸系ポリマーの部分中和物を含めた総称である。具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、あるいはこれらの2種以上の混合物ならびにそれらの部分中和物である。また、水に可溶な範囲でアクリル酸、メタクリル酸とそれらのメチルエステル、エチルエステルとの共重合体を用いることもできる。これらの中では、アクリル酸またはメタクリル酸のホモポリマーや両者の共重合体が好ましく、アクリル酸のホモポリマーやアクリル酸が優位量となるメタクリル酸との共重合体が、酸素ガスバリヤー性の点で、特に好適なものである。ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーの数平均分子量は、特に限定されないが、2,000〜250,000の範囲が好ましい。
ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物は、ポリ(メタ)アクリル酸のカルボキシル基をアルカリで部分的に中和する(即ち、カルボン酸塩とする)ことにより得ることができる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。部分中和物は、通常、ポリ(メタ)アクリル酸の水溶液にアルカリを添加し、反応させることにより得ることができる。従って、この部分中和物は、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩などである。このアルカリ金属塩は一価の金属イオンを有する構造体として本発明のフィルム形成に寄与する。ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物を用いると、成形品の熱による着色を抑えることがあり得るので、場合によりこれを用いることが好ましい。ポリ(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物とを混合して使用することも好ましい。
ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物を得るには、ポリ(メタ)アクリル酸とアルカリの量比を調節することにより、所望の中和度とすることができる。ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物の中和度は最終製品であるガスバリヤー性フィルムの酸素ガスバリヤー性の程度を基準として、選択することが好ましい。この中和度がある程度以上高くなると、酸素ガスバリヤー性が低下する傾向を示す。
なお、中和度は、式:中和度(%)=(N/N0)×100により求めることができる
。ここで、Nは部分中和されたポリカルボン酸1g中の中和されたカルボキシル基のモル数、N0は部分中和する前のポリカルボン酸1g中のカルボキシル基のモル数である。
ポリ(メタ)アクリル酸(A)がポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物を含む場合は、その中和度がポリ(メタ)アクリル酸(A)とポリアルコール系ポリマー(B)とのエステル架橋反応の速度に影響する。具体的には、中和度が好ましくは20%以下がポリ(メタ)アクリル酸(A)とポリアルコール系ポリマー(B)とのエステル架橋反応の速度が大きく、フィルムの製造速度の観点で有利である。中和度が20%を越える場合には、ポリ(メタ)アクリル酸(A)とポリアルコール系ポリマー(B)とのエステル架橋反応の速度が低下する。さらに好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物の中和度が15%以下の場合には、両ポリマー成分の混合割合の広い範囲内で、未中和物を用いた場合と比較して、エステル架橋反応の速度が大きく、フィルムの製造速度の観点で有利である。酸素ガスバリヤー性の観点からは、ポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物の中和度は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下とすることが望ましい。
ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマー含む溶液は、公知の塗工機で基材に塗布され、基材上に被膜を形成する。公知の塗工機としては、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、デイップコーター、ダイコーター、コンマコーター、リップコーター、カーテンコーター等の装置、あるいは、それらを組み合わせた装置を用いて、所望の厚さのバリア層を形成し得るようにコーティングする。
形成されるバリア層の厚みは、使用する用途に応じて適宜決めることが出来、0.1μm〜100μmの厚みであることが好ましく、0.5μm〜50μmの厚みであることがより好ましく、0.5μm〜10μmの厚みであると特に好ましい。0.1μm未満の厚みでは十分なガスバリア性を発現する事が困難となり、一方、100μmを越える厚みになると、塗工等の生産工程において困難を生じやすく、また後述する乾燥及びバリア層形成時の加熱に要するエネルギー量も多くなりすぎる。
[ガスバリア性積層体の製造方法]
ガスバリ性積層体を得るには、以下のような工程を経る。
(1) まず、上記プラスチックフィルム上に直接に、又は上記プラスチック基材上に設けた他のコート剤(B)層上に、上記ガスバリア層形成用コート剤(A)を塗工する。
(2) ガスバリア層形成用コート剤(A)を塗工後、次いでアーチドライヤー、ストレートバスドライヤー、タワードライヤー、ドラムドライヤーおよびフローティングドライヤー等の装置、あるいはそれらを組み合わせた装置を用いて熱風を吹き付けたり、赤外線照射などにより、コート剤(A)中の液状媒体、例えば水分を蒸発・乾燥させ、バリア層の前駆体を形成させる。ポリアルコール系ポリマー中の水酸基とポリカルボン酸系ポリマー中のカルボキシル基とは、この段階では、まだほとんどエスルテル化反応してはいない。
(3) 次いで、プラスチック基材の非コート面を冷却しながら、前記バリア層前駆体表面、即ちコート剤(A)の塗工・乾燥面を加熱し、ポリアルコール系ポリマー中の水酸基とポリカルボン酸系ポリマー中のカルボキシル基とがエスルテル化反応させることによって、プラスチック基材の熱劣化を防ぎながらガスバリア性積層体を形成する。
コート面の加熱方法としては、コート面側を赤外線で加熱したり、加熱ロールにコート面側を接触させたり、あるいは熱風をコート面に吹き付けたりする方法が例示できる。
<積層体>
本発明の積層体は、基材と、紫外線カット層と、ガスバリア層とが共存するが、紫外線カット層とガスバリア層との形成順序は、特に、問題ではない。また、必要に応じて、プライマー層を紫外線カット層の塗布面、ガスバリア層の塗布面に形成することも可能である。ただし、ガスバリア層が、加熱処理を必要とすることから、紫外線カット層形成前に、ガスバリア層を塗布することが好ましいが、これに限るものではない。
また、紫外線カット層と、ガスバリア層とは、基材の同じ面である必要はなく、基材の両面に塗り分けてもよい。また、紫外線カット層、ガスバリア層は、必ずしも、積層体中に一層のみという必要もない。
また、ガスバリア層の加熱処理は、紫外線カット層の形成後に行ってもよい。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、重量%とは単に%、重量部とは単に部という。
[ガスバリア層の製造例1]
ポリマー(A)としてポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社製、UF040G、ケン化度98.4%、平均重合度400)を純水に溶解し、固形分10%とし、ここへ残存アセチル基量の1.1倍当量の水酸化ナトリウムを加えて、70℃で3時間、攪拌し、水溶液を得た。この操作で得られたポリビニルアルコールのケン化度は99.9%であった。
別途、ポリマー(B)としてポリイタコン酸(磐田化学工業社製PIA−728、平均重合度50−100)をポリイタコン酸のカルボキシル基に対して10モル%の水酸化ナトリウムを含む水に溶解し、固形分10%の水溶液とした。
各ポリマーの固形分比が30/70となるようにポリマー(A)水溶液とポリマー(B)水溶液とを混合、攪拌して固形分10%のガスバリア層形成用塗料(1)液を得た。
別に、ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロン200(Tg67℃)、Mn=17000)をトルエン/MEK混合溶媒に溶解した。この溶液に、ポリイソシアネート(住友化学(株)製、スミジュール3300)を、ポリエステルとポリイソシアネートの重量比が60/40になるように調整し、混合溶液を得、この混合溶液にジブチルすずラウリレート1%MEK溶液、MEKおよび酢酸エチルを混合し、固形分約14%のアンカーコート剤を得た。
グラビアコーターを用いて、延伸PETフィルム(厚み12μm、融点264℃)の一方の面に、前記アンカーコート剤を塗工し、80℃にコントロールした乾燥室に導入し溶剤を除去し、0.2μmのアンカーコート層を形成した。
アンカーコート層の上に前記ガスバリア層形成用塗料1を塗工し、90℃にコントロールした乾燥室に導入し、水を除去し、200℃・2分焼付し、厚み2.2μmのガスバリア層前駆体層を有する積層フィルム1を得た。
[ガスバリア層の製造例2]
ポリマー(C)としてポリアクリル酸(和光純薬工業(株)製(30℃で8000〜12000センチポイズ、重量平均分子量150000)の25%水溶液を用いて、水酸化ナトリウムで中和度10%に部分中和し純水にて希釈して固形分10%にすることにより調整した。
以下、ガスバリア層の製造例1と同様にして、各ポリマーの固形分比が30/70となるようにポリマー(A)水溶液とポリマー(C)水溶液とを混合、攪拌して固形分10%のガスバリア層形成用塗料液を得、延伸PETフィルムに、アンカーコート層を形成し、ガスバリア層形成用塗料液を塗布して、200℃・2分焼付し、積層フィルム2を得た。
[ガスバリア層の製造例3]
ポリマー(D)として、セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて純水70部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりグリセリンメタクリレート(以下、GLM)(日本油脂(株)製、「ブレンマーGLM」)30部、純水20部、アゾ化合物(和光純薬工業(株)製「V−50」)0.3部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重合終了後、純水179.7部を十分に撹拌しながら添加し、固形分10重量%のポリグリセリンメタクリレート水溶液を得た。
以下、ガスバリア層の製造例1と同様にして、各ポリマーの固形分比が30/70となるようにポリマー(A)水溶液とポリマー(C)水溶液とを混合、攪拌して固形分10%のガスバリア層形成用塗料液を得、延伸PETフィルムに、アンカーコート層を形成し、ガスバリア層形成用塗料液を塗布して、200℃・2分焼付し、積層フィルム3を得た。
[ガスバリア層の製造例4]
ポリマー(E)としてセパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて純水89.7部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりグリセリンメタクリレート(以下、GLM)(日本油脂(株)製、「ブレンマーGLM」)2部、アクリル酸(以下、AA)18部、純水25部、アゾ化合物(和光純薬工業(株)製「V−50」)0.24部を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に3時間反応を継続し固形分15%のGLM−AA共重合体水溶液を得た。
ポリマー(E)水溶液を用い、カルボキシル基の5モル%を水酸化ナトリウムにより中和し、純水で希釈して固形分10重量%のガスバリア層形成用塗料4液を得た。
以下、ガスバリア層の製造例1と同様ににして、延伸PETフィルムに、アンカーコート層を形成し、ガスバリア層形成用塗料液を塗布して、200℃・2分焼付し、積層フィルム4を得た。
[α−酸化第二鉄の表面処理法]
表1に示すように、酸化金属をジェットミルにより粉砕(使用流体:圧縮空気)しながら、表面処理剤を添加し表面処理酸化金属を得た。各表面処理剤は、表1に基づき所定の被覆量となるように公知の方法で、酸化金属の処理重量と処理剤の供給濃度または供給流量を変化させることにより調整した。
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――
例 酸化金属(粒径μm、アスペクト比) 処理1 処理2
――――――――――――――――――――――――――――――――
製造例1 酸化鉄 (0.03、0.9) 0.5 0.5
製造例2 酸化チタン(0.03、0.9) 0.5 0.5
製造例3 酸化亜鉛 (0.03、0.9) 0.5 0.5
製造例4 酸化鉄 (0.03、0.9) 0.5 0
製造例5 酸化鉄 (0.03、0.9) 0 0.5
比較製造例1 酸化鉄 (0.03、0.9) 0 0
――――――――――――――――――――――――――――――――
処理1:テトラメチロールプロパン処理 酸化金属に対する処理量(重量%)
処理2:メチル水素ポリシロキサン処理 酸化金属に対する処理量(重量%)

[紫外線カット層の製造例:実施例1〜8、比較例1]
トルエン70部に、ポリエステル系樹脂バイロン200(東洋紡績社製)30部に、表1に示す表面処理酸化金属を樹脂全体に対して0.24部を加えて、塗液とし、これを、表2に示す積層フィルムのガスバリア層側にバーコーターを用いて塗布し、25μmとなるように塗布した。
表2
―――――――――――――――――――――――
例 紫外線カット層 基材+ガスバリア層
―――――――――――――――――――――――
実施例1 製造例1 積層フィルム1
実施例2 製造例2 積層フィルム1
実施例3 製造例3 積層フィルム1
実施例4 製造例1 積層フィルム2
実施例5 製造例1 積層フィルム3
実施例6 製造例1 積層フィルム4
実施例7 製造例4 積層フィルム1
実施例8 製造例5 積層フィルム1
比較例1 比較製造例1 積層フィルム1
―――――――――――――――――――――――
[評価試験]
以下のように評価した。
[フィルムの評価方法]
[平面平滑性の評価]
AFM(セイコーインスルメンツ社製)を用いて表面観察し、突起の高さを測定し以下の基準で評価した。
○:1μm以上
×:1μm未満
[ヘイズ]
ガードナー社製ヘイズ・ガード・プラスで測定し、以下の基準で評価した。
○:3未満
△:3以上5未満
×:5以上
[UV光線透過率]
島津製作所製UV-265FWで測定し、420nm以下の紫外線領域における遮蔽率を求め、以下の基準で評価した。
○:遮蔽率95%以上
△:遮蔽率80%以上95%未満
×:遮蔽率80%未満
[分散性]
光学顕微鏡100倍で観察し、最悪視野でISO-DIS11420の級数表に基づき級数化して評価した。
○:等級2未満
△:等級2以上3未満
×:等級3以上
[ガス透過性]
フィルムをMODERN CONTROL社製OX−TRANT100を使用して、酸素の透過量を25℃・80%RHの条件で測定し、以下の基準で評価した。
○:5ml/m2・24時間・atm未満
×:5ml/m2・24時間・atm以上
表3に結果を示す。
表3
――――――――――――――――――――――――――――――――
例 平面平滑性 ヘイズ UV光線透過率 分散性 ガス透過性
――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 ○ ○ ○ ○ ○
実施例2 ○ ○ ○ ○ ○
実施例3 ○ ○ ○ ○ ○
実施例4 ○ ○ ○ ○ ○
実施例5 ○ ○ ○ ○ ○
実施例6 ○ ○ ○ ○ ○
実施例7 ○ △ △ △ ○
実施例8 ○ × △ × ○
比較例1 × × × × ×
――――――――――――――――――――――――――――――――
本発明の積層体は、紫外線領域の光線遮断性、気体遮断性を有するので、ガラス瓶、アルミ蒸着フィルムなどに代わる食品・化粧品・薬品包装容器等への用途に適用できる。

Claims (8)

  1. 基材、
    樹脂バインダーと、多価アルコールもしくはオルガノポリシロキサンを用いて表面処理された金属酸化物とを含んでなる紫外線カット層、および
    ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含んでなるガスバリア層
    を有する紫外線カット性を有する積層体。
  2. 基材、
    樹脂バインダーと、多価アルコールおよびオルガノポリシロキサンを用いて表面処理された金属酸化物とを含んでなる紫外線カット層、および
    ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含んでなるガスバリア層
    を有する請求項1記載の紫外線カット性を有する積層体。
  3. 金属酸化物が、α−酸化第二鉄、酸化チタン、酸化亜鉛である請求項1または2記載の紫外線カット性を有する積層体。
  4. 金属酸化物のアスペクト比が0.2〜1.0の非針状であり、かつ、平均粒径が0.01〜0.06μmである請求項1〜3いずれか記載の紫外線カット性を有する積層体。
  5. 金属酸化物が、多価アルコールを用いた表面処理された後、オルガノポリシロキサンで表面処理されたものである請求項1〜4いずれか記載の紫外線カット性を有する積層体。
  6. 被膜が、さらに、分散剤を含む請求項1〜5いずれか記載の紫外線カット性を有する積層体。
  7. ポリカルボン酸系ポリマーが、不飽和ジカルボン酸の重合体を含むものである請求項1〜6いずれか記載の紫外線カット性を有する積層体。
  8. 基材、または、
    ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーとを含んでなるガスバリア層を少なくとも片面に有する基材に、
    溶剤と、樹脂バインダーと、多価アルコールおよびオルガノポリシロキサンを用いて表面処理された金属酸化物とを含んでなる塗料を塗布することを特徴とする、
    ガスバリア層と紫外線カット層とを含む積層体の製造方法。


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