JP2005149999A - エキシマランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 放電容器の端部の破損が生じにくくて、生産性に富み、輸送中の破損を防止できるエキシマランプを提供することにある。
【解決手段】 本発明のエキシマランプは、誘電体材料からなる外側管と内側管とを具備してなり、端部に側壁部が形成された二重管構造の放電容器と、外側管と内側管との間に形成された放電空間内に充填された放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスと、放電空間及び少なくとも一つの誘電体を介し、前記放電容器に沿って配置されてなる一方と他方の電極と、を備えてなるものであり、前記放電容器は、端部に電極が設けられない狭小部が形成され、側壁部に隣接する外側管と内側管との間隔が電極を配置した任意点における外側管と内側管との間隔よりも狭くなっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のエキシマランプは、誘電体材料からなる外側管と内側管とを具備してなり、端部に側壁部が形成された二重管構造の放電容器と、外側管と内側管との間に形成された放電空間内に充填された放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスと、放電空間及び少なくとも一つの誘電体を介し、前記放電容器に沿って配置されてなる一方と他方の電極と、を備えてなるものであり、前記放電容器は、端部に電極が設けられない狭小部が形成され、側壁部に隣接する外側管と内側管との間隔が電極を配置した任意点における外側管と内側管との間隔よりも狭くなっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電極間に誘電体を介在させた放電を利用してエキシマ光を放出させるエキシマランプに関する。
例えば液晶製造工程における液晶基板の洗浄工程などに用いられる、波長200nm以下の真空紫外光を被処理体に放射する光源用ランプとしては、電極間に誘電体を介在させた放電、即ち、誘電体バリア放電(別名「オゾナイザ放電」あるいは「無声放電」:電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263頁参照)によってエキシマ分子を形成し、当該エキシマ分子から放射される光(以下、「エキシマ光」ともいう。)を利用するエキシマランプが用いられている(特許文献1)。
図6は従来のエキシマランプの一例を示す管軸方向断面図である。同図において、エキシマランプ10の放電容器11は、石英ガラスよりなる略同一の管径を有する直管状の外側管12と、この外側管12内にその筒軸に沿って配置された石英ガラスよりなる内側管13と、からなり、外側管12と内側管13との間に円筒状の放電空間Sを形成する二重管構造を具備している。このような放電容器11は、例えば、内側管13の両端部に管軸に略垂直方向に延在するよう側壁部14a,14bを設け、該側壁部14a,14bの外周縁部g,gを外側管12の両端部にそれぞれ融着することにより、製作される。
放電容器11における外側管12には、その外周面15に密接して、例えば金網などの導電性材料よりなる網状の一方の電極16が設けられ、放電容器11における内側管13には、その外周面17を覆うようアルミニウムよりなる膜状の他方の電極18が設けられている。そして、一方の電極16および他方の電極18は、それぞれ電流供給用のコード19,19により高周波電源よりなる電源装置(図示省略)に接続されている。
電源装置(図示省略)によってランプ10における一方の電極16と他方の電極18とに高周波電圧が印加されると、当該ランプ10に係る放電空間S内において、外側管12および内側管13の間に放電が発生し、ランプ10が点灯して、200nm以下の真空紫外光が、外側管12を透過して外部に放出される。
特開2002−168999号公報
放電容器11における外側管12には、その外周面15に密接して、例えば金網などの導電性材料よりなる網状の一方の電極16が設けられ、放電容器11における内側管13には、その外周面17を覆うようアルミニウムよりなる膜状の他方の電極18が設けられている。そして、一方の電極16および他方の電極18は、それぞれ電流供給用のコード19,19により高周波電源よりなる電源装置(図示省略)に接続されている。
電源装置(図示省略)によってランプ10における一方の電極16と他方の電極18とに高周波電圧が印加されると、当該ランプ10に係る放電空間S内において、外側管12および内側管13の間に放電が発生し、ランプ10が点灯して、200nm以下の真空紫外光が、外側管12を透過して外部に放出される。
近年、上記エキシマランプにおいては、よりいっそうの高出力化が望まれており、外側管の径を大きくして放電ギャップを広げ、放電の厚みを増大させることにより出力アップを図ることが行われている。更には、被処理物とされる液晶基板パネルが大面積化してきており、これに伴いランプの発光領域を管軸方向に大きくするすなわち放電容器を長くすることが望まれている。
しかるに、放電ギャップを広げるため放電容器の外側管と内側管との間隔を広くしたり、発光領域を管軸方向に大きくするため放電容器を長くしたりすると、放電容器の端部が僅かな衝撃や振動で割れ、ランプ製造中などに破損するため高い生産効率を得ることができない。また、更には、完成したランプを輸送する際にも放電容器の端部が割れることがある。
しかるに、放電ギャップを広げるため放電容器の外側管と内側管との間隔を広くしたり、発光領域を管軸方向に大きくするため放電容器を長くしたりすると、放電容器の端部が僅かな衝撃や振動で割れ、ランプ製造中などに破損するため高い生産効率を得ることができない。また、更には、完成したランプを輸送する際にも放電容器の端部が割れることがある。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものであって、その目的は、放電容器の端部の破損が生じにくくて、生産性に富み、輸送中の破損を防止できるエキシマランプを提供することにある。
本発明のエキシマランプは、誘電体材料からなる外側管と内側管とを具備してなり、端部に側壁部が形成された二重管構造の放電容器と、外側管と内側管との間に形成された放電空間内に充填された放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスと、放電空間及び少なくとも一つの誘電体を介し、前記放電容器に沿って配置されてなる一方と他方の電極と、を備えてなるものであり、前記放電容器は、端部に電極が設けられない狭小部が形成され、側壁部に隣接する外側管と内側管との間隔が電極を配置した任意点における外側管と内側管との間隔よりも狭くなっていることを特徴とする。
さらに、請求項1の発明において、前記放電容器が、狭小部における外側管と内側管の間隔が外端側に向って連続的若しくは段階的に狭くなるよう形成されていることを特徴とする。
さらに、請求項1または請求項2の発明において、前記狭小部が、放電容器の両方の端部に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、放電ギャップを大きくするためにランプ発光領域の外側管と内側管との間隔を広げたり、放電容器全長を長くしたりしても、放電容器の端部に、側壁部に隣接する外側管と内側管との間隔が電極を配置した任意点における外側管と内側管の間隔よりも狭くなるような狭小部を設けているので、側壁部に掛かる応力が小さくなり、放電容器端部が割れやすくなるという事態を回避することができるようになる。
しかも、放電容器において外側管と内側管の間隔を狭くした部分には電極を設けていないので、放電容器の管軸方向で電力が集中する部分が形成されることがない。もし外側管と内側管の間隔を狭くした部分に電極を設けた場合、この部分は、石英ガラスが劣化し光透過率が低下することが考えられる。その結果、局所的な照度維持率の低下が生じ、ランプの使用寿命が短くなる。しかしながら、本発明の構造によると、このような局所的な照度維持率の低下を防止できるので、ランプの使用寿命が短くなるといった問題が生じることのないエキシマランプを提供できるようになる。
しかも、放電容器において外側管と内側管の間隔を狭くした部分には電極を設けていないので、放電容器の管軸方向で電力が集中する部分が形成されることがない。もし外側管と内側管の間隔を狭くした部分に電極を設けた場合、この部分は、石英ガラスが劣化し光透過率が低下することが考えられる。その結果、局所的な照度維持率の低下が生じ、ランプの使用寿命が短くなる。しかしながら、本発明の構造によると、このような局所的な照度維持率の低下を防止できるので、ランプの使用寿命が短くなるといった問題が生じることのないエキシマランプを提供できるようになる。
図1は本発明の第一の実施形態を説明するエキシマランプの管軸方向断面図である。
エキシマランプ10の放電容器11は誘電体である石英ガラスからなり、外側管12と、この外側管12内にその筒軸に沿って配置され、外側管12の内径より小さい外径を有す内側管13と、を具備した二重管構造であり、外側管12と内側管13との間に略円筒状の放電空間Sを形成している。この放電容器11は、例えば、内側管13の両端部の管壁が半径方向外方に屈曲されることにより、管軸に対して略垂直に伸びる側壁部14a,14bが設けられ、その外周縁部g、gと外側管12の両端部とが融着されることにより、製作されている。この外側管12と内側管13との間に形成された放電空間S内にはキセノンガスなど放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスが充填されている。
エキシマランプ10の放電容器11は誘電体である石英ガラスからなり、外側管12と、この外側管12内にその筒軸に沿って配置され、外側管12の内径より小さい外径を有す内側管13と、を具備した二重管構造であり、外側管12と内側管13との間に略円筒状の放電空間Sを形成している。この放電容器11は、例えば、内側管13の両端部の管壁が半径方向外方に屈曲されることにより、管軸に対して略垂直に伸びる側壁部14a,14bが設けられ、その外周縁部g、gと外側管12の両端部とが融着されることにより、製作されている。この外側管12と内側管13との間に形成された放電空間S内にはキセノンガスなど放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスが充填されている。
上記放電容器11には、その両端部に放電空間S内における外側管12と内側管13の間隔が外端側に向かうに従って連続的に狭くなるよう形成された狭小部11a,11bが、管軸方向に所要の長さ設けられており、側壁部14a,14bに隣接する位置Aにおける外側管12と内側管13の間隔D1が、ランプの発光領域Hすなわち、一対の電極16,18が設けられた任意の点、例えば放電容器11の略中央部の位置Bにおける外側管12と内側管13の間隔D2よりも、狭くなるよう形成されている。なお、ここでいう外側管12と内側管13の間隔とは、外側管12の内表面から内側管13の内表面までの放電容器11の管軸に対して垂直方向(すなわち、半径方向)の距離である。
このような狭小部11a、11bは、例えば、外側管12と内側管13とを接合する前段階において、外側管12の構成材料である石英ガラス管の両端部の管壁を加熱加工し、管径を半径方向に縮小させることによって設けることができる。
このような狭小部11a、11bは、例えば、外側管12と内側管13とを接合する前段階において、外側管12の構成材料である石英ガラス管の両端部の管壁を加熱加工し、管径を半径方向に縮小させることによって設けることができる。
外側管12は、狭小部11a,11bを除いては略同一の管径および肉厚を有しており、係る同一管径の部分における外周面15上には例えば金網などの導電性材料よりなる網状の一方の電極16が密接して配設されている。
内側管13は、上記側壁部14a、14bを除いて略同一の管径および肉厚を有しており、その外周面17を覆うように例えばアルミニウムよりなる膜状の他方の電極18が配設されている。
上記構成により、放電容器11は発光領域Hにおいて外側管12と内側管13の間隔が略一定になるよう形成されている。
内側管13は、上記側壁部14a、14bを除いて略同一の管径および肉厚を有しており、その外周面17を覆うように例えばアルミニウムよりなる膜状の他方の電極18が配設されている。
上記構成により、放電容器11は発光領域Hにおいて外側管12と内側管13の間隔が略一定になるよう形成されている。
一方の電極16および他方の電極18は、それぞれ電流供給用のコード19,19により高周波電源よりなる電源装置(図示省略)に接続されており、これら電極16,18に高周波電圧が印加されると、当該ランプ10に係る放電空間S内において、外側管12および内側管13の間に放電が発生してランプ10が点灯し、200nm以下の真空紫外光が放出される。
このような構成のエキシマランプ10によれば、放電ギャップを大きくするため発光領域Hにおいて外側管12と内側管13との間隔D2を広げたり、放電容器11の全長を長くしたりしても、放電容器11の端部、具体的には側壁部に隣接する位置A(以下、放電容器11の端部Aとも称す)における外側管12と内側管13との間隔D1が、電極16、18を配置した任意点における外側管12と内側管13との間隔D2よりも、狭くなるように形成されているので、放電容器11の側壁部14a、14bにかかる応力を小さくでき、多少の衝撃や振動で割れるといった問題を生じにくくなる。その結果、生産性に富んだ、取り扱いが容易なエキシマランプを提供できるようになる。
ここで、以下の0015〜0019において、本発明の構造を有するエキシマランプによると上記効果が得られることについて具体的に説明する。
ここで、以下の0015〜0019において、本発明の構造を有するエキシマランプによると上記効果が得られることについて具体的に説明する。
例えばランプ輸送時、外側管は梱包材によって固定されているためにほとんど変形しないが、内側管は両端が側壁部で外側管により間接的に支持されているのみであり、中央部がたわんでいる状態である。中央部のたわみは変位量が大きくなると、内側管に応力を生じ、同時に放電容器両端における側壁部に応力を生じる。
この側壁にかかる応力はその側壁断面プロファイルから近似的に「片持梁」の非固定端に加重Wがかかるモデルとして考えられる。その理由を以下の0016、0017において説明する。
この側壁にかかる応力はその側壁断面プロファイルから近似的に「片持梁」の非固定端に加重Wがかかるモデルとして考えられる。その理由を以下の0016、0017において説明する。
図2は、機械工学便覧新版33頁における「片持梁」モデルを説明するための図である。
図2において、Wを壁100に固定された梁101の非固定端102に垂直にかかる加重、Lを梁101の全長、eを中立軸から梁101の表面103までの最大距離、Iを断面二次モーメントとすると、梁101にかかる最大応力σは次式(1)で表すことができる。
σ=W・L・e/I・・・(1)
図2において、Wを壁100に固定された梁101の非固定端102に垂直にかかる加重、Lを梁101の全長、eを中立軸から梁101の表面103までの最大距離、Iを断面二次モーメントとすると、梁101にかかる最大応力σは次式(1)で表すことができる。
σ=W・L・e/I・・・(1)
図3は、エキシマランプの側壁部に応力がかかる状態を示す図である。図3(a)は内側管がたわむ様子を示す図であり、図3(b)は図3(a)の点線部分Aを拡大した図である。
図3(a)に示すように、内側管13は、その全長が大きくなると下方向にたわむことにより、側壁部14b1に対して矢印Xの加重をかけ、側壁部14b2に対して矢印Xと同じ大きさで逆方向の矢印Yの加重をかけることになる。尚、点線で示した内側管13´は、たわんだ状態を誇張して表現している。
図3(b)を用いて説明すると、外側管12および側壁部14b1は、図2のモデルにおける壁100および梁101に相当するものである。そして、側壁部14b1の先端部141には、前述のように内側管13のたわみによる矢印Xの加重がかかっている。すなわち、エキシマランプの側壁部14b1にかかる応力は、図2に示す片持梁のモデルに近似していると考えることができる。したがって、エキシマランプの側壁部14b1にかかる最大応力σの値は、側壁部14b1の全長(放電容器11の端部Aにおける外側管12と内側管13の間隔D1)をL、内側管13のたわみによる矢印Xの加重をW、側壁部14b1の中立軸からのたわみ量をeとすると、上記式1によって近似的に求めることができる。
図3(a)に示すように、内側管13は、その全長が大きくなると下方向にたわむことにより、側壁部14b1に対して矢印Xの加重をかけ、側壁部14b2に対して矢印Xと同じ大きさで逆方向の矢印Yの加重をかけることになる。尚、点線で示した内側管13´は、たわんだ状態を誇張して表現している。
図3(b)を用いて説明すると、外側管12および側壁部14b1は、図2のモデルにおける壁100および梁101に相当するものである。そして、側壁部14b1の先端部141には、前述のように内側管13のたわみによる矢印Xの加重がかかっている。すなわち、エキシマランプの側壁部14b1にかかる応力は、図2に示す片持梁のモデルに近似していると考えることができる。したがって、エキシマランプの側壁部14b1にかかる最大応力σの値は、側壁部14b1の全長(放電容器11の端部Aにおける外側管12と内側管13の間隔D1)をL、内側管13のたわみによる矢印Xの加重をW、側壁部14b1の中立軸からのたわみ量をeとすると、上記式1によって近似的に求めることができる。
すなわち、放電容器11の端部Aにおける外側管12と内側管13の間隔D1を広くすると、側壁部14b1に加わる応力σは大きくなる。また、放電容器11の全長を長くした場合は、内側管13の全長が長くなるのに伴い側壁部14b1が受ける矢印Xの加重が大きくなるので、上記と同様側壁部14b1に加わる応力σが大きくなる。
以上のことから、放電ギャップを大きくするため外側管12と内側管13との間隔Lを広げたり放電容器11の全長を長くしたりすると、側壁部14b1にかかる応力が増大して、放電容器11の側壁部14b1は僅かな衝撃でも割れを生じるようになる。
尚、側壁部14b2には、矢印Xと同じ大きさの矢印Yの加重がかかっているので、方向は異なるが側壁部14b1にかかる応力と同じ大きさの応力がかかっていることになる。また、側壁部14aには、内側管13の中央部が最もたわむことから、側壁部14bと同様の応力がかかっているものと考えられる。
以上のことから、放電ギャップを大きくするため外側管12と内側管13との間隔Lを広げたり放電容器11の全長を長くしたりすると、側壁部14b1にかかる応力が増大して、放電容器11の側壁部14b1は僅かな衝撃でも割れを生じるようになる。
尚、側壁部14b2には、矢印Xと同じ大きさの矢印Yの加重がかかっているので、方向は異なるが側壁部14b1にかかる応力と同じ大きさの応力がかかっていることになる。また、側壁部14aには、内側管13の中央部が最もたわむことから、側壁部14bと同様の応力がかかっているものと考えられる。
本発明によれば、発光領域における外側管と内側管との間隔が比較的広い放電容器であっても、端部に狭小部が形成されて外側管と内側管との間隔が、ランプの発光領域、すなわち電極が設けられた任意点における外側管と内側管の間隔よりも狭くなっているので、狭小部が形成されないものに比較して側壁部に掛かる応力(σ)を小さくすることができるようになる。無論、全長が長い放電容器においても同様の作用により側壁部に掛かる応力(σ)を小さくすることができるようになる。
従って、外側管と内側管との間隔を広げたり放電容器の全長を長くしたりしても、側壁部に掛かる応力を確実に小さくすることができるので、放電容器端部が割れやすくなるという事態を回避することができるようになる。
従って、外側管と内側管との間隔を広げたり放電容器の全長を長くしたりしても、側壁部に掛かる応力を確実に小さくすることができるので、放電容器端部が割れやすくなるという事態を回避することができるようになる。
しかも、放電容器において外側管と内側管の間隔を狭くした部分には電極を設けていないので、放電容器の管軸方向で電力が集中する部分が形成されることがない。もし外側管と内側管の間隔を狭くした部分に電極を設けた場合、この部分は、石英ガラスが劣化し光透過率が低下することが考えられる。その結果、局所的な照度維持率の低下が生じ、ランプの使用寿命が短くなる。しかしながら、本発明の構造によると、このような局所的な照度維持率の低下を防止できるので、ランプの使用寿命が短くなるといった問題が生じることのないエキシマランプを提供できるようになる。
図4は、本発明の第二の実施形態を説明するエキシマランプの管軸方向断面図であり、放電容器に狭小部を形成する際に、内側管の壁面を外側管に近付けることで両者の間隔を狭くした例である。なお、先に図1で説明した構成については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
同図において、放電容器11には、その両端部に外側管12と内側管13との間隔が外端側に向かうに従って連続的に狭くなるよう形成された狭小部11a,11bが設けられており、外側管12と内側管13との間隔は、側壁部14a,14bの近傍が当該放電容器11の中央部よりも狭くなっている。このような狭小部11a,11bは、例えば、外側管12と内側管13とを接合する前段階において、内側管13の構成材料である石英ガラス管の両端部の管壁を加熱加工し、所要長さ管径を半径方向に拡大させることによって、設けることができる。
同図において、放電容器11には、その両端部に外側管12と内側管13との間隔が外端側に向かうに従って連続的に狭くなるよう形成された狭小部11a,11bが設けられており、外側管12と内側管13との間隔は、側壁部14a,14bの近傍が当該放電容器11の中央部よりも狭くなっている。このような狭小部11a,11bは、例えば、外側管12と内側管13とを接合する前段階において、内側管13の構成材料である石英ガラス管の両端部の管壁を加熱加工し、所要長さ管径を半径方向に拡大させることによって、設けることができる。
外側管12は略同一の管径および肉厚を有しており、係る同一管径の部分における外周面15上に一方の電極16が配設されている。
内側管13は狭小部11a,11bおよび側壁部14a,14bを除いては略同一の管径および肉厚を有しており、係る同一管径の部分における外周面17上に膜状の他方の電極18が配設されている。
内側管13は狭小部11a,11bおよび側壁部14a,14bを除いては略同一の管径および肉厚を有しており、係る同一管径の部分における外周面17上に膜状の他方の電極18が配設されている。
このような構成のエキシマランプによれば、側壁部に隣接する位置における外側管と内側管の間隔が、電極が設けられた任意点における外側管と内側管の間隔よりも狭くなっているので、上記第一の実施形態と同様、放電容器の側壁部に掛かる応力を小さくでき、多少の衝撃や振動で割れるといった問題を生じにくくなる。
更に、本実施形態によれば、内側管の管径を拡大させているので、内側管のたわみが小さいものが得られ、側壁部に掛かる応力をよりいっそう小さくすることができる。よって、破損に対して十分に高い耐性を有する放電容器が得られるようになる。この理由について以下の0024において説明する。
更に、本実施形態によれば、内側管の管径を拡大させているので、内側管のたわみが小さいものが得られ、側壁部に掛かる応力をよりいっそう小さくすることができる。よって、破損に対して十分に高い耐性を有する放電容器が得られるようになる。この理由について以下の0024において説明する。
側壁部に応力を生じさせる内管のたわみ(v)は、次の(2−1)式で表すことができる。
vmax=w・l4/384・E・I ・・(2−1)
なおvmax:最大たわみ量、w:荷重、l:長さ、E:ヤング率、I:断面二次モーメントである。
そして、d2:外側管の管径、d1:内側管の管径とすると、上記断面二次モーメント(I)は、下記の(2−2)式のようになる。
I=π×(d2 4−d1 4)/64 ・・(2−2)
vmax=w・l4/384・E・I ・・(2−1)
なおvmax:最大たわみ量、w:荷重、l:長さ、E:ヤング率、I:断面二次モーメントである。
そして、d2:外側管の管径、d1:内側管の管径とすると、上記断面二次モーメント(I)は、下記の(2−2)式のようになる。
I=π×(d2 4−d1 4)/64 ・・(2−2)
ここで、図1に示すような放電容器の端部における外側管の管径を小さくした構造のものと、図4に示すような放電容器の端部における内側管の管径を大きくした構造のものとを、放電容器の端部Aにおける外側管12と内側管13との間隔D1が等しいという条件のもとに、上記式(2−1)、(2−2)により内側管13の最大たわみ量Vmaxの値について比較検討したところ、図4に示す構造のものの方が内側管13最大たわみ量Vmaxの値が小さいことが判明した。
よって、放電容器の端部Aにおける外側管12と内側管13との間隔D1が等しいという条件のもとに外側管と内側管との間隔を狭める場合には、外側管の管径を小さくするよりも内側管の管径を大きくしたほうが、たわみを小さくできつまり、側壁部に掛かる応力を小さくできるので、破損に対してより高い効果が得られる。
よって、放電容器の端部Aにおける外側管12と内側管13との間隔D1が等しいという条件のもとに外側管と内側管との間隔を狭める場合には、外側管の管径を小さくするよりも内側管の管径を大きくしたほうが、たわみを小さくできつまり、側壁部に掛かる応力を小さくできるので、破損に対してより高い効果が得られる。
図5(a)、(b)は、他の実施形態を説明するエキシマランプの端部を拡大して示す管軸方向断面図である。なお同図において、先に図1、図4で説明した構成と同じ構成については同じ符号で示し、その説明を省略する。
先ず、図5(a)は、本発明の第三の実施形態を説明する図である。同図において、外側管12の端部近傍に、管壁が半径方向内方に屈曲した屈曲部12aが設けられ、外端部の管径が縮小されることにより、外側管12と内側管13との間隔が電極を配置した任意点における外側管と内側管との間隔より狭くなる狭小部11aが設けられている。この実施形態においては、狭小部11aは外側管12と内側管13の間隔が管軸方向で略一定とされており、管軸方向に所要長さ形成されている。なお、狭小部11aの外周面15,17には電極16,18が設けられておらず、当該個所においては放電が発生しない構造となっている。
本実施形態においても、側壁部に隣接する外側管と内側管の間隔が、電極を配置した任意点における外側管と内側管の間隔よりも狭くなるよう形成されているため、側管部に掛かる応力が小さくて、多少の衝撃や振動で放電容器が割れるような問題が生じにくくなる。
続いて、図5(b)は、本発明の第四の実施形態を説明する図である。内側管13の端部近傍に、管壁が半径方向外方に屈曲した屈曲部13aが設けられ、当該屈曲部13aと側壁部14aとの間において管径が拡大されることにより、外側管12と内側管13との間隔が電極16,18を配置した任意点における外側管12と内側管13の間隔に比較して狭くなる狭小部11aが設けられている。
この実施形態においても、側壁部に隣接する外側管と内側管との間隔が、電極を配置した任意点における外側管と内側管との間隔よりも狭くなるよう形成されているため、側管部に掛かる応力が小さく、多少の衝撃や振動で放電容器が割れるような問題が生じにくくなる。更に、本実施形態によれば、内側管の管径を拡大して外側管と内側管との間隔を狭くしているため、内側管のたわみを小さくする効果が大きく、よりいっそう側壁部に掛かる応力を小さくすることができる。よって破損に対して十分に高い耐性を有する放電容器が得られる。
以上の図5(a)、(b)においてはエキシマランプの一方の端部しか示さなかったが他方の端部も同様の構造とされている。これらのように、屈曲部を設けて外側管と内側管の間隔を段階的に狭小化させることも可能であり、更には屈曲部を一箇所のみならず複数個設けても良い。
以上、本発明の実施形態に係るエキシマランプについて、図1を参照して数値例を挙げると、放電容器11の全長は例えば700〜1600mmであり、狭小部11a、11bの軸方向長さは例えば10〜100mmである。なお、ランプの製造工程上、完成した放電容器11の側壁部14a、14bには内周側および外周側の縁部において、数ミリ程度湾曲した部分が形成されるが、側壁部14a、14bにおける応力を緩和するため、狭小部11a、11bはこの湾曲した部分を含めて軸方向に少なくとも10mm形成される。より好ましくは15mm以上、更に好ましくは20mm以上である。
電極16、18の軸方向長さは、例えば650〜1550mmである。
外側管12は、例えば、肉厚が1〜2mmであり、狭小部11a、11bを除く略円筒管部分の外径がφ25〜40mm、内径φ21〜38mmである。また、内側管13は、例えば、肉厚が1〜2mmであり、側壁部14a、14bを除いた略円筒管部分の外径がφ10〜20mm、内径がφ8〜16mmである。外側管12は、狭小部11a,11bにおいて、例えば、側壁部14a,14b近傍における外径が例えばφ14〜40mm、内径がφ12〜38mmであり、当該箇所においては外側管12と内側管13と間隔が他の部分よりも、1〜13mm狭くなるよう形成されている。
電極16、18の軸方向長さは、例えば650〜1550mmである。
外側管12は、例えば、肉厚が1〜2mmであり、狭小部11a、11bを除く略円筒管部分の外径がφ25〜40mm、内径φ21〜38mmである。また、内側管13は、例えば、肉厚が1〜2mmであり、側壁部14a、14bを除いた略円筒管部分の外径がφ10〜20mm、内径がφ8〜16mmである。外側管12は、狭小部11a,11bにおいて、例えば、側壁部14a,14b近傍における外径が例えばφ14〜40mm、内径がφ12〜38mmであり、当該箇所においては外側管12と内側管13と間隔が他の部分よりも、1〜13mm狭くなるよう形成されている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のエキシマランプは、上記の実施の形態に限定されず種々の変更を加えることが可能である。例えば、以上の実施形態では、外側管あるいは内側管のいずれか一方についてのみ、管径を縮小/拡大させて外側管と内側管との間隔を変化させたが、両方の管の径を同時に縮小/拡大させることにより放電容器に狭小部を設けてもよい。無論、その際、管の径を段階的に変化させても連続的に変化させてもよく、更には、放電容器の一方の端部と他方の端部とでその態様が異なっていてもよい。要は、側壁部に隣接する外側管と内側管との間隔が、放電容器において発光領域を形成する部位、すなわち、電極を配置している部位の任意点における外側管と内側管の間隔よりも狭くなるよう形成されていればよい。
10 エキシマランプ
11 放電容器
11a,11b 狭小部
12 外側管
23 内側管
12a,13a 屈曲部
14a,14b 側壁部
15 外周面
16 一方の電極
17 外周面
18 他方の電極
19 コード
S 放電空間
11 放電容器
11a,11b 狭小部
12 外側管
23 内側管
12a,13a 屈曲部
14a,14b 側壁部
15 外周面
16 一方の電極
17 外周面
18 他方の電極
19 コード
S 放電空間
Claims (3)
- 誘電体材料からなる外側管と内側管とを具備してなり、端部に側壁部が形成された二重管構造の放電容器と、
外側管と内側管との間に形成された放電空間内に充填された放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスと、
放電空間及び少なくとも一つの誘電体を介し、前記放電容器に沿って配置されてなる一方と他方の電極と、を備えてなるエキシマランプにおいて、
前記放電容器は、端部に電極が設けられない狭小部が形成され、側壁部に隣接する外側管と内側管との間隔が電極を配置した任意点における外側管と内側管との間隔よりも狭くなっていることを特徴とするエキシマランプ。 - 前記放電容器は、狭小部における外側管と内側管の間隔が外端側に向って連続的若しくは段階的に狭くなるよう形成されていることを特徴とする請求項1記載のエキシマランプ。
- 前記狭小部が、放電容器の両方の端部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のエキシマランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003388856A JP2005149999A (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | エキシマランプ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003388856A JP2005149999A (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | エキシマランプ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009181818A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Ushio Inc | エキシマランプ |
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-
2003
- 2003-11-19 JP JP2003388856A patent/JP2005149999A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102218599B1 (ko) | 2018-04-02 | 2021-02-22 | 우시오덴키 가부시키가이샤 | 오존 발생 장치, 공기 조화 장치, 및, 차량 |
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