JP2005147550A - 吸着式冷却装置を備えたヒートポンプ - Google Patents

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博行 垣内
Hidesato Yamamoto
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隆彦 武脇
Masanori Yamazaki
正典 山崎
Nobu Watanabe
展 渡邊
Kenji Watanabe
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Abstract

【課題】 COP(成績係数)を一層向上させることが出来る新たな構造のヒートポンプを提供する。
【解決手段】 ヒートポンプは、冷媒を昇圧する昇圧機(10)と、当該昇圧機で昇圧された冷媒を外気などの被加熱流体との熱交換により凝縮させる凝縮器(11)と、当該凝縮器で凝縮された冷媒を室内空気などの被冷却流体との熱交換により蒸発させる蒸発器(13)とを本体に備えている。そして、昇圧機(10)で昇圧された冷媒の熱を吸着材の再生熱源とし、凝縮器(11)で凝縮された冷媒を吸着質によって更に冷却する吸着式冷却装置(A)が付設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸着式冷却装置を備えたヒートポンプに関するものであり、詳しくは、吸着式冷却装置により冷媒の熱を有効利用し、COPを一層向上させることが出来るヒートポンプに関するものである。
周知の通り、ヒートポンプは、液体が気化するときには周囲の熱を奪い、逆に気体が凝縮して液化するときには熱を放出すると言う性質を利用し、冷却や加熱を行う装置である。ヒートポンプにおいては、一般的には冷媒の昇圧に電動昇圧機が用いられるが、ヒートポンプの性能は、成績係数(COP:Coefficient of performance)、すなわち、熱移動に要するエネルギー(昇圧機の動力エネルギー)に対する移動熱量で表され、省エネルギーの観点からは、COPのより高いヒートポンプが求められる。COPを高める最も簡便な方法は、凝縮器で冷媒の温度をより低下させることである。
凝縮器の冷却方法は乾式と湿式に大別される。湿式は、冷却効果が大きく、冷媒を外気温度(例えば35℃)より約5℃高い温度、すなわち、約40℃まで冷却でき、効果は優れているが、水を使用するため、 そのランニングコストの他、冷却塔の管理を含め、スケーリング防止などのメンテナンス費用が発生するなどの問題もある。一方、乾式は、メンテナンスも不要で簡便であるが、外気温度(例えば35℃)より約15℃高い温度、すなわち、約50℃までしか冷却できないと言う問題がある。河川近郊では、河川水を低温熱源としたヒートポンプも提案されているが、適応できる環境が必ずしも多いとは言えない。
COPを高めることを企図したヒートポンプとしては、昇圧機で昇圧された冷媒の熱を利用してデシカント冷却空調装置を動かすことにより、ヒートポンプの凝縮器へ供給される空気を冷却し、かつ、室内の空気を除湿する様になされたヒートポンプが提案されている。斯かるヒートポンプにおいて、COPを向上させる観点からすると、昇圧された冷媒の熱を利用すると言う思想は画期的である。しかしながら、昇圧した冷媒により熱交換器を介して空気を加熱し、その加熱された空気でデシカントロータの吸着材を再生するため、再生温度が低くなり、吸着材の除湿能力が十分得られず、結果として、デシカントロータが大きくなると言う問題が予見される。
特開2001―91080号公報
上記の様に、湿式の凝縮器を備えたヒートポンプはスケーリング防止などメンテナンスが煩雑であり、また、簡便な乾式の凝縮器を備えたヒートポンプは冷却効果が小さく、そして、デシカント冷却空調装置を備えたヒートポンプは装置が大きくなる等、それぞれに問題を抱えており、何れも総合的にCOPが優れているヒートポンプとは言えなかった。本発明の目的は、COPを一層向上させることが出来る新たな構造のヒートポンプを提供することにある。
本発明は、昇圧機、凝縮器および蒸発器から成るヒートポンプに吸着式冷却装置を組み合わせ、圧縮機で高温になった冷媒自身が持っている熱を吸着式冷却装置の吸着材の再生に使用し、蒸発器に供給される冷媒を吸着式冷却装置の吸着質によって直接冷却することにより凝縮温度よりも更に低くし、ヒートポンプのCOPを向上させる様にした。
すなわち、本発明の要旨は、冷媒を昇圧する昇圧機と、当該昇圧機で昇圧された冷媒を被加熱流体との熱交換により凝縮させる凝縮器と、当該凝縮器で凝縮された冷媒を被冷却流体との熱交換により蒸発させる蒸発器とを本体に備えたヒートポンプであって、前記昇圧機で昇圧された冷媒の熱を吸着材の再生熱源とし、前記凝縮器で凝縮された冷媒を吸着質によって更に冷却する吸着式冷却装置が付設されていることを特徴とするヒートポンプに存する。
本発明のヒートポンプによれば、吸着式冷却装置の蒸発器で更に冷却された低温の冷媒が本体側の蒸発器に入る様になされており、蒸発器での被冷却流体に対する冷却効率が高く、循環させる冷媒量が削減できるため、昇圧機に加わる負荷を低減でき、COPを一層向上させることが出来る。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るヒートポンプの概念を示すフロー図である。図2は、本発明に係るヒートポンプの構成例を示すフロー図である。また、図3及び図4は、本発明のヒートポンプにおける運転中の冷媒の流れと吸着質の流れを示すフロー図である。
本発明のヒートポンプは、昇圧機、凝縮器および蒸発器から成る基本的なヒートポンプの構造に吸着式冷却装置(吸着式ヒートポンプ)を組み合わせたものである。本発明のヒートポンプの本体の基本的な構造は、従来のものと同様であり、図1に示す様に、冷媒を昇圧する昇圧機(10)と、当該昇圧機で昇圧された冷媒の凝縮熱で被加熱流体を加熱する、すなわち、昇圧機で昇圧された冷媒を外気などの被加熱流体との熱交換により凝縮させる凝縮器(11)と、当該凝縮器で凝縮された冷媒の蒸発潜熱で被冷却流体を冷却する、すなわち、凝縮器で凝縮された冷媒を室内空気などの被冷却流体との熱交換により蒸発させる蒸発器(13)とから主に構成される。図中の符号(12)は、蒸発器(13)の上流側に付設された減圧弁(膨張弁)を示し、符号(31)、(32)、(33)、(34)及び(35)は、それぞれ冷媒流路を示す。
本発明の特徴は、図1に示す様に、昇圧機(10)で昇圧された冷媒の熱を吸着材の再生熱源とし、凝縮器(11)で凝縮された冷媒を吸着質によって更に冷却する吸着式冷却装置(A)が付設されている点にある。吸着式冷却装置(A)は、吸着質を吸着脱着する吸着器(40)と、当該吸着器で脱着された吸着質蒸気を凝縮液化する凝縮器(42)と、当該凝縮器で液化された吸着質を蒸発させてその蒸発潜熱で被冷却物(蒸発器(13)に供給される冷媒)を冷却する蒸発器(43)とから主として構成される。そして、本発明のヒートポンプにおいて、吸着式冷却装置(A)の上記の吸着器(40)は、昇圧機(10)と凝縮器(11)の間に配置されることにより、昇圧機(10)で昇圧された冷媒により吸着材を再生可能になされ、上記の蒸発器(43)は、凝縮器(11)と蒸発器(13)の間に配置されることにより、蒸発器(13)に供給される冷媒を更に冷却可能になされている。
なお、本発明において、ヒートポンプ本体を循環する冷媒、吸着式冷却装置(A)を循環する冷媒としては、クロロフルオロカーボン(CFC−11、CFC−12、CFC−113、CFC−114、CFC−115)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC−22、HCFC−123、HCFC−124、HCFC−141b、HCFC−142b、HCFC−225ca、HCFC−225cb)、ハイドロフルオロカーボン(HFC−23、HFC−32、HFC−125、HFC−134a、HFC−143a、HFC−152a、HFC−227ea、HFC−236fa、HFC−245ca)、フルオロカーボン(FC−14、FC−116、FC−218、FC−C318)、臭化メチル、アンモニア、二酸化炭素、水などが挙げられる。また。吸着式冷却装置(A)の吸着質としては、水、エタノール、アセトン等が挙げられる。
以下、図2〜図4を参照し、本発明のヒートポンプのより詳細な構成を説明する。本発明のヒートポンプにおいては、図2に示す様に、昇圧機(10)の下流側の冷媒流路(31)に三方弁(21)が接続され、昇圧機(10)で昇圧された冷媒が三方弁(21)を介して吸着式冷却装置(A)に取り込まれる様になされている。吸着式冷却装置(A)においては、吸着器(40)が少なくとも2基設けられており、昇圧された冷媒が三方弁(21)の下流側の冷媒流路(61)及び(62)を通り、例えば二つの吸着器(40a)及び(40b)に流れ、吸着器(40a)及び(40b)においては、冷媒による加熱により吸着材を再生する様になされている。
また、吸着器(40a)の冷媒出口には、三方弁(22)に至る冷媒流路(63)が接続され、吸着器(40b)の冷媒出口には、三方弁(22)に至る冷媒流路(64)が接続される。従って、吸着器(40a)及び(40b)で吸着材の再生熱源として使用された冷媒は、冷媒流路(63)及び(64)を通じ、三方弁(22)及びその下流側の冷媒流路(32)を介して凝縮器(11)に流れる様になされている。
凝縮器(11)においては、外気などの被加熱流体との熱交換により冷媒が冷却される様になされている。凝縮器(11)の下流側には、冷媒流路(33)を介して吸着式冷却装置(A)の蒸発器(43)が配置されており、凝縮器(11)で冷却された冷媒が冷媒流路(33)を介して吸着式冷却装置(A)の蒸発器(43)に流れ、蒸発器(43)内で蒸発する吸着質の蒸発潜熱により更に冷却される様になされている。
吸着式冷却装置(A)の蒸発器(43)の下流側には、冷媒流路(34)、減圧弁(12)及び冷媒流路(35)を順次に介して蒸発器(13)が配置されており、蒸発器(43)で冷却された冷媒が冷媒流路(34)を通り、減圧弁(12)で減圧され、冷媒流路(35)を通じて蒸発器(13)に供給される様になされている。蒸発器(13)においては、冷媒の蒸発潜熱により室内空気などの被冷却流体を冷却する様になされている。蒸発器(13)の下流側には、上記の昇圧機(10)に至る冷媒流路(36)が接続されており、蒸発器(13)で蒸発した冷媒が冷媒流路(36)を通り、昇圧機(10)に戻る様になされている。
すなわち、本発明のヒートポンプにおいては、昇圧機(10)、吸着式冷却装置(A)の吸着器(40)、凝縮器(11)、吸着式冷却装置(A)の蒸発器(43)、減圧弁(12)及び蒸発器(13)を冷媒が循環する一連のサイクルを繰り返す。従来のヒートポンプにおいては、冷媒が凝縮器で冷却されるだけなのに比べ、本発明のヒートポンプにおいては、吸着式冷却装置(A)の蒸発器(43)で更に冷媒が冷却されるため、昇圧機(10)に加わる負荷を低減でき、COPを一層向上させることが出来る。
次に、吸着式冷却装置(A)の構成、および、当該吸着式冷却装置における加熱冷却用冷媒の流れならびに蒸発器(43)において冷媒を冷却する吸着質の流れについて説明する。吸着式冷却装置(A)においては、前述の通り、吸着器(40a)及び(40b)での吸着材の再生にヒートポンプ本体側の冷媒が使用されるが、吸着質を冷却するための冷媒としても、ヒートポンプ本体側の冷媒を使用することが出来る。
具体的には、吸着式冷却装置(A)においては、ポンプ(44)の下流側に冷却器(45)が配置されており、ヒートポンプ本体側の冷媒がポンプ(44)から冷却器(45)に供給され、冷却器(45)において外気などの被加熱流体との熱交換で冷却される様になされている。冷却器(45)の下流側には、吸着式冷却装置(A)の凝縮器(42)に至る冷媒流路(68)が接続されており、冷却器(45)で冷却された冷媒の一部が冷媒流路(68)を介して凝縮器(42)に流れる様になされている。そして、凝縮器(42)においては、冷媒との熱交換により吸着質を冷却凝縮させる様になされている。そして、凝縮器(42)の下流側には、ポンプ(44)へ至る冷媒流路(69)が接続されており、凝縮器(42)で昇温した冷媒が冷媒流路(69)を介してポンプ(44)に再び戻る様になされている。
また、上記の冷却器(45)の下流側には、三方弁(52)に至る冷媒流路(67)が接続され、三方弁(52)の下流側には、前述の吸着器(40a)の入口へ至る冷媒流路(80)と、前述の吸着器(40b)の入口へ至る冷媒流路(81)が接続され、また、吸着器(40a)の出口側には、ポンプ(44)の上流側の三方弁(51)へ至る冷媒流路(65)が接続され、吸着器(40b)の出口側には、前記の三方弁(51)へ至る冷媒流路(66)が接続される。
すなわち、冷却器(45)で冷却された冷媒の他の一部が冷媒流路(67)から三方弁(52)に流れ、三方弁(52)から冷媒流路(80)、吸着器(40a)、冷媒流路(65)及び三方弁(51)を介して再び冷却器(45)に循環するか、または、三方弁(52)から冷媒流路(81)、吸着器(40b)、冷媒流路(66)及び三方弁(51)を介して再び冷却器(45)に循環する様になされている。その場合、三方弁(52)の切り替えにより二つの経路の何れかに冷媒が流れ、一方の経路に冷媒が流れている間は他方の経路に冷媒が流れることはない。
続いて、図3及び図4を参照し、運転中の冷媒の流れ(実線矢印)と吸着質の流れ(破線矢印)を更に具体的に説明する。図3に示す様に、本体流路から流入した冷媒は、三方弁(21)より冷媒流路(61)に流れ、吸着器(40a)を経て一部が冷媒流路(63)から三方弁(22)へと流れ、本体側の冷媒流路(32)へ戻る。一方、吸着式冷却装置(A)の冷却器(45)を流れた冷媒の一部は、三方弁(52)より冷媒流路(81)を経て、吸着器(40b)に流れ、吸着器(40b)を通過した冷媒の一部は、冷媒流路(66)を経てポンプ(44)の上流側の三方弁(51)へ流れる。
この際、吸着器(40a)は脱着過程にあり、吸着器(40a)の吸着材に吸着されていた吸着質は、蒸気の状態で吸着質流路(74)、三方弁(54)及び吸着質流路(76)を通り、凝縮器(42)に流れて当該凝縮器で冷却凝縮される。また、同時に、他方の吸着器(40b)は吸着過程にあり、蒸発器(43)において気化した吸着質は、蒸発器(43)から吸着質流路(71)、三方弁(53)及び吸着質流路(73)を通り、吸着器(40b)に流れ、吸着器(40b)の吸着材に吸着される。なお、凝縮器(42)で凝縮された吸着質は、液体の状態で吸着質流路(70)を通じて蒸発器(43)に再び供給される。
吸着式冷却装置(A)において、吸着器(40a)と吸着器(40b)は、ある一定時間ごとに切り替えて運転される。上記の場合は、吸着器(40a)が再生工程、吸着器(40b)が吸着工程であったが、切り替えた後の冷媒の流れ(実線矢印)及び吸着質の流れ(破線矢印)は図4に示す通りである。すなわち、吸着器(40a)と吸着器(40b)の運転を切り替えた場合、図4に示す様に、冷媒は、三方弁(21)から冷媒流路(62)を経て吸着器(40b)に流れ、吸着器(40b)を通過した冷媒は、冷媒流路(64)を経て三方弁(22)へ流れ、本体側の冷媒流路(32)へ戻る。一方、吸着式冷却装置(A)の冷却器(45)を流れた冷媒の一部は、三方弁(52)より冷媒流路(80)を経て、吸着器(40a)に流れ、吸着器(40a)を通過した冷媒の一部は、冷媒流路(65)を経てポンプ(44)の上流側の三方弁(51)へ流れる。
この際、吸着器(40b)は脱着過程にあり、吸着器(40b)の吸着材に吸着されていた吸着質は、蒸気の状態で吸着質流路(75)、三方弁(54)及び吸着質流路(76)を通り、凝縮器(42)に流れて当該凝縮器で冷却凝縮される。また、同時に、一方の吸着器(40a)は吸着過程にあり、蒸発器(43)において気化した吸着質は、蒸発器(43)から吸着質流路(71)、三方弁(53)及び吸着質流路(72)を通り、吸着器(40a)に流れ、吸着器(40a)の吸着材に吸着される。なお、凝縮器(42)で凝縮された吸着質は、液体の状態で吸着質流路(70)を通じて蒸発器(43)に再び供給される。
すなわち、吸着式冷却装置(A)において、吸着質は、吸着器(40a)又は(40b)の何れかの吸着操作により、蒸発器(43)において蒸発して吸着器(40a)又は(40b)に吸着され、吸着器(40a)又は(40b)の何れかの脱着操作により、吸着器(40a)又は(40b)から脱着されて凝縮器(42)に流れ、凝縮器(42)で冷却され且つ凝縮されて蒸発器(43)に戻る。そして、蒸発器(43)において蒸発する際、その蒸発潜熱により、冷媒流路(33)から冷媒流路(34)を流れる本体側の冷媒の温度を更に低下させる。
次に、図4を参照し、装置全体における冷媒の温度、ならびに、吸着式冷却装置(A)を駆動するのに適した吸着材の条件について説明する。冷媒は、圧縮機(10)で圧縮されて温度が90度程度まで上昇する。冷媒は、三方弁(21)、冷媒流路(62)を通って吸着器(40b)に入り、吸着材を加熱するが、吸着器(40b)から流出するときの冷媒の温度は、流量にもよるが、発明者等の研究によれば60〜70℃である。再生される吸着材の温度は60〜70℃になる。
吸着材を加熱した後の冷媒は、冷媒流路(64)、三方弁(22)を通り、凝縮器(11)に流れて当該凝縮器で例えば大気により冷却され、凝縮器(11)の出口付近では43℃まで冷却される。一般的に、空冷システムでは外気温より10℃程度高い温度までしか冷却されないため、冷房が必要となる夏場の外気温を33℃と想定すると、上記の出口付近では43℃となる。
冷媒は、冷媒流路(33)を通って吸着式冷却装置(A)の蒸発器(43)で更に冷却される。蒸発器(43)内の熱交換器の性能にもよるが、蒸発器(43)の入り口温度より15℃程度低い温度まで冷却されると、蒸発器(43)の出口温度では28℃となる。吸着式冷却装置(A)を具備しない従来のヒートポンプ(圧縮式冷凍機)の場合、蒸発器に43℃の冷媒が入るのに比べ、吸着式冷却装置(A)を具備した本発明のヒートポンプでは、15℃低い28℃の冷媒が蒸発器(13)に入るため、室内空気などの被冷却流体に対する冷却効率が高く、循環させる冷媒量が削減できるため、圧縮機(10)の動力が削減でき、COPを大きく向上させることが出来る。
また、吸着式冷却装置(A)における冷媒の温度について説明すると、冷却器(45)で冷媒が38℃に冷却されると、冷媒の一部は、凝縮器(42)に流れ、吸着質が凝縮するときに発生する凝縮熱で43℃程度まで上昇する。そして、高温の冷媒は、冷媒流路(69)及びポンプ(44)を通して冷却器(45)に戻り、再び38℃に冷却される。また、冷却器(45)で冷却された冷媒の他の一部は、三方弁(52)、冷媒流路(80)を通り、吸着器(40a)に入って吸着材を冷却する。このときも、吸着材が吸着質を吸着する際の吸着熱で温度が上昇するが、吸着器(40a)の出口では43℃程度まで上昇し、冷却器(45)に戻る。なお、上記の様な温度条件は、ある温度条件と熱交換器の組み合わせを想定した温度であり、本発明は、この条件のみに限定されるものではない。
上記の冷媒の温度に基づき、吸着材に求められる吸着特性を説明すると以下の通りである。吸着工程において、例えば吸着器(40a)の吸着材は38〜43℃に冷却され、蒸発器(43)から供給される28℃程度の水蒸気などの吸着質を吸着する。吸着工程における吸着材の相対湿度φ2は、以下の式(1)から求められ、吸着材温度(T2)を43℃、水だめ温度(蒸発器(43)内の水の温度)(T0)を28℃とすると、相対湿度φ2は43.7%となる。従って、吸着式冷却装置(A)に使用する吸着材としては、通常、43℃の水蒸気吸着等温線において相対水蒸気圧が43.7%の所で十分に吸着する吸着材が使用される。好ましくは、40℃の水蒸気吸着等温線において相対水蒸気圧50.0%で十分吸着する吸着材が使用され、更に好ましくは45.0%で十分吸着する吸着材、より一層好ましくは43%で十分吸着する吸着材が使用される。
Figure 2005147550
また、脱着工程において、例えば吸着器(40b)の吸着材は60〜70℃に加熱され、吸着質は凝縮器(42)において38〜43℃で凝縮される。脱着工程の相対湿度φ1も、上記のφ2と同様に、以下の式2から求められる。脱着工程においては、吸着材が60℃に加熱され、凝縮器(42)の温度が43℃の場合、相対水蒸気圧は43.4%となる。従って、吸着材としては、通常、相対水蒸気圧43.4%であまり吸着しない吸着材が使用される。好ましくは、60℃の水蒸気脱着等温線において相対蒸気圧28.0%であまり吸着しない吸着材が使用され、更に好ましくは35.0%であまり吸着しない吸着材、より一層好ましくは43%であまり吸着しない吸着材が使用される。
Figure 2005147550
相対湿度φ2で吸着する吸着量Q2と相対湿度φ1で吸着する吸着量Q1の差△Qは大きいほど好ましい。吸着量の差△Qは0.10g/g以上が好ましく、0.15g/g以上が更に好ましく、0.20g/g以上がより一層好ましい。吸着量の差△Qは大きいことが望まれるが、△Qが大きくなると吸着材にしめる細孔容積が多くなり、嵩密度が低下する。従って、吸着量の差△Qは1.00g/g以下が好ましい。
本発明においては、上記の特性を示すならば種々の吸着材を使用することができる。吸着材としては、例えば、シリカゲル、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、活性アルミナ等が利用でき、これらのうち、メソポーラスシリカ、活性炭が好ましい。因に、幾つかの吸着材に関し、上記の相対湿度φ2及び相対湿度φ1での各吸着量ならびに吸着量の差△Qについて確認した結果を以下の表に示す。表中、試料1〜5が好ましい吸着材であり、試料6及び7が不適当な吸着材である。なお、表中の吸着材「SBA−1」は、代表的なメソポーラスシリカである。「カイノール」は、群栄化学社の商品名であり、フェノール樹脂を原料とした活性炭素繊維から成る吸着材である。また、硝酸処理とは、活性炭素繊維の表面を硝酸で酸化処理したものを示す。
Figure 2005147550
本発明に係るヒートポンプの概念を示すフロー図である。 本発明に係るヒートポンプの構成例を示すフロー図である。 本発明のヒートポンプにおける運転中の冷媒の流れと吸着質の流れを示すフロー図である。 本発明のヒートポンプにおける運転中の冷媒の流れと吸着質の流れを示すフロー図である。
符号の説明
10:昇圧機
11:凝縮器
12:減圧弁(膨張弁)
13:蒸発器
40:吸着器
42:凝縮器
43:蒸発器
44:ポンプ
45:冷却器

Claims (2)

  1. 冷媒を昇圧する昇圧機と、当該昇圧機で昇圧された冷媒を被加熱流体との熱交換により凝縮させる凝縮器と、当該凝縮器で凝縮された冷媒を被冷却流体との熱交換により蒸発させる蒸発器とを本体に備えたヒートポンプであって、前記昇圧機で昇圧された冷媒の熱を吸着材の再生熱源とし、前記凝縮器で凝縮された冷媒を吸着質によって更に冷却する吸着式冷却装置が付設されていることを特徴とするヒートポンプ。
  2. 吸着式冷却装置は、吸着質を吸着脱着する吸着器と、当該吸着器で脱着された吸着質蒸気を液化する凝縮器と、当該凝縮器で液化された吸着質を蒸発させる蒸発器とを備え、かつ、前記吸着式冷却装置の吸着器は、本体の昇圧機と凝縮器の間に配置されることにより、前記本体の昇圧機で昇圧された冷媒により吸着材を再生可能になされ、前記吸着式冷却装置の蒸発器は、前記本体の凝縮器と蒸発器の間に配置されることにより、前記本体の蒸発器に供給される冷媒を冷却可能になされている請求項1に記載のヒートポンプ。
JP2003386679A 2003-11-17 2003-11-17 吸着式冷却装置を備えたヒートポンプ Withdrawn JP2005147550A (ja)

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JP2003386679A JP2005147550A (ja) 2003-11-17 2003-11-17 吸着式冷却装置を備えたヒートポンプ

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2775236A1 (en) 2013-03-07 2014-09-10 Indesit Company Beyaz Esya San.Ve Tic A.S. Adsorption cycle system for household type refrigerators
US9328931B2 (en) 2011-02-11 2016-05-03 Esg Pool Ventilation Ltd Heating and/or cooling system for maintaining an environment at a desired temperature
JP2019504276A (ja) * 2015-12-18 2019-02-14 ブライ・エアー・アジア・ピーヴイティー・リミテッド ハイブリッド蒸気圧縮−吸着サイクルを有する装置およびその実施方法

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