JP2005145928A - 3−キノリン−2(1h)−イリデンインドリン−2−オン誘導体を有効成分とする医薬組成物 - Google Patents

3−キノリン−2(1h)−イリデンインドリン−2−オン誘導体を有効成分とする医薬組成物 Download PDF

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Kiyotomo Mitsumizu
清寛 三水
Hiroyuki Kudo
弘幸 久道
Akira Matsuhisa
彰 松久
Isao Kinoyama
功 木野山
Masahiko Hayakawa
昌彦 早川
Nobuaki Taniguchi
伸明 谷口
Yukitaka Deyama
行孝 出山
Sadao Kuromitsu
貞夫 黒光
Kiyoshi Yahiro
清 八尋
Minoru Okada
岡田  稔
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Abstract

【課題】 医薬、殊に血管新生の関与する固形癌や糖尿病性網膜症などの疾患の治療剤の提供。
【解決手段】 キノリン環の2位とインドリノン環の3位が直接結合し、二重結合が異性化した、3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン誘導体を有効成分として含有する本発明医薬組成物は、良好なVEGF阻害作用、血管新生阻害作用並びに抗腫瘍作用を有しており、好適なVEGF阻害剤、血管新生阻害剤並びに抗癌剤である。従って、癌、特に固形癌、血管腫などの腫瘍の増殖抑制に、慢性関節リューマチ、乾癬、強皮症、癌性腹水・胸水貯留などの疾病の予防・治療に、また、糖尿病性網膜症等の網膜疾患や血管新生緑内障などの眼疾患の予防・治療に有用である。
【選択図】 無し

Description

本発明は、血管新生の関与する癌や糖尿病性網膜症などの疾患の治療薬として有用な血管内皮細胞増殖因子(VEGF:Vascular Endothelial Growth Factor)阻害剤、血管新生阻害剤並びに抗癌剤の医薬組成物に関する。
幾つかの疾病では、その症状や病因と密接に関連した病的血管新生を伴うことが知られている。中でも代表的な疾病は癌、特に固形癌で、癌組織が直径1〜2mmを越えて増殖するためには、既存血管から新生血管が延びて癌組織まで到達することが必要であり(J. Natl. Cancer Inst., 82, 4 (1990))、また血管が癌組織に到達すると癌組織の増殖が爆発的に加速される。また、糖尿病性網膜症では網膜に病的血管新生を伴い、それが原因でしばしば失明することがある。更に慢性関節リューマチ、乾癬、血管腫、強皮症、血管新生緑内障などの疾病においても病的血管新生を伴い、それが主な症状の一つとなっている(N. Engl. J. Med., 320, 1211 (1989))。従って血管新生を阻害する物質は固形癌や前述の疾病の治療に利用できる可能性がある。
血管内皮細胞は血管の最も内側の層を形成している細胞である。血管新生は血管内皮細胞が成長因子や生理活性物質または物理的損傷などの刺激を受けて、増殖することによって行われる。直接または間接的に血管内皮細胞の増殖を刺激する成長因子はいくつか知られているが、血管内皮細胞に極めて特異的に作用する点で他の成長因子と区別される因子として、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が知られている。即ち、VEGFのレセプターは、血管内皮細胞以外ではごく限られた細胞でしか発現しておらず、血管内皮選択的であることが報告されている(J. Clin. Invest., 89, 244-253 (1992))。
VEGFと癌との関係を示唆する以下のような報告がある。多くの癌細胞はVEGFを分泌する(Biochem. Biophys. Res. Commun., 194, 1234 (1993))。癌組織切片を抗VEGF抗体で染色すると癌組織およびその周辺の新生血管が強く染色される(J. Exp. Med., 174, 1275(1991)、Cancer Res., 53, 4727 (1993))。VEGFレセプターの一つが遺伝的に不活化されたマウスでは移植された癌の増殖が抑制される(Nature, 367, 576 (1994))。抗VEGF中和抗体が担癌マウスに対して抗腫瘍活性を示す(Nature, 362, 841 (1993)、Biochem. Biophys. Res. Commun., 194, 1234 (1993))。以上の事実から、癌細胞が分泌するVEGFは腫瘍血管新生に中心的な役割を果たすと考えられる。また、VEGFは血管透過性の亢進にも関与していることが知られており、癌性腹水・胸水貯留を引き起こす要因のひとつと考えられている。
VEGFのレセプターは、ヒトではFlt-1とKDR/Flk-1の2種類が知られている(FASEB J., 13, 9-22 (1999))。これら2種類の遺伝子破壊の結果からFlt-1は内皮細胞の正常な分化や形態形成に、Flk-1は内皮細胞の形成と増殖に関わっていることが示されている(Nature, 376, 66-70 (1995)、Nature, 376, 62-66 (1995))、日本薬理学雑誌, 107, 119-131 (1996))。VEGFはFlk-1レセプターに結合し、チロシンキナーゼを介するシグナル伝達機構を経て、血管内皮細胞の増殖を促進すると考えられている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 9026-9030 (1991))。さらにin vitroにおいてVEGFは内皮細胞に対して直接的な血管新生誘導活性を有していることが示されている (J. Cell. Physiol, 149, 50-59 (1991))。
従って、VEGFとVEGFレセプター(殊にFlk-1)の結合を阻害あるいはVEGFシグナル伝達を阻害する、VEGF阻害剤は血管新生や癌性腹水等を抑制し、癌、特に固形癌の治療に有用であることが期待されている。
VEGF阻害薬としては、従来、抗VEGFヒトモノクローナル抗体(特開平9-316099号公報)やいくつかのポリペプチド(特開平9-255700、同9-154588号公報)が報告されていた。最近になって、下式で示されるSU6668(例えば、非特許文献1参照)やPTK787/ZK222584(例えば、非特許文献2参照)などのVEGF阻害作用を示す経口投与可能な低分子化合物が報告されている。
Figure 2005145928
また、チロシンキナーゼ阻害剤並びに血管新生阻害剤として有用な化合物として、キナゾリン置換オキシインドール誘導体(例えば、特許文献1及び2参照)、或いはピロロトリアジン置換インドリン-2-オン誘導体(特許文献3参照)の開示がある。しかし、具体的な薬理データの開示は無い。
一方、3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン誘導体としては、3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン(以下化合物Aと略記する)の合成方法の報告がある(例えば、非特許文献3、4及び5参照)。しかし、その医薬用途については何等開示がない。
「キャンサーリサーチ(Cancer Research)」、2000年、第60巻、p.4152-4160 「キャンサーリサーチ(Cancer Research)」、2000年、第60巻、p.2178-2189 「アナリ ジ ケミカ(ローマ)(Annali di Chimica (Rome))」、1967年、第57巻、6号、p.688-97 「ケミカル アンド ファーマシューティカル ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」、1970年、第18巻、9号、p.1822-30 「ケミカル アンド ファーマシューティカル ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」、1971年、第19巻、8号、p.1669-80 国際公開97/42187号パンフレット 国際公開99/10349号パンフレット 国際公開00/71129号パンフレット
血管新生の関与する癌、特に固形癌や糖尿病性網膜症などの疾患の治療薬として有用な血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤、殊に経口投与可能な薬剤の創製が今なお切望されている。
本発明者等は、VEGF阻害作用に基づき血管新生を阻害する化合物につき、鋭意研究した結果、キノリン環の2位とインドリノン環の3位が直接結合し、二重結合が異性化した、3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン誘導体が、良好なVEGF阻害作用を有し、VEGFの関与する血管新生を伴う疾患の予防若しくは治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。キノリン環の2位とインドリノン環の3位が直接結合し、二重結合が異性化した化合物としては、前記化合物Aが知られるのみであり、その医薬用途については従来全く報告されていない。当該骨格を有する化合物が、良好なVEGF阻害作用を有し、癌治療薬として有用であることは本発明者等によって見出された新知見である。
即ち、本発明は、下記一般式(I)で示される新規な3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン誘導体又はその塩を有効成分として含有する医薬組成物、殊にVEGF阻害剤、血管新生阻害剤並びに抗癌剤に関する。
Figure 2005145928
(式中の記号は以下の意味を示す。
A、B、E、G及びJ:同一又は異なって、N原子又はC原子、
1及びR2:同一又は異なって、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、Ra、X−(ORbで置換されていてもよいC1-8アルキレン)−Ra、X−C1-8アルケニレン−Ra又はX−C1-8アルキニレン−Ra、但し、R1及びR2はそれぞれ環窒素原子に置換することはない、
X:O、CO、COO、OCO、S、SO、SO2、NRb、NRbSO2、SO2NRb、CONRb、NRbCO、NRbCONRc、NRbCOO、OCONRb又は結合、
a:ハロゲノ低級アルキル、ハロゲン、NO2、CN、ORb、O−低級アルキレン−NRbc、COORb、CORb、CONRbc、NRbc、NRd−低級アルキレン−NRbc、NRd−低級アルキレン−ORb、N(低級アルキレン−NRbc2、NRcCORb、NRdCONRbc、SRb、SO低級アルキル、SO2低級アルキル、SO2RIN、SO2−低級アルキレン−RIN、RIN、SO2NRbc、NRcSO2b、NRcCOORb、OCO−NRbc、OCO−Rb、NRd−低級アルキレン−COORb、N(低級アルキレン−COORb2、CONRb−ORc、CONRd−低級アルキレン−COORb、CON(低級アルキレン−COORb2、CRd=N−O−Rc、CRd=N−O−低級アルキレン−COORb又はCRd=N−O−低級アルキレン−NRbc
b、Rc及びRd:同一又は異なって、H、低級アルキル、低級アルキレン−RIN又はRIN、
RIN:置換基を有していてもよい飽和複素環、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール、
n及びm:同一又は異なって、0又は1〜4の整数。以下同様。)
本発明医薬組成物は、VEGF阻害作用を有し、VEGFが関与する疾患や病態の治療・改善に有用である。特にVEGFに起因する血管新生の抑制剤として、癌、特に固形癌、血管腫などの腫瘍の増殖抑制に、慢性関節リューマチ、乾癬、強皮症などの疾病の予防・治療に、また、糖尿病性網膜症等の網膜疾患や血管新生緑内障などの眼疾患の予防・治療に有用である。
前記実施例に示す様に、本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)は、VEGFのチロシンキナーゼを介するシグナル伝達を良好に阻害し、VEGF刺激による血管内皮細胞増殖に対し良好な抑制活性を有していた。また、化合物(I)は、VEGF依存的なin vitro血管新生を抑制した。よって、本発明医薬組成物はVEGFによる血管内皮細胞の増殖および血管新生を抑制することが明らかとなった。
本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)は、COLO205(ヒト大腸癌)担癌ヌードマウスを用いた癌増殖抑制試験において、経口投与時、コントロールに対して有意差をもって癌増殖を抑制することが確認されており、VEGF誘導性血管新生を阻害する作用を介して癌の増殖を抑制していることが示唆された。よって、本発明医薬組成物は経口投与可能な血管新生阻害剤並びに抗癌剤として有用である。
また、本発明医薬組成物は、VEGFに起因する血管透過性の亢進を抑制し、癌性腹水・胸水貯留の改善剤としても有用である。
本発明の医薬組成物をさらに説明する。
本明細書中、「低級」なる語は、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖を意味する。ここに、「低級アルキル」としては、好ましくは炭素数1乃至4個のアルキル基であり、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びイソブチル基である。「低級アルケニル」としては、好ましくは、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル及び3−ブテニル基である。「低級アルキニル」としては、好ましくは、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル及び1−メチル−2−プロピニル基である。また、「低級アルキレン」としては、好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン及び2、2−ジメチルトリメチレン基である。「C1-8アルキレン」、「C1-8アルケニレン」及び「C1-8アルキニレン」としては、炭素数1〜8個の直鎖状又は分枝状のアルキレン、アルケニレン及びアルキニレンを意味する。
「シクロアルキル」としては、好ましくは炭素数3〜8個のシクロアルキル基であり、特に好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基である。「アリール」としては、芳香族炭化水素環基を意味し、炭素数6乃至14個のアリール基が好ましく、部分的に飽和されていてもよい。好ましくはフェニル及びナフチル基である。「ヘテロアリール」としては、O、S及びNから選択されるヘテロ原子を1乃至4個含有する5乃至6員の単環若しくはベンゼン環と縮合したヘテロアリール基であり、部分的に飽和されていてもよい。好ましくは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラザニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロオキサゾリル、5,6-ジヒドロ-4H-オキサジニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、インドリニル、イソインドリニル基等が挙げられる。
「ハロゲン」としては、F、Cl、Br及びI原子が挙げられる。「ハロゲノ低級アルキル」としては、前記ハロゲンが1以上置換した前記低級アルキル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。
「飽和複素環」としては、環原子としてN、O若しくはS原子を1個乃至4個含有する、3乃至8員、好ましくは5乃至7員飽和複素環基であり、架橋を有していてもよく、もう一つの飽和複素環もしくはシクロアルキルとスピロ環を形成していてもよい(オキソ基より誘導される1,3-ジオキソラン環等のアセタール体を含む)、好ましくは、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、キヌクリジニル、オキシラニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、テトラヒドロ-2H-チオピラニル、ジオキソラニル、オキセタニル、ペルヒドロチアジニル、テトラヒドロチエニル及びテトラヒドロフラニル基であり、特に好ましくは、ピペラジニル、ピペリジル、モルホリニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル及びオキセタニル基である。
前記「ヘテロアリール」及び「飽和複素環」において、環原子である任意のC原子がオキソ基で置換されていてもよく、S又はN原子が酸化されオキシドやジオキシドを形成してもよい。
「置換基を有していてもよい飽和複素環」、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有していてもよいアリール」及び「置換基を有していてもよいヘテロアリール」における置換基としては、好ましくは、以下のG1及びG2群の基である。より好ましくは、G2群の基、更に好ましくはG3群の基、特に好ましくはG4群の基である。なお、Re、Rf及びRgはH又は低級アルキルを示す。
G1群:低級アルケニル;低級アルキニル;ハロゲノ低級アルキル;NO2;NReCORf;NReCONRfg;SRe;SO低級アルキル;SO2低級アルキル;及び低級アルキル、ハロゲン、ORe、NRef、COORe、CORe、CONRef及びオキソ基からなる群から選択される基で置換されていてもよいアリール。
G2群:ORe、NRef、COORe、CORe、CONRef、シクロアルキル、ヘテロアリール及び(低級アルキルで置換されていてもよい飽和複素環)からなる群から選択される基で置換されていてもよい低級アルキル;ハロゲン;ORe;NRef;COORe;CORe;CONRef;オキソ;CN;低級アルキル、ハロゲン、ORe、NRef、COORe、CORe、CONRef及びオキソ基からなる群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環;シクロアルキル;及び低級アルキル、ハロゲン、ORe、NRef、COORe、CORe、CONRef及びオキソ基からなる群から選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール。
G3群:ORe、NRef、COORe、CORe、CONRef、ヘテロアリール及び(低級アルキルで置換されていてもよい飽和複素環)からなる群から選択される基で置換されていてもよい低級アルキル;ハロゲン;ORe;NRef;COORe;CORe;CONRef;低級アルキル基で置換されていてもよい飽和複素環;シクロアルキル;及びヘテロアリール。
G4群:COORe又はCOReで置換されていてもよい低級アルキル及びシクロアルキル。
本発明において、m又はnが2〜4の整数のとき、R1又はR2は複数存在するが、それぞれのR1又はR2は同一であっても異なっていてもよい。R1はキノリン環の3〜8位のいずれに置換していてもよい。キノリン環の5又は6位にR1が置換した化合物、及び、インドリノン環の5又は6位にR2が置換した化合物がより好ましい。
本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)中、好ましい化合物としては、以下のものが挙げられる。
(1)A、B及びEが、(i)AとBがN原子、且つEがC原子、(ii)A又はEの一方がN原子で他方がC原子、且つBがC原子又は(iii)A、B及びEが共にC原子であり;且つ、G及びJが共にC原子又はいずれか一方がN原子で他方がC原子である化合物、
(2)A、B、E、G及びJが共にC原子である化合物、
(3)R1及びR2が、同一又は異なって、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、Ra、X−(OHで置換されていてもよいC1-8アルキレン)−Ra、X−C1-8アルケニレン−Ra又はX−C1-8アルキニレン−Ra;Raが、ハロゲノ低級アルキル、ハロゲン、NO2、CN、ORb、O−低級アルキレン−NRbc、COORb、CORb、CONRbc、NRbc、NRd−低級アルキレン−NRbc、NRd−低級アルキレン−ORb、N(低級アルキレン−NRbc2、NRcCORb、NRdCONRbc、SRb、SO低級アルキル、SO2低級アルキル、RIN、SO2NRbc、NRcSO2b、NRcCOORb又はOCO−NRbc;且つ、Rb、Rc及びRdが、同一又は異なって、H、低級アルキル基又はRINである化合物、
(4)Xが、O、CO、COO、S、NRb、CONRb、NRbCO、NRbSO2、NRbCONRc又は結合である化合物、
(5)mが0、1又は2;R2が、低級アルキル、Ra2、X2−C1-8アルキレン−Ra2;X2が、O、CO、COO、NRb、CONRb又は結合;Ra2が、ハロゲノ低級アルキル、ハロゲン、NO2、CN、ORb、COORb、CORb、CONRbc、NRbc、NRcCORb、SO2低級アルキル、RIN、SO2NRbc、OCO−Rb、CONRb−ORc、CRd=N−ORc、又はCRd=N−O−低級アルキレン−NRbcであり;且つ、nが0、1又は2;R1が、低級アルキル、Ra1、X1−(ORbで置換されていてもよいC1-8アルキレン)−Ra1;X1が、O、CONRb、NRbCO、NRbCONRc又は結合;Ra1が、ハロゲン、NO2、CN、ORb、COORb、CORb、CONRbc、NRbc、NRd−低級アルキレン−NRbc、NRd−低級アルキレン−ORb、NRdCONRbc、RIN、OCO−Rb、NRd−低級アルキレン−COORb、又はCONRb−ORcである化合物、
(6)mが0、1又は2で、R2がハロゲン、低級アルキル、CO2e、CRg=N−O低級アルキレン−(G2群から選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール)又はCRe=N−ORfであり;且つ、nが0,1又は2で、R1がハロゲン、低級アルキル、CN、O−C1-8アルキレン−(G2群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−(G2群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−NRe−(G2群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−NRe−低級アルキレン−(G2群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、CO−(G2群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−COORe、C1-8アルキレン−NRef、C1-8アルキレン−シクロアルキル、C1-8アルキレン−ヘテロアリール、O−C1-8アルキレン−COORe、O−C1-8アルキレン−NRef、O−C1-8アルキレン−シクロアルキル、又は、O−C1-8アルキレン−ヘテロアリールである化合物、
(7)nが1で、R1が、O−C1-8アルキレン−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−NRe−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−NRe−低級アルキレン−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、CO−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−COORe、C1-8アルキレン−NRef、又は、O−C1-8アルキレン−COORe及びO−C1-8アルキレン−NRefである化合物、
(8)mが0,1又は2で、R2がハロゲン、低級アルキル又はCO2e、且つ、nが1で、R1が、C1-8アルキレン−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−NRe−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)又はC1-8アルキレン−NRefである化合物、
(9)mが1で、R2がCRg=N−O低級アルキレン−(G3群から選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール)又はCRe=N−ORfであり、且つnが0又は1で、R1がC1-8アルキレン−(G3群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−NRe−(G3群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)、C1-8アルキレン−COORe又はC1-8アルキレン−NRefである化合物、
(10)mが1で、R2がCRg=N−O低級アルキレン−ヘテロアリール又はCRe=N−O低級アルキルでり、且つnが1で、R1がC1-8アルキレン−(G4群から選択される基で置換されていてもよい飽和複素環)である化合物、
(11)以下に列記する化合物及びその塩。
3-[6-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン、3-(6-{[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]メチル}キノリン-2(1H)-イリデン)インドリン-2-オン、3-{6-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン}インドリン-2-オン、3-{6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン}インドリン-2-オン、3-{6-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン}インドリン-2-オン、3-{6-[(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン}インドリン-2-オン、及び3-[6-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン、3-[6-[(4-イソブチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン、3-[6-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル]キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン、メチル 3-[6-{3-[4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)ピペリジン-1-イル]プロピル}キノリン-2(1H)-イリデン]-5-メチル-2-オキソインドリン-6-カルボキシラート、メチル 3-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}プロパノアート、3-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}プロパン酸、エチル 4-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}ブタノアート、3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム、3-[6-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム、3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(チアゾール-4-イルメチル)オキシム、及び3-[6-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(チアゾール-4-イルメチル)オキシム。
本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)は、キノリン環1位の窒素原子〜インドリノン環1位の窒素原子に連なる共役系において理論的に可能な複数の互変異性体あるいは立体異性体を有しており、本発明にはこれらの異性体を分離したもの、あるいは混合物が包含される。
本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)は置換基の種類によっては、更に幾何異性体や互変異性体が存在する場合があるが、本発明にはこれらの異性体を分離したもの、あるいは混合物が包含される。更に化合物(I)は、不斉炭素原子を有する場合があり、不斉炭素原子に基づく異性体が存在しうる。本発明はこれら光学異性体の混合物や単離されたものを包含する。
また、化合物(I)は、塩を形成する場合がある。製薬学的に許容される塩であれば、特に制限はないが、酸付加塩としては、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられ、塩基との塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を含む無機塩基、あるいはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)は、化合物(I)及びその塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
また、本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)には、薬理学的に許容されるプロドラッグも含まれる。薬理学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で本発明のNH2、NH、OH、CO2H等に変換される基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。例えば、OHに変換される基としては、OCO-置換基を有していてもよい低級アルキレン-COOR(RはH又は低級アルキルを示す、以下同様)、OCO-置換基を有していてもよい低級アルケニレン-COOR、OCO-置換基を有していてもよいアリール、OCO-低級アルキレン-O-低級アルキレン-COOR、OCO-COR、OCO-置換基を有していてもよい低級アルキル、OSO2-置換基を有していてもよい低級アルキレン-COOR、O-フタリジル、5-メチル-1,3-ジオキソレン-2-オン-4-イル-メチルオキシ等が、CO2Hに変換される基としては、OCHR-O-CO低級アルキル、OCHRO-CO-O低級アルキル、5-メチル-1,3-ジオキソレン-2-オン-4-イル-メチルオキシ等が、また、NH2及びNHに変換される基としては、NHCO-OCH2-OCO-低級アルキル、NCONH-低級アルキル、2-テトラヒドロフルフリルアミノ、1-ピロリジルメチルアミノ、NCH2OCO-低級アルキル、5-メチル-1,3-ジオキソレン-2-オン-4-イル-メチルオキシカルボニルアミノ等が好適である。
(製造法)
本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)は文献記載の方法、例えば、Chem. Pharm. Bull., 18(9), 1822-30 (1970)、J. Am. Chem. Soc., 122(7), 1360-70 (2000)等に記載された方法と同様の方法を用いて、あるいは当業者に公知の方法を適用して容易に製造することができる。
なお、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
以下に代表的な製造方法を説明する。
Figure 2005145928

(式中、R3は、ジエトキシメチル、p-トルエンスルホニル、トリメチルシリルエチルスルホニル等の保護基を、Lは、ハロゲン、スルホネート等の当該反応に適用可能な脱離基を示す。以下同様。)
第1製法
化合物(I)は、常法により、キノリン N−オキシド化合物(II)にインドリノン類(V)を反応させることにより製造できる。反応は、例えば、Ann. Chim.(Rome), 57(6), 188-97 (1967)、Khim. Geterotsikl. Soedin., 10, 1371-3 (1970)、Chem. Pharm. Bull., 18(9), 1822-30 (1970)、及びChem. Pharm. Bull., 19(8), 1669-80 (1971)記載の方法を適宜適用して行うことができ、反応に不活性な溶媒(例えばクロロホルム、アセトニトリル等)中、反応対応量の化合物(II)及び(V)又はいずれか一方を過剰量用い、活性化剤として適当なアシル化剤(塩化ベンゾイル、無水酢酸等)、スルホニル化剤(塩化p-トルエンスルホニル等)、アルキル化剤(ヨウ化メタン等)或いはシリル化剤(クロロトリメチルシラン等)を使用して常温乃至加温下好ましくは溶媒の還流温度下にて行うのが有利である。無水酢酸を用いる場合は溶媒として用いるのが有利であり、常温乃至加温下にて行うことが好ましい。
第2製法
第1工程において、J. Am. Chem. Soc., 122(7), 1360-70 (2000)等に記載された方法に準じて、反応に不活性な溶媒(例えばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)等)中、反応対応量の化合物(IV)及び(VI)又はいずれか一方を過剰量用い、常温乃至加温下で、塩基(例えばナトリウム tert-ブトキシド等)存在下、パラジウム錯体(例えば酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジベンジリデンアセトン二パラジウム等)で処理することより化合物(III)を製造することができる。必要に応じパラジウム錯体のリガンド(例えばBINAP、DPPF、Xantphos等)を添加すると反応が有利に進む場合もある。
次に、第2工程において、WO97/42187号公報等に記載された方法に沿って化合物(III)を塩酸等の酸存在下、或いは、Tetrahedron, 56(7), 979-988(2000)等に記載された方法に沿って還元剤(例えばトリブチルチンヒドリド等)存在下、脱保護することにより化合物(I)を製造できる。
第3製法
Figure 2005145928
(式中、halはハロゲンを、R4は低級アルキルを示す。以下同様)
第1工程は、公知の反応条件(例えば、J. Med. Chem., 42, 5120-5130 (1999)等)に準じて容易に行うことができる。反応に不活性な溶媒(例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、THF等)中、反応対応量の化合物(VIII)及び(IX)又はいずれか一方を過剰量用い、常温乃至加温下で、塩基(例えば水素化ナトリウム(NaH)、ナトリウム tert-ブトキシド等)又は酸(例えば酢酸)存在下、反応させることにより化合物(X)を製造することができる。次に、第2工程において、化合物(X)のニトロ基を常法の還元反応、例えばJ. Med. Chem., 42, 5120-5130(1999)等記載の方法に準じて還元することにより化合物(I)を製造できる。必要に応じ、加温あるいは加圧すると反応が有利に進む場合もある。この間、化合物(X)において常法の条件を適応して置換基変換をすることも可能である。例えば、R2がハロゲン等に代表される脱離基の場合、イプソ置換反応によりアミン誘導体へと置換することができ、また、R1, R2がアルデヒド、ケトン等の場合、縮合反応等によりオキシム化合物等に変換することができる。
その他の製造法
化合物(I)は上記製法の他、種々の公知の置換基の修飾反応により製造する事ができる。例えば、B. M. Trost編:COMPREHENSIVE ORGANIC SYNTHESIS (Pergamon Press)(1991), R. C. Larock著:COMPREHENSIVE ORGANIC TRANSFORMATIONS (VCH Publishers)(1989), J. March 著:ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY (John WILEY & SON)(1992)或いは日本化学会編「実験化学講座」第4版(丸善)等の文献又はその引用文献記載の条件を参考にして容易に製造することができる。以下に主な製造法を記載する。
アミノアルキル基を含む置換基を有する化合物は、(1)ハロゲン置換アルキル基、或いは、エポキシドを有する化合物より、常法のアミノ化反応により、(2)アルデヒド、若しくは、ケトンを有する化合物より、常法の還元的アミノ化反応(例えば、Tetrahedron Lett., 31, 5595-5598 (1990)等を参考可能)により、(3)保護されたアミノアルキル基を有する化合物より、脱保護反応(例えば、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)の場合、塩酸或いはトリフルオロ酢酸(TFA)等との処理、フタルイミド基の場合、ヒドラジン或いはメチルアミンによる処理等)によって容易に製造する事ができる。
還元的アミノ化反応において、一方が、ケトンもしくは2級アミン、或いは、ケトンと2級アミンなどの組み合わせで反応が進行しにくい場合、例えば、J. Org. Chem., 55(8), 2552 (1990)に記載された方法と同様の方法により製造するのが好ましい。
エーテル結合を含む置換基を有する化合物は、フェノール又は水酸基を有する化合物より、例えばTetrahedron Lett., 40(4), 671-674(1999);Chem. Lett., (2), 97-98(1996)又はHelv. Chim. Acta, 81(5), 865-880(1998)に記載される常法のO-アルキル化反応または光延反応により製造する事ができる。アミノ基を含む置換基を有する化合物は、ニトロ基を有する化合物より常法の還元反応を経て製造する事ができる。
水酸基を有する化合物は、(1)エステル基等を有する化合物より、常法の加水分解反応によって、(2)ベンジル基等を有する化合物より、常法の加水素分解反応により製造することができる。カルボキシル基を有する化合物は、エステル基を有する化合物より常法の加水分解反応、特に、ベンジルアルコール等からなるエステルの場合には、加水素分解反応によって製造することができる。アミド結合を有する化合物は、アミノ基を有する化合物(I)と酸クロリド、混合酸無水物、カルボジイミド等を用いる常法のアミド化反応、或いは、カルボキシル基を有する化合物(I)とアミンを用いる常法のアミド化反応により製造することができる。
ヒドロキサム酸エステルを含む置換基を有する化合物は、カルボキシル基を有する化合物(I)からヒドロキシルアミン類を用いる常法のアミド化反応により製造することができる。オキシムを含む置換基を有する化合物は、アルデヒド、或いは、ケトンを有する化合物からヒドロキシルアミン類を用いる常法の脱水縮合反応等により製造することができる。ウレア結合を含む置換基を有する化合物は、アミノ基を有する化合物からイソシアナートを用いる、或いは、フェニルカルバメート誘導体を介する常法のウレア化反応等により製造することができる。
N-オキシド化合物は周知の酸化反応、すなわち、反応に不活性な溶媒中(例えば、クロロホルム又はジクロロメタン等)m-クロロ過安息香酸、過酸化水素等の酸化剤との反応によって製造することができる。同様の酸化条件によって、スルフィドをスルホキシド、或いは、スルホンへ変換することも可能である。N-ヒドロキシアミド結合を有する前駆化合物より脱ヒドロキシ化反応を行い所望の化合物を得る場合、常法の還元条件(例えば、酢酸中金属鉄との反応、加水素分解反応等)を経る事により容易に行うことができる。ヘテロ芳香環の導入はその前駆体となる置換基を導入後、常法の縮合反応によるヘテロ環へと変換する方法により容易に行うことが可能である。
(原料化合物の合成)
化合物(I)の原料化合物の一部は新規化合物であり、これらの化合物は公知の原料化合物と同様にして、あるいは当業者に公知の方法を用いて容易に合成できる。代表的な合成法を以下に示す。
合成法1(アルキル化) 参考文献:J. Med. Chem., 40, 1252-1257 (1997)等
Figure 2005145928
(式中、pは1〜8の整数を示す。以下同様)
合成法2(酸化) 参考文献:Synthesis, 87-90 (1997) 等
Figure 2005145928
合成法3 参考文献:J. Heterocyclic Chem., 15, 1425-1430 (1978)等
Figure 2005145928
キノリン酢酸誘導体(IX)は、常法により、化合物(II)を適当なアシル化剤、スルホニル化剤、アルキル化剤、或いは、シリル化剤存在下、アセト酢酸エチルエステル又はマロン酸ジエステル等と処理することにより製造できる。
合成法4(園頭反応) 参考文献:Synthesis, 364-365 (1981) 等
Figure 2005145928
(式中、R3は置換アルキル又はO-置換アルキルを示す。)
合成法5(ハロゲン化) 参考文献:J. Am. Chem. Soc., 77, 1054-1055 (1955)、Tetrahedron, 54, 13655-13680 (1998) 等
Figure 2005145928
その他の原料化合物の合成法
キノリン環上に置換基を有する化合物は、例えば、Heterocycles, 54, 105-108 (2001), J. Med. Chem., 26, 580-585 (1983) 記載の方法、或いは、Org. Synth. Col. Vol. 3, 272 (1955), Syn. Commun., 15, 125 (1995) 等を適用して4-クロロキノリン誘導体を製造後、常法によりクロロ基を還元条件などを経て除去する方法等を適応することによっても製造できる。
インドリノン環の合成は、Synthesis, 51-53 (1993) 或いはEur. J. Med. Chem., 15, 330-332 (1980) 等に記載された条件を適応することにより容易に製造できる。
インドリノン環上への置換基導入は、そのハロゲン誘導体との鈴木―宮浦反応、フリーデルクラフツ反応、及び、導入したα-ハロケトン類を用いた縮合反応を経るヘテロ芳香環への変換反応等を適応することにより行う事ができる。例えば、J. Med. Chem., 42, 5120-5130 (1999), Synthesis, 873-874 (1989), J. Org. Chem., 17, 1252-1255 (1952) 等に記載の方法を適用することが可能である。また、導入したヘテロ芳香環上の1級アミンは、例えば、J. Med. Chem., 39, 834-841 (1996) 記載の方法を適用することにより除去可能である。
更に、必要に応じて、アミノ化、イミノ化、アシル化、アルキル化、アミド化、スルホンアミド化、エステル化、ウレア化、ハロゲン化、ニトロ化、酸化、還元、保護、脱保護等の種々の公知の置換基の修飾反応に付すことにより、所望の原料化合物を製造する事ができる。これらの反応は、例えば、前記日本化学会編「実験化学講座」第4版(丸善)等の文献記載の条件を参考にして行うことができる。
このようにして製造された化合物(I)の単離・精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適応して行われる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば、ラセミ化合物は一般的な光学分割法により[例えば、一般的な光学活性酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導き、光学分割する方法等]光学的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオマーの混合物は、例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
本発明の、一般式(I)で示された化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている薬剤用担体、賦形剤等を用いて通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、吸入剤等による経口投与、又は、静注、筋注等の注射剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、ひとつ又はそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含有する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩液が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤のような補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)の投与量は、通常、経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001から50mg/kg、好ましくは0.01〜10mg/kgが、静脈投与される場合、1日の投与量は、体重当たり約0.0001から5mg/kgがそれぞれ適当であり、これを1日1回乃至複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
実施例1 KDRキナーゼ阻害試験
1)KDRキナーゼドメインの発現
KDR細胞内領域(アミノ酸790〜1168)をPCR法により、Human umbilical vein endothelial cells (HUVEC) から調製したcDNAから増幅した。FLAGTM(Sigma-Aldrich Co.の商標)配列(DYKDDDDK)をC末部に導入した遺伝子をpFASTBAC1(GIBCOBRL社製)のBamHIおよびNotI部位へクローニングした。リコンビナントバキュロウイルスはBacto-To-Bac expression system(GIBCOBRL社製)のマニュアルに従い調製した。蛋白の発現のためSf-9細胞にリコンビナントバキュロウイルスを感染させ、72時間後の細胞を回収した。
2)KDRキナーゼドメインの精製
KDRキナーゼドメインを発現したSf-9細胞を緩衝液(20mM Tris, 150mM NaCl, 1mM PMSF(phenylmethanesulfonyl fluoride), 10μg/ml aprotinin)中で超音波破砕し、10,000rpm、4℃、30分間の遠心後の上清を得た。同上清中のKDRキナーゼドメインをM2-agarose(Sigma社製)に結合後、0.1mg/mlのFlagペプチドで溶出した。精製したKDRキナーゼドメインは透析によって保存用緩衝液(20mM Tris, 150mM NaCl, 10% glycerol)に置換後、-80℃にて保存した。
3)HTRFによるin vitro KDR キナーゼアッセイ
Homogeneous, time-resolved fluorescence (HTRF)はチロシンキナーゼ活性測定に適応可能であり、その理論はClin. Chem. 41, 1391-1397 (1995) に報告されている。
試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)にて最終濃度の50倍濃度に調製した。1μlの化合物溶液をwellへ添加後、反応緩衝液(50mM HEPES(N-2-hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid) pH7.5, 1mM MgCl2, 4mM MnCl2, 0.1% BSA(bovine serum albmin))で希釈した100ngの精製KDRキナーゼドメインを25μl添加した。100mMにて-20℃で保存しておいたATP溶液を反応緩衝液にて2μMに希釈し、25μlをwellへ添加することによりキナーゼ反応を開始した。室温にて20分間の反応後に10μlの0.5M EDTAを添加することにより反応を停止した。続いて検出抗体希釈緩衝液(50mM HEPES pH7.5, 0.1% BSA, 0.5M KF)で希釈した6.5ngのCryptate標識抗リン酸化チロシン抗体(PT66)(Cis Bio International社製)と100ngのXL665標識抗FLAGTM(M2) 抗体(Cis Bio International社製)を50μlで添加し、室温で2時間インキュベーションした。リン酸化量の検出はDiscovery(Packard社製)を用いて測定した。DMSOを添加した時のDiscoveryでの測定値のRatioを100%とし、ATPを添加しない場合のRatioを0%とし、試験化合物が50%抑制する濃度を化合物阻害活性のIC50値として算出した。
結果:結果を下表に示す。本発明医薬組成物の有効成分である下表の製造例化合物は、KDRキナーゼによるリン酸化を良好に阻害した。よって、本発明医薬組成物は、VEGFのチロシンキナーゼを介するシグナル伝達を良好に阻害し、VEGF阻害剤として有用であることが確認された。尚、表中Exは製造例番号を示す。
Figure 2005145928
実施例2 VEGF刺激HUVEC増殖の抑制試験
試験方法:(細胞培養) Human umbilical vein endothelial cells(HUVEC)は、添加物(2%FBS, 0.4%FGF(Fibroblast Growth Factor), 0.1%VEGF, 0.1%IGF-I(Insulin like growth Factor-I), 0.1%EGF(Epidermal Growth Factor), 0.1%Ascorbic acid, 0.1%GA-1000, 0.1%Heparin, 0.04%Hydrocortisone)を加えたEGM-2完全培地(Clonetics)で培養した。
(化合物評価) HUVEC(10,000cells/well)をEGM-2完全培地中でゼラチンコート96穴プレート(IWAKI社製)に播種し、一晩培養した。生理的リン酸緩衝液にて洗浄後、低血清培地(Medium 199/0.1%FBS)に交換し、24時間培養した。評価化合物は10mMのDMSO溶液として調製し、低血清培地にて希釈した。終濃度0.001から10μMになるように各wellに添加した。2時間の化合物処理後、終濃度10ng/mlのhuman recombinant VEGF(R&D systems)を添加した。18時間後に5μCi/wellで[3H]thymidine(Amersham Pharmacia)を加えた。4時間後に、0.2%SDS溶液を50μl/well加えて反応を停止し、GF/C Unifilter(Packard)上に回収した。Filter上にトラップされた、DNAへ取り込まれた放射活性をMicroscinti 20(Packard)25μl添加後、TopCount(Packard)で測定した。化合物の阻害活性のIC50はVEGF添加時の[3H]thymidine取り込み量を100%、VEGF非添加時の取り込み量を0%とし、50%抑制する試験化合物の濃度(IC50値)として算出した。
結果:結果を下表に示す。本試験において、本発明医薬組成物の有効成分である下表の製造例化合物は、VEGF刺激HUVEC増殖を良好に阻害することが確認された。尚、表中Exは製造例番号を示す。
Figure 2005145928
実施例3 in vitro血管新生阻害試験
試験方法:血管新生測定キット(KURABO製)を使用した。培養液はキットに添付された専用培地にVEGF(R&D systems)10 ng/mlを添加した培地を使用した。試験薬剤は10mMのDMSO溶液として調製し、専用培地にて希釈して終濃度0.003から1μMになるように添加した。試験薬剤を添加しない条件の血管新生量を陽性対照とし、抗VEGF抗体(Sigma)25μg/mlを添加した条件を陰性対照とした。培養開始より4、7および10日目に試験薬剤を前述に従い調製し、各ウエルの培地と交換した。13日目にキットに添付された方法に従い細胞層の固定を行った。すなわち生理的リン酸緩衝液で洗浄後に氷冷した70%エタノールを添加し、30分間室温にて静置することで細胞層の固定化を行った。次にエタノール溶液を吸引除去し、ブロッキング液(1% BSAを含む生理的リン酸緩衝液)で洗浄した。
形成された管腔の染色は管腔染色キットCD31染色用(KURABO製)を使用した。すなわちキットに添付されたMouse anti-human CD31抗体をブロッキング液で4,000倍希釈し、各ウエルに添加して37℃で60分間インキュベートした。引き続きブロッキング液で3回洗浄後、各ウエルにブロッキング液で500倍希釈したGoat anti-mouse IgG alkaliphosphatase conjugate溶液を添加し、37℃で60分間インキュベートした。インキュベート後、各ウエルを蒸留水で3回洗浄した。次に蒸留水にて溶解したBCIP/NBT溶液を各ウエルに添加して5-10分間、室温にてインキュベートした。インキュベート後蒸留水にて3回洗浄し、自然乾燥した。管腔染色像を顕微鏡下、ウエル中心の周辺4ヶ所の写真を撮影し、TIFF形式で保存した。管腔形成量の定量は血管新生キットに示されたイメージングソフト(ScnImage)を使用した。イメージングソフトへ保存したファイルをインポートし、ThresholdおよびMeasure指令により得られたpixel数を記録した。1ウエルから得られた4ヶ所のpixel数の平均を当該ウエルの管腔形成量とした。
試験薬剤のIC50値は試験薬剤非添加条件である陽性対照ウエルのpixel数を100%とし、抗VEGF抗体添加条件である陰性対照pixel数を0%として50%抑制する試験薬剤濃度として算出した。
結果:本試験において、本願の化合物(I)は良好な活性を示し、例えば、化合物A、実施例4、41及び44のIC50値は、それぞれ0.069、0.15、0.16及び0.17μMであった。
実施例4 ヒト大腸癌担癌ヌードマウスを用いたin vivo癌増殖抑制試験
試験方法:ヒト大腸癌であるCOLO205細胞の3〜4×106個を雌性Balb/cヌードマウスの背側部皮下に投与した。試験化合物は、腫瘍容量が50〜150mm3に達した時から14日間1日1回経口投与した。また、対照群には0.5% メチルセルロース水溶液を経口投与した。腫瘍径の測定はノギスを用い、最終投与の翌日に測定した。尚、腫瘍容量は以下の計算式を用い、算出した。
腫瘍容量=(短径2×長径)/2
結果:本試験において、本願の製造例化合物4、41、44、54、96、99、111、113、115、129、132、133、134、136、142、148、310、344、350、375、381、387、389、390、391、394、395及び396の化合物は、3、10若しくは30mg/kg/dayの経口投与において、コントロールに対して50%以上の癌増殖抑制活性を有することが確認された。
以上の実施例より、本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)は、良好なVEGF阻害作用、血管新生阻害作用並びに抗腫瘍作用を有していることから、好適なVEGF阻害剤、血管新生阻害剤並びに抗癌剤として有用であることが示された。
(製造例)
以下、本発明医薬組成物の有効成分である化合物(I)の製造例を示す。なお、原料化合物の製造法を参考例に示す。
また、参考例、製造例及び後記表中に記載される物理化学的性状の略号は、F+:FAB-MS (M+H)+; F-:FAB-MS (M-H)-; F:FAB-MS (M)+; E+:ESI-MS (M+H)+; E:ESI-MS (M)+; N1:1H-NMR(DMSO-d6,TMS内部標準)の特徴的ピークδppm;並びに N2:1H-NMR(CDCl3,TMS内部標準)の特徴的ピークδppmを、それぞれ示す。
参考例A1:キノリン-2-イル酢酸エチルのDMF溶液に60%NaHを加え撹拌後、N,N-ジエチル-4-フルオロ-3-ニトロベンズアミドを加え撹拌した。反応液より生成物を精製し、茶色泡状の{4-[(ジエチルアミノ)カルボニル]-2-ニトロフェニル}(キノリン-2(1H)-イリデン)酢酸エチルを得た。F+:435。
参考例A2:キノリン-2-イル酢酸エチルの酢酸溶液に2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジンを加え、50℃にて撹拌した。放冷後、生じた沈殿をろ取し、赤色固体の(2-クロロ-5-ニトロピリミジン-4-イル)(キノリン-2(1H)-イリデン)酢酸エチルを得た。F+:373。
参考例A3:(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)(キノリン-2(1H)-イリデン)酢酸エチルのピリジン溶液にモルホリンを加え、100℃にて撹拌後精製し、赤色固体の(5-モルホリン-4-イル-2-ニトロフェニル)(キノリン-2(1H)-イリデン)酢酸エチルを得た。F+:422。
参考例B1:氷冷下、4-フルオロ-3-ニトロ安息香酸のジクロロメタン溶液に、塩化オキザリルと触媒量のDMFを加え撹拌した。溶媒を留去後、残渣をTHFに溶解し、氷冷下にて、O-(シクロプロピルメチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩、トリエチルアミン(TEA)のTHF溶液に滴下した。反応液を撹拌後、生成物を精製し、黄色固体のN-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロ-3-ニトロベンズアミドを得た。F+:255。
参考例B2:2-オキソインドリン-5-カルボン酸のTHF溶液に、クロロぎ酸エチル、TEAを加え撹拌した。反応液に、N,N-ジエチルエチレンジアミンを加え撹拌後精製し、茶色固体のN-[(2-ジエチルアミノ)エチル]-2-オキソインドリン-5-カルボキサミドを得た。F+:276。
参考例C:6-(2-ブロモエトキシ)キノリン N-オキシドのアセトニトリル溶液にモルホリンを加え、100℃にて撹拌後精製し、淡褐色固体の6-[(2-モルホリン-4-イル)エトキシ]キノリン N-オキシドを得た。F+:275。
参考例D:4-ブロモ-2-メチル-5-ニトロベンザルデヒドのTHF溶液に、メトキシルアミン塩酸塩を加え50℃にて8時間撹拌した。反応液より生成物を精製し、無色油状の4-ブロモ-2-メチル-5-ニトロベンザルデヒド O-メチルオキシムを得た。F-:272,274。
参考例E1:6-ヒドロキシキノリンのDMF溶液に60%NaHを加え、50℃にて撹拌した。放冷後、反応液に1-ブロモ-2-メトキシエタンを加え撹拌後精製し、黄色油状の6-(2-メトキシエトキシ)キノリンを得た。F+:220。
参考例E2:7-ヒドロキシインドリン-2-オンのDMSO溶液に、N-(2-クロロエチル)-N,N-ジエチルアミン塩酸塩、炭酸カリウムを加え、室温下30分間、次いで50℃にて30分間撹拌後、生成物を精製し、黄色油状の7-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]インドリン-2-オンを得た。F+:249。
参考例E3:6-ヒドロキシキノリン、2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エタノール及びトリフェニルホスフィンのTHF溶液に、アゾジカルボン酸ジエチルエステルを加え撹拌後精製し、黄色固体の6-[2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ]キノリンを得た。F+:241。
参考例E4:6-ヒドロキシキノリンを2M水酸化ナトリウム水溶液に懸濁し、硫酸水素テトラブチルアンモニウムおよび1,2-ジブロモエタンを加え、60℃にて攪拌後精製し、褐色油状物の6-(2-ブロモエトキシ)キノリンを得た。F+:252, 254。
参考例E5:2-[(6-ヒドロキシキノリン-5-イル)メチル]イソインドリン-1,3-ジオンのDMF溶液に、1-ブロモ-2-メトキシエタン、炭酸セシウムを加え、70℃にて撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、還流下撹拌後、放冷して、茶色固体の2-{[6-(2-メトキシエトキシ)キノリン-5-イル]メチル}イソインドリン-1,3-ジオンを得た。F+:363。
参考例F:60%NaHのDMF溶液にピペリジン-2-オンを加え、50℃にて撹拌した。放冷後、反応液に6-(2-ブロモエトキシ)キノリンを加え撹拌後精製し、黄色油状の1-[2-(キノリン-6イルオキシ)エチル]ピペリジン-2-オンを得た。F+:271。
参考例G:6-(2-ブロモエトキシ)キノリン 1-オキシドの無水酢酸溶液に、3-オキソ酪酸エチルを加え、60℃にて撹拌した。反応液をアルカリ性化した後、酢酸エチルにて抽出した。溶媒を留去した残渣に4M塩酸を加え撹拌後、反応液をアルカリ性化し酢酸エチルにて抽出した。生成物を精製し、黄色油状の[6-(2-ブロモエトキシ)キノリン-2-イル]酢酸エチルを得た。F+:338,340。
参考例H1:6-(2-ブロモエトキシ)キノリンの酢酸エチル溶液に、70% m-クロロ過安息香酸を加え攪拌した。生成した沈殿物を濾取し、淡黄色固体の6-(2-ブロモエトキシ)キノリン N-オキシドを得た。F+:268, 270。
参考例H2:2-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4.5-ジヒドロ-1,3-オキサゾールの四塩化炭素溶液に、N-ブロモコハク酸イミド及びアゾビスイソブチロニトリルを加え、還流下撹拌後精製し、無色固体の2-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-1,3-オキサゾールを得た。F-:208。
参考例H3:3-キノリン-6-イルプロパン-1-オールのジクロロメタン/DMSO混合溶液に、氷冷下にてTEAと三酸化イオウピリジン錯体を加え撹拌後精製し、茶色油状の3-キノリン-6-イルプロパナールを得た。N2:2.87-2.93(2H,m),3.15(2H,t),7.39(1H,dd), 7.57(1H,dd),7.61(1H,s),8.05(1H,d),8.08-8.12(1H,m),8.87(1H,dd),9.86(1H,t)。
参考例H4:3-キノリン-6-イルプロパナールのtert-ブタノールと水の混合溶液に、氷冷下にて、2-メチル-2-ブテン、リン酸二水素ナトリウム、亜塩素酸ナトリウムを加え、同温下2時間撹拌した。pHを5〜6としてクロロホルムにて抽出後、溶媒を留去し、無色固体の3-キノリン-6-イルプロピオン酸を得た。F+:202。
参考例I1:N,N-ジエチル-4-フルオロ-3-ニトロベンズアミドのTHF溶液に、1.0Mボラン/THF溶液を加え、還流下撹拌した。反応液を氷冷しメタノールを加え撹拌した。溶媒を留去後、残渣に6M塩酸を加え、100℃にて撹拌した。放冷後、反応液をアルカリ性化し、酢酸エチルにて抽出した。有機層から1M塩酸にて抽出した後、アルカリ性化しクロロホルムにて抽出した。溶媒を留去し、黄色油状のN,N-ジエチル-N-(4-フルオロ-3-ニトロベンジル)アミンを得た。F+:227。
参考例I2:氷冷下、4-オキソ-4-(2-オキソインドリン-5-イル)酪酸エチルのTFA溶液に、トリエチルシランを加え、45℃にて、次いで室温下撹拌した。生成物を精製し、無色固体の4-(2-オキソインドリン-5-イル)酪酸エチルを得た。F+:248。
参考例I3:氷冷下、3-キノリン-7-イルプロピオン酸エチルのTHF溶液に水素化アルミニウムリチウムを加え、同温下4時間撹拌した。反応液に水を加え、生じた沈殿をろ去した。ろ液を濃縮し、残渣をクロロホルム、水を用いて分液した。有機層より生成物を精製し、無色油状の3-キノリン-7-イルプロパン-1-オールを得た。F+:230。
参考例I4:6-(3-ヒドロキシ-1-プロピニル)キノリンのエタノール溶液に10%パラジウム炭素(Pd-C)を加え、常圧室温下にて水素添加した。理論量の水素を吸収した後、触媒をセライトろ過した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(以下SCCと略記する)にて精製し、無色油状の3-キノリン-6-イルプロパン-1-オールを得た。N2:1.95-2.05(3H,m),2.92(2H,t),3.73(2H,t),7.38(1H,dd),7.58(1H,dd),7.61(1H, s),8.03(1H, d),8.09(1H,dd),8.86(1H,dd)。
参考例J1:2-ブロモ-1-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)エタノンのエタノール溶液に、チオ酢酸アミドを加え撹拌後、精製し、無色固体の4-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)-2-メチル-1,3-チアゾールを得た。F+:255。
参考例J2:4-フルオロ-3-ニトロ安息香酸のベンゼン溶液に塩化チオニルを加え、還流下撹拌した。溶媒を留去後、残渣をジクロロメタンに溶解し、氷冷下にて、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールのジクロロメタン溶液に加え撹拌した。生じた沈殿をろ去し、クロロホルムにて洗浄した。ろ液より溶媒を留去し、残渣に塩化チオニルを加え撹拌した。反応液にジエチルエーテルを加え、ジエチルエーテル可溶化分をデカント除去した後、クロロホルムにて希釈した。有機層より生成物を精製し、黄色油状の2-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾールを得た。N2:1.39(6H, s), 4.16(2H, s)。
参考例J3:4-クロロ-3-ニトロベンズアミドのN-(1,1-ジメトキシエチル)-N,N-ジメチルアミン溶液を100℃にて撹拌した。溶媒を留去後、ヒドロキシルアミン塩酸塩と1M水酸化ナトリウム水溶液、1,4-ジオキサン及び酢酸を加え、室温下、次いで90℃にて撹拌した。溶媒を留去後、残渣に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出し、精製して、橙色固体の5-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾールを得た。F+:240。
参考例K:氷冷下、3-キノリン-6-イルプロパン-1-オールのジクロロメタン溶液に三臭化リンを滴下し、室温までゆっくり昇温させた後、還流下にて撹拌した。放冷後、精製し、無色油状の6-(3-ブロモプロピル)キノリンを得た。N2:2.27(2H,qui),2.99(2H,t), 3.43(2H,t),7.40(1H,dd),7.59(1H,dd),7.63(1H,s),8.06(1H,d),8.13(1H,dd),8.88(1H,dd)。
参考例L:6-ブロモキノリン、プロパルギルアルコールのジエチルアミン溶液に、(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド及びヨウ化第一銅を加え、45℃にて撹拌した。反応液より生成物を精製し、無色固体の6-(3-ヒドロキシ-1-プロピニル)キノリンを得た。F+:184。
参考例M1:4-クロロ-2-メトキシ-5-ニトロ安息香酸のエタノール溶液に濃硫酸を加え、還流下撹拌後精製し、無色固体の4-クロロ-2-メトキシ-5-ニトロ安息香酸エチルを得た。F+:260。
参考例M2:4-ブロモ-2-メチル-5-ニトロ安息香酸のDMF溶液に炭酸カリウム、ヨウ化プロピルを加え撹拌後精製し、黄色固体の4-ブロモ-2-メチル-5-ニトロ安息香酸プロピルを得た。E:301,303。
参考例N:氷冷下、インドリン-2-オンと塩化アルミニウムのジクロロエタン懸濁液に、エチルスクシニルクロリドを加え、室温下、次いで50℃にて撹拌した。放冷後、反応液を氷水にあけ、生じた沈殿をろ取し、茶色固体の4-オキソ-4-(2-オキソインドリン-5-イル)酪酸エチルを得た。F+:262。
参考例O:6-ブロモインドリン-2-オンのジメトキシエタン溶液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを加え撹拌した。反応液に3-フリルボロン酸及び炭酸ナトリウムの水溶液を加え、還流下撹拌した。生成物を精製し、桃色固体の6-(3-フリル)インドリン-2-オンを得た。F+:200。
参考例P:3-(5-アミノ-2-メトキシフェニル)プロピオン酸エチルのジクロロメタン溶液に、ピリジン、塩化メタンスルホニルを加え撹拌後精製し、茶色固体の3-{2-メトキシ-5-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}プロピオン酸エチルを得た。F+:302。
参考例Q:3-{2-メトキシ-5-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}プロピオン酸エチル、TEAのメタノール溶液に、90%アクロレインを加え撹拌した。溶媒を留去後、残渣をジクロロメタンに溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸を加え撹拌後精製し、無色固体の3-[6-メトキシ-1-(メチルスルホニル)-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル]プロピオン酸エチルを得た。N2:1.26(3H, t), 3.83(3H, s)。
参考例R:3-[6-メトキシ-1-(メチルスルホニル)-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル]プロピオン酸エチルのエタノール溶液に、水酸化カリウム水溶液を加え撹拌した。反応液に1M塩酸を加えた後、溶媒を留去した。残渣にエタノール及び、濃硫酸を加え、還流下撹拌した。放冷後、反応液をクロロホルム、水で希釈し、アルカリ性化した後、反応液を分液し、有機層より精製し、無色固体の3-(6-メトキシキノリン-7-イル)プロピオン酸エチルを得た。N2:1.22(3H, t), 4.12(2H, q)。
参考例S:4-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)-1,3-チアゾール-2-アミン臭酸塩に酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、分液した。有機層から溶媒を留去した残渣をDMFに溶解し、亜硝酸イソアミルのDMF溶液に70℃にて加え、同温下撹拌した。生成物を精製し、無色油状の4-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)-1,3-チアゾールを得た。F+:241。
参考例T:4-ブロロ-2-メチル安息香酸エチルの四塩化炭素溶液に、N-ブロモコハク酸イミド、アゾビスイソブチロニトリルを加え、還流下撹拌後精製し、無色固体の4-ブロロ-2-(ジブロモメチル)安息香酸エチルを得た。N2:1.42(3H, t), 4.40(2H, q), 7.99(1H, s)。
参考例U:氷冷下、濃硫酸に4-ブロモ-2-(ジブロモメチル)安息香酸エチル、硝酸カリウムを加え撹拌後精製し、無色油状の4-ブロモ-2-ホルミル安息香酸エチルを得た。E:256,258。
参考例V:氷冷下、濃硫酸に4-ブロモ-2-メチルベンザルデヒド及び硝酸カリウムを加え撹拌した。反応液を氷水にあけ、生じた沈殿をろ取後洗浄し、茶色固体の4-ブロモ-2-メチル-5-ニトロベンザルデヒドを得た。N1:2.74(3H, s), 10.24(1H, s)。
参考例W:オルトぎ酸メチルに、メルドラム酸を加え、100℃にて10分間撹拌した。反応液に、4-ブロモ-3-メトキシアニリンを加え、還流下次いで放冷下撹拌した。生じた沈殿をろ取後洗浄し、茶色固体の5-{[(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)アミノ]メチレン}-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンを得た。F+:355,357。
参考例X:DOW THERM(Fluka社製)にジフェニルエーテルを加え、270℃に加温した。これに5-{[(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)アミノ]メチレン}-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンを加え、同温下撹拌後、40℃まで放冷し、石油エーテルを加え、生じた沈殿をろ取し、茶色固体の6-ブロモ-7-メトキシキノリン-4(1H)-オンを得た。F+:253,255。
参考例Y:6-ブロモ-7-メトキシキノリン-4(1H)-オンの塩化チオニル溶液にDMFを加え、還流下撹拌した。溶媒を留去した残渣にクロロホルム及びトルエンを加え、再度溶媒を留去した。残渣をジエチルエーテルより結晶化し、無色固体の6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシキノリンを得た。F+:271,273。
参考例Z:(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)メタノールのTHF/DMF混合溶液に、氷冷下にてフタルイミド、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルを加え、同温下撹拌した後精製し、無色固体の2-[(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)メチル]イソインドリン-1,3-ジオンを得た。F+:294。
参考例AA1:2-(1-オキシドピリジン-4-イル)エチルカルバミド酸 tert-ブチルを4M塩化水素/酢酸エチル溶液に加え、室温下撹拌した。生じた沈殿をろ取し、酢酸エチルにて洗浄し、黄色固体の2-(1-オキシドピリジン-4-イル)エチルアミンを得た。F+:139。
参考例AA2:2-[(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)メチル]イソインドリン-1,3-ジオンのエタノール溶液に、ヒドラジン一水和物を加え、還流下撹拌した。放冷後、生じた沈殿をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。残渣にクロロホルムを加え、不溶物をろ去後、ろ液を濃縮し、茶色油状の(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)メチルアミンを得た。F+:164。
参考例BB:60%NaHのDMSO懸濁液に、マロン酸ジメチルをゆっくりと滴下した後、100℃にて撹拌した。室温まで冷却した後、N-(2,5-ジクロロ-4-ニトロフェニル)アセトアミドを加え、同温にて、次いで100℃にて撹拌した。生成物を精製後、酢酸エチルより結晶化し、無色固体の[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]マロン酸ジメチルを得た。F:344。
参考例CC1:[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]マロン酸ジメチルのDMSO溶液に、無水塩化リチウム及び水を加え、100℃にて撹拌した。放冷後、反応液を酢酸エチルと飽和食塩水の混合液にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を洗浄後、濃縮し、得られた粗結晶をメタノールから再結晶して、無色固体の[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]酢酸メチルを得た。F:286。
参考例CC2:(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)マロン酸ジエチルの6M塩酸溶液を還流下撹拌した。反応液を氷冷後、生じた沈殿をろ取し、洗浄して、茶色固体の(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)酢酸を得た。F+:210。
参考例DD:[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]酢酸メチルの酢酸溶液に、還元鉄を加え、100℃にて撹拌した。放冷後、反応液をセライトろ過し、DMFにて洗浄した。ろ液を濃縮後、水を加え、生じた沈殿をろ取し、水洗して、無色固体のN-(6-クロロ-2-オキソインドリン-5-イル)アセトアミドを得た。F+:225。
参考例EE:キノリン-7-カルバルデヒドのトルエン溶液に、テトラヒドロフラン-2-イルメチルアミンを加え、Dean-Stark装置を用い還流下撹拌した。溶媒を留去した残渣をメタノールに溶解し、水素化ホウ素ナトリウムを加え撹拌した。溶媒を留去後、残渣をTHFに溶解し、tert-ブトキシカルボン酸無水物を加え、70℃にて撹拌した。溶媒を留去後、残渣をSCCにて精製し、無色油状のキノリン-7-イルメチル(テトラヒドロフラン-2-イルメチル)カルバミド酸 tert-ブチルを得た。F+:343。
参考例 FF:3-ブロモ-2-ホルミル安息香酸エチルの1,2-ジクロロエタン溶液にジエチルアミン、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムを加え撹拌した。精製後、無色油状の3-ブロモ-2-(ジエチルアミノメチル)安息香酸エチルを得た。F+:314,316。
上記の参考例と同様にして後記表3〜7に記載の参考例化合物を得た。
製造例1:氷冷下、6-[2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ]キノリン N-オキシド(510mg)のクロロホルム(25ml)溶液に、塩化ベンゾイル(0.3ml)を加え、同温にて30分間攪拌した。次いで、インドリン-2-オン(265mg)を加え、90℃にて8時間加熱還流した。放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え30分間攪拌した。生成した沈殿物を濾取し、酢酸エチルにて洗浄した。一方、母液の有機層を濃縮し生成した沈殿物を濾取し、酢酸エチルにて洗浄した。2種の沈殿物を合わせ、エタノールから再結晶し、赤色固体の3-{6-[2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ]キノリン-2(1H)-イリデン}インドリン-2-オン111mgを得た。
製造例2:キノリン-7-カルボン酸エチル(3.07g)のジクロロメタン(20mL)溶液に、m-クロロ過安息香酸(3.3g)を加え、室温下1時間撹拌した。溶媒を留去し、残渣をろ取、酢酸エチルにて洗浄した。得られた固体を無水酢酸(30mL)に溶解し、インドリン-2-オン(3.1g)を加え、55℃にて12時間撹拌した。溶媒を留去後エタノールを加え、生じた沈殿をろ取した。得られた粗結晶をエタノールから再結晶し、赤色固体の2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-7-カルボン酸エチル65mgを得た。
製造例3:製造例1と同様の方法にて、インドリン-2-オン(2.11g)とキノリン-4-カルバルデヒド 1-オキシド(2.12g)より、(a)赤色固体の2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルバルデヒド234mgを得た。結晶化母液を濃縮し、残渣をSCC(クロロホルム-メタノールにて溶出)にて精製後、得られた固体をろ取、エタノールより再結晶し、(b)茶色固体の3-(4-ジエトキシメチルキノリン-2(1H)-イリデン)インドリン-2-オン55mgを得た。
製造例4:3-[6-(2-ブロモエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン(1.86g)をアセトニトリル(100ml)に懸濁し、モルホリン(2.11g)を加え、80℃にて4時間攪拌した。放冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒を留去した。残さをSCC(メタノール-酢酸エチル-28%アンモニア水にて溶出)にて精製し、得られた固体をエタノールから再結晶し、赤色固体の3-[6-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン960mgを得た。
製造例5:2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-カルバルデヒド(0.5g)、2-モルホリン-4-イルエチルアミン(0.91mL)のジクロロエタン(35mL)溶液に、酢酸(0.99mL)を加え、室温下2時間撹拌した。反応液に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.1g)を加え、室温下13時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロエタンにて抽出した。有機層を、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルムにて溶出)にて精製後、得られた固体をろ取、酢酸エチルにて洗浄し、橙色固体の3-(6-{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]メチル}キノリン-2(1H)-イリデン)インドリン-2-オン168mgを得た。
製造例6:2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-カルバルデヒド(0.6g)、N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアミン(0.89mL)のジクロロエタン(3mL)溶液に、チタンテトライソプロポキシド(0.68mL)を加え、室温下1時間撹拌した。氷冷後、反応液に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.32g)を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロエタンにて抽出した。有機層を、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルムにて溶出)にて精製後、得られた固体をろ取、酢酸エチルにて洗浄し、赤色固体の3-(6-{[N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアミノ]メチル}キノリン-2(1H)-イリデン)インドリン-2-オン114mgを得た。
製造例7:3-[6-(オキシラン-2-イルメトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン(100mg)のエタノール(3mL)及びクロロホルム(3mL)混合溶液に、ピロリジン(64mg)を加え、40℃にて1.5時間撹拌した。放冷後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルム-メタノール-28%アンモニア水にて溶出)にて精製後、得られた固体を2-プロパノールより再結晶し、橙色固体の3-[6-(2-ヒドロキシ-3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン9mgを得た。
製造例8:{[2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル]オキシ}酢酸 (280mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(79mg)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(225mg)のDMF(10mL)溶液に、モルホリン(0.088mL)を加え、室温下3日間撹拌した。反応液を水にあけ、生じた沈殿をろ取後、水及びエタノールにて洗浄し、赤色固体の3-[6-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン253mgを得た。
製造例9:3-[6-アミノキノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン(142mg)のアセトニトリル(10ml)懸濁液にTEA(0.3ml)及びブロモ酢酸ブロミド(0.15ml)を氷冷下加え、室温にて攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびクロロホルムを加え室温で30分間攪拌した。沈殿物を濾取し、クロロホルムで洗浄して赤色固体(196mg)を得た。得られた赤色固体のアセトニトリル(20ml)懸濁液に、モルホリン(413mg)を加え、70℃にて2時間攪拌した。放冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とアセトニトリルを加え、室温で30分間攪拌した。沈殿物を濾取し、アセトニトリルで洗浄後、赤黒色固体を得た。得られた赤黒色固体をSCC(メタノール-酢酸エチル-クロロホルム-28%飽和アンモニア水にて溶出)にて精製し、得られた固体をエタノールで洗浄後、赤色固体の2-モルホリン-4-イル-N-[2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル]アセトアミド72mgを得た。
製造例10:3-[6-ニトロキノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン(1.13g)のDMF(50ml)溶液に、10%Pd-C(57mg)を加え、水素雰囲気下室温で17時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、濾液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(メタノール-クロロホルム-酢酸エチル-28%アンモニア水にて溶出)にて精製し、得られた固体を沸騰エタノールで洗浄し、赤色固体の3-[6-アミノキノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン463mgを得た。
製造例11:3-{6-[2-(チオモルホリン-4-イルエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン}-2-オン(690mg)のクロロホルム(20mL)溶液に、m-クロロ過安息香酸(414mg)を加え、室温下2時間撹拌した。生じた沈殿をろ取し、メタノールより再結晶し、橙色固体の3-{6-[2-(1,4-ジオキシドチオモルホリン-4-イル)エトキシ]キノリン-2(1H)-イリデン}インドリン-2-オン12mgを得た。
製造例12:氷冷下、4-{[2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル]カルボニル}ピペラジン-1-イルカルボン酸tert-ブチル(155mg)のエタノール(1mL)溶液に、4M塩化水素/酢酸エチル溶液(5mL)を加え、同温下2時間撹拌した。反応液を濃縮後、残渣をろ取し、熱エタノールにて洗浄し、橙色固体の3-[6-(ピペラジン-1-カルボニル)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン塩酸塩122mgを得た。
製造例13:2-{[6-(2-メトキシエトキシ)-2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-5-イル]メチル}イソインドリン-1,3-ジオン(20mg)のエタノール(10mL)溶液に、ヒドラジン塩酸塩(6.5mg)を加え、100℃にて5時間撹拌した。放冷後、セライトろ過し、濾液を濃縮した。残渣をエタノール(2mL)に溶解し、氷冷下にて4M塩化水素/酢酸エチル溶液を加え、同温下15分間撹拌した。溶媒を留去し、残渣をろ取、熱2-プロパノールにて洗浄し、赤色固体の3-[5-アミノメチル-6-(2-メトキシエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン塩酸塩5mgを得た。
製造例14:安息香酸2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-イルメチル(200mg)のメタノール(10ml)懸濁液に、1M水酸化ナトリウム水溶液(4ml)を加え、70℃にて15分間加熱攪拌した。放冷後、飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、得られた残さをSCC(メタノール-酢酸エチル-28%アンモニア水にて溶出)にて精製した。得られた固体をエタノールから再結晶し、赤色固体の3-(6-ヒドロキシメチルキノリン-2(1H)-イリデン)インドリン-2-オン24mgを得た。
製造例15:3-[6-(ピペリジン-4-イルメトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン塩酸塩(190mg)のメタノール(5mL)/THF(10mL)混合溶液に、35%ホルマリン(0.08mL)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(35mg)を加え、室温下3時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、生じた沈殿をろ取し、水洗した。得られた固体をSCC(クロロホルム-酢酸エチル-メタノール-28%アンモニア水にて溶出)にて精製した。得られた固体をろ取、熱エタノールにて洗浄し、赤色固体の3-{6-[(1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ]キノリン-2(1H)-イリデン}インドリン-2-オン30mgを得た。
製造例16:3-[6-アミノキノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン(103mg)のキシレン(15ml)懸濁液に3-ピリジルイソシアナート(162mg)を加え、130℃にて加熱還流した。沈殿物を濾取し、メタノール(25ml)中で加熱還流後、熱時濾過し赤色固体の1-[2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル]-3-(ピリジン-3-イル)ウレア48mgを得た。
製造例17:キノリン-2-イル酢酸エチル(860mg)のDMF(10ml)溶液に、60%NaH(320mg)を加え、室温にて10分間攪拌した。次いで、氷冷下4-フルオロ-3-ニトロ安息香酸エチル(746mg)を加え、同温にて30分間加攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、1M塩酸を加えて酸性にした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残渣に酢酸(20ml)、鉄粉(800mg)を加え、100℃にて1時間攪拌した。不溶物を濾去し、DMFにて洗浄した。母液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水にて順次洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濃縮した。残渣をメタノールで洗浄し、赤色固体の3-[キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン-6-カルボン酸エチル274mgを得た。
製造例18:(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)(キノリン-2(1H)-イリデン)酢酸エチル(354mg)のピリジン(15mL)溶液にジメチルアミン塩酸塩(1.6g)を加え、100℃にて4時間撹拌した。放冷後、酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣を酢酸(10mL)に溶解し、還元鉄(200mg)を加え、100℃にて2時間撹拌した。放冷後、反応液をセライトろ過し、メタノールにて洗浄した。ろ液を濃縮後、クロロホルムに溶解し、水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(酢酸エチル-ヘキサンにて溶出)にて精製後、得られた個体をろ取、酢酸エチルにて洗浄し、赤色固体の5-ジメチルアミノ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン15mgを得た。
製造例19:6-メトキシインドリン-2-オン(200mg)の無水酢酸(10mL)溶液に、キノリン1-オキシド(214mg)を加え、50℃にて5時間撹拌した。放冷後、氷水にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルムにて溶出)にて精製後、ジエチルエーテルより結晶化した。得られた結晶をろ取し、クロロホルムにて洗浄し、赤色固体の6-メトキシ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン30mgを得た。
製造例20:氷冷下にて、キノリン-2-イル酢酸エチル(516mg)、1-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)エタノン(400mg)のTHF(10mL)溶液に60%NaH(96mg)を加え、室温下2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、水及び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をメタノール(10mL)に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(168mg)を加え、50℃にて18時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸(20mL)に溶解し、還元鉄(600mg)を加え、50℃にて18時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、酢酸エチルにて洗浄した。ろ液を水、1M水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水にて洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をろ取し、2-プロパノールにて洗浄した。得られた粗結晶をDMFから再結晶し、赤色固体の6-(1-メトキシイミノエチル)-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン250mgを得た。
製造例21:6-アセチル-1-ヒドロキシ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン(96mg)の酢酸(5mL)溶液に還元鉄(50mg)を加え、100℃にて1時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をDMFより再結晶し、橙色固体の6-アセチル-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン35mgを得た。
製造例22:酢酸 2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-5-カルボン酸 無水物 (234mg)のメタノール(5mL)溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液(2mL)を加え、室温下10分間撹拌した。反応液に1M塩酸を加え酸性化した後、生じた沈殿をろ取、ジエチルエーテル、水にて洗浄した。得られた粗結晶をDMFより再結晶し、橙色固体の2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-5-カルボン酸65mgを得た。
製造例23:4-(2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-5-イル)酪酸エチル(350mg)を6M塩酸(15mL)に懸濁し、還流下5時間撹拌した。放冷後、生じた沈殿をろ取し、水洗し、橙色固体の4-(2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-5-イル)酪酸97mgを得た。
製造例24:5-ベンジルオキシ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン(183mg)の酢酸(10mL)溶液に5%Pd-C(100mg)を加え、4気圧下室温にて18時間水素添加した。反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体をろ取し、メタノールにて洗浄し、赤色固体の5-ヒドロキシ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン68mgを得た。
製造例25:2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-6-カルボン酸ベンジル(120mg)のDMF(20mL)溶液に5%Pd-C(50mg)を加え、1気圧下室温にて3日間水素添加した。反応液にDMF(80mL)を加え、熱時セライトろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体をろ取し、メタノールにて洗浄し、赤色固体の2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-6-カルボン酸44mgを得た。
製造例26:2-(2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-6-イル)-1H-ピロール-1-カルボン酸tert-ブチル(93mg)のジクロロメタン(5mL)、THF(5mL)混合溶液にTFA(5mL)を加え、室温下18時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣にメタノールを加え、生じた結晶をろ取し、赤色固体の6-(1H-ピロール-2-イル)-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン56mgを得た。
製造例27:5-(2-クロロアセチル)-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン(337mg)のDMF(10mL)溶液にチオ酢酸アミド(90mg)を加え、100℃にて1時間撹拌した。反応液を水にあけ、生じた沈殿をろ取し、水及びエタノールにて洗浄した。得られた固体をクロロホルム-メタノール混合溶液に溶解し、水及び飽和食塩水にて洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をDMFから再結晶し、赤色固体の5-(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン68mgを得た。
製造例28:5-(4-クロロブタノイル)-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン(350mg)のDMF(20mL)溶液にイミダゾール(144mg)を加え、55℃にて5日間撹拌した。放冷後、反応液を氷水にあけ、生じた沈殿をろ取、水洗した。上記の沈殿をSCC(クロロホルム-メタノールにて溶出)にて精製後、得られた固体をろ取、ジエチルエーテルにて洗浄し、橙色固体の5-(4-ヒドロキシブタノイル)-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン61mgを得た。
製造例29:(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)[6-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]酢酸エチル(354mg)のメタノール (5mL)溶液にエトキシルアミン塩酸塩(98mg)を加え、室温下1時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸(10mL)に溶解し、還元鉄(200mg)を加え、100℃にて1時間撹拌した。放冷後、クロロホルム-2-プロパノール(3:1)混合溶液、1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライトろ過し、クロロホルムにて洗浄した。ろ液を分液後、有機層を水、次いで飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルム-メタノールにて溶出)にて精製した。得られた固体をメタノール(5mL)に溶解し、4M塩化水素/酢酸エチル溶液(0.25mL)を加え、室温下10分間撹拌した。生じた沈殿をろ取し、メタノールにて洗浄し、赤色固体の3-[6-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒドO-エチルオキシム塩酸塩58mgを得た。
製造例30:氷冷下にて、キノリン-2-イル酢酸エチル(215mg)、1-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)エタノン(200mg)のDMF(5mL)溶液に60%NaH(80mg)を加え、同温下1時間撹拌した。反応液を水にあけ、1M塩酸を用いて酸性化した後、生じた沈殿をろ取、水洗した。得られた固体を酢酸(10mL)に溶解し、5%Pd-C(50mg)を加え、3.5気圧下室温にて18時間水素添加した。反応液をセライトろ過し、DMFにて洗浄した後、ろ液を濃縮した。残渣をろ取し、エタノールにて洗浄した。得られた粗結晶をDMFから再結晶し、6-アセチル-1-ヒドロキシ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン70mgを得た。
製造例380:3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-メチルオキシム(1.20g)のTHF(15mL)溶液にホルマリン(5mL)及び濃塩酸(0.1mL)を加え、24時間室温にて撹拌した。1M 水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルム-イソプロパノール(3:1 V/V)混合溶媒にて抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥後、濃縮し、残渣をメタノール(20mL)に懸濁し、28% アンモニア水溶液(2mL)を加え、14時間室温で撹拌した。水を加え、クロロホルム-イソプロパノール(3:1 V/V)混合溶媒にて抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥後、濃縮し、残渣をSCC(メタノール-クロロホルムにて溶出)にて精製し、橙色固体の3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド881mgを得た。
製造例381:3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド(400mg)のメタノール(20mL)溶液に酢酸 2-[(アミノオキシ)メチル]ピリジン(248mg)および濃塩酸(1滴)を加え50℃で2時間撹拌した。放冷後、濃縮し得られた残渣をSCC(メタノール-クロロホルムにて溶出)にて精製後、DMF(20mL)溶液とし、4M 塩化水素/酢酸エチル溶液(2mL)を加え室温で20分間撹拌した。濃縮した後、残渣を水-エタノールより再結晶し赤色固体の3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム 三塩酸塩320mgを得た。
上記の製造例と同様にして後記表8〜24に記載の製造例化合物を得た。後記表3〜7に参考例化合物の、並びに表8〜24に製造例化合物の構造式と物理化学的性状をそれぞれ示す。
表中の略号は、 Rex:参考例番号; Ex:製造例番号; Co:化合物番号; Str:構造; Sal:塩 (空欄:フリー体; Su:コハク酸塩; HCl:塩酸塩; Sy:製造法(数字は前記製造例の番号を示し、当該化合物をこの前記製造例と同様の方法により製造した事を示す。);Rsy:参考例製造法(記号は前記参考例の記号を示し、当該化合物をこの前記参考例と同様の方法により製造した事を示す。); Dat:物理化学的性状; Me:メチル; Et:エチル; Pr:n-プロピル; iPr:イソプロピル; cPr:シクロプロピル; Bu:n-ブチル; iBu:イソブチル; cHex:シクロヘキシル; Ph:フェニル;Bz:ベンゾイル; Bn:ベンジル; Ac:アセチル; Ms:メチルスルホニル; Thie3:3-チエニル; Py2:2-ピリジル; Py3:3-ピリジル; Py4:4-ピリジル; Thia4:4-チアゾリル; Pip1:1-ピペリジル; Pip2:2-ピペリジル; Pip3:3-ピペリジル; Pip4:4-ピペリジル; Morp:モルホリノ; Pipera:1-ピペラジニル; Pim:4-メチル-1-ピペラジニル; Im1:1-イミダゾリル; Fu3:3-フリル; Pyrr2:2-ピロリル; Pyrim2:2-ピリミジニル; Pyrim5:5-ピリミジニル; Pyra:2-ピラジニル; Thiom:チオモルホリノ; Boc:tert-ブトキシカルボニル;及び Pht:フタルイミド-2-イルをそれぞれ示す。なお、置換基の前の数字は置換位置を示し、R1若しくはR2基が複数存在する場合は、表中に置換位置と共に列記する。例えば、4-OMe-5,6-F2は4位にメトキシ、5及び6位にF原子が置換していることを示す。
Figure 2005145928
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Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で示される3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン誘導体又はその塩を有効成分として含有する医薬組成物。
    Figure 2005145928
    (式中の記号は以下の意味を示す。
    A、B、E、G及びJ:同一又は異なって、N原子又はC原子、
    1及びR2:同一又は異なって、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、Ra、X−(ORbで置換されていてもよいC1-8アルキレン)−Ra、X−C1-8アルケニレン−Ra又はX−C1-8アルキニレン−Ra、但し、R1及びR2はそれぞれ環窒素原子に置換することはない、
    X:O、CO、COO、OCO、S、SO、SO2、NRb、NRbSO2、SO2NRb、CONRb、NRbCO、NRbCONRc、NRbCOO、OCONRb又は結合、
    a:ハロゲノ低級アルキル、ハロゲン、NO2、CN、ORb、O−低級アルキレン−NRbc、COORb、CORb、CONRbc、NRbc、NRd−低級アルキレン−NRbc、NRd−低級アルキレン−ORb、N(低級アルキレン−NRbc2、NRcCORb、NRdCONRbc、SRb、SO低級アルキル、SO2低級アルキル、SO2RIN、SO2−低級アルキレン−RIN、RIN、SO2NRbc、NRcSO2b、NRcCOORb、OCO−NRbc、OCO−Rb、NRd−低級アルキレン−COORb、N(低級アルキレン−COORb2、CONRb−ORc、CONRd−低級アルキレン−COORb、CON(低級アルキレン−COORb2、CRd=N−O−Rc、CRd=N−O−低級アルキレン−COORb又はCRd=N−O−低級アルキレン−NRbc
    b、Rc及びRd:同一又は異なって、H、低級アルキル、低級アルキレン−RIN又はRIN、
    RIN:置換基を有していてもよい飽和複素環、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール、
    n及びm:同一又は異なって、0又は1〜4の整数)
  2. 血管内皮細胞増殖因子阻害剤である請求項1記載の医薬組成物。
  3. 血管新生阻害剤である請求項1記載の医薬組成物。
  4. 抗癌剤である請求項1記載の医薬組成物。
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