JP2005143244A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力変換装置1は、冷媒の流路をなす扁平管形状の冷却チューブ20と、電力変換回路を構成する平板状の半導体モジュール10とを交互に積層してなる半導体積層ユニット2を有してなる。各冷却チューブ20は、隣り合って積層した冷却チューブ20と所定の間隙を空けて相互に対面する扁平表面210の間に配設されたヘッダ管400を介して相互に連結してあると共に、ヘッダ管400を経由して冷媒の供給又は排出を行うように構成してある。そして、各冷却チューブ20の端部290は、冷却チューブ20の内側に嵌入する嵌入部230を有する封止部材23を用い、嵌入部230を各冷却チューブ20の内側に嵌入するよう封止部材23を接合して封止してある。
【選択図】図1
Description
一般に、電気自動車やハイブリッド自動車等では、市場拡大に向けて大型車種への展開や動力性能の向上が図られており、交流モータから大きな駆動トルクを確保するため大きな駆動電流が必要となってきている。
それ故、その交流モータ向けの駆動電流を生成する上記電力変換回路においては、該電力変換回路を構成するIGBT等の電力用半導体素子を含む半導体モジュールからの発熱が大きくなる傾向にある。
特に、電気自動車やハイブリッド自動車等に車載される電力変換装置では、エンジンルームやトランクルーム等の狭いスペースに収容しようとしたときサイズ上の問題が顕在化するおそれがある。
上記各冷却チューブは、隣り合って積層した上記冷却チューブと所定の隙間を空けて相互に対面する扁平表面同士の間隙に配設されたヘッダ管を介して相互に連結してあると共に、該ヘッダ管を経由して上記冷媒の供給又は排出を行うように構成してあり、上記各冷却チューブの端部は、該冷却チューブの内側に嵌入する嵌入部を有する封止部材を用い、上記嵌入部を上記各冷却チューブの内側に嵌入するよう上記封止部材を接合して封止してあることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
そのため、上記半導体積層ユニットは、上記冷却チューブの長手方向の端部の外方に冷媒ヘッダ等を配設する必要がないため、特に上記冷却チューブの長手方向における寸法を小さく構成することができる。
例えば、上記封止部材の全体が上記冷却チューブの内周に収容されるように構成すれば、上記封止部材を取り付けても、上記冷却チューブの長手方向及び幅方向の寸法が変化するおそれが少ない。
そのため、このような封止部材によれば、上記半導体積層ユニット及び該半導体積層ユニットを含む上記電力変換装置全体の体格が大型化するおそれをさらに抑えることができる。
そのため、上記半導体積層ユニットは、上記冷却チューブの長手方向の寸法を抑制して小型に構成できる。
そのため、上記冷却チューブの端部を封止する際にもその長手方向や幅方向の寸法増大を生じるおそれが少ない。また、上記冷却チューブの内側に上記嵌入部を嵌入させた状態で上記封止部材を接合すれば、該封止部材の接合強度を高くできると共に確実性高く上記冷却チューブの端部を封止することができる。
また、上記封止部材は、上記冷却チューブの長手方向の端面に当接するよう構成したつば状のフランジ部を有していることが好ましい(請求項2)。
さらに、上記冷却チューブの上記端面と上記フランジ部とを接合することにより、上記封止部材の接合強度を高めて上記半導体積層ユニットのシール性、信頼性をさらに向上することができる。
この場合には、上記のベローズ状のヘッダ管を伸縮することにより、隣り合って積層した上記冷却チューブの間隙に配設した上記半導体モジュールに対して適切な荷重を作用させることができる。
上記冷却チューブの内周側に嵌入させた上記嵌入部に対して、上記ヘッダ管の外周部を上記積層方向に重合させた状態で上記ヘッダ管を配設することが可能になる。そして、この場合には、上記ヘッダ管の連結箇所から上記長手方向の外方に向けて延設すべき上記冷却チューブの端部の長さを短くできる。それ故、上記封止部材を用いれば、上記冷却チューブにおける長手方向の長さを短縮して上記半導体積層ユニットを小型化することができる。
この場合には、上記冷却チューブの上記扁平表面に上記係止部を当接させることで、接合前の上記封止部材を確実性高く上記冷却チューブに取り付けできる。
そのため、上記封止部材によれば、例えば、上記冷却チューブの端部に上記封止部材を保持する治工具等を用いることなく、ろう付け接合等の接合工程を確実性高く実施することができる。
さらに、ろう付け接合した後の上記封止部材における上記係止部は、上記冷却チューブと上記封止部材との接合強度の向上にも有効である。
上記扁平表面の上記側端部に当接するように構成した上記係止部によれば、上記ヘッダ管に干渉するおそれが少ない。
特に、例えば、略円柱外形状を呈する上記ヘッダ管を適用する場合には、上記ヘッダ管の外周面は略円弧状に突出して上記冷却チューブの長手方向の端部に面する。
そのため、上記扁平表面における上記側端部は、上記ヘッダ管の外周面と上記冷却チューブの端部との間の空きスペースとなる可能性が高い。それ故、上記冷却チューブの上記側端部に上記係止部を配置すれば、上記係止部と上記ヘッダ管との干渉を抑制することができる。
この場合には、上記封止部材との接合面として、上記仕切り板の長手方向の端部がなす端面を利用できる。そのため、上記冷却チューブと上記封止部材との間の接合強度を高くして、上記冷却チューブのシール性をさらに十分に確保することができる。
特に、上記フランジ部を備えた上記封止部材では、上記仕切り板の長手方向の端面及び上記冷却チューブの内周面の2面の接合面に加えて上記冷却チューブの長手方向の端面を加えた3面の接合面を活用して、さらに接合強度高く上記封止部材を接合することができる。
この場合には、例えば、ろう付け接合等により、上記冷却チューブに対して上記係止部材を効率良く接合することができる。
この場合には、上記冷却チューブの端部に上記封止部材を取り付けた状態で加熱することで、該封止部材を生産性良くろう付け接合することができる。
本例の電力変換装置1について、図1〜図8を用いて説明する。
この電力変換装置1は、図1に示すごとく、冷媒の流路をなす扁平管形状の冷却チューブ20と、電力変換回路を構成する平板状の半導体モジュール10とを交互に積層してなる半導体積層ユニット2を有してなる。
図2に示すごとく、各冷却チューブ20は、隣り合って積層した冷却チューブ20と所定の隙間を空けて相互に対面する扁平表面210同士の間隙に配設されたヘッダ管400を介して相互に連結してあると共に、該ヘッダ管400を経由して冷媒の供給又は排出を行うように構成してある。
そして、各冷却チューブ20の端部290は、該冷却チューブ20の内側に嵌入する嵌入部230を有する封止部材23を用い、嵌入部230を各冷却チューブ20の内側に嵌入するよう封止部材23を接合して封止してある。
以下に、この内容について詳しく説明する。
この電力変換装置1は、図1に示すごとく、上記半導体積層ユニット2のほか、半導体モジュール10に制御信号を入力する図示しない制御基板や、コンデンサやリアクトル等から構成される図示しない電力回路等より構成される装置である。
本例の半導体積層ユニット2では、隣り合わせで積層した冷却チューブ20の間に、それぞれ2個の半導体モジュール10を並列配置してある。
そして、この半導体モジュール10は、上記一対の電極放熱板15と上記各素子11、12とを、モールド樹脂13により一体成形してモジュール化してなる。
上記半導体モジュール10は、図4に示すごとく、両面に電極放熱板15が露出するように樹脂成形してなり、この露出した電極放熱板15がIGBT素子11等の放熱面として機能するように構成してある。
そのため、この半導体モジュール10を用いた半導体積層ユニット2においては、該半導体積層ユニット2の表面側に電力端子150を突出させ、裏面側に制御端子160を突出させることができる。
この冷却チューブ20は、その両端部290付近の扁平表面210に、ヘッダ管400を接続するための貫通穴215(図7)を穿孔してなる。そして、冷却チューブ20の両端部290は、シール用の封止部材23をろう付け接合するように構成してある。
一方、上記ブレージング材よりなる本例の封止部材23では、加熱によりその表面のろう材が溶融するため、冷却チューブ20との間にろう材等を配置したり、塗布したりする必要がない。
封止部材23は、図5〜図7に示すごとく、冷却チューブ20の端部290の内側に嵌入させる嵌入部230と、冷却チューブ20の長手方向の端面291に当接するつば状のフランジ部235とを組み合わせてなる形状を有する。
そのため、冷却チューブ20の端部290に取り付けた封止部材23では、上記仕切り板22の各端面221に対して上記嵌入部230の先端面231を当接させて接合できる。
本例のヘッダ管400は、隣り合わせで積層した冷却チューブ20の間隙に配置するように構成してある。そして、ヘッダ管400は、その両端の連結管410を冷却チューブ20の上記貫通穴215(図7参照。)に嵌入した状態で各冷却チューブ20に接続してある。
すなわち、図6及び図7に示すごとく、ヘッダ管400の両端の連結管410の管径が、ヘッダ管400の中間部分の外径と比べて大幅に小径であることを有効に活用し、敢えて、ヘッダ管400の外周部と、封止部材23の嵌入部230とが積層方向に重なり合うようにヘッダ管400を接合してある。
このように冷媒供給用及び冷媒排出用の一対のヘッダ管400を配置すれば、該一対のヘッダ管400の間に冷却流路長を十分に確保しながら、そもそも冷媒の流路形成に貢献しない冷却チューブ20の端部290の長さを短縮することができる。
また、冷却チューブ20と半導体モジュール10との間には、電気的な絶縁性を確保するためのセラミック板(図示略)と、熱伝導率を向上するためのシリコングリス層を配設してある。
上記一対のフレーム53は、上記半導体積層ユニット2の長手方向のサイズよりもわずかに大きい間隙を空けて相互に対面するよう、上記プレート部51上に直立するように配設してある。各フレーム53は、一対のフレーム53間に渡したばね材55の端部を係止するための固定ピン538を有してなる。そして、上記電力変換装置1では、上記プレート部51とばね材55との間に形成される空間に半導体積層ユニット2を組み込んである。
なお、本例では、半導体積層ユニット2の積層方向の他方の端面は、上記プレート部51の表面に接合してある。
そのため、本例の電力変換装置1では、上記挟圧プレート550を介設することにより、上記扁平表面210に対して上記ばね材55の弾性変形による押圧力を均等に近く分配して作用できるのである。
なお、本例の電力変換装置1では、上記ばね材55のばね定数を適宜、変更することにより、半導体積層ユニット2を積層方向に加圧する荷重を調節することができる。
そのため、本例の電力変換装置1では、半導体モジュール10と冷却チューブ20との間の熱の移動を促進でき、半導体モジュール10を効率良く冷却することができる。
特に、本例の電力変換装置2では、半導体モジュール10の両面側に冷却チューブ20が当接しているため、該半導体モジュール10を冷却する性能が非常に高い。
そのため、この電力変換装置1では、各半導体モジュール10の電力端子150を結線するための電力バスバー(図示略)を半導体積層ユニット2の上記表面側に配設することにより、電力信号線の効率的な取り回しが可能となる。そして、上記電力変換装置1の上記裏面側においては、上記制御端子160に接続すべき信号用配線等の効率的な取り回しが可能であり、さらには、上記信号用配線を形成するプリント基板等を直接的に配設することもできる。
そのため、この半導体積層ユニット2では、冷却チューブ20の長手方向の端部290のさらに外側に別途、冷媒ヘッダを形成するタンク等を配設する必要がない。それ故、上記半導体積層ユニット2における長手方向の寸法を小型に構成することができる。
該封止部材23によれば、上記冷却チューブ20の外周側に覆い被せるように接合するオーバーキャップ(図13)等と比べて、上記冷却チューブ20の端部290がその幅方向に大きくなることを抑制することができる。
また、本例の封止部材23では、上記のごとく、冷却チューブ20の内部に嵌入した上記嵌入部230に対して、ベローズ管400の外周部が積層方向に重合する状態でベローズ管400を配設してある。そのため、本例の半導体冷却ユニット2では、冷却チューブ20の端部290の長さを抑制することができる。
そのため、冷却チューブ20と封止部材23との間の間隙は、上記の3面の接合面によりシールでき、冷却チューブ20の内部の機密性を信頼性高く実現することができる。また、上記の3面の接合面を利用して接合した封止部材23は、高い接合強度を呈し、長期間に渡る使用に際してもシール漏れ等のトラブルを生じるおそれが少ない。
この場合には、上記嵌入部230のみからなる封止部材23の全体を上記冷却チューブ20の内側に収容することで、冷却チューブ20の長手方向の寸法変化をほとんどなくすことができる。
本例は、実施例1の電力変換装置を基にして、封止部材の形状を変更した例である。この内容について図9〜図12を用いて説明する。
本例の封止部材23は、図9〜図11に示すごとく、実施例1と同様の嵌入部230と、フランジ部235とに加えて、該フランジ部235の外周に配設された係止部237を有してなる。この係止部237は、冷却チューブ20の長手方向に向けて扁平表面210に沿って延びるツメ状をなす部分である。
そのため、上記封止部材23によれば、該封止部材23をろう付け接合する工程において、冷却チューブ20に対して封止部材23を保持する治工具等を用いる必要が少ない。
そのため、上記扁平表面210の両側端部に配置される上記係止部237は、冷却チューブ20に接合するヘッダ管400に干渉するおそれが少ない。それ故、本例の封止部材230を用いれば、実施例1と同様に冷却チューブ20の端部290の長さを抑制することが可能である。
さらに、図12に示すごとく、本例の封止部材からフランジ部235を省略することもできる。すなわち、嵌入部230の外周に、略L字状を呈する係止部237を配設した封止部材23としても良い。
この場合には、冷却チューブ20の端部290の端面291に対して、係止部237における上記端面291に対面する面238を当接させて、例えば、単穴管よりなる冷却チューブ20に対する組み付け時の位置決めを精度良く行うことができる。
本例は、実施例1と同様の冷却チューブ92の端部990に覆い被せるように構成したオーバーキャップ93を利用した比較例である。この内容について、図13及び図14を用いて説明する。
このオーバーキャップ93は、冷却チューブ92の断面外形状を含み、これよりも大きい断面外形状を有してなり、かつ、冷却チューブ92側に面する表面には、冷却チューブ20の断面外形状に対してわずかに大きく形成した凹部930を有している。そして、このオーバーキャップ93は、上記冷却チューブ92の端部990を凹部930に収容した状態で、冷却チューブ92に取り付けるように構成してある。
さらに、冷却チューブ92の端部990にオーバーキャップ93を被せた場合には、オーバーキャップ93とヘッダ管400との干渉を回避するため、実施例1と比べて冷却チューブ92の端部を延長する必要がある。
そのため、オーバーキャップ93を用いて作製した半導体積層ユニットは、実施例1の半導体積層ユニットと比べて、冷却チューブ92の長手方向の寸法が大きくなってしまうおそれが高い。
10 半導体モジュール
11 IGBT素子
12 フライホイールダイオード素子
2 半導体積層ユニット
20 冷却チューブ
210 扁平表面
290 端部
291 端面
23 封止部材
230 嵌入部
235 フランジ部
41、42 ヘッダ部
400 ヘッダ管
Claims (8)
- 冷媒の流路をなす扁平管形状の冷却チューブと、電力変換回路を構成する平板状の半導体モジュールとを交互に積層してなる半導体積層ユニットを有してなり、
上記各冷却チューブは、隣り合って積層した上記冷却チューブと所定の隙間を空けて相互に対面する扁平表面同士の間隙に配設されたヘッダ管を介して相互に連結してあると共に、該ヘッダ管を経由して上記冷媒の供給又は排出を行うように構成してあり、上記各冷却チューブの端部は、該冷却チューブの内側に嵌入する嵌入部を有する封止部材を用い、上記嵌入部を上記各冷却チューブの内側に嵌入するよう上記封止部材を接合して封止してあることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1において、上記封止部材は、上記冷却チューブの長手方向の端面に当接するよう構成したつば状のフランジ部を有していることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1又は2において、上記ヘッダ管は、略円柱外形状を呈するベローズ状に形成してなることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記封止部材は、上記扁平表面に当接する少なくとも1箇所の係止部を有していることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4において、上記係止部は、上記扁平表面のうち、その幅方向の側端部に当接するように構成してあることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記冷却チューブは、その長手方向に沿って形成された仕切り板によって区画した複数の上記流路を並設してなる多穴管であることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記冷却チューブ及び上記封止部材は、アルミ合金材料よりなることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項において、上記封止部材は、基材の表面にろう材を一体的に配置してなるブレージング材よりなることを特徴とする電力変換装置。
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