JP2005139420A - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好な透明性と密着性をもつ積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】 接着剤層と樹脂層とからなる透明樹脂複合体の接着剤層側に、基板を熱圧着する工程を有する積層体の製造方法であって、(1)前記接着剤層は、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基及びシアノ基からなる群より選択される1種類以上の極性基を有する樹脂からなり、(2)前記樹脂層は、前記群に含まれるいずれの極性基をも有しない脂環式オレフィン樹脂からなり、(3)熱圧着温度は、40℃以上、接着剤層を構成する樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする積層体の製造方法。
さらに、接着剤層に層状結晶化合物を含有させると、優れた耐湿性のある積層体が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】 接着剤層と樹脂層とからなる透明樹脂複合体の接着剤層側に、基板を熱圧着する工程を有する積層体の製造方法であって、(1)前記接着剤層は、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基及びシアノ基からなる群より選択される1種類以上の極性基を有する樹脂からなり、(2)前記樹脂層は、前記群に含まれるいずれの極性基をも有しない脂環式オレフィン樹脂からなり、(3)熱圧着温度は、40℃以上、接着剤層を構成する樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする積層体の製造方法。
さらに、接着剤層に層状結晶化合物を含有させると、優れた耐湿性のある積層体が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体材料等に好適に使用される積層体の製造方法に関する。
液晶基板などの表示素子製造では、基板に透明性が要求される。透明基板としては、ガラスなどの無機材料からなるものが広く用いられているが、耐湿性、耐熱性など各種の特性が表示素子に対して要求されている。このため、透明基板には、こうした無機材料に有機樹脂フィルムなどを積層して、これらの性能を確保する検討が進められている。
WO99/01519号公報では、熱可塑性の脂環式オレフィン樹脂が半導体材料用の接着剤として有用であることが開示され、加熱加圧条件下で接着する方法が記載されている。また、脂環式オレフィン樹脂は、その優れた電気特性や透明性から多くの半導体材料に使用することが提案されている。例えば、特開平3−95286号公報には、脂環式オレフィン樹脂と溶剤とからなる接着剤が提案されている。ここでは、この接着剤を使用した場合、加圧条件下での接着が推奨されている。
WO99/01519号公報では、熱可塑性の脂環式オレフィン樹脂が半導体材料用の接着剤として有用であることが開示され、加熱加圧条件下で接着する方法が記載されている。また、脂環式オレフィン樹脂は、その優れた電気特性や透明性から多くの半導体材料に使用することが提案されている。例えば、特開平3−95286号公報には、脂環式オレフィン樹脂と溶剤とからなる接着剤が提案されている。ここでは、この接着剤を使用した場合、加圧条件下での接着が推奨されている。
本発明者らは、透明性に優れた脂環式オレフィン樹脂からなる樹脂フィルムを選択し、特許文献2記載の半導体製造用接着剤を用いてガラス基板へ当該樹脂フィルムを接着させて積層体を製造した。その結果、積層体の透明性(400〜650nmの平行入射光束に対する透過率;以下、全光線透過率という)がガラス基板のそれより10%以上低下してしまうことが判明した。そして、その原因が、接着時の加熱による接着剤層の着色にあることを確認した。
特許文献2記載のように、接着時の温度が接着剤層のガラス転移温度以上になると、接着剤層の熱膨張率(α2)が急激に上昇する。この結果、冷却時に、積層体を構成する各層の熱伝達の差による収縮差が大きくなる。この収縮差に起因して、各層間にズレが発生し、密着性や透明性が下することが判った。
特許文献2記載のように、接着時の温度が接着剤層のガラス転移温度以上になると、接着剤層の熱膨張率(α2)が急激に上昇する。この結果、冷却時に、積層体を構成する各層の熱伝達の差による収縮差が大きくなる。この収縮差に起因して、各層間にズレが発生し、密着性や透明性が下することが判った。
かかる知見のもと、透明性を低下させることなく、特定の樹脂成分を用いて得られる透明樹脂複合体を任意の基板に積層して得られる積層体の密着性と透明性を向上させるべく鋭意検討した結果、接着時の加熱温度を、接着剤層を構成する樹脂のガラス転移温度以下にすることで透明性の低下が抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至った。特に、接着剤層に存在する極性溶媒の量が所定範囲である場合、優れた密着性が得られる。
かくして本発明によれば、接着剤層と樹脂層とからなる透明樹脂複合体の接着剤層側に、基板を熱圧着する工程を有する積層体の製造方法であって、(1)前記接着剤層は、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基及びシアノ基からなる群より選択される1種類以上の極性基を有する樹脂からなり、(2)前記樹脂層は、前記群に含まれるいずれの極性基も有しない脂環式オレフィン樹脂からなり、(3)熱圧着時の温度は、40℃以上、接着剤層を構成する樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする積層体の製造方法が提供される。また、当該方法により得られた積層体が提供される。本発明の方法によれば、透明基板を用いた場合に、透明性に優れた積層体を得ることができる。
本発明の積層体の製造方法は、接着剤層と樹脂層とからなる透明樹脂複合体の接着剤層側に、基板を熱圧着する工程を有する積層体の製造方法に関するものであり、次の(1)〜(4)の特徴を有する。
(1)透明樹脂複合体は、接着剤層と樹脂層とからなる。
(2)接着剤層は、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基及びシアノ基からなる群より選択される1種類以上の極性基を有する樹脂(以下、「特定極性基含有樹脂」という)からなる。
(3)樹脂層は、前記群に含まれるいずれの極性基も有しない脂環式オレフィン樹脂(以下、「他の脂環式オレフィン樹脂」という)からなる。
(4)熱圧着温度は、40℃以上、接着剤層を構成する樹脂のガラス転移温度以下である。
前記接着剤層には、接着剤層の重量に対して0.5〜8重量%の溶剤を含有させると、密着性が向上するので好ましい。また、接着剤層に、層状結晶化合物を含有させると耐湿性が向上するので好ましい。
(2)接着剤層は、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基及びシアノ基からなる群より選択される1種類以上の極性基を有する樹脂(以下、「特定極性基含有樹脂」という)からなる。
(3)樹脂層は、前記群に含まれるいずれの極性基も有しない脂環式オレフィン樹脂(以下、「他の脂環式オレフィン樹脂」という)からなる。
(4)熱圧着温度は、40℃以上、接着剤層を構成する樹脂のガラス転移温度以下である。
前記接着剤層には、接着剤層の重量に対して0.5〜8重量%の溶剤を含有させると、密着性が向上するので好ましい。また、接着剤層に、層状結晶化合物を含有させると耐湿性が向上するので好ましい。
ここで熱圧着温度の上限の基準となる樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計を用いて測定された値である。尚、接着剤層を構成する樹脂として2種類以上の樹脂を組み合わせて用いる場合、ガラス転移温度は、混合された樹脂について測定されたガラス転移温度の最も高い値である。特定極性基含有樹脂のガラス転移温度は、通常40〜190℃、好ましくは50〜160℃、より好ましくは60〜145℃である。
本発明において、接着剤層を構成する樹脂の種類は透明性を有する限り特に限定されず、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂などが挙げられる。中でも、樹脂層を構成する脂環式オレフィン樹脂との接着性に優れるので、芳香環構造または脂環式構造を有するオレフィン樹脂が好ましく、脂環式オレフィン樹脂がより好ましい。本発明において脂環式オレフィン樹脂とは、鎖状または環状の、モノオレフィンまたは共役若しくは非共役のジオレフィンの重合体であって、分子内に脂環式構造を有する樹脂を表す。前記脂環式構造は、芳香環構造の水素化や、分子内環化などにより重合後に形成されたものであってもよい。
脂環式オレフィン樹脂の具体例としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物との付加重合体、単環シクロアルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体及びその水素化物、ビニル系脂環式炭化水素重合体及びその水素添加物、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物、共役ジエン重合体もしくは芳香族オレフィン−共役ジエンブロック共重合体の環化物及びそれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物、芳香族オレフィン−共役ジエンブロック共重合体の環化物及びその水素化物が好ましく、特にノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物が好ましい。
脂環式オレフィン重合体は、ノルボルネン環を有する脂環式オレフィンを付加重合又は開環重合し、そして必要に応じて不飽和結合部分を水素化することによって得られる。また脂環式オレフィン重合体は、芳香族オレフィンを付加重合し、そして当該重合体の芳香環部分を水素化することによっても得られる。さらに脂環式オレフィン重合体は、芳香族オレフィン−共役ジエンブロック共重合体の共役ジエンブロックを内部環化させることによっても得られる。
本発明において特定極性基含有樹脂に結合している特定極性基は、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基又はシアノ基である。酸無水物基は、ジカルボン酸化合物の酸無水物由来の基である。酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物などが挙げられる。特定極性基は、この脂環式オレフィンの脂環を構成する炭素原子に直接結合していても、メチレン基、オキシ基、オキシカルボニルオキシアルキレン基、フェニレン基など他の二価の基を介して結合していてもよい。二価の基を介した極性基としては、水酸基と二価の基からなるヒドロキシメチル基やヒドロキシエチルオキシ基など;カルボキシル基と二価の基からなるオキシカルボニルメチル基やオキシカルボニルメチルオキシカルボニル基など;が挙げられる。
特定極性基を有する脂環式オレフィン樹脂は、(A)ノルボルネン環を有する脂環式オレフィンモノマーとして特定極性基を有するものを用い、必要に応じて、エチレン、1−ヘキセン、1,4−ヘキサジエンなどの共重合可能な化合物と共に重合反応を行うことにより得ることもできるが、例えば、(B)特定極性基を有さない脂環式オレフィン重合体に、ラジカル開始剤存在下、炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などを用いて、グラフト反応させて導入することによって、(C)エステル基などの特定極性基を与えうる極性基を含有するモノマーを共重合成分として共重合した後、このエステル基などを加水分解することによって置換基を変換することもできる。
前記(A)の方法に用いる特定極性基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
前記(A)の方法に用いる特定極性基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
カルボキシル基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−カルボキシメチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−エキソ−6−エンド−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−エキソ−9−エンド−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
酸無水物基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無水物、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン−11,12−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
水酸基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシエトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシエトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、11−ヒドロキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、11−ヒドロキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、11,12−ジヒドロキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、11−ヒドロキシエトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、
11−メチル−11−ヒドロキシエトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、11−ヒドロキシブトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、11−ヒドロキシプロポキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、11−メチル−11−ヒドロキシプロポキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン、8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−カルボキシメチル−8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどを挙げることができる。
エポキシ基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、5−ノルボルネン−2−カルボン酸グリシジルエステルが挙げられ、シアノ基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、2−シアノ−5−ノルボルネンが挙げられる。
前記(B)の方法に用いる特定極性基を有さない脂環式オレフィン重合体は、上述したようなモノマー以外のモノマーを用いて、常法により重合し、必要に応じて水素添加して得られたものである。
具体的なモノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.02,8]テトラデカ−3,5,7,12,11−テトラエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどの極性基を有しないノルボルネン系モノマー;
具体的なモノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.02,8]テトラデカ−3,5,7,12,11−テトラエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどの極性基を有しないノルボルネン系モノマー;
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのエステル基を含有するノルボルネン系モノマー;
スチレン、α−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−フェニルスチレン、p−メトキシスチレン、p−メトキシメチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、クロロメチルスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの芳香族ビニル化合物;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどの共役ジエンモノマー;等が例示される。
このような重合体に特定極性基を導入する際に用いる炭素−炭素不飽和結合を有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸化合物及びこれらのエステル又はアミド;無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物等の極性基含有化合物などが挙げられる。
(C)の方法に用いられるエステル基などの特定極性基を与えうる極性基を含有するモノマーとしては、前記のエステル基を含有するノルボルネン系モノマーなどが挙げられる。
接着剤層を形成する方法に格別な制限はなく、特定極性基を有する樹脂を用いて、溶液キャスト法や溶融押し出し法によればよいが、透明樹脂複合体を形成する方法として後述する(2)の方法を採用する場合、接着剤層の膜厚をできるだけ均一に塗工するために、溶液キャスト法を採用するのが好ましい。
溶液キャスト法により接着剤層を形成する場合、接着剤層を構成する材料を適当な溶剤に溶解してワニスを得て、これを例えば、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、エアナイフコーティング、ブレードコティング、デイップコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティングなどの方法により、樹脂層に又は金属箔や樹脂フィルムなどの支持体に塗布すればよい。これらの中でも、膜厚の制御の容易性からリバースロールコーティング、グラビアコーティング、ダイコーティングが好ましい。塗布後は、溶剤を除去するための乾燥を行うのが一般的である。このときの乾燥条件は、有機溶剤の種類により適宜選択され、乾燥温度は、通常20〜300℃、好ましくは30〜200℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜1時間、好ましくは1〜30分である。乾燥に際しては、例えば温風加熱、不活性ガス加熱炉、オーブン炉などを用いればよい。更に、接着剤層形成用の材料に硬化剤などを混合しておけば、加熱などによって接着剤層を硬化させることもできる。
溶融押し出し法により接着剤層を形成する方法は、後述する樹脂層の形成方法に準じればよい。溶液キャスト法でワニスを支持体に塗布して接着剤層を形成した場合や、溶融押し出し法によって接着剤層を形成した場合、後述する透明樹脂複合体を形成する方法の(1)の方法により積層することができる。
接着剤層には、密着性向上の観点から、全接着剤層重量に対して、通常0.5〜8重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜5重量%の溶剤が含まれているのが望ましい。接着剤層に溶剤を含有させる方法に格別な制限はなく、例えば、溶液キャスト法で接着剤層を形成する場合は、樹脂等を溶解するのに用いる溶剤を、接着剤層形成時の乾燥工程で、溶剤を完全には除去しないよう、乾燥温度や乾燥時間を制御しながら、過剰な溶剤を除去すればよい。
接着剤層に存在する溶剤は、溶液キャスト法で樹脂を溶解するのに用いる溶剤でよい。好ましい溶剤としては、ケトン類、エーテル類、エステル類、並びに芳香族炭化水素類及びその水素添加物が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。溶剤を単独で使用する場合は、常圧での沸点が100℃以上であるものを選択するのが良く、沸点が100℃未満の溶剤を選択する場合は、沸点が100℃以上のものと組み合わせて用いるのが好ましい。また溶剤の沸点が210℃を超える溶剤は、乾燥に時間がかかるため生産性に欠ける。
接着剤層に存在する溶剤の具体例としては、エチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;トルエン、キシレン、ターシャリーブチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン、テトラリンなどの芳香族炭化水素類の水素添加物(但し、脂肪族性の炭素−炭素二重結合を有しないもの);等が挙げられる。なかでも、透明樹脂層表面のダメージの原因となる透明樹脂層の過剰溶解がなく、光学特性の劣化が抑制され、また無機基板と接着剤層との接着性低下を生じにくいことから、エーテル類;ケトン類又はエステル類と芳香族炭化水素類又はその水素添加物との組み合わせ;が好ましい。
接着剤層に含有する溶剤量は、接着剤層部分を、接着剤層を形成したのと異なる溶剤(以下、異種溶剤という)を用いて溶解させて得られた溶液を用いたガスクロマトグラフィーによって、接着剤層を形成するのに用いた溶剤を内部標準として測定する。
接着剤層部分を異種溶剤に溶解する方法としては、(a)透明樹脂複合体を直接異種溶剤に浸漬する、(b)透明樹脂複合体から接着剤層部分を掻き取り、これを異種溶剤に浸漬する、(c)樹脂層に接着剤層を形成するのと同一の条件で、樹脂層の変わりにガラス板上に接着剤層を形成し、この接着剤層部分を掻き取り、これを異種溶剤に浸漬する、などの方法が挙げられる。
(a)の方法は、樹脂層形成に際して溶剤を使用しなかった場合に好適である。(b)の方法は、樹脂層の形成に際して溶剤を使用した場合にも採用でき、特に(b)の方法は、接着剤層の厚みが比較的大きいものに好適である。
(a)の方法は、樹脂層形成に際して溶剤を使用しなかった場合に好適である。(b)の方法は、樹脂層の形成に際して溶剤を使用した場合にも採用でき、特に(b)の方法は、接着剤層の厚みが比較的大きいものに好適である。
また、本発明にかかる接着剤層には、層状結晶化合物を含有させることができる。層状結晶化合物を含有させることにより、耐湿性が向上する。層状結晶化合物は、その化合物が平面的に配列されたシート構造を有する状態(層状)にあり、その垂直方向にシート構造の繰り返しが見られる、多結晶層構造を有する化合物である。この層状結晶化合物は、結晶層が相互にファンデルワールス力または水素結合力により結合されているものと、各結晶層間に陽イオンが介在していて、負電荷に荷電した結晶層が相互に前記陽イオンを介して微弱な静電力により結合されているものとに大別することができる。
このような層状結晶化合物の具体例としては、グラファイト、TiS2、NbSe2、MoS2等の遷移金属ジカルコゲン化物;CrPS4等の二価金属リンカルコゲン化物;MoO3、V2O5等の遷移金属の酸化物;FeOCl、VOCl、CrOCl等のオキシハロゲン化物;Zn(OH)2、Cu(OH)2等の水酸酸化物;Zr(HPO4)2・nH2O、Ti(HPO4)3・nH2O、Na(UO2PO4)3・nH2O等のリン酸塩;Na2Ti3O7、KTiNbO5、RbxMnxTi2−xO4等のチタン酸塩;Na2U2O7、K2U2O7等のウラン酸塩;KV3O8、K3V5O14、CaV6O16・nH2O、Na(UO2V3O9)・nH2O等のバナジン酸塩;KNb3O3、K4Nb6O17等のニオブ酸塩;Na2W4O13、Ag4W10O13等のタングステン酸塩;Mg2Mo2O7、Cs2Mo5O16、Cs2Mo7O22、Ag4Mo10O33等のモリブデン酸塩;モンモリロナイト、サポナイト、ハイデライト、ヘクトライト、ノントロナイト、スティブンサイト、トリオクタヘドラルバーミキュライト、ジオクタヘドラルバーミキュライト、マスコバイト、フィロゴバイト、バイオタイト、レピドライト、バラゴナイト、テトラシリシックマイト、カオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、H2SiO5、H2Si14O29・5H2O等の珪酸塩またはこの珪酸塩により構成される鉱物類等を挙げることができる。
これら層状結晶化合物の中でも、前記樹脂への分散性、得られる樹脂組成物の耐熱性、機械的強度の観点から、珪酸塩、リン酸塩およびモリブデン酸塩が好ましく、さらには、珪酸塩が特に好ましい。
前記層状結晶化合物を有機化することができる有機化剤としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などの陽イオン性化合物が挙げられるが、本発明は陽イオン性部以外に極性基を有する化合物を用いることにより達成することができる。陽イオン性化合物としてはR1R2R3R4N+X−で表されるアンモニウム塩が好ましい。
また、前記極性基としては、ヘテロ原子、ヘテロ原子を有する原子団等を挙げることができ、ヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等を挙げることができる。該極性基としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基、イソシアネート基等が挙げられる。
前記R1R2R3R4N+X−において、R1、R2、R3、R4は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜30の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、極性基を側鎖に有する飽和炭化水素基を表す。この炭素数1〜30の飽和または不飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基、ラウリル基、オレイル基等の不飽和脂肪族炭化水素基、フェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基を挙げることができる。
極性基を側鎖に有する飽和炭化水素基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の水酸基含有飽和炭化水素基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基等のカルボキシ基含有飽和炭化水素基、メルカプトメチル基、メルカプトエチル基等のチオール基含有飽和炭化水素基等が挙げられる。また、X−としてはCl−、Br−、NO3−、OH−、CH3COO−等の陰イオンを挙げることができる。
このような層状結晶化合物は、特定極性基含有樹脂に対して、通常0.01〜15重量%の割合で用いるが、耐湿性とピール強度とのバランスの観点から、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。
特定極性基含有樹脂に層状結晶化合物を含有させる方法は特に制限されないが、例えば、(i)特定極性基含有脂樹脂、層状結晶化合物および分散剤を、ブラベンダー、押出機、ロール等を用いて溶融混合する方法、(ii)特定極性基含有樹脂、層状結晶化合物および分散剤を溶液中でブレンドする方法等を挙げることができる。中でも、層状結晶化合物の分散性の向上を図ることのできる上記(ii)の方法が好ましい。より具体的には、例えば次のようにして製造することができる。
層状結晶化合物を有機化剤で有機化処理をすることにより有機化層状結晶化合物を調製する。この有機化層状結晶化合物と、特定極性基含有樹脂と、分散剤とを混合する。混合に際して、前記有機化層状結晶化合物は有機溶媒に分散してなる溶媒分散液にし、特定極性基含有樹脂もこれを有機溶媒に分散してなる溶媒分散液にして、混合するのが好ましい。有機溶媒としては芳香族有機溶媒が好ましい。混合を行う装置に特に制限はないが、高速回転ミキサーを用いることが好ましい。
好ましく用いられる前記高速回転ミキサーは、撹拌部の先端速度が15m/秒以上、好ましくは20m/秒以上、より好ましくは30m/秒以上の速度で稼動されることが望ましい。先端速度の上限は、通常、90m/秒程度である。このような高速回転による撹拌によって、せん断力を強力にして、無機化合物の分散を均一にすることができる。
混合および分散処理に要する時間は、通常は2〜1800秒、好ましくは5〜1200秒、より好ましくは5〜900秒である。また、混合および分散処理の温度は、通常は20〜80℃、好ましくは30〜70℃である。
前記高速回転ミキサーは、容器と撹拌ホイールとを備えており、撹拌ホイールは、高速回転が可能でその端部が容器内側近傍に達する直径を有していることが好ましい。このような撹拌ホイールを高速回転させると、遠心力によって、撹拌液が容器内側面に回転しながら、薄膜状に押し付けられ、その薄膜に撹拌ホイールの先端部が接触して、効率的な撹拌を実現できることができる。
高速回転ミキサーとしては、薄膜旋回型高速ミキサー、薄膜旋回型高速回転分散混合機等を挙げることができ、市販品としては、特殊機化工業株式会社製の薄膜旋回型高速ミキサー(商品名:T.K.フィルミックス)、特殊機化工業株式会社製の薄膜旋回型高速粉体溶解装置(商品名:T.K.パウダーフィルミックス)等を挙げることができる。
このようにして調製した混合物から、濾過、加熱濃縮などにより溶媒を除去して、層状結晶化合物を含有する特定極性基含有樹脂を得ることができる。
樹脂層は、上述した特定極性基を有さない脂環式オレフィン重合体からなるものである。樹脂層を形成する脂環式オレフィン重合体は、特定極性基以外の極性基、例えば、エステル基やアミノ基などを有していても良いが、表示素子用パネルなどの吸湿性を低く抑えたい用途への適用では、特定極性基はもちろん、特定極性基以外の極性基も有しないものを選択するのが好ましい。
樹脂層を形成する方法としては、上述した脂環式オレフィンモノマーのうち、特定極性基を有さない脂環式オレフィンモノマーを用いて得られた重合体を用いて、溶融押し出し法や溶液キャスト法により形成する方法が挙げられ、生産性の観点から溶融押し出し法が好ましい。
溶融押し出し法の中でも、膜厚精度に優れる点でTダイ成型法が好ましい。使用する押し出し機に格別な制限はなく、例えば単軸押出し機、二軸押出し機などを使用することができる。成型条件は使用目的や成型方法により適宜選択されるが溶融押出し成型法による場合、シリンダー温度が好ましくは100〜600℃、より好ましくは150〜350℃の範囲で適宜設定される。樹脂層を構成する材料のガラス転移温度を超える温度で、押出し時の樹脂の流動性を見ながら適宜選択することができる。
溶液キャスト法により樹脂層を形成する場合、上述した接着剤層を形成する方法に準じて行えばよい。
溶融押し出し法の中でも、膜厚精度に優れる点でTダイ成型法が好ましい。使用する押し出し機に格別な制限はなく、例えば単軸押出し機、二軸押出し機などを使用することができる。成型条件は使用目的や成型方法により適宜選択されるが溶融押出し成型法による場合、シリンダー温度が好ましくは100〜600℃、より好ましくは150〜350℃の範囲で適宜設定される。樹脂層を構成する材料のガラス転移温度を超える温度で、押出し時の樹脂の流動性を見ながら適宜選択することができる。
溶液キャスト法により樹脂層を形成する場合、上述した接着剤層を形成する方法に準じて行えばよい。
上述した樹脂層と接着剤層とは、それぞれ、上述した各成分や溶剤以外に、必要に応じて、硬化剤、難燃剤、充填剤、軟質重合体、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス、乳剤、磁性体、誘電特性調整剤、靭性剤などを含有していてもよい。これらの成分の割合は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
樹脂層と接着剤層とを有する透明樹脂複合体を製造する方法に格別な制限はなく、例えば(1)樹脂層と接着剤層とを別々に用意し、両者を、熱融着などによって結合する方法、(2)樹脂層を形成した後、接着剤を樹脂層上に直接塗布して、接着剤層を形成する方法、などが挙げられる。透明樹脂複合体の製造効率の観点から、(2)による方法が好ましい。
本発明においては、透明樹脂複合体を、基板に熱圧着により積層することにより、積層体を形成する。
基板としては、光学用白色ガラス、ソーダガラス、蒸着形成薄膜ガラス(酸化シリコン)などのガラス類;アルミニウム、ステンレス、銅、シリコン、鉄などの金属類および金属酸化膜類;セラミックス類;等の無機材料からなる基板や、樹脂製の基板などが挙げられる。中でも好ましくは光学用白色ガラス、蒸着形成薄膜ガラスなどの透明基板、シリコンウエハなどの均一平面性に優れた鏡面形成基板などである。
また、無機材料からなる基板を使用する場合、基板表面をカップリング剤処理すると、密着性が向上し、また高い透明性が確保できるので好ましい。
基板としては、光学用白色ガラス、ソーダガラス、蒸着形成薄膜ガラス(酸化シリコン)などのガラス類;アルミニウム、ステンレス、銅、シリコン、鉄などの金属類および金属酸化膜類;セラミックス類;等の無機材料からなる基板や、樹脂製の基板などが挙げられる。中でも好ましくは光学用白色ガラス、蒸着形成薄膜ガラスなどの透明基板、シリコンウエハなどの均一平面性に優れた鏡面形成基板などである。
また、無機材料からなる基板を使用する場合、基板表面をカップリング剤処理すると、密着性が向上し、また高い透明性が確保できるので好ましい。
熱圧着は、加圧ラミネータ、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータなどの加圧機を使用して行えばよい。透明基板との接着後、積層体の光学特性を維持するには、気泡巻き込みが無く、均一圧着性に優れた真空ラミネータが優れている。
熱圧着時の温度は、上述したとおり、所定の範囲に設定する。即ち下限は、40℃、好ましくは50℃、より好ましくは60℃であり、上限は、接着剤層を構成する脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度、好ましくは当該ガラス転移温度より5℃低い温度、より好ましくは当該ガラス転移温度より10℃低い温度である。この温度範囲で、熱圧着すれば、得られる積層体に優れた透明性が確保できる。
圧着力は、通常10kPa〜20MPa、好ましくは100kPa〜10MPa、圧着時間は、通常30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間である。また、加熱圧着は、気泡等の発生を抑えるために減圧下で行うのが好ましい。減圧する場合、通常100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paに雰囲気を減圧する。
熱圧着時の温度は、上述したとおり、所定の範囲に設定する。即ち下限は、40℃、好ましくは50℃、より好ましくは60℃であり、上限は、接着剤層を構成する脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度、好ましくは当該ガラス転移温度より5℃低い温度、より好ましくは当該ガラス転移温度より10℃低い温度である。この温度範囲で、熱圧着すれば、得られる積層体に優れた透明性が確保できる。
圧着力は、通常10kPa〜20MPa、好ましくは100kPa〜10MPa、圧着時間は、通常30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間である。また、加熱圧着は、気泡等の発生を抑えるために減圧下で行うのが好ましい。減圧する場合、通常100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paに雰囲気を減圧する。
こうして得られた積層体のうち、基板として、透明基板を用いた場合、積層方法として本発明の方法を採用することで、積層体の全光線透過率の低下が抑制される。
こうして得られた積層体の全光線透過率は、通常85%以上、好ましくは90%以上である。ここで全光線透過率はJIS K7361に準拠して測定される試験フィルムへの、波長400nm〜650nmの平行入射光束に対する全光線透過率の割合である。
こうして得られた積層体の全光線透過率は、通常85%以上、好ましくは90%以上である。ここで全光線透過率はJIS K7361に準拠して測定される試験フィルムへの、波長400nm〜650nmの平行入射光束に対する全光線透過率の割合である。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明について、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
[評価方法]
・ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量法(DSC法)により10℃/分で昇温して測定した。
・数平均分子量(Mn)
特に限定しない限り、トルエンを溶媒とするゲルパーミレーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
・透明樹脂複合体中の含有溶剤量
内部標準法によりガスクロマトグラフィーで測定した。
・接着強度(ピール強度)
フィルムは幅10mm、引張り角度90度、剥離速度20mm/分。:島津製作所製 オートグラフで測定した。
・マレイン化率
滴定法により樹脂換算でのモル%として定量した。
・エポキシ化率
1H−NMR測定値より樹脂換算でのモル%として算出した。
・樹脂溶液粘度
E型粘度計(TOKYO KEIKI社製)を用いて測定した。
・ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量法(DSC法)により10℃/分で昇温して測定した。
・数平均分子量(Mn)
特に限定しない限り、トルエンを溶媒とするゲルパーミレーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
・透明樹脂複合体中の含有溶剤量
内部標準法によりガスクロマトグラフィーで測定した。
・接着強度(ピール強度)
フィルムは幅10mm、引張り角度90度、剥離速度20mm/分。:島津製作所製 オートグラフで測定した。
・マレイン化率
滴定法により樹脂換算でのモル%として定量した。
・エポキシ化率
1H−NMR測定値より樹脂換算でのモル%として算出した。
・樹脂溶液粘度
E型粘度計(TOKYO KEIKI社製)を用いて測定した。
・全光線透過率とヘイズ
ヘイズメーターNDH2000(日本電色工業製)により測定した。
・接着剤層の残留溶剤量
ガスクロマトグラフィーにより測定した。具体的には、幅150mm、長さ300mmのガラス板(コーニング社製、型番1737(ディスプレイグレード)、厚み0.7mm)に、樹脂層上に接着剤層を形成するのと同様の方法で、接着剤層を形成した。この接着剤層をガラス板からかき取り、50mgを正確に秤量した。これをテトラヒドロフランに浸漬し、接着剤層を溶解した。ガスクロマトグラフィー内部標準法で接着剤層に含まれる溶剤を定量することで接着剤層中の残留溶剤量を測定した。
・耐湿試験
積層体から100mm×100mmのサンプル片を切り出して、下記の条件で高温高湿試験を行った。次いで、JIS K5400に準じて、サンプル片のフィルム側から1mm×1mmの碁盤目状に切り込みを加え、セロハン粘着テープ(24mm幅、JIS Z1522に規定)で剥離試験を行い、樹脂がセロハンテープ側に移った升目の、升目100個あたりの数を測定した。
高温高湿試験の条件は以下の通り。
試験装置:「EHS−211MD」(エスペック社製)
温度:60℃
湿度:90%RH
圧力:常圧(101kPa)
さらし時間:200時間
ヘイズメーターNDH2000(日本電色工業製)により測定した。
・接着剤層の残留溶剤量
ガスクロマトグラフィーにより測定した。具体的には、幅150mm、長さ300mmのガラス板(コーニング社製、型番1737(ディスプレイグレード)、厚み0.7mm)に、樹脂層上に接着剤層を形成するのと同様の方法で、接着剤層を形成した。この接着剤層をガラス板からかき取り、50mgを正確に秤量した。これをテトラヒドロフランに浸漬し、接着剤層を溶解した。ガスクロマトグラフィー内部標準法で接着剤層に含まれる溶剤を定量することで接着剤層中の残留溶剤量を測定した。
・耐湿試験
積層体から100mm×100mmのサンプル片を切り出して、下記の条件で高温高湿試験を行った。次いで、JIS K5400に準じて、サンプル片のフィルム側から1mm×1mmの碁盤目状に切り込みを加え、セロハン粘着テープ(24mm幅、JIS Z1522に規定)で剥離試験を行い、樹脂がセロハンテープ側に移った升目の、升目100個あたりの数を測定した。
高温高湿試験の条件は以下の通り。
試験装置:「EHS−211MD」(エスペック社製)
温度:60℃
湿度:90%RH
圧力:常圧(101kPa)
さらし時間:200時間
[合成例1:接着剤層用樹脂M−1の製造]
冷却管、窒素ガス導入管及び同圧滴下ロートを備えた反応器に6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン(MTD)の開環重合体の水素添加物(以下、「水添MTD樹脂」という;Tg=140℃、水素添加率=約100%、Mn=約28000)201g、無水マレイン酸6.37g、t−ブチルベンゼン470.4gを入れ、N2ガス雰囲気下、135℃に加熱して樹脂を均一溶解した。この樹脂溶液にジクミルパーオキサイド1.76gをシクロヘキサノン33.4gに溶解した均一溶液を135℃に反応液温度を保ちながら2時間かけて分割滴下した。滴下終了後、反応温度135℃で3時間反応を継続した後、反応液を室温まで冷却した。冷却した反応液にトルエン2リットルを加え、均一希釈溶液とした。
イソプロピルアルコール:アセトンの7:2(体積比)混合溶液中に、トルエン希釈樹脂溶液を滴下し、樹脂を凝固させた。得られた樹脂をろ別後、105℃で12時間真空乾燥して接着剤層用樹脂であるマレイン化変性熱可塑性樹脂M−1を得た(収量205g、収率98%)。得られた樹脂M−1の物性を表1にまとめて記載した。
冷却管、窒素ガス導入管及び同圧滴下ロートを備えた反応器に6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン(MTD)の開環重合体の水素添加物(以下、「水添MTD樹脂」という;Tg=140℃、水素添加率=約100%、Mn=約28000)201g、無水マレイン酸6.37g、t−ブチルベンゼン470.4gを入れ、N2ガス雰囲気下、135℃に加熱して樹脂を均一溶解した。この樹脂溶液にジクミルパーオキサイド1.76gをシクロヘキサノン33.4gに溶解した均一溶液を135℃に反応液温度を保ちながら2時間かけて分割滴下した。滴下終了後、反応温度135℃で3時間反応を継続した後、反応液を室温まで冷却した。冷却した反応液にトルエン2リットルを加え、均一希釈溶液とした。
イソプロピルアルコール:アセトンの7:2(体積比)混合溶液中に、トルエン希釈樹脂溶液を滴下し、樹脂を凝固させた。得られた樹脂をろ別後、105℃で12時間真空乾燥して接着剤層用樹脂であるマレイン化変性熱可塑性樹脂M−1を得た(収量205g、収率98%)。得られた樹脂M−1の物性を表1にまとめて記載した。
[合成例2:接着剤層用樹脂M−2の製造]
無水マレイン酸の量を11.76g、ジクミルパーオキサイドの量を3.24g、シクロヘキサノンの量を63.4gに変更した以外は合成例1と同様にして接着剤層用樹脂であるマレイン化変性熱可塑性樹脂M−2を得た(収量206g、収率97%)。得られた樹脂M−2の物性を表1にまとめて記載した。
無水マレイン酸の量を11.76g、ジクミルパーオキサイドの量を3.24g、シクロヘキサノンの量を63.4gに変更した以外は合成例1と同様にして接着剤層用樹脂であるマレイン化変性熱可塑性樹脂M−2を得た(収量206g、収率97%)。得られた樹脂M−2の物性を表1にまとめて記載した。
[合成例3:接着剤層用樹脂M−3の製造]
無水マレイン酸の量を44.68g、ジクミルパーオキサイドの量を12.38g、シクロヘキサノンの量を247gに変更した以外は合成例1と同様にして接着剤層用樹脂であるマレイン化変性熱可塑性樹脂M−3を得た(収量203g、収率95%)。得られた樹脂M−3の物性を表1にまとめて記載した。
無水マレイン酸の量を44.68g、ジクミルパーオキサイドの量を12.38g、シクロヘキサノンの量を247gに変更した以外は合成例1と同様にして接着剤層用樹脂であるマレイン化変性熱可塑性樹脂M−3を得た(収量203g、収率95%)。得られた樹脂M−3の物性を表1にまとめて記載した。
[合成例4:接着剤層用樹脂E−1の製造]
水添MTD樹脂50g、アリルグリシジルエーテル10g、ジクミルパーオキサイド1.5g、及びシクロヘキサン200gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ中にて150℃、3時間反応を行った後、得られた反応液をアセトン500g中に注ぎ、樹脂を凝固させた。得られた樹脂をろ別後、105℃で12時間真空乾燥して接着剤層用樹脂であるエポキシ変性熱可塑性ノルボルネン樹脂E−1を得た(収量50g)。得られた樹脂E−1の物性を表1にまとめて記載した。
水添MTD樹脂50g、アリルグリシジルエーテル10g、ジクミルパーオキサイド1.5g、及びシクロヘキサン200gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ中にて150℃、3時間反応を行った後、得られた反応液をアセトン500g中に注ぎ、樹脂を凝固させた。得られた樹脂をろ別後、105℃で12時間真空乾燥して接着剤層用樹脂であるエポキシ変性熱可塑性ノルボルネン樹脂E−1を得た(収量50g)。得られた樹脂E−1の物性を表1にまとめて記載した。
[合成例5:接着剤層用樹脂SM−1の製造]
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体樹脂(SIS;共重合比スチレン:イソプレン=5:5、Mn=115,000、ポリイソプレン構造のシス−1,4−構造イソプレン単位83%、トランス−1,4−構造イソプレン単位15%、3,4−構造イソプレン単位2%)100gと、シクロヘキサン2570gを仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後、オイルバスで80℃に加温、攪拌して樹脂を完全に溶解させた。次いでp−トルエンスルホン酸3.9gを添加し、溶液温度を80℃に保ったまま攪拌を続けてポリイソプレン構造部位の環化反応を行った。5時間後、イオン交換水400gを投入して環化反応を停止した。30分放置後、油層を分取した。この油層を400gのイオン交換水で3回洗浄した後、回転数300rpmで遠心分離して水分を除去した。
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体樹脂(SIS;共重合比スチレン:イソプレン=5:5、Mn=115,000、ポリイソプレン構造のシス−1,4−構造イソプレン単位83%、トランス−1,4−構造イソプレン単位15%、3,4−構造イソプレン単位2%)100gと、シクロヘキサン2570gを仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後、オイルバスで80℃に加温、攪拌して樹脂を完全に溶解させた。次いでp−トルエンスルホン酸3.9gを添加し、溶液温度を80℃に保ったまま攪拌を続けてポリイソプレン構造部位の環化反応を行った。5時間後、イオン交換水400gを投入して環化反応を停止した。30分放置後、油層を分取した。この油層を400gのイオン交換水で3回洗浄した後、回転数300rpmで遠心分離して水分を除去した。
得られた樹脂溶液の一部を回収し、環化率を測定した。環化率は、1H−NMR分析により、ポリイソプレン構造部位の環化反応前後における二重結合由来プロトンのピーク面積をそれぞれ測定し、環化反応前を100としたときの環化物中に残存する二重結合の割合を求めた。そして、計算式=(100−環化物中に残存する二重結合の割合%)により環化率(%)を求めた。
得られたSIS環化物を含むシクロヘキサン溶液をオートクレーブに入れ、ニッケル触媒3g(T.キャット社製)を加え、水素雰囲気下、80℃で6時間攪拌してポリイソプレン構造部位の二重結合を完全に水素化した。次いで、反応溶液をセライトで濾過し、触媒をろ別後、メタノール2000g中に滴下して樹脂を凝固回収した。樹脂を80℃で減圧乾燥して)して水素化SIS環化物を得た。
得られた水素化SIS環化物85gをトルエン200gに溶解し、窒素雰囲気下、この溶液に攪拌下、無水マレイン酸3.5部を加え、均一化後、反応温度を160℃に上げてトルエンを留去した。その後、160℃で4時間付加反応を継続した。次いで溶融した樹脂を130℃まで冷却し、酸化防止剤(Irganox1010)を樹脂に対して1000ppm量添加して均一分散させ、室温まで冷却して接着剤層用樹脂SM−1を得た。得られた樹脂SM−1の物性を表1にまとめて記載する。
[合成例6:接着剤層用樹脂SM−2の合成]
使用したSISを、共重合比がスチレン:イソプレン=3:7でMnが110,000のものに変えた以外は、合成例5と同様にして接着剤層用樹脂SM−2を得た。得られた樹脂SM−1の物性を表1にまとめて記載する。
使用したSISを、共重合比がスチレン:イソプレン=3:7でMnが110,000のものに変えた以外は、合成例5と同様にして接着剤層用樹脂SM−2を得た。得られた樹脂SM−1の物性を表1にまとめて記載する。
[製造例1:透明樹脂複合体MZ−1の製造]
合成例1で得た接着剤層用樹脂M−1 20gをシクロペンチルメチルエーテル(CPME、沸点106℃)80gに溶解し、1μmフィルターろ過して、粘度130mPa・sの樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液を、特定極性基を有しない脂環式オレフィン重合体から成る熱可塑性フィルム(日本ゼオン社製、ゼオノアフィルム、膜厚188μm)にドクターブレード(100μm膜厚用)に塗工した。次いで窒素気流下、110℃で15分加熱乾燥して、熱可塑性フィルムからなる樹脂層と厚み12μmの接着剤層とからなる透明樹脂複合体MZ−1を得た。得られた透明樹脂複合体MZ−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
合成例1で得た接着剤層用樹脂M−1 20gをシクロペンチルメチルエーテル(CPME、沸点106℃)80gに溶解し、1μmフィルターろ過して、粘度130mPa・sの樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液を、特定極性基を有しない脂環式オレフィン重合体から成る熱可塑性フィルム(日本ゼオン社製、ゼオノアフィルム、膜厚188μm)にドクターブレード(100μm膜厚用)に塗工した。次いで窒素気流下、110℃で15分加熱乾燥して、熱可塑性フィルムからなる樹脂層と厚み12μmの接着剤層とからなる透明樹脂複合体MZ−1を得た。得られた透明樹脂複合体MZ−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
[製造例2:透明樹脂複合体MZ−2の製造]
接着剤層用樹脂として合成例2で得た樹脂M−2を用いたこと以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体MZ−2を得た。得られた透明樹脂複合体MZ−2の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
接着剤層用樹脂として合成例2で得た樹脂M−2を用いたこと以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体MZ−2を得た。得られた透明樹脂複合体MZ−2の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
[製造例3:透明樹脂複合体MZ−3の製造]
接着剤層用樹脂として合成例3で得た樹脂M−3を用いたこと以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体MZ−3を得た。得られた透明樹脂複合体MZ−3の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
接着剤層用樹脂として合成例3で得た樹脂M−3を用いたこと以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体MZ−3を得た。得られた透明樹脂複合体MZ−3の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
[製造例4:透明樹脂複合体MA−1の製造]
樹脂層となる熱可塑性フィルムとして、主鎖構造中にエステル基を有するシクロオレフィン型透明樹脂製フィルム(JSR社製、アートンフィルム、Tg160℃、膜厚188μm)を用いる以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体MA−1を得た。得られた透明樹脂複合体MA−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
樹脂層となる熱可塑性フィルムとして、主鎖構造中にエステル基を有するシクロオレフィン型透明樹脂製フィルム(JSR社製、アートンフィルム、Tg160℃、膜厚188μm)を用いる以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体MA−1を得た。得られた透明樹脂複合体MA−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
[製造例5:透明樹脂複合体EZ−1の製造]
合成例4で得た樹脂E−1 20gをトリメチルベンゼン80gに溶解し、1μmフィルターろ過して、粘度210mPa・sの樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を接着剤層用樹脂として用いること以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体EZ−1を得た。得られた透明樹脂複合体EZ−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
合成例4で得た樹脂E−1 20gをトリメチルベンゼン80gに溶解し、1μmフィルターろ過して、粘度210mPa・sの樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を接着剤層用樹脂として用いること以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体EZ−1を得た。得られた透明樹脂複合体EZ−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
[製造例6:透明樹脂複合体SMZ−1の製造]
合成例5で得た樹脂SM−1 20gをトルエンと酢酸エチルの混合溶剤(混合比3:1)80gに溶解し、1μmフィルターろ過して、粘度200mPa・sの樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を接着剤層用樹脂として用いること以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体SMZ−1を得た。得られた透明樹脂複合体SMZ−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
合成例5で得た樹脂SM−1 20gをトルエンと酢酸エチルの混合溶剤(混合比3:1)80gに溶解し、1μmフィルターろ過して、粘度200mPa・sの樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を接着剤層用樹脂として用いること以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体SMZ−1を得た。得られた透明樹脂複合体SMZ−1の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
[製造例7:透明樹脂複合体SMZ−2の製造]
接着剤層用樹脂として合成例6で得た樹脂SM−2を用いたこと以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体SMZ−2を得た。得られた透明樹脂複合体SMZ−2の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
接着剤層用樹脂として合成例6で得た樹脂SM−2を用いたこと以外は製造例1と同様にして透明樹脂複合体SMZ−2を得た。得られた透明樹脂複合体SMZ−2の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表2に示す。
[実施例1〜10:カップリング剤処理ガラス基板を用いた積層体の製造]
LCD用透明ガラス基板(コーニング社製無アルカリガラス、型番#1737、厚さ0.7mm×100mm×100mm)をアミノプロピルトリエトキシシラン0.2%溶液(エタノール:水=4:1重量比)で表面をカップリング剤処理し、150℃で2分間、加熱乾燥した。
このガラス基板に、製造例1で得られた透明樹脂複合体MZ−1を接着剤層が接するように重ねた後、真空ラミネータ(三機工業社製)を用いて、基板と透明樹脂複合体とを熱圧着して、積層体を得た。熱圧着時の条件は真空引き15秒、熱圧着温度80℃、接着圧力1MPa、保持時間300秒を基本条件とした。
こうして得られた積層体を、それぞれ10mm幅で切りサンプル片を用意した。このサンプル片について、全光線透過率とピール強度(90度ピール試験)を測定した。結果を表3に示す(実施例1)。
また、透明樹脂複合体、基板および熱圧着時の条件を表3の通りに変更したこと以外は上述と同様にして積層体を得て、上述と同様に全光線透過率とピール強度を測定した。結果を表3に示す(実施例2〜10)。
LCD用透明ガラス基板(コーニング社製無アルカリガラス、型番#1737、厚さ0.7mm×100mm×100mm)をアミノプロピルトリエトキシシラン0.2%溶液(エタノール:水=4:1重量比)で表面をカップリング剤処理し、150℃で2分間、加熱乾燥した。
このガラス基板に、製造例1で得られた透明樹脂複合体MZ−1を接着剤層が接するように重ねた後、真空ラミネータ(三機工業社製)を用いて、基板と透明樹脂複合体とを熱圧着して、積層体を得た。熱圧着時の条件は真空引き15秒、熱圧着温度80℃、接着圧力1MPa、保持時間300秒を基本条件とした。
こうして得られた積層体を、それぞれ10mm幅で切りサンプル片を用意した。このサンプル片について、全光線透過率とピール強度(90度ピール試験)を測定した。結果を表3に示す(実施例1)。
また、透明樹脂複合体、基板および熱圧着時の条件を表3の通りに変更したこと以外は上述と同様にして積層体を得て、上述と同様に全光線透過率とピール強度を測定した。結果を表3に示す(実施例2〜10)。
[比較例1]
熱圧着時の温度を、接着剤層用樹脂のTgより高い150℃に変えたこと以外は実施例2と同様にして積層体を形成したところ、全光線透過率は83.1%しかなかった。また、この透明樹脂複合体の接着剤層の体積収縮変化が大きく、ピール強度は500g以下であった。結果を表3に示す。
熱圧着時の温度を、接着剤層用樹脂のTgより高い150℃に変えたこと以外は実施例2と同様にして積層体を形成したところ、全光線透過率は83.1%しかなかった。また、この透明樹脂複合体の接着剤層の体積収縮変化が大きく、ピール強度は500g以下であった。結果を表3に示す。
[実施例11:カップリング剤処理シリコン基板を用いた積層体の製造]
基板としてシリコンウエハ(4インチウエハ)基板を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
基板としてシリコンウエハ(4インチウエハ)基板を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
[実施例12:カップリング剤処理アルミ基板を用いた積層体の製造]
アルミ基板(2mm×100mm×100mm)の表面を実施例1と同様にしてカップリング剤処理し、得られた基板を用いて実施例1と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
アルミ基板(2mm×100mm×100mm)の表面を実施例1と同様にしてカップリング剤処理し、得られた基板を用いて実施例1と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
[実施例13:カップリング剤未処理アルミ基板を用いた積層体の製造]
カップリング剤処理工程を行わないこと以外は実施例12と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
カップリング剤処理工程を行わないこと以外は実施例12と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
[実施例14:カップリング剤処理銅基板を用いた積層体の製造]
銅基板(0.5mm×100mm×100mm)の表面を実施例1と同様にしてカップリング剤処理し、得られた基板を用いて実施例1と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
銅基板(0.5mm×100mm×100mm)の表面を実施例1と同様にしてカップリング剤処理し、得られた基板を用いて実施例1と同様にして積層体を形成し、ピール強度を測定した。結果を表4に示す。
[実施例15:フレキシブル基板を用いた積層体の製造]
アルミ基板の上に400℃蒸着プロセスにより、厚み2μmの酸化ケイ素膜(SiO2薄膜ガラス層)を形成した。
この薄膜ガラス面を実施例1と同様にしてカップリング剤処理し、透明樹脂複合体としてMZ−2を用いること以外は、実施例1と同様にしてアルミ付き積層体を得た。
このアルミ付き積層体を、0.1N塩酸溶液に浸漬し、アルミ基板を溶解除去して、薄膜ガラスを基板とする積層体を得た。この積層体は、25℃では透明樹脂複合体側にカールした。そしてこの積層体を80℃に加温すると平らになった。この基板を更に110℃まで加熱すると薄膜ガラス側にカールするが、このガラス面にクラックが入ることはなかった。
アルミ基板の上に400℃蒸着プロセスにより、厚み2μmの酸化ケイ素膜(SiO2薄膜ガラス層)を形成した。
この薄膜ガラス面を実施例1と同様にしてカップリング剤処理し、透明樹脂複合体としてMZ−2を用いること以外は、実施例1と同様にしてアルミ付き積層体を得た。
このアルミ付き積層体を、0.1N塩酸溶液に浸漬し、アルミ基板を溶解除去して、薄膜ガラスを基板とする積層体を得た。この積層体は、25℃では透明樹脂複合体側にカールした。そしてこの積層体を80℃に加温すると平らになった。この基板を更に110℃まで加熱すると薄膜ガラス側にカールするが、このガラス面にクラックが入ることはなかった。
[合成例7:有機化層状無機化合物S−1の表面処理]
層状珪酸塩化合物であるサポナイト(長平均値 0.05μm)100gを60℃の蒸留水1,000gに均一に分散させ、サポナイト分散液を得た。ついで、サポナイト分散液を攪拌しながら、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド20gを蒸留水300gに溶解させた溶液をゆっくり添加し、60℃で3時間攪拌を続けた後、濾過により固形物を取り出した。これを60℃の蒸留水500gに加えて再分散させた後、再度濾過により固形物を取り出した。得られた固形物を60℃の蒸留水500gに加えて再分散させた後、再度濾過により固形物を取り出した。この操作を三回繰り返した後、凍結乾燥法により水分を除去して、有機化サポナイトS−1を得た。
層状珪酸塩化合物であるサポナイト(長平均値 0.05μm)100gを60℃の蒸留水1,000gに均一に分散させ、サポナイト分散液を得た。ついで、サポナイト分散液を攪拌しながら、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド20gを蒸留水300gに溶解させた溶液をゆっくり添加し、60℃で3時間攪拌を続けた後、濾過により固形物を取り出した。これを60℃の蒸留水500gに加えて再分散させた後、再度濾過により固形物を取り出した。得られた固形物を60℃の蒸留水500gに加えて再分散させた後、再度濾過により固形物を取り出した。この操作を三回繰り返した後、凍結乾燥法により水分を除去して、有機化サポナイトS−1を得た。
[合成例8:有機化層状無機化合物H−1の表面処理]
層状珪酸塩化合物としてヘクトライト(長平均値 0.05μm)を用いた以外は、合成例7と同様にして有機化ヘクトライトH−1を得た。
層状珪酸塩化合物としてヘクトライト(長平均値 0.05μm)を用いた以外は、合成例7と同様にして有機化ヘクトライトH−1を得た。
[製造例8:透明樹脂複合体MS−1の製造方法]
合成例7で得た有機化サポナイトS−1 0.5gにキシレン(沸点130〜150℃)300gを加え、ラボシェイカーで分散した。次いで、さらに超音波分散機(SMT社製:ULTRA SONIC HOMOGENIZER UH−150)により2分間分散させた。冷水で容器を常温まで冷却した後に、再び超音波分散機で2分間分散した。冷却して分散する操作を3回行って得られた層状化合物分散液に、合成例1で得た接着剤層用樹脂(M−1)100gを加え攪拌した。得られた分散液を攪拌しながら、酢酸n−ブチルエステル(沸点125〜126℃)を100g加えた。ついで、この樹脂溶液を1.6μmガラスフィルターでろ過して、粘度210mPa・sの樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を熱可塑性フィルム(製造例1で使用のもの)にドクターブレード(100μm膜厚用)を用い、塗工した。次いで窒素気流下、105℃で30分加熱乾燥して、熱可塑性フィルムからなる樹脂層と厚み13μmの接着剤層とからなる透明樹脂複合体MS−1を得た。
合成例7で得た有機化サポナイトS−1 0.5gにキシレン(沸点130〜150℃)300gを加え、ラボシェイカーで分散した。次いで、さらに超音波分散機(SMT社製:ULTRA SONIC HOMOGENIZER UH−150)により2分間分散させた。冷水で容器を常温まで冷却した後に、再び超音波分散機で2分間分散した。冷却して分散する操作を3回行って得られた層状化合物分散液に、合成例1で得た接着剤層用樹脂(M−1)100gを加え攪拌した。得られた分散液を攪拌しながら、酢酸n−ブチルエステル(沸点125〜126℃)を100g加えた。ついで、この樹脂溶液を1.6μmガラスフィルターでろ過して、粘度210mPa・sの樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を熱可塑性フィルム(製造例1で使用のもの)にドクターブレード(100μm膜厚用)を用い、塗工した。次いで窒素気流下、105℃で30分加熱乾燥して、熱可塑性フィルムからなる樹脂層と厚み13μmの接着剤層とからなる透明樹脂複合体MS−1を得た。
[製造例9:透明樹脂複合体MS−2の製造方法]
有機化サポナイトS−1の量を2.5gとした以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体MS−2を得た。
有機化サポナイトS−1の量を2.5gとした以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体MS−2を得た。
[製造例10:透明樹脂複合体MS−3の製造方法]
有機化サポナイトS−1の量を10gとした以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体MS−3を得た。
有機化サポナイトS−1の量を10gとした以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体MS−3を得た。
[製造例11:透明樹脂複合体MH−1の製造方法]
有機化サポナイトS−1 0.5gに代えて、参考例2で得た有機化ヘクトライトH−1 2.5gを用いた以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体MH−1を得た。
有機化サポナイトS−1 0.5gに代えて、参考例2で得た有機化ヘクトライトH−1 2.5gを用いた以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体MH−1を得た。
[製造例12:透明樹脂複合体ES−1の製造方法]
有機化サポナイトS−1の量を2.5gとし、接着剤層用樹脂として合成例4で得た樹脂E−1 100gを用いた以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体ES−1を得た。
有機化サポナイトS−1の量を2.5gとし、接着剤層用樹脂として合成例4で得た樹脂E−1 100gを用いた以外は製造例6と同様にして透明樹脂複合体ES−1を得た。
[製造例13:透明樹脂複合体AS−1の製造方法]
接着剤層用樹脂として主鎖構造中にエステル基を含有するシクロオレフィン型透明樹脂製フィルム(製造例4で使用のもの)を用いた以外は製造例12と同様にして透明樹脂複合体AS−1を得た。
接着剤層用樹脂として主鎖構造中にエステル基を含有するシクロオレフィン型透明樹脂製フィルム(製造例4で使用のもの)を用いた以外は製造例12と同様にして透明樹脂複合体AS−1を得た。
製造例8〜13で得られた透明樹脂複合体の全光線透過率とヘイズとを測定した。また接着剤層の残留溶剤量を測定した。結果を表5に示す。
[実施例16〜21]
透明樹脂複合体として、製造例8〜13で得られた透明樹脂複合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体から実施例1と同様にしてサンプル片を用意し、全光線透過率と接着強度(90度ピール試験)を測定した。また、得られた積層体から、上記サンプル片とは別に、100mm×100mmのサンプル片を切り出して、上述した条件での耐湿試験を行った。結果を表6に示す。
透明樹脂複合体として、製造例8〜13で得られた透明樹脂複合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体から実施例1と同様にしてサンプル片を用意し、全光線透過率と接着強度(90度ピール試験)を測定した。また、得られた積層体から、上記サンプル片とは別に、100mm×100mmのサンプル片を切り出して、上述した条件での耐湿試験を行った。結果を表6に示す。
以上より、本発明の製造方法によれば、良好な透明性と密着性をもつ積層体を得ることができる。さらに、接着剤層に層状結晶化合物を加えることで、高いピール強度を維持しつつ、耐湿性の高い積層体を得られることが分かる。
Claims (9)
- 接着剤層と樹脂層とからなる透明樹脂複合体の接着剤層側に、基板を熱圧着する工程を有する積層体の製造方法であって、(1)前記接着剤層は、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基及びシアノ基からなる群より選択される1種類以上の極性基を有する樹脂からなり、(2)前記樹脂層は、前記群に含まれるいずれの極性基も有しない脂環式オレフィン樹脂からなり、(3)熱圧着温度は、40℃以上、接着剤層を構成する樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする積層体の製造方法。
- 接着剤層を構成する樹脂が、脂環式オレフィン樹脂である請求項1記載の製造方法。
- 基板が無機材料からなるものである請求項1記載の製造方法。
- 熱圧着を減圧条件下で行う請求項1記載の製造方法。
- 接着剤層が、接着剤層の重量に対して0.5〜8%の溶剤を含有するものである請求項1記載の製造方法。
- 溶剤が、ケトン類、エーテル類、エステル類並びに芳香族炭化水素類及びその水素添加物からなる群より選択される1種類以上の化合物である請求項5記載の製造方法。
- 接着剤層が、さらに、層状結晶化合物を含有するものである請求項1記載の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載された製造方法により得られた積層体。
- 波長400〜650nmの平行入射光束に対する透過率が85%以上である、請求項8記載の積層体。
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