JP2005131562A - 固液分離システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストで清澄な水が得られ、何度も処理可能で、装置の規模に制限なく、かつ溶解成分や水以外の液体が混在した水でも濃縮可能である固液分離システムを提供する。
【解決手段】 ポリビニルアルコール系繊維を含む繊維集合体を用いてなる、毛管現象を利用した固液分離システム。
【選択図】図5

Description

本発明は、ポリビニルアルコール(以下、PVAと称す)系繊維で構成された繊維集合体を用いてなる、毛管現象を利用して液体のみを除去する固液分離システムに関するものである。
水処理が求められる分野は多岐にわたっており、例えばヘドロの減容化や余剰活性汚泥の分離、汚水の減容、水溶質分の濃縮、油分離等、様々な分野が存在する。しかしながら各分野において種々の問題があり、十分な拡販が行われていないのが現状である。
例えば、被処理物がヘドロのような懸濁物が存在する場合の水分離においては、凝集剤を用いてある程度沈降させた後、高濃度の沈降物をフィルタープレス等の機械的設備により脱水する方法が知られているが、懸濁物が低濃度の場合は沈降工程での濃縮物の収率が低く、設備を大型化する必要があるばかりか、機械的脱水のため初期設備投資、維持管理費等の費用が高価になることが問題となる。また、凝集剤を使用する場合においては、処理後の水の安全性について注意を払う必要があり、しかもランニングコストがかかる問題があった。
一方で、毛管現象を利用した水処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法により活性汚泥層の水処理や、湖水や河川水等の原水を処理して清浄な水を得ることができるとされている。しかしながら、特許文献1に記載された方法は純粋に毛管現象のみを利用しているため、その吸い上げ高さに限界があり、そのため設備の大型化ができず処理量も限界があった。
また毛管現象だけでなく水頭差も利用して繊維間隙間を通水する方法が知られている(例えば、特許文献2あるいは特許文献3参照。)。しかしながらこの場合、濾過部材として細長い複数の紐状の繊維集合体により構成される必要があり、従って様々な形態への適合性に欠けているばかりか、水頭差も加味されるため濾過速度が毛管現象のみに比べて早く、従って目詰まりを起こしやすい。さらに水に溶解した成分あるいは水以外の液体が混合している場合においては、それらの成分は分離されずに濾水中に含まれる。毛管現象は被処理液の固液分離はできるが、溶質成分は水と共に移動するため分離は困難であり、また水とは別の液体も、移動速度は水とは異なるが、同様に毛管現象により移動するため、実質的には水との分離は困難である。
また、汚水を積極的に蒸散させる方法も知られている(例えば、特許文献4参照。)。この方法によれば吊り下げられた湿潤体に汚水を給水せしめ、広い面積を湿潤体の全面積を利用して大量の水を蒸散することで汚水の濃縮化ならびに固液分離を行うことができるとしている。すなわち水のみが蒸発するため、水に溶解した成分あるいは水以外の液体が混合している場合においても、その成分が濃縮化できるとしている。該特許文献3における湿潤体とは、シート状のような形態で面積が広く、かつ汚水などの液体を毛管現象などで吸水しやすいものであればよく、布やフェルト、古新聞紙を重ねてキルティング状に縫い付けたものなど、各種の吸水性材料が利用できるとしている。しかしながら、実質的に吸水性素材としてはセルロース等の天然素材が一般的であるが、セルロース等の天然素材は生分解性があり、長期繰返し使用が困難であることが問題であった。一方、ポリエステル等の合成繊維を親水化させたものも油剤等による改質のため、繰返し使用によって親水性が低下するといった問題があった。
特開平11−347313号公報 特開2002−190715号公報 特開2002−263408号公報 特開平11−042475号公報
以上述べたように、従来の固液分離システムでは、水との分離が不十分であったり濃縮物の収率が低いという問題があり、それらの問題点を解決した固液分離システムの開発が望まれていた。
上記目的を達成すべく本願発明者等は鋭意検討を重ねた結果、低コストで清澄な水が得られ、何度も処理可能で、装置の規模に制限なく、かつ溶解成分や水以外の液体が混在した水でも濃縮可能である固液分離システムを見出した。
すなわち本発明は、PVA系繊維を含む繊維集合体を用いてなる、毛管現象を利用した固液分離システムであり、好ましくは繊維集合体として、PVA系繊維が20〜100質量%含まれていることを特徴とする上記の固液分離システムであり、より好ましくはPVA系繊維が異型断面を有する上記の固液分離システムであり、さらに好ましくはPVA系繊維を含む集合体が、密度0.03〜1.0g/cmの布帛状物である上記の固液分離システムである。
また本発明は、好ましくはPVA系繊維を含む繊維集合体の一端を被除去物を含む液体に浸漬し、毛管現象により液体のみを吸い上げせしめ、吸い上げた液体を、該液体の自重濾過あるいは繊維集合体を加圧/減圧することにより搾液し、繊維集合体から液体のみを回収することを特徴とする上記の固液分離システムであり、さらに好ましくはPVA系繊維を含む繊維集合体の一端を被除去物を含む液体に浸漬し、毛管現象により液体のみを吸い上げせしめ、液体に浸漬されていない部分を乾燥することで、被除去物のみを濃縮させる上記の固液分離システムに関する。
本発明はPVA系繊維で構成された繊維集合体を用いてなる、毛管現象を利用して液体のみを除去することが可能な固液分離システムであり、例えばヘドロの減容化や余剰活性汚泥の分離、汚水の蒸散用途、水溶質分の濃縮、油水分離等幅広い分野で応用可能である。
本発明は、PVA系繊維を含む繊維集合体を用いてなる、毛管現象を利用した固液分離システムである。毛管現象による液面上昇高さは下式により表される。
Figure 2005131562
上式において、接触角であるcosθが大きいほど吸い上げ高さが高く、毛管現象を効率よく利用することができる。ここでPVA系繊維のcosθは0.81であり、ナイロン繊維の0.34、ポリエステル繊維の0.14に比べて格段に高いので、PVA系繊維を使用することにより毛管現象が効率良く利用できる。これはPVAが水酸基を多く含んでいるからである。同様に水酸基を多く含んだ繊維としては、セルロースに代表される天然繊維が挙げられ、これらの繊維も同様に毛管現象を効率良く利用できる。しかしながら、これら天然繊維は生分解性を有しているので長期繰返し使用した場合、経時的に強度が低下し、最終的には使用困難となる。一方、PVA系繊維は水に実質的に不溶のものでは生分解性を有さないため、長期繰返し使用が可能となる。
本発明の固液分離システムに用いる繊維集合体としてはPVA系繊維が20質量%以上含まれているのが好ましい。繊維集合体中のPVA系繊維の含有量が20質量%よりも少ない場合、繊維集合体の毛管現象が効率的に使用できない。より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、最も好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
また本発明で用いるPVA系繊維は異型断面を有することが好ましい。異型断面を有するPVA系繊維を使用することで、緻密な繊維間空隙が形成される。先述した毛管現象の液面上昇高さhは、膜厚dが小さいほど高くなるが、この膜厚dが繊維間空隙に相当するので本発明の異型断面を有するPVA系繊維を用いた場合、液面上昇高さhが高くなり、効率的に毛管現象を利用することができる。異型断面の形状は特に限定されず、扁平状、三角状、Y型状等様々な形状のものが使用される。また繊維の繊度は5dtex以下が好ましく、より好ましくは3dtex以下、さらに好ましくは2dtex以下である。
PVA系繊維を含む繊維集合体としては、密度が0.03g/cm〜1.0g/cmの布帛状であることが好ましい。密度が高いほど緻密な繊維間空隙が形成され、先述したように液面上昇高さが高くなる。固液分離を図るためには液面から少なくとも30mm以上は水が吸い上がっていないとシステム化が困難である。吸い上げ長30mmを得るためには、密度が0.03g/cm以上であることが好ましく、一方、密度が高すぎると液抵抗が大きく、逆に吸い上がりにくくなるため、1.0g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.05〜0.5g/cmである。なお、布帛状とは、織物、編物、不織布のいずれの状態でもよい。
また、PVA系繊維を含む繊維集合体としては、繊維同士が融着され、集束されたブロック状であることがさらに好ましい。この場合、該ブロックの密度は0.03g/cm〜1.0g/cmであることが好ましい。該ブロックは実開平3−122646号公報に記載された方法に基づき作製することで得られる。該ブロックは繊維が引き揃った状態でブロック化されているため、毛管現象による吸い上げが容易であり、本発明において好適に使用することができる。ただし、繊維集合体が上記した布帛状物の場合と同様、密度が0.03g/cmよりも低いと30mm以上の吸い上げ長が得られず、一方密度が1.0g/cmよりも大きいと液抵抗が大きく吸い上がりにくい。より好ましくは0.05〜0.5g/cmである。また先述した布帛状物と組み合わせて、本発明の固液分離システムを形成しても何等差し支えない。
上記したようなPVA系繊維を含有する繊維集合体の一端を被除去物を含む液体に浸漬することで、毛管現象により液体のみを吸い上げることができ、吸い上げた液体は液体の自重濾過、あるいは繊維集合体を加圧/減圧して搾取されることにより繊維集合体から液体のみを回収することができ、そのため被除去物自体は濃縮され、固液分離を行うことができる。このときの固液分離の程度は減容率で表すことができる。なお本発明でいう減容率とは被除去物の容積が固液分離前後でどれだけ減少したかを示し、この値が大きいほど固液分離能力が高いといえる。また本発明でいう被除去物は水不溶性の固体あるいは液体、または水可溶性の固体あるいは液体のいずれでもよい。
自重濾過については、図1(a)あるいは図1(b)に示すように繊維集合体の毛管中をサイホンの原理で通液して系外に放出することを利用すれば、効率良く回収ができる。図1(a)は、被濾過液に繊維集合体の一端が浸漬された状態を示しているが、繊維集合体の毛管現象により水のみが矢印方向に最上部まで吸い上げられる。さらに最上部まで吸い上がった水は矢印方向に伝播して系外へ放出される。また図1(b)のように複数の繊維集合体3を被濾過液に浸漬し、それらの繊維集合体3を被濾過液の液面上に浮かべてある繊維集合体2に繋ぎ、さらに繊維集合体2から系外へ水を放出するための繊維集合体1を設けることで、矢印方向に水が移動し、より大量かつ均一に吸い上げることが可能となる。
また図2あるいは図3に示すように、繊維集合体を加圧/減圧することでも効率的に液回収が図れる。図2では、矢印方向に吸い上がった水がプレス加圧により搾液される様子を示しているが、加圧で搾液される方が図1に示すような自重濾過に比べて系外への回収が早い。また図3では、繊維集合体の一端が減圧される構造になっているが、減圧されることで繊維集合体中の毛管内も減圧されるので被濾過液からの水の吸い上げ速度が速くなる。勿論、その濾液は繊維集合体を通過するので清澄なものとなる。
さらに、これらの方法を組み合わせることで、より効率的に固液分離を行うことができる。図4にシステムの概略図を示す。図4は連続的に被濾過液を濃縮できる一例である。被濾過液は、タンク1からストック部2へ流入し、オーバーフローして次のストック部4(オーバーフローストック部)へ流れた後、被濾過水循環ポンプ9によりタンク1に循環される。ストック部2には、固液分離用の繊維集合体3の一端が被濾過液中に浸漬された状態で固定されている。この繊維集合体3は、被濾過液中の水のみを選択的に吸い上げる。吸い上げられた水は、繊維集合体3と接触しながら矢印方向に回転している転着布7に転着され、その水はプレスローラー5で加圧搾液を受けて回収される。なお濾過部の液面は、被濾過液が循環されているため常に高さが一定であるので、安定な吸い上げが可能となっている。
本発明の固液分離システムでは、毛管現象により水のみ吸い上がるが、被除去物は繊維集合体の表面および浸漬部で大部分が阻止される。一部は吸い上がると水と一緒に毛管内を進入する可能性があるが、毛管内を移動する過程でその殆どが捕捉される。そのため、回収される液体の浮遊物質量(SS)は5mg/L以下となり非常に清澄なものとなる。
また本発明の固液分離システムにおいて、PVA系繊維を含む繊維集合体の一端を被除去物を含む液体に浸漬し、毛管現象により液体のみを吸い上げせしめ、そして液体に浸漬されていない部分を乾燥させることで、被除去物のみを濃縮させることができる。
従来の固液分離方法は、文字通り水中に浮遊している懸濁物と水とを除去する方法であり、濾過により達成されるが、濾過による方法では水中に溶解している溶質成分や、水中に溶解あるいは分散している別の液体までは分離不可能である。一方、本発明では、乾燥により水を蒸発除去せしめることで、処理水中の水分のみ除去することが可能となる。当然、水に溶解している溶質成分は蒸発しないが、水を蒸発させることにより溶質濃度は上昇し、やがて飽和溶解度を超えた場合に溶質成分が析出し、濃縮化が図れる。
被処理物が液体の場合は少々異なり、水不溶性の液体は上記と同様に濃縮化ができるが、水より沸点の低い揮発性液体の場合は、逆にその液体の方が早く揮発し除去され、水との分離が図れる。しかしながら、水可溶性の液体の場合は、水と共沸する混合領域以外に限って分離が図れる。
また本発明の固液分離システムにおいて繊維集合体の乾燥部表面積は1m以上であることが好ましい。毛管現象により吸い上がった水を乾燥するには、乾燥部の表面積が大きいほど速く乾燥するので、吸い上げた水を広い表面積の布帛状繊維集合体に伝播させ、さらに該布帛状繊維集合体上で乾燥させるのが好ましい。乾燥部の形状は特に限定されるものではなく、平板状でもよいし、表面積を大きくするためにプリーツ加工されていてもよい。
また、水の乾燥速度を速めるためには、繊維集合体に積極的に風を与えることが好ましい。風速が早いほど乾燥が促進させる。具体的には好ましくは5m/min以上、より好ましくは10m/min以上の風速がよい。しかしながら風速が大きすぎると繊維集合体が飛散することが懸念させるため、25m/min以下であることが好ましい。
水の乾燥速度をさらに速めるためには、繊維集合体に積極的に熱を与えることが好ましい。熱の付与方法としては熱風方式でも伝熱方式でもよいが、乾燥効率からは図5に示すような熱風方式の方が好ましい。熱の温度は高いほど乾燥が促進しやすく、具体的には好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。しかしながら温度が高すぎると繊維集合体の熱劣化が起こるため、200℃以下とすることが好ましい。これらの方法を組み合わせることで、より効率的な固液分離が可能となる。
図5に簡単なシステムを示す。これは、乾燥することで連続的に被濾過液を濃縮できる一例である。被濾過液はタンク1からストック部2へ流入し、オーバーフローしてストック部4(オーバーフローストック部)へ流れた後、被濾過水循環ポンプ9によりタンク1に循環されている。ストック部2には固液分離用の繊維集合体3の一端が液中に浸漬された状態で固定されている。この繊維集合体3は、被濾過液中の水のみを選択的に吸い上げる。吸い上げられた水は、繊維集合体3と接触しながら矢印方向に回転している転着布7に転着される。転着布7は、加熱された吸い上げ水乾燥ローラー11を通過することで加熱され、転着された水が蒸散する。蒸散の促進手段として、送風ファン13で送風され、12を通じて水分は系外へ放出される。これら蒸散は、その蒸散防止手段として囲い部屋11に囲われて行われる。なお、濾過部の液面は被濾過液が循環されているため常に高さが一定であり、安定な吸い上げが可能となる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例により何等限定されるものではない。なお以下の実施例において、浮遊物質量(SS)、減容率は以下の方法により測定または評価したものを示す。
[浮遊物質量(SS) mg/L]
所定体積の液体中に含まれる固形分を孔径0.4μmのガラスフィルターにより濾過し乾燥した後、秤量して算出する。
[減容率 %]
被処理液がどれだけ減容されたかを、以下の式により求める。
減容率(%)=〔(処理前液量−処理後液量)/処理前液量〕×100
[実施例1]
(1)断面の縦横比が縦/横=1/4である扁平断面PVA系繊維80質量部、熱融着繊維〔(株)クラレ製「PN720」〕20質量部を混綿、ウェブとしたものを積層し、130℃で熱処理を行い、密度0.07g/cm、厚み25mmの不織布を得た。この不織布を図6に示すように平面寸法が300mm×300mm、高さが100mmとなるように重ね合わせ、固液分離用繊維集合体を作製した。
(2)一方、断面の縦横比が縦/横=1/4である扁平断面PVA系繊維80質量部、熱融着繊維〔(株)クラレ製「PN720」〕20質量部を混綿、ウェブとしたものを積層後、ニードルパンチ不織布を作製し、130℃で熱処理を行い、密度0.09g/cm、厚み4mmの不織布を得た。これを幅35cm、長さ2.5mに裁断し、裁断端を縫合してベルト状とし、固液分離された液体を転着してプレス搾液を行う転着布とした。
(3)図7に示すように固液分離用繊維集合体を液面下50mmまで被処理液に浸漬し、図4に示す方式により被処理体としてヘドロ(岡山県児島湖より採取)が3.4質量%存在した懸濁液200リットルを、上記(1)で得られた不織布を重ね合わせて固液分離用繊維集合体3とし、上記(2)で得られた転着布を7として用いて搾液方法により固液分離試験を行った。結果を表1に示す。
(4)表1に示すように連続して4時間固液分離処理を行った時点での回収量は81.6リットルであり、4時間処理後の減容率は41%と非常に高いものであった。また回収液の浮遊物質量(SS)は2.0mg/Lであり、非常に清澄なものであった。
[実施例2]
図4の固液分離用繊維集合体3として、転着布と同組成のニードルパンチ不織布を重ねて形成する以外は、実施例1と同様の方式にて固液分離試験を行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、不織布の密度は0.09g/cmと密であるため、連続して4時間固液分離処理を行った時点での回収量は99.2リットルと多く、4時間処理後の減容率も50%と非常に高いものであった。また回収液の浮遊物質量(SS)は1.5mg/Lであり、非常に清澄なものであった。
[実施例3]
(1)断面の縦横比が縦/横=1/4である扁平断面PVA系繊維70質量部、熱融着繊維〔(株)クラレ製「PN720」〕30質量部を混綿、ウェブとし、実開平3−122646号公報に記載の方法に従って、断面が正方形で、正方形の一辺が50mm、高さ100mm、密度0.08g/cmのファイバーロッドを作製した。
(2)一方、転着布は、実施例1と同様に作製した不織布を長さ10mに裁断した後縫合して作製した。
(3)図7に示すように固液分離用繊維集合体を液面下50mmまで被処理液に浸漬し、図5に示す方式により被処理体としてヘドロ(岡山県児島湖より採取)が3.4質量%存在した懸濁液200リットルを用い、上記(1)で得られたファイバーロッドを図8に示すように平面寸法が300mm×300mmに重ね合わせたものを固液分離用繊維集合体3、上記(2)で得られた転着布を7として用いて乾燥方法により固液分離試験を行った。結果を表1に示す。なお図5中、乾燥ローラー11の表面温度は120℃とし、さらに送風ファン13にて風速15m/minの風を与えることにより乾燥を促進した。またタンク1、被濾過液のストック部2、オーバーフローストック部4、被濾過水循環ポンプ9は実施例1と同じものを使用した。
(4)表1に示すように、連続して4時間固液分離処理を行った時点での回収量は114リットルであり、4時間処理後の減容率は43%と非常に高いものであった。
[実施例4]
被処理液が市販のサラダ油3000ppmを界面活性剤で乳濁させた乳濁水を使用する以外は実施例3と同様の方法で固液分離試験を行った。結果を表1に示す。表1に示すように、連続して4時間固液分離処理を行った時点での被処理液残量118リットルであり、4時間処理後の減容率は41%と非常に高いものであった。また、表1には掲載していないが、被処理液残量118リットル中のサラダ油濃度は5100ppmと処理前よりも高くなっているにもかかわらず、被処理液中のサラダ油の絶対量は処理前後で変わらず0.6kgであった。すなわち乾燥により水のみが蒸発するので、サラダ油のみを濃縮することが可能となった。
[比較例1]
図4の固液分離用繊維集合体3として、不織布の密度が0.02g/cmであること以外は実施例1と同様の試験を行ったが、その吸い上げ長は15mmと大変少なく、従って液面から50mmの高さにある転着布7まで液が供給されないため、固液分離ができなかった。
[比較例2]
図4の固液分離用繊維集合体3として、PVA系繊維の代わりにレギュラーポリエステル繊維を使用した以外は実施例1と同様の試験を実施したが、レギュラーポリエステル繊維は水への濡れ性が悪いため、その吸い上げ長は20mmと大変少なく転着布7まで液が供給されないため、固液分離ができなかった。
本発明の固液分離システムにより低コストでかつ容易に処理水の濃縮が可能であり、しかも水以外の成分が混合あるいは溶解した、あらゆる水に適応可能である。
毛管現象で吸い上がった液の自重濾過を示す概略図。 毛管現象で吸い上がった液の加圧回収を示す概略図。 毛管現象で吸い上がった液の減圧回収を示す概略図。 毛管現象で吸い上がった液を加圧回収する固液分離システムの一例を示す図。 毛管現象で吸い上がった液を乾燥する固液分離システムの一例を示す図。 実施例1における固液分離用繊維集合体3の構造を示す図。 実施例1における固液分離用繊維集合体3の処理液への浸漬状態を示す図。 実施例3における固液分離用繊維集合体3の構造を示す図。
符号の説明
1 被濾過液
2 被濾過液ストック部
3 固液分離用繊維集合体
4 オーバーフローストック部
5 プレスローラー
6 回収水受け皿
7 転着布
8 回収水
9 被濾過水循環ポンプ
11 吸い上げ水乾燥ローラー
11 囲い部屋
12 蒸気放出口
13 送風ファン

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系繊維を含む繊維集合体を用いてなる、毛管現象を利用した固液分離システム。
  2. 繊維集合体として、ポリビニルアルコール系繊維が20〜100質量%含まれていることを特徴とする請求項1記載の固液分離システム。
  3. ポリビニルアルコール系繊維が異型断面を有する請求項1または2記載の固液分離システム。
  4. ポリビニルアルコール系繊維を含む集合体が、密度0.03〜1.0g/cmの布帛状物である請求項1〜3のいずれか1項記載の固液分離システム。
  5. ポリビニルアルコール系繊維を含む繊維集合体の一端を、被除去物を含む液体に浸漬し、毛管現象により液体のみを吸い上げせしめ、吸い上げた液体を、該液体の自重濾過あるいは繊維集合体を加圧/減圧することにより搾液し、繊維集合体から液体のみを回収することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の固液分離システム。
  6. ポリビニルアルコール系繊維を含む繊維集合体の一端を被除去物を含む液体に浸漬し、毛管現象により液体のみを吸い上げせしめ、液体に浸漬されていない部分を乾燥することで、被除去物のみを濃縮させる請求項1〜5のいずれか1項記載の固液分離システム。
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GB2604675B (en) * 2020-09-28 2023-10-25 Ibm Improving speech recognition transcriptions

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