JP2005130585A - 箱体の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来と同じ固定部仕様の車体パネルに対して、サイズの異なるロアカバーを確実に固定することができ、ロアカバーに外部から水や塵埃が浸入することを防止することができる箱体の取付構造を提供する。
【解決手段】車体パネルに固定部が設けられ、ロアカバー12に車体取付部25が設けられ、締結ボルトにより固定部に車体取付部25が締結固定される箱体の取付構造において、車体パネルに対向するロアカバー12の底壁24に車体取付部25を複数設け、この車体取付部25に締結ボルトの軸部を挿通させる挿通孔25aを設け、挿通孔25aの周囲に締結ボルトの締め付けにより車体パネルに当接する防水用リップ27を突設する。防水用リップ27を弾性変形可能な樹脂材料で形成する。
【選択図】図3
【解決手段】車体パネルに固定部が設けられ、ロアカバー12に車体取付部25が設けられ、締結ボルトにより固定部に車体取付部25が締結固定される箱体の取付構造において、車体パネルに対向するロアカバー12の底壁24に車体取付部25を複数設け、この車体取付部25に締結ボルトの軸部を挿通させる挿通孔25aを設け、挿通孔25aの周囲に締結ボルトの締め付けにより車体パネルに当接する防水用リップ27を突設する。防水用リップ27を弾性変形可能な樹脂材料で形成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車用ワイヤハーネスの相互接続に用いられ、車体側に固定される車体取付部に改良が施された箱体の取付構造に関するものである。
この種の箱体の取付構造に関連する従来の一例を図4,5に示す(特許文献1、2)。
図5に示す従来例は、リレー、ヒューズなどの電気部品を収納することができる電気接続箱50を提供したものであり、車両衝突時の破損を最小源にとどめて、内部回路を保護することで、負荷への給電を可能な限り維持できるようにしたものであり、インストルメントパネルの後方に位置するカウルサイドパネル(図示せず)に取り付けられた箱本体51に、車両衝突時の衝撃を優先して受ける突出部52が設けられるとともに、車両衝突時の衝撃により優先的に破損する取付ブラケット53,53が設けられたものである。
電気接続箱50は、箱本体51と、箱本体51に内蔵される図示しない各種電気部品等からなっている。箱本体51は、矩形状に樹脂成形されたものであり、内部に各種電気部品等を収容する部品収容室が形成されている。取付ブラケット53は、箱本体51の側壁のコーナ部に対角線方向に対向して一対設けられており、側壁から延出された腕部54と、腕部54に続く取付部55とからなっている。腕部54は、リブ54aによって補強されているものの、衝撃を受ける方向に交差しているため、車両衝突時の衝撃による電気接続箱50の破損に先だって破断されるようになっている。
取付部55は、中心にねじ孔55aを有し、ねじ孔55aの外側には放射状リブが等間隔に形成されている。ねじ孔55aにねじを挿通させ、ねじを締め付けることによって、箱本体51が図示しないカウルサイドパネルに固定されるようになっている。
図6に示す従来例は、ボルトを締め付けるトルクレンチなどの工具を使用することなく、車体パネル65に対する取り付け・取り外しを容易に行うことができ、箱本体61のがたを防止することができる電気接続箱60を提供したものであり、箱本体61に、固定手段としてのクリップ62と、がた防止片63とが設けられたものである。
クリップ62は、錨状を成しており、箱本体61の壁部に垂設された支柱部62aと、支柱部62aの先端部に連なる一対の係止羽根62b,62bとを備えている。支柱部62aは、棒状をなしており、基端から先端にかけて真直に延びている。支柱部62aの先端には、各係止羽根62bの一方の端部が一体的に繋がっている。係止羽根62bは、支柱部62aの先端から基端に向かって、漸次支柱部62aから離れる方向に傾斜している。言い換えると、係止羽根62bと支柱部62aとの間に形成される間隙が拡大する方向に係止羽根62bが傾斜している。係止羽根62bの端部には、係止部62cが形成されており、クリップ62が一対の係止羽根62b,62bを内側に撓ませつつ車体パネル65の孔部65aに挿入されることで、係止部62cが車体パネル65裏面に係合し、クリップ62が孔部65aに係止されるようになっている。
がた防止片63は、笠状を成しており、支柱部62aの基端で、クリップ62から離間した位置に設けられている。箱本体61が車体パネル65に取り付けられると、がた防止片63が車体パネル65に当接することで車両走行中の振動などにより生ずるがたが規制されるようになっている。
特開2002−159116号公報(第2−4頁、第2図)
特開2001−78330号公報(第2−4頁、第1図)
しかしながら、上記従来例では、解決すべき以下の問題点がある。第1の従来例は、電気接続箱50の外側に取付ブラケット53が突設される構造になっているため、自動車の限られた取付スペースに固定される電気接続箱50の箱本体51を小さく成形しなければならず、電気接続箱50の機能を維持するために搭載されるヒューズやリレーなどの電気部品を全て収容することができないという問題があった。
また、車体側に対して、箱本体51の2箇所に突設された取付ブラケット53,53のみで電気接続箱50を支えなければならず、電気接続箱50の固定バランスが悪く、車両走行中の振動によりがたを生じ、疲労により取付ブラケット53の根本側から破損が生じるという心配があった。
さらに、取付ブラケット53は合成樹脂材料で射出成形されているため、トルクレンチなどにより締結部材を締め付けた際に取付ブラケット53が変形し、電気接続箱50が所定位置に適正に固定されないという問題があった。
第2の従来例は、取り付け・取り外しを容易に行うことができることに加え、上記第1の従来例の課題である箱本体のがたを防止することができるものであるが、電気接続箱60の重さに耐えきれずクリップ62の根本側から破損を生ずるという心配があった。また、クリップ62の形状が複雑であるため、成形金型の形状も複雑になり成形費用が高くなるという問題があった。電気接続箱60の取り扱い性も悪く、電気接続箱60の運搬時などにおいてクリップ62に電線が引っ掛かるなどして断線が生じるという問題もあった。
本発明は、上記した点に鑑み、車体側の固定部仕様を変更せずに、サイズの異なる箱本体を確実に取り付けることができ、また、箱本体に外部から水や塵埃が浸入することを防止することができる箱体の取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体側の固定部に、車体取付部を介して箱本体が着脱自在に固定される箱体の取付構造において、前記車体取付部が、前記箱本体の内側又は該箱本体の外側に選択的に設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、車両側の固定部仕様を変更することなく、車種やグレードに応じてサイズが異なる種々の箱体を取り付けることができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の箱体の取付構造において、前記箱本体が電気接続箱本体であり、前記車体取付部が、前記車体側に対向する該箱本体の底壁に設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、箱本体の外側には出っ張りが形成されなくなるため、箱本体のサイズを大きくすることができる。また、箱本体の底壁が車体側に面当たりすることで、箱本体の固定バランスが良くなる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の箱体の取付構造において、前記車体取付部が複数設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、箱本体が複数の車体取付部を介して車体側に固定されるから、車体側に箱本体を確実に固定することができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の箱体の取付構造において、前記車体取付部に、締結部材の軸部を挿通させる挿通孔が設けられ、該挿通孔の周囲に、該締結部材の締め付けにより前記車体側の壁面に当接する防水用リップが設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、箱本体が車体側に固定された際、防水用リップが車体側の壁面に当接することで、挿通孔が外部から密閉される。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の箱体の取付構造において、前記防水用リップが、弾性を有する軟質樹脂材料で形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、例えば2色成形などにより、合成ゴムなどを構成材料とする防水用リップが形成され、箱本体が車体側に固定された際、防水用リップが押し潰されて車体側の壁面に密着する。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の箱体の取付構造において、前記箱本体が、軟質樹脂材料で一体成形されたことを特徴とする。
上記構成によれば、成形工程数を増やすことなく、防水用リップを有する箱体を容易に成形することができる。
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、箱本体の内側又は箱本体の外側に選択的に車体取付部が設けられることで、車両側の固定部仕様を変更することなく、サイズの異なる種々の箱体を取り付けることができ、車種変更やグレード変更に対してフレキシブルに対応することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、箱本体の底壁に車体取付部が設けられることで、箱本体の外側には出っ張りがなくなり、その分だけ箱本体を大きく形成することができる。また、箱本体の底壁が車体側に面当たりすることで、接触面積が大きくなり、箱本体の固定バランスが良くなる。したがって、従来と同じ仕様の車体側の固定部に対して、大きいサイズの電気接続箱を固定することができる。また、車体側に電気接続箱を確実に固定することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、箱本体が複数の車体取付部を介して車体側に固定される。したがって、車体側に箱本体をより確実に固定することができ、電気接続箱の取付安定性を向上することができる。
また、請求項4記載の発明によれば、車体取付部の挿通孔の周囲に防水用リップが設けられているから、箱本体が車体側に固定された際、防水用リップが車体側の壁面に当接することで、挿通孔が外部から密閉される。したがって、電気接続箱に外部から水や塵埃が浸入することを防止することができる。
また、請求項5記載の発明によれば、二色成形などにより、軟質材料で防水用リップが形成されるから、箱本体が車体側に固定された際、防水用リップが押し潰されて車体側の壁面に密着する。したがって、請求項4記載の効果が助長され、電気接続箱の防水・防塵性がより一層向上する。
また、請求項6記載の発明によれば、軟質樹脂材料で箱本体が一体成形されているから、成形工程数を増やすことなく、箱体を容易に成形することができる。したがって、箱体の成形性が向上する。
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1〜図3は、本発明に係る箱体の取付構造の第一の実施形態を示すものである。
箱体としての電気接続箱は、バッテリと電装品との間に位置し、自動車用ワイヤハーネスに相互接続され、バッテリからの電源の供給を受けつつ、メインECUからの制御信号を受信して、アクチュエータ類や計器類などの電装品を制御するための制御ユニットであり、自動車のエンジン室の車体パネル(車体側)やタイヤケースや車室内のカウルサイド等に、締結ボルトやねじ等の締結部材を用いて固着される自動車部品である。
本実施形態の電気接続箱10は、洗車時の高圧水や、車両走行時の飛水の影響を受ける心配があるエンジン室の車体パネルに固定されるものである。エンジン室は、矩形箱形の空間であり、開口形成された上部がフードで覆われるようになっており、内部には、エンジン、バッテリ、オルタネータ、ラジエータ、インテーク・マニーホールドなどが密集した状態に配置され、殊に高級車になるほど空きスペースのない程に自動車部品が密集した状態に配置され、エンジン後方にのみ電気接続箱が配設される限られたスペースが残されているという構成になっている。
電気接続箱本体としてのロアカバー(箱本体)12には、水や塵埃を嫌うサブECUや、ヒューズや、リレーや、内部回路を構成するブスバーなどの電気部品が収容されるようになっている。サブECUにより、インストルメントパネルに備わる計器類や、サイドパネルに備わるドアロック、ドアミラー、ドアウインドや、各種照明等が機能するようになっている。
本実施形態の電気接続箱10は、従来と同じ固定部仕様の車体パネル(図示せず)に対して、より大きいサイズの電気接続箱10を固定することができ、車体パネルに電気接続箱10を確実に固定することができ、また、電気接続箱10に外部から水や塵埃が浸入することを防止することができるものであり、車体パネルに固定部が設けられ、ロアカバー12に車体取付部25が設けられ、図示しない締結ボルトにより固定部に車体取付部25が締結固定される箱体の取付構造において、車体パネルに対向するロアカバー12の底壁24に車体取付部25が複数設けられ、この車体取付部25に締結ボルトの軸部を挿通させる挿通孔25aが設けられ、挿通孔25aの周囲に締結ボルトの締め付けにより車体パネルに当接する防水用リップ27が突設されたことを特徴とするものであり、防水用リップ27が弾性変形可能な軟質樹脂材料で形成されたことを有効とするものである。
以下に、本実施形態の電気接続箱10の主要構成部分及びその作用について詳細に説明する。図1には、電気接続箱10を構成するロアカバー12とアッパーカバー28とが示されているが、電気部品が搭載される回路ユニットは省略されている。図2には、2箇所に車体取付部25を有するロアカバー12の平面図が示されている。図3には、車体取付部25の拡大図と要部の断面図とがそれぞれ示されている。
電気接続箱10は、図示しない回路ユニットと、箱本体としてのロアカバー12と、ロアカバー12の開口端部に合体されるアッパーカバー28とからなっている。回路ユニットは、配線板と、電気・電子部品などからなっている。配線板は、単層構造又は積層構造を成しており、部品ホルダを有する絶縁基板と、内部回路を構成するブスバーや電線から構成されている。部品ホルダには、ヒューズやリレーや各種の半導体素子などの電気・電子部品が保持されるようになっている。電気・電子部品の制御信号に基づいてアクチュエータ類や計器類などが制御されるようになっている。
アッパーカバー28は、ロアカバー12の開口端部に防水用のシール部材(図示せず)を介して合体されるようになっている。アッパーカバー28の前壁30及び左側の側壁32には、ロアカバー12のスプリングロック14,17と対応する位置で係止爪31,33が形成されている。図示しない右側の側壁には、ロアカバー12の引っ掛け部22に係合するスプリングフックと、係止レバーとが設けられている。
ロアカバー12は、箱形状をなし、成形性が良好なポリプロピレンなどの軟質樹脂材料により射出成形されたものであり、前壁13及び後壁15と、両側壁16,20と、底壁24とから外壁(壁部)が形成されている。上部は開口形成され、回路ユニットが内部に収容されるようになっている。
前壁13には、アッパーカバー28の係止爪(図示せず)に対する板状のばね片であるスプリングロック14が設けられている。スプリングロック14は、その中間部に係止孔を有しており、この係止孔にアッパーカバー28の係止爪が係合するようになっている。左側の側壁16にも、前壁13と同様のスプリングロック17が2箇所に設けられている。スプリングロック17は、その基部側が側壁16のばね固定部19に固定されている。スプリングロック14,17の先端は、丸く折り曲げられており、尖端が露出しないようにされている。前壁13に対向する後壁15には、スプリングロックは設けられていないが、前壁13や側壁16と同様にしてスプリングロックを設けてもよい。
右側の側壁20には、ハーネス導出口21と、アッパーカバー28のスプリングフックに係合する引っ掛け部22とが設けられている(図2)。ハーネス導出口21は、回路ユニットに接続された各電線がロアカバー12から外側に引き出される開口部であり、U字状に形成されている。複数の電線が結束されてなるワイヤハーネス(図示せず)は、ハーネス導出口21に填め込まれた図示しない防水用グロメットに挿通されて外部に引き出されるようになっている。防水用グロメットがハーネス導出口21に填め込まれることで、ワイヤハーネスを伝う水が電気接続箱10に浸入することが防止されている。
引っ掛け部22は、ハーネス導出口21の近傍でアッパーカバー28のスプリングフックに対応する位置に設けられている。引っ掛け部22をハーネス導出口21の近傍に位置させることで、ハーネス導出口21の上端部21aとアッパーカバー28の合口部28aとが強く密着して、水の浸入が防止されている。ロアカバー12にアッパーカバー28を合体させるには、3箇所のスプリングロック12,17,17にアッパーカバー28の係止爪33,33を係合させた後、スプリングフックを引っ掛け部22に係合させ、スペリングフックに連結された係止レバーを上向きに強く引き上げることで、ロアカバー12にアッパーカバー28が密閉性よく合体されるようになっている。
底壁24には、本発明に係る車体取付部25が左右のコーナ部にそれぞれ設けられている。車体取付部25の数は、2つに限定されるものではなく、1つでもよく、3つ以上であってもよい。本実施形態のように車体取付部25を複数設けることで、ロアカバー12が車体パネルに強く固定され、電気接続箱10の取付安定性が向上するようになっている。
車体取付部25は、底壁24の一部として一体的に成形されたものであり、従来例に示される電気接続箱50のように外側に突出形成されたものではない。このため、従来と同じ取付スペースで、かつ、同じ仕様の車体パネルの固定部に対して、ロアカバー12内の容積を従来よりも大きいものとすることができ、より多くの電気・電子部品を収容することが可能となっている。ロアカバー12を大きいサイズに変更することで、近年の車載搭載部品の増加にも対応することが可能になっている。
図3(a)に示すように、車体取付部25の裏面は、底壁24の裏面と同一平面になっているため、車体パネルにロアカバー12を固定すると、底壁24の裏面が車体パネルに面当たりし、ロアカバー12の固定バランスが良くなり、これによっても取付安定性が向上するようになっている。
車体取付部25の中央部には、締結ボルトの軸部を挿通させる挿通孔25aが貫通形成されている。左側の車体取付部25の挿通孔25aは丸孔に形成され、右側の車体取付部25の挿通孔25aは長孔に形成されている(図2)。両方の挿通孔25a,25aは、軸部の軸径よりも大きい寸法に形成されているため、挿通孔25a内に締結ボルトが遊嵌され、車体パネルに対する電気接続箱10の位置ずれが吸収されるようになっている。ロアカバー12を車体パネルに固定する際は、丸孔の挿通孔25aに締結ボルトを挿通させてから、長孔の挿通孔25aに締結ボルトを挿通させ、ロアカバー12を仮止めした後に本締めすることが好ましく、これによって位置ずれが確実に吸収されるようになっている。
挿通孔25aの周囲には、周方向に等間隔で放射状リブ25bが複数設けられている。この放射状リブ25bにより挿通孔25aが補強され、トルクレンチで締結ボルトを締め付けた際の変形や破損などが防止されるようになっている。挿通孔25aの内側に銅や真鍮などで成形された口金25cが填め込まれているため、挿通孔25aの変形がより確実に防止されるようになっている。
図3(b)に示すように、挿通孔25aの裏面の底壁24には、挿通孔25aを囲むように防水用リップ27が環状に突設されている。防水用リップ27は、軟質樹脂材料を構成材料とするロアカバー12に一体形成されたものであり、締結ボルトを締め付けてロアカバー12が車体パネルに固定された際に、リップ先端が押し潰されて車体パネルに密着し、挿通孔25aが外部から密閉されるようになっている。このため、底壁24側から挿通孔25aを通ってロアカバー12内に水が浸入することが防止され、回路ユニットの動作信頼性が維持されるようになっている。
このように本実施の形態によれば、ロアカバー12の底壁24に車体取付部25が設けられているから、ロアカバー12の外側には出っ張りがなくなり、その分だけ電気接続箱10を大きいサイズのものとすることができる。車体取付部25の挿通孔25aの周囲には防水用リップ27が設けられているから、ロアカバー12が車体パネルに固定された際、防水用リップ27が車体パネルに密着することで、外部から挿通孔25aに水が浸入することが防止され、電気接続箱10の防水性が維持される。
次に、箱体の取付構造の第2の実施形態について説明する。図4は、電気接続箱(箱体)のロアカバー35の平面図を示したものである。
本実施形態の電気接続箱は、第1の実施形態の電気接続箱10が取り付けられた車体パネルの固定部に取り付けられるものである。この電気接続箱は、車体取付部37がロアカバー35の前壁36の外側に設けられ、ロアカバー35が第1の実施形態のロアカバー12に比べて一回り小さいサイズである点において、第1の実施形態の電気接続箱10と相違している。
ロアカバー35は、第1の実施形態のロアカバー12と同様にして、箱形をなしており、前壁36及び後壁39と、両側壁42,44と、底壁47とから外壁(壁部)が形成されている。
前壁36には、左右のコーナ部寄りの位置で2つの車体取付部37,37が突設されている。2つの車体取付部37,37は、車体パネルの固定部に対応する位置に設けられている。車体取付部37の中央部には、締結ボルトの軸部を挿通させる挿通孔37aがそれぞれ貫通形成されている。左側の車体取付部37の挿通孔37aは丸孔に形成され、右側の車体取付部37の挿通孔37aは位置ずれを吸収できるように長孔に形成されている。挿通孔37aの周囲には、図示しない放射状リブが設けられていて、車体取付部37に変形や破損が生じないように補強されている。なお、車体取付部37は前壁36の外側に突出しているため、挿通孔37aの周囲に防水用リップは設けられていない。
後壁39の中央部には、斜めを向いた取付ブラケット40が突出形成されている。取付ブラケット40の中央部には、車体取付部37と同様の挿通孔40aが形成されている。このため、本実施形態のロアカバー35は、2つの車体取付部37,37及び取付ブラケット40の3箇所で固定されるようになっているため、車体パネルにより強く取り付けられるようになっている。
左側の側壁42には、図示しないアッパーカバーのスプリングロックに対する係止爪43が2箇所に設けられている。スプリングロックの中間部に設けられた係止孔が、係止爪43に係合することで、ロアカバー35の上部開口がアッパーカバーで密閉された状態で塞がれるようになっている。右側の側壁44には、ハーネス導出口45と、アッパーカバーのスプリングフックに係合する引っ掛け部46とが設けられている。
ロアカバー35のその他の構成部分は、第1の実施形態の構成部分と共通するため、本実施形態での説明を省略することとする。
以上のように第2の実施形態によれば、車両側の固定部仕様を変更せずに、固定部に締結固定される車体取付部37をロアカバー35の外側に突設することが可能となり、車種変更やグレード変更に対応するサイズの小さい電気接続箱を取り付けることができる。また、車体取付部37を介して水等がロアカバー35に浸入することも防止されて、電気接続箱の防水性を向上することもできる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で、以下のように変形して実施することもできる。
(1)ロアカバー12とは別体に防水用リップを設けて構成する。例えば、挿通孔25aの周囲の底壁24に環状の浅溝を形成し、この浅溝に環状の防水用リップを填め込むことも可能である。このようにすれば、防水用リップをロアカバー12に一体に形成した場合と同様にして、締結ボルトを締め付けてロアカバー12が車体パネルに固定された際に、防水用リップの先端が押し潰されて車体パネルに密着し、挿通孔25aが外部から密閉されるようになる。さらに、防水用リップの材質を任意に選択することも可能になり、防水性をより一層向上することも可能である。防水用リップには、ニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどを適用することができる。
(1)ロアカバー12とは別体に防水用リップを設けて構成する。例えば、挿通孔25aの周囲の底壁24に環状の浅溝を形成し、この浅溝に環状の防水用リップを填め込むことも可能である。このようにすれば、防水用リップをロアカバー12に一体に形成した場合と同様にして、締結ボルトを締め付けてロアカバー12が車体パネルに固定された際に、防水用リップの先端が押し潰されて車体パネルに密着し、挿通孔25aが外部から密閉されるようになる。さらに、防水用リップの材質を任意に選択することも可能になり、防水性をより一層向上することも可能である。防水用リップには、ニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどを適用することができる。
10 電気接続箱(箱体)
12,35 ロアカバー(箱本体)
24 底壁
25,37 車体取付部
25a,37a 挿通孔
27 防水用リップ
28 アッパーカバー
12,35 ロアカバー(箱本体)
24 底壁
25,37 車体取付部
25a,37a 挿通孔
27 防水用リップ
28 アッパーカバー
Claims (6)
- 車体側の固定部に、車体取付部を介して箱本体が着脱自在に固定される箱体の取付構造において、前記車体取付部が、前記箱本体の内側又は該箱本体の外側に選択的に設けられたことを特徴とする箱体の取付構造。
- 前記箱本体が電気接続箱本体であり、前記車体取付部が、前記車体側に対向する該箱本体の底壁に設けられたことを特徴とする請求項1記載の箱体の取付構造。
- 前記車体取付部が複数設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の箱体の取付構造。
- 前記車体取付部に、締結部材の軸部を挿通させる挿通孔が設けられ、該挿通孔の周囲に、該締結部材の締め付けにより前記車体側に当接する防水用リップが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の箱体の取付構造。
- 前記防水用リップが、弾性を有する軟質樹脂材料で形成されたことを特徴とする請求項4記載の箱体の取付構造。
- 前記箱本体が軟質樹脂材料で一体成形されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の箱体の取付構造。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7888596B2 (en) | 2006-12-27 | 2011-02-15 | Yazaki Corporation | Sealing structure of electrical junction box |
JP2011041372A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | 電気接続箱 |
JP5578253B1 (ja) * | 2013-04-05 | 2014-08-27 | 三菱電機株式会社 | 車載用防水型電子機器筐体 |
JP2016022789A (ja) * | 2014-07-17 | 2016-02-08 | ユニプレス株式会社 | ステアリングメンバー装置 |
KR101879824B1 (ko) * | 2016-12-28 | 2018-07-18 | 한국단자공업 주식회사 | 자동차용 블럭 |
-
2003
- 2003-10-23 JP JP2003362865A patent/JP2005130585A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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