JP2005128470A - 電気化学表型示媒体、それを用いた表示素子及び表示装置 - Google Patents

電気化学表型示媒体、それを用いた表示素子及び表示装置 Download PDF

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【課題】 本発明は視認性、質感がきわめて紙に近い反射型の電気化学型表示媒体、それを用いた表示素子、及び該表示素子を用いた表示装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 ジカルボン酸ハロゲン化物、ジクロロホーメート化合物及びホスゲン系化合物からなる群から選ばれる一種の化合物を有機溶媒に溶解した有機溶液(A)と
珪酸アルカリ及び/または2種以上の金属元素を有しその金属元素の1種がアルカリ金属である、金属酸化物、金属水酸化物および金属炭酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属化合物(1)と、ジアミンとを含有する塩基性の水溶液(B)とを混合攪拌し、重縮合反応させることにより得られる有機ポリマーと無機化合物との複合体であって、該複合体が電解液を保持している電気化学型表示媒体、表示素子及び表示装置を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、視認性、質感がきわめて紙に近い、反射型の電気化学型表示媒体及びそれを用いた表示素子ならびに表示装置を提供する。
表示素子に関して現在までに多種多様な技術が研究開発されている。その中でも視認性が高く目に優しいといわれている反射光による表示素子についても種々の方法が検討されている。反射光による表示素子は、周囲の明るさに表示面が追随する、指向性のある垂直光が目に進入しない等の理由のため、目が疲れにくく長時間の使用に耐える点が最大の長所として挙げられているが、この長所を十分に発揮するには、光散乱による自然で柔らかい、紙に近い白さをいかにして出すかが重要である。そのため、表示面の視認性、質感をいかにして紙に近づけるかが最大の開発目標の一つとなっている。
反射光型表示素子の技術のひとつである液晶を用いた表示素子は、現在最も広く用いられている技術であるが、本方式は偏光子を必要とするため、反射光強度が大きく減衰し、表示面の白さは紙には到底及ばない。加えて、視野角依存性が生じる問題もある。他の表示方式としては、色相の及び帯電特性の異なる2色の領域を有する粒子(2色粒子)を回転させることにより表示を行う、いわゆる粒子回転型ディスプレーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。2色回転粒子はその構造上、視面側が明色(たとえば白)の場合は、その反対側は暗色(たとえば黒)になる。また、2色粒子を密に配列させても必ず隙間が生じてしまう。そのため、明色表示の際の視面から来た光が配列した2色粒子により生じた隙間に入ると、反対側の暗色面に光の大部分が吸収されてしまうために、光の反射効率が低く、紙に近い白さを出すことは困難である。
また、粒子泳動法を用いた表示素子の場合では、一般に酸化チタン等の顔料微粒子を表示装置の視面側に移動させることにより白表示を行っている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら本方式では、白さを出すための機構が紙とは根本的に異なるため、粒状感が生じる等の理由により、紙のような自然な白さを出すことができない。
一方、反射光を利用する他の表示素子として、電圧印加により、固体や液体に生じる可逆的な色相の変化を利用する電気化学型表示素子が知られている。本素子では着色表示の際の色相がクリアで視野角依存性もない優れた表示を行うことが可能である。透明電極上に存在している電気化学的な酸化還元により変色する高分子材料層と、この高分子材料層と接触し酸化チタン等の着色剤を含有した高分子固体電解質層を有する、エレクトロクロミック型表示素子が知られている(例えば、特許文献3参照。)。また同特許文献には、酸化チタン等の着色剤及び発色剤としての金属イオンを含有した高分子固体電解質層を電極間に挟んだ、エレクトロデポシション型表示素子について記載されている。また、銀塩(発色剤)と支持電解質とを溶媒に溶解させた電解液に、酸化チタンや酸化マグネシウム等の白色の半導体または絶縁体粉末を分散させ、この液体を透明電極に挟み込む構成の、エレクトロデポジション型表示装置について記載されている(例えば、特許文献4。)。
特許文献3及び4のいずれの方法についても、表示素子に白色度を与えるためには、いわゆる白色顔料を用いているため、いずれの表示素子でも視認性および質感は紙とは大きく異なっている。また、電気化学表示素子は、表示を行う際に対向電極間をイオンがスムーズに移動する必要があるが、特許文献3に示された高分子電解質を用いた方式では電解液を用いた場合に比してイオン伝導度が低くなるため、表示の応答速度が遅くなる上、駆動電圧が上昇してしまう可能性がある。また、イオン伝導性の温度依存性が液体の電解質を用いた場合に比して大きいため、広い温度領域特に低温度での安定した駆動がしにくくなる。一方、特許文献4のように電解液を表示素子中に液体状態のまま用いると、表示素子が破損した際に漏洩等が起き易く安全性に問題が生じる上、白色粉末が偏在することで、均一な白色度を出せなくなる恐れがある。
米国特許4126854号 特開平1−86116号公報 特開平14−258327号公報 米国特許4240716号
本発明は視認性、質感がきわめて紙に近い反射型の電気化学型表示媒体及びそれを用いた表示素子ならびに表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、ジカルボン酸ハロゲン化物、ジクロロホーメート化合物及びホスゲン系化合物からなる群から選ばれる一種の化合物を有機溶媒に溶解した有機溶液(A)と、珪酸アルカリ及び/または2種以上の金属元素を有しその金属元素の1種がアルカリ金属である、金属酸化物、金属水酸化物および金属炭酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属化合物と、ジアミンとを含有する塩基性の水溶液(B)とを混合攪拌し、重縮合反応させることにより得られた有機ポリマーと無機化合物との複合体に、支持電解質を溶解させた電解液を保持したウエットケーキシートが、視認性が極めて紙に近く高反射率な白色基体、多量の電解液をゲル状に保持する機能を発現するイオン伝導体、及び高い電子絶縁性を有する電極間セパレーターの3つの機能を兼備した、電気化学型表示媒体として用いることができることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
ジカルボン酸ハロゲン化物、ジクロロホーメート化合物及びホスゲン系化合物からなる群から選ばれる一種の化合物を有機溶媒に溶解した有機溶液(A)と
珪酸アルカリ及び/または
2種以上の金属元素を有しその金属元素の1種がアルカリ金属である、金属酸化物、金属水酸化物および金属炭酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属化合物(1)と、ジアミンとを含有する塩基性の水溶液(B)とを混合攪拌し、反応させることにより得られる有機ポリマーと無機化合物との複合体であって、該複合体が電解液を保持している電気化学型表示媒体を提供する。
また、電極を有する2枚の基板を、該電極を内側にして相対向させた基板間に、本発明の電気化学型表示媒体を有する電気化学型表示素子を提供する。
また、該電気化学型表示素子により構成される、電気化学型表示装置を提供する。
また、ジカルボン酸ハロゲン化物、ジクロロホーメート化合物及びホスゲン系化合物からなる群から選ばれる一種の化合物を有機溶媒に溶解した有機溶液(A)と、
珪酸アルカリ及び/または2種以上の金属元素を有しその金属元素の1種がアルカリ金属である、金属酸化物、金属水酸化物および金属炭酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属化合物(1)と、ジアミンとを含有する塩基性の水溶液(B)とを混合攪拌し、重縮合反応させることにより得られる有機ポリマーと無機化合物との複合体を得る複合体合成工程と、
前記複合体の固形分率が35質量%以下の状態で、電解液を含浸させて、複合体に電解液を保持させる含浸工程とを有する電気化学型表示媒体の製造方法を提供する。
本発明により、視認性、質感がきわめて紙に近い反射型の電気化学型表示媒体及びそれを用いた表示素子ならびに表示装置を提供できる。
本発明の電気化学型表示媒体及びそれを用いた表示素子ならびに表示装置は視認性、質感がきわめて紙に近い。また、高分子電解質を用いた電気化学型表示媒体に比べ応答速度が速く、低消費電力且つ使用可能な温度領域が広い。また、本発明での表示媒体は電解液を液状のまま用いる表示媒体とは異なり漏洩することがない。
また、本発明の電気化学型表示媒体は、単に有機ポリマーと無機化合物とを混ぜ合わせた構造とは異なり、電解液の保持能力が高い有機無機複合体である。好ましい態様として、該有機無機複合体は自重の4〜25倍質量の電解液を保持することができる。コントラストのより高い表示用媒体を得るためには、5〜20倍質量の電解液を保持していること好ましい。
本発明の表示媒体は、表示素子の白色体、電解液を保持したイオン伝導体、及び電極間セパレーターの3つの機能を有する部材として、ジカルボン酸ハロゲン化物、ジクロロホーメート化合物及びホスゲン系化合物からなる群から選ばれる一種の化合物を有機溶媒に溶解した有機溶液(A)と、
珪酸アルカリ及び/または2種以上の金属元素を有しその金属元素の1種がアルカリ金属である、金属酸化物、金属水酸化物および金属炭酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属化合物(1)と、ジアミンとを含有する塩基性の水溶液(B)とを混合攪拌し、重縮合反応させることにより得られた有機ポリマーと無機化合物との複合体を用いる。本方法によって得られた複合体は、有機ポリマーとしてのポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素中に、サブミクロンメートル〜ナノメートルオーダーの無機微粒子が複合体全質量に対して15〜80質量%の高い含有率で微分散含有することができる。電解液を多く保持し、且つ、有機ポリマーと無機粒子との界面領域を広くすることで高い光散乱効率を与え、高い白色度を得るためには、複合体中の無機含有率は、20〜70質量%であることが好ましい。
本発明に用いる有機無機複合体は常温、常圧下での10秒〜数分程度の攪拌操作により、有機溶液(A)中のモノマーと水溶液(B)中のジアミンとが迅速に反応することで、有機ポリマー成分が収率よく得られる。その際、珪酸アルカリ及び/または金属化合物(1)中のアルカリ金属が、重合の際に発生するハロゲン化水素の除去剤として作用することで有機ポリマーの重合反応を促進する。本反応と同時に、珪酸アルカリ及び/または金属化合物(1)はそのアルカリ金属化合物成分が除去され、珪酸アルカリを用いた際にはシリカへ、金属化合物(1)を用いた場合はアルカリ金属以外の金属元素を有する金属化合物へと転化することで水に不溶化し固体として析出する。その際、有機ポリマーの重合反応とシリカ及び/または金属化合物の固体への転化とは、どちらか一方のみが生じることはなく平行して起こるため、シリカ及び/または金属化合物微粒子が有機ポリマーに微分散した有機無機複合体が得られる。
本発明での有機溶液(A)に用いるジカルボン酸ハロゲン化物としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物、およびイソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物、あるいはこれら芳香環の水素をハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基などで置換した芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物などが例として挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明での有機溶液(A)に用いるジクロロホーメート化合物としては、1.2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール類や、1個または2個以上の芳香環に水酸基を2個持つレゾルシン(1,3−ジヒドロキシベンゼン)、ヒドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、ビスフェノールS、ビスフェノールA、テトラメチルビフェノール等の2価フェノール類の水酸基を全てホスゲン化処理によりクロロホーメート化したものを挙げることができる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明での有機溶液(A)に用いるホスゲン系化合物としてはホスゲン及びトリホスゲンを挙げることができる。これらは単独で、または両種を組み合わせて使用することができる。
本発明では有機溶液(A)に用いるモノマーを選択することにより、有機無機複合体のマトリクス有機ポリマーを変えることができる。モノマーとしてジカルボン酸ハロゲン化物を用いた場合はポリアミドを、ジクロロホーメート化合物を用いた場合はポリウレタンを、ホスゲン系化合物を用いた場合にはポリ尿素を、水溶液(B)との反応によって得ることができる。
本発明での有機溶液(A)に用いる有機溶媒としては上記の有機溶液(A)中の各種モノマーやジアミンとは反応せず、有機溶液(A)中の各種モノマーを溶解させるものであれば特に制限なく用いることができる。このうち水と非相溶なものとしてはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類を、水と相溶するものとしてはテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などを代表的な例として挙げることができる。
有機溶液(A)に用いる有機溶媒として水に対して非相溶なものを用いた場合、生じる重縮合反応は水溶液(B)と有機溶液(A)との界面近傍で生じる界面重縮合となる。この場合は得られる有機ポリマーの分子量を容易に高くすることができるため、繊維形状の複合体が得られやすい。また、水溶液(B)と有機溶液(A)との界面で生じた複合体膜を引き上げつつ紡糸することで、強度の高い長繊維を得ることもできる。逆に有機溶媒として水に対して相溶するものを用いた場合には、有機溶媒と水とが乳化した状態で重合が生じるため、粉体形状の複合体が容易に得られる。
いずれの有機溶媒を用いた場合でも、得られる有機無機複合体は、粉体またはパルプ状と、バルク形状に比べて外表面積が大きいため、粉砕等の処理を行う必要なしに電解液を容易に保持させることができる。
本発明での水溶液(B)に用いるジアミンとしては、有機溶液(A)中の各モノマーと反応し、有機ポリマーを生成するものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタンなどの脂肪族ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレンなどの芳香族ジアミン、あるいはこれら芳香環の水素をハロゲン原子、ニトロ基、またはアルキル基などで置換した芳香族ジアミンなどが例として挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明での有機溶液(A)及び水溶液(B)中のモノマー濃度としては重合反応が十分に進行すれば特に制限されないが、各々のモノマー同士を良好に接触させる観点から、0.01〜3モル/Lの濃度範囲、特に0.05〜1モル/Lが好ましい。
本発明では水溶液(B)中に珪酸アルカリを共存させた状態で重合反応を行わせることで、有機ポリマーとシリカとからなる複合体を得て、表示媒体として用いることができる。本発明での水溶液(B)に用いる珪酸アルカリは、JIS K 1408に記載された水ガラス1号、2号、3号などのAO・nSiOの組成式で表され、Aがアルカリ金属、nの平均値が1.8〜4のものが挙げられる。また、nの平均値が0.8〜1.1である、メタ珪酸アルカリ(たとえばメタ珪酸ナトリウム1種、2種)の粉末を水に溶解させた液体も水ガラスと同様に用いることができる。珪酸アルカリ中に含まれるアルカリ金属化合物は重合の際に発生する際の酸除去剤として作用することで、重合反応を促進すると同時に、固体シリカに転化する無機原料として作用する。
また、本発明では水溶液(B)中に金属化合物(1)を共存させた状態で重合反応を行わせることで、有機ポリマーと金属化合物(1)中のアルカリ金属以外の金属元素を有する金属化合物とからなる複合体を得て、表示媒体として用いることができる。使用する金属化合物(1)としては、一般式AxMyBzとして表すことができる化合物を挙げることができる。Aがアルカリ金属元素であり、Mがアルカリ金属以外の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素であり、BがO、CO、OHからなる群から少なくとも1種選ばれる基であるものが挙げられる。x、y、zは、A、MとBの結合を可能とする数である。上記一般式AxMyBzで表される化合物は、水に溶解し塩基性を示すものが好ましい。金属化合物(1)に含まれるアルカリ金属もまた、珪酸アルカリ中のアルカリ金属化合物と同様に、重合の際に発生する際の酸除去剤として作用することで、重合反応を促進する。
本発明で用いられる金属化合物(1)の内、上記一般式中のBがOである化合物としては、亜鉛酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、亜クロム酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、スズ酸ナトリウム、亜テルル酸ナトリウム、チタン酸ナトリウム、バナジン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム等のナトリウム複合酸化物や、亜鉛酸カリウム、アルミン酸カリウム、亜クロム酸カリウム、モリブデン酸カリウム、スズ酸カリウム、マンガン酸カリウム、タンタル酸カリウム、亜テルル酸カリウム、鉄酸カリウム、バナジン酸カリウム、タングステン酸カリウム、金酸カリウム、銀酸カリウム等のカリウム複合酸化物、アルミン酸リチウム、モリブデン酸リチウム、スズ酸リチウム等のリチウム複合酸化物のほかルビジウム複合酸化物、セシウム複合酸化物を用いることができる。
上記一般式中のBがCOとOHの一方または、双方の基を含むアルカリ金属化合物(1)としては、炭酸亜鉛カリウム、炭酸ニッケルカリウム、炭酸ジルコニウムカリウム、炭酸コバルトカリウム、炭酸スズカリウム等、及びこれらの水和物を例示することができる
これらの金属化合物(1)は水に溶解させて用いるため、水和物であっても良い。また、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、前述の珪酸アルカリと同時に用いても良い。
水溶液(B)中の珪酸アルカリ及び/または金属化合物(1)の濃度は、有機溶液(A)及び水溶液(B)中のモノマー濃度によってある程度は決定されるが、有機無機複合体の高収率を維持し、かつ重合時の過剰な発熱により生じうる有機溶液(A)中のモノマーと水との副反応を防止する理由より、1〜200g/Lが望ましい。
界面重縮合反応場に共存させる珪酸アルカリ及び/または金属化合物(1)は、重縮合反応時に生じるハロゲン化水素を中和して重縮合反応を促進させる作用も有するため、これらの配合量が少なく、生じるハロゲン化水素が重縮合反応の進行を阻害する場合には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの酸受容体を水溶液(B)に添加しても、上記酸受容体の溶液を合成系に後添加してもよい。
本発明では、表示素子の白色体、電解液を保持したイオン伝導体、及び電極間セパレーターの3つの機能を有機無機複合体に付与している。そのため、該複合体の最良の形態としては、白色度、電解液保持特性及び、電子絶縁性のいずれの特性が高いことが挙げられる。これらの特性を付与するために、有機溶液(A)及び水溶液(B)の各成分は以下の材料を選定することが特に好ましい。
本発明における白色体としての特性は、有機無機複合体の有機と無機の各成分が持つ色、有機無機複合化状態及び、複合体の形状により発現している。
高白色度を付与するための、有機無機複合体の有機成分としては白色度が高いポリマーを与える原料が、無機成分としては無色または白色の微粒子を与える材料が好ましく用いられる。
有機無機複合体を構成する無機粒子が、可視光線波長より大きいサブミクロンメートルオーダーで、且つ無色または白色であり、有機ポリマーとの屈折率差が大きい場合は、有機ポリマーと無機粒子の界面間で光散乱が効率的に生じ、極めて良好な白色度を複合体に与える。このとき、無機粒子の大きさは、可視光線波長よりやや大きい800ナノメートル〜1ミクロンメートル付近大きさの粒子であることが好ましい。この領域の粒子が多量にあると有機ポリマーと無機粒子との界面面積が比較的広くなり、光散乱が良好に生じ高い白色度を複合体に付与することができる。このような無機成分としては、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、及び酸化テルル(IV)を例示できる。これらを有機無機複合体に複合化できる無機原料としての金属化合物(1)としては亜鉛酸ナトリウム、亜鉛酸カリウム、亜テルル酸ナトリウム、亜テルル酸カリウム等のアルカリ金属複合酸化物や、炭酸亜鉛カリウム、炭酸ジルコニウムカリウム、等のアルカリ金属複合炭酸化物を例示することができる。
一方、無機材料がシリカ及び酸化アルミニウムの場合は、無機粒子径が約10ナノメートルと極めて微小である上、該無機粒子同士が一部分で連結したネットワーク構造を形成していることが、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により明らかとなっている。このとき、無機粒子からなるネットワーク全体のサイズが可視光線の波長以上の大きさになると、可視光線の散乱が有機無機複合体の極めて広い界面において高効率で生じることで、極めて高い白色度を複合体に付与できる。このよう無機成分及び構造を付与できる無機原料としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸アルカリや、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等のアルミン酸アルカリを例示することができる。
また、有機無機複合体を構成する有機ポリマーの主鎖が脂肪族である場合は、共役構造を有しないために可視光線の吸収が生じず、高い白色度を有するため好ましく用いられる。このようなポリマーを生成する有機溶液(A)に用いるモノマーとしてはコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物や、1.2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール類の水酸基を全てホスゲン化処理によりクロロホーメート化した脂肪族クロロホーメート化合物、ホスゲン、ジホスゲン及びトリホスゲンのホスゲン系化合物を例示することができる。また、水溶液(B)に用いるジアミンとしては1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン等の脂肪族ジアミンを例示することができる。
この中でも特に有機溶媒(A)として脂肪族ジカルボン酸ハロゲン化物と、水に非相溶であるトルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、四塩化炭素等の溶媒を、水溶液(B)として脂肪族ジアミンを用いた場合は、重縮合が(A)、(B)間での界面重縮合となり、容易に分子量を高くできるために、合成時に高せん断力を加えることで、繊維径が20μm以下でアスペクト比が10以上のパルプ(屈曲微小繊維)状を主成分とする形状に加工することもできる。このような外観を有する該複合体は抄紙可能になり、これを抄紙することで、紙とほぼ等しい外観のシート状ウエットケーキが結合剤等を用いずに得られる。パルプ形状物を抄紙することで得られるウエットケーキシートは、表面にランダムで微小な凹凸を有するため、入射した光は各方向に散乱し、さらに自然で柔らかい白さを出すことができる。
本発明における電解液の保持材料としての特性は、有機無機複合体の有機および無機の各成分が持つ化学的特性及び形状的な因子により発現している。
有機無機複合体中の無機成分の役割は以下のように考えられる。該複合体の無機粒子はシリカ及び/または金属酸化物、炭酸化物、水酸化物からなる、極性溶媒の親和性が極めて高い物質により構成されている。また、その無機粒子の含有率は15〜80質量%と高く、さらに無機粒子の大きさはサブミクロンメートル〜ナノメートルオーダーと極めて小さい。
無機粒子がサブミクロンメートル〜ナノメートルオーダーであることは単位重量当たりの表面積が極めて大きい無機微粒子が無数に複合体中に存在していることを意味する。これらの無機微粒子の広い表面により強い極性溶媒への親和性が付与されることで、複合体には高い電解液保持特性が発現する。また、該複合体は無機含有率を最大で80%と極めて大きくできるため、無機微粒子の有する上記の特性を更に一層高くできる。
特に無機材料がシリカ及び酸化アルミニウムの場合は、前述の通り無機粒子径が約10ナノメートルと極めて微小である上、該無機粒子同士が一部分で連結したネットワーク構造を形成している。この構造により該複合体は50〜150m/gの高い比表面積(つまりは多孔質性)を有しており、さらに高い電解液保持性を持ち得る。このような構造を付与できる無機原料は前述のとおり珪酸アルカリ、アルミン酸アルカリである
一方、電解液保持特性に対する有機成分の役割は次の通りであると考えられる。該複合体の有機成分であるポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素はそれらが高い頻度で有するアミド、ウレタン、尿素結合の高極性に由来して、ポリオレフィン等にくらべ、極めて高い極性溶媒親和性を持つ。そのため、該成分も極性溶媒の保持特性に寄与していため、前述の有機ポリマーはいずれも好適に用いることができる。また、特にパルプ形状を有している場合は有機無機複合体の繊維間に電解液を強固に保持できることにより、さらに溶媒保持量及び保持力を高めることが可能である。この形状を与えることができる原料は前述の通り有機溶媒(A)としては脂肪族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物を水に非相溶な溶媒に溶解させた系に対し水溶液(B)として脂肪族ジアミンとを反応させた場合である。
本発明における電子絶縁性を有するセパレーターとしての特性は、有機無機複合体の有機および無機の各成分に電子伝導性を有する材料を用いなければ、問題なく発現する特性である。
無機原料としては、電子伝導性を有する酸化スズを与えうるスズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム等のスズ酸アルカリや炭酸スズカリウムを用いて、たとえば無機成分を60質量%の高い割合にする場合には使用に注意を要するが、これ以外の無機原料はすべて問題なく用いることができる。また、有機成分がポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素のいずれの場合でも電子伝導性を有しないため、特に問題なく用いることができる。
以上、表示素子の紙に近い繊維形状物より形成される白色体、電解液を保持したイオン伝導体、及び電極間セパレーターの3つの機能を有する有機無機複合体を特に好ましい組成、形状として合成しうる原料としては、有機溶媒(A)として、脂肪族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物を水に非相溶な溶媒に溶解させた系が、水溶液(B)として脂肪族ジアミンと珪酸アルカリ及び/またはアルミン酸アルカリを溶解した系を用いることができる。また、水溶液(B)中の無機原料として亜鉛酸ナトリウム、亜鉛酸カリウム、亜テルル酸ナトリウム、亜テルル酸カリウム等のアルカリ金属複合酸化物や、炭酸亜鉛カリウム、炭酸ジルコニウムカリウム等のアルカリ金属複合炭酸化物を用いることでも本用途に好適な有機無機複合体を得ることができる。
本発明での有機無機複合体の製造装置は、水溶液(B)と有機溶液(A)とを良好に接触反応させることができる製造装置であればとくに限定されず連続式、バッチ式のいずれの方式でも可能である。連続式の具体的な装置としては大平洋機工株式会社製「ファインフローミルFM−15型」、同社製「スパイラルピンミキサSPM−15型」、あるいは、インダク・マシネンバウ・ゲーエムベー(INDAG Machinenbau Gmb)社製「ダイナミックミキサDLM/S215型」などが挙げられる。バッチ式の場合は有機溶液と水溶液の接触を良好に行わせる必要があるのでプロペラ状翼、マックスブレンド翼やファウドラー翼等を持つような汎用の攪拌装置を用いることができる。
水溶液(B)中の成分に脂肪族ジアミンを、有機溶液(A)中の成分に脂肪族ジカルボン酸ハロゲン化物を用いた場合には、重合操作の際に強固なゲル状物が生成する場合がある。その場合にはゲルを破砕し反応を進行させるために高い剪断力を持つミキサーを用いることが好ましく、例としてはオスタライザー(OSTERIZER)社製ブレンダーなどが挙げられる。
有機溶液(A)と水溶液(B)とを重縮合反応させる温度は、例えば−10〜50℃の常温付近の温度範囲で十分に反応が進行する。加圧、減圧も必要としない。また、重合反応は用いるモノマー種や反応装置にもよるが通常10分以下で完結する。
こうして得られた有機無機複合体に電解液を保持させることで電気化学型表示媒体とすることができる。電解液を保持させる方法としては予め調製した電解液中に有機無機複合体を導入し、十分に分散させた後に濾過する方法や、電解液を複合体層に流通させることで電解液に置換する方法等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明で用いられる有機無機複合体はすでに述べた推定機構により、電解液保持特性が極めて高いため、電解液中で該複合体を分散させて得た複合体分散液を濾過する等の簡単な操作を行うのみで4〜25倍質量の電解液を保持させたウエットケーキシートを得ることができる。また、電解液への分散も該複合体が繊維状または粉体で得られるため、汎用のバッチ式攪拌層を用いて容易に行うことができる。
有機無機複合体が繊維形状を有する場合には、例えば電解液に該複合体を分散させた分散液を公知慣用の方法により濾過することで、結合材を全く用いずにウエットケーキシート形状にすることが可能である。例えば分散液をステンレスやナイロン網等の濾材に通じる方法や、分散液をスプレーにより基材に噴霧する方法等が挙げられる。本方法により容易に大面積のウエットケーキシートからなる電気化学的表示媒体を製造することが出来る。また、必要とされる電解液保持性や白色度や電子絶縁性を損なわない範囲で、公知慣用の結合材を用いることができる。
一方、粉体形状を有する複合体を用いる場合は濾材の目開きを小さくすることや、繊維形状を有する結合材を混合することで、繊維形状の複合体と同様に濾過によりシート形状に加工することが出来る。また、複合体にポリビニールアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸等の極性溶媒により膨潤またはゲル化する結着材を、必要とされる電解液保持性や白色度や電子絶縁性を損なわない範囲で添加したのち、濾過または塗工することでウエットケーキシート形状にした電気化学的表示媒体を得ることもできる。
電解液を保持させる工程で、有機無機複合体を高い固形分率にまで乾燥させると、有機成分の極性基に由来する水素結合により、複合体が強固に固化する場合がある。一度固化した複合体は、電解液中で再分散することが困難となり、電解液の保持量が大きく減少する上、未分散粒子の残存により均一なイオン伝導性や外観を有する電気化学型表示媒体を得ることができなくなる。そのため、重縮合反応により得られた複合体は、乾燥させることなく、ウエットケーキ状態で電解液保持操作を行うことが好ましい。好ましくは、前記複合体の固形分率が35質量%以下、更に好ましくは20質量%以下の状態のウエットケーキを用いる。このような固形分率にある複合体に電解液を保持させる含浸工程をとることにより、高い保持率で電解液を保持し且つ均一なイオン伝導性や外観を有する電気化学型表示媒体を得ることができる。
上記方法によって得られるウエットケーキシートは、モノマーとして、脂肪族化合物を用い、無機材料として例えばシリカや酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムを20質量%以上含む有機無機複合体より作製した場合、光学濃度より算出した反射率が90%を超える純白色を有する。
また、上記方法で得られるウエットケーキシートは4〜25倍質量と多量の電解液を保持しているため、支持電解質を溶解させた液体に近いイオン伝導性と有している一方、電子的には絶縁性を保っている。
本発明で用いる電解液は、支持電解質とこれを溶解させる溶媒とから構成される。本発明で用いる溶媒としては水系、非水系のどちらでもよく、水のほかに、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、2−エトキシエタノール、2−メトキシメタノール、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ブチロニトリル、グルタロニトリル、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の極性溶媒を例示することができる。なお、水系の場合には0℃以下での凝固を防止することで低温条件下の動作を満たすため、上記溶媒の内、水と相溶する溶媒を相溶させて用いることができる。
本発明で用いる有機無機複合体の無機成分は各種の材料を選択することができる一方、有機成分はポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素に限定されている。これら有機ポリマーの屈折率は1.5近辺であるため、複合体を構成する有機ポリマーとの屈折率差が高い電解液を用いると、電解液の浸漬による該複合体の白色度の低下を最小限に抑え、より高い白色度を維持した表示媒体とすることができる。有機ポリマーがポリアミド6.6である場合は該ポリマーの屈折率は1.53であるため、好ましくは1.40以下の屈折率の溶媒、さらに好ましくは1.38以下の溶媒を用いる。このような溶媒としては水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトニトリル、2−エトキシエタノール、2−メトキシメタノール、イソプロピルアルコール等やこれらの混合物を例示することができる。
電解液を構成する支持電解質としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、ホウフッ化リチウム等のリチウム塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化とトラブチルアンモニウム等のアンモニウム塩等を例示することができる。
本発明で用いる電極は視面側に位置するものは透明である必要がある。これらとしては、現在最も広く用いられているITO(インジウムスズ酸化物)の他にATO(アンチモンスズ酸化物)、TO(酸化スズ)、ZO(酸化亜鉛)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、FTO(フッ素スズ酸化物)等を例示することができる。一方、透明電極と対向する電極は必ずしも透明である必要はない、そのため上記金属酸化物の他、電気化学的に安定な金属類、たとえば、白金、金、コバルト、パラジウム等や炭素材料を用いることもできる。
本発明で用いる基材としては、視面側に用いる材料については表面が平滑で、光の透過率が高く、上記電極を設置できるものであれば特に限定されない。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリカーボネートなどのプラスチックシートやガラス板などを挙げることができる。視面の反対側に用いる基材の場合は、光透過率が高い必要もない。
本発明の電気化学型表示素子における消着色部の導入形式としては2つの方式を挙げることができる。第一の方式としては、電気化学的な酸化還元により変色する発色剤を電解液中に予め溶解させておき、これを本発明の電気化学型表示媒体中に含有させ、電気の印加により電極上で析出させることで着色し、溶解させることで消色する材料を用いる方式である。
第二の方式としては電気化学的な酸化レベル、還元レベルを変化させることにより発色、消色する材料層を本発明の電気化学型表示素子の視面側の電極上に形成しておく方式である
前記のうち第一の方式では発色剤を電解液中に溶解状態で共存させ得る、有機化合物および金属化合物を用いることができる。発色剤として用いられる有機化合物としてはベンゾキノン、ナフサキノン、アントラキノン、ジフェノキノン、ジフェニルキノン、ジベンゾアントラキノン、ビオラントロン、イソビオラントロン、ピラントロン等の有機キノン類を例示することができる。これら有機キノン類は電極に駆動電圧を印加することにより、還元され各化合物特有の着色状態を作り出す。また、発色剤として用いられる金属化合物としては、銀、ビスマス、銅、鉄、クロム、ニッケル等のハロゲン化物、硫化物、硝酸塩、過ハロゲン酸塩等を例示することがきる。これらの化合物を電解液中に溶解させることにより、各金属はイオン化するため、該電解液を発色剤として用いることができる。たとえば、銀化合物を溶解させた電解液を用いた場合には、電極に駆動電圧を印加すると、Ag+e→Agの還元反応が陰極側で生じて、このAg析出物により電極上が黒色に変化する。上記金属のうちビスマス、銀が、電解液に溶解させた状態でほぼ透明である上に、析出物の色が濃く、消着色の可逆反応が良好であることより特に好ましく用いられる。これら発色剤を電解液中に溶解状態で共存させた表示装置の表示素子の構成を図1に示す。
図1の上部側を視面とすると、1は発色剤と支持電解質を含有する電解液を保持した有機無機複合体ウエットケーキ、2はガラスやプラスチック等の透明基材、3はITO等の透明電極、4は対向電極、5は封止剤、6は対向基材である。
前記のうち第二の方式では、電極を有する2枚の基板を、該電極を内側にして相対向させた基板の一方の透明電極上に、電気化学的な酸化もしくは還元により変色する材料層を形成した表示素子によって表示を行う。本方式では電極と接した材料層として有機化合物および金属化合物を用いることができる。材料層を構成する有機化合物としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアズレン、ポリチオフェン、ポリインドール、及びポリカルバゾール等の高分子化合物を例示することができるが、特にポリピロールが析出物の色が濃く、消着色の可逆反応が良好であることより好ましく用いられる。また、材料層を構成する無機化合物としては、WO3、MoO3、V2O5、Nb2O5、TiO2、NiO、Cr2O3、MnO2、CoO及びIrO2等を例示することができる。本方式ではこれら消着色が生じる材料層が前記基板の一方の透明電極上に形成されている必要がある。材料層として有機化合物を用いる場合には、上記高分子化合物の原料モノマーを電解重合もしくは化学的重合することにより、該層を透明電極上に製膜することができる。金属化合物を用いる場合には、真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、スパッタリング法等の公知の方法で製膜することができる。これらの表示装置の表示素子の構成を図2に示す。
また、前記第一の方法で例示した各種材料を、支持電解質や溶媒とともに、各種結着樹脂に混合した着色剤含有液体やゲル状物を透明電極上に塗布することによっても、図2と同様な表示素子を作製することができる。この場合は塗工法、スピンコート法等により着色層を設置することができる。
図2の上部側を視面とすると、2はガラスやプラスチック等の透明基材、3はITO等の透明電極、4は対向電極、5は封止剤、6は対向基材、7は材料層、8は支持電解質を含有する電解液を保持した有機無機複合体ウエットケーキである。
図1及び図2で示された表示素子に電源部、回路部や必要に応じてシール層、筐体等を設けることにより、表示装置とすることができる。
以下に実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。特に断らない限り、「部」は「質量部」を表す。
(製造例1:シリカ/ポリアミド有機無機複合体の合成)
イオン交換水81.1部に1,6−ジアミノヘキサン1.58部、水ガラス3号9.18部を加え、25℃で15分間攪拌し、均質透明な水溶液(B)を得た。室温下でこの水溶液をオスタライザー社製ブレンダー瓶中に仕込み、毎分10000回転で攪拌しながら、アジポイルクロライド2.49部をトルエン44.4部に溶解させた有機溶液(A)を20秒かけて滴下した。生成したゲル状物をスパチュラで砕き、さらに毎分10000回転で40秒間攪拌した。この操作で得られたパルプ状の生成物が分散した液を、直径90mmのヌッチェを用い目開き4μmのろ紙上で減圧濾過した。ヌッチェ上の生成物をメタノール100部に分散させスターラーで30分間攪拌し減圧濾過することで洗浄処理を行った。引き続き同様な洗浄操作を蒸留水100部を用いて行い減圧濾過することで、純白色のシリカ/ポリアミド有機無機複合体ウエットケーキ(ウエットケーキ(1))を得た。
(製造例2:酸化アルミニウム/ポリアミド有機無機複合体の合成)
水溶液(B)としてイオン交換水81.1部に1,6−ジアミノヘキサン1.58部、アルミン酸ナトリウム(Na2O/Al2O3モル比=1.3)2.26部を入れ、室温で15分間攪拌し、均質透明な水溶液(B)を得た以外は製造例1に記載した方法と同様にして、純白色の酸化アルミニウム/ポリアミド有機無機複合体ウエットケーキ(ウエットケーキ(2))を得た
(製造例3:酸化ジルコニウム/ポリアミド複合体)
水溶液(B)としてイオン交換水38.5部に1,6−ジアミノヘキサン1.58部と炭酸ジルコニウムカリウム(K2[Zr(OH)2(CO3)2])3.79部を入れ攪拌して得られた均質溶液を用いた以外は、製造例1に記載した方法と同様にして、純白色の酸化ジルコニウム/ポリアミド有機無機複合体ウエットケーキ(ウエットケーキ(3))を得た。
(製造例4:無機材料を含まないポリアミドの合成)
水溶液(B)に水ガラス3号を含まない代わりに水酸化ナトリウム1.18部を加えた以外は、製造例1のシリカ/ポリアミド有機無機複合体の合成と同一の処方、操作で無機材料を一切含まないポリアミドの合成を行った。本操作により半透明のポリアミドウエットケーキ(ウエットケーキ(4))を得た
(製造例5:各材料の不織布の作製)
製造例1〜4で得られたウエットケーキ(1)〜(4)を、蒸留水に0.2g/dLの濃度に分散させた分散液200gを直径55mmのヌッチェを用い目開き4μmのろ紙上で減圧濾過した。得られたケーキを170℃、5MPa/cm、の条件で2分間熱プレスを行い不織布を作製した。得られた不織布は柔軟性に富むものであり、無機材料を含有するものでも、折り曲げても粒子の脱落は一切なかった。
(製造例6:発色剤と支持電解質を有する電解液の作製)
溶媒としてアセトニトリル4.0部と水4.0部との混合溶媒を調製した。該溶媒に発色剤として過塩素酸銀0.2部を、支持電解質として過塩素酸リチウム2.0部を溶解して均質な透明液を得ることにより、発色剤を有する電解液を作製した。
<有機無機複合体及びポリアミドの材料特性の評価>
(1)無機成分含有率(灰分)の測定法
各材料に含まれる無機成分の含有率の測定法は以下の通りである。
各材料を絶乾後に精秤(複合体質量)し、これを空気中、600℃で3時間焼成しポリマー成分を完全に焼失させ、焼成後の質量を測定し灰分質量(=無機成分質量)とした。下式により無機分含有率を算出した。
無機成分含有率(質量%)=(灰分質量/複合体質量)×100
(2)有機無機複合体中の金属化合物種の検証 (FP法)
不織布を3cm角に切り出し、これを開口部が直径20mmの測定用ホルダーにセットし測定用試料とした。該試料を理化学電気工業株式会社製蛍光X線分析装置「ZSX100e」を用いて全元素分析を行った。得られた全元素分析の結果を用い、測定用試料の試料データ(与えたデータは、試料形状;フィルム、化合物種;酸化物、補正成分;セルロース、実測した試料の面積当たりの質量値)を装置に与えることにより、FP法(Fundamental Parameter法;試料の均一性、表面平滑性を仮定し装置内の定数を用いて補正を行い成分の定量を行う方法)にて該複合体中の元素存在割合を算出した。また、FP法から算出した無機成分量は、(1)の灰分測定法より算出した値と良い一致を示した。この値から、目的とする無機成分(原料に水ガラスを用いた場合はシリカが、アルミン酸ナトリウムを用いた場合は酸化アルミニウム、炭酸ジルコニウムカリウムを用いた場合は酸化ジルコニウム)が有機無機複合体中に大量に(40質量%以上)存在していることが検証できた。
また、本測定ではアルカリ金属(ナトリウム)はいずれの実施例、比較例とも0.03質量%以下しか検出されず、本発明でのポリマーの重縮合および無機原料からのアルカリ金属除去及び無機材料の固体化反応が予測された反応機構のとおり行われていることが明らかとなった。
(3)有機無機複合体中の無機成分の粒径測定および分散状態の観察
有機無機複合体を170℃、20MPa/cm、の条件で2時間熱プレスを行い、厚さ約1mmの有機無機複合体からなる薄片を得た。これをマイクロトームを用いて厚さ75nmの超薄切片とした。得られた切片を日本電子社製透過型電子顕微鏡「JEM−200CX」にて100000倍の倍率で観察した。無機成分は暗色の像として、明るい有機ポリマーに微分散しているのが観察された。100個の無機粒子の粒径を測定し、その平均値を無機成分平均粒径とした。本観察ではシリカ/ポリアミド複合体では約10nmの
無機成分(シリカ)は網目状、すなわち3次元的にネットワークを形成しポリアミド中に微分散しているのが観察された。酸化アルミニウム/ポリアミド有機無機複合体では約10nmの酸化アルミニウムが層状、すなわち2次元的にネットワークを形成しポリアミド中に微分散しているのが観察された。一方、酸化ジルコニウム/ポリアミド有機無機複合体では、850nm近辺の酸化ジルコニウム粒子の各々の粒子が独立して分散しているのが観察された。
(4)電解液を保持率したウエットケーキシート表示媒体の作製
得られた各種ウエットケーキの重量測定後(湿潤重量)、150℃で2時間乾燥させ、重量を測定した(乾燥重量)。これらの数値より、ウエットケーキの固形分率を下式により算出した。
固形分率(質量%)=(乾燥重量/湿潤重量)×100
この固形分率より、試料固形分が0.3gになるように算出した各々のウエットケーキを、予め作製した電解液10g中で室温下で10分間攪拌し分散させた後、4μmのろ紙上で5分間、0.02MPaで減圧濾過することで、ウエットケーキシート型表示媒体を作製した。
(5)複合体重量に対する電解液保持量の測定
(4)と同一の操作を行い、減圧濾過後のウエットケーキの重量を測定し、複合体が自重の何倍の電解液を保持しているかを算出した。
電解液保持量(倍)=(ウエットケーキの重量−0.3)/0.3
この状態のウエットケーキシートを板ガラスで挟持し、圧縮しても電解液の漏洩は一切観察されなかった。
(6)空気中でのウエットケーキシートの反射率の測定及び算出
(4)の方法により作製した約400μm厚のウエットケーキシートを標準黒色板上に設置して、光学濃度値(OD値)を反射濃度計マクベスRD−918を用いて測定し、測定値より下記式に基づいてウエットケーキシートの反射率を算出した。
反射率(%)=10−(OD値)×100
製造例1〜4で得られた有機無機複合体および無機材料を含まないポリアミドについて、以下の項目の測定、あるいは試験を行い、得られた結果を表1に示した。
Figure 2005128470
<表示装置の表示特性評価>
(実施例用の表示素子及び装置の作製)
(実施例1)シリカ/ポリアミド複合体のウエットケーキシートを表示媒体に使用
製造例1で合成したシリカ/ポリアミド有機無機複合体の固形分率14質量%のウエットケーキ(1)2.14gを、製造例6に記載の方法により作製した電解液10g中で室温下で10分間攪拌し分散させた。本操作により、均一な複合体分散液が得られた、該分散液を4μmのろ紙上で5分間、0.02MPaで減圧濾過した。得られたウエットケーキシートを、再度、1回目と同様な処理により電解液中で分散した後、減圧濾過することで、ウエットケーキシート型表示媒体を作製した。該表示媒体の両面をガラス基板を有するITO電極(表面抵抗10Ω/□)で電極面が内側になるように500μm厚で挟み込み、周囲をエポキシ樹脂により封止することで、表示素子を作製した。該表示素子のITO電極をファンクションジェネレーター付きの電源に接続することにより、表示装置を作製した。
(実施例2)酸化アルミニウム/ポリアミド複合体のウエットケーキシートを表示媒体に使用
製造例2で合成した酸化アルミニウム/ポリアミド有機無機複合体の固形分率17質量%のウエットケーキ(2)を1・76g用いた以外は、実施例1と同様な方法で表示媒体を作製した。また、同様な方法で表示素子及び表示装置を作製した。
(実施例3)酸化ジルコニウム/ポリアミド複合体のウエットケーキシートを表示媒体に使用
製造例3で合成した酸化ジルコニウム/ポリアミド有機無機複合体の固形分率16質量%のウエットケーキ(3)を1.88g用いた以外は、実施例1と同様な方法で表示媒体を作製した。また、同様な方法で表示素子及び表示装置を作製した。
(比較例用の表示素子及び装置の作製)
(比較例1)
表示媒体用材料として、有機無機複合体の代わりに無機成分を有しないポリアミドの固形分率25質量%のウエットケーキ(4)を1.20g用いた以外は実施例1と同様な方法で表示媒体を作製した。また、同様な方法で表示素子及び表示装置を作製した。
(比較例2)
表示素子の材料として、有機無機複合体の代わりに500μm厚になるように重ねあわせた上質紙を用いた以外は実施例と同様な表示装置を作製した。
(比較例3)
電極間に有機無機複合体等の材料を入れずに電解液のみ封入し、図1中の対向基材6の下方(視面とは逆側)に実施例1で用いたシリカ/ポリアミド複合体ウエットケーキシートを設置した以外は実施例と同様な方法で表示装置を作製した。
(比較例4)
特許文献3の実施例4に従って、高分子固体電解質としてポリフッ化ビニリデンクロライド、LiBF、AgClOの混同物を用いて、エレクトロデポジション型表示装置を作製した。
(表示装置の白反射率の測定、算出)
上記の各実施例及び比較例として作製した表示装置を標準黒色板上に設置して、電圧を印加しない状態での光学濃度値(OD値)を反射濃度計マクベスRD−918により測定し、前述のウエットケーキシートの反射率と同様な方法で白反射率を算出した。
(質感の観察)
表示装置白反射率を測定した状態での各実施例、比較例での表示部の質感を上質紙にどれだけ近いかという観点から目視により3段階で判定を行った。○は上質紙に近い、△はやや上質紙に近い、×は上質紙とは明らかに異なることを意味する。
(コントラストの測定、算出)
表示装置に−1.5V/mmの電界を10秒間連続印加した。これにより、表示装置の視面側は銀が析出することで黒色に変化した。この状態で電界の印加を停止し、得られた黒色表示装置の反射率(黒反射率)を、前述の白反射率と同様な方法で測定、算出した。得られた黒反射率と白反射率とを比で表し、この比をコントラストとした。
得られた表示装置の表示特性の評価結果を表2にまとめた。
Figure 2005128470
表2に示したとおり、本発明による表示媒体を用いて作製した表示装置は白反射率が高く、紙の質感に近く、高いコントラストを有することが分かる。加えて、有機無機複合体内に自重の5倍以上の量で保持された電解液を電解質として用いているため、表示媒体として高分子固体電解質を用いている比較例4に比べ、消着色速度(応答性)や着色時の黒色度にも優れた。比較例1,2では素子内部の部材が十分な電解液保持力を持たないため、電解液内のイオン移動が十分に生じないことに起因して装置表示面全面にわたる均一な消着色がスムーズに生じず、コントラスト比が他に比べて低かった。また、比較例3では複合体ウエットケーキシートが元来有する高い反射率は、複合体の前面の2枚のガラス基材、2層のITO電極や電解液を、入射光が往復で通過することで大きく減衰した。また、比較例1〜3では素子内で電解液が十分に保持されていないため、仮に素子の破損が生じた場合には電解液が漏洩することが推測された。
また、表2の実施例1〜3で示された有機無機複合体の表示媒体としての優れた特性は、サブミクロン〜ナノサイズの無機材料が有機材料中に分散していること(表1参照)が、表示特性に重要な白色度及び電解液保持量に大きく寄与しており、この特性はポリアミド単独ではなしえないことが示された。
本発明は、視認性、質感がきわめて紙に近い、反射型の電気化学型表示媒体及びそれを用いた表示素子ならびに表示装置を提供する。
本発明における、発色剤を溶解状態で共存させた電解液を保持したウエットケーキを用いた表示素子の模式図である。 本発明における、透明電極上に、電気化学的な酸化もしくは還元により変色する材料層を形成し、その下方に電解液を保持したウエットケーキを配した表示素子の模式図である。
符号の説明
1 発色剤と支持電解質を含有する電解液を保持した有機無機複合体ウエットケーキシート
2 透明基材
3 透明電極
4 対向電極
5 封止剤
6 対向基材
7 発色材料層
8 支持電解質を含有する電解液を保持した有機無機複合体ウエットケーキシート

Claims (9)

  1. ジカルボン酸ハロゲン化物、ジクロロホーメート化合物及びホスゲン系化合物からなる群から選ばれる一種の化合物を有機溶媒に溶解した有機溶液(A)と、
    珪酸アルカリ及び/または2種以上の金属元素を有しその金属元素の1種がアルカリ金属である、金属酸化物、金属水酸化物および金属炭酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属化合物(1)と、ジアミンとを含有する塩基性の水溶液(B)とを
    混合攪拌し、重縮合反応させることにより得られる有機ポリマーと無機化合物との複合体であって、該複合体が電解液を保持していることを特徴とする電気化学型表示媒体。
  2. 前記複合体が、自重の4〜25倍質量の電解液を保持している請求項1記載の電気化学型表示媒体。
  3. 前記複合体が、繊維径が20μm以下でアスペクト比が10以上のパルプ形状を有する、請求項1又は2に記載の電気化学型表示媒体。
  4. 前記複合体を構成する前記無機化合物が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、及び酸化テルルからなる群から選ばれた金属化合物及び/またはシリカである請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学型表示媒体。
  5. 前記電解液中に、電気化学的な酸化還元により変色する発色剤を有する請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学型表示媒体。
  6. 電極を有する2枚の基板を、該電極を内側にして相対向させた基板間に、請求項5に記載の電気化学型表示媒体を有する電気化学型表示素子。
  7. 電極を有する2枚の基板を、該電極を内側にして相対向させた基板間に、請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学型表示媒体を有し、前記基板の一方の電極上に電気化学的な酸化還元により変色する材料層を有する電気化学型表示素子。
  8. 請求項6または請求項7記載の電気化学型表示素子を有する電気化学型表示装置。
  9. ジカルボン酸ハロゲン化物、ジクロロホーメート化合物及びホスゲン系化合物からなる群から選ばれる一種の化合物を有機溶媒に溶解した有機溶液(A)と、
    珪酸アルカリ及び/または2種以上の金属元素を有しその金属元素の1種がアルカリ金属である、金属酸化物、金属水酸化物および金属炭酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属化合物(1)と、ジアミンとを含有する塩基性の水溶液(B)とを混合攪拌し、重縮合反応させることにより得られる有機ポリマーと無機化合物との複合体を得る複合体合成工程と、
    前記複合体の固形分率が35質量%以下の状態で、電解液を含浸させて、複合体に電解液を保持させる含浸工程とを有することを特徴とする電気化学型表示媒体の製造方法。
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