JP2005128351A - 遮光部付きレンズ基板の製造方法、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

遮光部付きレンズ基板の製造方法、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を生産性良く提供すること、また、該遮光部付きレンズ基板を備えた透過型スクリーンおよびリアプロジェクタを提供すること。
【解決手段】 遮光部付きレンズ基板1Aは、基板の表面に複数個のマイクロレンズ(凹レンズ)32を形成して、マイクロレンズ基板(レンズ基板)3を得る工程と、マイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32(凹面321)が形成された側の面において、隣接するマイクロレンズ32間の平面部34にブラックマトリックス(遮光部)4を形成する工程とを有する方法を用いて製造される。ブラックマトリックス4は、室温付近での粘度が10〜1000cpのブラックマトリックス形成用組成物(遮光部形成用組成物)を用いることにより、好適に形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遮光部付きレンズ基板の製造方法、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタは、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
リア型プロジェクタに用いられる透過型スクリーンには、微小なレンズが多数配列したレンズアレイ(レンズ基板)が一般的に用いられている。そして、このようなレンズアレイにおいては、投影される画像のコントラスト比を向上させる目的で、遮光部(ブラックマスク)が設けられることが多い。このような遮光部は、通常、レンズアレイ上に、フォトポリマー等の感光材料で構成された膜を形成し、その後、レンズアレイを介した露光、現像を行うことにより、形成されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような方法では、多工程で、生産性に劣るという欠点を有している。また、このような方法では、通常、位置合わせが必須となり、リア型プロジェクタに用いられるような比較的大きい面積のレンズアレイに適用するのは困難である。また、リア型プロジェクタ等には、比較的小さい面積のレンズアレイを、複数個組み合わせて用いることもあるが、この場合、投影された画像に各レンズアレイの継ぎ目が出現してしまうという問題があった。
特開2001−74918号公報(第3頁左欄第10〜17行目)
本発明の目的は、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を生産性良く提供すること、また、該遮光部付きレンズ基板を備えた透過型スクリーンおよびリアプロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法は、基板の表面に複数個の凹レンズを形成して、レンズ基板を得る工程と、
前記レンズ基板の前記凹レンズが形成された側の面において、隣接する前記凹レンズ間の非有効レンズ領域に遮光部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を生産性良く提供することができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、隣接する前記凹レンズ間の平面部に、前記遮光部を形成することが好ましい。
これにより、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、遮光部形成用組成物を前記非有効レンズ領域に塗布することにより、前記遮光部を形成することが好ましい。
これにより、遮光部をより容易に形成することができる。また、これにより、形成される遮光部の密着性を特に優れたものとすることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記非有効レンズ領域を遮光部形成用組成物中に浸漬することにより、前記遮光部を形成することが好ましい。
これにより、遮光部をより容易に形成することができる。また、これにより、各部位での膜厚のバラツキの小さい遮光部を、容易かつ確実に形成することができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記遮光部形成用組成物の室温付近での粘度は、10〜1000cpであることが好ましい。
これにより、適度な厚さの遮光部を容易かつ確実に形成することができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記遮光部の厚さは、0.01〜5μmであることが好ましい。
これにより、遮光部の不本意な剥離、クラック等をより確実に防止しつつ、遮光部としての機能をより効果的に発揮させることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記レンズ基板の前記凹レンズが形成されている面側に、光を拡散する機能を有する拡散部を形成する工程を有することが好ましい。
これにより、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、少なくとも、前記凹レンズの凹面に沿って、光を拡散する機能を有する拡散部を形成する工程を有することが好ましい。
これにより、視野角特性をさらに優れたものとすることができる。また、光の利用効率をさらに高めたり、遮光部の機能をより効果的に発揮させることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記遮光部を形成した後に、前記拡散部を形成することが好ましい。
これにより、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記凹レンズは、マイクロレンズであることが好ましい。
これにより、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記マイクロレンズの直径は、10〜500μmであることが好ましい。
これにより、当該遮光部付きレンズ基板の生産性を十分に高いものとしつつ、当該遮光部付きレンズ基板を透過型スクリーンに適用した場合等において、十分な解像度を得ることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法では、前記凹レンズの曲率半径は、5〜250μmであることが好ましい。
これにより、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および垂直方向(鉛直方向)の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板は、本発明の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を提供することができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板は、複数個の凹レンズを備えたレンズ基板と、隣接する前記凹レンズ間の非有効レンズ領域に設けられた遮光部とを有することを特徴とする。
これにより、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を提供することができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板では、前記レンズ基板の前記凹レンズが形成されている面側に、光を拡散する機能を有する拡散部を備えていることが好ましい。
これにより、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板では、少なくとも、前記凹レンズの凹面に沿って、光を拡散する機能を有する拡散部を備えていることが好ましい。
これにより、視野角特性をさらに優れたものとすることができる。また、光の利用効率をさらに高めたり、遮光部の機能をより効果的に発揮させることができる。
本発明の遮光部付きレンズ基板では、前記レンズ基板を平面視したときの、前記凹レンズが形成されている有効領域において、前記遮光部が占める面積の割合が1〜70%であることが好ましい。
これにより、光利用効率を十分に高いものとしつつ、得られる画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明の遮光部付きレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を備えた透過型スクリーンを提供することができる。特に、優れたコントラストの画像を得ることができ、かつ、視野角特性に優れた透過型スクリーンを提供することができる。
本発明の透過型スクリーンは、光の出射側にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
前記フレネルレンズ部の光の出射側に配置された本発明の遮光部付きレンズ基板とを備えたことを特徴とする。
これにより、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を備えた透過型スクリーンを提供することができる。特に、優れたコントラストの画像を得ることができ、かつ、視野角特性に優れた透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を備えたリア型プロジェクタを提供することができる。特に、優れたコントラストの画像を得ることができ、かつ、視野角特性に優れたリア型プロジェクタを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタでは、投射光学ユニットと、導光ミラーとを備えたことが好ましい。
これにより、遮光部が精確に設けられた遮光部付きレンズ基板を備えたリア型プロジェクタを提供することができる。特に、優れたコントラストの画像を得ることができ、かつ、視野角特性に優れたリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の遮光部付きレンズ基板および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明の遮光部付きレンズ基板の第1実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示す遮光部付きレンズ基板が備えるマイクロレンズ基板の平面図、図3は、図1に示す遮光部付きレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。
遮光部付きレンズ基板1Aは、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、図1に示すように、入射光を集光する機能を有するマイクロレンズ基板(レンズ基板)3と、遮光性を有する材料で構成されたブラックマトリックス(遮光部)4と、入射光を乱反射させることにより拡散させる機能を有する拡散部5とを有している。
マイクロレンズ基板3は、多数のマイクロレンズ32を有している。
マイクロレンズ基板3は、主として樹脂材料で構成され、所定の屈折率を有する透明な材料で構成されている。
各マイクロレンズ32は、出射側に凹面321を有する凹レンズとして形成されている。
マイクロレンズ32の直径は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ32の直径が前記範囲内の値であると、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を保持しつつ、遮光部付きレンズ基板1A(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。なお、マイクロレンズ基板3においては、隣接するマイクロレンズ32−マイクロレンズ32間のピッチは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。
また、マイクロレンズ32の曲率半径は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ32の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および垂直方向(鉛直方向)の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ32の配列方式は、特に限定されず、周期的な配列であっても、光学的にランダムな配列(遮光部付きレンズ基板1A(マイクロレンズ基板3)の主面側から平面視したときに、各マイクロレンズ32が互いにランダムな位置関係となるように配されたもの)であってもよいが、図2に示すようなランダムな配列であるのが好ましい。マイクロレンズ32をランダムに配列することにより、液晶等のライトバルブやフレネルレンズとの干渉をより効果的に防止することができ、モアレの発生をほぼ完全に無くすことが可能になる。これにより、表示品質の良い優れた透過型スクリーン10を得ることができる。なお、本明細書中において「光学的にランダム」とは、モアレ等の光学的干渉の発生が十分に防止・抑制される程度に、マイクロレンズの配置が不規則で、乱れていることを意味する。
また、マイクロレンズ基板3においては、隣接するマイクロレンズ32とマイクロレンズ32との間に、平面部34が設けられている。このような平面部を有することにより、例えば、略半円形状の凹面321を備えたマイクロレンズ(凹レンズ)32を好適に形成することができ、遮光部付きレンズ基板1A(透過型スクリーン10、リア型プロジェクタ300)の視野角特性を特に優れたものとすることができる。また、このような平面部34を有していると、後述するような製造方法において、マイクロレンズ基板3に、ブラックマトリックス4を容易かつ確実に形成することができる。
また、マイクロレンズ基板3においては、隣接するマイクロレンズ32とマイクロレンズ32とにより、凸状部35が形成されている。
そして、マイクロレンズ基板(レンズ基板)3のマイクロレンズ32(凹部321)が形成されている側の面の、隣接するマイクロレンズ(凹レンズ)32間の非有効レンズ領域には、ブラックマトリックス4が形成されている。このように、本発明では、レンズ基板の凹レンズ間の非有効レンズ領域に遮光部を有することを特徴とする。これにより、後述するような方法により、遮光部を容易かつ精確に形成することができる。また、このような構成であることにより、例えば、フォトリソグラフィ工程等を経ることなく、遮光部付きレンズ基板を製造することができ、遮光部付きレンズ基板の生産性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中で、「非有効レンズ領域」とは、遮光部(ブラックマトリックス)が形成されることにより、レンズとして有効に機能しない領域のことを指す。
特に、本実施形態では、ブラックマトリックス4は、平面部34に形成されている。
ブラックマトリックス4は、遮光性を有する材料で構成されたものである。このようなブラックマトリックス4を有することにより、当該ブラックマトリックス4に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。
また、ブラックマトリックス4の厚さ(平均厚さ)は、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.01〜3μmであるのがより好ましく、0.03〜1μmであるのがさらに好ましい。ブラックマトリックス4の厚さが前記範囲内の値であると、ブラックマトリックス4の不本意な剥離、クラック等をより確実に防止しつつ、ブラックマトリックス4としての機能をより効果的に発揮させることができ、例えば、遮光部付きレンズ基板1Aを備えた透過型スクリーン10において、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板3を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ(凹レンズ)32が形成されている有効領域において、ブラックマトリックス(遮光部)4が占める面積(投影面積)の割合は、1〜70%であるのが好ましく、1〜50%であるのがより好ましい。ブラックマトリックス4が占める面積の割合が前記範囲内の値であると、光の利用効率を十分に高いものとしつつ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板3の出射側表面には、拡散部5が形成されている。
拡散部5は、入射した光(入射光)を拡散させる機能を有するものである。このような拡散部5を有することにより、視野角特性を優れたものとすることができる。本実施形態では、拡散部5は、光透過性に優れた実質的に透明な材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等)中に、拡散材51が分散した構成になっている。拡散部5が拡散材51を含むものであると、入射した光(入射光)を効果的に乱反射させることができ、結果として、拡散部5の光拡散性(光を効率よく拡散させる性質)を特に優れたものとすることができる。拡散材51としては、例えば、微粒子状(ビーズ状)のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。拡散材51の平均粒径は、特に限定されないが、1〜50μmであるのが好ましく、2〜10μmであるのがより好ましい。
また、本実施形態では、平板状の部材としての拡散部5が設けられている。これにより、遮光部付きレンズ基板1Aをより容易に製造することができ、遮光部付きレンズ基板1Aの生産性を特に優れたものとすることができる。
拡散部5の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。拡散部5の厚さが前記範囲内の値であると、光の利用効率(入射光の強度に対する出射光の強度の比率)を十分に高く維持しつつ、光をより効果的に拡散させることができる。これに対し、拡散部5の厚さが前記下限値未満であると、拡散部5による効果が十分に発揮されない可能性がある。また、拡散部5の厚さが前記上限値を超えると、拡散部5内において、光(光子)と拡散材51とが衝突する確率(頻度)が高くなることにより消光が起こり易くなり、また、拡散部5内に入射した光(光子)が、再び入射側に戻る可能性も高くなるため、光の利用効率が低くなる傾向を示す。
次に、上述したような遮光部付きレンズ基板1Aを備えた透過型スクリーン10について説明する。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部2と、前述した遮光部付きレンズ基板1Aとを備えている。フレネルレンズ部2は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部2を透過した光が、遮光部付きレンズ基板1Aに入射する構成になっている。
フレネルレンズ部2は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ21を有している。このフレネルレンズ部2は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、遮光部付きレンズ基板1Aの主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ部2によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板3に入射し、各マイクロレンズ32によって集光された後、拡散部5に入射する。拡散部5に入射した光は拡散し、観察者に平面画像として観測される。
次に、前述した遮光部付きレンズ基板1Aの製造方法の一例について説明する。
図4、図5は、図1に示す遮光部付きレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図4、図5中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
以下に述べる遮光部付きレンズ基板の製造方法は、基板7の表面に複数個のマイクロレンズ(凹レンズ)32を形成して、マイクロレンズ基板(レンズ基板)3を得る工程と、マイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32が形成された側の面において、隣接するマイクロレンズ32間の非有効レンズ領域にブラックマトリックス(遮光部)4を形成する工程と、マイクロレンズ32が形成されている面側に拡散部5を形成する工程とを有する。
また、遮光部付きレンズ基板の製造においては、実際には基板上に多数の凹部(マイクロレンズ用凹部)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
[マイクロレンズ基板の製造]
まず、マイクロレンズ基板3を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
基板7の材料としてはソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられるが、中でも、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスが好ましい。ソーダガラス、結晶性ガラス、無アルカリガラスは、加工が容易であるとともに、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
<A1>図4(a)に示すように、用意した基板7の表面に、マスク8を形成する(マスク形成工程)。また、これとともに、基板7の裏面(マスク8を形成する面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する。もちろん、マスク8および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク8は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク8は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、このマスク8を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。また、マスク8を、Cr/Auや酸化Cr/Crのように異なる材料からなる複数の層の積層構造としてもよい。
マスク8の形成方法は特に限定されないが、マスク8をCr、Au等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化Cr)から構成する場合、マスク8は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク8をシリコンから構成する場合、マスク8は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク8が主として酸化CrまたはCrで構成されるものである場合、後述する初期孔形成工程において初期孔81を容易に形成することができるとともに、後述するエッチング工程においては基板7をより確実に保護することができる。また、マスク8が主として酸化CrまたはCrで構成されたものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモンを用いることができる。一水素二フッ化アンモンは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。
マスク8の厚さは、マスク8を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.03〜0.2μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、後述する初期孔形成工程において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク8の構成材料等によっては、マスク8の内部応力によりマスク8が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク8と同様の材料で構成されている。このため、裏面保護膜89は、マスク8の形成と同時に、マスク8と同様に設けることができる。
<A2>次に、図4(b)に示すように、マスク8に、後述するエッチングの際のマスク開口となる、複数個の初期孔81をランダムに形成する(初期孔形成工程)。
初期孔81は、いかなる方法で形成されるものであってもよいが、物理的方法またはレーザ光の照射により形成されるのが好ましい。これにより、マイクロレンズ基板を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。
初期孔81を形成する物理的方法としては、例えば、ショットブラスト、サンドブラスト等のブラスト処理、エッチング、プレス、ドットプリンタ、タッピング、ラビング等の方法が挙げられる。ブラスト処理により初期孔81を形成する場合、比較的大きい面積(マイクロレンズ32を形成すべき領域の面積)の基板7でも、より短時間で効率良く、初期孔81を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、形成される初期孔81の大きさや、隣接する初期孔81同士の間隔等を容易かつ精確に制御することができる。また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、その照射条件を制御することにより、後述するような初期凹部71を形成することなく初期孔81のみを形成したり、初期孔81とともに、形状、大きさ、深さのバラツキの小さい初期凹部71を、容易かつ確実に形成することができる。
形成された初期孔81は、マスク8の全面に亘って偏りなく形成されているのが好ましい。また、形成された初期孔81は、後述する工程<A3>でエッチングを施すことにより凹部72が形成された際に、隣接する凹部72間に適度な大きさの平面部34が残存する程度に、小さい孔がある程度の間隔で配されているのが好ましい。
具体的には、例えば、形成された初期孔81の平面視での形状は、略円形であり、その平均径(直径)は、2〜10μmであるのが好ましい。また、初期孔81は、マスク8上に1,000〜1,000,000個/cmの割合で形成されているのが好ましく、10,000〜500,000個/cmの割合で形成されているのがより好ましい。なお、初期孔81の形状は、略円形に限定されないことは言うまでもない。
また、マスク8に初期孔81を形成するとき、図4(b)に示すように、マスク8だけでなく基板7の表面の一部も同時に除去し、初期凹部71を形成してもよい。これにより、後述するエッチング工程でエッチングを施す際に、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。また、この初期凹部71の深さの調整により、後述する凹部72の深さを調整することもできる。初期凹部71の深さは、特に限定されないが、5μm以下とするのが好ましく、0.1〜0.5μm程度とするのがより好ましい。なお、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、初期孔81とともに形成される複数個の初期凹部71について、深さのバラツキをより確実に小さくすることができる。これにより、基板7に形成される各凹部72の形状、大きさ(特に、深さ)のバラツキも小さくなる。言い換えると、マイクロレンズ基板3の各マイクロレンズ32の大きさ、形状のバラツキも小さくなる。
また、形成されたマスク8に対して物理的方法またはレーザ光の照射で初期孔81を形成するだけでなく、例えば、基板7にマスク8を形成する際に、予め基板7上に所定パターンで異物を配しておき、その上にマスク8を形成することでマスク8に積極的に欠陥を形成し、当該欠陥を初期孔81としてもよい。
このように、物理的な方法またはレーザ光の照射でマスク8に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってマスクに開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価にマスク8に開口部(初期孔81)をランダムに形成することができる。また、物理的な方法またはレーザ光の照射によれば、大きな基板に対する処理も容易に行うことができる。
<A3>次に、図4(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部72をランダムに形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図4(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分より食刻され、基板7上に多数の凹部72が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81がランダムなものであるため、形成される凹部72は、基板7の表面にランダムに配置されたものとなる。
また、本実施形態では、工程<A2>でマスク8に初期孔81を形成した際に、基板7の表面に初期凹部71を形成している。これにより、エッチングの際、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部72を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、フッ酸(フッ化水素)を含むエッチング液(フッ酸系エッチング液)を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部72を好適に形成することができる。
マスク8が主としてCrで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、フッ化アンモン溶液(一水素二フッ化アンモニウム溶液)が特に好適である。フッ化アンモン溶液(4wt%以下)は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、フッ化アンモン溶液を用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピードをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ基板3、遮光部付きレンズ基板1Aを提供することができる。
上記のように凹部72を形成することにより、結果として、凹面321を有するマイクロレンズ(凹レンズ)32が形成される。
また、上記のようなエッチングは、凹部72が形成される面側において、隣接する凹部72間に適度な大きさの平面部34が残存する程度に行うのが好ましい。これにより、例えば、略半円形状の凹面321を備えたマイクロレンズ(凹レンズ)32を好適に形成することができ、遮光部付きレンズ基板1A(透過型スクリーン10、リア型プロジェクタ300)の視野角特性を特に優れたものとすることができる。また、このような平面部34を有していると、後述する工程において、ブラックマトリックス4を容易かつ確実に形成することができる。
<A4>次に、図4(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去する。
マスク8が主としてCrで構成されたものである場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより行うことができる。
以上により、図4(d)に示すように、多数のマイクロレンズ32がランダムに配されたマイクロレンズ基板3が得られる。
ランダムに、マイクロレンズ32(凹部72)を形成する方法は、特に限定されないが、上述したような方法(物理的方法またはレーザ光の照射によりマスク8に初期孔81を形成し、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部72を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、物理的な方法またはレーザ光の照射によりマスク8に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってマスクに開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価にマスク8に所定パターンで開口部(初期孔81)を形成することができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ基板3を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質の大型マイクロレンズ基板を簡便な方法で安価に製造することができる。
さらに、工程<A4>でマスク8を除去した後、基板7上に新しいマスクを形成し、マスク形成−初期孔形成−ウェットエッチング−マスク除去の一連の工程を繰り返して行ってもよい。これにより、マイクロレンズ32(凹部72)が緻密に形成されたマイクロレンズ基板3を得ることができる。
[ブラックマトリックスの形成]
次に、上記のようにして得られたマイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32(凹面321)が形成された側の面において、隣接するマイクロレンズ32間の非有効レンズ領域にブラックマトリックス4を形成する。このように、隣接するマイクロレンズ32間の非有効レンズ領域にブラックマトリックス4を形成することにより、形成されるブラックマトリックス4の位置精度を特に優れたものとのすることができる。また、これにより、ブラックマトリックス4を容易かつ生産性良く形成することができる。
前述したように、本実施形態においては、マイクロレンズ基板3は、凹面321が形成されている側の面に平面部34を有している。本実施形態では、この平面部34にブラックマトリックス4を形成する。このように、平面部34にブラックマトリックス4を形成することにより、マイクロレンズ基板3に入射した光が、平面部34から直進光として出射するのをより確実に防止することができる。これにより、投影される画像における輝度ムラの発生等の不都合をより効果的に防止することができる。
<B1>ブラックマトリックス4の形成方法は、特に限定されないが、本実施形態では、まず、流動性を有するブラックマトリックス形成用組成物(遮光部形成用組成物)を、平面部34付近(非有効レンズ領域)に付与する。
ブラックマトリックス形成用組成物を付与する方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法や、マイクロレンズ基板3の平面部(非有効レンズ領域)34をブラックマトリックス形成用組成物中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられる。
上記の方法の中でも、特に、塗布法によりブラックマトリックス形成用組成物を付与した場合には、ブラックマトリックス4をより容易に形成することができる。また、このような方法によれば、形成されるブラックマトリックス4の密着性をより優れたものとすることができる。
また、上記の方法の中でも、マイクロレンズ基板3の平面部(非有効レンズ領域)34をブラックマトリックス形成用組成物中に浸漬する方法(ディッピング)によりブラックマトリックス形成用組成物を付与した場合には、ブラックマトリックス4をより容易に形成することができる。また、このような方法によれば、各部位での膜厚のバラツキの小さいブラックマトリックス4を、容易かつ確実に形成することができる。
なお、ブラックマトリックス形成用組成物の付与は、必要に応じて(例えば、形成すべきブラックマトリックス4の厚さが比較的大きい場合等においては)、複数回繰り返し行ってもよい。
ブラックマトリックス形成用組成物の室温付近(例えば、25℃)での粘度は、10〜1000cpであるのが好ましく、30〜100cpであるのがより好ましい。ブラックマトリックス形成用組成物の粘度が前記範囲内の値であると、適度な厚さのブラックマトリックス4を容易かつ確実に形成することができる。
ブラックマトリックス形成用組成物は、非有効レンズ領域への付与条件下において流動性を有するものであればいかなるものであってもよく、例えば、遮光性の樹脂材料を含むものや、(遮光性の低い)樹脂材料に、遮光性の成分(材料)が分散または溶解したものを用いることができる。前記樹脂材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂、各種感光性樹脂(フォトポリマー)等、いかなるものを用いてもよい。また、ブラックマトリックス形成用組成物中には、溶媒、分散媒等が含まれていてもよい。これにより、比較的容易に、ブラックマトリックス形成用組成物の流動性を最適なものとすることができる。
<B2>ブラックマトリックス形成用組成物の付与後、ブラックマトリックス形成用組成物を固化させ、ブラックマトリックス4を形成する(図5(a)参照)。なお、ブラックマトリックス形成用組成物の付与後、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の減圧等の処理を施してもよい。これにより、ブラックマトリックス形成用組成物の固化を促進することができる。
また、必要に応じて(例えば、形成すべきブラックマトリックス4の厚さが比較的大きい場合等においては)、上記<B1>、<B2>の工程を、順次繰り返し行ってもよい。また、ブラックマトリックス4は遮光性を有するものであればよいので、<B1>、<B2>の工程を順次繰り返し行う場合等においては、例えば、下層側(マイクロレンズ基板3に近い側)の部位を形成する際には、遮光性の成分を含まない材料(ブラックマトリックス形成用組成物)を用い、上層側(マイクロレンズ基板3から遠い側)の部位を形成する際に、遮光性の成分を含む材料(ブラックマトリックス形成用組成物)を用いるようにしてもよい。
[拡散部の形成]
<C1>次に、ブラックマトリックス4が形成されたマイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32(凹面321)が形成された面側に、拡散部5を形成する(図5(b)参照)。
本実施形態においては、拡散部5は、略平板状をなしている。拡散部5がこのような形状を有する場合、より容易に拡散部5を形成することができる。より詳しく説明すると、拡散部5の材料で構成された平板状部材(拡散部5)を、ブラックマトリックス4が形成されたマイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32(凹面321)が形成された面側に接合することにより、拡散部5を備えた遮光部付きレンズ基板1Aを得ることができる。
拡散部5の材料で構成された平板状部材と、ブラックマトリックス4が形成されたマイクロレンズ基板3との接合方法は、特に限定されないが、例えば、接着、融着等の方法が挙げられる。
次に、本発明の第2実施形態の遮光部付きレンズ基板について説明する。
図6は、本発明の遮光部付きレンズ基板の第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図6中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。
図6に示すように、本実施形態の遮光部付きレンズ基板1Bでは、拡散部5は、ブラックマトリックス4が形成されたマイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32が形成された面側の形状に沿って、設けられている。すなわち、本実施形態の遮光部付きレンズ基板1Bでは、拡散部5は、マイクロレンズ32の凹面321に沿って設けられた領域を有している。このように、拡散部5がマイクロレンズ32の凹面321に沿って設けられていると、マイクロレンズ基板3から出射した光を効率よく拡散させることができ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。また、拡散部5がマイクロレンズ32の凹面321に沿って設けられていることにより、拡散部5が比較的薄い場合であっても、光を十分に拡散させることができる。したがって、拡散部5の厚さを比較的薄いものとすることにより、光の拡散性を十分に高く維持しつつ、光の利用効率をさらに高めることができる。また、拡散部5の厚さを比較的薄いものとすることにより、ブラックマトリックス(遮光部)4の機能をより効果的に発揮させることができる。すなわち、図示のような構成とすることにより、ブラックマトリックス4と拡散部5とのいずれもが、それぞれの機能をより効果的に発揮することができる。
上記のような構成の場合、拡散部5の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。拡散部5の厚さが前記範囲内の値であると、光の利用効率(入射光の強度に対する出射光の強度の比率)を十分に高く維持しつつ、光をより効果的に拡散させることができる。これに対し、拡散部5の厚さが前記下限値未満であると、拡散部5による効果が十分に発揮されない可能性がある。また、拡散部5の厚さが前記上限値を超えると、拡散部5内において、光(光子)と拡散材51とが衝突する確率(頻度)が高くなることにより消光が起こり易くなり、また、拡散部5内に入射した光(光子)が、再び入射側に戻る可能性も高くなるため、光の利用効率が低くなる傾向を示す。
このような構成の遮光部付きレンズ基板1Bは、例えば、前記第1実施形態と同様にして、マイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32(凹面321)が形成された側の面において、隣接するマイクロレンズ32間の非有効レンズ領域にブラックマトリックス4を形成(図5(a)参照)した後、流動性を有する拡散部形成用組成物を、マイクロレンズ基板3のブラックマトリックス4が形成された面側に付与し、その後、固化させ、拡散部5とすることにより、製造することができる。
拡散部形成用組成物を付与する方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法や、マイクロレンズ基板3のマイクロレンズ32(凹面321)が形成された面側を拡散部形成用組成物中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられる。
なお、拡散部形成用組成物の付与は、必要に応じて(例えば、形成すべき拡散部5の厚さが比較的大きい場合等においては)、複数回繰り返し行ってもよい。
拡散部形成用組成物としては、ブラックマトリックス4が形成されたマイクロレンズ基板3への付与条件下において流動性を有するものであればいかなるものであってもよく、例えば、光透過性に優れた実質的に透明な材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等)中に、前述したような拡散材51が分散したものを用いることができる。また、拡散部形成用組成物中には、溶媒、分散媒等が含まれていてもよい。これにより、比較的容易に、拡散部形成用組成物の流動性を最適なものとすることができる。
なお、拡散部5の形成後、必要に応じて、その一部を除去してもよい。
次に、本発明の第3実施形態の遮光部付きレンズ基板について説明する。
図7は、本発明の遮光部付きレンズ基板の第3実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図7中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。
図7に示すように、本実施形態の遮光部付きレンズ基板1Cでは、マイクロレンズ基板3とブラックマトリックス4との間に、拡散部5が設けられている。すなわち、本実施形態の遮光部付きレンズ基板1Cでは、ブラックマトリックス4は、拡散部5より、光の出射側に設けられている。このように、ブラックマトリックス4、遮光部5の配置は特に限定されない。また、図7に示すような構成であることにより、ブラックマトリックス4の機能をより効果的に発揮させることができる。
このような構成の遮光部付きレンズ基板1Cは、例えば、前記第1実施形態と同様にして、マイクロレンズ基板3を製造(図4(d)参照)した後、このマイクロレンズ基板3に対し、前記第2実施形態で説明したのと同様の方法で拡散部5を形成し、さらにその後、拡散部5上に、前記第1実施形態で説明したのと同様の方法でブラックマトリックス4を形成することにより、製造することができる。
次に、本発明の第4実施形態の遮光部付きレンズ基板について説明する。
図8は、本発明の遮光部付きレンズ基板の第4実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図8中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。
図8に示すように、本実施形態の遮光部付きレンズ基板1Dでは、ブラックマトリックス4は、マイクロレンズ基板3の平面部34(非有効レンズ領域)と接触するように設けられている。このような構成であることにより、直進光をより効果的に抑制することができ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
このような構成の遮光部付きレンズ基板1Dは、例えば、前記第3実施形態と同様にして、マイクロレンズ基板3の凹面321が形成された面側に拡散部5を形成した後、少なくとも、マイクロレンズ基板3の平面部34上に形成された拡散部4を除去し、さらにその後、少なくとも、露出した平面部34上に、前記第1実施形態で説明したのと同様の方法でブラックマトリックス4を形成することにより、製造することができる。マイクロレンズ基板3の平面部34上に形成された拡散部4を除去する方法は、特に限定されないが、例えば、各種エッチング法、研削、研磨等の機械加工等が挙げられる。なお、マイクロレンズ基板3の平面部34上に形成された拡散部4を除去する際、拡散部5とともに、マイクロレンズ基板3の一部、例えば、平面部34付近の領域が、除去されてもよい。また、マイクロレンズ基板3や拡散部5の構成材料等に応じて、拡散部5の除去条件を選択することにより、図示のように、ブラックマトリックス4を平面部34上に選択的に形成することができる。
また、上記第2〜第4実施形態の遮光部付きレンズ基板を用いることにより、前述した第1実施形態と同様に、本発明の透過型スクリーンを得ることができる。
次に、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図9は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、その透過型スクリーン10として、上述した視野角特性、光利用効率に優れた透過型スクリーン10を用いているので、表示品質の良い優れたリア型プロジェクタとなる。
また、特に、前述した遮光部付きレンズ基板1A、1B、1C、1Dでは、マイクロレンズ32がランダム(光学的にランダム)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が極めて発生し難い。
以上、本発明の遮光部付きレンズ基板の製造方法、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ基板(レンズ基板)3として、エッチングにより製造されたものを用いるものとして説明したが、レンズ基板としては、いかなるもの(いかなる方法で製造されたもの)を用いてもよい。例えば、レンズ基板は、以下のようにして製造されたものであってもよい。すなわち、まず、前述した実施形態でレンズ基板として製造した凹部付き基板を型として用い、凸部付きレンズ基板を製造する。次に、この凸部付き基板を型として用い、レンズ基板(マイクロレンズ基板)を製造する。このように、型を用いることにより、レンズ基板の生産性を向上させることができる。このような効果は、レンズ基板を大量生産する場合に、特に顕著となる。また、型を用いてレンズ基板を製造することにより、製造される複数のレンズ基板においての、特性のバラツキを小さくすることができ、信頼性が向上する。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ基板(レンズ基板)の製造方法の初期孔形成工程において、初期孔81とともに、基板7に初期凹部71を形成するものとして説明したが、このような初期凹部71は形成されなくてもよい。初期孔81の形成条件(例えば、レーザのエネルギー強度、ビーム径、照射時間等)を適宜調整することにより、所望の形状の初期凹部71を形成したり、初期凹部71が形成されないように初期孔81のみを選択的に形成することができる。
また、前述した実施形態では、平面視したときの形状が略円形のマイクロレンズがランダムに配置されたものとして説明したが、マイクロレンズの形状、配置はこのようなものに限定されない。例えば、マイクロレンズは、格子状に配されたものであってもよいし、ハニカム状に形成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、遮光部付きレンズ基板とフレネルレンズとを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明の遮光部付きレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、凹レンズとして、マイクロレンズを備えた構成について説明したが、凹レンズは、これに限定されず、例えば、レンチキュラレンズであってもよい。レンチキュラレンズを使用することにより、凹レンズの形成工程を簡略化することができ、また、透過型スクリーンの生産性を向上させることができる。凹レンズとして、レンチキュラレンズを使用する場合、ブラックマトリックスの代わりにストライプ状の遮光部(ブラックストライプ)が形成される。このような構成においても、前記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
また、前述した実施形態では、ブラックマトリックスをマイクロレンズ基板または拡散部の表面に直接形成するものとして説明したが、ブラックマトリックスは、例えば、下地層(接着剤層)等を介して、マイクロレンズ基板または拡散部に接合されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、ブラックマトリックス(遮光部)は、遮光性の材料を含むブラックマトリックス形成用組成物(遮光部形成用組成物)を、マイクロレンズ基板(レンズ基板)、拡散部の表面に付着させることにより形成するものとして説明したが、ブラックマトリックス(遮光部)の形成方法は、これに限定されず、例えば、染色、(化学的な)発色、変色等によるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、拡散部は、レンズ基板の光の出射面側に設けられるものとして説明したが、レンズ基板の光の入射面側に設けられるものであってもよい。また、レンズ基板の光の入射面側、光の出射面側の両方に設けられていてもよい。
また、前述した実施形態では、遮光部付きレンズ基板が遮光部を有するものとして説明したが、遮光部付きレンズ基板は、拡散部を有していなくてもよい。
また、前述した実施形態では、遮光部付きレンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材であるものとして説明したが、本発明の遮光部付きレンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタに適用されるものに限定されず、いかなる用途のものであってもよい。例えば、本発明の遮光部付きレンズ付き基板は、投射型表示装置の液晶ライトバルブの構成部材に適用されるものであってもよい。
(実施例1)
以下のように、凹レンズとしてのマイクロレンズを備えたマイクロレンズ基板を製造した。
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、厚さ0.03μmのCr膜を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr膜のマスクおよび裏面保護膜を形成した。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成した。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、ランダムなパターンで初期孔が形成された。初期孔の平均径は5μmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層(化学的に変質した領域、または微小の亀裂、欠損を生じた領域)も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の凹部を形成した。形成された多数の凹部(凹面)は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、凹レンズとしてのマイクロレンズがランダムに形成されたウエハー状のマイクロレンズ基板を得た。このようにして得られたマイクロレンズ基板のマイクロレンズ(凹部)の直径は、70μmであった。また、得られたマイクロレンズ基板を平面視したときに、マイクロレンズ(凹レンズ)が形成されている有効領域において、ブラックマトリックスが占める面積の割合は20%であった。また、マイクロレンズ基板の任意の近接した2点間(凹部−凹部間)の距離を多数とり、それらから標準偏差を求めた。このようにして求められた標準偏差は、それらの平均の90%であった。また、上記のようにして得られたマイクロレンズは、隣接するマイクロレンズ(凹部)間に、平面部を有するものであった。
次に、上記のようにして得られたマイクロレンズ基板の、隣接するマイクロレンズ(凹部)間に存在する平面部に、ロールコーターにより、流動性を有するブラックマトリックス形成用組成物を、平面部付近に付与した。ブラックマトリックス形成用組成物としては、遮光性材料(カーボンブラック)と、紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))とを含む材料を用いた。ブラックマトリックス形成用組成物の25℃での粘度は、30cpであった。
その後、マイクロレンズ基板のブラックマトリックス形成用組成物を付与した面側から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、ブラックマトリックスを形成した。このようにして形成されたブラックマトリックスの平均厚さは、0.5μmであった。
一方、拡散材(直径5μmのシリカビーズ)と、CSP−S025(フジフイルムアーチ株式会社製)とを含む材料を用いて、1.2m×0.7m角、厚さ4mmの平板状部材を作製した。平板状部材中における拡散材の含有率は、50wt%であった。
平板状部材と、前記マイクロレンズ基板上のブラックマトリックスとが対向するように、アクリル系接着剤(新日鉄化学社製、V−2403P)を用いて、これらを接着することにより、遮光部付きレンズ基板を得た。
以上のようにして製造された遮光部付きレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2)
マスクおよび裏面保護膜を、酸化Cr膜として形成した以外は、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。なお、マスク、裏面保護膜は、スパッタリング法を用いて形成した。酸化Cr膜の厚さは0.03μmであった。
(実施例3)
マスクおよび裏面保護膜を、Cr/酸化Crの積層体(Crの外表面側に酸化Crが積層された積層体)として形成した以外は、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。なお、マスク、裏面保護膜は、スパッタリング法を用いて形成した。Cr層の厚さは0.02μm、酸化Cr層の厚さは0.02μmであった。
(実施例4)
マスクおよび裏面保護膜を、酸化Cr/Crの積層体(酸化Crの外表面側にCrが積層された積層体)として形成した以外は、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。なお、マスク、裏面保護膜は、スパッタリング法を用いて形成した。酸化Cr層の厚さは0.02μm、Cr層の厚さは0.02μmであった。
(実施例5)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、厚さ0.03μmのCr膜を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr膜のマスクおよび裏面保護膜を形成した。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成した。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、ランダムなパターンで初期孔が形成された。初期孔の平均径は5μmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層(化学的に変質した領域、または微小の亀裂、欠損を生じた領域)も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の凹部を形成した。形成された多数の凹部(凹面)は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、凹部がランダムに形成されたウエハー状の凹部付き基板を得た。
次に、上記のようにして得られた凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、未重合(未硬化)の紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))を付与した。この際、前記面の凹部付き基板の凹部が形成されていない領域(非有効レンズ領域)に、略球形状のスペーサー(直径150μm)を配しておいた。
次に、無アルカリガラスで構成された平板で、前記紫外線硬化性樹脂を押圧した。この際、平板と紫外線硬化性樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、紫外線硬化性樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、平板上から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、平板および凹部付き基板を取り除くことにより、凸部付き基板を得た。
次に、上記のようにして得られた凸部付き基板の凸部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、未重合(未硬化)の紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))を付与した。この際、前記面の凸部付き基板の凸部が形成されていない領域(非有効レンズ領域)に、略球形状のスペーサー(直径3μm)を配しておいた。
次に、無アルカリガラスで構成された平板で、前記紫外線硬化性樹脂を押圧した。この際、平板と紫外線硬化性樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、紫外線硬化性樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、平板上から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、平板および凸部付き基板を取り除くことにより、多数の凹レンズとしてのマイクロレンズを備えたマイクロレンズ基板を得た。このようにして得られたマイクロレンズ基板のマイクロレンズの凹面は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。また、マイクロレンズ(凹部)の直径は、70μmであった。また、得られたマイクロレンズ基板を平面視したときに、マイクロレンズ(凹レンズ)が形成されている有効領域において、ブラックマトリックスが占める面積の割合は20%であった。また、マイクロレンズ基板の任意の近接した2点間(凹部−凹部間)の距離を多数とり、それらから標準偏差を求めた。このようにして求められた標準偏差は、それらの平均の90%であった。また、上記のようにして得られたマイクロレンズは、隣接するマイクロレンズ(凹部)間に、平面部を有するものであった。
次に、上記のようにして得られたマイクロレンズ基板の、隣接するマイクロレンズ(凹部)間に存在する平面部を、流動性を有するブラックマトリックス形成用組成物中に浸漬することにより、ブラックマトリックス形成用組成物を、平面部付近に付与した。ブラックマトリックス形成用組成物としては、遮光性材料(カーボンブラック)と、紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))とを含む材料を用いた。ブラックマトリックス形成用組成物の25℃での粘度は、30cpであった。
その後、マイクロレンズ基板のブラックマトリックス形成用組成物を付与した面側から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、ブラックマトリックスを形成した。このようにして形成されたブラックマトリックスの平均厚さは、0.5μmであった。
その後、マイクロレンズ基板のブラックマトリックスが形成された面側に、ロールコーターを用いて、拡散材(直径5μmのシリカビーズ)と、紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製)とを含む拡散部形成用組成物を付与した。
その後、マイクロレンズ基板の拡散部形成用組成物を付与した面側から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、拡散部を形成し、遮光部付きレンズ基板を得た。このようにして形成された拡散部の平均厚さは、5μmであった。また、拡散部中における拡散材の含有率は、50wt%であった。
その後、前記実施例1と同様に、遮光部付きレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、透過型スクリーンを得た。
(比較例1)
以下のように、マイクロレンズ用の凹部を備えたマイクロレンズ用凹部付き基板を製造し、このマイクロレンズ用凹部付き基板を用いてマイクロレンズ基板を製造した。
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、厚さ0.03μmのCr膜を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr膜のマスクおよび裏面保護膜を形成した。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成した。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、ランダムなパターンで初期孔が形成された。初期孔の平均径は5μmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層(化学的に変質した領域、または微小の亀裂、欠損を生じた領域)も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の凹部を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部がランダムに形成されたウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。得られた凹部付き基板を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が80%であった。また、マイクロレンズ用凹部付き基板の任意の近接した2点間(凹部−凹部間)の距離を多数とり、それらから標準偏差を求めた。このようにして求められた標準偏差は、それらの平均の90%であった。
次に、上記のようにして得られたマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、未重合(未硬化)の紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))を付与した。この際、前記面のマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されていない領域(非有効レンズ領域)に、略球形状のスペーサー(直径150μm)を配しておいた。
次に、無アルカリガラスで構成された平板で、前記紫外線硬化性樹脂を押圧した。この際、平板と紫外線硬化性樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、紫外線硬化性樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、平板上から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、平板およびマイクロレンズ用凹部付き基板を取り除くことにより、マイクロレンズ基板を得た。得られたマイクロレンズ基板の樹脂層の厚さは40μm、マイクロレンズの曲率半径は35μm、マイクロレンズの直径は70μmであった。また、得られたマイクロレンズ基板を平面視したときに、マイクロレンズが形成されている有効領域において、ブラックマトリックスが占める面積(投影面積)の割合は20%であった。
次に、マイクロレンズ基板のマイクロレンズ(凸部)が形成された面とは反対側の面に、遮光性材料としてのカーボンブラックが、PC−403(JSR株式会社)中に分散した組成物をロールコーターにより付与し、その後、90℃×30分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、遮光性の被膜(遮光性被膜)を形成した。
その後、フォトリソグラフィ法を用いた(マイクロレンズ基板の遮光性被膜が形成された側の面から所定パターンの光を照射することによる)マスクの形成、エッチングを施し、その後、200℃×60分の熱処理を施し、前記組成物を硬化することにより、前記被膜の各マイクロレンズに対応する部位に開口部を有するブラックマトリックスを形成した。形成されたブラックマトリックスの厚さは1μm、開口部の直径は100μmであった。
次に、ブラックマトリックスが形成された側の面の全体に、拡散材(直径5μmのシリカビーズ)がCSP−S025中に分散した組成物をロールコーターにより付与した。その後、200℃×60分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、層状の拡散部を形成し、遮光部付きレンズ基板を得た。形成された拡散部(光拡散層)の厚さは3μmであった。
以上のようにして製造された遮光部付きレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、透過型スクリーンを得た。
(比較例2)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、厚さ0.03μmのCr膜を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr膜のマスクおよび裏面保護膜を形成した。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の直線状の溝(孔)を、互いに平行になるように形成した。隣接する溝−溝間のピッチは、70μmであった。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に溝状の凹部を形成した。形成された凹部は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、レンチキュラレンズ用の多数の凹部(溝部)が形成されたウエハー状のレンチキュラレンズ用凹部付き基板を得た。
次に、上記のようにして得られたレンチキュラレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、未重合(未硬化)の紫外線硬化性樹脂(V−2403(新日鐵化学株式会社製))を付与した。この際、前記面のレンチキュラレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されていない領域に、略球形状のスペーサー(直径30μm)を配しておいた。
次に、無アルカリガラスで構成された平板で、前記紫外線硬化性樹脂を押圧した。この際、平板と紫外線硬化性樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、紫外線硬化性樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、平板上から、10000mJ/cmの紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、レンチキュラレンズ基板を得た。得られたレンチキュラレンズ基板(硬化後の樹脂)の屈折率は、1.5であった。また、得られたレンチキュラレンズ基板の樹脂層の厚さは150μm、レンチキュラレンズの曲率半径は35μmであった。
次に、紫外線硬化性樹脂の押圧に用いた平板を取り除き、露出したレンチキュラレンズ基板の表面(レンチキュラレンズが形成されている側の面)に、遮光性材料としてのカーボンブラックが、PC−403(JSR株式会社)中に分散した組成物をロールコーターにより付与し、その後、200℃×60分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、遮光性の被膜(遮光性被膜)を形成した。
その後、フォトリソグラフィ法を用いた(レンチキュラレンズ基板の遮光性被膜が形成された側の面から所定パターンの光を照射することによる)マスクの形成、エッチングを施すことにより、前記被膜の各レンチキュラレンズに対応する部位に開口部を有するブラックストライプ(遮光部)を形成した。形成されたブラックストライプの厚さは1μm、開口部の幅は100μmであった。
次に、ブラックストライプが形成された側の面の全体に、拡散材(直径5μmのシリカビーズ)がCSP−S025(フジフイルムアーチ株式会社製)中に分散した組成物をロールコーターにより付与した。その後、200℃×60分の熱処理を施すことにより、前記組成物を硬化させ、層状の拡散部を形成し、遮光部付きレンズ基板を得た。形成された拡散部(光拡散層)の厚さは3μmであった。
以上のようにして製造された遮光部付きレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、透過型スクリーンを得た。
前記実施例1〜5では、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーンを生産性良く製造することができたのに対し、比較例1、2では、フォトリソグラフィの工程を有する製造方法を用いたため、遮光部付きレンズ基板、透過型スクリーンの生産性に劣っていた。また、実施例1〜5は、製造コストの面でも、比較例1、2に比べて優れていた。
[透過型スクリーンの評価]
前記実施例1〜5および比較例1、2で作製された透過型スクリーンについて、光利用効率を測定した。光利用効率の測定は、積分球を使った分光光度計で、スクリーン無しの光量に対し、各実施例、各比較例のスクリーンを透過した光の量での比率を測定するという条件で行った。
[リア型プロジェクタの作製および評価]
前記実施例1〜5および比較例1、2の透過型スクリーンを用いて、図9に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
得られたリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向および水平方向での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)で、5度間隔で測定するという条件で行った。
その結果、実施例1で得られた透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタでは、鉛直方向の視野角(光量が半分になる角度)が15°、水平方向の視野角が20°と、優れた視野角特性を有することが確認された。また、このリア型プロジェクタでは、明るい画像が表示され、モアレの発生は認められなかった。また、実施例2〜8で得られた透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタについても同様の結果(鉛直方向の視野角:10〜25°、水平方向の視野角:10〜25°)が得られた。
これに対し、比較例2で得られた透過型スクリーンを備えたリア型プロジェクタでは、鉛直方向の視野角が10°と、視野角特性に劣っていた。
本発明の遮光部付きレンズ基板の第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す遮光部付きレンズ基板が備えるマイクロレンズ基板の平面図である。 図1に示す遮光部付きレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す遮光部付きレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す遮光部付きレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の遮光部付きレンズ基板の第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の遮光部付きレンズ基板の第3実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の遮光部付きレンズ基板の第4実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の透過型スクリーンを適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。
符号の説明
1A、1B、1C、1D……遮光部付きレンズ基板 2……フレネルレンズ部 21……フレネルレンズ 3……マイクロレンズ基板(レンズ基板) 32……マイクロレンズ 321……凹面 34……平面部 35……凸状部 4……ブラックマトリックス(遮光部) 5……拡散部 51……拡散材 7……基板 71……初期凹部 72……凹部 8……マスク 81……初期孔 89……裏面保護膜 9……スペーサー 10……透過型スクリーン 11……平板 300……リア型プロジェクタ 310……投写光学ユニット 320……導光ミラー 340……筐体

Claims (21)

  1. 基板の表面に複数個の凹レンズを形成して、レンズ基板を得る工程と、
    前記レンズ基板の前記凹レンズが形成された側の面において、隣接する前記凹レンズ間の非有効レンズ領域に遮光部を形成する工程とを有することを特徴とする遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  2. 隣接する前記凹レンズ間の平面部に、前記遮光部を形成する請求項1に記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  3. 遮光部形成用組成物を前記非有効レンズ領域に塗布することにより、前記遮光部を形成する請求項1または2に記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  4. 前記非有効レンズ領域を遮光部形成用組成物中に浸漬することにより、前記遮光部を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  5. 前記遮光部形成用組成物の室温付近での粘度は、10〜1000cpである請求項1ないし4のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  6. 前記遮光部の厚さは、0.01〜5μmである請求項1ないし5のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  7. 前記レンズ基板の前記凹レンズが形成されている面側に、光を拡散する機能を有する拡散部を形成する工程を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  8. 少なくとも、前記凹レンズの凹面に沿って、光を拡散する機能を有する拡散部を形成する工程を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  9. 前記遮光部を形成した後に、前記拡散部を形成する請求項7または8に記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  10. 前記凹レンズは、マイクロレンズである請求項1ないし9のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  11. 前記マイクロレンズの直径は、10〜500μmである請求項1ないし10のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  12. 前記凹レンズの曲率半径は、5〜250μmである請求項1ないし11のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板の製造方法。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする遮光部付きレンズ基板。
  14. 複数個の凹レンズを備えたレンズ基板と、隣接する前記凹レンズ間の非有効レンズ領域に設けられた遮光部とを有することを特徴とする遮光部付きレンズ基板。
  15. 前記レンズ基板の前記凹レンズが形成されている面側に、光を拡散する機能を有する拡散部を備えている請求項13または14に記載の遮光部付きレンズ基板。
  16. 少なくとも、前記凹レンズの凹面に沿って、光を拡散する機能を有する拡散部を備えている請求項13ないし15のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板。
  17. 前記レンズ基板を平面視したときの、前記凹レンズが形成されている有効領域において、前記遮光部が占める面積の割合が1〜70%である請求項13ないし16のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板。
  18. 請求項13ないし17のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  19. 光の出射側にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
    前記フレネルレンズ部の光の出射側に配置された請求項13ないし17のいずれかに記載の遮光部付きレンズ基板とを備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  20. 請求項18または19に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
  21. 投射光学ユニットと、導光ミラーとを備えた請求項20に記載のリア型プロジェクタ。
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