JP2005128169A - 光学素子の冷却装置及びビデオプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】光学結合媒体である液体の使用をなくし、その帰結として複雑な組み立て工程を必要とする液体封止作業がなくなり、より簡単な構成で安価な光学素子の冷却装置を提供することを目的とする。
【解決手段】金属を主成分とする放熱体48と、光透過性を有し、樹脂の射出成形時に放熱体48と合体成形結合されている樹脂成形体49とを備え、放熱体48は、樹脂成形体49との接合部に複数の櫛歯状の凹凸部48bを有し、表面に黒色ニッケルメッキが施されている光学素子の冷却装置。
【選択図】図7

Description

本発明は、ガラスプリズムなどの光学素子の冷却装置及びそれを用いたビデオプロジェクタに関するものである。
最近、デジタルマイクロミラーデバイス(以下DMDと称す)を画像創生素子として用いるビデオプロジェクタが普及してきており、市場で数多く販売されるようになってきた。DMDは、半導体製造プロセスと同様のプロセスで製造され、シリコン基板上に一辺が数ミクロンのマイクロミラーが縦横に多数整列された構成からなっている。
この一つのDMDチップには、マイクロミラーが数十万〜数百万個整列されており、この一つ一つが画像創生の一画素として機能する(例えば、特許文献1参照。)。
この一画素として機能するマイクロミラーは、所定の軸を回動軸として、電気信号のON−OFFによってシーソー運動を行う。したがってマイクロミラーは、電気信号のONの位置と、OFFの位置の2つの位置をとるようになっている。
図1は、DMD1内のマイクロミラーの構成及び動作を示す図である。DMD1内に整列されたマイクロミラー2(説明上拡大表示している)に、左斜め下方から入射する光線Lは、マイクロミラー2がどちらに傾いているかで、反射光の方向が2方向に分かれる。電気信号がONの時は位置mをとり、反射光はRmの方向に出射される。また電気信号がOFFの時は位置nをとり、反射光はRnの方向に出射される。
図2は、DMDを用いた従来のビデオプロジェクタの概略構成図である。図に示すように、従来のビデオプロジェクタは直方体形状のカラープリズム3と、三角柱形状のプリズム4及び5を備えている。このカラープリズム3の一面にマイクロミラー2が対面するようDMD1が設置されている。また、カラープリズム3のDMD1が配置されている面とは反対側の面に対抗して、投射レンズ8が設置されている。この投射レンズ8とカラープリズム3の間に、側面がカラープリズム3の側面と平行になるようにプリズム4が設置されており、プリズム4の側面と一側面が平行になるようにプリズム5が設置されている。これらのプリズム4とプリズム5は底面である三角形状が上下逆になるように設置され、その対向面間はごく薄い平行な空気層6(空気層厚は約5ミクロン)となっている。また、不用光を吸収消滅させるために、カラープリズム3を冷却するプリズム冷却装置9がDMD1とプリズム4が設置されている以外の側面に設置されている。
次ぎに、上記構成の従来のビデオプロジェクタの動作について以下に述べる。
図2において、Aの方向から入射した光線は、プリズム4の傾斜面4aで全反射される(プリズム4と5の間には空気層6が存在するため全反射となる)。傾斜面4aで反射された光線は、光路Lを進行し、カラープリズム3の右側面から出射する。光線がカラープリズム3のガラス中から空気中に出射する際に図2に示すように屈折が起こる。そして、カラープリズム3の右面から出射した光線はDMD内のマイクロミラー2に入射する。マイクロミラー2がmの位置にある時は、反射光線はプリズム3,4,5の中を通過しRmの方向に進行する。
プリズム5から出射した光線は投射レンズ8に入り、この投射レンズ8の前方に設置されたスクリーン(図示せず)に映像が拡大投射される。
A方向から入射する並行光束は、きわめてエネルギ密度の高い強力な均一光線束である。この光線束がDMDのマイクロミラー7群に入射され、個々のマイクロミラーは映像信号によって超高速で駆動されて入射光は投射光と不用光に振り分けられる。個々のマイクロミラー7(個々の画素に相当する)で反射された多数の光線群の組み合わせによって映像が形成される。
映像の明暗は個々のマイクロミラー7が高速でON−OFF駆動されることにより、一定時間内に投写方向に駆動されている積算時間の差よって表現される。
ここで、マイクロミラー7がnの位置にある時は、反射光線(不用光となる)はRn方向に進行する。Rn方向に進行する光線は不用光であり、反射や散乱によるコントラストの低下やゴーストの発生を避けるために、出来るだけ速やかに吸収消滅させる必要がある。そのためにプリズム冷却装置9がカラープリズム3の上面に接合搭載されている。
もし、プリズム冷却装置9が備えられていない場合には、図3に示すように、マイクロミラー2からR1の方向に反射された不用光はカラープリズム3内を進行し、そのカラープリズム3の上面3aで全反射してこのカラープリズム3の外へは出射しない。これはガラスの屈折率をNd=1.52とすると、全反射角は41.14°となり、入射角がこの角度より大きいことによる。
上記のように反射される不用光R1のエネルギーの一部はカラープリズム3の内部で熱に変化するため、カラープリズム3の温度が極めて高くなり、プリズム同士あるいはカラープリズム3を基台(図示せず)に取付けている接着剤が熱のために劣化するなど種々な面で問題となる。またカラープリズム3の上面3aで反射した不用光R1は、各プリズム3、4、5の内部をR2,R3,R4と経路をたどり、プリズム周辺に出て行き不用な光線として散乱し、投写像のコントラストを悪化させたり、ゴースト像発生の原因となったり、また光線の到達した部分の温度上昇を招くなどの深刻な不具合が発生する。
次に、従来のプリズム冷却装置9について説明する。図4は従来のプリズム冷却装置9の構成図である。銅、銅合金、アルミニュームなどの熱伝導性のよい金属で造られたヒートシンク10は光の吸収がよく、かつ熱の放散性を高めるために艶消し黒色の表面仕上げが成されている(例えば、黒色ニッケルメッキ)。このヒートシンク10は、放熱効果を高めるために放熱フィン10aを有している。
前記ヒートシンク10の底面部には、入射した光線を効率的に減衰させるために櫛歯状突起10bが多数個形成されている。図5に示すように櫛歯状突起10bに当った光線は、殆どがその部分で吸収されるが、わずかな反射光は図5に示すように櫛歯状突起10bの間で多段反射を繰り返し最終的に熱に変換される。
また、ヒートシンク10の櫛歯状突起10bが形成されている側には、液密に透明なシールガラス11が接着されている。そして上記ヒートシンク10とシールガラス11とで構成される液密空間に、オプチカルカップリング液12(以後OC液)が充填されている。このOC液を前記液密空間に注入するための注入栓13がヒートシンク10に設置されている。図4には注入栓13を1つしか図示していないが、実際にはOC液注入用と空気抜き用の2つの注入栓が設置されている。なお、OC液12は残留気泡が無いように液密空間全体に充填される。
上述したように、反射光が熱に変換されプリズム冷却装置9全体が温度上昇すると、OC液12も同様に温度上昇するので体積が膨張する。この体積膨張を吸収緩和する仕掛けが注入栓13に組み込まれている。この注入栓13は中空軸13aを有しており、中空軸13aの中心部には上下貫通して、OC液12を注入あるいは空気を抜くための貫通孔が形成されている。そして中空軸13aを覆うようにゴムキャップ13bが被せられている。さらにその上から封止キャップ13cがねじ止めされている。ゴムキャップ13bの根元部に形成されている断面が円形状のシール部分が、封止キャップ13cを螺合することで、中空軸13aと封止キャップ13cに形成された双方の段差部に挟み込まれ液密なシールがなされる。OC液12の膨張・収縮は、上記ゴムキャップ13bの弾性変形によって吸収される。
図4のように組み立てられたプリズム冷却装置9は、カラープリズム3の上に透明度の高い接着剤で接合されている。接着層での反射を少なくするため、接着剤の屈折率は出来るだけプリズムの屈折率に近いものを用いる必要がある(屈折率Nd=1.49前後)。
図2に示すようにプリズム冷却装置9が接合搭載されると、不用光Rnはプリズム上面3aで全反射することなく、接着層→シールガラス11→OC液12を透過しヒートシンク10に形成された櫛歯状突起10bに到達する。櫛歯状突起10bに到達した光線は、既に図5で説明したような反射経路で減衰し熱に変換される。なお、ヒートシンク10は、自然空冷だけでは高温になる場合、送風空冷される場合もある。
特許第3065068号明細書
拡大投射した時、明るい画像を得るために、DMDに入射してくる光線束はきわめてエネルギ密度が高い。投射光と不用光の、エネルギ密度は同等である。投射光は投射レンズを通してスクリーンに拡大投射されるため問題はないが、不用光は速やかにプリズム外に取り出し、光吸収体に導き入れ熱に変換して減衰消滅させる必要がある。
図4に示す、不用光を導き入れ減衰消滅させる従来のプリズム冷却装置は、光学結合媒体として液体が使われているため、その液体を封止するための透明ガラスが必要であり、該封止ガラスを液密にシールするための接着作業、注入栓の取り付け、OC液の注入充填、液漏れ確認作業等々必要であり、従来の冷却装置は組み立てに時間を要しコストの高いものとなっている。
本発明は、上記従来の課題を考慮し、光学結合媒体である液体の使用をなくし、その帰結として複雑な組み立て工程を必要とする液体封止作業がなくなり、より簡単な構成で安価な光学素子の冷却装置及びこれを用いたビデオプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、金属を主成分とする放熱体と、光透過性を有し、樹脂の射出成形時に前記放熱体と合体成形結合されている樹脂成形体とを備えた光学素子の冷却装置である。
また、第2の本発明は、前記放熱体は、表面に黒色ニッケルメッキが施されている第1の本発明の光学素子の冷却装置である。
また、第3の本発明は、前記放熱体は、前記樹脂成形体との接合部に複数の櫛歯状の凹凸部を有する第1の本発明の光学素子の冷却装置である。
また、第4の本発明は、前記放熱体の前記樹脂成形体との接合部の凸部の先端は、入射光線と実質上平行になるように、前記入射光線の角度と実質上同程度の傾斜を有している第3の本発明の光学素子の冷却装置である。
また、第5の本発明は、第1乃至第4のいずれかの本発明の光学素子の冷却装置と、入射される光に応じて、前記入射光を異なる二方向のうちいずれか一方向に反射するデジタルマイクロミラーデバイスと、入射光を投射する投射レンズと、前記デジタルマイクロミラーデバイスと前記投影レンズの間に設置され、前記光学素子の冷却装置の樹脂と密着接合されているプリズムとを備え、前記樹脂成形体は、前記プリズムと近似する屈折率を有し、前記異なる二方向は、前記プリズムを透過して前記投射レンズに入射する方向と、前記プリズムの前記光学素子の冷却装置が設置されている方向であるビデオプロジェクタである。
本発明により、光学結合媒体として従来のような液体の使用を無くし、多数の組み立て工程とチェックを必要とする液体封止作業が無くなり、簡単な構成で安価な光学素子の冷却装置を提供することが出来る。
以下、図面を参照しながら実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図6は、本実施の形態1における光学素子の冷却装置を用いたビデオプロジェクタの概略構成図である。図6に示す様に、本実施の形態1における光学素子の冷却装置を用いたビデオプロジェクタは直方体形状のカラープリズム41と、三角柱形状のカラープリズム42及び43を備えている。この直方体形状のカラープリズム41の一面にマイクロミラー45が設置されている。又、カラープリズム41のマイクロミラー45が設置されている面とは反対側の面に対抗して投射レンズ46が設置されている。この投射レンズ46とカラープリズム41の間に、カラープリズム41の側面と、側面が平行になる様にプリズム42が設置されている。
前記プリズム42にプリズム43が、それらの底面である三角形状が上下逆になるように、ごく薄い平行な空気層44(5〜10ミクロン)を保って設置されている。また、不用光を消滅させるために、本発明の光学素子の冷却装置の一例であるプリズム冷却装置47が、マイクロミラー45とプリズム42が設置されている以外のカラープリズム41の側面に設置されている。
次に、プリズム冷却装置47の構成について以下に説明する。
図7は、本実施の形態1におけるプリズム冷却装置の構成図である。このプリズム冷却装置47は、銅、銅合金、鉄系合金あるいはアルミニュームなどの金属で造られた本発明の放熱体の一例であるヒートシンク48を有している。このヒートシンク48には放熱のためのフィン48aが複数個形成されている。またヒートシンク48の底凹部には櫛歯状の突起48bが多数個形成されている。さらに、このヒートシンク48の表面は光線の吸収を高めるために、黒色ニッケルメッキを施すなどにより黒く着色されている。
そして底凹部には本発明の樹脂の一例である透明プラスチック材料49が、従来からよく知られたプラスチック成形法の一つである例えばインサート成形法を用い、金属で造られたヒートシンク48と一体化成形されている。透明プラスチック材料49は、ヒートシンク48を鋳型として成形されるので、複雑に入り組んだ櫛歯状突起48bとも完全に密接している。また透明プラスチック材料49の平面部49aは、後でカラープリズム41に密に接着するために平滑な面に仕上げられている。
また、図8はプリズム冷却装置47の櫛歯状の突起48b部の拡大図である。図に示す様に、櫛歯状突起48bの先端は、透明プラスチック材料49への入射光Rnと実質上平行になるように傾斜が形成されている。
なお、上述したプリズム冷却装置47がカラープリズム41の側面に設置されているが、この時接着面に空気が残留しないように密着接合されている。
上記構成の本実施の形態1における光学素子の冷却装置を用いたビデオプロジェクタの動作について以下に述べる。
はじめに、図6においてJ方向から入ってきた光線は、プリズム42の斜面42aで全反射されL方向に進行し、カラープリズム41の右側面41aから出射した光線は、DMDのマイクロミラー45に入射する。
ここで、マイクロミラー45が左倒れの位置(位置m)にある時は、反射光線はRm方向に反射される。Rm方向に進行した光線は、プリズム42に進入し斜面42aに到達する。光線Rmは斜面42aから出射し、微小な空気層44を経てプリズム43に入射しその中をさらに進行する(図6では見易いように空気層44は大きな間隔で描いている)。
次に、光線は斜面42aで屈折し、さらにプリズム43の斜面43aで屈折する。プリズム42と43は同材質なので光線の進行方向に変化はないが、ごくわずかな段差が生じる。しかし空気層44は数ミクロンの間隔であり、段差量はごく僅かなので実質上は一直線といえる。斜面42aおよび斜面43aには、反射防止膜が施されている。
プリズム43を通過してきた光線は、投射レンズ46に入射し、前方に設置されたスクリーン(図示せず)に拡大投射される。
また、マイクロミラー45が右倒れの位置(位置n)にある時は、反射光線はRn方向に反射される。この不用光Rnは、カラープリズム41の上面で全反射しなくなり、そのままほぼ直進し透明プラスチック材料49に進入する。透明プラスチック材料49は光線透過性が高いのでその内部で光線が減衰することはない。そして不用光Rnはヒートシンク48に形成された櫛歯状突起48bに突き当たる。
次に、上記構成において示した様に櫛歯状突起48bの各先端は、不用光の入射角と実質的に同角度の傾斜部が形成されているために、不用光Rnは櫛歯状突起48bの各先端部に衝突することなく、櫛歯状突起48bの側面に突き当たる。
そしてこの突き当たった不用光Rnは、図8に示すように多段反射を経ながら減衰してゆく。光エネルギの多くは初回の衝突で吸収されるが、多数回反射することでほぼ完全に熱エネルギに変換される。
また、透明プラスチック材料49は断熱性が高いので、櫛歯状突起48b部分で発生した熱は、カラープリズム41側に流れるより、熱伝導性の良い放熱フィン48aの方に速やかに伝導し空気中に放熱される。ヒートシンク48を送風空冷すればさらに効率的にカラープリズム41の冷却が行える。
次に、本実施の形態1における光学素子の冷却装置の製造方法について以下に説明する。
上述した様に、ヒートシンク48の櫛歯状突起48bが形成されている側に、既知の合成樹脂の成形法の一つである例えばインサート成形法を用いて透明プラスチック材料49を一体化成形する。これにより、金属で造られたヒートシンク48と透明な樹脂成形体を一体化結合させた複合部品である冷却装置を得ることが出来る。
ここで、金属とプラスチックのインサート成形(またはアウトサート成形)による結合一体化の強度では不充分な場合、その強度をより強固なものにするために、その接合部に化学結合層を形成するようにしてもよい。
一般にインサート成形法によりプラスチックと金属とを一体結合して複合化した場合、金属表面の微細な凹凸に軟化したプラスチック材料が入り込んで固化し、アンカー効果や摩擦力によって結合がなされている。したがって、これに温度サイクルが作用した場合、金属とプラスチックの熱膨張率の違いによって、境界面に僅かなズレおよび熱応力が発生し、温度昇降が繰り返されることで徐々に剥離が進行し、ごくごく薄い空間層が形成され、光結合力が低下する。
上記の様に剥離によってヒートシンク48と透明プラスチック材料49との境界面に僅かでも空間層が生じると、その部分で光線の反射率が増大し、迷光となった反射光によって「背景技術」の項でも説明したような様々な不具合が発生する。
ヒートシンク48に入射してくる光線エネルギ密度は極めて高く、光→熱変換が効率的に行われる程、ヒートシンク48の温度は高くなる。したがって過酷な温度昇降がある中においても、ヒートシンク48と透明プラスチック材料49との密着状態は確保されなければならない。
このため、過酷な温度条件の中においても、ヒートシンク48と透明プラスチック材料49の密着状態を維持確保するため、ヒートシンク48に、公知の表面処理を行い、インサート成形時にヒートシンク48と透明プラスチック材料49が、前記表面処理層の物質を仲介として化学的に強固に結合するようにすればよい。
上記公知の表面処理とは、例えば一般式(化1)で示されるトリアジンチオール類の水溶液、又はメチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、アセトン、トルエン、エチルセルソルブ、ジメチルホルムアルデヒド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ベンゼン、酢酸エチルエーテルなどの有機溶剤を溶媒とした溶液を電着溶液として用い、金属を陽極に、白金板チタン板またはカーボン板などを陰極とし、これに20V以下で、0.1mA/dm〜10mA/dmの電流を、0〜80℃、0.1秒〜10分間、通じて行う低音高速処理を特徴とする金属の電気化学的表面処理法である(参照文献、特許第1840482号公報。)。
Figure 2005128169
また、上記(化1)において、Rは−OR´、−SR´、−NHR´、−N(R´);R´はアルキル基、アルケニル基、フェニル基、フェニルアルキル基、アルキルフェニル基又はシクロアルキル基、またMはH、Na、Li、K、1/2Ba、1/2Ca、脂肪族一級、二級及び三級アミン類、4級アンモニウム塩などである。
なお、上記透明プラスチック材料のこの種のものとしては、ノルボルネン系の樹脂、例えばJSR社製の商品名「アートンF5023」、「アートンFX4726」、「アートンD4532」、また脂環式ポリオレフィン系樹脂で、側鎖に極性基を有する樹脂がある。
なお、本発明の樹脂として、本実施の形態1の光学素子の冷却装置では、プラスチック材料49をヒートシンク48に射出合体成形しているが、光透過性のあるシリコーンラバー体のような高分子エラストマを射出成形材料として用いても良い。
上述したように、従来例で示したプリズム冷却装置の光学結合媒体、すなわち封止ガラスと液体が占めている容積領域を、光透過率の高い透明な樹脂成形体に置き換えることにより、封止ガラスを液密にシールするための接着作業、液体封止作業等がなくなり、より簡単な構成で安価な光学素子の冷却装置及びこの冷却装置を用いたビデオプロジェクタを提供することが出来る。
本発明にかかる光学素子の冷却装置は、簡単な構成で安価に提供することが可能な効果を有し、ビデオプロジェクタ等として有用である。
DMDデバイスのなかに形成されたマイクロミラーの構成及び動作を説明する図 従来のプリズム冷却装置が搭載されたビデオプロジェクタの概略構成図 従来のビデオプロジェクタにおいてプリズム冷却装置が無い場合の、不用光の進行経路を説明する図 従来のプリズム冷却装置の構成図 従来のプリズム冷却装置において不用光が多段反射しながら吸収消滅していく過程を示す説明図 本発明にかかる実施の形態1における光学素子の冷却装置が搭載されたビデオプロジェクタの概略構成図 本発明にかかる実施の形態1における光学素子の冷却装置の構成図 本発明にかかる実施の形態1における光学素子の冷却装置において不用光が多段反射しながら吸収消滅していく過程を示す図
符号の説明
1 DMD
2 マイクロミラー
3 カラープリズム
4、5 プリズム
6 空気層
8 投射レンズ
9 プリズム冷却装置
41 カラープリズム
42、43 プリズム
44 空気層
45 マイクロミラー
46 投射レンズ
47 プリズム冷却装置
48 ヒートシンク
48a フィン
48b 櫛歯状突起
49 透明プラスチック材料
49a 平面部
L DMDへの入射光
Rm 投射光
Rn 不用光
R1,R2,R3,R4 不用光の光線進路

Claims (5)

  1. 金属を主成分とする放熱体と、
    光透過性を有し、樹脂の射出成形時に前記放熱体と合体成形結合されている樹脂成形体とを備えた光学素子の冷却装置。
  2. 前記放熱体は、表面に黒色ニッケルメッキが施されている請求項1記載の光学素子の冷却装置。
  3. 前記放熱体は、前記樹脂成形体との接合部に複数の櫛歯状の凹凸部を有する請求項1記載の光学素子の冷却装置。
  4. 前記放熱体の前記樹脂成形体との接合部の凸部の先端は、入射光線と実質上平行になるように、前記入射光線の角度と実質上同程度の傾斜を有している請求項3記載の光学素子の冷却装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光学素子の冷却装置と、
    入射される光に応じて、前記入射光を異なる二方向のうちいずれか一方向に反射するデジタルマイクロミラーデバイスと、
    入射光を投射する投射レンズと、
    前記デジタルマイクロミラーデバイスと前記投射レンズの間に設置され、前記光学素子の冷却装置の樹脂成形体と密着接合されているプリズムとを備え、
    前記樹脂成形体は、前記プリズムと近似する屈折率を有し、
    前記異なる二方向は、前記プリズムを透過して前記投射レンズに入射する方向と、前記プリズムの前記光学素子の冷却装置が設置されている方向であるビデオプロジェクタ。
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