JP2005125440A - 宝石類の研削加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 宝石類を研削する上での方向性を見定めた上で研削加工を開始できるようにして、宝石のカット面を研磨する加工のNC化に寄与する宝石類の研削方法を提供する。
【解決手段】 数値制御工作機械を用いて宝石類60の研削を行う研削加工方法であって、回転する砥石車22の砥石面でワークを研削を試行するときの研削抵抗を複数の各試行位置について順次測定し、測定結果に基づいて研削抵抗の小さな方向を判定し、砥石車22の砥石面上で研削抵抗の低い方向にワークを送りながらカット面の正規の研削を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、宝石類の研削方法に係り、特に、NC化した工作機械を用いて砥石車に宝石類を押し付けてカット面を仕上げる研削加工方法に関する。
ダイヤモンド、ルビー、サファイヤなどの宝石は、原石から様々な加工工程を経て、カット構造をもつ宝石に仕上げられる。宝石の美しさは、カット構造に依存しているといってもよいくらいであり、精密な加工があって宝石の価値は高まる。
例えば、宝石の代表例としてダイヤモンドについて説明すると、ダイヤモンドは、等軸晶系に属する炭素の単結晶である。ダイヤモンドの原石は、その結晶の形が歪んだり、変形した形で産出されるものがほとんどであり、ダイヤモンド原石そのものは、くすんでいて輝きなどほとんどみられないただの結晶体である。ところが、原石を削ったり研磨して平滑な面をカットすると、カットされた面から入射した光が反射することによって艶のある美しい輝きが生まれる。ダイヤモンドの宝石としての価値は、加工技術の確立によりはじめて生み出されたとされている。
ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すカット構造については様々な試行錯誤が行われ、数学者のマルセル トルコフスキーが光を最高度に反射させるアイデアリーカットを1919年に数学的に証明した以後、近年では、ダイヤモンドはこのアイデアリーカットに準じて各部分の角度と比率が規定されているカット構造(以下、ブリリアントカットという)に加工されている。
そこで、図9は、ダイヤモンドのブリリアントカットを示す。ブリリアントカットの各部は、次のような名称が与えられている。すなわち、大きく分けると、上部のクラウン1、下部のパビリオン2に分かれ、クラウン1とパビリオン2の境の周縁がガードル3と呼ばれている。クラウン1の天井面がテーブル4、クラウン1の斜面がベゼル5、パビリオン2の頂点がキューレット6と呼ばれている。
このようなブリリアントカットのダイヤモンドは、58面体カットになっており、クラウン1、パビリオン2、テーブル4などの各部の寸法比率は厳密に規定されている。そして、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出せるかどうかは、ダイヤモンドを精密に設計通りのブリリアントカットにする加工技術にかかっており、ブリリアントカットのカット面のシンメトリーがわずかでも狂うと、光はパビリオン2から漏れてしまい輝きは減少し、宝石としての商品価値は大きく低下する。
ダイヤモンドは、宝石としての価値が追求される一方で、その比類のない固さを利用して工具に広く利用されている。そして、工業用ダイヤモンドの分野では、宝石的価値は問題とされないため加工が容易であり、ダイヤモンドツールや超硬合金ツールのR部を研削するための工作機械がいろいろと発明されている(例えば特許文献1参照)。
特開平2−224961号公報
しかしながら、宝石としての価値を追求するダイヤモンドを扱う分野では、工業製品としてダイヤモンドの場合と異なり、歴史的に世界の特定の地域(イスラエル、インド等)でダイヤモンド加工産業が成り立っているという労働集約的な産業しての特殊事情がある上に、高い技量をもつ職人により研磨することが価値の高い宝石を生み出すという考え方が浸透しているため、効率よく、設計どおりのブリリアントカットを高精度に加工するNC化された工作機械は開発されていないのが現状である。
NC化を実現する上でまず問題になるのは、高度の技術をもつ専門の職人であれば、勘と経験によって臨機応変に回転している砥石にダイヤモンドを押し当てながら加工するといったような非定型的な部分である。NC工作機械では、プログラムで命令された通りに正確に動くという利点は、その反面で命令通りにしか動かないという欠点でもある。
例えば、ダイヤモンドには方向性があって、方向によっては一向に研削が進まないということがある。その点、高度の技量をもつ職人は、そのような方向性を見定めた上で研磨をするが、NC機械では、方向性とは関係なくプログラムで命令された通りに研削するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、宝石類を研削する上での方向性を見定めた上で研削加工を開始できるようにして、宝石のカット面を研磨する加工のNC化に寄与する宝石類の研削方法を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、円盤状の砥石車と、この砥石車を水平面内で回転させる砥石軸を有する砥石回転装置と、ベッド上をX軸方向に移動するテーブルと、前記テーブル上をZ軸方向に移動するコラムと、前記コラムの案内に沿って鉛直のY軸方向に移動するサドルと、チャック部に保持されるワークである宝石類のカット面を割り出す割出手段を有し前記サドルに旋回軸を介して取り付けられたワーク保持軸と、を備えた数値制御工作機械を用いて行う研削加工方法であって、回転する砥石車の砥石面で前記ワークを研削を試行するときの研削抵抗を複数の各試行位置について順次測定し、前記測定結果に基づいて研削抵抗の小さな方向を判定し、前記砥石車の砥石面上で研削抵抗の低い方向にワークを送りながらカット面の正規の研削を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、宝石類の結晶の方向性に起因する研削抵抗の大きな方向を避けて、研削抵抗の小さい方向に送りながら宝石類のカット面を研削することができ、熟練した職人の技に代替するNC化した工程により連続して効率良く、設計通りに精密に加工することができる。
以下、本発明による宝石類の研削加工方法の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態による宝石類の加工方法を実施するのに用いる加工装置の側面図で、図2は同加工装置の平面図である。図1、図2において、参照番号10は、加工装置の全体を示す。参照番号12は、ベッドを示している。この加工装置10は、テーブル14、コラム15、サドル16、ワーク保持軸18、砥石回転装置20などから構成されている。
ベッド12の上面には、砥石回転装置20とテーブル台21が設置されている。砥石回転装置20は、砥石車22を備えている。この加工装置10では、砥石車22を基準にしてこの砥石車22に対して接近しあるいは離れる方向がZ軸の方向で、Z軸の方向に直交する方向であって砥石車22に対して並行する方向がX軸で、鉛直方向がY軸である。
テーブル台21の上面には、X軸方向と平行に延びるX軸案内23a、23bが敷設され、テーブル14は、このX軸案内23a、23bに案内されて移動することができる。そしてテーブル14の上には、Z軸方向と平行に延びるZ軸案内24a、24bが敷設されており、テーブル14に設置されているコラム15は、Z軸案内24a、24bに沿って移動するようになっている。このコラム15の正面には、Y軸案内25a、25bを介してサドル16が鉛直方向に移動可能に取り付けられている。参照番号26は、テーブル14を送るボールねじ機構を駆動するX軸サーボモータを示し、参照番号27がコラム15を送るボールねじ機構を駆動するZ軸サーボモータを示し、参照番号28はサドル16を送るボールねじ機構を駆動するY軸サーボモータである。
サドル16には、研削対象のダイヤモンドを保持するチャック部30を有するワーク保持軸18が取り付けられており、次に、このワーク保持軸18について説明する。
図3は、ワーク保持軸18の側面を示す図で、図4はワーク保持軸18の旋回軸部の断面を示す図である。
研削対象のワークとしてダイヤモンドを参照番号60で示す。ダイヤモンド60は、チャック部30の先端部において着脱可能に保持される。このチャック部30は、ダイヤモンド60のカット面を割り出す割出手段を構成するカービックカップリング32(米国グリーソン社の登録商標)と同軸に連結されている。このカービックカップリング32は、一周360°を32分割して割り出すことができる。図4に示すように、このカービックカップリング32は、エアシリンダ33にエアが供給されピストン33aが下がると、クランプが外れカービックカップリング32の下半分とともチャック部30を1/32周分毎に手動で割り出すことができるようになっている。チャック部30の先端ではダイヤモンド60が強固に保持されるようになっている。ダイヤモンド60の保持は圧入方式によっている。
図4において、参照番号34は、ワーク保持軸18の旋回軸を示しており、この旋回軸34は、X軸の方向と平行である。サドル16には、ブラケット35が取り付けられ、このブラケット35には、支持ブロック36が固着されている。この支持ブロック36の内側にはベアリング37が取り付けられており、このベアリング37によって旋回軸34は回動可能に支承されている。旋回軸34には、U字形の継手部材38が取り付けられており、シリンダ65の上端部は、この継手部材38に固定されている。したがって、継手部材38、エアシリンダ33、カービックカップリング32、チャック部30から構成されるワーク保持軸18は、一体として旋回軸34を中心にY−Z平面内を旋回できるようになっている。この旋回運動の制御軸がA軸である。
図4において、参照番号40は、旋回軸34と接続されているA軸サーボモータを示している。ロータリエンコーダを内蔵しているA軸サーボモータ40の本体は、支持ブロック36に固定された枠体41に取り付けられ、A軸サーボモータ40の回転軸40aは、接手39を介して旋回軸34と連結されている。
次に、図1、図2において、砥石回転装置20について説明する。
円盤状の砥石車22は、同軸に砥石軸42が連結されており、砥石軸42が回転すると、砥石車22は、水平面(X−Z平面)内を回転することができる。図2に示されるように、砥石車22の上面には、円環形の砥石43が固着されている。この砥石43には、ダイヤモンドの粉が混入させてある。
図1において、参照番号50は、数値制御装置を示している。この実施形態では、加工装置10をX軸、Y軸、Z軸、A軸の4軸制御の数値制御工作機械として構成している。
この数値制御装置50は、宝石類の研削に係る加工プログラムを解析して演算した指令をサーボドライブユニット52に送り、このサーボドライブユニット52は、その指令に基づいて、X軸サーボモータ26、Z軸サーボモータ27、Y軸サーボモータ28、A軸サーボモータ40を制御する。位置等をフィードバック制御する制御ループについては、図示が省略されている。
また、砥石回転装置20の砥石軸42は、ケース41の内部に設けられている砥石モータ44によって駆動される。この砥石モータ44は、数値制御装置50から指令された回転速度で回転する。また砥石モータ45を流れる電流の値は電流計45により検出され、検出した電流値のデータは、パソコン46に取り込まれる。数値制御装置50は、試行研削をしたときの位置のデータをパソコン46に転送する。後述するように、このパソコン46では、砥石車22上での研削抵抗を測定するのに必要なデータの処理が行なわれる。
次に、以上のような加工装置を用いて行う研削加工方法について、ダイヤモンドのカット面の研削加工を例に取り上げて説明する。
本実施形態では、ダイヤモンドのブリリアントカットの構造的な特徴をうまく利用して数値制御による研削加工を行うため、まず、ダイヤモンドのブリリアントカットの研削対象の各カット面について説明する。
研削対象のダイヤモンド60は、図9に示した58面体カットのブリリアントカットのダイヤモンドである。図10は、同じくブリリアントカットをクラウン1の方からみた平面図であり、図11は、ダイヤモンドのブリリアントカットをパビリオン2の方からみた平面図である。
ダイヤモンドのブリリアントカットは、テーブル4の中心からキューレット6を通る軸線が回転対称軸100である。クラウン1のカット面は32面、パビリオン2には24面のカット面があり、テーブル4のカット面が1面、キューレット6のカット面が1面で、合計58面である。
図10に示すように、ブリリアントカットのクラウン1のカット面は、その形および配置から区別すると、カット面a、カット面b、カット面c、カット面dの四種類のカット面からなっていることがわかる。このうち、カット面aは、クラウン1の外周に配列しており回転対称軸100に関して45°ずつ対称に8面ある。カット面bは、同じくカット面aに隣接するようにして回転対称軸100に関して45°ずつ対称に8面ある。カット面cは、カット面aとカット面bの間に回転対称軸100に関して45°ずつ8面ある。カット面dは、隣り合うカット面cの間に回転対称軸100に関して45°ずつ8面がある。したがって、ブリリアントカットのクラウン1のカット面については、回転対称軸100についてカット面a〜dのそれぞれの種類毎に45°ずつ回すことで割り出すことができる。
次に、図11において、ブリリアントカットのパビリオン2のカット面についてみると、パビリオン2では、カット面e、カット面f、カット面gの三種類のカット面からなる、各カット面e〜gはそれぞれ8面ずつ回転対称軸100に関して45°ずつ対称である。したがって、パビリオン2のカット面についても、回転対称軸100について種類毎に45°ずつ回すことで割り出すことができる。
ここで、ダイヤモンド60のパビリオン2(クラウン1の各カット面a〜dについても同様である)の研削では、図6において、カット面eを研削する場合と、カット面fを研削する場合、カット面gを研削する場合とで、各カット面e〜gを砥石43の表面に平行にしたときのワーク保持軸18の旋回角度θはそれぞれ異なる(本明細書において、ダイヤモンドのカット面に合わせてワーク保持軸18の旋回角度を合わせることをカット面角度の設定と定義する)。
したがって、カット面e〜gのいずれを研削するかによって、ワーク保持軸18の旋回角度θが変わってくると、当然、ダイヤモンド60のZ軸上の位置が変わってくることになるが、あらかじめダイヤモンド60のブリリアントカットの設計データに基づいて、各カット面について旋回角度θ、Z軸上の位置は計算されている。
次に、ダイヤモンドを研削するときの研削抵抗を測定するための試行研削について説明する。
ダイヤモンドの結晶には方向性があるので、結晶の方向性が砥石43からの研削作用を阻害する可能性がある。そこで、実際の研削を始める前に、以下のようにして、砥石43上の複数の位置で研削を試行して加工負荷を測定し、研削抵抗の小さい方向を確認しておく。ここで、図7は、砥石車22の砥石44上での研削試行位置を示し、この実施形態では、45°づつ対称にP1からP8まで8箇所ある。
まず、図5において、ワーク保持軸18を旋回し、その旋回角度を所望の角度に固定しておく。そして、数値制御装置50はテーブル14のX軸移動、コラム15のZ軸移動を行い、図7における研削位置P1を最初の試行位置として、ワーク保持軸18の先端部を砥石43の中心部に位置決めする。また、Y軸移動を行い、ダイヤモンド60が研削位置P1上の所定の位置に位置するようにする。
次に、研削抵抗を測定するために作成したプログラムを実行する。図8は、研削抵抗測定用プログラムによる数値制御装置の処理内容を示すフローチャートである。
まず、ワーク保持軸18を下降させ、ダイヤモンド60を研削位置に位置決めさせる。数値制御装置50は、研削加工の試行位置がP1〜P8のいずれであるかを示すデータをパソコン46に出力する。そして、砥石車22の半径方向に送りながら所定の速度で切り込み、研削を開始し、砥石モータ44のモータ電流値の読み取りを開始する(ステップS1)。この場合、P1、P5はX軸方向に、P3、P7はZ軸方向に、P2、P4、P6、P8はX−Z軸方向に送ることになる。ダイヤモンド60が設定したY軸位置まで達して、切り込みが終了し、加工位置P1での一方向についてのモータ電流値測定が終了する(ステップS2のYes)。
こうして加工位置P1での研削抵抗の測定が終了したら、ステップS3からステップS4に進んで次の研削位置P2に移動する。そしてステップS1に戻り、研削位置P2について同じように研削抵抗を測定し、以下、同様に、残りの研削位置P3〜P8で砥石車22の半径方向に送りながら研削試行を行って研削抵抗を測定する。測定した各試行研削箇所P1〜P8での研削抵抗のデータは、パソコン46で処理されてモニタに表示される。
以上の研削試行から、図7において、例えば、研削位置P1でX軸方向に送るときが研削抵抗が小さいというように判定することができる。
次に、研削試行により得られた研削抵抗の小さい方向の研削加工プログラムを数値制御装置50で実行し、ダイヤモンド60のパビリオン2の研削を下記に示すように半自動で行うことができる。
まず、加工プログラムを実行すると、テーブル14、コラム15、サドル16が移動し、上述したように、ワーク保持軸18の先端のダイヤモンド60は、図7に示す研削位置P1における研削待機位置に位置決めされる。さらに、本実施形態ではダイヤモンド60は砥石43の中心部に位置決めされる。砥石回転装置20も同時に起動され、砥石車22は所定の回転数で回転を開始する。
次いで、ワーク保持軸18のチャック部30に保持されているダイヤモンド60のカット面eが砥石43で研削される位置まで、Y軸移動によりサドル16が下降する。そして、次のようなX軸移動による送りを行う。
研削加工の間、砥石車22は回転しており、ダイヤモンド60は、機械座標系上でX軸方向すなわち砥石車22の半径方向に砥石44の幅を横断するように位置(j)から位置(i)の間を往復する。そして、このダイヤモンド60が1往復する間に、砥石44の全面がダイヤモンド60に当たるように、数値制御装置50で砥石車22の回転速度およびダイヤモンド60の送り速度を指令して研削を行う。
以後、ダイヤモンド60は、そのカット面eが砥石43の表面に接触しながら砥石43を幅方向に横断するようにX軸方向に往復し、1往復する間に砥石43の全面がダイヤモンド60にあたるようになる。そして、この往復動を続けながら微少な切り込み量Δyだけサドル16を下降させることで、最初の面のカット面eを研削することができる。
以上のようなX軸方向の送りは、研削抵抗の少ない送り方向に相当するので、研削の効率を高めることができる。しかも、ダイヤモンド60は砥石車22の砥石43に一様に当たるようになるので、片減り並びに片減りに起因する精度低下を未然に防ぐことができる。
次に、図7に示すように、研削位置P4での試行研削により、ここが研削抵抗の小さい方向であるとわかったときには、Z軸とX軸の合成送りにより、砥石43の内側の位置(j’)から外側の位置(i’)の間を往復させ、同じようにして、ダイヤモンド60が1往復する間に、砥石43の全面がダイヤモンド60に当たるように、数値制御装置50で砥石車22の回転速度およびダイヤモンド60の送り速度を指令して研削を行えばよい。
こうして最初の面のカット面eの研削が終了したら、サドル16とともにワーク保持軸18は待機位置まで上昇し、ダイヤモンド60は砥石43から逃げる。
その後、カービックカップリング32のエアシリンダ33にエアを供給して、手動でチャック部30を1/8回転だけ回すと、研削の終わった面の次のカット面eの面が砥石43の表面と平行になり次のカット面を割出を行うことができる。そして、エアをオフにしてカービックカップリング32を固定する。その後、最初のカット面と同じ動作がカット面eの全8面について繰り返される。
このようにしてダイヤモンド60のカット面eの全8面の研削が終了したら、再度、サドル16とともにワーク保持軸18は待機位置まで上昇する。そして、パビリオン2のカット面fに対応する旋回角度の指令に基づいてA軸サーボモータ40が制御され、カット面fのうち最初の面が砥石22の表面と平行になるように、ワーク保持軸18が旋回する。以下、カット面eの場合と同様にカット面fの全8面について研削とカット面割出を繰り返して行えばよい。
ダイヤモンド60のパビリオン2において、残ったカット面gの研削についても、同様であり、説明の繰り返しを避けるために説明は省略する。また、ダイヤモンド60のクラウン1の各カット面a〜dについても、ワーク保持軸18のチャック部30の先端からクラウン1が突き出るように図6とは逆向きにダイヤモンド60を保持し、パビリオン2と全く同じようにして研削することができる。
以上のように本実施形態によれば、研削抵抗の小さな方向を見極めて上で、NC化による半自動化した工程によりダイヤモンドのブリリアントカットの一つ一つのカット面を正確に割り出しながら、連続して効率良く、設計通りに精密に研削することができる。
以上、本発明による宝石類の研削加工方法について、好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明が適用可能な加工対象は、ダイヤモンドに限定されるものでなく、多面体の回転対称軸に関して対称なカット面をもつカット構造を有するものであれば、ルビー、サファイヤをはじめとする各種の宝石類に適用することが可能である。また、本発明は、宝石類の研磨にも研削と同様に行うことができる。さらに、本発明は、宝石としての美的価値を高めるカット面の加工に特に利用価値が高いため、便宜上宝石類の加工方法として発明の内容を記述しているが、本発明は、工業用ダイヤモンドの加工にも適用できることはもちろんである。
また、本発明は、ダイヤモンドのカット面を割り出す割出手段を自動化することにより、全自動の加工装置としたものにも適用できることはもちろんである。
本発明による宝石類の研削加工方法を実施するための研削装置の側面図。 同研削装置の平面図。 同研削装置の備えるワーク保持軸を示す側面面図。 同ワーク保持軸の旋回軸部を示す一部切り欠き側面図。 同ワーク保持軸が研削待機位置に旋回した状態の側面図。 本発明の宝石類研削加工方法の一実施形態によるダイヤモンドのブリリアントカットの研磨を示す説明図。 砥石車に対するダイヤモンドの加工位置を示す図。 試行研削中の研削抵抗測定のフローチャート。 ダイヤモンドのブリリアントカットの説明図。 ダイヤモンドのブリリアントカットをクラウンの方からみた平面図。 ダイヤモンドのブリリアントカットをパビリオンの方からみた平面図。
符号の説明
1 クラウン
2 パビリオン
3 ガードル
5 ベゼル
6 キューレット
12 ベッド
14 テーブル
15 コラム
16 サドル
18 ワーク保持軸
20 砥石回転装置
22 砥石車
26 X軸サーボモータ
27 Z軸サーボモータ
28 Y軸サーボモータ
30 チャック部
32 カービックカップリング(割出手段)
34 旋回軸
40 A軸サーボモータ
42 砥石軸
60 ワーク(ダイヤモンド)
100 回転対称軸

Claims (3)

  1. 円盤状の砥石車と、この砥石車を水平面内で回転させる砥石軸を有する砥石回転装置と、ベッド上をX軸方向に移動するテーブルと、前記テーブル上をZ軸方向に移動するコラムと、前記コラムの案内に沿って鉛直のY軸方向に移動するサドルと、チャック部に保持されるワークである宝石類のカット面を割り出す割出手段を有し前記サドルに旋回軸を介して取り付けられたワーク保持軸と、を備えた数値制御工作機械を用いて行う研削加工方法であって、
    回転する砥石車の砥石面で前記ワークを研削を試行するときの研削抵抗を複数の各試行位置について順次測定し、
    前記測定に基づいて研削抵抗の小さな方向を判定し、
    前記砥石車の砥石面上で研削抵抗の低い方向にワークを送りながらカット面の正規の研削を行うことを特徴とする宝石類の研削加工方法。
  2. 正規の研削では、研削抵抗の小さな方向と一致する前記砥石車の半径方向にワークを送り、ワークが砥石幅を横断して1往復する間に、砥石全面がワークに当たるような砥石回転数と送り速度で研削することを特徴とする請求項1に記載の宝石類の研削加工方法。
  3. 前記ワークは、58面体カット構造のダイヤモンドであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の宝石類の研削加工方法。
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