JP2005121863A - 画像記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度で且つセーフライト適性にも優れた画像記録材料を提供すること。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも(1)高分子バインダー、(2)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、(3)レーザー光吸収色素、(4)チタノセン系重合開始剤、および(5)トリアジン系重合開始剤を含有する感光性組成物からなる重合性感光層を有し、さらにその上に、酸素遮断層を有する画像記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像記録材料に関するものであり、詳しくは、高感度でセーフライト適性に優れた重合性平版印刷版に関するものである。
従来、平版印刷版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版が広く用いられ、その製版方法として、通常は、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及し、それに対応した新しい画像出力方式が種々実用される様になってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介す事無く、直接印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が望まれ、これに適応した印刷版用原版を得ることが重要な技術課題となっている。
このような走査露光可能な平版印刷版を得る方式の一つとして、親水性支持体上に設けるインク受容性の感光性樹脂層(以下、感光層ともいう)に、感光スピードに優れた光重合系組成物(以下、感光性組成物ともいう)を用いた構成が提案され、既に上市されている。該構成の原版は、現像処理が簡便であり、さらに解像度、着肉性、耐刷性、汚れ性に優れるといった望ましい刷版、印刷性能を有する。
上記、感光性組成物は基本的にはエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、重合開始剤系、必要に応じ、高分子バインダーからなり、画像形成は、重合開始剤系が光吸収し、活性ラジカルを生成、エチレン性不飽和化合物の付加重合を引き起こし、感光層の不溶化を生じるものである。
光重合型の感光性平版印刷版を露光・製版する光源としては、従来Arレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)の様な長波長の可視光源が用いられてきたが、より高速で書き込む事による生産性の向上が望まれている。しかしながら、従来型のフォトポリマーCTPシステムでは、光源の出力が十分高くないことや、感材の感度が十分高く無い事から、実現されていない。さらに、従来のシステムはArレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)に対応するため、500nm付近で高感度な感材を使用する必要があることも望ましくない。即ち、結果として、段ボール包装等からの版の取り出し、プレートセッターのカッセットへの装てん、プレートセッターへの版の挿入といった作業は、すべて暗い赤灯セーフライト下で行う必要があり、作業性が著しく悪く、明室での取扱可能とすることが望まれていた。
一方、近年、例えば、InGaN系やZnSe系の材料を用い、350nmから450nm域で連続発振可能な半導体レーザーが実用段階となっている。これらの短波光源を用いた走査露光システムは、半導体レーザーが構造上、安価に製造出来るため、十分な出力を有しながら、経済的なシステムを構築できるといった長所を有する。また近年ではYAGレーザー(1064nm)の第3高調波(355nm)を用いたレーザーが市販され、高出力紫外レーザーとして注目されている。さらに、従来のFD−YAGやArレーザを使用するシステムに比較して、より明るいセーフライト下での作業が可能な感光域が短波な感材が使用できる可能性がある。
ところで、重合型感光性平版印刷版を工業的に生産し、そして製版・印刷工程での実作業に使用するには、次の問題点があつた。重合型感光性組成物の光化学反応としては、ラジカル連鎖重合反応を利用したものが特に高感度化には有効であるが、該反応は空気中の酸素の影響を受けると連鎖重合が初期あるいは途中で停止してしまうため、通常、感光性組成物層の表面に更に酸素不透過性の透明保護層(酸素遮断層)を設ける必要がある。しかしながら、保護層の塗布工程においては、塗布液が透明であるため、その取扱い並びに塗布装置での塗布液膜の状態を容易に確認することが困難であり、更には、塗布乾燥後の塗膜状態を検査するのが容易ではない。特に、これらの工程では、赤色灯などの比較的暗いセーフライト下で作業が行われるため、作業効率が低下し、誤って、該透明保護層の欠陥を見逃してしまう場合も多々あり得た。この場合、製版・印刷の実作業においても、透明保護層の欠陥を確認することは同様に困難であり、結局は感光性平版印刷版を露光・現像処理して初めて、保護層の欠陥部分に画像が形成されていないことに気が付くというトラブルを生じることになっていた。
これに対して、例えば400nmよりも500nmにおける透過率が小さい顔料を感光性組成物に含有させることでセーフライト適性を向上させることが特許文献1(特開2001−33961号公報)において提案されている。また特許文献2(特開2001−305742号公報)には、感光層と酸素遮断層の間の中間層、あるいは酸素遮断層の上方の最上層に着色層を設けることでセーフライト適性を向上させることが記載されている。さらに、特許文献3(特開2001−305741号公報)、特許文献4(特公平7−60268号公報)および特許文献5(特開平8−137096号公報)には酸素遮断層に着色剤を添加して着色させてセーフライト適性を向上させることが開示されている。
しかしながら、いずれもセーフライト適性向上と高感度化の両立効果が不十分であった。特に、酸素遮断性保護層または中間層を着色させると、自動現像機内の該層を除去する水洗浴の水が着色するため、水洗浴を汚染し、下水に流すことができなくなる。また、感光層中に顔料を添加してセーフライト適性を改良するには、多量の顔料を添加しなければならず、カスが発生しそのため自動現像機の現像浴を汚染してしまうという問題があった。
一方、重合型感光性平版印刷版の感度を高めると、逆にセーフライトに対しても光反応を起しやすくなり、いわゆる光カブリというトラブルが発生しやすくなって、セーフライト下での感光性平版印刷版の取扱いが制限され、場合によっては、より暗く、色味も黄色やオレンジ色から赤色のセーフライトに変更せざるを得なくなったり、また、外部からの光の漏れ込みにも細心の注意を払う必要がでてきて、却って作業性が低下するという矛盾があった。特に、従来の感光性平版印刷版と比較して高感度の感光性平版印刷版においてこのようなセーフライト適性が問題になってきた。
特開2001−33961号公報 特開2001−305742号公報 特開2001−305741号公報 特公平7−60268号公報 特開平8−137096号公報
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、高感度で且つセーフライト適性にも優れた画像記録材料を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、感光層の重合開始剤として、2種の特定の開始剤を併用することによって、走査露光可能な十分な感度と、明るいセーフライトでの作業性が両立しうる事を見出し、本発明を完成したものである。
即ち本発明は以下の通りである。
(1) 支持体上に、少なくとも(1)高分子バインダー、(2)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、(3)レーザー光吸収色素、(4)チタノセン系重合開始剤、および(5)トリアジン系重合開始剤を含有する感光性組成物からなる重合性感光層を有し、さらにその上に、酸素遮断層を有する画像記録材料。
(2) 前記酸素遮断層の25℃、60%RHでの酸素透過率が0.5ml/m・day・atm以上である前記(1)に記載の画像記録材料。
(3) 前記酸素遮断層が、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンを質量比95:5〜50:50で含有する前記(1)または(2)に記載の画像記録材料。
(4) 前記酸素遮断層が、ケン化度が50〜95%の範囲のポリビニルアルコールを含有する前記(1)または(2)に記載の画像記録材料。
(5) 前記酸素遮断層が酢酸ビニルとビニルピロリドンとの共重合体を含有し、その共重合モル比が95:5〜50:50、ケン化度が50%以上である前記(1)または(2)に記載の画像記録材料。
(6) 前記酸素遮断層の塗布量が0.5〜2.3g/mである前記(1)〜(5)の何れか1項に記載の画像記録材料。
本発明によれば、高感度で且つセーフライト適性が大幅に改善された画像記録材料が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態である重合性平版印刷版について詳細に説明する。
〔1.酸素遮断層〕
最初に、本発明の特徴である、重合性感光層の上に設けられる酸素遮断層について説明する。
本発明における酸素遮断層は、25℃、60%RHでの酸素透過率が0.5ml/(m・day・atm)以上であることが好ましく、より好ましくは0.7〜20ml/(m・day・atm)、さらに好ましくは1.0〜15ml/(m・day・atm)の範囲である。
本発明の酸素遮断層には主成分として、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンを質量比95:5〜50:50の範囲で含有することが好ましい。ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの質量比としてより好ましくは90:10〜60:40、さらに好ましくは85:15〜70:30の範囲である。
また本発明の酸素遮断層には、ケン化度が50%以上のポリビニルアルコールを含有させることが好ましく、ケン化度としては50〜95%がより好ましく、60〜92%がさらに好ましく、70〜90%が特に好ましい。
また、酸素遮断層には、上記ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンの代わりに、酢酸ビニルとビニルピロリドンとの共重合体を含有してもよい。その場合、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合モル比としては、95:5〜50:50が好ましく、より好ましくは90:10〜60:40、さらに好ましくは85:15〜70:30の範囲であり、ケン化度として好ましくは50%以上、より好ましくは60〜92%、さらに好ましくは70〜90%の範囲である。
ポリビニルアルコールとしては、例えば71〜100%加水分解され、重合度が300〜2400の範囲のもの等が挙げられる。具体的には株式会社クラレ製PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
ポリビニルピロリドンとしては、具体的にはK17、K30、K60、K85、K90、K115等が挙げられる。
ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンの分子量は、重量平均分子量Mwでそれぞれ2,000〜500,000の範囲が好ましく、より好ましくは5,000〜200,000の範囲、更に好ましくは10,000〜150,000の範囲である。また、酢酸ビニルとビニルピロリドンとの共重合体を用いる場合の共重合体の分子量は、2,000〜500,000の範囲が好ましく、より好ましくは5,000〜200,000、更に好ましくは10,000〜150,000の範囲である。
本発明の酸素遮断層は、感光層上に設けられるが、その設け方としては塗布が挙げられ、塗布する場合には、溶媒が用いられるのが一般的である。塗布する際に用いる溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を純水と混合したもの等が挙げられる。そして塗布溶液中の固形分の濃度は1〜20質量%が適当である。本発明の酸素遮断層には更に塗布性を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
界面活性剤としては、表面張力を低下させるものであれば、ノニオン系、アニオン系、両性フッ素系など、どのようなものでもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能であるが、特に好ましいのはアルキルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤、アルキルベタイン類、下記式(1)で示されるポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤である。
1−O−(R2−O)n H (1)
式(1)中、R1は置換基を有してもよい炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい炭素数4〜15の複素芳香族環基(該置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示し、R2は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基(該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる)を示し、nは1から100の整数を表す。また式(1)の(R2−O)nの部分は、上記範囲であれば、2種、または3種の基であってもよい。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の組み合わせのランダムまたはブロック状に連なったものが挙げられる。
界面活性剤として更に具体的には、下記式(2)で示される化合物が好ましく使用できる。
n2n+1O−(CH2CH2O)mH (2)
式(2)中、nは5から25の整数を表し、mは3から40の整数を表す
上記式(2)で示される構造を有する化合物の好ましい例としては、BL−9EX(n=12、m=9)、MYL−10(n=11、m=10)、EMALEX710(n=12、m=10)、BC15−TX(n=16、m=15)等の市販品を挙げることができる。また、界面活性剤の添加量は、酸素遮断層全量に対し、好ましくは0.2〜8質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%、最も好ましくは1〜3質量%である。
これら界面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。
水溶性の可塑剤としては例えば、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマー等を添加してもよい。
酸素遮断層の被覆量(塗布量)は特に制限されないが、酸素透過率を上げるためには乾燥後の質量で0.5〜2.3g/mの範囲とするのが好ましく、より好ましくは0.8〜2.0g/m、更に好ましくは1.0〜1.8g/mである。
〔2.重合性感光層〕
次に、本発明の好ましい実施形態である重合性平版印刷版を構成する、重合性感光層について説明する。本発明の重合性感光層は、少なくとも(1)高分子バインダー、(2)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、(3)レーザー光吸収色素、(4)チタノセン系重合開始剤、および(5)トリアジン系重合開始剤を含有する感光性組成物からなる。
感光性組成物の各構成成分について以下詳細に説明する。
(1)高分子バインダー
本発明の感光層には、高分子バインダーとして、分子内にカルボキシル基を含有するアルカリ可溶性ポリウレタン系バインダーを用いるのが好ましい。
該ポリウレタンバインダーは、特に限定されないが、
1.下記式(1')で表されるジイソシアネート化合物の少なくとも1種と式(1")で表されるジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物で表される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂、
2.前記構造単位を基本骨格とし、重合末端となるジイソシアネート化合物由来のイソシアネート基を付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノアルコール化合物、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノアミン化合物で反応させたポリウレタン樹脂等が挙げられる。
OCN−X0−NCO (1')
HO−Y0−OH (1")
(式中、X0、Y0は2価の有機残基を表す。)
前記1の好ましいポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を0.4meq/g以上有するポリウレタン樹脂である。好適に使用されるポリウレタン樹脂は、下記式(1)で表されるジイソシアネート化合物と、式(2)、(3)、(4)のジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物で表される構造単位および/または、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物から由来される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂である。
Figure 2005121863
式中、L8は置換基を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。必要に応じ、L8中はイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。
1は水素原子、置換基(例えば、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子、(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR113、−OR113、−NHCONHR113、−NHCOOR113、−NHCOR113、−OCONHR113(ここで、R113は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L10、L11、L12はそれぞれ同一でも相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また必要に応じ、L10、L11、L12中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。なおR1、L10、L11、L12のうちの2または3個で環を形成してもよい。
Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
前記ポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは重量平均で1000以上であり、さらに好ましくは5000〜50万の範囲である。
上記式(1)で示されるジイソシアネート化合物と、式(2)、(3)、(4)のジオール化合物のそれぞれの具体例、および1.ポリウレタン樹脂の好ましい具体例等については、特開平11−352691号公報(段落番号〔0021〕〜〔0149〕)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記2のポリウレタン樹脂の好ましい具体例等については、特開2001−109139号公報(段落番号〔0085〕〜〔0088〕)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記2のポリウレタン樹脂は、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、またはポリカーボネートジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物で表される構造を有するポリウレタン樹脂であることが好ましい。
(2)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物
本発明における重合性感光層に含有される付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、重合末端であるエチレン性不飽和二重結合基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはこれらの混合物ならびにこれらの共重合体等の化学的形態をもつものである。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。更に、前述のエステルモノマーの混合物もあげることができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(Q1)COOCH2CH(Q2)OH (A)
(ただし、Q1およびQ2は、独立してHあるいはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも、使用することができる。
具体的には、NKオリゴ U−4HA、U−4H、U−6HA、U−108A、U−1084A、U−200AX、U−122A、U−340A、U−324A、UA−100(以上、新中村化学工業製)、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(以上、共栄社油脂製)、アートレジン UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、SH−380G、SH−500、SH−9832(以上、根上工業製)等を挙げることができる。
なお、これらエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の使用量としては、重合性感光層の全成分の5〜90質量%が好ましく、より好ましくは10〜80質量%の範囲である。
(3)レーザー光吸収色素(増感色素)
本発明における重合性感光層中に含有されるレーザー光吸収色素(増感色素)としては、その吸収波長が350〜450nmの短波長域にある色素が好ましく用いられる。
本発明において用いられるレーザー光吸収色素としては、従来レーザー露光用増感色素として公知のものを使用することができる。
具体的には、特開2003−221517号公報に記載されている下記一般式(I)で表されるトリアリールアミン系増感色素が挙げられる。
Figure 2005121863
(式(I)中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立して水素原子または一価の非金属原子団を表す。また、R5は、R1、R2、R3、R4と脂肪族性または芳香族性の環を形成するために結合することができる。Ar1、Ar2は、それぞれ独立に置換基を有してもよい芳香族基または芳香族複素環残基を表す。G1、G2はそれぞれ独立して一価の非金属原子団を表す。)
一般式(I)について詳しく説明する。R1、R2、R3、R4、R5(以下R〜Rと略記する場合がある)が表す一価の非金属原子団としては、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子を表す。
1〜R5の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、
アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、
アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、
アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、
ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、もしくは多環芳香族環が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していても良い。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
該置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られるR1、R2、R3、R4、R5として好ましい置換アルキル基の置換基は、任意であるが、好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、
N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、
N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
1〜R5として好ましい置換アミノ基の具体例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基等を挙げることができる。
1〜R5として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
1〜R5として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、
スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
1〜R5として好ましい芳香族複素環残基の具体例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していても良い。
Ar1、Ar2における置換もしくは非置換の芳香族基または芳香族複素環残基としては、R1〜R5で詳しく説明したものと同様のものが挙げられるが、化合物の結晶性が高くなる芳香族複素環残基がより好ましい。
次に、一般式(1)におけるG1およびG2としては、R1〜R5で説明した例が挙げられるが、特に好ましくは以下の具体例が挙げられる。
例えば、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、
N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、
ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては特開2003−221517号公報に具体例として示されたものが挙げられる。
本発明において用いられるレーザー光吸収色素としては、下記一般式(II)で表される化合物もまた有用である。
Figure 2005121863
(式(II)中、Aは置換基を有しても良い芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子または=NR7を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表す。但し、R2、R3、R4、R5、およびR6のうち少なくとも1つは、−OR8で表される置換基を表し、R8は独立に一価の非金属原子団を表す。nは1〜6の整数を表す。)
一般式(II)について以下に詳しく説明する。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8(以下R1〜R8と略記する場合がある)が表す一価の非金属原子団としては、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換のアルキニル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、アシル基、およびハロゲン原子を表す。
1〜R8の好ましい例について具体的に述べる。
好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、
N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、
ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
1〜R8として好ましい芳香族複素環基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、もしくは多環芳香族環が用いられ、特に好ましい芳香族複素環基の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジンや等が挙げられ、これらは、さらにベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していても良い。
また、R1〜R8として好ましいアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。
これら置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
該置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られるR1〜R8として好ましい置換アルキル基の、具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
さらに、R1〜R8として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
1〜R8として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、
アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
2、R3、R4、R5、R6としては水素原子または置換若しくは非置換のアルキル基が特に好ましい。また、R8としては置換若しくは非置換のアルキル基がより好ましく、さらに好ましくは、エチル基またはメチル基が挙げられる。
nは2以上5以下が好ましく、より好ましくは2或いは3である。
次に、一般式(II)におけるAについて説明する。Aは置換基を有しても良い芳香族環またはヘテロ環をあらわし、置換基を有しても良い芳香族環またはヘテロ環の具体例としては、一般式(II)中のR1〜R8で記載したものと同様のものが挙げられる。
以上に述べた一般式(II)で表される増感色素の内、下記一般式(III)で表される構造を有する増感色素が、高い増感能を有する上に保存安定性に優れた感光性組成物を与えるため、特に好ましい。
Figure 2005121863
(式(III)中、X1は酸素原子又は硫黄原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R9およびR10はそれぞれ独立に一価の非金属原子団を表す。但し、R2、R3、R4、R5、およびR6のうち少なくとも1つは、−OR8で表される置換基を表し、R8は独立に一価の非金属原子団を表す。nは1〜6の整数を表す。)
一般式(III)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR8は、一般式(II)と同義であり、R9およびR10は、それぞれ独立に一価の非金属原子団を表し、好ましい具体例は、前記R2、R3、R4、R5、R6で述べた基が挙げられる。R9、R10のより好ましい例としては、置換基を有してもよいアリール基又は複素環基が挙げられる。
本発明の一般式であらわされる増感色素は、上に示したような酸性核や、活性メチレン基を有する酸性核と、置換、もしくは非置換の、芳香族環またはヘテロ環との縮合反応によって得られるが、これらは特公昭59−28329号公報を参照して合成することができる。
以下に一般式(II)で表される化合物の好ましい具体例(D1)〜(D32)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合による異性体については明らかでなく、本発明はどちらかの異性体に限定されるものでもない。
Figure 2005121863
Figure 2005121863
本発明の増感色素に関しては、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行うことができる。また、増感色素と後述の活性剤化合物のラジカル、酸または塩基の発生パート等との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。さらに、本発明の感光層の好ましい使用態様である、(アルカリ)水系現像液への処理適性を高める目的に対しては、親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)の導入が有効である。特にエステル型の親水性基は、感光層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。その他、例えば、感光層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入することができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入することで、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させることができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
これらの増感色素のどの構造を用いるか、単独で使用するか2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計に合わせて適宜設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用することで、感光層への相溶性を高めることができる。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用することにより、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ感光層の膜物性の点からも有利である。感光層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化させる目的に対しては、このような低い吸光度の方がかえって硬化度を上げられる場合もある。また、吸光度が3以上のような高い領域では、感光層表面で大部分の光が吸収され、より内部での硬化が阻害され、例えば印刷版として使用した場合には膜強度、基板密着性の不十分なものとなる。比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版としての使用に際しては、増感色素の添加量は、感光層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。平版印刷版として利用する場合には、通常、感光層成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
(4)チタノセン系重合開始剤
本発明の重合性感光層に用いることができるチタノセン系重合開始剤としては、種々のものを用いることができるが、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号各公報に記載されている各種チタノセン化合物から適宜選んで用いることができる。
具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下A−1と記す)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下A−2と記す)、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(以下A−3と記す)等を挙げることができる。
(5)トリアジン系重合開始剤
本発明の重合性感光層に用いることができるトリアジン系重合開始剤としては、好ましくは下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物が挙げられる。
Figure 2005121863
(式(1)中、Xはハロゲン原子を表し、Yは−CX、−NH、−NHR、−NRまたは−ORを表し、R及びRはそれぞれ独立に−CX、アルキル基、アリール基、アルケニル基または複素環基を表す。)
上記において、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、および臭素原子が好ましい。RおよびRのアルキル基としては炭素数1〜10のものが好ましく、アリール基としてはフェニル基またはナフチル基が好ましく、アルケニル基としては炭素数1〜10のものが好ましく、複素環基としては酸素又は窒素原子を有する5〜7員環が好ましく、また縮合環を形成してもよい。
またアルキル基、アリール基、アルケニル基および複素環基は各々置換基を有していてもよく、置換基としてはシアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよいビニル基等を挙げることができる。
一般式(1)で示されるトリアジン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005121863
一般式(1)で表されるトリアジン化合物は、特公平6−42074号および特公平6−93117号の各公報に記載の方法にて合成することができる。
本発明における重合開始剤の量は、高分子バインダー成分(アルカリ可溶性樹脂)とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(付加重合性モノマー成分)との合計に対して0.01質量%から70質量%の範囲で使用するのが好ましい。より好ましくは、1質量%から50質量%で良好な結果を得る。
また、チタノセン系重合開始剤の添加量としては、高分子バインダー成分と付加重合性モノマー成分との合計に対して0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%であり、トリアジン系重合開始剤の添加量としては同様に0.01〜20質量が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
また、開始剤にはアミン化合物、チオール化合物等の助剤を加えてもよく、特に好ましいものは下記一般式で表されるアミン化合物およびアミノ酸類である。
Figure 2005121863
(式中、R8〜R18は、それぞれアルキル基を表わす。)
Figure 2005121863
(式中、R19〜R22は、それぞれアルキル基またはアルコキシ基を表し、R21とR22は環を形成してもよい。R23は複素環基またはアルキルチオ基を表す。)
Figure 2005121863
(式中、R28、R29は同一または異なり、置換基を有していてもよく不飽和結合を含んでいてもよい炭化水素基、あるいはヘテロ環基を表す。R26、R27は同一または異なり、水素原子、置換基を有していてもよく不飽和結合を含んでいてもよい炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基を表わす。また、R26、R27は互いに結合して環を形成し、−O−、−NR24−、−O−CO−、−NH−CO−、−S−、および/または、−SO2−を環の連結主鎖に含んでいてもよい炭素数2から8のアルキレン基を表す。R24、R25は水素原子、置換基を有していてもよく不飽和結合を含んでいてもよい炭化水素基、或いは置換カルボニル基を表す。)
また、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等のジアルキル安息香酸エステル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のビスアミノベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンジル等のビスアミノベンジル、
Figure 2005121863
N−フェニルグリン、N−フェニルグリシンナトリウム塩が挙げられる。
〔その他の成分〕
本発明の重合性平版印刷版の重合性感光層においては、以上の基本成分の他に、感光性組成物の製造中あるいは保存中において付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、重合性感光層組成物の全成分の約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で重合性感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、重合性感光層組成物の全成分の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
更に重合性感光層の着色を目的として、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue15:3、15:4、15:6等)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。着色剤の添加量は、重合性感光層組成物の全成分の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、重合性感光層組成物の全成分の10質量%以下が好ましい。また、重合性感光層組成物には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加することができる。
本発明において、重合性感光層組成物は、後に詳述する所望により各種表面処理を施された支持体上に、塗工されることになるが、重合性感光層組成物を支持体上に塗工する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用し得る溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメーチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等がある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。尚、塗布溶液中の固形分濃度は、1〜50質量%が適当である。本発明の重合性平版印刷版において重合性感光層の被覆量は、塗布乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当であり、より好ましくは0.3〜5g/m2であり、更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
〔3.支持体〕
次に、本発明において使用される支持体について説明する。本発明で使用され得る支持体は、表面が親水性であれば如何なるものでも使用され得るが、寸度的に安定な板状物が好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、また、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む。)、亜鉛、銅等のような金属またはその合金(例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルとの合金)の板、更に、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチックのフィルム、上記の如き金属または合金がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。これらの支持体のうち、アルミニウム板は寸度的に著しく安定であり、しかも安価であるので特に好ましい。更に、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。通常その厚さは0.05mm〜1mm程度である。
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、後述する砂目立て処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは隔極酸化処理等の表面処理がなされていることが好ましい。
〔3−1.砂目立て処理〕
砂目立て処理方法は、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的砂目立て、化学的エッチング、電解グレイン等がある。更に塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て方法、およびアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を用いることができ、上記砂目立て方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。その中でも本発明において有用に使用される表面粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に砂目たてする電気化学的方法であり、適する電流密度は100C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で電解を行うことが好ましい。
このように砂目立て処理されたアルミニウム支持体は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングされる。酸をエッチング剤として用いる場合は、微細構造を破壊するのに時間がかかり、工業的に本発明を適用するに際しては不利であるが、アルカリをエッチング剤として用いることにより改善できる。本発明において好適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃であり、アルミニウムの溶解量が5〜20g/m3となるような条件が好ましい。エッチングの後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸としては、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が挙げられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法、および、特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。尚、本発明において好ましいアルミニウム支持体の表面粗さ(Ra)は、0.3〜0.7μmである。
〔3−2.陽極酸化処理〕
以上のようにして処理されたアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理は、当該技術分野において従来より行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて、水溶液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を流すと、アルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当である。これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法、および、米国特許第3,511,661号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。本発明においては、陽極酸化皮膜は1〜10g/m2であることが好ましく、1g/m2未満であると版に傷が入りやすく、10g/m2を超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利である。好ましくは、1.5〜7g/m2であり、更に好ましくは、2〜5g/m2である。
更に、本発明においては、支持体は、砂目立て処理および陽極酸化後に、封孔処理を施されてもよい。かかる封孔処理は、熱水および無機塩または有機塩を含む熱水溶液への基板の浸漬並びに水蒸気浴などによって行われる。また本発明で使用される支持体には、アルカリ金属珪酸塩によるシリケート処理以外の処理、たとえば弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理などの表面処理が施されてもよい。
本発明においては、支持体(アルミニウムの場合には、上記の如く適宜表面処理を施されたアルミニウムが好ましい)上に、前記した重合性感光層組成物からなる重合性感光層を塗工し、次いで保護層を塗工することで、重合性平版印刷版が形成されるが、重合性感光層を塗工する前に必要に応じて有機または無機の下塗り層を設けてもよいし、特開平7−159983号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理を施してもよい。
有機下塗層を形成する物質としては、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等が挙げられる。更に具体的には、有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸等の有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸等の有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液を支持体上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、支持体を浸漬して上記有機化合物を吸着させ、しかる後、水等によって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等いずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム等の塩基性物質や、塩酸、リン酸等の酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、重合性平版印刷版の調子再現性改良のために、黄色染料を添加することもできる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。
また、無機下塗り層に用いられる物質としては、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、フッ化チタン酸カリウム等の無機塩等が挙げられ、この無機下塗り層の設け方は、上記した有機下塗り層と同様である。
かくして得られた重合性平版印刷版は、Arレーザー(488、514.5nm)、半導体レーザー(350〜450nm、特に、405nm)、YAGレーザー(532nm(第二高調波)、355nm(第三高調波)、266nm(第四高調波))等により直接露光された後、現像処理される。尚、画像露光後、現像までの間に、光重合性感光層の硬化率を高める目的で50℃〜150℃の温度で1秒〜5分の時間の加熱プロセスを設けてもよい。また、レーザー露光後に重合反応を促進させる目的や、刷版性向上のため等にさらに後曝光を行っても構わない。加えて、加熱しながら後曝光しても良い。
かかる現像処理に使用される現像液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤を併用してもよい。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
また更に現像液に、以下に記すその他の界面活性剤を加えてもよい。その他の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能であるが、特に好ましいのはアルキルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤、アルキルベタイン類、下記式(1)で示されるポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤である。
1−O−(R2−O)n H (1)
式(1)中、R1は置換基を有してもよい炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい炭素数4〜15の複素芳香族環基(該置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示し、R2は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基(該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる)を示し、nは1から100の整数を表す。また式(1)の(R2−O)nの部分は、上記範囲であれば、2種、または3種の基であってもよい。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の組み合わせのランダムまたはブロック状に連なったものが挙げられる。
これら界面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。また、これら界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で0.1〜20質量%が好ましい。
本発明において、前記現像液には上記の成分の他に、必要に応じて以下の様な成分を併用することができる。例えば安息香酸、フタル酸、p−エチル安息香酸、p−n−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−2−ヒドロキシエチル安息香酸、デカン酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の有機カルボン酸;イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤;この他、キレート剤、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明の重合性平版印刷版の前記現像液による現像は、常法に従って、0〜60℃、好ましくは15〜40℃程度の温度で、例えば、露光処理した重合性平版印刷版を現像液に浸漬してブラシで擦る等により行う。更には自動現像機を用いて現像処理を行ってもよく、その場合には、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。尚、本発明においては、重合性感光層の上に保護層が設けられているが、前記した現像液を用いて、保護層の除去と感光層の未露光部の除去を同時に行ってもよいし、または、水、温水で保護層を先に除外し、その後未露光部の感光層を現像液で除去してもよい。これらの水または温水には、例えば特開平10−10754号公報に記載の防腐剤、特開平8−278636号公報に記載の有機溶剤等を含有させることができる。
使用する現像液のpHは10〜13.5の範囲が好ましく、より好ましくはpH11〜13、更に好ましくは11.3〜12.7である。
このようにして現像処理された重合性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発明の重合性平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。上記のような処理により得られた印刷版は、特開2000−89478号公報に記載の方法による後露光処理やバーニング等の加熱処理により、耐刷性を向上させることができる。次いで、以上のような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例をもって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、%および各比は、特記しない限り質量基準である。
〔重合性感光性平版印刷版の作成〕
厚さ0.30mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後、20%HNO3で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸化したところ厚さが2.7g/m2であった。
このように処理されたアルミニウム板上に、下記の手順で下塗り層を設けた。
(下塗り用液状組成物)
下記化合物 50質量部
メタノール 130質量部
水 20質量部
パラトルエンスルホン酸 5質量部
テトラエトキシシラン 50質量部
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 50質量部
Figure 2005121863
この液状塗布液を、上記の処理されたアルミニウム板上に、0.1g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させた。
このようにして得られた下塗り層上に、下記組成の重合性感光性組成物を乾燥塗布質量が1.4g/m2となるように塗布し、120℃で90秒乾燥させ、感光層を形成した。
(重合性感光性組成物)
エチレン性不飽和二重結合含有モノマー(下記A1) 0.54質量部
バインダー(B1、Mw=7万)
MDI/HMDI/DMPA/TEG/PPG1000=
40/10/26/13/11(モル比) 0.46質量部
色素(下記S1) 0.0074質量部
色素(下記S2) 0.023質量部
増感助剤(下記E1) 0.15質量部
チタノセン系重合開始剤(下記D) 0.10質量部
トリアジン系重合開始剤(例示化合物1−7) 0.0138質量部
着色剤
ε−フタロシアニン(下記F1)、
アリルメタクリレート/メタクリル酸=80/20(Mw=5万)、及び
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの15/10/75
分散物 0.40質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780F
(30%MEK溶液、大日本インキ化学工業(株)製)0.006質量部
重合禁止剤 クペロンAL/トリクシルホスフェート=10/90
0.016質量部
メチルエチルケトン 6.0質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 5.0質量部
Figure 2005121863
Figure 2005121863
Figure 2005121863
この感光層上に表1の素材からなる6%水溶液を、酸素遮断性保護層として乾燥塗布質量を表1に示すように塗布し、100℃で90秒乾燥させ、光重合性平版印刷版を得た。
この様にして得られた40×60cmの重合性平版印刷版を、Violetレーザー(405nm)を搭載した富士写真フイルム(株)製Luxel Plate Setter
Vx−9600 CTPにセットした。上位のコンピューターシステムより、画像処理する様に指示を与えた。重合性平版印刷版は50μJ/cm2、1000dpi、100lpiの条件で画像露光した。
その後、G&J社(デンマーク)製自動現像機InterPlater85HDを用い、プレヒート部に於いて版面温度が版裏面中央部で115℃になるように後加熱し、プレ水洗槽に於いて水で酸素遮断性保護層を水洗除去した。
その後、現像槽に於いて富士写真フイルム(株)製現像液DV−2:水=1:4を用い、25℃で20秒間現像した。その後、水洗槽に於いて水洗し、ガム槽に於いて富士写真フイルム(株)製フィニッシングガムFP−2W:水=1:1で標準処理を行い、加熱部に於いて50℃の温風で乾燥した。その時、ガムの塗布量は乾燥質量で150mg/m2であった。
(重合性平版印刷版の評価)
〔G/S感度〕
富士写真フイルム(株)グレースケールステップガイドP(透過吸光度が0.15刻みの15段ステップ)を感材にテープで貼り付け、その上からベタ露光を行い、上記条件で現像し評価した。
〔セーフライト適性〕
25℃、60%RHに設定した恒温恒湿室で電灯を消した暗室状態で感材を予め24時間さらした。次に、Encapsulite International(株)製フィルターFV30(約500nm以下をカットしたオレンジ灯)を白色蛍光灯に巻きつけ、60Luxの条件下に重合性平版印刷版を一定時間さらし、製版した。その後、上記条件にさらさずに製版した感材と30%部の網点面積をCenturfax社製Ccdotで比較評価し、セーフライト光でかぶり、2%以上網点が増加するまでの時間を求めた。
〔酸素遮断層の酸素透過率測定条件〕
両面を約20μmのポリエチレンでコートした約200μmの印画紙に、感光層上に塗布するのと同様に酸素遮断層を塗布乾燥し、測定用のサンプルを作成した。印画紙の酸素透過率は、下記条件下で約700ml/(m・day・atm)であるので、酸素遮断層の測定には十分無視できる。
JIS K7126B及びASTM D3985に記載の気体透過度試験方法に則り、モコン社製 OX−TRAN2/20を用い、25℃60%RHの条件で酸素透過率ml/(m・day・atm)を測定した。
上記評価結果を表1に示す。
Figure 2005121863
表1から明らかなように、本発明に係る重合性平版印刷版は感度およびセーフライト適性の両方において優れていることが判る。

Claims (6)

  1. 支持体上に、少なくとも(1)高分子バインダー、(2)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、(3)レーザー光吸収色素、(4)チタノセン系重合開始剤、および(5)トリアジン系重合開始剤を含有する感光性組成物からなる重合性感光層を有し、さらにその上に、酸素遮断層を有する画像記録材料。
  2. 前記酸素遮断層の25℃、60%RHでの酸素透過率が0.5ml/m・day・atm以上である請求項1に記載の画像記録材料。
  3. 前記酸素遮断層が、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンを質量比95:5〜50:50で含有する請求項1または2に記載の画像記録材料。
  4. 前記酸素遮断層が、ケン化度が50〜95%の範囲のポリビニルアルコールを含有する請求項1または2に記載の画像記録材料。
  5. 前記酸素遮断層が酢酸ビニルとビニルピロリドンとの共重合体を含有し、その共重合モル比が95:5〜50:50、ケン化度が50%以上である請求項1または2に記載の画像記録材料。
  6. 前記酸素遮断層の塗布量が0.5〜2.3g/mである請求項1〜5の何れか1項に記載の画像記録材料。
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JP2013028125A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Fujifilm Corp レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法

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