JP2005120247A - 自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 - Google Patents

自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 Download PDF

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孝之 佐々木
Shigeo Hatano
茂夫 波田野
Katsuji Kuribayashi
克次 栗林
Takeshi Yamashita
剛 山下
Koji Maeda
孝司 前田
Yoshihiro Noguchi
好洋 野口
Tetsuya Imai
哲也 今井
Kazuto Mizachi
一人 見坐地
Naoki Tsuruta
直樹 鶴田
Kenji Imatoku
健司 今徳
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Abstract

【課題】 低周波数から高周波数領域において良好な吸音性能を有する自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームの提供。
【解決手段】 ポリオールとポリイソシアネートとを金型内で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、ポリオールが、官能基数が3〜4、水酸基価が26〜35、末端に15〜20質量%のオキシエチレン基を有するポリオキシプロピレンオキシエチレンポリオール(A)を50〜80質量%、および、官能基数が3、水酸基価27〜38のポリオキシアルキレンポリオール中でアクリロニトリルを含む単量体を重合して得られる、ポリマー微粒子の含有量が20〜30質量%のポリオール(B)を10〜20質量%含むポリオールと、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物を用い、前記金型の上型面と下型面の温度差が15〜40℃である方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法に関し、特に、低周波数領域から高周波数領域まで良好な吸音特性を有する、自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法に関する。
従来、ダッシュインシュレーターに代表される自動車用防音材としては、高比重のゴムまたはオレフィンのシート状表皮と、軟質ポリウレタンフォームまたはフェルト等の繊維質材料とを接着させた複合材料が用いられていた。これらは防音性能のうち、主として遮音性能の効果を有するものであった。
しかし、上記複合材料は質量が重いため、近年進められている車輌の軽量化対応には不向であり、製造コストも高いという問題がある。また、車室内の騒音をより静かにするニーズが近年高まってきており、防音材としては、遮音性能より吸音性能の向上が求められるようになったが、上記複合材料は、吸音効果が充分ではなかった。
これらの問題を解決するため、密度の異なるフェルトを2層に積層してなる積層体からなり、広範囲の周波数領域において良好な吸音性能を有する防音材が実用化されたが、成形サイクルが長く、工程数も多く、生産性、コストの面で問題があった。
一方、軟質ポリウレタンフォームは、フェルトの積層体に比較してワンショット成形が可能でかつ短時間で成形でき、生産性が高いメリットがある。また、フェルトに比較して弾力性に富むため車体の形状に追随しやすく取付け性にも優れるメリットがある。更に、反応初期は液状であるため複雑な形状にも対応しやすくデザインの自由度も高い。このことから、軟質ポリウレタンフォームを用いた防音材が提案された(特許文献1)。しかし、特許文献1に記載の軟質ウレタンフォームでは、高周波数領域(1kHz以上)では優れた吸音特性を示すが、低周波数領域(1kHz以下)では吸音性能が劣っており、自動車用防音材としては吸音特性が不充分であった。
特開平10−121597号公報
本発明は、生産性、車体への取付け性等に優れた軟質ポリウレタンフォームからなる防音材であって、低周波数領域から高周波数領域までの広い領域で良好な吸音特性を有する、自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォーム、およびその製造方法を提供する。
本発明は下記の発明である。
ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤の存在下金型内で反応させて製造された自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームであって、
ポリオールが、下記ポリオール(A)をポリオール全体に対して50〜80質量%、および、下記ポリオール(B)をポリオール全体に対して10〜20質量%含み、
ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物であって、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがポリイソシアネート全体に対して10〜65質量%であり、
全密度が75〜120kg/m、上型面から5mmまでの層の密度と、下型面から5mmまでの層の密度との差が10kg/m以上、かつ発泡方向の厚さが10〜40mmであることを特徴とする、軟質ポリウレタンフォーム。
ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤の存在下金型内で反応させて自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
ポリオールが、下記ポリオール(A)をポリオール全体に対して50〜80質量%、および、下記ポリオール(B)をポリオール全体に対して10〜20質量%含み、
ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物であって、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがポリイソシアネート全体に対して10〜65質量%であり、
前記金型の上型面の温度と下型面の温度との差を15〜40℃とすることを特徴とする自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
ポリオール(A):官能基数が3〜4、水酸基価が26〜35mgKOH/g、末端に15〜20質量%のオキシエチレン基を有するポリオキシプロピレンオキシエチレンポリオール。
ポリオール(B):官能基数が3、水酸基価27〜38mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール中で、アクリロニトリルを含む単量体を重合して得られるポリマー分散ポリオールであって、ポリマー微粒子の含有量がポリオール(B)全体に対して20〜30質量%であるポリマー分散ポリオール。
本発明により、生産性、車体への取付け性に優れ、複雑な形状にも対応しやすい軟質ポリウレタンフォームからなる防音材であって、低周波数領域から高周波数領域までの広い領域で良好な吸音特性を有する自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームを提供できる。
本発明において、下記ポリオール(A)をポリオール全体に対して50〜80質量%、および、下記ポリオール(B)をポリオール全体に対して10〜20質量%含むポリオールを使用する。
ポリオール(A):官能基数が3〜4、水酸基価が26〜35mgKOH/g、末端に15〜20質量%のオキシエチレン基を有するポリオキシプロピレンオキシエチレンポリオール。
ポリオール(B):官能基数が3、水酸基価27〜38mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール中で、アクリロニトリルを含む単量体を重合して得られるポリマー分散ポリオールであって、ポリマー微粒子の含有量がポリオール(B)全体に対して20〜30質量%であるポリマー分散ポリオール。
(ポリオール(A))
ポリオール(A)は、官能基数が3〜4、水酸基価が26〜35mgKOH/g、末端に15〜20質量%のオキシエチレン基を有するポリオキシプロピレンオキシエチレンポリオールである。
ポリオール(A)は、開始剤および触媒の存在下、プロピレンオキシドを開環付加重合させ、ついでエチレンオキシドを開環付加重合することにより製造できる。開始剤は官能基数3〜4のものであり、アルコール類、アミン類等やこれらに少量のアルキレンオキシドを開環付加して得た低分子量化合物等が挙げられる。具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、meso−エリスリトール、メチルグルコシドおよびこれらに少量のアルキレンオキシドを開環付加して得た低分子量の化合物(分子量の上限は1200程度)が挙げられる。これらは混合して使用してもよい。
ポリオール(A)の官能基数が3〜4であることにより、良好なポリオールシステム粘度が得られ、かつ製造されるフォームにおいては、良好な発泡安定性、通気性、硬さ(製品の形状安定性)等が得られる。
(ポリオール(B))
ポリオール(B)は、開始剤の官能基数が3、水酸基価27〜38mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール中で、アクリロニトリルを含む単量体を重合して得られるポリマー分散ポリオールであって、ポリマー微粒子の含有量が(B)全体に対して20〜30質量%であるポリマー分散ポリオールである。
ポリオール(B)の分散媒となるポリオキシアルキレンポリオールは、開始剤および触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドが挙げられ、プロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの組合せが好ましい。
本発明において、ポリオール(B)を使用することにより、良好な発泡安定性、フォームの良好な通気性、フォームの良好な硬さ等が発現しやすい。
本発明のポリオールは、(A)、(B)以外のポリオールをさらに含んでいてもよい。このようなポリオールとしては、水酸基価が7〜100mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、7〜60mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。またこのようなポリオールはポリオール全体に対して0〜40質量%が好ましく、0〜25質量%が特に好ましい。
(架橋剤)
本発明は、必要に応じて架橋剤を使用できる。架橋剤としては、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基等の活性水素含有基を2個以上有する化合物が好ましい。ただし、架橋剤としてポリオール化合物を用いる場合は、水酸基価が400mgKOH/g以上、かつ、官能基数が4を超えるポリオール化合物を架橋剤という。
架橋剤としては、ソルビトール、蔗糖等の多価アルコール類、該多価アルコールにアルキレンオキシドを付加させて得られたポリオール類、エチレンジアミン等のポリアミン等が挙げられる。
(ポリイソシアネート)
本発明においてポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物であって、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートをポリイソシアネート全体に対して10〜65質量%含むものを使用する。トリレンジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)およびそれらの混合物が好ましい。
このような特定のポリイソシアネートを使用することにより、軟質ポリウレタンフォームの、発泡安定性、フォーム物性並びに経済性の面から好ましい。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、通常イソシアネートインデックス(ポリオール、架橋剤、水等のすべての活性水素数の合計に対するイソシアネート基の数の100倍で表される数値)で表すが、本発明においては、イソシアネートインデックスで50〜110が好ましく、55〜95がより好ましい。
(発泡剤)
本発明においては、発泡剤を使用する。発泡剤としては、水または不活性ガスが好ましい。水が特に好ましい。不活性ガスとしては、空気、窒素、炭酸ガスが挙げられる。発泡剤の使用量は特に限定されないが、水を使用する場合、ポリオール全量100質量部に対して10質量部以下が好ましく、0.1〜8質量部がより好ましい。その他の発泡剤も発泡倍率等の要求に応じて適切な量を使用できる。
(触媒)
ポリオールとポリイソシアネートを反応させる際、触媒を使用できる。触媒としてはアミン化合物や有機金属化合物等が挙げられる。
自動車ガラスの曇現象(フォギング)の防止や自動車内装に使用されているポリカーボネート樹脂の汚染(白化)の防止の観点から分子量500以下でありかつ分子内に水酸基を有する3級アミン触媒が好ましい。分子量が500より大きいと分子内の水酸基と有機ポリイソシアネートとの反応性が低下するので好ましくない。
分子量500以下であり分子内に水酸基を有する3級アミン触媒としては、具体的には、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノ−6−ヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノールに2モルのエチレンオキシドを付加した化合物、5−(N,N−ジメチル)アミノ−3−メチル−1−ペンタノ−ル等があるがこれらに限定されない。
また、その他の3級アミン触媒も使用でき、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等がある。
3級アミン触媒の使用量は、ポリオールの全量100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、0.5〜3.0質量部が特に好ましい。
また、触媒としては有機金属化合物模使用できる。有機金属化合物としては、有機スズ化合物、有機ビスマス化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物等がある。たとえば、ジ−n−ブチルスズオキシド、ジ−n−ブチルスズジラウレート、ジ−n−ブチルスズジアセテート、ジ−n−オクチルスズオキシド、ジ−n−オクチルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロリド、ジ−n−ブチルスズジアルキルメルカプタン、ジ−n−オクチルスズジアルキルメルカプタン等がある。これら有機金属化合物の使用量はポリオール100質量部に対して1.0質量部未満、特に0.005〜1.0質量部が好ましい。
(その他の添加剤)
さらに、良好な気泡を形成するための整泡剤も多くの場合使用される。整泡剤としては、たとえばシリコーン系整泡剤や含フッ素化合物系整泡剤等がある。その他、任意に乳化剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;可塑剤、着色剤、難燃剤、抗カビ剤、破泡剤等の公知の各種添加剤、助剤を必要に応じて使用できる。
(製造方法)
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造においては、ポリオール、発泡剤、整泡剤および任意に他の配合剤を混合して製造したポリオールシステム液とポリイソシアネートの2成分を混合させる。または、ポリオールと、発泡剤、触媒、整泡剤及びその他の配合剤の混合物と、ポリイソシアネートの3成分に分けてこれらを混合する形態も採用できる。具体的には例えば、触媒、整泡剤および液化炭酸ガスの混合物、ポリオール、およびポリイソシアネートを混合させる方法が採用できる。
ポリウレタンフォームは、2成分または3成分の各原料を発泡装置を用い混合し、得られる反応性混合物を上型と下型とからなる金型内に注入し、金型を密閉後、発泡硬化させることにより製造する。この際、金型の上型面の温度と下型面の温度との差を15〜40℃とすることを特徴とする。また金型の温度は、上型面、下型面それぞれ30〜70℃であることが好ましい。
また、各成分の混合は、通常の低圧発泡装置または高圧発泡装置を用いて高圧撹拌(衝突撹拌)により行うことができる。さらに、ポリオールシステム液の粘度は、3000mPa・s(25℃)以下が好ましい。この粘度以上であると流動性が損なわれ、成形性が悪化する可能性があると共に成形時間の短縮化が図れず生産性も低下する。
(防音材用軟質ポリウレタンフォーム)
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、全密度が75〜120kg/mである。また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、上型面から5mmまでの層の密度と、下型面から5mmまでの層の密度との差が10kg/m以上であり、好ましくは10〜20kg/mである。なお、「上型面(下型面)から5mmまでの層」とは、すなわち、上型(下型)と接していた面から5mmまでの厚みの層をいう。
軟質ポリウレタンフォームを吸音材として用いたとき、低周波数領域と高周波数領域で吸音のメカニズムが異なることが知られている。低周波数領域は、セル膜の共振によるエネルギー吸収である。一方、高周波数領域は多孔質材料の特徴である内部の空気摩擦による吸音であることが知られている(特許文献1)。セル膜の共振は独立気泡性が強いフォーム、空気摩擦による吸音は連通化したフォームで顕著である。すなわち、両者は同一フォームでは両立しにくい特性である。
本発明においては、特定の処方を用い、かつ金型成形する際に上型面の温度と下型面の温度との間に温度差を付ける方法を用いて軟質ポリウレタンフォームを製造することにより、低型温側で形成された厚い表面スキン層と、高型温側で形成された薄いスキン層を併せ持つ軟質ポリウレタンフォームを製造することができる。
このような軟質ポリウレタンフォームは、厚い表面スキン層部分、すなわち高密度部分においては、セル膜の共振による低周波数領域の吸音効果があり、薄いスキン層部分、すなわち低密度部分においては、音が入りやすくすることで空気摩擦による高周波数領域の吸音効果がある。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、発泡方向の厚さが10〜40mmである。発泡方向の厚さは、金型の高さ(厚さ)によって決まるものである。
さらに、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、通気性が5.0〜28.3L/分(通気抵抗値689〜3902Ns/m)であることが好ましく、14.2〜25.0L/分(通気抵抗値780〜1374Ns/m)であることが特に好ましい。なお、本発明における通気性はJIS−K−6400B法に基づくものであり、軟質ポリウレタンフォームの厚さが25mmである場合の通気性をいう。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、吸音特性に優れるものである。特に、フォームの厚さ25mm時の垂直入射法における吸音率測定方法において、0.5〜1kHzの周波数領域で0.35以上、1〜4kHzの周波数領域で0.60以上の吸音特性を有することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。尚、実施例および比較例中の発泡処方欄の数値は質量%を表す。本発明に用いた原料を表1に示す。


































Figure 2005120247
(実施例および比較例)
表2に示す原料のうち、ポリイソシアネート以外の材料を混合し、ポリオールシステム液としたものを、2成分系高圧発泡機の一方のタンクに充填し液温を25±2℃に調整した。他方のタンクに表2に示すイソシアネートを充填し、タンク内液温を25±2℃に調整した。次いで、高圧混合させた原料を金型内に注入し、発泡硬化させ、2分後に脱型を行い、軟質ポリウレタンフォームを得た。射出条件は、射出圧力を15MPa、射出量を300g/秒とし、金型の内寸法は、1m×1m×25mmであった。金型温度は、下型温度を60℃とし、上型温度は30〜60℃の間で変化させた。得られた軟質ポリウレタンフォームの物性および吸音性能を表3に示す。
物性および吸音性能は下記の方法で測定した。
全密度:JIS−K−6400法に準拠する方法。
上型面(下型面)から5mmまでの層の密度:型に面した5mmの厚みの層を切り取り、その部分の密度を測定した。表では「上型(下型)5mm層密度」と記載した。
通気性:JIS−K−6400B法に準拠する方法。
垂直入射吸音率:得られたフォームそれぞれを、打抜き機(ダンベル社製 SDL−100H)を用いて、円形に打抜き、サンプルとした。このサンプルを用い、下記の条件で、上型から音を入射した際の垂直入射吸音率、および、下型から音を入射の垂直入射吸音率を測定した。
装置:Bruel&Kjaer社製垂直入射吸音測定管 型番4206
測定サンプル:0.5kHz、1kHz:100mm円形打抜き品
2kHz、4kHz:29mm円形打抜き品
Figure 2005120247

















Figure 2005120247
表3から明らかなように、特定の処方を用い、かつ上型面の温度と下型面の温度差を15〜40℃とすることにより、0.5〜1kHzの周波数領域で0.35以上、1〜4kHzの周波数領域で0.60以上の吸音特性を有する軟質ポリウレタンフォームが得られる。特定の処方を用いても、上型面の温度と下型面の温度差が15℃未満である比較例1、2においては、1〜4kHzの周波数領域では0.60以上の吸音特性を有するが、0.5〜1kHzの周波数領域における吸音特性が充分ではない軟質ポリウレタンフォームしか得られない。
本発明により得られる軟質ポリウレタンフォームからなる防音材は、生産性、車体への取付け性に優れ、複雑な形状にも対応しやすく、低周波数領域から高周波数領域までの広い領域で良好な吸音特性を有する自動車用防音材として好適である。

Claims (4)

  1. ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤の存在下金型内で反応させて製造された自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームであって、
    ポリオールが、下記ポリオール(A)をポリオール全体に対して50〜80質量%、および、下記ポリオール(B)をポリオール全体に対して10〜20質量%含み、
    ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物であって、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがポリイソシアネート全体に対して10〜65質量%であり、
    全密度が75〜120kg/m、上型面から5mmまでの層の密度と、下型面から5mmまでの層の密度との差が10kg/m以上、かつ発泡方向の厚さが10〜40mmであることを特徴とする、軟質ポリウレタンフォーム。
    ポリオール(A):官能基数が3〜4、水酸基価が26〜35mgKOH/g、末端に15〜20質量%のオキシエチレン基を有するポリオキシプロピレンオキシエチレンポリオール。
    ポリオール(B):官能基数が3、水酸基価27〜38mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール中で、アクリロニトリルを含む単量体を重合して得られるポリマー分散ポリオールであって、ポリマー微粒子の含有量がポリオール(B)全体に対して20〜30質量%であるポリマー分散ポリオール。
  2. JIS−K−6400B法に基づき測定した、フォームの厚さ25mm時の通気性が5.0〜28.3L/分である、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  3. フォームの厚さ25mm時の垂直入射法における吸音率測定方法において、0.5〜1kHzの周波数領域で0.35以上、1〜4kHzの周波数領域で0.60以上の吸音特性を有する、請求項1または2に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  4. ポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤の存在下金型内で反応させて自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
    ポリオールが、下記ポリオール(A)をポリオール全体に対して50〜80質量%、および、下記ポリオール(B)をポリオール全体に対して10〜20質量%含み、
    ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物であって、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがポリイソシアネート全体に対して10〜65質量%であり、
    前記金型の上型面の温度と下型面の温度との差を15〜40℃とすることを特徴とする自動車用防音材に使用される軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    ポリオール(A):官能基数が3〜4、水酸基価が26〜35mgKOH/g、末端に15〜20質量%のオキシエチレン基を有するポリオキシプロピレンオキシエチレンポリオール。
    ポリオール(B):官能基数が3、水酸基価27〜38mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオール中で、アクリロニトリルを含む単量体を重合して得られるポリマー分散ポリオールであって、ポリマー微粒子の含有量がポリオール(B)全体に対して20〜30質量%であるポリマー分散ポリオール。
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