JP2005119171A - 射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法及び保持圧力設定装置 - Google Patents

射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法及び保持圧力設定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 射出成形における保圧過程の保持圧力の設定を容易にし、成形品のゲートからの距離による収縮異方性の差を小さくする。
【解決手段】 射出成形機の成形過程において、保圧過程における保持圧力を、充填過程から保圧過程への切り替え時点で圧力センサー24により検出した樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定し、この仮設定された圧力に保圧過程の保持圧力を保持した状態で、前記切り替え時点から所定の時間の間、変位センサー19から出力される変位信号を所定の周波数でサンプリングし、このサンプリングした変位信号をグラフ表示データに変換した後、このグラフ表示データに基づいて前記切り替え時点からの時間の経過に伴う射出プランジャーの変位をグラフとして表示部に表示し、この表示部に表示されたグラフから仮設定された圧力が成形収縮率の異方性を最小にする保持圧力かを判別する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金型に熱可塑性樹脂を充填する充填過程と、熱可塑性樹脂の冷却に伴う体積収縮を補うための保圧過程及び金型内の樹脂を冷却する冷却過程を経て成形品の成形を行う射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法及び保持圧力設定装置に関し、さらに詳しくは、射出成形品の流動方向と該流動方向に直交する方向の成形収縮率の異方性が製品内で均一化できるようにした射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法及び保持圧力設定装置に関するものである。
プラスチック成形加工法の一つである射出成形は、短時間に製品を加工できることから広く利用されている。
この射出成形は、製品形状に加工された金型内への溶融樹脂の充填工程、冷却に伴う体積収縮を補う保圧工程、金型内の樹脂を冷却する冷却工程及び成形品の取り出し工程を有し、これら一連の工程を繰り返すことにより、樹脂製品を成形するようになっている。
この場合、金属がプラスチックに比べて線膨張係数が小さいことから、金型の加工寸法に比べて成形品が見かけ上小さくなる成形収縮と呼ばれる現象が起こることが知られている。また、所定の成形品寸法に対して、金型の彫り込み寸法を大きくする見込み割合を成形収縮率と呼んでいる。この成形収縮率は、材料によって異なることが知られており、さらに、成形条件によっても異なることが知られている。
また、射出成形品においては、樹脂の流動方向とそれに垂直な方向に対する線膨張率が異なることから、成形収縮率が流動方向に対して異なるという異方性をもつことが推測される。
成型加工 Vol.13 December 2001 p.812〜p.817 発行所 財団法人 プラスチック成形加工学会
射出成形品における成形収縮率の異方性は、射出成形過程の中でも樹脂が金型内に充填するときに比べて、充填された樹脂が金型内で冷却されるときに起こる体積収縮を補うための保圧過程の条件により大きく影響を受ける。従って、射出成形における成形条件のうちでも、特に保圧過程の条件を制御することにより成形収縮異方性の値や分布を変化させることが可能である。
また、プラスチックは高分子材料であり、分子構造そのものに異方性が存在する。このため、射出成形は、樹脂の流動を伴うため流動方向に分子が配向し易く、成形収縮率を含めた物性の異方性を無くすことは非常に困難である。
また、射出成形品は、ゲートと呼ばれる製品内への樹脂流入口が1カ所以上設けられるが、製品内の任意の個所においてゲートからの距離により成形収縮率が異なることから、通常の手法では収縮率異方性を成形品全体で均一化することは難しかった。
本発明は、金型に熱可塑性樹脂を充填する充填過程と、熱可塑性樹脂の冷却に伴う体積収縮分を補うための保圧過程及び金型内の樹脂を冷却する冷却過程を経て成形品の成形を行うようにした射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法であって、前記金型に熱可塑性樹脂を充填する射出機構の射出プランジャーまたは射出スクリューの前進方向及び後退方向の変位を検出する変位センサーと、前記金型への熱可塑性樹脂の充填圧力を検出する圧力センサーと、表示部を有し、前記保圧過程における保持圧力を、前記充填過程から保圧過程へ切り替えられた時点で前記圧力センサーにより検出された樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定し、前記保圧過程の保持圧力を前記仮設定された圧力に保持するとともに該保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間の間、前記変位センサーから出力される変位信号を所定の周波数でサンプリングし、前記サンプリングされた変位信号をグラフ表示データに変換し、このグラフ表示データに基づいて前記切り替え時点からの時間の経過に伴う前記射出プランジャーまたは射出スクリューの変位をグラフとして前記表示部に表示し、前記表示部に表示されたグラフを基に前記仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力かを判別するように構成したことを特徴とする。
また本発明は、金型に熱可塑性樹脂を充填する充填過程と、熱可塑性樹脂の冷却に伴う体積収縮分を補うための保圧過程及び金型内の樹脂を冷却する冷却過程を経て成形品の成形を行うようにした射出成形における保圧過程の保持圧力設定装置であって、表示部と、前記金型に熱可塑性樹脂を充填する射出機構の射出プランジャーまたは射出スクリューの前進方向及び後退方向の変位を検出する変位センサーと、前記金型への熱可塑性樹脂の充填圧力を検出する圧力センサーと、前記保圧過程における保持圧力を前記充填過程から保圧過程への切り替え時点で前記圧力センサーにより検出された樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定する仮圧力設定手段と、前記仮設定された圧力に前記保圧過程の保持圧力が保持されるように前記射出プランジャーまたは射出スクリューに作用する圧力を制御する保圧制御手段と、前記保圧制御手段による保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間の間、前記変位センサーから出力される変位信号を所定の周波数でサンプリングするサンプリング・ホールド回路と、前記サンプリング・ホールド回路でサンプリングされた変位信号をグラフ表示データに変換し、該グラフ表示データを基に前記切り替え時点からの時間の経過に伴う前記射出プランジャーまたは射出スクリューの変位をグラフとして前記表示部に表示するグラフ表示制御手段とを備え、前記表示部に表示されたグラフを基に前記仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力かを判別するようにしたことを特徴とする。
本発明にかかる射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法においては、保圧過程における保持圧力を、仮圧力設定手段により充填過程から保圧過程へ切り替えられた時点で圧力センサーにより検出した樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定し、この仮設定された圧力に保圧過程の保持圧力を保持するとともに、この保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間の間、変位センサーから出力される変位信号を所定の周波数でサンプリングし、このサンプリングした変位信号をグラフ表示データに変換した後、このグラフ表示データに基づいて前記切り替え時点からの時間の経過に伴う射出プランジャーまたは射出スクリューの変位をグラフとして表示部に表示する。そして、表示部に表示されたグラフから仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力かを判別する。
これにより、射出成形における保圧過程の保持圧力の設定を容易にするとともに、製品の射出成形における成形収縮の異方性を均一化でき、かつ成形品のゲートからの距離による収縮異方性の差を小さくできる。
また、本発明にかかる射出成形における保圧過程の保持圧力設定装置においては、保圧過程における保持圧力を、充填過程から保圧過程へ切り替えられた時点で圧力センサーにより検出した樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定し、この仮設定された圧力に保圧過程の保持圧力が保持されるように保圧制御手段で制御する。そして、この保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間の間、変位センサーから出力される変位信号をサンプリング・ホールド回路により所定の周波数でサンプリングし、このサンプリングした変位信号をグラフ表示制御手段によりグラフ表示データに変換した後、このグラフ表示データに基づいて前記切り替え時点からの時間の経過に伴う射出プランジャーまたは射出スクリューの変位をグラフとして表示部に表示する。そして、表示部に表示されたグラフから仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力かを判別する。
これにより、射出成形における保圧過程の保持圧力の設定を容易にするとともに、製品の射出成形における成形収縮の異方性を均一化でき、かつ成形品のゲートからの距離による収縮異方性の差を小さくできる。
本実施例における最良の形態は、射出成形機による試作品の成形過程において、保圧過程における保持圧力を、充填過程から保圧過程への切り替え時点で圧力センサーにより検出した樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定し、この仮設定された圧力に保圧過程の保持圧力を保持した状態で、前記切り替え時点から所定の時間の間、変位センサーから出力される変位信号を所定の周波数でサンプリングし、このサンプリングした変位信号をグラフ表示データに変換した後、このグラフ表示データに基づいて前記切り替え時点からの時間の経過に伴う射出プランジャーまたは射出スクリューの変位をグラフとして表示部に表示し、この表示部に表示されたグラフから仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力かを判別する。これにより、射出成形における保圧過程の保持圧力の設定を容易にし、成形品のゲートからの距離による収縮異方性の差を小さくし、ヒケや反り、割れなどのない成形品の成形を容易に実現できる。
次に、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の方法を適用したプランジャー式射出成形機及び保圧過程の保持圧力設定システムの全体の構成図である。
この図1に示すプランジャー式射出成形機10は、金型11の開閉及び締めを行う型締め機構12と、樹脂材料を溶融して金型11に充填する射出機構13とを備えている。
前記金型11は固定型111と可動型112とを備え、この固定型111と可動型112との合わせ面には、製品形状に対応するキャビティ113が形成されている。また、前記固定型111は、型締め機構12を構成する固定盤121に取着され、この固定盤121にはスプルブッシュ114が設けられており、射出機構13から供給される溶融樹脂材が前記スプルブッシュ114を通してキャビティ113内に充填されるように構成されている。
前記可動型112は、図1に示すように、型締め機構12を構成する可動盤122に取着され、この可動盤122を含む可動型112は、型締め機構12を構成する型締めシリンダ機構123によって、固定型111に圧接される方向及び固定型111から離間される方向に移動されるように構成されている。
前記射出機構13は、図1に示すように、外周にヒータ131を有し、かつ内部に樹脂押し込み用スクリュー137aを有する樹脂加熱溶融部137と、外周にヒータ131bを有し、かつ先端にノズル132を有するとともに前端部が樹脂加熱溶融部137の先端と連通してスクリュー137aで押し込まれる樹脂を受ける射出シリンダ133と、この射出シリンダ133にその後端から進退可能に嵌合した射出プランジャー134と、この射出プランジャー134を前進及び後退方向に駆動する油圧シリンダ135とを備え、この油圧シリンダ135のピストンロッド135aは射出プランジャー134の後端に連結されている。
また、樹脂加熱溶融部137の後端部には、樹脂加熱溶融部137の内部に連通するホッパー136が設けられており、このホッパー136内にはペレット状の樹脂材料14が収納されている。
前記油圧シリンダ135には、電磁切換弁15及び油圧制御回路16を介して油圧ポンプ17が接続され、電磁切換弁15及び油圧ポンプ17を含む油圧制御回路16はコンピュータからなる制御部18によって制御され管理される構成になっている。また、前記制御部18には液晶またはCRT等からなる表示部29が接続されている。
図1において、19は前記射出プランジャー134の前進方向及び後退方向の変位を検出する変位センサーであり、この変位センサー19には、油圧シリンダ135のピストンロッド135aの前進及び後退方向の移動量を検出できるように構成した差動トランス方式のもの、油圧シリンダ135のピストンロッド135aの前進及び後退方向の移動量を光学的に検出できるように構成したリニアエンコーダ方式のもの、または、油圧シリンダ135のピストンロッド135aの直線運動を回転運動に変換し、この回転量からピストンロッド135aの前進及び後退方向の移動量を光学的に検出できるように構成したロータリエンコーダ方式のものなどが使用される。
また、前記変位センサー19の出力端には、変位センサー19から出力される信号のうち、射出プランジャー134の前進方向及び後退方向の変位に関係する検出信号成分のみを通過させる帯域通過フィルタ(BPF)20と、この帯域通過フィルタ20を通過した検出信号を電圧に変化して増幅する増幅回路21と、この増幅回路21から出力される検出信号を所定の周波数でサンプリングするサンプル・ホールド回路22と、このサンプル・ホールド回路22でホールドされたアナログ信号値をサンプリング毎にディジタル信号に変換するA/D変換回路23とが直列に接続されており、A/D変換回路23から出力されるディジタル信号は前記制御部18に取り込まれるように構成されている。
図1において、24は電磁切換弁15及び油圧制御回路16を介して油圧ポンプ17から油圧シリンダ135に加えられる射出プランジャー134への圧力を検出し、この圧力から金型11への熱可塑性樹脂の充填圧力を得るための圧力センサーであり、この圧力センサー24の出力端には、圧力センサー24から出力される信号のうち、熱可塑性樹脂の充填圧力に関係する検出信号成分のみを通過させる帯域通過フィルタ(BPF)25と、帯域通過フィルタ25を通過した検出信号を電圧に変化して増幅する増幅回路26と、この増幅回路26から出力される検出信号を所定の周波数でサンプリングするサンプル・ホールド回路27と、このサンプル・ホールド回路27でホールドされたアナログ信号値をサンプリング毎にディジタル信号に変換するA/D変換回路28とが直列に接続されており、A/D変換回路28から出力されるディジタル信号は前記制御部18に取り込まれるように構成されている。
前記制御部18は、図2に示すように、前記保圧過程における保持圧力を前記充填過程から保圧過程への切り替え時点で前記圧力センサー24により検出された樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定する仮圧力設定手段181と、この仮圧力設定手段181で仮設定された圧力に保圧過程の保持圧力が保持されるように、前記油圧シリンダ135の油圧制御回路16を制御することで射出プランジャー134に作用する圧力を制御する保圧制御手段182と、この保圧制御手段182による保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間の間、変位センサー19から出力される変位信号をサンプル・ホールド回路22により所定の周波数でサンプリングし、かつ、A/D変換回路23でディジタル信号に変換した後の変位信号をグラフ表示データに変換するとともに、このグラフ表示データを基に前記切り替え時点からの射出プランジャー134の変位状態をグラフとして表示部29に表示するグラフ表示制御手段183と、前記充填過程から保圧過程への切り替え時点で変位センサー19により検出され、かつサンプル・ホールド回路22及びA/D変換回路23を通過した後の変位信号を基に前記切り替え時点における射出プランジャー134の前進位置を求める演算手段184とを備え、前記表示部29に表示されたグラフを基に前記仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力か否かを判別する。また、前記保圧制御手段182は、演算手段184で求められた前進位置に射出プランジャー134が保持されるように油圧シリンダ135の油圧制御回路16を制御する機能を備えている。
次に、上記のように構成されたプランジャー式射出成形機における保圧過程の保持圧力設定方法及び装置の動作について説明する。
樹脂製品の成形に際しては、制御部18からの型締め動作指令に基づき型締め機構12の型締めシリンダ機構123を動作して、金型11を図1に示すように型締めする。しかる後、成形品に応じて制御部18で設定された成形条件にしたがい電磁切換弁15及び油圧制御回路16を制御して、射出機構13の油圧シリンダ135を前進移動させる。これにより、射出シリンダ133内の溶融樹脂材を射出プランジャー134でノズル132からスプルブッシュ114及び図示省略のスプル、ゲート等を通してキャビティ113内に高圧で射出し充填する。この場合、金型11内への樹脂の充填速度は、樹脂の流速が遅くて、しかも、樹脂が冷却されることにより、金型内に樹脂が完全に充填することなく固化して流動が停止するようなことがなければ、どのような充填速度でも収縮異方性の分布に大きく依存しない。
ここで、上記油圧シリンダ135の前進に伴う射出プランジャー134の前進移動位置は変位センサー19により検出され、その検出信号は帯域通過フィルタ20及び増幅回路21を通過した後サンプル・ホールド回路22に出力される。このサンプル・ホールド回路22では、上記検出信号を所定の周波数でサンプリングするとともに、サンプル・ホールド回路22でホールドされたアナログ信号値はA/D変換回路23によりサンプリング毎にディジタル信号に変換され、制御部18に取り込まれる。すなわち、このサンプリング毎のディジタル信号は制御部18のメモリ部185に順次格納される。
一方、樹脂が金型11のキャビティに充填されことにより、金型11内の樹脂圧力が上昇していく。この時の樹脂圧力はノズル132の部分に挿入した圧力センサー24で検出され、その検出信号は帯域通過フィルタ25及び増幅回路26を通してサンプル・ホールド回路27に出力される。このサンプル・ホールド回路27では、上記検出信号を所定の周波数でサンプリングするとともに、サンプル・ホールド回路27でホールドされたアナログ信号値はA/D変換回路28によりサンプリング毎にディジタル信号に変換され、制御部18に取り込まれる。すなわち、このサンプリング毎のディジタル信号は制御部18のメモリ部185に順次格納される。
上記成形条件によるプランジャー式射出成形機の充填過程が終了すると、プランジャー式射出成形機の動作は、充填過程から保圧過程へ切り替えられる。この充填過程から保圧過程に切り替えられた時点(V/P切り替え時点)では、制御部18の仮圧力設定手段181が作動して、保圧過程における保持圧力を、前記切り替え時点で圧力センサー24により検出した樹脂充填圧力より低い所定の圧力Ph=K・Pvpに仮設定する。
ただし、Phは仮設定される保持圧力、Pvpは前記切り替え時点の樹脂充填圧力を示し、また、Kは定数で、K=0.2〜0.4である。
しかる後、仮圧力設定手段181で仮設定された圧力に保圧過程の保持圧力が保持されるように、保圧制御手段182により前記油圧シリンダ135の油圧制御回路16を制御して、射出プランジャー134に作用する圧力を調節する。そして、この保圧制御手段182による保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間(例えば、0.05〜1秒程度)の間、変位センサー19から出力される変位信号をサンプル・ホールド回路22により所定の周波数でサンプリングし、かつ、A/D変換回路23でディジタル信号に変換した変位信号をグラフ表示制御手段183に入力する。このグラフ表示制御手段183では、ディジタル信号に変換された変位信号をグラフ表示データに変換するとともに、このグラフ表示データを基に前記切り替え時点からの射出プランジャー134の変位をグラフとして表示部29に表示する。
したがって、表示部29に表示されたグラフを観察することにより、仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力か否かを判別することが可能になる。
すなわち、表示部29に表示されたグラフの表示結果を観察することにより、射出プランジャー134が前記切り替え時点の位置より後退または前進方向に変位しているか、及び前記切り替え時点の位置にいるか否かを判別する。ここで、射出プランジャー134が前記切り替え時点の位置より後退または前進方向に変位していると判別できた場合は、仮設定された圧力が不適正な保持圧力と判断する。また、射出プランジャー134が前記切り替え時点の位置にいると判別できた場合は、仮設定された圧力が適正な保持圧力であると判断する。
また、射出プランジャー134が後退または前進方向に変位されていると判別できた場合は、仮設定される圧力を変更し、適正な保持圧力と判断されまで前記圧力の設定変更処理、前記サンプリング処理、前記表示処理及び判別を繰り返し実行することにより、射出成形機における成形時の保圧過程に最適な保持圧力及び条件を見出すことができる。
これにより、射出成形における保圧過程の保持圧力の設定が容易になり、製品の射出成形における成形収縮の異方性が均一化され、成形品のゲートからの距離による収縮異方性の差を小さくできるとともに、ヒケや反り、割れなどのない成形品の成形を容易に実現できる。
また、充填過程から保圧過程への切り替え時点で変位センサー19により検出された変位信号を、サンプル・ホールド回路22及びA/D変換回路23を通して演算手段184に入力し、この演算手段184において、前記切り替え時点における射出プランジャー134の前進位置(V/P切り替え位置)を算出する。この演算手段184で算出された前進位置に射出プランジャー134が保持されるように油圧シリンダ135の油圧制御回路16を保圧制御手段182で制御する。これにより、射出成形における成形収縮の異方性を均一化できる。
以下、樹脂製品の射出成形における成形収縮の異方性を均一化できる理由について述べる。
射出成形において溶融樹脂を金型11内に充填するとき、樹脂は大きなせん断変形を受ける。この結果、樹脂の分子が流動方向に配向することにより、成形品の物性に異方性が生じることが知られている。このことから、成形収縮の値は異方性を持つと推測される。
そこで、本願発明者らは、成形収縮の異方性を発現する要因が樹脂の流動に起因する分子配向と考え、樹脂の流動過程である溶融樹脂の金型への充填過程における充填速度と保圧過程における保持圧力の変化に対する成形収縮の変化について検討した。以下に、その実験と結果について述べる。
まず、本実施例の実験に用いる試料には、結晶や強化材の影響が収縮異方性に影響を与えることを避けるため、非晶性の非強化熱可塑性樹脂であるABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂)を使用した。また、試料としてのサンプル品100は、図3及び図4に示すように、長さ200mm、幅40mm、厚さ2mmの平板からなり、この平板状のサンプル品100は、樹脂の流動方向がサンプル品100の長さ方向と同一になるように曲面加工されたファンゲート(図3及び図4に示す部分100Aに対応する)から樹脂を金型内に充填することにより成形されたものである。
また、図3において、流動方向(長さ方向)の線分A−B,B−C,C−D,E−F,F−G,G−H,及び流動方向と直行する方向の線分A−E,B−F,C−G,D−Hは金型に予め形成されたけがき線であり、ABFEで囲まれた領域はゲートに近い領域1を表し、CDHGで囲まれた領域はゲートから遠い領域2を表している。
図3および図4に示すサンプル品100において、流動方向の成形収縮率Sfは(1)式によって算出される。
Sf=(L−L)/L・・・・・・・・・・(1)
ここで、Lは、金型上のけがき線AとB間(あるいはBとC間など)の距離であり、Lはけがき線AとB間(あるいはBとC間など)のそれぞれに対応するサンプル品100における線間の距離であり、これらの距離LとLをマイクロスコープ等の測定器により測定し、これらの測定値を(1)式に代入することにより、流動方向の成形収縮率Shが算出される。
また、流動方向に直交する直交方向の成形収縮率Svも同様に、金型上のけがき線AとE間(あるいはB−F間など)に対応する距離を測定し、この測定値を流動方向の成形収縮率Sfの式と同様な式に代入することにより、直交方向の成形収縮率Svを算出する。
また、この実験例では、ゲートからの距離による収縮異方性について検討を行うため、ゲートに近い領域1と遠い領域2とに測定個所を分けて測定し、その測定値に基づいて、ゲートに近い領域1及び遠い領域2における流動方向の成形収縮率Sf、及び直交方向の成形収縮率Svをそれぞれ算出した。
射出成形機において、溶融樹脂の金型内への充填速度の違いにより、充填中の速度から保圧過程における圧力制御に切り替わる時の金型内の樹脂充填量は微妙に変化することが知られている。そこで、本実施例で行うサンプルの成形は、以下に述べるような手順で成形条件を調整し、それぞれの過程を切り分けるようにした。
最初に、金型内に溶融樹脂を所定の時間に一定流量で充填可能なように射出成形機を調整する。射出機構から金型に充填される樹脂量を徐々に増加すると、ノズル部分に挿入した圧力センサー24により検出される検出信号は金型内の樹脂充填量に伴って上昇する。そして、樹脂が金型のキャビティ内に充填され、さらに充填樹脂量が増加すると、樹脂が金型のキャビティ内に完全に充填されることにより、金型内の樹脂圧力が更に上昇する。この場合、金型内に流入する樹脂は、そのキャビティ内を占有することになる。また、この時得られるサンプルの重量をWfとする。その後、射出成形機を調整し、 0.99Wfとなるまで、金型内に充填する樹脂量を減少させた。これに伴い、サンプル成形の充填過程は、成形品の重量の99%まで一定の流量で樹脂が金型内に充填されることになる。その後、保圧過程における保持圧力を、前記切り替え時点で圧力センサー24により検出した樹脂充填圧力より低い所定の圧力Ph=K・Pvpに仮設定し、この保持圧力でサンプルを成形する。
次に、上記のように成形されたサンプル(ABS)から得られる算出結果を基に成形収縮異方性について考察する。
図5は、本実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における充填速度と成形収縮率との関係を示すグラフであり、白抜きの四角で示す各点はゲートに近い領域1における充填速度の変化に対する流動方向の成形収縮率の変化を表し、また、白抜きの丸で示す各点はゲートから遠い領域2における充填速度の変化に対する流動方向の成形収縮率の変化を表している。また、黒塗りの四角で示す各点はゲートに近い領域1における充填速度の変化に対する直交方向の成形収縮率の変化を表し、また、黒塗りの丸で示す各点はゲートから遠い領域2における充填速度の変化に対する直交方向の成形収縮率の変化を表している。
この図5から明らかなように、成形収縮率は、流動方向に比べて直交方向の方が大きいという異方性を有している。これは、金型への熱伝導によって溶融樹脂の固化層が成長する時、流動に伴って分子が配向し、かつ分子配向方向には線膨張係数が低下するためと考えられる。この結果、分子が流動方向に配向することによって、線膨張係数が流動方向に比べて直交方向で増加し、流動方向の成形収縮率は直交方向のそれに比べて小さくなる。その結果、収縮異方性が発現すると推考される。
また、図5から明らかなように、金型に充填される溶融樹脂の充填速度が変化しても、流動方向とこれと直交する直交方向の成形収縮率はほとんど変化することがない。このことから、射出成形過程で最も大きいと考えられる樹脂充填中に受けるせん断ひずみの差は、成形収縮率にあまり影響されないと考えられる。
図6は、本実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における充填速度と収縮異方性との関係を示すグラフであり、黒塗りの丸で示す各点はゲートに近い領域1における充填速度の変化に対する収縮異方性の変化を表し、また、黒塗りの三角で示す各点はゲートから遠い領域2における充填速度の変化に対する収縮異方性の変化を表している。ここで、各領域1,2の収縮異方性Saは(2)式によって算出される。
Sa=Sv/Sf・・・・・・・・・・・・・(2)
成形収縮率は、流動方向に比べて直交方向の方が大きいことから、成形収縮率の異方性Saは、図6から明らかなように、1より大きい値となる。そして、成形収縮率の異方性Saは、充填速度が変化してもほとんど変化しない。これは、樹脂の分子配向が大きいとき、線膨張係数は小さくなることから、充填速度の違いは、樹脂のせん断速度の違いと考えられるが、金型内に樹脂が流入するときのせん断速度が変化しても、成形品全体の分子配向度はほとんど変化しないためである。
図7は、本実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における保圧過程の保持圧力と成形収縮率との関係を示すグラフであり、白抜きの四角で示す各点はゲートに近い領域1における保持圧力の変化に対する流動方向の成形収縮率の変化を表し、また、白抜きの丸で示す各点はゲートから遠い領域2における保持圧力の変化に対する流動方向の成形収縮率の変化を表している。また、黒塗りの四角で示す各点はゲートに近い領域1における保持圧力の変化に対する直交方向の成形収縮率の変化を表し、また、黒塗りの丸で示す各点はゲートから遠い領域2における保持圧力の変化に対する直交方向の成形収縮率の変化を表している。
この図7から明らかなように、ゲートに近い領域1及び遠い領域2における成形収縮率は保圧過程の保持圧力が大きくなるに従い小さくなる。
すなわち、保圧過程において、樹脂が金型内で冷却されるに伴い、溶融樹脂の体積収縮が起こり、金型内に充填されていた樹脂の表面がくぼむ、いわゆるヒケと呼ばれる現象が生じる。これを回避するために一定の圧力で樹脂を金型内に充填することにより、製品表面をヒケのない形状に保持できる。すなわち、保圧過程の保持圧力が高い時、樹脂の比容積は小さくなり溶融時の樹脂の密度が大きくなる。このことは、保圧過程の保持圧力が大きくなると、溶融樹脂は金型内に高密度で充填されるため、室温付近まで樹脂が冷却された時の体積収縮が小さくなるからである。この結果、保持圧力が高くなると、成形収縮率は小さくなる。
図8は、本実施例における充填過程の終了間じか、すなわち保圧過程に切り替えられる直前から保圧過程中における保持圧力の変化と射出プランジャーの位置との関係を表わしたグラフである。
この図8において、曲線81は保持圧力を20MPaに仮設定した時の射出プランジャーの位置変位を表したものであり、曲線82は保持圧力を40MPaに仮設定した時の射出プランジャーの位置変位を表したものであり、曲線83は保持圧力を60MPaに仮設定した時の射出プランジャーの位置変位を表したものであり、また、曲線84は保持圧力を80MPaに仮設定した時の射出プランジャーの位置変位を表したものである。この時の各保持圧力の設定は、上述した仮圧力設定手段181によって行われる。
また、各曲線81〜84に示すグラフは、充填過程から保圧過程への切り替え時点から変位センサー19で検出された射出プランジャーの変位信号をサンプル・ホールド回路22でサンプリングし、かつ、A/D変換回路23でディジタル信号に変換した後、グラフ表示制御手段183によって表示部29に表示される。
この図8から明らかなように、射出プランジャーは、保持圧力が大きくなるにつれて、樹脂が充填される方向、すなわち前進方向に押し込まれることがわかる。これは、保持圧力の増加につれて樹脂が圧縮されることによると考えられる。また、保圧過程中における射出プランジャーの動きは、保持圧力が変化してもある位置で停止する。これは、所定の保持圧力で金型内へ充填可能な樹脂量があり、所定の樹脂量が金型内に充填されると、それ以上の樹脂が充填できなくなるため、射出プランジャーの動きが停止するものと考えられる。
また、保持圧力が小さい時、射出プランジャーは保圧過程に入ると後退方向に押し戻されるような動きをする。そして、射出プランジャーは保持圧力が低いほど大きく押し戻されるようになる。このことは、射出プランジャーにかかる樹脂圧力が充填過程から保圧過程に切り替わる時、保持圧力が充填圧力に比べて小さいためである。しかし、保持圧力が上がると、射出プランジャーは金型に充填された樹脂によって押し戻されることなく前進するようになる。
また、保持圧力が高くなるにつれて、射出プランジャーの動きが停止する時間が短くなる傾向にある。しかも、保圧過程は充填圧力一定で樹脂が充填する過程であるため、保持圧力が高くなるにつれて、樹脂の流動速度が大きくなる。その結果、サンプルの体積収縮を補うために必要な樹脂量の充填に要する時間が短くなり、収縮異方性を小さくすることになる。
したがって、図8に示すように表示部29に表示されたグラフを作業者等が観察することにより、射出プランジャーが曲線81,82に示すような後退方向、または曲線84に示すような前進方向に変位しているか、曲線83に示すように前記切り替え時点の位置(V/P切り替え位置)にいるか否かを判別する。ここで、後退または前進方向に変位していると判別された時は不適正な保持圧力と判断し、前記切り替え時点の位置にいると判別された時は適正な保持圧力として判断する。すなわち、ABSで成形されたサンプルの場合、保圧過程の保持圧力を図8の曲線83に示す60MPaに設定すれば、成形品の収縮異方性を小さくできる。
図9は、本実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における保圧過程の保持圧力と収縮異方性との関係を示すグラフであり、黒塗りの丸で示す各点はゲートに近い領域1における保持圧力の変化に対する収縮異方性の変化を表し、また、黒塗りの三角で示す各点はゲートから遠い領域2における保持圧力の変化に対する収縮異方性の変化を表している。
この図9から明らかなように、保持圧力が高くなるほど、ゲートに近い領域1および遠い領域2の収縮異方性が小さくなる。そして、保持圧力が50[MPa] を越えると収縮異方性の変化が少なくなる傾向がある。
図10は、本実施例におけるゲートから近い領域1と遠い領域2との成形収縮異方性の差を表したグラフである。
この図10において、収縮異方性はゲートからの距離によって変化し、ゲート近傍の方がそれより遠い領域に対して収縮異方性は大きいことがわかる。そして、ゲートからの距離による収縮異方性の変化は、保持圧力が低いときは高く、保持圧力が上がるに従って減少し、保持圧力が60[MPa]の付近で収縮異方性の変化が最も小さくなる。また、保持圧力が60[MPa]を越えると、収縮異方性は大きくなる傾向を示す。
すなわち、充填過程から保圧過程への切り替え時点における射出プランジャー134の前進位置が保持されるように保圧過程の保持圧力を60[MPa]程度に設定し、この圧力状態が保持されるように、かつ射出プランジャー134の前進位置が保持されるように保圧制御手段182で油圧シリンダ135の油圧制御回路16を制御すれば、ゲートから近い領域1及び遠い領域2の収縮異方性の差を小さくできるとともに、ヒケや反り、割れなどのない成形品を提供することが可能になる。
このように本実施例においては、充填過程から保圧過程への切り替え時点における射出プランジャー134の前進位置が保持されるように保圧過程の保持圧力を設定し制御するようにしたので、成形収縮の異方性を成形品内で制御することができ、この結果、保圧過程における保持圧力の設定が容易になり、さらに、射出成形品全体における収縮異方性の均一化によって収縮の分布の差から発現するような、そり変形などの不良の発生を低減することができる。
図11は、ABSと異なる材質のプラスチック成形材料で図3及び図4に示す場合と同様な形状のサンプル品を実施例1で述べた金型を用いて同様な手法で成形した時の収縮異方性分布の差を示すグラフであり、このグラフの横軸は、充填過程から保圧過程への切り替え時における射出プランジャーの位置DVPと、この切り替え時点から0.5秒後の射出プランジャーの位置D05との差を表し、縦軸は収縮異方性の差を表している。
この図11において、曲線110はサンプル品がポリエチレン(PE)で成形された場合の収縮異方性の差を表し、曲線111はサンプル品がアクリルニトリルスチレン(AS)で成形された場合の収縮異方性の差を表し、また、曲線112はサンプル品がプリプロピレン(PP)で成形された場合の収縮異方性の差を表している。
この図11からも明らかなように、D05−DVP=0近傍で収縮異方性の差が0に近づくことがわかる。この結果から、成形材料が変わっても上記実施例1に示す場合と同様の制御を行うことにより、収縮異方性がほぼ均一な射出成形品を成形することができる。
なお、本発明にかかる保圧過程の保持圧力制御方法及びシステムは、上記実施例に示すプランジャー式の射出成形機に限らず、スクリュー式の射出成形機にも適用できる。
また、本発明にかかる射出機構の駆動手段は、上記実施例に示した油圧モータ及び油圧制御回路を有する油圧駆動方式のものに限らず、例えば、サーボモータやステッピングモータ及びその制御回路からなるものでもよい。
本発明の方法を適用したプランジャー式射出成形機及び保圧過程の保持圧力制御システムの全体の構成図である。 本発明の実施例における保圧制御部の機能ブロック図である。 本発明の実施例において実験用資料として成形品の一例を示す説明用平面図である。 図3に示す資料用成形品の説明用側面図である。 本発明の実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における充填速度と成形収縮率との関係を示すグラフである。 本発明の実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における充填速度と収縮異方性との関係を示すグラフである。 本実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における保圧過程の保持圧力と成形収縮率との関係を示すグラフである。 本実施例における射出成形動作が保圧過程に切り替えられる直前から保圧過程中における保持圧力の変化と射出プランジャーの位置との関係を示すグラフである。 本実施例におけるゲートに近い領域1と遠い領域2における保圧過程の保持圧力と収縮異方性との関係を示すグラフである。 本実施例におけるゲートから近い領域1と遠い領域2との成形収縮異方性の差を表したグラフである。 異なるプラスチック成形材料でサンプル品を成形した時の収縮異方性分布の差を示すグラフである。
符号の説明
10 プランジャー式射出成形機
11 金型
12 型締め機構
13 射出機構
133 射出シリンダ
134 射出プランジャー
135 油圧シリンダ
15 電磁切換弁
16 油圧制御回路
17 油圧ポンプ
18 制御部
181 仮圧力設定手段
182 保圧制御手段
183 グラフ表示制御手段
184 演算手段
19 変位センサー
22 サンプリング・ホールド回路
23 A/D変換回路
24 圧力センサー
29 表示部

Claims (7)

  1. 金型に熱可塑性樹脂を充填する充填過程と、熱可塑性樹脂の冷却に伴う体積収縮分を補うための保圧過程及び金型内の樹脂を冷却する冷却過程を経て成形品の成形を行うようにした射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法であって、
    前記金型に熱可塑性樹脂を充填する射出機構の射出プランジャーまたは射出スクリューの前進方向及び後退方向の変位を検出する変位センサーと、前記金型への熱可塑性樹脂の充填圧力を検出する圧力センサーと、表示部を有し、
    前記保圧過程における保持圧力を、前記充填過程から保圧過程へ切り替えられた時点で前記圧力センサーにより検出された樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定し、
    前記保圧過程の保持圧力を前記仮設定された圧力に保持するとともに該保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間の間、前記変位センサーから出力される変位信号を所定の周波数でサンプリングし、
    前記サンプリングされた変位信号をグラフ表示データに変換し、このグラフ表示データに基づいて前記切り替え時点からの時間の経過に伴う前記射出プランジャーまたは射出スクリューの変位をグラフとして前記表示部に表示し、
    前記表示部に表示されたグラフを基に前記仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力かを判別するように構成したことを特徴とする射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法。
  2. 前記グラフの表示結果を基に前記射出プランジャーまたは射出スクリューが後退または前進方向に変位しているか、及び前記切り替え時点の位置にいるか否かを判別し、前記後退または前進方向に変位していると判別された時は不適正な保持圧力と判断するとともに前記切り替え時点の位置にいると判別された時は適正な保持圧力として判断するように構成したことを特徴とする請求項1記載の射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法。
  3. 前記射出プランジャーまたは射出スクリューが後退または前進方向に変位されていると判別された時は、前記仮設定される圧力を変更し、適正な保持圧力と判断されまで前記圧力の設定変更処理、前記サンプリング処理、前記表示処理及び判別処理を繰り返し行われるように構成したことを特徴とする請求項2記載の射出成形における保圧過程の保持圧力設定方法。
  4. 金型に熱可塑性樹脂を充填する充填過程と、熱可塑性樹脂の冷却に伴う体積収縮分を補うための保圧過程及び金型内の樹脂を冷却する冷却過程を経て成形品の成形を行うようにした射出成形における保圧過程の保持圧力設定装置であって、
    表示部と、
    前記金型に熱可塑性樹脂を充填する射出機構の射出プランジャーまたは射出スクリューの前進方向及び後退方向の変位を検出する変位センサーと、
    前記金型への熱可塑性樹脂の充填圧力を検出する圧力センサーと、
    前記保圧過程における保持圧力を前記充填過程から保圧過程への切り替え時点で前記圧力センサーにより検出された樹脂充填圧力より低い所定の圧力に仮設定する仮圧力設定手段と、
    前記仮設定された圧力に前記保圧過程の保持圧力が保持されるように前記射出プランジャーまたは射出スクリューに作用する圧力を制御する保圧制御手段と、
    前記保圧制御手段による保持圧力の制御下で前記切り替え時点から所定の時間の間、前記変位センサーから出力される変位信号を所定の周波数でサンプリングするサンプリング・ホールド回路と、
    前記サンプリング・ホールド回路でサンプリングされた変位信号をグラフ表示データに変換し、該グラフ表示データを基に前記切り替え時点からの時間の経過に伴う前記射出プランジャーまたは射出スクリューの変位をグラフとして前記表示部に表示するグラフ表示制御手段とを備え、
    前記表示部に表示されたグラフを基に前記仮設定された圧力が成形収縮率の異方性分布を最小にする保持圧力かを判別するようにしたことを特徴とする射出成形における保圧過程の保持圧力設定装置。
  5. 前記グラフの表示結果を基に前記射出プランジャーまたは射出スクリューが後退または前進方向に変位しているか、及び前記切り替え時点の位置にいるか否かを判別し、前記後退または前進方向に変位していると判別された時は不適正な保持圧力と判断するとともに前記切り替え時点の位置にいると判別された時は適正な保持圧力として判断するように構成したことを特徴とする請求項4記載の射出成形における保圧過程の保持圧力設定装置。
  6. 前記射出プランジャーまたは射出スクリューが後退または前進方向に変位されていると判別された時は、前記仮圧力設定手段で仮設定される圧力を変更し、適正な保持圧力と判断されまで前記仮圧力設定手段による圧力の設定変更処理、前記サンプリング・ホールド回路によるサンプリング処理、前記グラフ表示制御手段による表示処理及び判別処理を繰り返し実行されるように構成したことを特徴とする請求項4記載の射出成形における保圧過程の保持圧力設定装置。
  7. 前記切り替え時点で前記変位センサーにより検出された変位信号を基に前記切り替え時点における前記射出プランジャーまたは射出スクリューの前進位置を算出する演算手段を有し、前記演算手段で算出された前進位置に前記射出プランジャーまたは射出スクリューが保持されるように前記保圧制御手段により保圧過程の保持圧力を制御することを特徴とする請求項4記載の射出成形における保圧過程の保持圧力設定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083602A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Sanko Gosei Ltd 射出成形品の成形収縮率予測方法
CN102555180A (zh) * 2012-02-10 2012-07-11 浙江大学 基于喷嘴压力的注塑机注射保压切换控制***及方法
KR101233233B1 (ko) * 2012-11-07 2013-02-14 흥화기계공업주식회사 바렐형 실리콘 사출성형 장치

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