JP2005116831A - 投影露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 照度均一化部材としてロッド型インテグレータを使用する場合に、マスクを所定の偏光状態の照明光で安定に照明する。
【解決手段】 露光光源1からの照明光をレチクルRに照射する照明光学系ILSと、レチクルRのパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLとを有する。照明光学系ILSは、レチクルR上での照度分布を均一にするために、立方晶系の結晶からなりこの結晶の(100)方向を長辺方向とする実質的に直方体のロッドインテグレータ14Rを有し、ロッドインテグレータ14Rの長辺方向は、照明光学系ILSの光軸AX2に実質的に平行に配置されると共に、その照明光は所定の直線偏光光を主成分とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 露光光源1からの照明光をレチクルRに照射する照明光学系ILSと、レチクルRのパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLとを有する。照明光学系ILSは、レチクルR上での照度分布を均一にするために、立方晶系の結晶からなりこの結晶の(100)方向を長辺方向とする実質的に直方体のロッドインテグレータ14Rを有し、ロッドインテグレータ14Rの長辺方向は、照明光学系ILSの光軸AX2に実質的に平行に配置されると共に、その照明光は所定の直線偏光光を主成分とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば半導体集積回路(LSI等)、撮像素子、又は液晶ディスプレイ等の各種デバイスを製造するためのリソグラフィ工程で使用される露光技術に関し、更に詳しくはマスクパターンを所定の偏光状態の光で照明する露光技術に関する。また、本発明はその露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体集積回路又は液晶ディスプレイ等の電子デバイスの微細パターンの形成に際しては、形成すべきパターンを4〜5倍程度に比例拡大して描画したマスクとしてのレチクル(又はフォトマスク等)のパターンを、投影光学系を介して被露光基板(感光体)としてのウエハ(又はガラスプレート等)上に縮小して露光転写する方法が用いられている。その露光転写に際して、ステッパー等の静止露光型及びスキャニング・ステッパー等の走査露光型の投影露光装置が用いられている。投影光学系の解像度は、概ね露光波長を投影光学系の開口数(NA)で割った値である。投影光学系の開口数(NA)とは、露光用の照明光束のウエハヘの最大入射角の正弦(sin)に、その光束の通過する媒質の屈折率を乗じたものである。
従って、半導体集積回路等の微細化に対応するために、投影露光装置の露光波長は、より短波長化されてきた。現在、露光波長はKrFエキシマーレーザの248nmが主流であるが、より短波長のArFエキシマーレーザの193nmも実用化段階に入りつつある。そして、更に短波長の波長157nmのF2 レーザや、波長126nmのAr2 レーザ等の、いわゆる真空紫外域の露光光源を使用する投影露光装置の提案も行なわれている。また、短波長化のみでなく、投影光学系の大開口数化(大NA化)によっても高解像度化は可能であるので、投影光学系をより一層大NA化するための開発もなされており、現在の最先端の投影光学系のNAは、0.8程度である。
一方、同一の露光波長、同一NAの投影光学系を使用しながら、転写されるパターンの解像度を向上する技術として、いわゆる位相シフトレチクルを用いる方法や、照明光束のレチクルヘの入射角度分布を所定分布に制御する輪帯照明(例えば特開昭61−91662号公報参照)、2極照明、及び4極照明(例えば特開平4−101148号公報、特開平4−225357号公報参照)などのいわゆる超解像技術も実用化されている。更に、特にレチクル上のパターンの方向性が特定の1方向に揃っている場合に、照明光の偏光状態を直線偏光とすることで、解像度及び焦点深度を向上する試みも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、半導体集積回路等の電子デバイスを高速で動作させるには、ウエハ上の各位置に転写するパターンの線幅を、所定の値に均一に転写する必要がある。このためには、投影露光装置の露光視野全面での露光強度(照明光強度)の分布を一様とする必要があり、従来より照明光学系中にはフライアイインテグレータやロッドインテグレータ等の照度均一化部材(オプティカル・インテグレータ)が備えられていた。このうちのロッドインテグレータとは、ガラス又は光学結晶からなる細長い4角柱形状の固形部材であり、これを用いることによって、比較的安価な部材で比較的良好な照度均一性を達成できる。
特開平7−245258号公報参照
上述の如く、直線偏光照明は、特定の1方向に方向性の揃った1次元パターンを露光する場合の解像度の向上に有効である。しかしながら、ロッドインテグレータを使用する照明光学系では、ロッドインテグレータを構成する光学材料の複屈折により、直線偏光の偏光方向が回転し、レチクルを所望の直線偏光の光で照明することが困難な場合が生じる。
特に、露光波長が193nm程度以下に短波長化すると、ガラス又は合成石英の露光光に対する吸収損失が大きくなり、これらの材料をロッドインテグレータに使用することは困難となる。従って、193nm程度以下の波長域では、ロッドインテグレータを紫外線に対する透過性の高いフッ化物結晶で構成する必要が生じる。但し、フッ化物結晶のうち特に紫外線透過性の良好なフッ化マグネシウムは1軸結晶性を有する複屈折性の材料であるため使用は困難である。
特に、露光波長が193nm程度以下に短波長化すると、ガラス又は合成石英の露光光に対する吸収損失が大きくなり、これらの材料をロッドインテグレータに使用することは困難となる。従って、193nm程度以下の波長域では、ロッドインテグレータを紫外線に対する透過性の高いフッ化物結晶で構成する必要が生じる。但し、フッ化物結晶のうち特に紫外線透過性の良好なフッ化マグネシウムは1軸結晶性を有する複屈折性の材料であるため使用は困難である。
また、蛍石(フッ化カルシウム結晶)やフッ化バリウム結晶は、対称性の良い立方晶系に属する光学結晶であり可視光領域では複屈折性はないが、波長200nm程度以下の紫外光に対しては、結晶構造に起因する真性複屈折が生じてくる。このため、これらの材料をロッドインテグレータに適用した場合、その真性複屈折により照明光の偏光状態が変化し、所望の直線偏光でレチクルを照明することができなくなる場合がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、照度均一化部材としてロッド型インテグレータを使用する場合に、マスクを所定の偏光状態の照明光で安定に照明でき、マスクのパターンを高解像度で転写できる露光技術を提供することを目的とする。
更に本発明は、その露光技術を用いてデバイスを高精度に製造できるデバイス製造技術を提供することをも目的とする。
更に本発明は、その露光技術を用いてデバイスを高精度に製造できるデバイス製造技術を提供することをも目的とする。
本発明による投影露光装置は、光源(1)からの照明光を第1物体(R)に照射する照明光学系(ILS)と、その第1物体の像を第2物体(W)上に投影する投影光学系(23)とを有する投影露光装置において、その光源とその第1物体との間の一部の光路上で、その照明光の少なくとも一部を内面反射させるために、その照明光学系は、立方晶系の結晶からなりこの結晶の(100)方向を長辺方向とする実質的に直方体のロッド型インテグレータ(14)を有し、そのロッド型インテグレータの長辺方向は、その照明光学系の光軸に実質的に平行に配置されると共に、そのロッド型インテグレータに入射する照明光は、そのロッド型インテグレータの長辺方向に沿った2組の平行な側面のうちの、一方の平行な側面(14e,14f)に垂直な第1方向又は他方の平行な側面(14c,14d)に垂直な第2方向の何れか一方を電場方向とする直線偏光光を主成分とするものである。
斯かる本発明によれば、そのロッド型インテグレータの長辺方向をその結晶の所定方向に合わせたため、そのロッド型インテグレータ中を通過する照明光の偏光状態がほぼ入射時の状態に安定に維持される。従って、その第1物体(マスク)を所定の偏光状態(例えば直線偏光)の照明光で安定に照明できる。
この場合、一例として、そのロッド型インテグレータのその側面が、その結晶の(100)面に実質的に一致していてもよい。この構成では、その照明光の偏光状態がその第1方向又は第2方向の何れに平行な直線偏光であっても、その照明光がその側面で内面反射したときに、偏光状態がほぼ入射時の状態に維持される。
この場合、一例として、そのロッド型インテグレータのその側面が、その結晶の(100)面に実質的に一致していてもよい。この構成では、その照明光の偏光状態がその第1方向又は第2方向の何れに平行な直線偏光であっても、その照明光がその側面で内面反射したときに、偏光状態がほぼ入射時の状態に維持される。
また、別の例として、そのロッド型インテグレータのその側面が、その結晶の(110)面に実質的に一致していてもよい。この構成でも、その照明光がその側面で内面反射したときに、偏光状態がほぼ入射時の状態に維持される。
また、その照明光学系は、その照明光のそのロッド型インテグレータへの入射角度範囲を可変とする角度可変機構(9a,9b,10)を更に有していてもよい。これによって、例えば照明光学系の瞳面に相当する面における光量分布等を制御することができる。
また、その照明光学系は、その照明光のそのロッド型インテグレータへの入射角度範囲を可変とする角度可変機構(9a,9b,10)を更に有していてもよい。これによって、例えば照明光学系の瞳面に相当する面における光量分布等を制御することができる。
また、その角度可変機構は、回折光学素子を含むものでもよい。この場合、その角度可変機構は、その回折光学素子(9a)を別の回折光学素子(9b)と交換する機構を含んでいてもよい。
また、その角度可変機構は、多面体プリズム(41,42)を含むものでもよく、その角度可変機構は、ズーム光学系(5,6)を更に含むこともできる。
また、その角度可変機構は、多面体プリズム(41,42)を含むものでもよく、その角度可変機構は、ズーム光学系(5,6)を更に含むこともできる。
また、その角度可変機構は、その照明光のその第1物体に対する入射角度範囲を、その第1方向に対応する方向に離れた複数の離散的な範囲に制限する角度制限機構を更に有すると共に、そのロッド型インテグレータに入射する照明光は、その第2方向を電場方向とする直線偏光光を主成分としてもよい。この場合、その第1物体上に例えばその第2方向に細長い複数のラインパターンをその第1方向に微細ピッチで配列してなるパターンを高解像度で転写できる。
また、その角度可変機構は、その照明光のその第1物体に対する入射角度範囲として、その第1方向に対応する方向についての実効的なσ値が0.7以上となり、その第2方向に対応する方向についての実効的なσ値が0.2以下となる条件を含むと共に、そのロッド型インテグレータに入射する照明光は、その第1方向を電場方向とする直線偏光光を主成分としてもよい。
この場合、その照明光のその第1物体上の所定方向についての実効的なσ値とは、その照明光のその第1物体へのその所定方向における入射角度の最大値の正弦(sin)に媒質の屈折率を乗じて得られる値を、その投影光学系のその第1物体側のその所定方向における開口数で割って得られる値を言う。従って、その照明光の実効的なσ値がその第1方向においてその第2方向よりも大きくなると、その第1方向における入射角度範囲がその第2方向よりも広くなる。また、その瞳面上の領域では光軸近傍の方が周辺よりもその第2方向に対する開口数が実質的に大きくなる。従って、その第2物体上に形成される像は、実質的に互いに異なる開口数による光学像がインコヒーレントに加算(強度的に加算)されたものとなる。従って、平均化効果により第2物体上での像の空間的コヒーレンシーが低減し、転写線幅のピッチの変化に伴う変動が低減し、光学的近接効果による誤差であるOPE(Optical Proximity Error )特性が改善される。更に、その第2方向の実効的なσ値を0.2以下とすることで、位相シフトパターン等の所定のパターンの使用時にその第2方向に対していわゆる小σ照明と同様の原理で解像度が向上する。
また、その立方晶系の結晶は、一例としてフッ化物結晶である。この場合、そのフッ化物結晶は、一例としてフッ化カルシウム結晶である。
また、その照明光は、波長が200nm以下の紫外光であってもよい。更に、その照明光は、例えばArFエキシマーレーザの発する波長193nmの紫外光である。
次に、本発明による露光方法は、本発明の投影露光装置を用いて、その第1物体としてのマスク(R)のパターンの像でその第2物体としての感光体(W)を露光するものである。本発明によれば、マスクを所望の偏光状態(例えば直線偏光)の光で照明できるため、解像度及び焦点深度を向上できる。
また、その照明光は、波長が200nm以下の紫外光であってもよい。更に、その照明光は、例えばArFエキシマーレーザの発する波長193nmの紫外光である。
次に、本発明による露光方法は、本発明の投影露光装置を用いて、その第1物体としてのマスク(R)のパターンの像でその第2物体としての感光体(W)を露光するものである。本発明によれば、マスクを所望の偏光状態(例えば直線偏光)の光で照明できるため、解像度及び焦点深度を向上できる。
この場合、そのマスクのパターンは矩形パターンを含み、その矩形パターンの長手方向は、その第2方向に対応する方向に実質的に一致していてもよい。
また、そのマスクのパターンは、空間周波数変調型の位相シフトパターンを含み、その位相シフトパターンの長手方向は、その第1方向に対応する方向に実質的に一致していてもよい。これによって、そのOPE特性が改善されると共に、所定ピッチを有するパターンでの焦点深度の低下を防止できる。
また、そのマスクのパターンは、空間周波数変調型の位相シフトパターンを含み、その位相シフトパターンの長手方向は、その第1方向に対応する方向に実質的に一致していてもよい。これによって、そのOPE特性が改善されると共に、所定ピッチを有するパターンでの焦点深度の低下を防止できる。
次に、本発明によるデバイス製造方法は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、そのリソグラフィ工程で本発明の露光方法を用いてパターンを感光体に転写するものである。本発明によって、微細なパターンを高精度に感光体上に転写でき、微細なパターンを有するデバイスを高精度に製造できる。
本発明によれば、ロッド型インテグレータを備えた照明光学系を用いる場合に、第1物体(マスク)を所定の偏光状態の照明光で安定に照明することができる。
特に照明光(露光ビーム)の波長が200nm程度以下になると、単に光学材料を配置するのでは入射時の偏光状態を維持することが困難となるため、本発明の効果は大きくなる。
特に照明光(露光ビーム)の波長が200nm程度以下になると、単に光学材料を配置するのでは入射時の偏光状態を維持することが困難となるため、本発明の効果は大きくなる。
本発明の適用によって、例えば第1物体上に形成された1方向に方向性の揃ったパターンの露光に際し、そのパターン方向に最適化した偏光状態を有する照明光を、最適な入射角度範囲で最適な入射方向からその第1物体に照射することができ、比較的安価な構成で、パターンの解像度と焦点深度とを向上できる。更に、その第1物体が位相シフトマスクで、そのパターンが位相シフトパターンである場合には、解像度及び焦点深度の向上と共に、OPE特性を改善できる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図面を参照して説明する。本例は、ステップ・アンド・スキャン方式よりなる走査露光型の投影露光装置(スキャニング・ステッパー)で露光を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は、本例の投影露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図であり、この図1において、本例の投影露光装置は、照明光学系ILSと投影光学系23とを備えている。前者の照明光学系ILSは、露光光源1からコンデンサーレンズ18までの光軸(照明系光軸)AX1,AX2,AX3に沿って配置される複数の光学部材を備え(詳細後述)、露光光源1からの露光ビームとしての露光用の照明光(露光光)ILでマスクとしてのレチクルRのパターン面(レチクル面)の照明視野を均一な照度分布で照明する。後者の投影光学系23は、その照明光のもとで、レチクルRの照明視野内のパターンを投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等の縮小倍率)で縮小した像を、被露光基板(基板)としてのフォトレジストが塗布されたウエハW上の一つのショット領域上の露光領域に投影する。レチクルR及びウエハWはそれぞれ第1物体及び第2物体ともみなすことができる。ウエハWは、例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の直径が200〜300mm程度の円板状の基板である。本例の投影光学系23は、例えば屈折光学系であるが、反射屈折系なども使用できる。
図1は、本例の投影露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図であり、この図1において、本例の投影露光装置は、照明光学系ILSと投影光学系23とを備えている。前者の照明光学系ILSは、露光光源1からコンデンサーレンズ18までの光軸(照明系光軸)AX1,AX2,AX3に沿って配置される複数の光学部材を備え(詳細後述)、露光光源1からの露光ビームとしての露光用の照明光(露光光)ILでマスクとしてのレチクルRのパターン面(レチクル面)の照明視野を均一な照度分布で照明する。後者の投影光学系23は、その照明光のもとで、レチクルRの照明視野内のパターンを投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等の縮小倍率)で縮小した像を、被露光基板(基板)としてのフォトレジストが塗布されたウエハW上の一つのショット領域上の露光領域に投影する。レチクルR及びウエハWはそれぞれ第1物体及び第2物体ともみなすことができる。ウエハWは、例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の直径が200〜300mm程度の円板状の基板である。本例の投影光学系23は、例えば屈折光学系であるが、反射屈折系なども使用できる。
以下、図1において、投影光学系23、レチクルR、及びウエハWに関しては、投影光学系23の光軸AX4に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(XY平面)内で走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向(図1の紙面に平行な方向)に沿ってY軸を取り、非走査方向(図1の紙面に垂直な方向)に沿ってX軸を取って説明する。また、照明光学系ILS内においては、後述のように光軸AX1,AX2,AX3に沿ってZ軸を取り、このZ軸に垂直な平面内で投影光学系23等におけるX方向及びY方向に対応する方向をそれぞれX方向及びY方向として説明する。この場合、レチクルRの照明視野は、非走査方向であるX方向に細長い領域であり、ウエハW上の露光領域は、その照明視野と共役な細長い領域である。また、投影光学系23の光軸AX4は、レチクルR上で照明系光軸AX3と合致している。
先ず、露光転写すべきパターンの形成されたレチクルRはレチクルステージ20上に吸着保持され、レチクルステージ20はレチクルベース19上でY方向に一定速度で移動すると共に、同期誤差を補正するようにX方向、Y方向、Z軸の回りの回転方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージ20のX方向、Y方向の位置、及び回転角は、この上に設けられた移動鏡21及びレーザ干渉計22によって計測されている。この計測値及び主制御系31からの制御情報に基づいて、レチクルステージ駆動系29はリニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してレチクルステージ20の位置及び速度を制御する。レチクルRの周辺部の上方には、レチクルアライメント用のレチクルアライメント顕微鏡(不図示)が配置されている。
一方、ウエハWは、ウエハホルダ(不図示)を介してウエハステージ24上に吸着保持され、ウエハステージ24は、ウエハベース27上にY方向に一定速度で移動できると共に、X方向、Y方向にステップ移動できるように載置されている。また、ウエハステージ24には、不図示のオートフォーカスセンサの計測値に基づいて、ウエハWの表面を投影光学系23の像面に合わせ込むためのZレベリング機構も組み込まれている。ウエハステージ24のX方向、Y方向の位置、及び回転角は、この上に設けられた移動鏡25及びレーザ干渉計26によって計測されている。この計測値及び主制御系31からの制御情報に基づいて、ウエハステージ駆動系30はリニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してウエハステージ24の位置及び速度を制御する。また、投影光学系23の近傍には、ウエハアライメントのために、ウエハW上の位置合わせ用マークの位置を検出するオフ・アクシス方式で例えばFIA(Fie1d Image A1ignment )方式のアライメントセンサ28が配置されている。
本例の投影露光装置による露光に先立って、上記のレチクルアライメント顕微鏡によってレチクルRのアライメントが行われ、ウエハW上に以前の露光工程で回路パターンと共に形成された位置合わせ用マークの位置をアライメントセンサ28で検出することによって、ウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルR上の照明視野に照明光ILを照射した状態で、レチクルステージ20及びウエハステージ24を駆動して、レチクルRとウエハW上の一つのショット領域とをY方向に同期走査する動作と、照明光ILの発光を停止して、ウエハステージ24を駆動してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。その同期走査時のレチクルステージ20とウエハステージ24との走査速度の比は、投影光学系23を介してのレチクルRとウエハWとの結像関係を保つために、投影光学系23の投影倍率βと等しい。これらの動作によって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全部のショット領域にレチクルRのパターン像が露光転写される。
次に、本例の照明光学系ILSの構成につき詳細に説明する。図1において、本例の露光光源1としては、ArF(アルゴンフッ素)エキシマーレーザ(波長193nm)が使用されている。なお、露光光源としては、その他にF2 (フッ素分子)レーザ(波長157nm)、Kr2 (クリプトン分子)レーザ(波長146nm)、Ar2 (アルゴン分子)レーザ(波長126nm)、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置なども使用できる。更に、露光光源として例えばKrF(クリプトンフッ素)エキシマーレーザ(波長247nm)や水銀ランプなども使用できる。
露光光源1を発した照明光ILは、照明系光軸AX1に沿ってリレーレンズ2,3を介して偏光制御部材4(詳細後述)に入射する。偏光制御部材4を発した照明光ILは、凹レンズ5と凸レンズ6との組み合わせからなるズーム光学系(5,6)を経て、光路折り曲げ用のミラー7で反射されて、照明系光軸AX2に沿って回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element) 9aに入射する。回折光学素子9aは位相型の回折格子からなり、照射された照明光は、所定の方向に回折されて進む。
後述する通り、回折光学素子9aからの各回折光の回折角及び方向は、照明光のレチクルRへの入射角度及び方向に対応する。そこで、回折光学素子9a及びそれと異なる回折作用を有する別の回折光学素子9b等がターレット状の部材8上に複数配列されている。そして、交換機構10により部材8を駆動して、部材8上の任意の位置の回折光学素子9a等を照明系光軸AX2上の位置に装填することで、レチクルRのパターンに応じて、レチクルRへの照明光の入射角度範囲及び方向性を、所望の値に設定できるように構成されている。また、この入射角度範囲は、上述のズーム光学系(5,6)を構成する凹レンズ5及び凸レンズ6を、照明系光軸AX1の方向にそれぞれ移動することによって、補助的に微調整することが出来る。部材8、回折光学素子9a,9b等、交換機構10、及びズーム光学系(5,6)を含む機構が、角度可変機構に対応している。
回折光学素子9aを射出した照明光(この場合には回折光)ILは、照明系光軸AX2に沿ってリレーレンズ11、照明光学系ILSの瞳面に相当する面(以下、「瞳相当面」と言う。)12R、リレーレンズ13Rを経て、照明系光軸AX2の方向に長辺を有する直方体形状のロッドインテグレータ14Rの入射面14aRに入射する。そして、照度均一化部材(オプティカル・インテグレータ)としてのロッドインテグレータ14R内を直進し、或いはロッドインテグレータ14Rの側面で内面反射された照明光ILは、その射出面14bRより射出される。ロッドインテグレータ14Rが、本発明のロッド型インテグレータに対応している。
ロッドインテグレータ14Rの射出面14bRは、レチクル面に対する共役面(結像関係にある面)に配置され、ここに設けられている視野絞り15a,15bによってレチクルR上の照明視野を制限することができる。また、必要に応じて視野絞り15a,15bを走査型とし、レチクルステージ20及びウエハステージ24の走査に同期して、走査することもできる。この場合、その視野絞りを固定視野絞りと可動視野絞りとに分けて構成してもよい。
ロッドインテグレータ14Rを射出した照明光ILは、コンデンサーレンズ16R及び光路折り曲げ用のミラー17を経て、照明系光軸AX3に沿ってコンデンサーレンズ18を介してレチクルRを照明する。そして、照明されたレチクルR上のパターンは、上述のように投影光学系23によりウエハW上に投影されて転写される。
なお、光路折り曲げ用のミラー7,17は、光学性能的に必須のものではないが、照明光学系ILSを一直線上に配置すると投影露光装置の全高(Z方向の高さ)が増大する。そこで、省スペース化を目的として、ミラー7,17を照明光学系ILS内の適所に配置したものである。また、照明系光軸AX1は、ミラー7の反射により照明系光軸AX2と一致し、更に照明系光軸AX2は、ミラー17の反射により照明系光軸AX3と一致する。
なお、光路折り曲げ用のミラー7,17は、光学性能的に必須のものではないが、照明光学系ILSを一直線上に配置すると投影露光装置の全高(Z方向の高さ)が増大する。そこで、省スペース化を目的として、ミラー7,17を照明光学系ILS内の適所に配置したものである。また、照明系光軸AX1は、ミラー7の反射により照明系光軸AX2と一致し、更に照明系光軸AX2は、ミラー17の反射により照明系光軸AX3と一致する。
本例のロッドインテグレータ14Rの材料としては、蛍石(フッ化カルシウム:CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、又はフッ化リチウム(LiF)等の立方晶系に属するフッ化物結晶材料を使用する。なお、フッ化物結晶であっても、フッ化マグネシウム(MgF2)は、1軸結晶であり大きな複屈折性を有するため、本例のロッドインテグレータ14Rには適さない。
但し、酸化マグネシウム(MgO)はバンドギャップが7.8eV、即ち光のエネルギーとしては波長に換算して159nmであるため、ArFエキシマーレーザ光に対して良好な透過性を有し、その結晶構造も岩塩構造型の立方晶系であるので、複屈折性が比較的小さく、ロッドインテグレータ14Rの材料に適する。また、その他の結晶材料であっても、立方晶系に属し露光波長に対して良好な透過性を有する材料であれば、本例のロッドインテグレータ14Rの材料に適する。
次に、図2〜図9を参照して図1中のロッドインテグレータ14Rについて詳細に説明する。
図2は、図1に示した投影露光装置の瞳相当面12RからレチクルRに至るまでの照明光学系1LSを示す斜視図である。但し、説明の便宜上、図2において、図1中のミラー17を省略し、これにより照明系光軸AX2は照明系光軸AX3と一致し、且つZ軸に平行になるものとした。また、図1における瞳相当面12R、リレーレンズ13R、ロッドインテグレータ14R、及びコンデンサーレンズ16Rを、図2ではそれぞれ末尾の符号Rを外した符号12、13、14、及び16で表している。この場合、図2中の瞳相当面12、リレーレンズ13、ロッドインテグレータ14、及びコンデンサーレンズ16の方向は、図1中の対応する部材とは異なっているが、それらの構成及び機能は図1中の対応する部材と同一である。
図2は、図1に示した投影露光装置の瞳相当面12RからレチクルRに至るまでの照明光学系1LSを示す斜視図である。但し、説明の便宜上、図2において、図1中のミラー17を省略し、これにより照明系光軸AX2は照明系光軸AX3と一致し、且つZ軸に平行になるものとした。また、図1における瞳相当面12R、リレーレンズ13R、ロッドインテグレータ14R、及びコンデンサーレンズ16Rを、図2ではそれぞれ末尾の符号Rを外した符号12、13、14、及び16で表している。この場合、図2中の瞳相当面12、リレーレンズ13、ロッドインテグレータ14、及びコンデンサーレンズ16の方向は、図1中の対応する部材とは異なっているが、それらの構成及び機能は図1中の対応する部材と同一である。
本例の投影露光装置は、レチクルRがY方向に走査されるものであるから、投影光学系23の視野、即ちレチクルRのパターン面(レチクル面)における照明視野IARは、図2に示すように、X方向に長辺を有する長方形であることが望ましい。従って、照明視野IARとコンデンサーレンズ16,18を介して共役の関係(結像関係)にあるロッドインテグレータ14の射出面14bも、X方向が長辺方向となる長方形とする。
図4は、図2の一部の光学部材を示す側面図であり、図4において、ロッドインテグレータ14に入射した照明光ILは、ロッドインテグレータ14の入射面14aへの入射角に応じて、ロッドインテグレータ14内を直進し、或いは側面14c,14dで内面反射して射出面14bに達する。即ち、小さな入射角で(垂直入射に近い角度で)入射した光束は、図4中に実線で示す如くロッドインテグレータ14内を直進して射出面14bに達し、中程度の入射角で入射した光束は、図4中に破線で示す如くロッドインテグレータ14の側面14c,14dで内面反射したのち射出面14bに達し、大きな入射角で入射した光束は、図4中に一点鎖線で示す如くロッドインテグレータ14の側面14c,14dでの内面反射を繰り返しつつ射出面14bに達する。
射出面14bには入射面14aに対する入射角の異なる複数の照明光が重畳して照射されることなり、それらの照明光の平均化により、射出面14b内の照度は均一化される。なお、図4ではX方向に入射角度の広がりを有する光束ILを例示して説明したが、Y方向に入射角度の広がりを有する光束の場合にも、ロッドインテグレータ14のY方向側面での内面反射により上記平均化効果が得られる。従って、射出面14bと共役なレチクルR上の照明視野IAR内の照度も均一化される。
また、ロッドインテグレータ14には屈折作用は無いため、その射出面14bから射出する光束のX方向及びY方向の射出角は、上記内面反射が奇数回である場合にはその符号は反転するものの、その絶対値はその入射面14aに入射する光束の入射角θが維持される。従って、ロッドインテグレータ14の入射面14aに入射する光束の入射角度範囲を所定の値に設定することにより、ロッドインテグレータ14の射出面14bから射出する光束の射出角度範囲を所定の値に設定することが可能となり、ひいては、レチクルRに入射する照明光の入射角度範囲を所定の値に設定することが可能となる。
このため、ロッドインテグレータ14の入射面14aに対してリレーレンズ13を介して瞳面となる瞳相当面12は、照明光学系ILSのうちのリレーレンズ13以降の光学部材(リレーレンズ13〜コンデンサーレンズ18)を介しての、レチクル面に対する瞳面に相当する。即ち、瞳相当面12上で、照明系光軸AX2から所定の距離(例えばX方向に距離IX)だけ離れた位置を通る照明光束は、焦点距離がf1であるリレーレンズ13の屈折作用により、ロッドインテグレータ14の入射面14aに、次の関係を満たす入射角θだけX方向に傾いて入射する。
IX=f1×sinθ …(1)
そして、この光束は射出面14bからX方向に+θ又は−θ傾いて射出し、レチクルR上に所定の入射角度で照射されることになる。
レチクルR上への入射角度は、ロッドインテグレータ14の射出面14bとレチクルR上の照明視野IARとの結像倍率によって変わり、一例として、この倍率が4倍であるなら、レチクルR上への入射角度φは、次式を満たす角度φとなる。
そして、この光束は射出面14bからX方向に+θ又は−θ傾いて射出し、レチクルR上に所定の入射角度で照射されることになる。
レチクルR上への入射角度は、ロッドインテグレータ14の射出面14bとレチクルR上の照明視野IARとの結像倍率によって変わり、一例として、この倍率が4倍であるなら、レチクルR上への入射角度φは、次式を満たす角度φとなる。
sinφ=sinθ/4 …(2)
ところで、瞳相当面12上での照明光量の分布は、各種形状を取り得る。例えば、レチクルRが空間周波数変調型の位相シフトレチクルである場合には、レチクルRへの照明光はいわゆる小σ照明が適する。この小σ照明は、瞳相当面12上の照明光量分布を、図5(A)に示す如く、照明系光軸AX2上の小さな半径の円形領域12dに集中させることで実現できる。即ち、図1の回折光学素子9aとして、それほど回折作用の大きくない素子を使用し、微小な回折角の範囲内で回折光を発生させるようにすれば良い。なお、図5(A),(B),(C),(D)では、図2及び図4の瞳相当面12がそれぞれ瞳相当面12c,12e,12h,12kで表されている。
ところで、瞳相当面12上での照明光量の分布は、各種形状を取り得る。例えば、レチクルRが空間周波数変調型の位相シフトレチクルである場合には、レチクルRへの照明光はいわゆる小σ照明が適する。この小σ照明は、瞳相当面12上の照明光量分布を、図5(A)に示す如く、照明系光軸AX2上の小さな半径の円形領域12dに集中させることで実現できる。即ち、図1の回折光学素子9aとして、それほど回折作用の大きくない素子を使用し、微小な回折角の範囲内で回折光を発生させるようにすれば良い。なお、図5(A),(B),(C),(D)では、図2及び図4の瞳相当面12がそれぞれ瞳相当面12c,12e,12h,12kで表されている。
また、図5(B)に示す光量分布はいわゆる2極照明であり、照明系光軸AX2から−X方向及び+X方向に所定距離だけ離れた位置に小さい円形の光量の大きい領域12f,12gが存在する。この2極照明は、図5(E)に示すレチクルR上のX方向に周期性を有するパターンPX等の露光に適する。図5(E)のパターンPXのX方向のピッチをP、露光波長をλとすると、レチクルRへの照明光の入射角度を、X方向に±λ/(2P)だけ傾けることで、パターンPXの解像度を向上すると共に、その投影像の焦点深度を大幅に拡大することができる。図5(B)の光量の大きい領域12f,12gの位置は、レチクルRへの照明光の入射角度をその角度(±λ/(2P))とするように、上述の関係に基づいて決定すればよい。また、このような2極の光量の大きい領域12f,12gを瞳相当面12eに形成するためには、図1の回折光学素子9aとして、図1中のZ方向(図5(B)中ではY方向に相当する)に長手方向を有し、且つ図1中のX方向に周期性を有する位相型の回折格子を使用すると良い。この場合の回折光学素子9aが、角度制限機構に対応する。
また、回折光学素子9aのピッチ及び方向性を変更することにより、瞳相当面12上の光量分布を変更することができる。即ち、上記の回折光学素子9aを90°回転した構造である回折光学素子を使用すれば、図5(C)に示す如く光軸AX2から+Y方向及び−Y方向に所定距離だけ離れた位置に光量の大きい領域12i,12jを形成することができる。そして、このような照明光量分布は、図5(E)に示したレチクルRのパターンPXを90°回転した、Y方向に周期性を有するパターンの露光に適する。
ここで、露光波長が193nmの投影露光装置でウエハ上にX方向に周期性を有する線幅65nmのライン・アンド・スペースパターンを露光する場合を想定すると、そのピッチはウエハ上で130nmである。更に、投影光学系23の投影倍率βを1/4倍とすると、そのライン・アンド・スペースパターンに対応するレチクルR上のパターンのピッチPは520nm(=130×4)となる。従って、このようなパターンの露光に際しては、上記の関係に従ってレチクルRへの照明光の入射角度を、次式を満たす角度φ(=10.7°)を用いて±φだけX方向に傾けることが望ましい。
sinφ=193/(520×2) …(3)
更に、ロッドインテグレータ14の射出面14bとレチクルR上の照明視野IARとの結像倍率を上記の4倍とすると、ロッドインテグレータ14の射出面14bからの照明光の射出角は、次式を満たす角度θ(=47.9°)を用いて±θであることが望ましい。
sinθ=4×sinφ …(4)
前述の如く、これはロッドインテグレータ14の入射面14aへの望ましい照明光の入射角θ((1)式)に一致するため、回折光学素子9aのピッチ及び方向性を最適化して、光量の大きい領域12f,12gの位置を上述の関係を満たす位置にすればよい。
更に、ロッドインテグレータ14の射出面14bとレチクルR上の照明視野IARとの結像倍率を上記の4倍とすると、ロッドインテグレータ14の射出面14bからの照明光の射出角は、次式を満たす角度θ(=47.9°)を用いて±θであることが望ましい。
sinθ=4×sinφ …(4)
前述の如く、これはロッドインテグレータ14の入射面14aへの望ましい照明光の入射角θ((1)式)に一致するため、回折光学素子9aのピッチ及び方向性を最適化して、光量の大きい領域12f,12gの位置を上述の関係を満たす位置にすればよい。
これに対応して、この照明光のロッドインテグレータ14中での進行方向も、ロッドインテグレータ14の光軸であるZ軸に対してX方向に角度ψだけ傾いた方向に進むことになる。その角度ψはロッドインテグレータ14を構成する光学結晶の屈折率nに依存し、次の関係を満たす。
n×sinψ=sinθ …(5)
ロッドインテグレータ14を構成する光学結晶が蛍石であれば、波長193nmの光束に対する蛍石の屈折率は1.501であることから、ψ=29.6°になる。
n×sinψ=sinθ …(5)
ロッドインテグレータ14を構成する光学結晶が蛍石であれば、波長193nmの光束に対する蛍石の屈折率は1.501であることから、ψ=29.6°になる。
ところで、図5(E)のようにX方向に周期性を有し、それと直交する方向に長手方向を有するパターンPXの露光に際しては、レチクルRを偏光方向(光の電場の振動方向)がY方向である直線偏光光を主成分とする照明光で照明することにより、投影像のコントラスト及び焦点深度を増大することができる。これは、例えば、文献1(Thimothy A. Brunner, et al.: "High NA Lithographic imaging at Brewster's ange1", SPIE Vo1.4691, pp.1-24(2002))で報告されている。
従って、図5(B)の領域12f,12gで光量が大きくなる光量分布を有する照明光も、図5(B)中のY方向の直線偏光光を主成分とする偏光状態を有することが望ましい。
しかしながら、立方晶系である蛍石を使用しても、波長が200nm以下の紫外光であって、且つ上記の通り光軸から30°程度離れた方向に進む光束に対しては、複屈折が生じる場合がある。この複屈折は、真性複屈折(Intrinsic Birefringence)と呼ばれる結晶格子の構造に起因する複屈折であり、蛍石に限らず全ての立方晶系の結晶で生じる。その複屈折の量は、光束の進行方向と結晶方位との関係により異なり、結晶の(110)方向に進行する光に対して最大となり、結晶の(111)方向及び(100)方向に進行する光に対しては0となる。具体的に、波長193nmの光が蛍石の結晶中を(110)方向に1cm進行すると、互いに直交する直線偏光の光の間に真性複屈折により3.2nmの光路差が生じる。
しかしながら、立方晶系である蛍石を使用しても、波長が200nm以下の紫外光であって、且つ上記の通り光軸から30°程度離れた方向に進む光束に対しては、複屈折が生じる場合がある。この複屈折は、真性複屈折(Intrinsic Birefringence)と呼ばれる結晶格子の構造に起因する複屈折であり、蛍石に限らず全ての立方晶系の結晶で生じる。その複屈折の量は、光束の進行方向と結晶方位との関係により異なり、結晶の(110)方向に進行する光に対して最大となり、結晶の(111)方向及び(100)方向に進行する光に対しては0となる。具体的に、波長193nmの光が蛍石の結晶中を(110)方向に1cm進行すると、互いに直交する直線偏光の光の間に真性複屈折により3.2nmの光路差が生じる。
従って、蛍石又は他の結晶材料からなるロッドインテグレータ14に直線偏光の照明光を入射しても、結晶の固有複屈折(真性複屈折)により、上記直線偏光は偏光面が回転するか楕円偏光等に変換され、所望の直線偏光の状態を保ったままの射出光を得ることができない場合がある。
そこで、図3は、図2中のロッドインテグレータ14を示し、この図3に示すように本例においては、ロッドインテグレータ14を構成する蛍石等の立方晶系に属する結晶の(100)方向を、ロッドインテグレータ14の長辺の方向、即ち照明光学系ILSの光軸方向に合致させるとした。ここで(100)方向とは、<100>軸の方向と光学的に等価な軸(数字の配列の入れ替えと、或いは更に符号の反転を行った軸、即ち<010>軸、<001>軸、<−100>軸、<0−10>軸、<00−1>軸)の方向の何れか1つを意味する。また、(100)方向に直交する結晶面を(100)面とする。従って、ロッドインテグレータ14の入射面14a及び射出面14bは、結晶の(100)面に相当する。一例として、本例ではその(100)方向中でその結晶の<001>軸の方向をロッドインテグレータ14の長辺の方向に合致させる。
そこで、図3は、図2中のロッドインテグレータ14を示し、この図3に示すように本例においては、ロッドインテグレータ14を構成する蛍石等の立方晶系に属する結晶の(100)方向を、ロッドインテグレータ14の長辺の方向、即ち照明光学系ILSの光軸方向に合致させるとした。ここで(100)方向とは、<100>軸の方向と光学的に等価な軸(数字の配列の入れ替えと、或いは更に符号の反転を行った軸、即ち<010>軸、<001>軸、<−100>軸、<0−10>軸、<00−1>軸)の方向の何れか1つを意味する。また、(100)方向に直交する結晶面を(100)面とする。従って、ロッドインテグレータ14の入射面14a及び射出面14bは、結晶の(100)面に相当する。一例として、本例ではその(100)方向中でその結晶の<001>軸の方向をロッドインテグレータ14の長辺の方向に合致させる。
更に、図3に示した通りロッドインテグレータ14では、図2のレチクルR上の長方形の照明視野の一辺の方向に一致するX軸方向を<100>結晶軸に、上記X軸に直交するY軸の方向を<010>結晶軸にそれぞれ一致させる。従って、ロッドインテグレータ14の側面14c,14d,14e,14fは全て(100)面となる。
以下、図6、図7を用いてその理由を説明する。
以下、図6、図7を用いてその理由を説明する。
図6は、図3に示したロッドインテグレータ14の如く、光軸方向(長辺方向)を<001>結晶軸に一致させた蛍石の結晶において、光軸に対して所定の角度で進行する光束に対して生じる複屈折特性を示したものである。図6中の横軸は、光束の進行方向の光軸方向(−Z方向である<00−1>軸方向)からのX方向へのずれ角RXを表わし、図6中の縦軸は光束の進行方向の光軸方向からのY方向へのずれ角RYを表わす。また、図6中の2次元的に配列された各黒丸の位置は、上記横軸、縦軸から決まる光束の進行方向を表わし、その角度に進行する光束に対して発生する複屈折特性は、各黒丸を中心とする線分として表記してある。この線分の向きは複屈折の進相軸(屈折率を最小とする直線偏光の方向)を表わし、その長さは複屈折の量を表わす。線分の長さと複屈折の量との関係は、図6中右下に付したスケールの通りである。
この場合、図6の横軸上のRX=+45°、RX=−45°、及び縦軸上のRY=+45°、RY=−45°の4点は、結晶の(110)方向に該当するため複屈折量が最大になる。また、図6中の各象限の中央付近には結晶の(111)方向があり、ここで複屈折は0になる。また、原点は(100)方向であるため、原点での複屈折は0である。(100)方向から見た場合、立方晶系の結晶は4回回転対称性を有するため、図6に示した通り複屈折特性も4回回転対称性を有する。
上記の露光波長193nm(ArFエキシマーレーザ光)でX方向に周期性を有する線幅65nmのライン・アンド・スペースパターンを露光する場合に最適な照明光は、ロッドインテグレータ14中で光軸方向(−Z方向)から±29.6°だけX方向に離れた角度で進行する。また、その偏光状態はY方向の直線偏光であることが望ましい。
図7(A)は、図6中でこの照明光が進行する方向に対応する箇所を拡大して描画した図であり、図7(A)の中心7ACは図6中のRX=30°、RY=0°に対応する。図7(A)中の円は照明光束の角度範囲を表わすが、その半径は上記条件下で投影光学系23の開口数NAを0.9としたときに、照明系のコヒーレンスファクタ(σ値)がσ=0.15に相当する範囲であり、これは角度範囲で約5°である。このときの線分の長さと複屈折の量との関係は図7(A)の右下に示したスケールの通りである。
図7(A)は、図6中でこの照明光が進行する方向に対応する箇所を拡大して描画した図であり、図7(A)の中心7ACは図6中のRX=30°、RY=0°に対応する。図7(A)中の円は照明光束の角度範囲を表わすが、その半径は上記条件下で投影光学系23の開口数NAを0.9としたときに、照明系のコヒーレンスファクタ(σ値)がσ=0.15に相当する範囲であり、これは角度範囲で約5°である。このときの線分の長さと複屈折の量との関係は図7(A)の右下に示したスケールの通りである。
図7(A)に示した通り、この進行角度範囲内では発生する真性複屈折は比較的大きいが、その進相軸(各黒丸から伸びる線分の向き)は、概ねRX方向、即ちX方向に平行である。即ち、Y方向に偏光した直線偏光は、偏光方向が遅相軸(進相軸と直交する方向)にほぼ一致するため、その偏光状態がほとんど変化すること無く蛍石のロッドインテグレータ14中を進行する。
また、図3のロッドインテグレータ14の側面14dでの内面反射に際しても、Y方向へ直線偏光した光はこの反射面に対してほぼ完全なS偏光になるため、偏光状態がほとんど変化することなく反射する。
側面14dでの反射後の進行方向は、光軸方向(−Z方向)から−X方向に約30°傾いた方向になるが、図6からも明らかな様に、結晶の対称性からRX=−30°、RY=0°の方向に進行する光束に対しても、その進相軸は概ねRX方向、即ちX方向に平行であるため、Y方向に偏光した直線偏光は、やはりその偏光状態がほとんど変化すること無く蛍石のロッドインテグレータ14中を進行する。そして、照明光は上記の側面14d,14cでの反射を繰り返したのち、Y方向に偏光した直線偏光の偏光状態を概ね保ったままロッドインテグレータ14の射出面14bより射出され、レチクルRには所望の直線偏光の照明光が照明される。
側面14dでの反射後の進行方向は、光軸方向(−Z方向)から−X方向に約30°傾いた方向になるが、図6からも明らかな様に、結晶の対称性からRX=−30°、RY=0°の方向に進行する光束に対しても、その進相軸は概ねRX方向、即ちX方向に平行であるため、Y方向に偏光した直線偏光は、やはりその偏光状態がほとんど変化すること無く蛍石のロッドインテグレータ14中を進行する。そして、照明光は上記の側面14d,14cでの反射を繰り返したのち、Y方向に偏光した直線偏光の偏光状態を概ね保ったままロッドインテグレータ14の射出面14bより射出され、レチクルRには所望の直線偏光の照明光が照明される。
なお、レチクルパターンがY方向に周期性を有するパターンの場合には、図5(C)に示す如く瞳相当面12h上で、光軸AX2から+Y方向及び−Y方向に所定距離だけ離れた位置に光量の大きい領域12i,12jを有し、且つその偏光状態がX方向の直線偏光光を主成分とする偏光光を使用することが、像コントラスト及び焦点深度を増大する観点から望ましい。転写対象のパターンが、上記と同様にウエハ上で線幅が65nmのライン・アンド・スペースパターン(ピッチ130nm)である場合には、この照明光はロッドインテグレータ14中をRX=0°、RY=±29.6°の方向を中心とする方向に進行する。
この場合にも、その角度範囲に対する複屈折特性は、図6からも明らかな様に結晶の対称性から図7(A)に示した特性を90°回転したものであり、偏光方向であるX方向は進相軸であるRY方向、即ちY方向と概ね直交し、従ってX方向に偏光する光束は、その偏光状態がほとんど変化することなく、ロッドインテグレータ14中を進行する。側面14e,14fでの反射こ際しても上記と同様に偏光状態の変化を受けることが無く、従って照明光はX方向への直線偏光を保ったまま射出面14bから射出され、レチクルRには所望の直線偏光照明が照明される。
なお、実際のレチクルR上のパターンは、全てが1方向に揃ったパターンのみから形成されているわけではない。そこで、上記のような特定の方向性を有するパターンに対して最適な2極且つ直線偏光の照明は、レチクルR上のパターンのうち、もっとも線幅の微細な、従って露光の難しいパターンに対して最適化して用いることとしても良い。
ところで、図6から分かる通り、光軸(Z軸)を(100)方向に一致させた場合の各入射角度に対する進相軸の向きは、概ね放射方向に揃っている。従って、ロッドインテグレータ14の光軸を結晶の(100)方向に一致させるだけで、ロッドインテグレータ14の側面については特に結晶面を特定しなくても、上記の2極照明において入射光の直線偏光の状態をある程度保って射出することのできるロッドインテグレータ14を構成することは可能である。
ところで、図6から分かる通り、光軸(Z軸)を(100)方向に一致させた場合の各入射角度に対する進相軸の向きは、概ね放射方向に揃っている。従って、ロッドインテグレータ14の光軸を結晶の(100)方向に一致させるだけで、ロッドインテグレータ14の側面については特に結晶面を特定しなくても、上記の2極照明において入射光の直線偏光の状態をある程度保って射出することのできるロッドインテグレータ14を構成することは可能である。
例えば、ロッドインテグレータ14の各側面14c,14d,14e,14fが、結晶の(110)面に一致するようにロッドインテグレータ14を構成した場合、その複屈折特性は、図6に示したものを45°回転した特性となる(図6中のA−A’方向が横軸に一致する)。
図7(B)は、その場合におけるRX=30°、RY=0°の方向を中心とした半径約5°の範囲に進行する光束に対する複屈折特性を表わす。この場合には、図7(A)に示した結果に比べ、各光束の進相軸のX軸からのずれ角は、特に図7(B)中上下端の位置7BU,7BBにおいて、図7(A)に示した結果に比べ大きい。しかし、各光束に対する複屈折量そのものは小さくなっている。
図7(B)は、その場合におけるRX=30°、RY=0°の方向を中心とした半径約5°の範囲に進行する光束に対する複屈折特性を表わす。この場合には、図7(A)に示した結果に比べ、各光束の進相軸のX軸からのずれ角は、特に図7(B)中上下端の位置7BU,7BBにおいて、図7(A)に示した結果に比べ大きい。しかし、各光束に対する複屈折量そのものは小さくなっている。
最終的な偏光状態の変化は、複屈折量と進行距離との積と、進相軸と偏光方向との角度関係によって定まるため、ロッドインテグレータ14の側面14c〜14fを(110)面に一致させた場合と、ロッドインテグレータ14の各側面14c〜14fを(100)面に一致させた場合とのどちらが有利であるかは、一概には決まらない。従って、ロッドインテグレータ14の形状(特に光軸方向の長さ)に応じて、それらの各側面の方向として最適な結晶方向(Z方向を中心とする回転角)を選択することが好ましい。
一方、ロッドインテグレータ14の長辺方向を結晶の(111)方向と一致させた場合には、上記のように直線偏光の偏光方向を保存可能なロッドインテグレータ14を形成することは困難である。
図8は、光軸(Z軸)を結晶の<111>軸と一致させた蛍石の結晶に対して、図6と同様に光軸方向(−Z方向である<−1−1−1>軸方向)に対して所定の角度で進行する光束に対して生じる複屈折特性を示したものである。(111)方向から見た場合、立方晶系の結晶は3回回転対称性を有するため、図8に示した通り複屈折特性も3回回転対称性を有する。なお、図8は、ロッドインテグレータ14のX方向の側面14c,14dは{−211}面に一致させ、従って、ロッドインテグレータ14のY方向の側面14e,14fは{0−11}面に一致した場合の複屈折特性を示している。
図8は、光軸(Z軸)を結晶の<111>軸と一致させた蛍石の結晶に対して、図6と同様に光軸方向(−Z方向である<−1−1−1>軸方向)に対して所定の角度で進行する光束に対して生じる複屈折特性を示したものである。(111)方向から見た場合、立方晶系の結晶は3回回転対称性を有するため、図8に示した通り複屈折特性も3回回転対称性を有する。なお、図8は、ロッドインテグレータ14のX方向の側面14c,14dは{−211}面に一致させ、従って、ロッドインテグレータ14のY方向の側面14e,14fは{0−11}面に一致した場合の複屈折特性を示している。
このときの、上述のX方向に周期性を有するパターンの露光に適した照明光、即ち光軸と平行な方向(−Z方向)からX方向に±29.6°傾いて進行する照明光に対する複屈折特性を、図9(A)及び図9(B)に示す。
図9(A)は、X方向に−30°傾いた方向を中心9ACとして半径約5°内に進行する光束の複屈折特性を示し、図9(B)は、X方向に+30°傾いた方向を中心9BCとして半径約5°内に進行する光束の複屈折特性を示す。複屈折の量は各黒丸を中心とする線分の長さで示し、そのスケールは各図の右下に示したスケールの通りである。
図9(A)は、X方向に−30°傾いた方向を中心9ACとして半径約5°内に進行する光束の複屈折特性を示し、図9(B)は、X方向に+30°傾いた方向を中心9BCとして半径約5°内に進行する光束の複屈折特性を示す。複屈折の量は各黒丸を中心とする線分の長さで示し、そのスケールは各図の右下に示したスケールの通りである。
図9(A)に示した結果より、X方向に−30°傾いた方向に進行する光束に対して作用する複屈折量は小さく、且つその進相軸の方向が概ねRX方向、即ちX方向に平行である。このため、Y方向の直線偏光は、その偏光状態がほとんど変化することなく上記方向に進行する。
また、図9(B)に示した結果より、X方向に+30°傾いた方向に進行する光束に対して作用する複屈折量は大きいが、その進相軸の方向は概ねRY方向、即ちY方向に平行であり、Y方向の直線偏光は上記方向への進行に際し、その偏光状態がほとんど変化しない。従って、ロッドインテグレータ14の材料として、光軸(Z軸)を結晶の(111)方向と一致させた蛍石の結晶を使用しても、1方向(上記ではX方向)に周期性を有するパターンの露光に際しては、良好な直線偏光特性を有する2極照明を実現することはできる。
また、図9(B)に示した結果より、X方向に+30°傾いた方向に進行する光束に対して作用する複屈折量は大きいが、その進相軸の方向は概ねRY方向、即ちY方向に平行であり、Y方向の直線偏光は上記方向への進行に際し、その偏光状態がほとんど変化しない。従って、ロッドインテグレータ14の材料として、光軸(Z軸)を結晶の(111)方向と一致させた蛍石の結晶を使用しても、1方向(上記ではX方向)に周期性を有するパターンの露光に際しては、良好な直線偏光特性を有する2極照明を実現することはできる。
しかしながら、実際の回路パターンの露光では、特定の露光工程ではパターンの周期性がX方向に限定されていたとしても、他の露光工程ではY方向に周期性を有するパターンを露光することが必要になる。
Y方向にピッチ130nm(ウエハ上)の周期性を有するパターンを露光するのに最適な2極照明の照明光は、上述の通りロッドインテグレータ14内を、RX=0°、RY=±29.6°の角度で進行し、X方向に直線偏光した光束である。
Y方向にピッチ130nm(ウエハ上)の周期性を有するパターンを露光するのに最適な2極照明の照明光は、上述の通りロッドインテグレータ14内を、RX=0°、RY=±29.6°の角度で進行し、X方向に直線偏光した光束である。
図9(C)は、図8においてY方向に+30°傾いた方向を中心9CCとして半径約5°内に進行する光束の複屈折特性を示し、図9(D)は、図8においてY方向に−30°傾いた方向を中心9DCとして半径約5°内に進行する光束の複屈折特性を示す。複屈折の量のスケールは、各図とも右下に示したスケールの通りである。
図9(C)及び図9(D)に示した結果通り、両光束が進行方向に対して、比較的大きな複屈折量が生じる上に、その進相軸が光束の偏光方向であるX方向、即ち図中RX方向から大きく傾いている。このため、照明光束の偏光方向は蛍石の真性複屈折により大きく影響を受け、所望の直線偏光を保つことが出来ない。
図9(C)及び図9(D)に示した結果通り、両光束が進行方向に対して、比較的大きな複屈折量が生じる上に、その進相軸が光束の偏光方向であるX方向、即ち図中RX方向から大きく傾いている。このため、照明光束の偏光方向は蛍石の真性複屈折により大きく影響を受け、所望の直線偏光を保つことが出来ない。
このように、X方向又はY方向の少なくとも一方の周期性を有するパターンに対して最適な直線偏光特性を有する2極照明を実現できないことは、(111)方向を光軸に設定した場合の複屈折特性の3回回転対称性に起因するものである。従って、それは、(111)方向を回転軸として、蛍石の結晶よりなるロッドインテグレータ14をどのように回転しても解消することのできない課題である。
従って、本例の如く、ロッドインテグレータ14に使用する光学結晶の結晶方向は、図2の照明系光軸AX2に対して(100)方向を平行にするべきである。
ところで、図10に示すような空間周波数変調型の位相シフトレチクルの露光に際しては、一般に空間的コヒーレンスの高い、いわゆる小σ照明が好ましいとされる。
図10は、空間周波数変調型の位相シフトレチクルRを表わす平面図である。図10において、透過性のレチクル基板RP上には、クロム等の遮光性の膜からなるラインパターンLC,LL1,LL2,LR1,LR2が、Y方向にピッチPTで配列されている。図10中のXY座標は、図1及び図2のレチクルR上での座標と同じである。各ラインパターンLC,LL1,LL2,LR1,LR2の長手方向はX方向に一致し、短手方向であるY方向の線幅はWDである。そして、両端のラインパターンLL2及びLR2の更に外側には、それぞれ間隔(辺間間隔)SPだけ離れて、遮光パターンCL及びCRが配置されている。
ところで、図10に示すような空間周波数変調型の位相シフトレチクルの露光に際しては、一般に空間的コヒーレンスの高い、いわゆる小σ照明が好ましいとされる。
図10は、空間周波数変調型の位相シフトレチクルRを表わす平面図である。図10において、透過性のレチクル基板RP上には、クロム等の遮光性の膜からなるラインパターンLC,LL1,LL2,LR1,LR2が、Y方向にピッチPTで配列されている。図10中のXY座標は、図1及び図2のレチクルR上での座標と同じである。各ラインパターンLC,LL1,LL2,LR1,LR2の長手方向はX方向に一致し、短手方向であるY方向の線幅はWDである。そして、両端のラインパターンLL2及びLR2の更に外側には、それぞれ間隔(辺間間隔)SPだけ離れて、遮光パターンCL及びCRが配置されている。
ラインパターンLC,LL1,LL2,LR1,LR2及び遮光パターンCRの間隔部には、その1つおきに位相シフト部PS1,PS2,PS3が形成され、その部分の透過光の位相が他のレチクル基板RPからの透過光に対して、180°シフトされる、空間周波数変調型位相シフトパターン(空間周波数変調型位相シフトレチクル)を構成している。位相シフト部PS1,PS2,PS3は、例えばレチクル基板RPをエッチングにより掘り込むことで形成される。
この場合、小σ照明とは、レチクルへの照明光の入射角度範囲が狭い照明条件である。即ち、小σ照明とは、投影光学系23のレチクル側の開口数に対するレチクルへの照明光の開口数の比の値であるコヒーレンスファクタ(σ値)が0.3程度以下に小さい照明である。位相シフトパターンに対する解像度を向上し、焦点深度を拡大するには、σ値を0.15程度まで小さくすることが必要とされる。
しかしながら、そのような小σ照明では、位相シフトパターンのピッチPTの変化により、同じパターン線幅WDのパターンであってもウエハW上に転写されるパターンの線幅が変動するという、光学的近接効果による誤差であるOPE(Optica1 Proximity Error)という問題が顕在化する。更に、特定ピッチのパターンに対する焦点深度が減少するという問題が生じる。
本例においては、このような位相シフトパターンの露光に際し、図2の瞳相当面12上での照明光量分布を図5(D)に示すように、照明系光軸AX2を中心としてX方向に広くY方向に狭い領域121で光量が大きくなるようにする。より具体的に、照明光ILのレチクルRに対する入射角度範囲を、次式のようにX方向(第1方向に対応する方向)については実効的なσ値が0.7以上と広くなり、Y方向(第2方向に対応する方向)については実効的なσ値が0.2以下と狭くなるように設定する。
X方向の実効的なσ値≧0.7 …(6)
0<Y方向の実効的なσ値≦0.2 …(7)
これによって、上記OPE及び特定ピッチにおける焦点深度の減少を、大幅に改善することが出来る。この場合、照明光のレチクルR上の所定方向についての実効的なσ値とは、その照明光のそのレチクルRへのその所定方向における入射角度の最大値の正弦(sin)に媒質の屈折率(本例ではこの屈折率は実質的に1である。)を乗じて得られる値を、投影光学系23のレチクルR側のその所定方向における開口数で割って得られる値を言う。
0<Y方向の実効的なσ値≦0.2 …(7)
これによって、上記OPE及び特定ピッチにおける焦点深度の減少を、大幅に改善することが出来る。この場合、照明光のレチクルR上の所定方向についての実効的なσ値とは、その照明光のそのレチクルRへのその所定方向における入射角度の最大値の正弦(sin)に媒質の屈折率(本例ではこの屈折率は実質的に1である。)を乗じて得られる値を、投影光学系23のレチクルR側のその所定方向における開口数で割って得られる値を言う。
以下この効果を、光学シミュレーション結果を用いて説明する。このシミュレーションで用いた光学条件は、露光波長が193nm、投影光学系23のウエハ側開口数NAが0.92である。また、用いたパターンは図10に示した位相シフトパターンであり、パターンの各寸法は、投影倍率を勘案してウエハ上での寸法に換算した値として、線幅WD=50nm、間隔SP=140nm、遮光パターンCR,CLのY方向の幅=10μm、各パターンのX方向長さ=10μmとした。そして、OPE特性及び各ピッチでの焦点深度の評価のために、ラインパターンLC,LL1,LL2,LR1,LR2のピッチPTを可変とした。
また、これらのX方向に長手方向を有するラインパターンLC,LL1,LL2,LR1,LR2に対して結像性能を向上するために、照明光の偏光状態をX方向(第1方向)の直線偏光とした。これらの条件は、以下の本例の照明条件でのシミュレーション、及び比較のために示した従来の照明条件でのシミュレーションにおいて同様である。
続いてシミュレーションの手法について説明する。
続いてシミュレーションの手法について説明する。
図11は、図10に示したレチクルパターンを本例の投影露光装置を使用してウエハ上に投影した際に生じる投影像のうち、図10中のA−A’線に沿う断面部分での像強度分布Imgを光学シミュレーションにより求めたものを表わす。図11において、図10中の中心にあるラインパターンLCがウエハ上に転写されたときの線幅は、像強度分布ImgのうちのラインパターンLCに対応する部分(暗部IC)を、所定のスライスレベルSLで横切った場合のスライス幅PWとして算出できる。この手法を使用して、以下の方法でシミュレーション評価を行なった。
OPE特性の評価では、各照明条件において始めにラインパターンLC等のピッチPTが600nmの場合の像強度分布Imgを算出し、その像の暗部ICのスライス幅PWを35nmとするスライスレベルSLを求める。
続いてピッチPTを可変として各ピッチPTにおける像強度分布Imgを算出し、各像の暗部ICの、上記スライスレベルSLでのスライス幅から転写パターンの線幅PWを求める。これにより、転写パターンの線幅PWとパターンピッチPTとの関係が求まる。
続いてピッチPTを可変として各ピッチPTにおける像強度分布Imgを算出し、各像の暗部ICの、上記スライスレベルSLでのスライス幅から転写パターンの線幅PWを求める。これにより、転写パターンの線幅PWとパターンピッチPTとの関係が求まる。
DOF(焦点深度)の評価においても、ラインパターンLC等のピッチPTを変化させ、各ピッチPTでの焦点深度を計算して、DOF対ピッチPTの関係を求めた。DOFの算出には、ED−Tree法(例えば文献2(Burn J. Lin et al. :"Methods to Print Optical Images at Low-k1 Factors", SPIE Vol.1264, pp.2-13(1990))に記載されている。)を応用した。その際に目標線幅は35nmとし、想定した誤差は、許容線幅誤差を±2.8nm、露光量誤差を±2.5%とした。パターンは、レチクル線幅に+3nmの製造誤差を想定したWD=53nmのパターンと、レチクル線幅に−3nmの製造誤差を想定したWD=47nmのパターンとを想定し、その共通焦点深度を求めた。
なお、OPE、DOF共に、図10中のパターンから、ラインパターンLL1,LL2,LR1,LR2の4本を除去し、遮光パターンCL,CRを、中心のラインパターンLCとの辺間間隔がSPとなるように中心側にシフトした変形パターンである「1本パターン」についても評価を行なった。
以下、その結果について、図12、図13、図14を用いて説明する。
以下、その結果について、図12、図13、図14を用いて説明する。
従来の露光方法であるσ=0.15の通常の照明の使用を想定したOPE及びDOFのシミュレーション結果は、それぞれ図13(A)及び図13(B)に示した図の通りである。
露光対象とするレチクルパターンが、空間周波数変調型位相シフトパターンであるので、σ=0.15の小σ照明では、図13(B)に示した通り、パターンピッチPT(横軸)が140nmから200nmの微小ピッチパターンにおいて、大DOF(縦軸)を得ることができる。しかしながら、中程度のピッチPTである290nmから340nm程度の範囲において、DOFが150nmを下回り、いわゆる特定のピッチを有するパターンでの焦点深度の低下が生じている。
露光対象とするレチクルパターンが、空間周波数変調型位相シフトパターンであるので、σ=0.15の小σ照明では、図13(B)に示した通り、パターンピッチPT(横軸)が140nmから200nmの微小ピッチパターンにおいて、大DOF(縦軸)を得ることができる。しかしながら、中程度のピッチPTである290nmから340nm程度の範囲において、DOFが150nmを下回り、いわゆる特定のピッチを有するパターンでの焦点深度の低下が生じている。
DOFを150nm以上確保することは、LSIの量産においては、歩留まりの確保のために極めて重要であり、150nm未満のDOFでは、その露光技術を量産に通用することは困難である。この結果、この従来の露光方法で、回路パターンを形成するためには、回路パターンの設計(レイアウト)に制約を加え、この範囲のピッチを持つパターンを排除する必要が生じる場合がある。
また、図13(A)に示した通り、パターンピッチPT(横軸)の変化に伴う転写線幅PW(縦軸)の変化は大きく、その変化幅は、ピッチPTが250nmから600nmの範囲のパターンに対して、10.5nmにも達してしまう。なお、図13(A)、図13(B)に示した図中の横軸の右端のIso及び黒丸は、前述の1本パターンでのシミュレーション結果を表わすものであり、以下の図でも同様である。
一方、従来のσ=0.30の通常の照明の使用を想定したOPE及びDOFのシミュレーション結果は、それぞれ図14(A)及び図14(B)に示した図の通りである。照明σ値を0.3まで拡大したことにより、照明光の空間的コヒーレンスが低減したため、図14(A)に示したOPE特性は、図13(A)に示したものに比ベピッチPTの変化に対する転写線幅PWの変動が減少し改善する。数値的には、ピッチPTが250nmから600nmの範囲での転写線幅PWの変化幅は、5.5nmに減少している。
しかしながら、照明σ値の拡大によりDOFは減少し、ピッチPTが260nm以下のパターンについては、DOFが150nmを下回り、微細ピッチパターンの転写は、極めて困難となってしまう。
これに対して、本例の照明条件の一例として、X方向の実効的なσ値を0.85,Y方向の実効的なσ値を0.15とした場合のOPE及びDOFのシミュレーション結果は、図12(A)及び図12(B)に示した図の通りとなる。即ち、OPE特性は、図12(A)に示した通りであり、ピッチPTが250nmから600nmの範囲での転写線幅PWの変化幅は5.5nmと、図14(A)に示した従来のσ=0.3の照明での場合と同等に小さく良好である。
これに対して、本例の照明条件の一例として、X方向の実効的なσ値を0.85,Y方向の実効的なσ値を0.15とした場合のOPE及びDOFのシミュレーション結果は、図12(A)及び図12(B)に示した図の通りとなる。即ち、OPE特性は、図12(A)に示した通りであり、ピッチPTが250nmから600nmの範囲での転写線幅PWの変化幅は5.5nmと、図14(A)に示した従来のσ=0.3の照明での場合と同等に小さく良好である。
また、図12(B)に示した通り、ピッチPTが140nmから600nmのすべての範囲と、図12(B)中右端にIsoとして示した1本パターンの何れにおいても、150nm以上のDOFが確保されている。
以上より、本例の照明条件では、OPEをより小さく抑え、且つ広範なピッチPTのパターンに対して、実用的な焦点深度を持って、その露光転写が可能となることが分かる。
以上より、本例の照明条件では、OPEをより小さく抑え、且つ広範なピッチPTのパターンに対して、実用的な焦点深度を持って、その露光転写が可能となることが分かる。
なお、この例では、照明光のレチクルへの入射角度範囲を、X方向の実効的なσ値を0.85、Y方向の実効的なσ値を0.15としたが、本例の照明光のレチクルへの入射角度範囲は、この値に限られるものではない。即ち、X方向の実効的なσ値が0.7以上であり、Y方向の実効的なσ値が0.2以下であれば、上記効果を発揮することが可能となる。
このような、長方形形状の照明光量分布を瞳相当面12上に形成するには、図1の回折光学素子9aとして、Y方向に長手方向を有し、X方向に所定の範囲で異なるピッチを有する位相型回折格子群を使用することが好ましい。この回折格子群は、その面内の位置に応じて、そこに形成される位相格子のピッチが異なるものである。
ところで、図5(D)に示した照明光量分布の光量の大きい領域121の形状は、X方向に長い長方形形状に限られるわけではなく、位相シフトパターンがY方向に長手を有し、X方向に周期性を有するパターンであるなら、Y方向に長い長方形形状とするべきであり、その場合には直線偏光の偏光方向もY方向とすべきことは言うまでもない。
ところで、図5(D)に示した照明光量分布の光量の大きい領域121の形状は、X方向に長い長方形形状に限られるわけではなく、位相シフトパターンがY方向に長手を有し、X方向に周期性を有するパターンであるなら、Y方向に長い長方形形状とするべきであり、その場合には直線偏光の偏光方向もY方向とすべきことは言うまでもない。
もちろん、本例の投影露光装置においては、図5(D)のような照明光量分布を有する照明光を、上記所望の直線偏光状態を保ったままレチクルRに照射することが可能である。図2の瞳相当面12上において、図5(D)に示した光量分布に相当する光束は、光軸方向を蛍石の結晶の(100)方向に一致させ、且つ側面14c〜14fを蛍石の結晶の(100)面に一致させたロッドインテグレータ14における、光束の進行方向と複屈折特性との関係を表わす図6中において、ほぼ横軸(−RX〜+RX)上に分布する。そして、この領域における進相軸は、ほぼRX方向、即ちX方向に平行であるから、偏光方向がX方向である照明光は、ほとんど偏光状態が変化されること無くロッドインテグレータ14内を進行し、レチクルRを所望の直線偏光(ここではX方向への直線偏光)で照明することができる。
これは、図5(D)の光量分布を90°回転した形の光量分布を有し、且つY方向に直線偏光とされた照明光に対しても、ほぼ同様に成立し、その照明光によってレチクルRを所望の直線偏光(ここではY方向への直線偏光)で照明することができる。
なお、本例の投影露光装置は、図10に示した空間周波数変調型の位相シフトレチクルや図5(E)に示した1次元のライン・アンド・スペースパターンを露光する場合のみに使用されるわけではなく、他の形状のパターンの露光に際しても使用されるものである。
なお、本例の投影露光装置は、図10に示した空間周波数変調型の位相シフトレチクルや図5(E)に示した1次元のライン・アンド・スペースパターンを露光する場合のみに使用されるわけではなく、他の形状のパターンの露光に際しても使用されるものである。
そこで、図1のターレット状の部材8上に複数配列する回折光学素子9a,9b等の中には、通常のσ値が0.7程度の照明を実現するための素子や、同程度のσ値であって輪帯照明を実現するための素子も設置しておき、交換機構10により切り替え使用を可能としておくことが望ましい。また、1枚のウエハWの露光を、2枚のレチクルを交換して、且つその照明条件を上記各種照明条件の何れかから選んで交換しつつ露光を行なえるように、レチクルRの高速交換機構を設けておくことが好ましい。
なお、照明条件によっては、照明光がランダム偏光である方が望ましい場合も存在する。また、上述の通り、直線偏光の偏光方向をX方向又はY方向に切り替λる必要も生じる。本例の投影露光装置では、このような偏光状態の制御を、図1の照明光学系ILS中の偏光制御部材4で行なう。以下、偏光制御部材4について説明する。
図1において、露光光源1としてエキシマーレーザやフッ素レーザを使用する場合、露光光源1から射出される照明光ILは、元々概ね直線偏光となっている。そこで、偏光制御部材4としては、その直線偏光の偏光方向を所望の方向に変換(回転)する部材を使用すれば良い。即ち、偏光制御部材4は、例えば水晶(二酸化珪素結晶)やフッ化マグネシウム結晶等の複屈折性を有する光学材料からなる1/2波長板を、照明系光軸AX1を中心として回転可能に設置することで実現できる。この場合、レチクルRに照明される照明光ILの偏光方向は、この1/2波長板の回転角度の設定により制御できる。
図1において、露光光源1としてエキシマーレーザやフッ素レーザを使用する場合、露光光源1から射出される照明光ILは、元々概ね直線偏光となっている。そこで、偏光制御部材4としては、その直線偏光の偏光方向を所望の方向に変換(回転)する部材を使用すれば良い。即ち、偏光制御部材4は、例えば水晶(二酸化珪素結晶)やフッ化マグネシウム結晶等の複屈折性を有する光学材料からなる1/2波長板を、照明系光軸AX1を中心として回転可能に設置することで実現できる。この場合、レチクルRに照明される照明光ILの偏光方向は、この1/2波長板の回転角度の設定により制御できる。
一方、露光光源1が、水銀ランプやランダム偏光レーザのように直線偏光以外の光束を発する場合には、偏光制御部材4として所定方向の直線偏光光のみを透過する偏光フィルタや偏光ビームスプリッタ等を使用することができる。但し、レチクルRへ照射される照明光を完全な直線偏光にしなくても、照明光強度の大部分(例えば80%程度以上)を所定の直線偏光とすれば、上記の本例の効果は発揮できるので、上記偏光フィルタや偏光ビームスプリッタの偏光選択比は、80%程度以上あれば十分である。
ところで、上述の通りレチクル上に照明される照明光の偏光状態を非偏光とすることが好ましい場合もある。この場合には、本例の投影露光装置の偏光制御部材4は、着脱可能であったり、非偏光の照明光をも生成可能な構成としておくことが望ましい。
例えば、露光光源1が概ね直線偏光の光束を発するレーザ光源である場合、偏光制御部材4として、照明系光軸AX1に対して直列に配置する2枚の1/4波長板を使用し、光軸AX1を回転中心として2枚の波長板をそれぞれ回転することにより、射出される光束を直線偏光としたり円偏光(即ち実質的に非偏光)としたりすることができる。
例えば、露光光源1が概ね直線偏光の光束を発するレーザ光源である場合、偏光制御部材4として、照明系光軸AX1に対して直列に配置する2枚の1/4波長板を使用し、光軸AX1を回転中心として2枚の波長板をそれぞれ回転することにより、射出される光束を直線偏光としたり円偏光(即ち実質的に非偏光)としたりすることができる。
なお、回折光学素子9a,9b等の設計や製造方法によっては、図2の瞳相当面12上の照明光量分布の一例である、例えば図5(B)の2つの領域12f,12gで光量の大きい光量分布等において、所定の位置(領域12f,12g等があるべき位置)以外にも不要な光量分布が生じてしまう場合がある。そこで、瞳相当面12の近傍に交換可能な絞り(変形絞り)を設けて、回折光学素子9a,9b等の交換に応じて、この変形絞りも交換して配置し、所望の光量分布のみを選択的に透過し、不要な光量分布を遮光するものとすることもできる。
ところで、上記実施形態では、図2のロッドインテグレータ14への照明光束の入射角度範囲を規定し且つ可変とする角度可変機構として、図1の回折光学素子9a,9b及び交換機構10を含む機構を使用するとしたが、この角度可変機構は、これに限らず他の部材を使用することも可能である。
例えば、図15に示すように、射出面41bが凹型形状である第1の多面体プリズム41を露光光源側に配置し、入射面42aが凸型形状である第2の多面体プリズム42をロッドインテグレータ側に配置した多面体プリズム対を使用してもよい。この場合、その多面体プリズム対を照明系光軸AX2を中心に回転可能とし、その多面体プリズム対の間隔DDを可変とすることにより、瞳相当面12上での照明光束の分布を可変とすることもできる。
例えば、図15に示すように、射出面41bが凹型形状である第1の多面体プリズム41を露光光源側に配置し、入射面42aが凸型形状である第2の多面体プリズム42をロッドインテグレータ側に配置した多面体プリズム対を使用してもよい。この場合、その多面体プリズム対を照明系光軸AX2を中心に回転可能とし、その多面体プリズム対の間隔DDを可変とすることにより、瞳相当面12上での照明光束の分布を可変とすることもできる。
なお、上記実施形態中において、図2のロッドインテグレータ14の構造は直方体としているが、特に入射面14a側はその周辺部に多少の面取り等があっても構わない。従って、ロッドインテグレータ14は、概ね直方体形状をしていれば良い。
次に、上記の実施の形態の投影露光装置を使用した半導体デバイスの製造工程の一例につき図16を参照して説明する。
次に、上記の実施の形態の投影露光装置を使用した半導体デバイスの製造工程の一例につき図16を参照して説明する。
図16は、半導体デバイスの製造工程の一例を示し、この図16において、まずシリコン半導体等からウエハWが製造される。その後、ウエハW上にフォトレジストを塗布し(ステップS10)、次のステップS12において、上記の実施の形態(図1)の投影露光装置のレチクルステージ上にレチクル(仮にR1とする)をロードし、走査露光方式でレチクルR1のパターン(符号Aで表わす)をウエハW上の全部のショット領域SEに転写(露光)する。この際に必要に応じて二重露光が行われる。なお、ウエハWは例えば直径300mmのウエハ(12インチウエハ)であり、ショット領域SEの大きさは一例として非走査方向の幅が25mmで走査方向の幅が33mmの矩形領域である。次に、ステップS14において、現像及びエッチングやイオン注入等を行うことにより、ウエハWの各ショット領域SEに所定のパターンが形成される。
次に、ステップS16において、ウエハW上にフォトレジストを塗布し、その後ステップS18において、上記の実施の形態(図1)の投影露光装置のレチクルステージ上にレチクル(仮にR2とする)をロードし、走査露光方式でレチクルR2のパターン(符号Bで表わす)をウエハW上の各ショット領域SEに転写(露光)する。そして、ステップS20において、ウエハWの現像及びエッチングやイオン注入等を行うことにより、ウエハWの各ショット領域に所定のパターンが形成される。
以上の露光工程〜パターン形成工程(ステップS16〜ステップS20)は所望の半導体デバイスを製造するのに必要な回数だけ繰り返される。そして、ウエハW上の各チップCPを1つ1つ切り離すダイシング工程(ステップS22)や、ボンディング工程、及びパッケージング工程等(ステップS24)を経ることによって、製品としての半導体デバイスSPが製造される。
本例のデバイス製造方法によれば、上記の実施形態の照明条件で露光を行っているため、従来に比べてより高集積な半導体集積回路を歩留まり良く製造することが可能となる。そして、以上の効果により、本例のデバイス製造方法によれば、より高集積で高性能な半導体集積回路を、安価に製造することが可能となる。
また、上記の実施の形態の投影露光装置は、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記の実施の形態の投影露光装置は、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、本発明は、走査露光型の投影露光装置のみならず、ステッパー等の一括露光型の投影露光装置にも適用することができる。また、使用される投影光学系の倍率は、縮小倍率のみならず、等倍や拡大倍率であってもよい。更に、本発明は、例えば国際公開(WO)第99/49504号などに開示される液浸型露光装置にも適用することができる。
また、本発明の投影露光装置の用途としては半導体デバイス製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(X線マスクを含むフォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
また、本発明の投影露光装置の用途としては半導体デバイス製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(X線マスクを含むフォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明のデバイス製造方法によれば、半導体集積回路等の各種デバイスの性能を向上することが可能となり、また各種デバイスの製造コストを低減することが可能となる。
R…レチクル、W…ウエハ、ILS…照明光学系、AX2…照明系光軸、1…露光光源、4…偏光制御部材、8…ターレット状の部材、9a,9b…回折光学素子、10…交換機構、12R(12)…瞳相当面、14R(14)…ロッドインテグレータ、23…投影光学系、41,42…多面体プリズム
Claims (18)
- 光源からの照明光を第1物体に照射する照明光学系と、前記第1物体の像を第2物体上に投影する投影光学系とを有する投影露光装置において、
前記光源と前記第1物体との間の一部の光路上で、前記照明光の少なくとも一部を内面反射させるために、前記照明光学系は、立方晶系の結晶からなり該結晶の(100)方向を長辺方向とする実質的に直方体のロッド型インテグレータを有し、
前記ロッド型インテグレータの長辺方向は、前記照明光学系の光軸に実質的に平行に配置されると共に、
前記ロッド型インテグレータに入射する照明光は、前記ロッド型インテグレータの長辺方向に沿った2組の平行な側面のうちの、一方の平行な側面に垂直な第1方向又は他方の平行な側面に垂直な第2方向の何れか一方を電場方向とする直線偏光光を主成分とすることを特徴とする投影露光装置。 - 前記ロッド型インテグレータの前記側面が、前記結晶の(100)面に実質的に一致していることを特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
- 前記ロッド型インテグレータの前記側面が、前記結晶の(110)面に実質的に一致していることを特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
- 前記照明光学系は、前記照明光の前記ロッド型インテグレータへの入射角度範囲を可変とする角度可変機構を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の投影露光装置。
- 前記角度可変機構は、回折光学素子を含むことを特徴とする請求項4に記載の投影露光装置。
- 前記角度可変機構は、前記回折光学素子を別の回折光学素子と交換する機構を含むことを特徴とする請求項5に記載の投影露光装置。
- 前記角度可変機構は、多面体プリズムを含むことを特徴とする請求項4に記載の投影露光装置。
- 前記角度可変機構は、ズーム光学系を更に含むことを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の投影露光装置。
- 前記角度可変機構は、前記照明光の前記第1物体に対する入射角度範囲を、前記第1方向に対応する方向に離れた複数の離散的な範囲に制限する角度制限機構を更に有すると共に、
前記ロッド型インテグレータに入射する照明光は、前記第2方向を電場方向とする直線偏光光を主成分とすることを特徴とする請求項4〜8の何れか一項に記載の投影露光装置。 - 前記角度可変機構は、前記照明光の前記第1物体に対する入射角度範囲として、
前記第1方向に対応する方向についての実効的なσ値が0.7以上となり、
前記第2方向に対応する方向についての実効的なσ値が0.2以下となる条件を含むと共に、
前記ロッド型インテグレータに入射する照明光は、前記第1方向を電場方向とする直線偏光光を主成分とすることを特徴とする請求項4〜8の何れか一項に記載の投影露光装置。 - 前記立方晶系の結晶は、フッ化物結晶であることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の投影露光装置。
- 前記フッ化物結晶は、フッ化カルシウム結晶であることを特徴とする請求項11に記載の投影露光装置。
- 前記照明光は、波長が200nm以下の紫外光であることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の投影露光装置。
- 前記照明光は、ArFエキシマーレーザの発する波長193nmの紫外光であることを特徴とする請求項13に記載の投影露光装置。
- 請求項1〜14の何れか一項に記載の投影露光装置を用いて、前記第1物体としてのマスクのパターンの像で前記第2物体としての感光体を露光することを特徴とする露光方法。
- 前記マスクのパターンは矩形パターンを含み、前記矩形パターンの長手方向は、前記第2方向に対応する方向に実質的に一致していることを特徴とする請求項15に記載の露光方法。
- 前記マスクのパターンは、空間周波数変調型の位相シフトパターンを含み、前記位相シフトパターンの長手方向は、前記第1方向に対応する方向に実質的に一致していることを特徴とする請求項15に記載の露光方法。
- リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
前記リソグラフィ工程で請求項15〜18の何れか一項に記載の露光方法を用いてパターンを感光体に転写することを特徴とするデバイス製造方法。
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