JP2005116446A - ペダルスイッチにおける夾雑物の付着防止構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 部品点数及び組立工数の増加を招かずに、ペダルスイッチにおけるプランジャの摺動部に塵埃などの夾雑物が付着することを防止する。
【解決手段】 車体側に揺動自在に支持されたペダルレバー２の非操作時にプランジャの先端が当接するストッパ９に、ガイド部材１４及びプランジャ１５の先端部を覆うカバー（カップ形をなす部分９ａ）を一体に設ける。これにより、ペダルレバーの非操作時は、ガイド部材及びプランジャの先端部が常にカバーで覆われるので、塵埃などの夾雑物がプランジャの摺動部に付着せずに済む。特に、カバーをストッパに一体形成し得るので、部品点数および組立工数の増加を招かずに済む。
【選択図】 図２

Description

本発明は、ペダルの作動状態を検出するためのペダルスイッチにおける夾雑物の付着防止構造に関するものである。

車体後部に設けられたストップランプを、ブレーキペダルに連動して点灯させるために、ブレーキペダルが踏み込まれたことを検出するペダルスイッチが自動車には設けられている。このペダルスイッチは、固定接点が組み込まれ且つ車体側に固定されたケーシングと、ケーシングに一体形成された筒状をなすガイド部材に摺合し且つ可動接点と連動連結されたプランジャとからなり、ガイド部材の先端開口から突出したプランジャのブレーキペダルの揺動運動に連動した進退移動により、固定接点と可動接点との間の電気的な導通を断続させるようになっている。

このペダルスイッチとして、柔軟な膜からなるシール部材を接点取付部の直前に装着し、塵埃などの夾雑物が接点部に侵入して接触不良を起こすことを防止するようにした構造が知られている（特許文献１の第６図を参照されたい）。
特公平６−１０１２７２号公報

しかるに、上記従来の構造によると、プランジャのガイド部材から突出した部分に塵埃などが付着することは防止し得ないので、この部分に摺動不良が発生する可能性は払拭できない上、元来が小さな部品で成り立っているこの種のスイッチの内部に更にシール部材を組み込むことは、部品点数及び組立工数の増加を招き、スイッチの製造コストの増大に繋がるという不都合がある。

このような課題を解決し、部品点数及び組立工数の増加を招かずに、ペダルスイッチ７におけるプランジャ１５の摺動部に夾雑物が付着し難くするために、本発明の請求項１は、車体側に揺動自在に支持されたペダルレバー２の非操作時にプランジャの先端が当接するストッパ９に、ガイド部材及びプランジャの先端部を覆うカバー（カップ形をなす部分９ａ）を一体に設けたことを特徴とするものとした。

また本発明の請求項２は、上記の構成におけるカバーの内径寸法を、ガイド部材の先端部を緩く受容できる大きさとした。

このような本発明によれば、ペダルレバーの非操作時は、ガイド部材及びプランジャの先端部が常にカバーで覆われるので、塵埃などの夾雑物がプランジャの摺動部に付着せずに済む。特に、カバーをストッパに一体形成し得るので、別部材のカバーをスイッチに組み付ける必要が無いため、部品点数および組立工数の増加を招かずに済む。またカバーの内周径を相対的に大きくすることにより、各部材間の位置精度のばらつきに左右されずにストッパを組み付けることができる。

以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。

図１は、本発明が適用されたブレーキペダルの周辺を示している。このブレーキペダル１のレバー２は、ダッシュボードアッパ３の内面に固定されたペダルブラケット４に、その上端がピン５をもって揺動可能に支持されている。そしてレバー２の中間部が、図示されないマスターシリンダのピストンに連結されている。

ペダルブラケット４の上部には、スイッチブラケット６が一体的に設けられており、本発明に係るペダルスイッチ７が、このスイッチブラケット６に取り付けられている。

レバー２の側面には、ストッパブラケット８が溶接付けされている。このストッパブラケット８には、ペダルスイッチ７の取付位置と対応する位置に、比較的軟質なゴム材で形成されたストッパ９が取り付けられている。

ペダルスイッチ７は、図２に詳しく示したように、両端が開口し、且つ軸方向中間部に隔壁１１が設けられた筒状のケーシング１２と、ケーシング１２の一方の開口を塞ぐカバー１３と、カバー１３に一体形成された小径の筒状をなすガイド部１４に摺合したプランジャ１５と、ケーシング１２の一方の開口面側に設けられた固定接点１６と、中間隔壁１１と固定接点１６との間にコイルばね１７によって弾発的に浮動支持された可動接点１８と、プランジャ１５を突出方向へ弾発付勢するコイルばね１９と、固定接点１６に連結され、且つケーシング１２の他方の開口側に内設された端子ピン２０とからなっている。そしてケーシング１２の他方の開口側が、ストップランプ回路（図示せず）に固定接点を接続する雄カプラＣをなしている。

プランジャ１５は、ガイド部１４の開口からその先端を幾分か突出させた状態で抜け止めされており、コイルばね１９の弾発力に抗してプランジャ１５を押し込むことにより、プランジャ１５の内側端に押されて可動接点１８が固定接点１６から離間し、電気的な導通が断たれるようになっている。

このペダルスイッチ７は、ガイド部１４の外周面に形成された雄ねじを合成樹脂製のクリップ２１に形成された雌ねじに螺合することにより、スイッチブラケット６に固定される。

これにより、ブレーキペダル１の非操作時は、レバー２に設けられたストッパ９に当接してペダルスイッチ７のプランジャ１５が押し込まれ、ストップランプ回路への通電が断たれてストップランプが消灯する。そしてブレーキペダル１を踏み込むと、プランジャ１５の先端からストッパ９が離れてプランジャ１５が突出し、可動接点１８が固定接点１６に接触してストップランプ回路への電流が流れてストップランプが点灯する。

ストッパ９は、一方が開放されたカップ形をなし、その底壁９ｂがストッパブラケット８に取り付けられており、ブレーキペダル１の非操作時は、その底壁９ｂの内面にプランジャ１５の先端が当接するようになっている。そしてカップ形をなす部分９ａの内方にプランジャ１５及びガイド部１４の先端部を緩く受容するようになっている。このように、カップ形をなす部分９ａの内周径寸法を、ガイド部１４の先端部を緩く受容できる大きさとすることにより、各部材間の位置精度のばらつきに左右されずにストッパ９を組み付けることができる。

このストッパ９によると、ブレーキペダル１の非操作時は、ストッパ９のカップ形をなす部分９ａの内方に受容されてガイド部１４の開口端とプランジャ１５の先端部とが覆い隠されるため、プランジャ１５の摺動部に塵埃などの夾雑物が付着することが防止される。

ブレーキペダル１を踏み込んでいる間は、ガイド部１４の開口端およびプランジャ１５の先端部は露出するが、隠蔽されている時間に比して露出時間は圧倒的に少ないので、この間に及ぼされる影響は殆ど無視し得る。

以上、プランジャ１５に外力が加わると接点が開く、所謂常閉接点を持つスイッチを例示して本発明を詳しく説明したが、本発明は上記に限定されず、プランジャ１５に外力が加わると接点が閉じるように構成された常開接点のスイッチにも等しく適用可能である。更に、上記実施例は、ペダルストロークの初期に接点が閉じるものに対する適用例のみを上げたが、本発明は、例えば、クラッチペダルを一杯に踏み込まないとエンジンが始動できないようにするクラッチインターロック機構のように、ペダルが一杯に踏み込まれた時に接点が閉じるように構成されたものにも適用可能である。

本発明にかかるペダルスイッチにおける夾雑物の付着防止構造は、部品点数及び組立工数の増加を招かずに、ペダルスイッチにおけるプランジャの摺動部に塵埃などの夾雑物が付着することを防止し得るので、プランジャ式リミットスイッチ等の防塵構造として有用である。

本発明が適用されたブレーキペダル周辺の側面図である。 本発明が適用されたペダルスイッチの断面図である。

符号の説明

１ ブレーキペダル
２ レバー
７ ペダルスイッチ
９ ストッパ
９ａ カップ状部分
１４ ガイド部
１５ プランジャ

Claims (2)

1. 車体側に揺動自在に支持されたペダルレバーの作動状態を検出すべく、車体側に固定されたガイド部材に摺動自在に支持されたプランジャを備えるペダルスイッチにおける夾雑物の付着防止構造であって、
   前記ペダルレバーの非操作時に前記プランジャの先端が当接するストッパを設け、該ストッパに、前記ガイド部材及び前記プランジャの先端部を覆うカバーを一体に設けたことを特徴とするペダルスイッチにおける夾雑物の付着防止構造。
2. 前記カバーの内径寸法が、前記ガイド部材の先端部を緩く受容できる大きさであることを特徴とする請求項１に記載のペダルスイッチにおける夾雑物の付着防止構造。

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